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特許7507989情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240621BHJP
【FI】
G06Q10/083
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024004728
(22)【出願日】2024-01-16
【審査請求日】2024-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年8月28日に、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが、ウェブサイトにて、我妻弘幸、角田晃一、鈴木哲詩、尹盛郁、渡辺昌寛、柴原伸泰、芳野さゆり、大甲隼土、高島望、沼田篤彦、佐藤大志、本橋暁、竹田匡範、稲葉宏明、杉山純也、新居義典、安達到、小寺高載、大北要、田川翔、及び中島崇博が発明した情報処理システムに関して公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】角田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】尹 盛郁
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】柴原 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】芳野 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】大甲 隼土
(72)【発明者】
【氏名】高島 望
(72)【発明者】
【氏名】沼田 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大志
(72)【発明者】
【氏名】本橋 暁
(72)【発明者】
【氏名】竹田 匡範
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純也
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】小寺 高載
(72)【発明者】
【氏名】大北 要
(72)【発明者】
【氏名】田川 翔
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇博
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-003863(JP,A)
【文献】7NOW ドライバー APK for Android Download [online],2023年09月29日,[令和6年3月5日検索], インターネット<URL : https://apkpure.net/7now-ドライバー/jp.co.sevenandi.hd.sevennow.driver>
【文献】近隣店舗から最短2時間で商品が届く 業界初、「ネットコンビニ」の成果は?,日経トレンディ No.448 ,日経BP Nikkei Business Publications,Inc.,2019年06月04日,pp. 124, 125
【文献】EC、小売業入り乱れラストワンマイルの攻防激化,流通情報誌 「激流」 第47巻 第6号 MONTHLY GEKIRYU MAGAZINE,国際商業出版株式会社,2022年05月10日,第47巻,pp. 128-132
【文献】事例(2) 7NOW(セブンナウ) 欲しい商品が最寄りにある在庫拠点 “ネット2号店”として新規顧客に訴求,販売革新 第61巻 第5号 Revolution in Retailing,株式会社アール・アイ・シー,2023年04月04日,第61巻,pp. 20-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼する情報処理システムであって、
前記受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた前記受注店舗の選択操作に基づいて、選択された前記受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得する配送依頼取得部と、
前記受注店舗から発注されている前記配送依頼の情報を前記受託希望ユーザに対して出力する出力部と、を備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記受付部は、複数の前記店舗の中から複数の前記受注店舗を選択する操作を受け付け、
前記配送依頼取得部は、前記受付部により受け付けられた前記受注店舗の選択操作に基づいて、選択された複数の前記受注店舗からそれぞれ発注されている前記配送依頼の情報を前記サーバ装置から取得し、
前記出力部は、複数の前記受注店舗からそれぞれ発注されている前記配送依頼の情報を前記受託希望ユーザに対して出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出力部は、複数の前記受注店舗からそれぞれ発注されている複数の前記配送依頼の情報を前記受託希望ユーザの端末装置の画面に一覧で表示する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記端末装置に複数の前記配送依頼の情報を一覧で表示する際に、複数の前記配送依頼の情報を、配送依頼の受け付け期限が近いものから順に並べて表示する
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記受付部は、前記商品の配送依頼の注文の受け付けを開始する操作を前記受託希望ユーザが行った後に、複数の前記店舗の中から前記受注店舗を選択する操作を受け付ける
