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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】折り畳み情報通信体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/04 20060101AFI20240624BHJP
   B42D 15/02 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B42D15/04 K
B42D15/02 501E
B42D15/04 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020188335
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2022069358
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-1109(JP,A)
【文献】特開2012-240412(JP,A)
【文献】特開2013-99912(JP,A)
【文献】特開2019-111796(JP,A)
【文献】特開2018-192776(JP,A)
【文献】特開2019-34538(JP,A)
【文献】特開2020-147021(JP,A)
【文献】特開2020-59263(JP,A)
【文献】特開2019-14219(JP,A)
【文献】特開2020-6671(JP,A)
【文献】特開2020-152089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線を介して連接された複数の葉片の任意の葉片の任意の縁辺に貫通孔を設けると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接した第一の単位シートが縦方向に連接された第一の長尺シートと、前記第一の単位シートと貫通孔の配置が異なる第二の単位シートが縦方向に連接された第二の長尺シートを同時に繰り出し、前記繰り出された第一及び第二の長尺シートの各々の単位シートを両外側のマージナル孔で搬送手段のピンに嵌合させて位置合わせする長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程と、
前記位置合わせされた両単位シートの少なくとも一組の隣接する2葉片に、疑似接着フィルムシートを被覆する疑似接着フィルムシートの被覆工程と、
疑似接着フィルムシートが被覆された第一及び第二の長尺シートを連続的に折り畳む長尺シートの折り畳み工程と、
折り畳まれた両長尺シートを単位シート毎に切除する長尺シートの切除工程と、
切除された単位シートの疑似接着フィルムシートを介する対向面間を剥離可能に接着すると共に、対向面間に疑似接着フィルムシートを介さない葉片同士を単位シートを構成する任意の葉片の周囲に貫通孔を設け前記貫通孔に被覆された疑似接着フィルムシートの露出した接着剤層を介して、近接する葉片と剥離可能に接着する単位シートの接着工程とからなることを特徴とした折り畳み情報通信体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片を折畳み或いは切り重ねて剥離可能に一体化した折り畳み情報通信体の製造方法に関する。詳しくは別体の用紙を重ね合わせ折り畳み、疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に一体化することで、伝達する情報量を増やすことができる折り畳み情報通信体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告や案内状、パンフレット等の大量の情報を伝達する手段として、封筒に各種伝達物を印刷したシート等を折り畳み、封入封緘して郵送する方法が一般的である。しかし従来の折り畳まれたシートを大量に封筒に詰め込む手法では受取人は興味を示さなくなり開封される前に廃棄されてしまう可能性も考えられる。また多数の宣伝広告物や個別情報が記入されたシートを封入封緘する作業に掛かる多大な経費を削減したいところである。そのような状況下、例えば特開2012-240412号公報に記載される折り畳み情報通信体とその製造方法が提案されている。
