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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】両端スティック機構
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240621BHJP
   A45D 40/06 20060101ALI20240621BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A45D40/00 M
A45D40/00 T
A45D40/06 B
B65D83/00 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023519998
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021056520
(87)【国際公開番号】W WO2022093726
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】17/081,314
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チエン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-104915(JP,U)
【文献】特表2020-524582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
A45D 40/06
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端スティック機構であって、
内側本体であって、
開放された頂部及び開放された底部を有する円筒状側壁と、
前記円筒状側壁を通過する長手方向トラックと、
内向きに突出し、前記内側本体の前記開放された頂部の周囲の周りに等間隔で離隔された第1の組の歯と、
内向きに突出し、前記内側本体の前記開放された底部の周囲の周りに等間隔で離隔された第2の組の歯と、を備える、内側本体と、
前記内側本体内を進むホルダーカップであって、
リザーバを画定する円筒状壁と、前記円筒状壁から直角に延在するラグと、を備え、
前記ラグが、前記内側本体の前記長手方向トラックを通って延在するのに十分な長さであり、
前記リザーバが、前記ホルダーカップからそれぞれ反対の方向に延在する2つのスティック製品を保持することができる、ホルダーカップと、
カムスリーブであって、
開放された頂部と、開放された底部と、中間点と、内面と、を有する中空円筒状本体を備え、
前記内面が、前記中空円筒状本体の前記開放された頂部付近から始まり、1~3回転して前記中空円筒状本体の前記底部付近で終わる螺旋溝を有し、
前記カムスリーブは、前記ホルダーカップの前記ラグが前記螺旋溝内に位置するように、前記内側本体の外側に装着される、カムスリーブと、
第1のAシェルであって、円筒状側壁と、開放された上端と、開放された下端と、を備え、前記第1のAシェルの前記開放された下端が、前記カムスリーブの前記開放された頂部の上を摺動し、前記第1のAシェル及び前記カムスリーブが、一体となって回転する、第1のAシェルと、
第2のAシェルであって、円筒状側壁と、開放された上端と、開放された下端と、を備え、前記第2のAシェルの前記開放された下端が、前記カムスリーブの前記開放された底部の上を摺動し、前記第2のAシェル及び前記カムスリーブが、一体となって回転する、第2のAシェルと、
第1のオーバーキャップであって、
前記第1のAシェルの前記開放された上端の上を摺動する、開放された底部を有する円筒状側壁と、
第1のボタンであって、前記内側本体の前記開放された頂部内に延在する多数の垂直溝を有し、そのため、前記内側本体の前記第1の組の歯が、前記第1のボタンの前記垂直溝内に位置付けられる、第1のボタンと、を備え、
前記第1のボタンを押すことにより、前記第1のオーバーキャップの前記円筒状側壁に対する前記内側本体の長手方向変位がもたらされる、第1のオーバーキャップと、
第2のオーバーキャップであって、
前記第2のAシェルの前記開放された上端の上を摺動する、開放された底部を有する円筒状側壁と、
第2のボタンであって、前記内側本体の前記開放された底部内に延在する多数の垂直溝を有し、そのため、前記内側本体の前記第2の組の歯が、前記第2のボタンの前記垂直溝内に位置付けられる、第2のボタンと、を備え、
前記第2のボタンを押すことにより、前記第2のオーバーキャップの前記円筒状側壁に対する前記内側本体の長手方向変位がもたらされる、第2のオーバーキャップと、を備える、両端スティック機構。
【請求項2】
前記内側本体が、
前記長手方向トラックから延在する上部水平トラック及び下部水平トラックを更に備え、前記上部水平トラック及び前記下部水平トラックのうちの少なくとも1つが、前記内側本体の前記開放された頂部又は前記開放された底部上に開くノッチと交差する、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項3】
