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特許7508097映像システム、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】映像システム、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240624BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240624BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G16Y20/40
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020153291
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2021093128
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2019217751
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519429174
【氏名又は名称】フォレストデジタル株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100147142
【弁理士】
【氏名又は名称】石森 昭慶
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 健一
(72)【発明者】
【氏名】辻木 勇二
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-227780(JP,A)
【文献】特開2018-163460(JP,A)
【文献】特開2012-103832(JP,A)
【文献】特開2015-005213(JP,A)
【文献】特開2014-158117(JP,A)
【文献】麻倉 怜士,「ココロビジョンプレーヤー&ココロビデオが実現する新・映像体験"観たいもの"を届ける 映像コンシェルジュ誕生」,HiVi(ハイヴィ),34巻, (2016年)7月号(通号392),株式会社ステレオサウンド STEREO SOUND Publishing Inc. 原田 勲,2016年06月07日,p.164-166,ISSN:1345-6113
【文献】木村 篤信 Atsunobu Kimura,「Technical Survey;技術解説映像コンテンツ推薦の現状と今後」,映像情報メディア学会誌:The Journal of The Institute of Image Information and Television Engineers,日本,一般社団法人映像情報メディア学会 :The Institute of Image Information and Television Engineers,Vol.68,No.4,p.(45)299-50(304),<DOI: 10.3169/itej.68.299>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G16Y 20/40
H04N 7/10
H04N 7/14- 7/173
H04N 7/20- 7/56
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する映像表示部と、
前記映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を前記映像を視聴するユーザに対して発生させる刺激発生部と、
前記ユーザの希望情報を入力するユーザ希望情報入力部と、
前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドするレコメンド部と、
前記映像を視聴したユーザに関連する前記映像の視聴に関する情報を記憶するユーザ映像視聴情報記憶部と、
前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報とを比較する比較部と、
前記映像を記憶する映像記憶部と、
前記映像記憶部に記憶された前記映像に対して所定の情報を関連付けるためのタグを記憶するタグ記憶部と
前記ユーザの前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、
前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容に応じて前記タグを設定するタグ設定部と、を有し、
前記レコメンド部は、前記比較部による比較結果に応じて前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドし、
前記映像表示部は、前記映像記憶部に記憶された映像を表示し、
前記タグ記憶部は、前記タグ設定部により設定されたタグを記憶することを特徴とする、映像システム。
【請求項2】
前記タグ設定部は、前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容が所定の条件を満たしたときに前記タグを設定することを特徴とする、請求項1に記載の映像システム。
【請求項3】
