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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】電子機器及び近接センサ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
H05K1/14 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020040797
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021144976
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】西森 直樹
(72)【発明者】
【氏名】後 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-518394(JP,A)
【文献】特開2006-236948(JP,A)
【文献】特開平6-152092(JP,A)
【文献】実開昭58-134844(JP,U)
【文献】実開平4-106827(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
H05K 1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線層の端子が設けられた第1面と、前記第1面の裏側に位置する第2面と、第2配線層の端子が設けられ且つ前記第1面及び前記第2面に連続する端面と、を有するハード基板と、
第3配線層の端子が設けられ且つ前記ハード基板の前記第1面に対向する第3面と、第4配線層の端子が設けられ且つ前記第3面の裏側に位置する第4面と、を有するフレキシブル基板と、を備え、
前記ハード基板の前記第1面に設けられた前記第1配線層の端子と、前記フレキシブル基板の前記第4面に設けられた前記第4配線層の端子とは、半田によって電気的に接続されており、
前記ハード基板の前記端面に設けられた前記第2配線層の端子と、前記フレキシブル基板の前記第3面に設けられた前記第3配線層の端子とは、半田によって電気的に接続されており、
前記フレキシブル基板は、前記第4面が前記ハード基板の前記第1面に対向することにより、前記第3面が前記ハード基板の前記第1面に対して復元力を加えるように湾曲する、電子機器。
【請求項2】
前記フレキシブル基板は、前記第3面が外側に配置され且つ前記第4面が内側に配置される湾曲部を有する、請求項に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2配線層の端子は、前記端面が有する凹部に設けられる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記凹部は、前記第1面及び前記第2面に略垂直な方向を軸方向とする略円筒形状の面を構成する、請求項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2配線層は、前記ハード基板の前記第2面の上及び/又は前記ハード基板の内部に設けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
互いに電気的に接続される前記第2配線層の端子及び前記第3配線層の端子の数は、互いに電気的に接続される前記第1配線層の端子及び前記第4配線層の端子の数よりも多い、請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
筐体と、
前記筐体の内部に配置された請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器と、
前記ハード基板に接続された検出部と、を備える、近接センサ。
【請求項8】
第1配線層の端子が設けられた第1面と、前記第1面の裏側に位置する第2面と、第2配線層の端子が設けられ且つ前記第1面及び前記第2面に連続する端面と、を有するハード基板と、
第3配線層の端子が設けられ且つ前記ハード基板の前記第1面に対向する第3面と、第4配線層の端子が設けられ且つ前記第3面の裏側に位置する第4面と、を有するフレキシブル基板と、を接続する方法であって、
前記ハード基板の前記端面に設けられた前記第2配線層の端子と、前記フレキシブル基板の前記第3面に設けられた前記第3配線層の端子とを、半田によって電気的に接続するステップと、
前記ハード基板の前記第1面に設けられた前記第1配線層の端子と、前記フレキシブル基板の前記第4面に設けられた前記第4配線層の端子とを、半田によって電気的に接続するステップと、