前記内側本体が、
前記長手方向トラックの中間点の上方及び下方に短い距離で位置する2つのバンプを更に備え、前記バンプが、前記ホルダーカップの移動に対する抵抗を提供するために前記長手方向トラック内に突出する、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項4】
前記内側本体の前記開放された頂部には上部リムが形成されており、前記内側本体の前記開放された底部には下部リムが形成されており、そのため、両方のリムが、前記内側本体の前記円筒状側壁から張り出し、前記カムスリーブが、前記上部リムと前記下部リムとの間に捕捉される、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項5】
前記第1のオーバーキャップが、気密シールを形成するように前記第1のAシェルを把持する隆起リングを有し、前記第2のオーバーキャップが、気密シールを形成するように前記第2のAシェルを把持する隆起リングを有する、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項6】
前記螺旋溝が、1回転、1と1/4回転、1と1/2回転、1と3/4回転、2回転、2と1/4回転、2と1/2回転、2と3/4回転、又は3回転する、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項7】
前記カムスリーブが、前記カムスリーブの前記中間点に位置する環状停止部を有する外面を更に備え、
前記第1のAシェル及び前記第2のAシェルが、前記環状停止部上で底に達する、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項8】
前記第1のオーバーキャップ及び前記第2のオーバーキャップが、非円形境界に沿って交わる、請求項7に記載の両端スティック機構。
【請求項9】
前記第1のオーバーキャップの前記開放された底部の一部分、及び前記第2のオーバーキャップの前記開放された底部の一部分が、前記カムスリーブの前記環状停止部の上に、前記環状停止部を越えて延在する、請求項8に記載の両端スティック機構。
【請求項10】
第1の組の1つ以上の隆起ビードが、前記カムスリーブの前記環状停止部の上に、前記環状停止部を越えて延在する前記第1のオーバーキャップの前記開放された底部の前記一部分上に位置付けられ、
第2の組の1つ以上の隆起ビードが、前記カムスリーブの前記環状停止部の上に、前記環状停止部を越えて延在する前記第2のオーバーキャップの前記開放された底部の前記一部分上に位置付けられ、そのため、
前記第1の組の隆起ビードと前記環状停止部との間、及び前記第2の組の隆起ビードと前記環状停止部との間に干渉が存在する、請求項9に記載の両端スティック機構。
【請求項11】
前記ホルダーカップが、前記ホルダーカップの前記円筒状壁を通過する1つ以上の通気孔を更に備える、請求項1に記載の両端スティック機構。
【請求項12】
前記ホルダーカップの前記リザーバが、仕切りによって上部リザーバと下部リザーバとに分割され、各リザーバが、スティック製品の一部分を受容して保持することができる、請求項1に記載の両端スティック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティック形態の化粧品などの2つの消費者製品を収容するための容器に関する。より詳細には、本発明は、スティック製品の一方又はもう一方が、スティック製品を消費者が適用することができる前進位置と、使用と使用の間に製品を保管するための後退位置との間で移動されることを可能にする両端機構に関する。
【背景技術】
【0002】
スティック製品のための先行技術の容器は、その底端部に配置された回転可能な部材を有するシリンダを含むことができる。スティック製品はホルダーカップ内に受容され、ホルダーカップはシリンダ内に配置される。回転可能な部材がシリンダに対して回転することにより、シリンダ内部の機構がスティック製品を回転する部材から離れる方向に長手方向に前進させ、そのため、スティック製品の一部分がシリンダの上方に露出する。このようにして、製品の露出部分が、適用するために利用可能である。
【0003】
例えば、一般的なタイプの容器は、円筒状内側本体に永久的に接続された基部と、内側本体の周りに置かれたカムスリーブとを特徴とし、そのため、カムスリーブ及び本体が互いに対して回転し得る。内側本体は、中空であり、壁を通って延在する少なくとも1つの長手方向スロットを備える壁を有する。カムスリーブは、内壁の実質的な長さに沿って延在する少なくとも1つの螺旋溝を特徴とする内壁を有する。製品ホルダーカップには、ラグの形態の少なくとも1つのカムフォロアが装備されている。ホルダーカップが内側本体内に嵌合されると、ラグは、カムスリーブの螺旋溝と係合するように、内側本体の長手方向スロットを通って延在する。基部及びカムスリーブが互いに対して回転されると、螺旋溝がホルダーカップのラグに圧力を加え、これがホルダーカップを長手方向スロット内で上下に駆動し、それによってスティック製品を前進位置と後退位置との間で移動させる。このタイプの装置の典型的な例は、米国特許第3,438,714号に記載されている。このような装置は良好に機能するが、1つのスティック製品のみを提供することに限定される。