前記ユーザ評価入力部により入力された前記ユーザによる評価を集計する集計部を有するとともに、前記集計部は、前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容に含まれる所定のキーワードの数を集計し、前記タグ設定部は、前記集計部により集計された前記所定のキーワードの数が所定数以上となったときに前記キーワードを前記タグとして設定することを特徴とする、請求項1に記載の映像システム。
【請求項4】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部を有し、
前記タグ設定部は、前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記タグを設定することを特徴とする、請求項1に記載の映像システム。
【請求項5】
前記タグは、前記ユーザが前記映像を視聴するときの前記ユーザにおけるシチュエーションに関する情報を含むことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の映像システム。
【請求項6】
前記タグは、前記映像を視聴することによって前記ユーザが得られる効果を含むことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の映像システム。
【請求項7】
前記映像に対する所定のスコアを記憶するスコア記憶部を有することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の映像システム。
【請求項8】
前記ユーザ評価入力部による評価に応じて前記スコア記憶部により記憶されたスコアを変更するスコア変更部、を有することを特徴とする、請求項7に記載の映像システム。
【請求項9】
前記ユーザ評価入力部により入力された前記ユーザによる評価を集計する集計部と、
前記集計部による集計結果に応じて前記スコア記憶部に記憶されたスコアを変更するスコア変更部と、を有することを特徴とする、請求項7に記載の映像システム。
【請求項10】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部と、
前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記スコア記憶部により記憶されたスコアを変更するスコア変更部と、を有することを特徴とする、請求項7に記載の映像システム。
【請求項11】
前記レコメンド部は、前記比較部による前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報との比較の一致度に応じて前記レコメンドする前記映像の順序および/または前記刺激を設定することを特徴とする請求項1に記載の映像システム。
【請求項12】
前記ユーザ評価入力部による評価に応じて前記刺激発生部に発生させる刺激を変更する刺激変更部、を有することを特徴とする請求項1に記載の映像システム。
【請求項13】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部と、前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記刺激発生部に発生させる刺激を変更する刺激変更部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の映像システム。
【請求項14】
前記刺激は風を含み、
前記風を循環させる循環部を有する請求項1に記載の映像システム。
【請求項15】
前記循環部は、室内における壁または天井に備えられていることを特徴とする、請求項14に記載の映像システム。
【請求項16】
前記刺激は更に香りを含み、
前記香りを発生させる香り発生部を有することを特徴とする、請求項14に記載の映像システム。
【請求項17】
前記循環部は、前記香りを循環させることを特徴とする、請求項16に記載の映像システム。
【請求項18】
前記香り発生部は、前記循環部がある位置から半径5m以内の位置に備えることを特徴とする、請求項17に記載の映像システム。
【請求項19】
映像システムのコンピュータを、
映像を表示する映像表示部と、
前記映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を前記映像を視聴するユーザに対して発生させる刺激発生部と
前記ユーザの希望情報を入力するユーザ希望情報入力部と、
前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドするレコメンド部と、
前記映像を視聴したユーザに関連する前記映像の視聴に関する情報を記憶するユーザ映像視聴情報記憶部と、
前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報とを比較する比較部と、
前記映像を記憶する映像記憶部と、
前記映像記憶部に記憶された前記映像に対して所定の情報を関連付けるためのタグを記憶するタグ記憶部と、
前記ユーザの前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、
前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容に応じて前記タグを設定するタグ設定部と、
して機能させ、
前記レコメンド部は、前記比較部による比較結果に応じて前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドし、
前記映像表示部は、前記映像記憶部に記憶された映像を表示し、