【先行技術分野】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-240412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既述の引用文献に記載される折り畳み情報通信体は、一枚のシートから自動的に折り畳み封書に仕上げるため、複数の折り畳まれたシートを一つの封筒に封入する際に要する封入封緘の手間が省ける。また従来の封筒の外観と異なるため、受取人に対して開封の興味を起こさせる共に剥離展開後の態様が単に平面に展開されるのではなく不規則な製本形態に展開されるため訴求効果にも優れるという作用効果を発揮する。
【0005】
しかしながら、折り線を介して横方向に複数の葉片が連接されたシートの表裏面に印刷を施すには、印刷機の都合等により用紙幅に限界がある。特にシートの両外側にマージナル部分を設けたフォーム印刷等の場合、一般的に450mm前後の用紙幅が印刷領域の限界で、それ以上の広幅を印刷するには特別なフォーム印刷機に頼らざるを得なくなり汎用性がなくなる。前記印刷領域では折り畳み封書の葉片数は角3封筒を基準に考慮すると、横方向に4葉片が連接するとマージナル部分を加え500mm近くになる。さらにメール便等のA4サイズの葉片が横並びになると2葉片のみで限界幅になってしまう。
【0006】
本発明の折り畳み情報通信体とその製造方法は、上記問題に鑑み、従来の汎用性のあるフォーム印刷等の印刷機でこれまで以上の大量の情報が記載でき、また情報通信体の封緘に使用される疑似接着フィルムシートの使用量を減らすことによりコスト低減を実現させると共に受取人の開封意欲が喚起され開封後は変則的な製本状態で展開するため訴求効果が加わる折り畳み情報通信体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の折り畳み情報通信体の製造方法は、折り線を介して連接された複数の葉片の任意の葉片の任意の縁辺に貫通孔を設けると共に両外側にマージナル孔を設けたマージナル部分を連接した第一の単位シートが縦方向に連接された第一の長尺シートと、前記第一の単位シートと貫通孔の配置が異なる第二の単位シートが縦方向に連接された第二の長尺シートを同時に繰り出し、前記繰り出された第一及び第二の長尺シートの各々の単位シートを両外側のマージナル孔で搬送手段のピンに嵌合させて位置合わせする長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程と、前記位置合わせされた両単位シートの少なくとも一組の隣接する2葉片に、疑似接着フィルムシートを被覆する疑似接着フィルムシートの被覆工程と、疑似接着フィルムシートが被覆された第一及び第二の長尺シートを連続的に折り畳む長尺シートの折り畳み工程と、折り畳まれた両長尺シートを単位シート毎に切除する長尺シートの切除工程と、切除された単位シートの疑似接着フィルムシートを介する対向面間を剥離可能に接着すると共に、対向面間に疑似接着フィルムシートを介さない葉片同士を単位シートを構成する任意の葉片の周囲に貫通孔を設け前記貫通孔に被覆された疑似接着フィルムシートの露出した接着剤層を介して、近接する葉片と剥離可能に接着する単位シートの接着工程とからなることを特徴としている。
【0008】
本発明で使用される各長尺シートの材質に限定はなく、紙、合成紙、樹脂フィルムシート、不織布等印刷可能な平面状の媒体を使用することができる。そして紙面の両外側縁辺にマージナル孔を設けたマージナル部分が連接されたものが使用される。
後述するが貫通孔から露出した疑似接着フィルムシートと、その感熱接着層と接触する隣接葉片は剥離可能に接着される必要があるため、マット紙やコート紙等表面に何らかの材質が塗工されている塗工紙が好適に使用される。
【0009】
本発明で使用される疑似接着フィルムシートは、例えばポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリプロピレン等を基材として、一方の面に公知の感熱接着剤層を形成すると共にもう一方の面に疑似接着層を形成したサーマルラミネート法に対応したものを好適に使用することができる。この物は印刷物等の疑似接着予定面に前記感熱接着剤層を介して剥離不能に接着した後に、表出している疑似接着層を対向させて折り畳み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより対向面同を剥離可能に接着することができる。
【0010】