前記フレキシブル基板を、前記第4面が前記ハード基板の前記第1面に対向することにより、前記第3面が前記ハード基板の前記第1面に対して復元力を加えるように、湾曲させるステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び近接センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器において、ハード基板に設けられた配線層とフレキシブル基板に設けられた配線層とを接続することが行われている。例えば、特許文献1には、フレキシブル配線基板の接続方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-245108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配線層同士の接続点数が増えるにつれて、ハード基板の表面における半田付けに必要なスペースも増大するため、電子機器の小型化が困難になる。
【0005】
そこで、本発明は、ハード基板の部品実装スペースを確保しつつ全体を小型化することの可能な電子機器及び近接センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電子機器は、第1配線層の端子が設けられた第1面と、第1面の裏側に位置する第2面と、第2配線層の端子が設けられ且つ第1面及び第2面に連続する端面と、を有するハード基板と、第3配線層の端子が設けられ且つハード基板の第1面に対向する第3面と、第4配線層の端子が設けられ且つ第3面の裏側に位置する第4面と、を有するフレキシブル基板と、を備え、ハード基板の第1面に設けられた第1配線層の端子と、フレキシブル基板の第4面に設けられた第4配線層の端子とは、半田によって電気的に接続されており、ハード基板の端面に設けられた第2配線層の端子と、フレキシブル基板の第3面に設けられた第3配線層の端子とは、半田によって電気的に接続されている。
【0007】
この態様によれば、電子機器について、ハード基板の部品実装スペースを確保しつつ全体を小型化することが可能となる。
【0008】
上記態様において、フレキシブル基板は、第3面がハード基板の第1面に対して復元力を加えるように湾曲していてもよい。
【0009】
この態様によれば、フレキシブル基板が第3面を介してハード基板の第1面に対して復元力を加えるように固定されるため、フレキシブル基板の第3面がハード基板の第1面に対してより強固に固定される。
【0010】
上記態様において、フレキシブル基板は、第3面が外側に配置され且つ第4面が内側に配置される湾曲部を有してもよい。
【0011】
この態様によれば、フレキシブル基板が第3面を介してハード基板の第1面に対して復元力を加えるように固定されるため、フレキシブル基板の第3面がハード基板の第1面に対してより強固に固定される。
【0012】
上記態様において、第2配線層の端子は、端面が有する凹部に設けられてもよい。
【0013】
この態様によれば、例えば基材にスルーホールを施した上で、該スルーホールで基材を分割することにより、ハード基板を製造することが可能となり、電子機器の製造方法を簡素化することが可能となる。
【0014】
上記態様において、凹部は、第1面及び第2面に略垂直な方向を軸方向とする略円筒形状の面を構成してもよい。
【0015】
この態様によれば、例えば基材にスルーホールを施した上で、該スルーホールで基材を分割することにより、ハード基板を製造することが可能となり、電子機器の製造方法を簡素化することが可能となる。
【0016】
上記態様において、第2配線層は、ハード基板の第2面の上及び/又はハード基板の内部に設けられてもよい。
【0017】
この態様によれば、第2配線層をハード基板の表面及び/又は内部に設けることができ、配線の自由度が増加する。
【0018】
上記態様において、互いに電気的に接続される第2配線層の端子及び第3配線層の数は、互いに電気的に接続される第1配線層の端子及び第4配線層の端子の数よりも多くてもよい。
【0019】
この態様によれば、少ない量の半田でハード基板30及びフレキシブル基板50を接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品点数を抑え、配線層の接続のためのスペースを小さくすることの可能な電子機器及び近接センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るセンサ1の分解斜視図である。
図2図1に示すセンサ1を組み立てた状態におけるII-II線の断面図である。
図3】フレキシブル基板50の一端がハード基板30の一端に載置される部分を示す図である。
図4A】ハード基板30の第1面31及びフレキシブル基板50の第4面52を斜めからみた斜視図である。