【0004】
装置のいずれかの端部から出る2つのスティック製品を有する放出装置が知られている。例えば、米国特許出願公開第2008/0166172号、米国特許第8,444,334号、及び同第5,306,107号を参照。これらのいずれも、本明細書で説明される装置の単純さを有していない。例えば、米国特許第8,444,334号は、ホルダーカップのラグが通過しなければならない2つのカムスリーブを利用しており、これは、達成することが困難であり得る正確な整列を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、2つのスティック製品を延在及び後退させることができ、かつ使用していないときに気密である、比較的単純な設計の両端機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による両端スティック機構は、2つのスティック製品(9、9’)を各端部に1つずつ保持する両端ホルダーカップ(1)と、長手方向シャフトを有する単一の内側本体(2)と、螺旋溝を有する単一のカムスリーブ(3)と、2つのAシェル部材(4、4’)と、2つのオーバーキャップ(5、5’)と、を備える。各オーバーキャップは、それぞれのAシェル上に気密シールを形成する。使用時には、ユーザは、第1のオーバーキャップの頂部を押して、それを機構の残りの部分から係合解除する。第2のオーバーキャップは取り外されず、第2のオーバーキャップ及び内側本体が一緒に回転するように内側本体との接触を維持する。したがって、第2のオーバーキャップ及びカムスリーブが互いに対して回転されるとき、ホルダーカップは内側本体内で前進し、スティック製品を使用することができる延在位置にスティック製品を移動させる。反対方向の回転は、ホルダーカップを後退させる。位置合わせ特徴は、ホルダーカップがその中立位置に到達したことをユーザに警告する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明による両端スティック機構を閉鎖構成で示す。
図2図2は、オーバーキャップのうちの1つが取り外された、図1の両端スティック機構を示す。
図3図3は、2つのスティック製品が中に収容された両端ホルダーカップの等角図である。
図4図4は、図3のホルダーカップの断面図である。
図5図5は、両端ホルダーカップを中に有する内側本体の立面図である。
図6図6は、カムスリーブの立面図である。
図7図7は、図6のカムスリーブの断面図である。
図8図8は、2つの同一のAシェルのうちの1つを示す。
図9図9は、2つの同一のAシェルの第2のものの断面図である。
図10図10は、内側本体と、カムスリーブと、Aシェルとの関係を示す断面図である。
図11図11は、オーバーシェル及び内側キャップの斜視図である。
図12図12は、オーバーシェルの内部を示す断面図である。
図13図13は、内側キャップの上面斜視図である。
図14図14は、オーバーシェルと内側キャップとの関係を示す断面図である。
図15図15は、内側本体、カムスリーブ、Aシェル、オーバーシェル、及び内側キャップの間の関係を示す断面図である。
図16図16は、内側本体及び2つのオーバーキャップのロック特徴を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「含む(comprises)」という用語及びその変形は、要素のリストが明示的に記載されたものに必ずしも限定されないことを意味する。以下の説明では、いくつかの部材の対向する端部を「頂部」及び「底部」と称するが、いずれの端部も頂部又は底部とみなすことができるので、これらの指定は参照のためだけのものである。
【0009】
本発明による両端スティック機構は、両端ホルダーカップ(1)と、単一の内側本体(2)と、単一のカムスリーブ(3)と、2つのAシェル部材(4、4’)と、2つのオーバーキャップ(5、5’)と、を備える。図1は、本発明による両端スティック機構(10)の一実施形態を完全閉鎖構成で示す。全体として、機構は円筒状であり、2つのオーバーキャップ(5、5’)内に封入される。図2は、オーバーキャップ(5)のうちの1つが取り外され、1つのスティック製品が延在された、図1の両端スティック機構を示す。他方のオーバーキャップ(5’)が代わりに取り外された場合、機構は正確に同じ方法を提示するだろう。
【0010】
1つの両端ホルダーカップ(1)