両外側の縁辺にマージナル部分を連接した第一の長尺シートと第二の長尺シートを左右のマージナル部分で位置を合わせながら重ね合わせ、任意の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートを被覆する。その後折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより前記疑似接着予定面は剥離可能に接着されることになる。
【0011】
折り畳みにより対向する葉片間の剥離可能な手段として、疑似接着予定面全面に疑似接着フィルムシートを被覆して実行する手段のほかに、例えば対向する葉片の内部は空洞のままで周囲縁辺を剥離可能に接着して封緘する手段がある。具体的には任意の葉片の周囲縁辺に貫通孔を設けておいて、そこから表出した疑似接着予定面に被覆された疑似接着フィルムシートの接着剤層を利用して、疑似接着フィルムシートが被覆されていない側に隣接する葉片表面の周囲縁辺と、前記任意の葉片の周囲縁辺に設けられた貫通孔を通して両葉片の周囲縁辺を剥離可能に接着することにより封緘する手段である。このようにすれば疑似接着フィルムシートの使用量をセーブすることができて極めて経済的である。
【0012】
なお、マージナル部分の切除は単位シートの接着工程迄に切除されていれば良く、折り畳み工程前或いは後に一度に切除されても良く、或いはマージナル部分毎に段階的に切除されても構わない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の折り畳み情報通信体の製造方法によれば、従来の汎用性のあるフォーム印刷等を使用することができる。また折り畳まれる葉片数を多く設定することが可能なため従来よりも多量の情報の伝達が可能となる。さらに疑似接着が安定している疑似接着フィルムシートの使用量が少なくて済むと共に受取人の開封意欲を喚起し、開封後は変則的な製本状態に展開するため受取人の興味を引く訴求効果に優れた情報通信体を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(A)は折り畳み情報通信体Jの表面図、(B)は裏面図である。
図2】(A)は図1(A)におけるII-II線断面図、(B)はI-I線及びIII-III線断面図である。
図3】(A)は図1(A)におけるIV-IV線断面図、(B)はV-V線断面図である。
図4】(A)は第三葉片3に設けられた貫通孔Hを通して第一葉片1との対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片3と隣接する第四葉片4の縁辺と接着する様子を示す部分拡大断面図、(B)は疑似接着フィルムシートG同士を剥離して第一葉片1と第三葉片3を分離した様子を示す部分拡大断面図、(C)は第三葉片3と第四葉片4が貫通孔Hで接着していた疑似接着フィルムシートGが剥離することで分離する様子を示す部分拡大断面図である。
図5】折り畳み情報通信体Jの剥離展開状態を示す斜視図である。
図6】(A)は単位シートt1の表面図、(B)は裏面図である。
図7】(A)は単位シートt2の表面図、(B)は裏面図である。
図8】(A)折り畳んだ単位シートt2を単位シートt1と重ね合わせ両側のマージナル孔8で位置合わせした状態の平面図、(B)は(A)におけるVI-VI線断面図である。
図9(A)は図8の単位シートの表裏面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)におけるVII-VII線断面図である。
図10】(A)及び(B)は貫通孔Hの各種形状を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0015】
以下本発明を、図面に沿って分かりやすく説明する。
[折り畳み情報通信体J]
本実施例の折り畳み情報通信体Jは図1(A)、(B)と図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)に示す構成である。そして図2(A)及び(B)に示すように、折り線5を介して連接されると共に二つ折り状態に折り畳まれた第一葉片1及び第二葉片2と、前記2葉片の対向面間に折り線6を介して連接されると共に二つ折り折り状態で折り畳まれ挟まれた第三葉片3及び第四葉片4とからなる。
【0016】
図2(A)及び(B)の図面で各葉片間の封緘状態を上側の葉片から順に説明すると、第一葉片1と第三葉片3は対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGにより全面的に剥離可能に接着して封緘されている。