前記タグ記憶部は、前記タグ設定部により設定されたタグを記憶することを特徴とする、プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載されたプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像システム、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、特に、映像に応じて所定の刺激をユーザに向けて発生させる刺激発生部を有する映像システム、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の映像システムが幅広く利用されており、例えば、特許文献1には、映像により森林空間を楽しむことができる映像システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-94314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は、現実の世界と疑似できるように映像を視聴するユーザに対し所定の刺激を発生させることができる映像システムの開発が望まれていた。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、映像を視聴するユーザに対し所定の刺激を発生させることができる映像システム、プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る映像システムは、前記映像を表示する映像表示部と、前記映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を前記映像を視聴するユーザに対して発生させる刺激発生部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を前記映像を視聴するユーザに対して発生させる刺激発生部と、を有することとしたので、映像を視聴するユーザに対し所定の刺激を発生させることができる。
【0008】
前記ユーザの希望情報を入力するユーザ希望情報入力部と、前記ユーザの希望情報に応じて前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドするレコメンド部と、を有することとすれば、ユーザの希望に応じて映像および/または刺激をレコメンドすることができる。
【0009】
前記映像を視聴したユーザに関連する前記映像の視聴に関する情報を記憶するユーザ映像視聴情報記憶部と、前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報とを比較する比較部と、前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドするレコメンド部と、を有し、前記レコメンド部は、前記比較部による比較結果に応じて前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドすることとすれば、更に映像の視聴に関する情報に応じてユーザに対し映像をレコメンドすることができる。
【0010】
映像を記憶する映像記憶部と、前記映像記憶部に記憶された前記映像に対して所定の情報を関連付けるためのタグを記憶するタグ記憶部を有し、前記映像表示部は、前記映像記憶部に記憶された映像を表示することとすれば、タグを介して映像を検索し表示することが可能となる。
【0011】
前記ユーザが前記映像を視聴した後に前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容に応じて前記タグを設定するタグ設定部と、を有し、前記タグ記憶部は、前記タグ設定部により設定されたタグを記憶することとすれば、ユーザの評価によりタグを設定することができる。
【0012】
前記タグ設定部は、前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容が所定の条件を満たしたときに前記タグを設定することができる。
【0013】
より詳しくは、前記ユーザ評価入力部により入力された前記ユーザによる評価を集計する集計部を有するとともに、前記集計部は、前記ユーザ評価入力部により入力された評価の内容に含まれる所定のキーワードの数を集計し、前記タグ設定部は、前記集計部により集計された前記所定のキーワードの数が所定数以上となったときに前記キーワードを前記タグとして設定することができる。
【0014】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部を有し、前記タグ設定部は、前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記タグを設定することとすれば、ユーザの生体データに応じてタグを設定することができる。
【0015】
前記タグは、前記ユーザが前記映像を視聴するときの前記ユーザにおけるシチュエーションに関する情報を含むことができる。
【0016】
前記タグは、前記映像を視聴することによって前記ユーザが得られる効果を含むことができる。
【0017】
前記映像に対する所定のスコアを記憶するスコア記憶部を有することとすれば、スコアにより映像を客観的に評価することが可能となる。
【0018】
前記ユーザの前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、前記ユーザ評価入力部による評価に応じて前記スコア記憶部により記憶されたスコアを変更するスコア変更部と、を有することとすれば、ユーザの評価によりスコアを変更することができる。