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記受託希望ユーザは、複数の前記店舗のうちの少なくとも一つの店舗の従業員であって、
前記店舗に紐付けられた番号である店舗番号を含むとともに、前記受託希望ユーザに付与されている従業員番号を取得する従業員番号取得部と、
前記受託希望ユーザの端末装置に紐付けられた番号である端末識別番号に、前記従業員番号取得部により取得された前記従業員番号を紐付ける紐付け部と、を更に備え、
前記受付部は、前記端末識別番号に紐付けられている前記従業員番号から、前記従業員番号に含まれている前記店舗番号を取得するとともに、取得された前記店舗番号に対応する店舗を、前記受注店舗として選択可能な店舗として用いる
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記紐付け部は、前記受託希望ユーザとは別のユーザが承認操作を行うことに基づいて前記従業員番号を前記端末識別番号に紐付ける
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼する情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
前記受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付け、
前記受注店舗の選択操作に基づいて、選択された前記受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得し、
前記受注店舗から発注されている前記配送依頼の情報を前記受託希望ユーザに対して出力する
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付けさせ、
前記受注店舗の選択操作に基づいて、選択された前記受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得させ、
前記受注店舗から発注されている前記配送依頼の情報を前記受託希望ユーザに対して出力させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の配送依頼システムがある。この配送依頼システムは、配送を希望する物品である配送希望物品の配送依頼条件を、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、配送依頼条件を構成する情報毎に、検索可能な状態に処理した上で表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/261516号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、複数の店舗から商品の配送を依頼したい場合がある。特許文献1に記載の配送依頼システムでは、このような複数の店舗から受託希望ユーザに対して商品の配送依頼を行う場合に関して改善の余地がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より適切に複数の店舗からの配送依頼を確認することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する情報処理システムは、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼する情報処理システムであって、受付部と、配送依頼取得部と、出力部と、を備える。受付部は、受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付ける。配送依頼取得部は、受付部により受け付けられた受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得する。出力部は、受注店舗から発注されている配送依頼の情報を受託希望ユーザに対して出力する。
【0006】
上記課題を解決する情報処理方法は、コンピュータが、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼する情報処理方法であって、コンピュータが、受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付け、受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得し、受注店舗から発注されている配送依頼の情報を受託希望ユーザに対して出力する。
【0007】
上記課題を解決するプログラムは、コンピュータに、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザに対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼させるためのプログラムであって、コンピュータに、受託希望ユーザにより行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付けさせ、受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報をサーバ装置から取得させ、受注店舗から発注されている配送依頼の情報を受託希望ユーザに対して出力させる。
【0008】
これらによれば、複数の店舗の中から受注店舗を選択する操作を受託希望ユーザが行った場合、受託希望ユーザにより選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報が受託希望ユーザに出力される。よって、受託希望ユーザは自身が希望する受注店舗からの配送依頼のみを閲覧することができるため、より適切に複数の店舗からの配送依頼を確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムによれば、より適切に複数の店舗からの配送依頼を確認することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態の配送管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】実施形態の受託希望ユーザDBに記憶されている情報の一例を模式的に示す図。