本発明による両端ホルダーカップ(1)が図3及び図4に示されている。ホルダーカップは、中心長手方向軸Aに沿ってホルダーカップからそれぞれ反対の方向に延在する2つのスティック製品を保持する。ホルダーカップは、開放された上端(1b)及び開放された下端(1b’)を有する円筒状壁(1a)を備える。ホルダーカップの内部はリザーバとして機能する。リザーバは、仕切り(1c)によって中心を横切って上部リザーバ(1f)と下部リザーバ(1f’)とに分割され得る。各リザーバは、リップスティック、リップバーム、デオドラントスティック、発汗抑制剤スティック、グルースティックなどの固体又は半固体スティック製品の一部分を受容して保持することができる。各スティックは、一般に、摩擦又はアンダーカット設計によってホルダーカップ内に保持されるが、当技術分野で知られているような追加の手段が提供され得る。円筒状壁を通過する1つ以上の通気孔(1d)は、ほぼ仕切りの高さに位置付けられて、スティック製品(9、9’)が開放端を通してホルダーカップ内に挿入されているときに空気を逃がすことができる。単一のラグ(1e)が円筒状壁の半分の所に位置する。ラグは、円筒状壁から直角に延在する長さを有する。機構が完全に組み立てられると、ホルダーカップは内側本体内を進み、ラグは、長手方向トラックの上部及び下部セグメント(2e、2e’)に沿って、内側本体(2)の上部及び下部水平トラック(2c、2c’)内を進む(以下参照)。ラグ(1e)の長さは、内側本体の長手方向トラック及び水平トラックを通って、かつそれを越えて延在するのに十分な長さである。
【0011】
1つの内側本体(2)
図5を参照すると、内側本体(2)は、開放された頂部(2b)及び開放された底部(2b’)を有する略円筒状側壁(2a)を備える。長手方向トラックと、長手方向トラックから延在する上部水平トラック及び下部水平トラックとが、側壁を通過する。長手方向トラックは、上部セグメント(2e)及び下部セグメント(2e’)から構成されている。これら2つのセグメントは、同一直線上にあり、内側本体の側壁の中央で交わる。上部セグメントは、この交わる点と上部水平トラック(2c)との間に延在する。下部セグメントは、この交わる点と下部水平トラック(2c’)との間に延在する。
【0012】
好ましくは、水平トラックの少なくとも1つ(例えば、上部水平トラック)は、内側本体の開放された頂部(2b)又は開放された底部(2b’)上に開くノッチ(2d)と交差する。ノッチは、内側本体の頂部(2b)の開口部が一時的に拡大され、次いでその元のサイズに戻ることができるように、側壁(2a)にいくらかの可撓性を提供する。このようにして、ホルダーカップ(1)は、ラグ(1e)を、ノッチ(2d)を通して長手方向トラックの上部セグメント(2e)内に押し込むことによって、内側本体内に挿入することができる。このようなノッチは1つしか必要とされないので、下部水平トラック(2c’)が内側本体の底部に開放しないことが好ましい。機構が完全に組み立てられると、ラグ(1e)は、長手方向トラックの上部及び下部セグメント(2e、2e’)に沿って、内側本体(2)の上部及び下部水平トラック(2c、2c’)内を進む。
【0013】
ホルダーカップ(2)が内側本体の中央に位置付けられるとき、本発明者らは、ホルダーカップ(2)がその中立位置にあると言う。中立位置では、いずれのスティック製品(9、9’)も内側本体を越えて延在していない。機構(10)が使用されていないとき、ホルダーカップは、一般に、その中立位置にある。しかしながら、ホルダーカップを延在位置から後退させるときに、ホルダーカップを過度に後退させ、中立位置を行き過ぎてしまう可能性があり、そのため、見えないスティック製品(例えば9’)がオーバーキャップ(5’)の内側に噛み込む可能性がある。ユーザがこの発生を回避するのを助けるために、2つ以上のバンプ(2h、2h’)が、長手方向トラックの中間点の上及び下の短い距離に、長手方向トラックの上部及び下部セグメント(2e、2e’)の交わる点の付近に位置し得る。これらのバンプは、上部セグメント及び下部セグメント内にわずかに突出し、ホルダーカップ(1)のラグ(1e)がそれらの間に嵌合することを可能にするように長手方向に離隔されている(図5参照)。ホルダーカップが内側本体内で上下に移動するとき、バンプは、ラグが各バンプの上に押し付けられるので、ホルダーカップの移動に対してわずかな抵抗を提供する。ユーザがホルダーカップを内側本体中に後退させると、感覚は、いつラグがバンプの間に位置するか(すなわち、いつホルダーカップが中立位置に到達したか)、及びホルダーカップを後退させることを停止すべきであることをユーザに知らせる。
【0014】
好ましくは、内側本体(2)の頂部(2b)及び底部(2b’)の両方に、内側本体の側壁(2a)から張り出すリム(上部リム2f、下部リム2f’)が形成される。リムの目的を以下に説明する。
【0015】
図10を参照すると、第1の組の歯(2g)は、内側本体の開放された頂部(2b)から内向きに(円筒状側壁2aによって囲まれた空間内に)突出する。好ましくは、少なくとも3つの歯が、開放された頂部の周囲の周りに等間隔で離隔されている。例えば、開放された頂部の周囲に沿って、3つのそのような歯が120°離隔され得るか、又は4つのそのような歯が90°離隔され得る。第2の組の歯(図示せず)は、内側本体の開放された底部(2b’)の周囲に沿って位置する。歯の目的を以下に説明する。
【0016】
1つのカムスリーブ(3)