図4B】ハード基板30の第2面32及びフレキシブル基板50の第3面51を斜めからみた斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るセンサ1’の図2に相当する断面図である。
図6】本発明の実施形態に係るハード基板30及びフレキシブル基板50の接続方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0023】
図1及び図2を参照して、センサ1の内部構造について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るセンサ1の分解斜視図である。図2は、図1に示すセンサ1を組み立てた状態におけるII-II線の断面図である。図1の矢印で示すように、センサ1の軸方向に沿って、クランプ20から筐体10に向かう方向を前方とし、筐体10からクランプ20に向かう方向を後方とする。
【0024】
本実施形態に係るセンサ1は、非接触で検出対象が近づいたことを検出可能な近接センサであり、筐体10、クランプ20、コネクタ23、Oリング24、ハード基板30、検出部40、フレキシブル基板50、及び補強板60等を備える。筐体10は、筒形状に形成されており、内部にハード基板30及び検出部40等の電子部品が収容される。筐体10は、後方側に開口部を有しており、当該開口部からハード基板30及び検出部40等の電子部品が挿入される。筐体10は、金属や樹脂等で形成されてもよい。センサ1は、その外形が円柱形状となっているが、筐体10やクランプ20の外周が多角形である角柱形状であってもよい。
【0025】
クランプ20は、略円筒形状を呈した外側部材21と、略円筒形状を呈した内側部材22とを有する。外側部材21の内部には、前方側から内側部材22が嵌め込まれた上で、内側部材22の端部が筐体10の開口部に接続される。また、外側部材21の内部には、後方側から、Oリング24を介してコネクタ23が嵌め込まれる。コネクタ23の前方側の端部には、フレキシブル基板50の一端に設けられた端子が接続される。
【0026】
ハード基板30は、検出部40を制御する制御回路(不図示)及び検出部40に電流を供給する電流供給回路(不図示)を搭載する基板であり、筐体10に一部が収容される。ハード基板30の前方側の端部には、図2に示すように検出部40が取り付けられている。ハード基板30は、たとえば基材にガラス-エポキシ樹脂系の材料が利用されたリジッド配線基板が利用される。検出部40は、検出対象の有無を非接触で検出する。検出部40は、コイル42が収容されるコア41と、環状に巻かれたコイル42とを備える。一方、後述するように、ハード基板30の後方側の端部には端子が設けられており、当該端子がフレキシブル基板50の一端に設けられた端子と電気的に接続される。
【0027】
センサ1による検出対象の検出方法を説明する。まず、ハード基板30に搭載された電流供給回路からコイル42に励磁電流が供給される。コイル42は、供給された励磁電流に基づいて磁場を発生させる。この状態でコイル42に金属等の検出対象が接近すると、電磁誘導の法則により検出対象内部に渦電流が発生する。この渦電流は磁場を発生させるため、コイル42を貫く磁束、ひいてはコイル42のインピーダンスが変化する。検出部40に接続された制御回路は、コイル42のインピーダンスの変化を測定し、検出対象の有無を検出する。
【0028】
図2に示すとおり、フレキシブル基板50は、第3面51及び第4面52を有しており、断面図視において略S字上に湾曲している。フレキシブル基板50の端部は、第4面52をハード基板30の第1面31に接触(直接接触する場合の他、配線層等を介して接触する場合や、一部に空隙を含む場合等を含む)させるようにして、ハード基板30に載置される。フレキシブル基板50の他端は、コネクタ23に電気的に接続される。フレキシブル基板50としては、たとえば基材に耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂系の材料が利用された配線基板が利用される。センサ1におけるフレキシブル基板50が設けられた空間は、所定の樹脂により封止されてもよい。フレキシブル基板50の第4面52の上には、補強板60が載置される。フレキシブル基板50が歪曲すると、半田付け部分に応力が生じて当該部分も歪曲しようとするが、当該補強板60により半田付け部分の歪曲を抑えることが可能となる。
【0029】
コネクタ23は、外部電源からの電力をハード基板30及びフレキシブル基板50に搭載された回路へ供給してもよい。また、コネクタ23は、ハード基板30及びフレキシブル基板50に搭載された制御回路からの出力信号をアンプ等の外部機器へ伝達してもよい。