図4】実施形態の従業員番号の構成を模式的に示す図。
図5】実施形態の従業員と従業員番号との関係を模式的に示す図。
図6】実施形態の配送依頼部により実行される処理の手順を示すフローチャート。
図7】実施形態の従業員端末の概略構成を示すブロック図。
図8】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図9】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図10】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図11】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図12】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図13】実施形態の従業員端末に表示される画面の一例を示す図。
図14】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
図15】実施形態のコンピュータのハードウェア的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<実施形態>
はじめに、本実施形態の情報処理システムの概要について説明する。
【0012】
(情報処理システムの概要)
図1に示される本実施形態の情報処理システム10は、コンビニエンスストア等の店舗で販売されている商品を顧客の自宅等に配送するサービスを提供するものである。
【0013】
図1に示されるように、情報処理システム10は、顧客端末20と、従業員端末30と、店舗端末40と、商品管理サーバ装置50と、配送管理サーバ装置60と、配送業者システム70とを備えている。端末20,30,40は、スマートフォンやタブレッド等のスマートデバイスや、所定の場所に設置されたパーソナルコンピュータ等である。サーバ装置50,60及びシステム70はサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ等である。
【0014】
端末20,30,40、サーバ装置50,60、及びシステム70は通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク11は、例えばインターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
顧客端末20は、本サービスを利用することが可能な顧客により所持される。なお、図1では顧客端末20が一つのみ図示されているが、顧客端末20は複数の顧客によりそれぞれ所持されている。顧客端末20には、複数の店舗で販売されている商品を注文することが可能な専用の注文アプリケーションがインストールされている。顧客は、注文アプリケーションを操作することにより、例えば複数の店舗のうちのいずれかを選択して、その店舗で販売されている商品の配達を注文することができる。その際、顧客は、例えば商品の希望配達日時や配達先の場所を設定することができる。顧客が端末20を操作して店舗の商品を注文すると、顧客端末20は注文要求通知を商品管理サーバ装置50に送信する。
【0016】
商品管理サーバ装置50は、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を統括的に管理している。商品管理サーバ装置50は、顧客端末20から送信される注文要求通知を受信すると、店舗端末40に注文受付通知を送信する。注文受付通知には、注文毎に個別に付与される注文番号、商品が置かれている店舗の識別番号、注文された商品の識別番号、商品の個数、及び商品の配達先等が含まれている。店舗の識別番号は、店舗を一意に識別することが可能な識別子である。商品の識別番号は、商品を一意に識別することが可能な識別子である。以下では、「店舗の識別番号」を店舗番号と称し、「商品の識別番号」を商品番号と称する。
【0017】
店舗端末40は、複数の店舗のそれぞれに設けられており、各店舗の従業員により操作される。店舗端末40には、商品の注文に関連する各種操作を実行することが可能な専用の店舗用アプリケーションがインストールされている。店舗端末40は、商品管理サーバ装置50から送信される注文受付通知を受信すると、その通知に応じた商品やその個数等を店舗用アプリケーション上で画像や文字等を用いて表示する。店舗の従業員は、店舗端末40に表示される画像や文字等に基づいて、店舗の商品に対して注文があったこと、並びに注文された商品及びその個数を認識することができる。その後、店舗の従業員が、注文された商品を確保して、それに対応した操作を店舗用アプリケーション上で行うと、その旨を示すピッキング完了通知が店舗端末40から商品管理サーバ装置50に通知される。商品管理サーバ装置50は、店舗端末40から送信されるピッキング完了通知を受信すると、商品の配送を要求するための配送要求通知を配送管理サーバ装置60に送信する。配送要求通知には、注文番号、店舗番号、商品番号、商品の個数、商品の配達先等の情報が含まれている。
【0018】
配送管理サーバ装置60は商品の配送を統括的に管理している。配送管理サーバ装置60は、商品管理サーバ装置50から送信される配送要求通知を受信すると、商品の配送を従業員又は配送業者に依頼する。