【0019】
より詳しくは、前記ユーザが前記映像を視聴した後に前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、前記ユーザ評価入力部により入力された前記ユーザによる評価を集計する集計部と、前記集計部による集計結果に応じて前記スコア記憶部に記憶されたスコアを変更するスコア変更部と、を有することができる。
【0020】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部と、前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記スコア記憶部により記憶されたスコアを変更するスコア変更部と、を有することとすれば、ユーザの生体データに応じてスコアを変更することができる。
【0021】
前記ユーザの希望情報を入力するユーザ希望情報入力部と、前記映像を視聴したユーザに関連する前記映像の視聴に関する情報を記憶するユーザ映像視聴情報記憶部と、前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報とを比較する比較部と、前記比較部による比較結果に応じて前記映像および/または前記刺激を前記ユーザにレコメンドするレコメンド部と、を有し、前記レコメンド部は、前記比較部による前記ユーザの希望情報と前記映像の視聴に関する情報との比較の一致度に応じて前記レコメンドする前記映像および/または前記刺激の順序を設定することとすれば、ユーザの希望情報と映像の視聴に関する情報に応じてレコメンドする映像の順序を設定することができる。
【0022】
前記ユーザが前記映像を視聴した後に前記映像に対する評価を入力するユーザ評価入力部と、前記ユーザ評価入力部による評価に応じて前記刺激発生部に発生させる刺激を変更する刺激変更部と、を有することとすれば、ユーザの評価に応じて刺激を変更することができる。
【0023】
前記ユーザが前記映像を視聴しているときの前記ユーザの生体データを取得するユーザ生体データ取得部と、前記ユーザ生体データ取得部によって取得された前記生体データに応じて前記刺激発生部に発生させる刺激を変更する刺激変更部と、を有することとすれば、ユーザの生体データに応じて刺激を変更することができる。
【0024】
前記刺激は風を含み、 前記風を循環させる循環部を有することとすれば、風を循環させることができる。
前記循環部は、室内における壁または天井に備えることができる。
【0025】
前記刺激は更に香りを含み、前記香りを発生させる香り発生部を有することとすれば、香りを発生させることができる。
前記循環部は、前記香りを循環させることができる。すなわち、前記香り発生部は、前記循環部がある位置から半径5m以内の位置に備えることができる。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、映像システムのコンピュータを、映像を記憶する映像記憶部と、前記映像記憶部により記憶された映像を表示する映像表示部と、前記映像表示部により表示された映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を前記映像を視聴するユーザに対して発生させる刺激発生部として機能させることを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記プログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、映像を視聴するユーザに対し所定の刺激を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る映像システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】同映像システムのコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3】同映像システムにおける映像表示システムの構成を示すブロック図である。
図4】同映像システムにおけるユーザ希望情報入力部により入力されるデータを説明するための図である。
図5】同映像システムのユーザ映像視聴情報記憶部に記憶されているデータを説明するための図である。
図6】同映像システムにおける映像評価システムの構成を示すブロック図である。
図7】同映像システムのユーザ映像評価入力部により入力されるデータを説明するための図である。
図8】同映像システムの映像表示システムにおける演算処理フローを説明するためのフローチャートである。
図9】同映像システムの映像評価システムにおける演算処理フローを説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の応用例の構成を示す平面図である。
図11】同応用例の機構を示す側面図である。
図12】同応用例の循環部の構成を示す斜視図である。
図13】同応用例の香り発生部の構成を示す斜視図である。
図14】同応用例の変形した例を示す平面図である。
図15】同応用例の機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る映像システムの全体構成を示すブロック図、図2は、同映像システムのコンピュータの構成を示すブロック図、図3は、同映像システムにおける映像表示システムの構成を示すブロック図、図4は、同映像システムにおけるユーザ希望情報入力部により入力されるデータを説明するための図、図5は、同映像システムのユーザ映像視聴情報記憶部に記憶されているデータを説明するための図、図6は、同映像システムにおける映像評価システムの構成を示すブロック図、図7は、同映像システムのユーザ映像評価入力部により入力されるデータを説明するための図である。