【0017】
次に第三葉片3と第四葉片4の対向面間は全面的に接着しておらず、図2(B)に示すように両葉片の上下縁辺において、第一葉片1及び第三葉片3の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGが、第三葉片3の上下縁辺に設けられた貫通孔Hを通して、その感熱接着剤層により両葉片が剥離可能に接着することで封緘されている。また右側縁辺は折り線6及び5で開口部がなく、さらに左側縁辺は図3(A)に示すように前記上下縁辺と同様で、疑似接着フィルムシートGにより第三葉片3の左側縁辺に設けられた貫通孔Hを通して両葉片は剥離可能に接着して封緘されている。このようにして第三葉片3と第四葉片4の周囲は封緘されている。
【0018】
また第四葉片4と第二葉片2の対向面間も全面的には接着しておらず、図2(B)に示すように既述の第三葉片3及び第四葉片4の対向面間と同じ理屈で、上下縁辺の貫通孔Hと右側縁辺の折り線6及び5並びに左側縁辺の貫通孔Hにより周囲縁辺が剥離可能に封緘されている。
【0019】
なお、本実施例の図面では、複雑化を避けるために既述の構成の疑似接着フィルムシートGを1層で示しているが、実際は基材、感熱接着剤層及び疑似接着剤層の3層からなる。そして対向する葉片間で2枚の疑似接着フィルムシートがお互いの疑似接着剤層同士で剥離可能に接着すると共に感熱接着剤層側で対向する各葉片と剥離不能に接着することで、最終的に両葉片を疑似接着層から剥離することができる。そして剥離展開後の各葉片表面にはそれぞれ疑似接着フィルムシートGが被覆された状態で残る。
【0020】
以上を踏まえて本実施例の貫通孔Hを利用した剥離可能な接着状態を説明する。図4は第一葉片1、第三葉片3及び第四葉片4の貫通孔H周囲の一部拡大断面図である。第一葉片1と第三葉片3は対向面間に介在する2枚の疑似接着フィルムシートG、Gにより剥離可能に全面的に接着されることで封緘されている。そして第三葉片3と第四葉片4は、第三葉片3に形成されている貫通孔Hを通して第四葉片4の表面へ押し出されて接触している疑似接着フィルムシートGの感熱接着剤層により接着されている。前記貫通孔による三方縁辺の接着と折り線で形成される右側の縁辺により第三葉片3と第四葉片4は封緘されている。
【0021】
なお、第三葉片3に形成された貫通孔Hを通して第四葉片4と接着している疑似接着フィルムシートGの感熱接着剤層は、シートの厚みにより貫通孔Hの内部に沿って空間が発生するため中心付近の僅かな面積で接着している。そのため前記接着部分の接着力は減衰され意図的に引き剥がそうとすると剥離することが可能な状態となっている。
【0022】
既述の封緘状態の各葉片は図4(A)に示す状態から、例えば第一葉片1と第三葉片3の対向面間は図4(B)に示すように、対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG、Gを対向する疑似接着層同士の間から剥離して分離することができる。そして第三葉片3と第四葉片4の対向面間は図4(C)に示すように、葉片の周囲縁辺に形成されている貫通孔Hから押し出されて接着している疑似接着フィルムシートGを引き剥がし分離することができるのである。
【0023】
折り畳み情報通信体Jの受取人は、上記内容に沿って形成された各葉片の対向面間を開封して、図5に示すように、別体の第一葉片1と第三葉片3が折り線5部分で疑似接着フィルムシートGにより連接された状態で展開することができる。そして展開後は疑似接着フィルムシートGが被覆されている面はそれを透過して内部の情報を確認することができるのである。
【0024】
[折り畳み情報通信体Jの製造方法]
本発明の折り畳み情報通信体Jの製造方法で使用する長尺シートには2種類の長尺シートが使用される。第一の長尺シートは、図6(A)及び(B)に示すように第一葉片1及び第二葉片2が折り線5を介して横方向に連接されると共に、第一葉片1及び第二葉片2の外側にマージナル孔8が設けられたマージナル部分9が切除線7を介して連接された単位シートt1が、縦方向に連続的に印刷されたシートである。そして第二葉片2の折り線5側の縁辺を除いた各縁辺には貫通孔Hが複数設けられている。
【0025】