具体的には、配送管理サーバ装置60は、商品の配送を依頼する配送依頼通知を従業員端末30に送信する。従業員端末30は、商品の配送業務の受託を希望する従業員により所持されるものである。このように、本実施形態では、各店舗の従業員が、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザになることが可能となっている。従業員端末30には、商品の配送に関連する各種操作を実行することが可能な専用の配送アプリケーションがインストールされている。従業員が端末30を操作して、今回の商品の配送を受託する操作を行うと、すなわち配送員として立候補する操作を行うと、その従業員端末30から配送管理サーバ装置60に受託通知が送信される。これにより、その端末30を所持している従業員が、今回の商品を実際に配送する配送員として選定される。その後、配送員として選定された従業員が店舗に赴いて商品を回収した後、その商品を顧客に配送する。
【0019】
一方、配送業務の受託を希望する従業員が存在するものの、その従業員が今回の商品の配送員として立候補しなかった場合、あるいは配送業務の受託を希望する従業員がそもそも存在しない場合、配送管理サーバ装置60は配送依頼通知を配送業者システム70に送信する。配送業者システム70は複数の配送業者の配送状況を統括的に管理している。配送業者システム70は、例えば各配送業者により商品を配送することが可能な時間帯や配達料金等に基づいて一つの配送業者を選定するとともに、その配送業者に配送依頼通知を送信する。この場合、選定された配送業者が店舗の商品を回収した後、その商品を顧客に配送する。
【0020】
(配送管理サーバ装置の構成)
次に、配送管理サーバ装置60の構成について具体的に説明する。図2に示されるように、配送管理サーバ装置60は、通信部61と、記憶部62と、制御部63とを備えている。
【0021】
通信部61は通信ネットワーク11を介して従業員端末30、商品管理サーバ装置50、及び配送業者システム70等と各種通信を行う。
記憶部62には、配送管理サーバ装置60が有する各種情報が記憶されている。例えば、記憶部62には、配送管理サーバ装置60を動作させるための各種プログラムが記憶されている。また、記憶部62には、受託希望ユーザDB(database)621が記憶されている。
【0022】
図3に示されるように、受託希望ユーザDB621には、配送業務の受託を希望する複数の従業員ごとに、ユーザIDと、パスワードと、端末アカウントIDと、従業員番号と、承認状態とが紐付けられて記憶されている。
ユーザIDは、各従業員を一意に識別することが可能な識別子である。パスワードは、従業員により任意に設定される文字列等である。ユーザID及びパスワードは、例えば従業員が配送アプリケーションにログインする際に従業員端末30から配送管理サーバ装置60に送信されて、配送管理サーバ装置60におけるユーザ認証に用いられる。端末アカウントIDは、従業員が所持する端末30を一意に識別することが可能な識別子である。端末アカウントIDは、例えば複数の従業員端末30のそれぞれに付与されている固有の識別番号が用いられる。本実施形態では、端末アカウントIDが端末識別番号の一例である。
【0023】
従業員番号は、従業員が勤務している店舗において各従業員に付与される固有の識別番号である。従業員番号は、所定の店舗に勤務している複数の従業員に対して個別に付与される。複数の従業員にそれぞれ付与される従業員番号は、それぞれ異なる番号である。図4に示されるように、従業員番号は、接頭辞と、店舗番号と、個別番号とから構成されている。店舗番号は、従業員が勤務している店舗に付与される固有の識別番号である。したがって、複数の店舗にそれぞれ付与されている店舗番号は異なる。また、店舗番号から、店舗番号に紐付けられている店舗を一意に特定することが可能である。個別番号は、同一の店舗に勤務している従業員に個別に付与される個別の識別番号である。したがって、所定の店舗に30人の従業員が勤務している場合、図5に示されるように、それらの従業員にそれぞれ付与される従業員番号に関しては、店舗番号が一致する一方、個別番号がそれぞれ異なっている。
【0024】
図3に示されるように、「ID1234567」のユーザIDに対して、店舗番号が異なる3つの従業員番号が紐付けられている場合、そのユーザIDを有する従業員は、3つの従業員番号のそれぞれに対応した3つの店舗の従業員であることを示す。
承認状態は、端末アカウントIDに対する従業員番号の紐付けが承認されているか否かのステータス状態を示す。承認状態が「承認済」の状態である場合、端末アカウントIDに対して従業員番号の紐付けが承認されている状態であることを示す。一方、承認状態が「未承認」である場合、端末アカウントIDに対する従業員番号の紐付けが未承認の状態であることを示す。端末アカウントIDに対する従業員番号の紐付けの承認は、所定の管理者、例えば各店舗の店長により行われる。
【0025】
図2に示される制御部63は配送管理サーバ装置60を制御する。制御部63は、例えば記憶部62に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、紐付け部631と、承認部632と、配送依頼部633とを有している。
紐付け部631は、従業員端末30から送信される登録要求通知に基づいて端末アカウントIDと従業員番号とを紐付ける処理を実行する。具体的には、従業員が、従業員端末30において従業員番号の登録操作を行うと、その従業員番号と従業員端末30の端末アカウントIDとを含む登録要求通知が従業員端末30から配送管理サーバ装置60に送信される。従業員端末30から送信された登録要求通知が通信部61により受信されると、紐付け部631は、登録要求通知に含まれる端末アカウントIDに従業員番号を紐付けて受託希望ユーザDB621に登録する。例えば端末アカウントIDが「TM1234567」に設定されている従業員端末30から送信される登録要求通知には、「TM1234567」という端末アカウントIDと従業員番号とが含まれている。この登録要求通知に含まれる従業員番号が「011-765432-011」である場合、紐付け部631は、図3に示されるように、「TM1234567」という端末アカウントIDと、「011-765432-011」という従業員番号とを紐付けて受託希望ユーザDB621に登録する。この登録処理が行われた時点では、「011-765432-011」という従業員番号は「未承認」の状態で登録される。