【0031】
図1を参照して本発明の映像システム1の概要を説明すると、映像システム1は、映像表示システム1Aと映像評価システム1Bを有しており、映像表示システム1Aによりユーザに対して映像を表示するとともに、映像評価システム1Bにより映像の評価を行うことができる。
【0032】
映像システム1は、コンピュータとしての一般的な構成を備えている。映像システム1は、図2に示すように、相互にバス1aを介して接続された中央処理装置(例えばCPU、GPU等)1b、記憶装置(例えばROM、RAM、ハードディスク等)1c、入力装置(例えばキーボード、タッチパネル等)1d、表示装置(例えば液晶ディスプレー等)1e等を有している。記憶装置1cは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として機能する。以下に示す映像システム1の各機能部は、AI(Artificial Intelligence、人工知能)等によりその機能を果たすことができる。
【0033】
映像表示システム1Aは、図3に示すように、ユーザ希望情報入力部10、映像記憶部20、ユーザ映像視聴情報記憶部30、タグ記憶部40、スコア記憶部50、刺激記憶部55、比較部60、スコア設定部65、レコメンド部70、映像表示部80、および刺激発生部90の各機能部を有しており、各機能部10,20,30,40,50,55,60,65,70,80,90間において所定の信号情報の入出力を行うことができる。
【0034】
ユーザ希望情報入力部10は、現ユーザが映像を視聴する前における現ユーザの希望情報11を入力することができる(現ユーザは、現在において映像を視聴しようとしているユーザまたは現在映像を視聴しているユーザを言うものとする)。ユーザ希望情報入力部10により入力される現ユーザの希望情報11は、現ユーザが映像を視聴するに際しての現ユーザの希望に関する情報であり、図4に示すように、例えば、現ユーザが視聴を希望する映像の種類に関する情報12、現ユーザが映像を視聴するときの現ユーザにおけるシチュエーションに関する情報13、映像を視聴することによって現ユーザが得られる効果に関する情報14等を含むことができる。
【0035】
ここで、映像の種類12には、例えば映画、アニメ、スポーツ、景色、景観等の映像の種類を含むことができる。映像の種類12のうち景色や景観については、北の大地、緑が溢れる公園、都会の街並み、田園風景、森林の風景等を含むことができる。
【0036】
また、現ユーザにおけるシチュエーションに関する情報13には、例えば会社の昼休みに視聴する、気分が落ち込んでいるときに視聴する、気分が良いときに視聴する、金曜日の夜に視聴する、月曜日の朝に視聴する等の情報を含むことができる。
【0037】
更に、映像を視聴することによって現ユーザが得られる効果14は、例えば感動する、気分が優れる、懐かしさを感じる、爽やかな気分になる、リラックスする、副交感神経を高める、心拍数を安定させる、ストレスホルモンを低下させる、マイナス感情を減少させる、ポジティブ感情を増加させる、集中力を高める、自律神経を安定させる等の情報を含むことができる。すなわち、ユーザは映像システム1により映像を視聴することによって心身の状態を良い状態とすることができる。
【0038】
ユーザ希望情報入力部10による現ユーザの希望情報11の入力は、任意の文章により行うことができる。また、現ユーザの希望情報11の入力は、所定のキーワードにより行うこともできる。キーワードによる希望情報11の入力は、表示装置1eにプルダウンメニューとして表示させて選択し行うことができる。現ユーザの希望情報11の入力は、ユーザがキーボードやタッチパネル等で構成される入力装置1dを介して行うことができる。
【0039】
映像記憶部20は、映像表示部80により表示させる映像を記憶することができる。映像記憶部20により記憶される映像は、例えば映画、アニメ、スポーツ、景色、景観等の映像を含むことができる。
【0040】
ユーザ映像視聴情報記憶部30は、映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31を記憶することができる。
より詳しくは、ユーザ映像視聴情報記憶部30は、過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31を映像記憶部20に記憶された映像ごとに関連させて記憶することができる。
【0041】
過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31には、図5に示すように、例えば、映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32、刺激発生部90の刺激に対する過去ユーザの評価33、映像を視聴しているときの過去ユーザの生体データ34を含むことができる。
【0042】
過去ユーザが得られた効果に関する情報32には、任意に表現された文章やキーワードを含むことができる。また、過去ユーザが得られた効果に関する情報32には、0~100点の如く点数化したスコアによる情報、1~5段階の如く複数の段階としたスコアによる情報を含むことができる(例えば、気分が優れるという効果に対して80点若しくは4段階の如くスコアによる情報を含む)。過去ユーザが得られた効果に関する情報32は、例えば感動した、気分が優れた、懐かしさを感じた、爽やかな気分になった、リラックスした、副交感神経が高まった、心拍数が安定した、ストレスホルモンが低下した、マイナス感情が減少した、ポジティブ感情が増加した、集中力が高められた、自律神経が安定した等の情報を含むことができる。