【0030】
次に、図3を参照して、ハード基板30及びフレキシブル基板50の接続構造について説明する。図3には、フレキシブル基板50の一端がハード基板30の一端に載置される部分が示されている。図3に示すとおり、ハード基板30は、第1面31と、第2面32と、端面33とを有する。第1面31は、フレキシブル基板50に対向する側に配置される。第2面32は、フレキシブル基板50に対向しない側、すなわち第1面31の裏側に配置される。端面33は、ハード基板30の端部において第1面31及び第2面32に連続するように配置される。
【0031】
ハード基板30の第1面31の少なくとも一部には、配線層W1(第1配線層W1)が設けられる。配線層W1の一部には、半田接合領域である端子W1tが設けられている。ハード基板30の第2面32の少なくとも一部及び端面33の少なくとも一部に渡って、配線層W2(第2配線層W2)が設けられる。配線層W2の端面33上に配置される一部には、半田接合領域である端子W2tが設けられている。配線層W1及びW2等は、たとえば基材の主表面に接着剤にて貼り付けられた銅をパターニングすること等によって形成される。
【0032】
フレキシブル基板50は、第3面51と、第4面52とを有する。第3面51は、ハード基板30に対向する側に配置される。第4面52は、ハード基板30に対向しない側、すなわち第3面51の裏側に配置される。第3面51の少なくとも一部には、配線層W3(第3配線層W3)が設けられる。第4面52の少なくとも一部には、配線層W4(第4配線層W4)が設けられる。配線層W3及びW4等は、たとえば接着剤を用いて基材の主表面に貼り付けられた銅箔の表面にスズめっきが施されること等によって形成される。
【0033】
フレキシブル基板50の第3面51の端部は、ハード基板30の第1面31の少なくとも一部の上に配置される。ハード基板30の第1面31に設けられた配線層W1の端子W1tと、フレキシブル基板50の第4面52に設けられた配線層W4の端子W4tとに渡って、半田S1が延在している。これにより、半田S1は、端子W1tと、端子W4tとを、電気的に接続している。
【0034】
ハード基板30の端面33に設けられた配線層W2の端子W2tと、フレキシブル基板50の第3面51に設けられた配線層W3の端子W3tとに渡って、半田S2が延在している。これにより、半田S2は、端子W2tと、端子W3tとを、電気的に接続している。
【0035】
次に、図4A及び図4Bを参照して、ハード基板30及びフレキシブル基板50の接続構造における端子の数について説明する。図4Aは、ハード基板30の第1面31及びフレキシブル基板50の第4面52を斜めからみた斜視図である。図4Bは、ハード基板30の第2面32及びフレキシブル基板50の第3面51を斜めからみた斜視図である。
【0036】
図4Aに示すとおり、ハード基板30の第1面31には、配線層W1の3つの端子W1ta、W1tb、及びW1tcが設けられている。また、フレキシブル基板50の第4面52には、配線層W4の3つの端子W4ta、W4tb、及びW4tcが設けられている。そして、図3を用いて説明したように、端子W1taは端子W4taと、端子W1tbは端子W4tbと、端子W1tcは端子W4tcと、それぞれ電気的に接続される。すなわち、ハード基板30の配線層W1と、フレキシブル基板50の配線層W4とは、3つの端子によって電気的に接続される。
【0037】
図4Bに示すとおり、ハード基板30の第2面32には、配線層W2の4つの端子W2ta、W2tb、W2tc、及びW2tdが設けられている。また、フレキシブル基板50の第3面51には、配線層W3の4つの端子W3ta、W3tb、W3tc、及びW3tdが設けられている。そして、図3を用いて説明したように、端子W2taは端子W3taと、端子W2tbは端子W3tbと、端子W2tcは端子W3tcと、端子W2tdは端子W3tdと、それぞれ電気的に接続される。すなわち、ハード基板30の配線層W2と、フレキシブル基板50の配線層W4とは、4つの端子によって電気的に接続される。
【0038】
半田S1が設けられるハード基板30の第1面31及びフレキシブル基板50の第4面52は、互いに略平行に配置される。一方、半田S2が設けられるハード基板30の端面33及びフレキシブル基板50の第3面51は、互いに略垂直に配置される。そのため、半田S2は、半田S1と比較して、広がりを小さく抑えることが可能となる。そして、上述したとおり、半田S2により接続される端子の数(4つ)は、半田S1により接続される端子の数(3つ)よりも多い。これにより、少ない量の半田でハード基板30及びフレキシブル基板50を接続することが可能となる。
【0039】