本発明による両端スティック機構(10)は、1つのカムスリーブのみを有する。カムスリーブ(3)が図6及び図7に示されている。カムスリーブは、外面と、内側本体(2)を収容する内面とを有する略円筒状中空本体(3a)を備える。中空本体は単体であるが、開放された頂部(3b)及び上部内面(3c)を有する中空上部本体(3f)と、開放された底部(3b’)及び下部内面(3c’)を有する中空下部本体(3f’)とを含むものと考えることができる。カムスリーブは、内側本体(2)の上を同心状に摺動するように設計されている。上部内面及び下部内面には、螺旋溝(3e)が装備されている。螺旋溝は、中空上部本体(3f)の頂部(3b)付近から始まり、数回又はその端数分回転して中空下部本体(3f’)の底部(3b’)付近で終わる。典型的には、回転数及びその端数は1~3、例えば、1回転、1と1/4回転、1と1/2回転、1と3/4回転、2回転、2と1/4回転、2と1/2回転、2と3/4回転、若しくは3回転、又は約1~3回転の間の任意の他の端数である。好ましくは、螺旋溝のピッチは一定であり、同じ回転数及びその端数が上部内面及び下部内面上に位置する。これは、両端機構のいずれかの側を使用するときに、ユーザに一貫した経験を提供する。
【0017】
カムスリーブ(3)は、内側本体の頂部(2b)(ノッチ(2d)を有する端部)をカムスリーブの開放された底部(3b’)内に挿入することによって、内側本体(2)の外側に装着される。ノッチは、内側本体の側壁(2a)が、カムスリーブが内側本体上を滑ることを可能にするのに十分に圧縮することを可能にする。内側本体上に完全に着座すると、カムスリーブ及び内側本体は同心であり、カムスリーブは、内側本体の側壁(2a)から張り出す上部リム(2f)と下部リム(2f’)との間に捕捉される。カムスリーブは、内側本体に対するカムスリーブの非常にわずかな垂直移動が可能であるように、その空間を実質的に充填するが、カムスリーブ及び内側本体は、互いに対して回転することができる。カムスリーブは、内側本体の長手方向トラックを通過するホルダーカップ(1)のラグ(1e)の遠位端がカムスリーブの螺旋溝(3e)内に位置するように、内側本体(2)の上に嵌合する。カムスリーブの外面は、中空上部本体(3f)と中空下部本体(3f’)との間のカムスリーブの中間点に位置する環状停止部(3d)を備えてもよい。環状停止部は、各オーバーキャップ(5、5’)を両端機構(10)に固定するロック特徴の半分である。ロック特徴の完全な動作を以下に説明する。
【0018】
2つのAシェル部材(4、4’)
本発明による両端スティック機構(10)は、2つの同一のAシェル(4、4’)を備える。図8及び図9を参照すると、各Aシェルは、円筒状側壁(4a、4a’)、開放された上端(4b、4b’)、及び開放された下端(4c、4c’)を備える。各Aシェルに対して、フランジ(4d、4d’)は、上部開放端(4b、4b’)で内向きに延在してもよい。
【0019】
一方のAシェル(4)の開放された下端(4c)は、カムスリーブ(3)の中空上部本体(3f)の上にぴったりと嵌合し、他方のAシェル(4’)の開放された下端(4c’)は、カムスリーブの中空下部本体(3f’)の上にぴったりと嵌合する。Aシェル及びカムスリーブは一体となって回転する。すなわち、いずれかのAシェルが回転すると、カムスリーブも回転することになる。例えば、カムスリーブ上のAシェルの嵌合は、どちらかのAシェルとカムスリーブとの間の相対回転を防止するのに十分に緊密であってもよい。任意選択的に、Aシェルとカムスリーブとの間に接着剤を使用することができる。
【0020】
上述したように内側本体(2)上に完全に着座した後、カムスリーブ(3)は、内側本体の側壁(2a)に張り出す上部リム(2f)と下部リム(2f’)との間に捕捉される。換言すれば、上部リム及び下部リムは、カムスリーブの端部を越えて延在する。したがって、各Aシェルがカムスリーブ上に完全に位置付けられると、フランジ(4d、4d’)は、内側本体の上部及び下部リム(2f、2f’)のすぐ上に載る(図10参照)。
【0021】
Aシェルはまた、カムスリーブのための装飾カバーとして美的目的に役立つ。Aシェルはプラスチック製であってもよいが、金属Aシェルを用いると、より高級な外観を達成することができる。また、Aシェルは、Aシェルの開放された下端部(4c、4c’)がカムスリーブの環状停止部(3d)で底に達するようにサイズ決めされる(図2に見られるように)。しかしながら、カムスリーブの環状停止部は、Aシェルを越えて横方向に延在する。
【0022】
2つのオーバーキャップ(5、5’)
従来のオーバーキャップと同様に、本発明のオーバーキャップは、周囲環境からスティック製品を遮蔽するとともに、審美的に心地よい外観を提供する目的で、Aシェルの上を摺動する。しかしながら、本発明のオーバーキャップは、いくつかの独特な機能的特徴を有する。図11図15は、オーバーキャップの一実施形態をより詳細に示す。オーバーキャップ(5)は、オーバーシェル(6)と、内側キャップ(7)と、を備える。図11図13では、オーバーシェル及び内側キャップは別個の構成要素として示されている。しかしながら、以下に説明する構成を達成する最良の方法は、オーバーモールドによるものである。例えば、図14に見られるように、オーバーシェル(6)が最初に成形され、次いで、内側キャップ(7)がオーバーシェル内に成形され、それらを効果的に1つの構成要素にする。以下の説明では、オーバーキャップの一方のみが参照され、他方は機能的に同一である。