【0043】
また、刺激発生部90の刺激に対する過去ユーザの評価33についても任意に表現された文章やキーワードを含むことができる。刺激発生部90の刺激に対する過去ユーザの評価33には、例えば、音が大きすぎる、小さすぎる、風が強すぎる、弱すぎる等刺激の程度に対する評価を含むことができる。
【0044】
更に、過去ユーザの生体データ34には、映像を視聴しているときの血圧、脈拍数、脳波、虹彩(瞳孔)の大きさ等の生体データを含むことができる。より詳しくは、過去ユーザの生体データ34は、映像を視聴しているときの血圧、脈拍数、脳波、虹彩(瞳孔)の大きさ等の生体データの増減に関するデータを含むことができる(例えば、映像の視聴の前よりも血圧が下がった、脈拍数が下がった、瞳孔が大きくなった等)。
【0045】
タグ記憶部40は、映像記憶部20に記憶された各映像に対して所定の情報を関連付けるためのタグに関する情報を記憶することができる。
タグは、上述した映像の種類に関する情報12、現ユーザが映像を視聴するときのシチュエーションに関する情報13、映像を視聴することによって現ユーザが得られる効果に関する情報14、映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32等を示すタグを含むことができる。タグ記憶部32は、後述するタグ設定部140により設定されたタグを記憶することができる。
【0046】
スコア記憶部50は、映像記憶部20に記憶された各映像に対する所定のスコアに関する情報を記憶することができる。所定のスコアは、上述の如く、0~100点の如く点数化したスコアとすることとしてもよく、1~5段階の如く複数の段階としたスコアとすることとしてもよい。スコア記憶部33に記憶されるスコアは、例えば過去ユーザが得られた効果に関する情報32に含まれるスコアの複数の過去ユーザによる平均値とすることができる。
【0047】
刺激記憶部55は、刺激発生部90に発生させる刺激に関する情報を記憶することができる。刺激記憶部55により記憶される刺激は、刺激の種類(例えば、音、風、香り、振動、触感等)、刺激の程度(例えば、音の大小、風の強弱、香りの強さ、振動の大小、温度(触感)の高低等)を記憶することができる。また、刺激の種類においては、複数の種類の音、複数の種類の風、複数の種類の香り、複数の種類の振動、複数の種類の触感等を記憶することができる。刺激記憶部55に記憶される刺激の種類および刺激の程度は、映像記憶部20に記憶された映像と関連付けて記憶されている。
【0048】
比較部60は、ユーザ希望情報入力部10により入力された現ユーザの希望情報11とユーザ映像視聴情報記憶部30により記憶された複数の映像の視聴に関する情報31およびタグ記憶部40に記憶されたタグに関する情報とを比較することができる。
【0049】
より詳しくは、比較部60は、現ユーザの希望情報11と複数の過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31より詳しくは映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32および刺激に対する過去ユーザの評価33とを比較し、現ユーザの希望情報11と複数の過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31より詳しくは映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32および刺激に対する過去ユーザの評価33との間の文章やキーワード、タグの一致度を演算し比較することができる。
【0050】
スコア設定部65は、スコア記憶部50に記憶されたスコアを所定に読み出して設定することができる。
【0051】
レコメンド部70は、ユーザ希望情報入力部10により入力された現ユーザの希望情報11に応じて映像および刺激を現ユーザにレコメンドする(レコメンドするとは、お勧めする、提案する、推薦する等の意である)ことができる。すなわち、レコメンド部70は、比較部60による比較結果に応じて映像記憶部20に記憶された映像および刺激を現ユーザにレコメンドすることができる。
【0052】
より詳しくは。レコメンド部70は、比較部60による現ユーザの希望情報11と過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31より詳しくは映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32および刺激に対する過去ユーザの評価33との比較の一致度に応じてレコメンドする映像および映像の順序更には刺激に関する情報として刺激の種類や刺激の程度を設定することができる。また、レコメンドする映像の順序は、スコア記憶部50に記憶されたスコアに応じて設定することとしてもよい。
【0053】
映像表示部80は、映像記憶部20により記憶された映像を表示することができる。すなわち、現ユーザは、入力装置1dを所要に操作することにより、レコメンド部70により所定の順序でレコメンドされた映像のうち表示させる映像を選択することができる。現ユーザにより選択された映像は、映像記憶部20から読み出されて映像表示部80により表示することができる。映像表示部80は、例えば映画、アニメ、スポーツ、景色、景観等の映像を表示させることができる。