【0026】
承認部632は、所定の管理者による端末装置の操作に基づいて端末アカウントIDに紐付けられている従業員番号の承認状態を「承認済」及び「未承認」のいずれかに設定する処理を実行する。例えば、管理者は、自身の端末装置を操作することにより、自身の店舗に勤務している全ての従業員のそれぞれの従業員番号が受託希望ユーザDB621において承認されているか否かを確認することができる。また、管理者は自身の端末装置を操作することにより従業員番号を承認することができる。この承認操作を通じて、受託希望ユーザDB621に登録されている従業員番号の承認状態が「未承認」から「承認済」に切り替わる。例えば、図3に示されるように、従業員番号「011-765432-011」が未承認の状態であるときに、店舗番号「765432」の管理者が従業員番号「011-765432-011」を承認する操作を行った場合、従業員番号「011-765432-011」の承認状態が「未承認」から「承認済」に切り替わる。なお、管理者は、自身の端末装置を操作することにより、所定の従業員番号の承認状態を「承認済」の状態から「未承認」の状態に戻すことも可能である。
【0027】
配送依頼部633は、商品の配送を要求するための配送要求通知を商品管理サーバ装置50から受信した際に、商品の配送を依頼する配送依頼通知を従業員端末30及び配送業者システム70の少なくとも一方に送信する。
図6は、配送依頼部633により実行される処理の手順を示したものである。なお、図6に示される処理は、商品管理サーバ装置50から送信される配送要求通知を受信した際に配送依頼部633により実行される。
【0028】
配送依頼部633は、まず、配送要求通知から店舗番号を取得するとともに(ステップS10)、受託希望ユーザDB621に登録されている複数の端末アカウントIDの中から、ステップS10の処理で取得した店舗番号を含む従業員番号に紐付けられている端末アカウントIDを抽出する(ステップS11)。例えば、配送要求通知から取得された店舗番号が「765432」である場合、図3に示される受託希望ユーザDB621に登録されている複数の端末アカウントIDの中から、配送依頼部633は、店舗番号「765432」を含む従業員番号が紐付けられている端末アカウントIDとして、「TMI1234567」と「TMI2345678」とを抽出する。
【0029】
続いて、配送依頼部633は、ステップS11の処理で端末アカウントIDを抽出することができたか否かを判断して(ステップS12)、端末アカウントIDを抽出することができなかった場合には(ステップS12:NO)、すなわち配送業務の受託を希望する従業員が受託希望ユーザDB621に登録されていない場合には、配送依頼通知を配送業者システム70に送信する(ステップS13)。したがって、この場合には、配送業者が商品を配送することになる。
【0030】
一方、配送依頼部633は、単数又は複数の端末アカウントIDを抽出することができた場合には(ステップS12:YES)、すなわち配送業務の受託を希望する従業員が受託希望ユーザDB621に登録されている場合には、単数又は複数の端末アカウントIDの中に、店舗番号に対応した従業員番号が承認済みの端末アカウントIDが存在するか否かを判断する(ステップS14)。配送依頼部633は、従業員番号が承認済みの単数又は複数の端末アカウントIDが存在する場合には(ステップS14:YES)、それらの端末アカウントIDに対応する単数又は複数の従業員端末30に配送依頼通知を送信する(ステップS15)。この場合、配送依頼部633は、配送依頼通知を送信した単数又は複数の従業員端末30のいずれかから受託通知が返信されたか否かを判断して(ステップS16)、受託通知の返信があった場合には(ステップS16:YES)、受託通知の返信が行われた端末30を所持する単数又は複数の従業員の中から配送員を決定する(ステップS17)。したがって、この場合には、従業員が商品を配送することになる。
【0031】
一方、配送依頼部633は、従業員番号が承認済みの端末アカウントIDが存在しない場合(ステップS14:NO)、あるいは単数又は複数の従業員端末30のいずれからも受託通知の返信がなかった場合には(ステップS16:NO)、配送依頼通知を配送業者システム70に送信する(ステップS13)。したがって、この場合には、配送業者が商品を配送することになる。
【0032】
(従業員端末の構成)
次に、従業員端末30の構成について具体的に説明する。本実施形態では、従業員端末30が端末装置の一例である。図7に示されるように、従業員端末30は、表示部31と、入力部32と、読取り部33と、通信部34と、記憶部35と、制御部36とを備えている。
【0033】
表示部31は、各種画像を表示する機能を有するものであり、液晶ディスプレイ等である。
入力部32は、ユーザの入力操作を受け付けるものであり、マウスやキーボード、操作ボタン等である。なお、以下では、表示部31及び入力部32が、それらの機能が一体化されたタッチパネルにより構成されている場合を例に挙げて説明する。
【0034】
読取り部33は、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードから、二次元コードに含まれている情報を読み取るバーコードリーダやQRコードリーダ等である。
通信部34は通信ネットワーク11を介して配送管理サーバ装置60等と各種通信を行う。
【0035】
記憶部35には、従業員端末30が有する各種情報が記憶されている。例えば、記憶部35には、従業員端末30を動作させるための各種プログラムが記憶されている。また、記憶部35には、従業員端末30の固有の端末アカウントIDが記憶されている。
制御部36は従業員端末30を制御する。制御部36は、記憶部35に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、受付部361と、配送依頼取得部362と、出力部363とを有している。