なお、ハード基板30の端面33に設けられる配線層W2の各端子W2ta、W2tb、W2tc、及びW2td等は、例えば、ハード基板30の基材に対してスルーホールを形成し、当該スルーホールの部分で基材を分割等することによって生成されてもよい。
【0040】
図5は、本発明の他の実施形態に係るセンサ1’の図2に相当する断面図である。センサ1’では、フレキシブル基板50がハード基板30に復元力を加えるように湾曲する。すなわち、フレキシブル基板50は、第3面51が外側に配置され、第4面52が内側に配置される湾曲部を有する。これにより、フレキシブル基板50には、当該湾曲部の湾曲を元に戻そうとする復元力がはたらく。そして、フレキシブル基板50の第3面51から、当該第3面51に対向するハード基板30の第1面31に対して、当該復元力が加えられる。これにより、ハード基板30及びフレキシブル基板50の接続がより強固になる。
【0041】
図6は、本発明の実施形態に係るハード基板30及びフレキシブル基板50の接続方法を説明するための図である。なお、図3は、本発明の実施形態に係るハード基板30及びフレキシブル基板50の接続構造を説明するために描かれたものであり、下記手順(1)~(4)においては図3の状態に対して上下が裏返しの状態となることに注意が必要である。
【0042】
(1)まず、図6(a)に示すように、フレキシブル基板50を、第3面51が上を向いた状態で平らな台Dの上に載置する。
(2)次に、図6(b)に示すように、ハード基板30を、第1面31がフレキシブル基板50と対向するように下を向いた状態で、フレキシブル基板50上に載置する。
(3)更に、図6(b)に示すように、ハード基板30の端面33に設けられた配線層W2の端子W2tと、フレキシブル基板50の第3面51に設けられた配線層W3の端子W3tとが半田付け可能な位置関係になるよう、ハード基板30の位置を調整する。
(4)次に、図6(c)に示すように、ハード基板30の端面33に設けられた配線層W2の端子W2tと、フレキシブル基板50の第3面51に設けられた配線層W3の端子W3tとを覆うように半田S2を形成し、これら端子W2tと端子W3tとを半田S2により電気的に接続する。半田付けを行う際にはハード基板30を下向きに押圧して配線層W2と配線層W3を密着させることが望ましい。
(5)次に、ハード基板30の第1面31が上を向くように、配線層W2の端子W2tと配線層W3の端子W3tとが半田S2で接続されたハード基板30とフレキシブル基板50とを、上下裏返す。
(6)次に、ハード基板30の第1面31に設けられた配線層W1の端子W1tと、フレキシブル基板50の第4面52に設けられた配線層W4の端子W4tとを覆うように半田S1を形成し、これら端子W1tと端子W4tとを半田S1により電気的に接続する。
【0043】
このような手順を用いてハード基板30及びフレキシブル基板50の接続構造を形成することにより、ハード基板30の端面33に設けられた配線層W2の端子W2tと、フレキシブル基板50の第3面51に設けられた配線層W3の端子W3tとが密着した状態で半田付けを行うことが可能となる。これにより、ハード基板30の端面33に設けられた配線層W2の端子W2tと、フレキシブル基板50の第3面51に設けられた配線層W3の端子W3tとの半田付けを容易且つ正確に行うことができ、これら端子の電気的接続を確実に行うことができる。
【0044】
また、図4A図4Bに示すとおり、半田S2で接続される端子の数は半田S1で接続される端子の数よりも多い。このため、半田S2で接続される、配線層W2の各端子W2ta、W2tb、W2tc、及びW2tdは、半田S1で接続される、ハード基板30の第1面31に設けられた配線層W1の3つの端子W1ta、W1tb、及びW1tcに比べて面積が小さくなる。端子の面積が小さい程、半田で接続しようとする端子同士の位置合わせにおいてより精密さが要求される。したがって、上述した手順により、位置合わせがより困難な半田S2を半田S1よりも先に形成することにより、ハード基板30及びフレキシブル基板50の端子同士の位置ずれを少なくすることができ、ハード基板30及びフレキシブル基板50の電気的接続を確実に行うことができる。
【0045】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、1’…センサ、10…筐体、20…クランプ、21…外側部材、22…内側部材、23…コネクタ、24…Oリング、30…ハード基板、31…第1面、32…第2面、33…端面、40…検出部、41…コア、42…コイル、50…フレキシブル基板、51…第3面、52…第4面、60…補強板、
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6