【0054】
刺激発生部90は、映像表示部80により表示された映像に応じて実際に音、風、香り、振動、触感等の刺激の種類のうち少なくともいずれかの刺激を所定の程度で、映像を視聴する現ユーザに対して発生させることができる。刺激発生部90は、刺激記憶部55から刺激に関する情報を読み出して刺激を発生させる。また、刺激発生部90は、前記映像に応じて発生させる刺激の種類および刺激の程度に対して、レコメンド部70によりレコメンドされた刺激の種類や刺激の程度を付加したり、変更することができる。
【0055】
刺激発生部90には、音を発生させる音発生器、風を発生させる送風器、香りを発生させる香り発生器、振動を発生させる振動発生器、触感を発生させる触感発生器等を含むことができる。触感には、異物の現ユーザへの接触(例えば、暖かい物品、冷たい物品、柔らかい物品、粘性のある物品等をユーザに接触させることにより所定の触感をユーザに与える)等を含むことができ、刺激発生部90は、更に、異物をユーザの位置まで移動させる異物移動装置等を含むことができる。
【0056】
図6に示すように、映像評価システム1Bは、ユーザ評価入力部100、ユーザ生体データ取得部110、集計部120、タグ設定部130、スコア変更部140、および刺激変更部150の各機能部を有しており、各機能部100,110,120,130,140,150間において所定の信号情報の入出力を行うことができる。
【0057】
ユーザ評価入力部100は、現ユーザが映像を視聴した後における現ユーザの映像に対する評価101(以下、現ユーザの映像に対する評価101は、単に現ユーザによる評価101とする場合がある)を入力することができる。ユーザ評価入力部100により入力される現ユーザの映像に対する評価101は、図7に示すように、映像を視聴することによって現ユーザが得られた効果に関する情報102、刺激発生部90の刺激に対する現ユーザの評価103を含むことができる。
【0058】
現ユーザが得られた効果に関する情報102は、任意に表現された文章やキーワードを含むことができる。また、現ユーザが得られた効果に関する情報102には、0~100点の如く点数化した映像に対するスコアによる情報、1~5段階の如く複数の段階とした映像に対するスコアによる情報を含むことができる。キーワードおよびスコアによる効果に関する情報102の入力は、表示装置1eにプルダウンメニューとして表示させて選択し行うことができる。現ユーザが得られた効果に関する情報102は、例えば感動した、気分が優れた、懐かしさを感じた、爽やかな気分になった、リラックスした、副交感神経が高まった、心拍数が安定した、ストレスホルモンが低下した、マイナス感情が減少した、ポジティブ感情が増加した、集中力が高められた、自律神経が安定した等の情報を含むことができる。
【0059】
また、刺激発生部90の刺激に対する現ユーザの評価103についても任意に表現された文章やキーワードを含むことができる。キーワードおよびスコアによる効果に関する情報102の入力やキーワードによる刺激に対する現ユーザの評価103の入力は、表示装置1eにプルダウンメニューとして表示させて選択し入力することができる。刺激発生部90の刺激に対する現ユーザの評価103には、例えば、音が大きすぎる、小さすぎる、風が強すぎる、弱すぎる等刺激の程度に対する評価を含むことができる。
現ユーザによる評価101の入力は、ユーザがキーボードやタッチパネル等で構成される入力装置1dを介して行うことができる。
【0060】
ユーザ生体データ取得部110は、現ユーザが映像を視聴しているときの現ユーザの生体データ111を取得することができる。現ユーザの生体データ111には、映像を視聴しているときの血圧、脈拍数、脳波、虹彩(瞳孔)の大きさ等の生体データを含むことができる。より詳しくは、ユーザ生体データ取得部110は、現ユーザが映像を視聴しているときの血圧、脈拍数、脳波、虹彩(瞳孔)の大きさ等の生体データの増減に関するデータを含むことができる。ユーザ生体データ取得部110は、血圧計、脈拍計、脳波計、瞳孔測定器等を含むことができ、血圧計、脈拍計、脳波計、瞳孔測定器から出力される血圧データ、脈拍データ、脳波データ、瞳孔測定データを示す出力信号を取得することができる。
【0061】
なお、現ユーザによる評価101および現ユーザの生体データ111は、以後過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31の映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報32および刺激発生部90の刺激に対する過去ユーザの評価33としてユーザ映像視聴情報記憶部30に記憶される。
【0062】
集計部120は、ユーザ評価入力部100により入力された現ユーザによる評価101およびユーザ生体データ取得部110により取得された現ユーザの生体データ111をユーザ映像視聴情報記憶部30に記憶された過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31と合わせて映像ごとに集計することができる。
【0063】
すなわち、集計部120は、現ユーザによる評価101の内容より詳しくは現ユーザが得られた効果に関する情報102と現ユーザの刺激に対する評価103および過去ユーザが得られた効果に関する情報32と過去ユーザの刺激に対する評価33に含まれる所定のキーワードの数を集計することができる。