【0023】
1.解放ボタン
従来のオーバーキャップは、通常、Aシェル上の摩擦嵌合によって定位置に保持され、オーバーキャップを引っ張りながらリップスティックの基部を保持することによって容易に取り外すことができる。対照的に、その閉鎖構成(図1)では、本発明の両端スティック機構は、ユーザに2つのオーバーキャップ(5、5’)を提示する。使用時には、一方のオーバーキャップを取り外してスティック製品の一方を露出させ、他方のオーバーキャップは所定の位置に残す。対策が取られない限り、2つのキャップを引き離すことは、おそらくユーザが取り外したいキャップではないいずれかのキャップを同様に取り外す可能性が高い。本発明の1つの独特な特徴として、各オーバーキャップには、関連するオーバーキャップのみを機構の残りの部分から解放するボタンが装備されている。
【0024】
オーバーキャップ(5)のオーバーシェル(6)は、開放された頂部(6b)及び開放された底部(6c)を有する側壁(6a)を備える。側壁は、図2のように、Aシェル(4)のうちの1つの上に嵌合するようにサイズ決めされる。オーバーシェルは、側壁の開放された頂部に懸架されたボタン(6d)を更に備える。ボタンから垂下しているのはスカート壁(6e)である。ボタン及びスカート壁は、スカート壁(6e)と側壁(6a)の内面との間に延在するいくつかの可撓性支柱(6f)によって、オーバーシェルの開放された頂部に懸架される。好ましくは、側壁、ボタン、スカート壁、及び支柱は、1つのユニットとして成形される。可撓性支柱の主な目的は、内側キャップ(7)がオーバーシェル内にオーバーモールドされる前に、ボタン及びスカート壁をオーバーシェルの側壁内に懸架することである。
【0025】
内側キャップ(7)は、開放された頂部(7b)及び開放された底部(7c)を有する側壁(7a)を備える。内側キャップは、圧力面(7d)を備え、圧力面は、圧力面と側壁(7a)の内面との間に延在するいくつかの可撓性タブ(7f)によって内側キャップの開放された頂部の付近に懸架される。図15を参照すると、内側キャップ(7)は、内側キャップの側壁(7a)が側壁(6a)とボタン(6d)のスカート壁(6e)との間に挟まれるように、オーバーシェル(6)の内側に位置付けられる。内側キャップの可撓性タブ(7f)の数を収容するために、ボタンのスカート壁には、等しい数のノッチ(6h、図12、14参照)が装備されている。オーバーシェル(6)への内側キャップのオーバーモールドに続いて、内側キャップの圧力面(7d)は、ボタン(6d)の真下に位置付けられる。したがって、ユーザがボタン(6d)を押すと、ボタン及び圧力面(7d)の両方が下方に(オーバーシェル内に)移動し、可撓性タブ(7f)を伸張させる。
【0026】
完全に組み立てられたオーバーキャップ(5)がAシェル(4)上に位置付けられると、ボタン(6d)のスカート壁(6e)が内側本体(2)の頂部に当接する。したがって、ユーザがボタン(6d)の頂部を押すと、ボタンは内側本体に圧力を加える。これにより、内側本体がオーバーキャップの側壁(6a)に対する長手方向変位がもたらされる。このようにして、オーバーキャップは、内側本体に接続された両端機構の残りの部分から取り外され、ユーザが単に両方のオーバーキャップを同時に引っ張った場合のように、誤ったオーバーキャップを取り外す可能性はない。ユーザが加えた圧力がボタンから解放されると、可撓性タブ(7f)は、ボタンをその静止位置に戻すのに十分な復元力を提供することができる。
【0027】
2.気密特徴
上述したように、内側キャップ(7)は、開放された頂部(7b)及び開放された底部(7c)を有する側壁(7a)を備える。気密性が懸念される場合、いくつかの隆起リング(7e)が、開放された底端部の付近の側壁の内面上に位置付けられてもよく、隆起リングは、Aシェル(4)の外径よりもわずかに小さい直径である。完全に組み立てられたオーバーキャップ(5)がAシェル(4)上に位置付けられるとき、Aシェルの開放された頂部(4b)は、内側キャップ(7)の開放された底部(7c)内に摺動する。Aシェルが内側キャップ内に挿入されると、直径がAシェルの外径よりもわずかに小さい隆起リング(7e)が、内側キャップとAシェルとの間に気密シールを形成する。
【0028】
3.オーバーキャップと内側本体との間の接続
次に、本発明のオーバーキャップ(5、5’)の第3の独特な特徴について説明する。ホルダーカップ(1)を上下させるために、ユーザは、内側本体(2)に対してAシェル(4、4’)の一方を回転させなければならない。従来の機構では、外部基部が内側本体に永久的に接続され、そのため、Aシェルに対する基部の回転がホルダーカップを上下させる。しかしながら、本発明は、内側本体に永久的に取り付けられる基部を有していない。それにもかかわらず、各オーバーキャップは、そのAシェルに装着されたときに基部として機能できなければならない。したがって、ボタン(6d)のスカート壁(6e)には、その周囲に多数の垂直溝(6g)が形成されている(図12参照)。第1のオーバーキャップ(5)が第1のAシェル(4)上に位置付けられると、ボタンのスカート壁は、Aシェルの開放された頂部(4b)の中へ、かつそれを通って、内側本体(2)の開放された頂部(2b)の中へ延在する。これは、オーバーキャップと内側本体との間に接続が確立されることを可能にし、そのため、これらの2つの構成要素は一体となって回転することができる。この接続は図15に示されており、内側本体の歯(2g)は、ボタンの垂直溝(6g)内に位置付けられる。この係合は、オーバーキャップと内側本体との間の相対的な回転を防止するのに十分であり、そのため、オーバーキャップが回転すると、内側本体も回転する。オーバーシェルの溝は垂直であるため、内側本体の歯は、オーバーキャップがそのAシェルから取り外されることを防止しない。