【0036】
受付部361は、従業員により登録されている複数の登録店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付ける部分である。例えば、図3に示される受託希望ユーザDB621に登録されているユーザID「ID1234567」に対応する従業員A11に関しては、承認済みの従業員番号「011-987654-021」及び「011-876543-015」のそれぞれに対応する2つの店舗Sa,Sbが登録店舗となる。具体的には、受付部361は、一方の従業員番号「011-987654-021」から店舗番号「987654」を取得するとともに、取得された店舗番号「987654」に対応する店舗Saを登録店舗に設定する。また、受付部361は、他方の従業員番号「011-876543-015」から店舗番号「876543」を取得するとともに、取得された店舗番号「876543」に対応する店舗Sbを登録店舗に設定する。そして、受付部361は、従業員A11に関しては、2つの登録店舗Sa,Sbの中から受注店舗を選択する操作を受け付ける。なお、従業員A11は、受注店舗として、2つの店舗Sa,Sbのいずれか一方に限らず、2つの店舗Sa,Sbの両方を選択することも可能である。
【0037】
配送依頼取得部362は、受付部361により受け付けられた受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報を配送管理サーバ装置60から取得する。具体的には、図3に示される受託希望ユーザDB621に登録されている従業員A11の端末30には、承認済みの従業員番号「011-987654-021」及び「011-876543-015」のそれぞれに対応する2つの店舗Sa,Sbのそれぞれに関連する配送依頼通知が配送管理サーバ装置60から送信される。このとき、例えば従業員A11が受注店舗として店舗Sbのみを選択している場合、配送依頼取得部362は、配送管理サーバ装置60から送信される2つの店舗Sa,Sbのそれぞれに関連する配送依頼通知のうち、店舗Sbに関連する配送依頼通知のみを取得する。また、例えば従業員A11が受注店舗として2つの店舗Sa,Sbの両方を選択している場合、配送依頼取得部362は、配送管理サーバ装置60から送信される2つの店舗Sa,Sbのそれぞれに関連する配送依頼通知を取得する。
【0038】
出力部363は、表示部31を制御することにより各種画面を表示部31に表示する。次に、出力部363により表示部31に表示される画面の例について説明する。
従業員が配送アプリケーションを起動させた後、ユーザID及びパスワードを入力してログインすると、出力部363は配送アプリケーションの操作画面を表示部31に表示する。出力部363は、配送アプリケーションの操作画面の一つとして、図8に示されるような操作画面90を表示部31に表示する。図8に示されるように、この操作画面90には操作ボタン900が設けられている。操作ボタン900は、配送業務の受託を希望する従業員が自身の従業員番号を登録する際に操作するボタンである。
【0039】
従業員が操作ボタン900を操作した場合、出力部363は、図9に示されるような番号追加画面91を表示する。図9に示されるように、番号追加画面91には、スキャンボタン910と、番号表示領域911と、追加登録ボタン912とが設けられている。
スキャンボタン910は、従業員が、自身の従業員カード等に記載されている二次元コードの情報を読み込む際に操作するボタンである。従業員がスキャンボタン910を操作すると、従業員端末30の読取り部33が起動して、読取り部33により二次元コードを読み取ることが可能となる。従業員が自身の従業員カードの二次元コードを読取り部33に読み取らせると、図10に示されるように、読取り部33により読み取られた二次元コードに含まれる情報、具体的には従業員番号の情報が番号表示領域911に表示される。このように、本実施形態では、読取り部33が、従業員番号を取得する従業員番号取得部の一例である。
【0040】
追加登録ボタン912は、番号表示領域911に表示されている従業員番号を受託希望ユーザDB621に登録する際に操作するボタンである。従業員が追加登録ボタン912を操作すると、通信部34が、番号表示領域911に表示されている従業員番号と、記憶部35に記憶されている端末アカウントIDとを含む登録要求通知を生成して、生成した登録要求通知を配送管理サーバ装置60に送信する。この登録要求通知に基づいて配送管理サーバ装置60の紐付け部631が登録処理を実行することにより、登録要求通知に含まれる端末アカウントIDと従業員番号とが紐付けられて受託希望ユーザDB621に登録される。
【0041】
次に、配送業務を受託する際に表示部31に表示される画面の例について説明する。出力部363は、配送アプリケーションの操作画面の一つとして、図11に示されるような注文受付画面92を表示部31に表示する。図11に示されるように、注文受付画面92には、注文一覧表示領域920と、受付切替ボタン921とが設けられている。
【0042】
受付切替ボタン921は、配送業務を受け付けるか否かを選択するためのボタンである。受付切替ボタン921をオン状態に設定すると、配送業務の受け付けが開始される。受付切替ボタン921をオフ状態に設定すると、配送業務の受け付けが停止される。なお、図11では、受付切替ボタン921がオフ状態である場合、すなわち配送業務の受け付けを停止している場合が例示されている。
【0043】
注文一覧表示領域920には、各店舗から発注されている配送業務が一連で表示される。図11に示されるように、受付切替ボタン921がオフ状態である場合、注文一覧表示領域920には、従業員が受託可能な配送業務は表示されない。