次に第二の長尺シートは図7(A)及び(B)に示すように、第三葉片3及び第四葉片4が折り線6を介して横方向に連接されると共に、第三葉片3及び第四葉片4の外側にマージナル孔8が設けられたマージナル部分9が切除線7を介して連接された単位シートt2が、縦方向に連続的に印刷されたシートである。そして第三葉片3の折り線6側の縁辺を除いた各縁辺には貫通孔Hが複数設けられている。
このような構成の第一及び第二の長尺シートには、例えばビジネスフォーム印刷や輪転印刷により印刷されている。
【0026】
既述の構成の第一及び第二の長尺シートは、上下に分かれて或いは並列状態から下流に配置されているピントラクタ等の搬送手段のピンで嵌合するように繰り出されて、折り線6から第三葉片3及び第四葉片4が対向するように折り畳まれた単位シートt1及びt2が図8(A)及び(B)に示すように、第四葉片4の表面側と第二葉片2の裏面側とを位置合わせしながら重ね合わせられ下流の疑似接着フィルムシートの被覆工程へと送り出される。(長尺シートの繰り出し並びに単位シート同士の位置合わせ工程)
【0027】
前記疑似接着フィルムシートの被覆工程では、例えば一対のヒートローラ等の加熱・加圧処理を施す被覆装置に送り込まれる両長尺シートに印刷された単位シートt1及びt2の表出面に、上下方で待機するロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、図9(A)及び(B)に網点で示す位置に被覆される。その際に連続していない第三葉片3と第一葉片1は、段差を跨いだ状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されるため、両者は折り線5に沿って形成される段差部分で前記疑似接着フィルムシートGにより連接された状態となる。
【0028】
そして前記状態の第一及び第二の長尺シートは、折り線5から第三葉片3と第一葉片1が対向するように、二つ折り状態に折り畳まれる(長尺シートの折り畳み工程)。
【0029】
その後スリッタ等の公知の切除装置によりマージナル部分9が切除される共に単位シートt1及びt2毎に分断され(長尺シートの切除工程)、図1、2及び3の状態に仕上げられ下流の加圧或いは加熱・加圧処理装置からなる単位シートの接着工程へと送り込まれる
【0030】
前記単位シートの接着工程は、例えば一対の搬送ローラと一対のヒータパネルを交互に配置しておいて、排出口に加圧ローラを備えた加熱・加圧装置や、一対のヒートローラや金属製のヒートローラとバックアップ用のゴムローラからなる加熱・加圧装置からなり、その間を通過する単位シートの対向面に介在する疑似接着フィルムシートGは対向する疑似接着層同士が剥離可能に接着して封緘される。また疑似接着フィルムシートGが介在していない対向面同士は、既述の通り周囲の縁辺に設けられた貫通孔Hに被覆されて露出している疑似接着フィルムシートGの感熱接着剤層により、貫通孔Hを通して隣接する葉片の周囲縁辺と剥離可能に接着して封緘される。
【0031】
このようにして製造される折り畳み情報通信体Jの受取人は、第一葉片1と第三葉片3間を両者間に介在する疑似接着フィルムシートGを剥離して開封する。また第三葉片3と第葉片間及び第四葉片4と第二葉片2間を貫通孔Hを通して剥離可能に接着している周囲縁辺を開放して開封する。そして疑似接着フィルムシートGが被覆されている表面はそれを透して内部に記載されていた情報を読み取ることができるのである。
【0032】
なお本発明は、上記実施例に限られるものではない。
例えば、葉片の大きさや連接数に格別な制限はない。
また折り畳みの態様にも制限はなく重ね合わせに際して一方の単位シートが折り畳まれたりしていても、折り畳み後全てのマージナル孔がピンと嵌合し位置合わせがされていればよいのである。折り畳みの態様により、より受取人の興味を引く展開となる形態を実現することができる。
さらに貫通孔は必ずしも封緘対象の縁辺全域に配置する必要はなく、図10(A)に例示するように、必要と思われる任意の箇所に間隔を開けて配置しても構わない。
さらにまた、図10(B)に示すように例えば横長の窓状の貫通孔が少数配置されていても構わない。
また貫通孔の形状にも制限はなく複数の各種形状やそれら異なる形状の貫通孔が混合されて配置されていても構わない。
【符号の説明】
【0033】
J 折り畳み情報通信体
t1、t2 単位シート
H 貫通孔
G 疑似接着フィルムシート
1、2、3、4 葉片
5、6 折り線
7 切除線
8 マージナル孔
9 マージナル部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10