【0029】
4.ロック特徴
本発明の別の独特な特徴は、各オーバーキャップにロック特徴が装備されていることである。2つの同一のオーバーキャップの一実施形態が図1に示されている。この実施形態では、2つのオーバーキャップは、非円形境界に沿って交わるという意味で相補的であり、各オーバーキャップは、両端スティック機構(10)の中間点を越えて延在する。例えば、図11図14及び図16の実施形態では、各オーバーキャップ(5)のオーバーシェル(6)は、オーバーシェルの開放された底部(6c)の一部分がカムスリーブ(3)(図2及び図16に見られるように)の環状停止部(3d)の上に延在するように形作られてもよい。これは、オーバーキャップがAシェル(4)上に位置するときにオーバーキャップにある程度の安定性を与える。それはまた、内側本体及び可能な他の構成要素に過度の量のトルクをかける可能性がある、2つのオーバーキャップの互いに対する回転を防止する。任意選択的に、各オーバーシェル(6、6’)には、一組の1つ以上の隆起ビード(6i、6’i)が装備され得る。好ましくは、各組は、少なくとも2つの隆起ビード、より好ましくは、各組において少なくとも3つの隆起ビードを含む。第1の組の隆起ビードは、カムスリーブの環状ストップ(3d)を越えて延在する第1のオーバーシェルの開放された底部の一部分の上に、そこを越えて位置付けられる。第2の組の隆起ビードは、カムスリーブの環状停止部(3d)を越えて延在する第2のオーバーシェルの開放された底部の一部分の上に、そこを越えて位置付けられる。いずれかの組の隆起ビードと環状ストップとの間に干渉が存在する。「干渉」とは、いずれかのオーバーキャップ(5、5’)を取り外して交換するときに、隆起ビード及び環状停止部が互いに上下に押しやられなければならないことを意味する。オーバーキャップを取り外す際に、上述のボタン特徴は、環状停止部を隆起ビードの組の下に押すのに十分な力を提供することができる。オーバーキャップを交換する際に、ユーザは、オーバーキャップをAシェル(4)上に押し込み、再び隆起ビードの組を環状停止部の上に押し付ける。隆起ビードを注意深く置くことにより、2つのオーバーキャップがそれぞれのAシェル上に位置付けられるたびに、2つのオーバーキャップ間の目に見えるギャップを0にすることができる。これは、機構の全体的な気密性及び外観を更に改善する。
【0030】
2つのスティック製品
本発明は、1つの両端機構において2つのスティック製品(9、9’)を提供する。機構は、表面を横切って製品を引くことによって表面に適用される全てのタイプのスティック製品に有用である。本発明の目的のために、スティック製品は、細長い塊が一端で懸架されたときにそれ自体の重量を支持することができる固体又は半固体製品の細長い塊である。非網羅的な一覧としては、リップスティック、リップグロス、リップバーム、メイクアップスティック(ファンデーション、コンシーラー、ブラッシュ、ブロンザーなど)、デオドラントスティック、発汗抑制剤スティック、グルースティックなどが挙げられる。好ましくは、2つの製品(9、9’)は相補的である。例えば、2つの色調のリップスティック、又は1つのリップスティック及び1つのリップグロス、又は1つのファンデーション及び1つのブラッシュ、又は1つのデオドラント及び1つの固形香料、又は1つの接着剤、及び接着剤を硬化させるための1つのプライマーなどである。
【0031】
組立方法
ホルダーカップ(2)は、ホルダーカップのラグ(1e)を、ノッチ(2d)を通して内側本体の長手方向トラックの上部セグメント(2e)内に押し込むことによって、内側本体(2)内に挿入される。任意選択的に、この時点で、ホルダーカップのラグを長手方向トラックのバンプ(2h、2h’)間で摺動させることによって、ホルダーカップを中立位置に移動させてもよい。次に、カムスリーブ(3)は、内側本体の開放された頂部(2b)(ノッチ(2d)を有する端部)をカムスリーブの開放された底部(3b’)内に挿入することによって、内側本体の外側に装着される。ノッチは、内側本体の側壁(2a)が、カムスリーブが内側本体上を滑ることを可能にするのに十分に圧縮することを可能にする。内側本体上に完全に着座すると、カムスリーブ及び内側本体は同心であり、カムスリーブは、内側本体の側壁(2a)から張り出す上部リム(2f)と下部リム(2f’)との間に捕捉される。カムスリーブ(3)は、内側本体の長手方向トラックを通過するホルダーカップ(1)のラグ(1e)の遠位端がカムスリーブの螺旋溝(3e)内に位置するように、内側本体(2)の上に嵌合する。