従業員が受付切替ボタン921をオン操作した場合、出力部363は、図12に示されるような店舗選択画面93を表示部31に表示する。図12に示されるように、店舗選択画面93には、配送業務を受託することが可能な単数又は複数の店舗の名称が表示される。店舗選択画面93に表示される店舗は、従業員端末30の端末アカウントIDに紐付けられており、且つ承認状態が「承認済」の従業員番号に対応した店舗である。したがって、例えば図3に示されるように、「TM1234567」の端末アカウントIDに対して、承認済みの従業員番号として「011-987654-021」及び「011-876543-015」が紐付けられている場合、店舗選択画面93には、店舗番号が「987654」の店舗の名称「Sa店」と、店舗番号が「876543」の店舗の名称「Sb店」とが表示される。
【0044】
店舗選択画面93では、表示される単数又は複数の店舗の名称に対応付けられて切替ボタン930が表示される。切替ボタン930は、配送業務を受託するか否かを切り替えるためのボタンである。例えば、図12に示されるように、店舗Saに対応した切替ボタン930がオフ操作されており、且つ店舗Sbに対応した切替ボタン930がオン操作されている場合、注文受付画面92の注文一覧表示領域920には、その店舗Sbの配送依頼の注文のみが例えば図13に示されるように一覧で表示される。注文一覧表示領域920には、注文番号ごとに配送業務表示枠923が設けられる。配送業務表示枠923には、配送業務を依頼する店舗の名称、配達先の住所、受け付け終了までの残り時間、配達期限、受託ボタン922、及び注文番号等が表示される。なお、受け付けの終了の時期は、例えば従業員への依頼を中止して配送業者に商品の配達を依頼する時期であってもよいし、商品の配送業務をキャンセルする時期であってもよい。
【0045】
なお、注文一覧表示領域920に表示すべき配送依頼の注文が複数存在するとき、複数の配送依頼の注文は、受け付け終了までの残り時間が短い順に並べて表示される。
また、図12に示される店舗選択画面93において、店舗Sa,Sbのそれぞれの切替ボタン930が共にオン操作されている場合、注文受付画面92の注文一覧表示領域920には、店舗Sa,Sbのそれぞれの配送依頼の注文が表示される。この場合にも、注文一覧表示領域920に表示すべき配送依頼の注文が複数存在するとき、複数の配送依頼の注文は、受け付け終了までの残り時間が短い順に並べて表示される。
【0046】
従業員は、図13に示される注文受付画面92において受託ボタン922を操作することにより、当該受託ボタン922に対応する注文番号の配送業務を受託することが可能となる。
(情報処理システムの動作例)
次に、本実施形態の情報処理システム10の動作例について説明する。
【0047】
図14に示されるように、従業員が端末30を操作して自身の従業員カードの二次元コードを読み込む操作を行った後(ステップS20)、登録操作を行うと(ステップS21)、従業員端末30の通信部34は、端末アカウントID及び従業員番号を含む登録要求通知を配送管理サーバ装置60に送信する(ステップS22)。これにより、配送管理サーバ装置60の紐付け部631が、登録要求通知に含まれる従業員番号を端末アカウントIDに紐付けて受託希望ユーザDB621に新たに登録する(ステップS30)。その後、店長等の管理者が、新たに登録された従業員番号を承認する操作を行うことにより、配送管理サーバ装置60の承認部632が、承認操作が行われた旨を受信すると(ステップS31)、その従業員番号の承認状態を「未承認」の状態から「承認済」の状態に切り替える(ステップS32)。これにより、「承認済」の状態である従業員番号に対応した店舗の配送依頼通知が従業員端末30に送信されるようになる。なお、以下では、一例として、店舗Sa,Sbが「承認済」である場合について説明する。
【0048】
その後、従業員が端末30において受付切替ボタン921をオン操作した後(ステップS23)、配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を行うと(ステップS24)、選択された受注店舗の配送依頼が従業員端末30に表示される(ステップS25)。例えば、ステップS24において従業員が、店舗Sbを受注店舗として選択する一方、店舗Saを受注店舗として選択しなかったとすると、その受注店舗の選択操作が従業員端末30の受付部361により受け付けられる。この場合、従業員端末30の配送依頼取得部362は、店舗Sbに関連する配送依頼通知を受信する一方、店舗Saに関連する配送依頼通知を受信しない。これにより、従業員端末30には、店舗Sbの配送依頼の注文のみが表示されるようになる。
【0049】
続いて、従業員が、端末30に表示されている店舗Sbの複数の配送依頼の注文のうち、いずれかの注文に対応した受託ボタン922を操作すると(ステップS26)、受託ボタン922が操作された注文番号を含む受託通知が従業員端末30から配送管理サーバ装置60に送信される(ステップS27)。これにより、配送管理サーバ装置60は、受託通知に含まれる注文番号に対応した配送業務の配達員が決定したと判定する(ステップS33)。
【0050】
(情報処理システムのハードウェア的な構成)
次に、図15を参照して、コンピュータ140により端末20,30,40、サーバ装置50,60、及び配送業者システム70を実現する場合のコンピュータ140のハードウェア構成の一例について説明する。
【0051】
図15に示されるように、コンピュータ140は、プロセッサ141、記憶装置142、通信装置143、入力装置144、及び出力装置145等を有している。プロセッサ141はCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置142は、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つにより構成される。通信装置143は有線通信又は無線通信を行う。入力装置144は、入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス、マイクの少なくとも一つにより構成される。出力装置145は、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル、及びスピーカの少なくとも一つにより構成される。