【0032】
第1及び第2のオーバーキャップ(5、5’)は、先に説明したように、第1及び第2のオーバーシェル(6、6’)並びに第1及び第2の内側キャップ(7、7’)から予め形成されている。次いで、第1のボタン(6d)のスカート壁(6e)が第1のAシェルの開放された頂部(4b)内に/を通って内側本体(2)の開放された頂部(2b)内に延び、内側本体の第1の組の歯(2g)の各々が第1のボタンの垂直溝(6g)の1つに収まるように、第1のオーバーキャップ(5)を第1のAシェル(4)の上に嵌合する。まだ行われていない場合、長手方向トラックのバンプ(2h、2h’)の間のホルダーカップのラグまで、第1のオーバーキャップとまだ露出している第2のAシェルとの相対回転を位置付けることによって、ホルダーカップをその中立位置に移動させる。次いで、第2のボタン(6d’)のスカート壁(6e’)が第1のAシェルの開放された頂部(4b’)内に/を通って内側本体(2)の開放された底部(2b’)内に延び、内側本体の第2の組の歯(2g’)の各々が第2のボタンの垂直溝(6g’)の1つに収まるように、第2のオーバーキャップ(5’)を第2のAシェル(4’)の上に嵌合する。これで、機構の組み立てが完了する。
【0033】
第1及び第2のスティック製品(9、9’)は、型への熱間注入などの任意の適切な方法によって最初に形成され、次いで、冷却かつ固化される。
【0034】
機構に2つのスティック製品を装填することが望まれる場合、第1のオーバーキャップ(5)が取り外され、両端ホルダーカップ(1)が、第2のオーバーキャップから離れて完全延在位置まで前進させられる。これを行うためのプロセスを以下に説明する。第1のスティック製品は、ホルダーカップの上部リザーバ(1f)に挿入される。次に、ホルダーカップは、第1のスティック製品が内側本体(2)の開放された頂部(2b)を越えて突出しないように下げられ、第1のオーバーキャップが交換される。次いで、第2のオーバーキャップ(5’)が取り外され、両端ホルダーカップ(1)が第1のオーバーキャップから離れて完全延在位置まで前進させられる。第2のスティック製品は、ホルダーカップの下部リザーバ(1f’)に挿入される。次に、ホルダーカップは、第2のスティック製品が内側本体(2)の開放された底部(2b’)を越えて突出しないように下げられる。好ましくは、ホルダーカップは、長手方向トラックのバンプ(2h、2h’)間にホルダーカップのラグ(1e)を位置付けることによって、その中立位置に移動される。最後に、第2のオーバーキャップが交換される。
【0035】
使用
スティック製品(例えば、9)のうちの1つを使用することが望まれるとき、ユーザは、オーバーキャップ(5)のボタン(6d)を押す。ユーザは、ここでオーバーシェルの側壁(6a)の周りに指を巻き付け、親指を使用してボタンを押すことによって、これを行うことができる。これにより、両端機構の残りの部分がオーバーキャップに対して長手方向に変位し、カムスリーブ(3)の環状停止部(3d)がオーバーキャップの隆起ビード(6i)の下に押し込まれる。そうすることで、オーバーキャップ(5)は、Aシェル(4)から容易に取り外され、機構の残りの部分は、ユーザの他方の手に受容される。次に、ユーザは、露出したAシェル(4)を一方の手で把持し、まだ取り付けられているオーバーキャップ(5’)を他方の手で把持する。ユーザは、オーバーキャップ及び内側本体(2)に対してAシェルを(例えば、反時計回りに)回転させる。これは、ホルダーカップ(1)のラグ(1e)を内側本体のバンプ(2h)の1つの上に押し付け、次いで、ホルダーカップを持ち上げ続け、ラグは、内側本体の水平トラック(2c)に入るまで長手方向トラックの上部セグメント(2e)のいずれかに沿って進み、その時点で、スティック製品(9)は、その意図された使用のために機構(10)から完全に延在される。
【0036】
ユーザがスティック製品(9)を使い終えると、ユーザは再び、露出したAシェル(4)を一方の手で把持し、まだ取り付けられているオーバーキャップ(5’)を他方の手で把持する。ユーザは、オーバーキャップに対してAシェルを(例えば、時計回りに)回転させる。これによりホルダーカップ(2)が下降し、スティック製品(9)が機構内に後退する。ユーザは、ホルダーカップのラグ(1e)が内側本体の第1のバンプ(2h)上に押し込まれるまでAシェルを回転させ続け、その時点でホルダーカップはその中立位置に位置し、ユーザは回転を停止する。取り外されたオーバーキャップ(5)は、露出されたAシェル(4)上で交換され、再びオーバーキャップの隆起ビード(6i)をカムスリーブ(3)の環状停止部(3d)の上に押し付ける。所望であれば、同じ手順を機構(10)の他方の側で繰り返して、他方のスティック製品を使用することができる。
図1
図2
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図4
図5
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図16