【0052】
(本実施形態の情報処理システムの作用及び効果)
以上説明した通り、情報処理システム10は、配送業務の受託を希望する従業員(受託希望ユーザ)に対して、店舗に確保されている商品の配送を依頼するものであって、受付部361と、配送依頼取得部362と、出力部363とを備える。受付部361は、従業員により行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付ける。配送依頼取得部362は、受付部361により受け付けられた受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報を配送管理サーバ装置60から取得する。出力部363は、受注店舗から発注されている配送依頼の情報を従業員に対して出力する。
この構成によれば、複数の店舗の中から受注店舗を選択する操作を従業員が行った場合、従業員により選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報が従業員に出力される。よって、従業員は自身が希望する受注店舗からの配送依頼のみを閲覧することができるため、より適切に複数の店舗からの配送依頼を確認することが可能となる。
【0053】
受付部361は、複数の店舗の中から複数の受注店舗を選択する操作を受け付ける。配送依頼取得部362は、受付部361により受け付けられた受注店舗の選択操作に基づいて、選択された複数の受注店舗からそれぞれ発注されている配送依頼の情報を配送管理サーバ装置60から取得する。出力部363は、複数の受注店舗からそれぞれ発注されている配送依頼の情報を従業員に対して出力する。具体的には、出力部363は、複数の受注店舗からそれぞれ発注されている複数の配送依頼の情報を従業員端末30の注文受付画面92に一覧で表示する。
この構成によれば、従業員が複数の受注店舗からの配送依頼を容易に確認することができるため、利便性を向上させることが可能となる。
【0054】
出力部363は、従業員端末30に複数の配送依頼の情報を一覧で表示する際に、複数の配達依頼の情報を、受け付け終了までの残り時間が短い順に、換言すれば配送依頼の受け付け期限が近いものから順に並べて表示する。
この構成によれば、受け付け期限が短い配送依頼が従業員により選択され易くなるため、より効率的に商品を配達することが可能となる。
【0055】
受付部361は、端末30において受付切替ボタン921を従業員がオン操作した後に、換言すれば商品の配送依頼の注文の受け付けを開始する操作を従業員が行った後に、図12に示される店舗選択画面93において、複数の店舗の中から受注店舗を選択する操作を受け付ける。
この構成によれば、より適切な流れで、受注店舗を選択する操作を従業員が行うことが可能となる。
【0056】
情報処理システム10は、読取り部33(従業員番号取得部)と、紐付け部631とを更に備える。読取り部33は従業員番号を取得する。従業員番号は、店舗番号を含むとともに、従業員に紐付けられている。紐付け部631は、読取り部33により取得された従業員番号を、従業員端末30に紐付けられた端末アカウントID(端末識別番号)に紐付ける。受付部361は、端末アカウントIDに紐付けられている従業員番号から、従業員番号に含まれている店舗番号を取得するとともに、取得された店舗番号に対応する店舗を、受注店舗として選択可能な登録店舗として用いる。
この構成によれば、従業員番号に基づいて登録店舗を設定することが可能となるため、登録店舗の設定が容易になる。
【0057】
紐付け部631は、従業員とは別のユーザである店長等の管理者が承認操作を行うことに基づいて、従業員番号を端末アカウントIDに紐付ける。
この構成によれば、より適切に従業員番号を管理することが可能となる。
【0058】
<他の実施形態>
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。
例えば、従業員番号を端末アカウントIDに紐付けるユーザとしては、店長等の管理者に限らず、任意のユーザを採用することが可能である。
【0059】
紐付け部631は、従業員端末30から送信される登録要求通知を受信した際に、承認操作を必要とすることなく、登録要求通知に含まれる従業員番号と端末アカウントIDとを紐付けて受託希望ユーザDB621に登録してもよい。
【0060】
出力部363は、従業員端末30に複数の配送依頼の情報を一覧で表示する際に、複数の配達依頼の情報を、複数の店舗ごとに分けて表示してもよい。
上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0061】
10:情報処理システム、30:従業員端末(端末装置)、33:読取り部(従業員番号取得部)、60:配送管理サーバ装置、140:コンピュータ、631:紐付け部、361:受付部、362:配送依頼取得部、363:出力部。
【要約】
【課題】より適切に複数の店舗からの配送依頼を確認することが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、受付部361と、配送依頼取得部362と、出力部363とを備える。受付部361は、従業員により行われる操作であって、複数の店舗の中から、商品の配送依頼の注文を受け付ける店舗である受注店舗を選択する操作を受け付ける。配送依頼取得部362は、受付部361により受け付けられた受注店舗の選択操作に基づいて、選択された受注店舗から発注されている配送依頼の情報を配送管理サーバ装置から取得する。出力部363は、受注店舗から発注されている配送依頼の情報を従業員に対して出力する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15