【0064】
また、集計部120は、ユーザ生体データ取得部110により取得された現ユーザの生体データ111およびユーザ映像視聴情報記憶部30に記憶された過去ユーザの生体データ34を集計することができる。生体データ34,111の集計は、例えば生体データ34,111の増減の集計であり、映像を視聴しているときに血圧や脈拍数が増加したユーザ数、血圧や脈拍数が減少したユーザ数、瞳孔が大きくなったユーザ数、瞳孔が小さくなったユーザ数等を集計することができる。
【0065】
更に、集計部120は、現ユーザによる評価101の内容(より詳しくは現ユーザが得られた効果102)および過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31(より詳しくは過去ユーザが得られた効果に関する情報32)に含まれる映像に対するスコアを映像ごとに集計することができる。スコアの集計は、点数化されたスコアや複数の段階としたスコアの平均値を演算して行うことができる。この集計部120の集計結果により、ユーザがどのような心身状態のときに、どのような映像コンテンツがその心身状態に対してどのような効果をもたらしたかを把握することができる。
【0066】
タグ設定部130は、ユーザ評価入力部100により入力された現ユーザによる評価101の内容に含まれる現ユーザが得られた効果に関する情報102、ユーザ生体データ取得部110により取得された現ユーザの生体データ111、およびユーザ映像視聴情報記憶部30に記憶された過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に含まれる過去ユーザが得られた効果に関する情報32や過去ユーザの生体データ34に応じてタグを設定することができる。
【0067】
より詳しくは、タグ設定部130は、ユーザ評価入力部100により入力された現ユーザによる評価101の内容に含まれる現ユーザが得られた効果に関する情報102、ユーザ生体データ取得部110により取得された現ユーザの生体データ111、およびユーザ映像視聴情報記憶部30に記憶された過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に含まれる過去ユーザが得られた効果に関する情報32や過去ユーザの生体データ34が所定の条件を満たしたときにタグを設定することができる。
【0068】
更に詳しくは、タグ設定部130は、集計部120による集計結果に応じてタグを設定することができる。
【0069】
また更に詳しくは、タグ設定部130は、集計部120により集計された情報32,102における所定のキーワードの数が所定数以上となったときに所定のキーワードをタグとして設定することとしたり、所定数に満たないキーワードに基づくタグを削除することができる。
【0070】
また、タグ設定部130は、過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に含まれる過去ユーザの生体データ34の増減および現ユーザの生体データ111の増減に応じてタグを設定することとしたり、削除することができる(例えば、血圧や脳波などを計測して数値が下がった過去ユーザや現ユーザが過半数いる場合にその映像がリラックス効果を有する旨のタグを設定する判断をすることとしたり、血圧や脳波等が上がった過去ユーザや現ユーザが過半数いる場合であって、リラックス効果のタグが付されている場合にそのタグを削除する判断をすることができる)。
【0071】
スコア変更部140は、ユーザ評価入力部100により入力された現ユーザによる評価101の内容における現ユーザが得られた効果に関する情報102に含まれるスコアおよび過去ユーザ映像情報記憶部30に記憶された過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31における過去ユーザが得られた効果に関する情報32に含まれるスコアに応じてスコア記憶部50により記憶されたスコアを変更することができる。
【0072】
より詳しくは、スコア変更部140は、集計部120による集計結果に応じてスコア記憶部50により記憶されたスコアを変更することができる。
【0073】
更に詳しくは、スコア変更部140は、集計部120による集計結果によりスコア記憶部50により記憶されたスコアを平均値の変わったスコアに変更することができる。
【0074】
刺激変更部150は、現ユーザによる評価101の内容に含まれる現ユーザの刺激に対する評価103、現ユーザの生体データ111、および過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像に関する情報31における過去ユーザの刺激に対する評価33や過去ユーザの生体データ34に応じて刺激発生部90に発生させる刺激の程度を変更することができる。
【0075】
より詳しくは、刺激変更部150は、現ユーザによる評価101の内容に含まれる現ユーザの刺激に対する評価103、現ユーザの生体データ111、および過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像に関する情報31における過去ユーザの刺激に対する評価33や過去ユーザの生体データ34が所定の条件を満たしたときに刺激発生部90に発生させる刺激(刺激記憶部55に記憶された刺激)の程度を変更することができる。
【0076】
更に詳しくは、刺激変更部150は、集計部120による集計結果に応じて刺激発生部90に発生させる刺激(刺激記憶部55に記憶された刺激)の程度を変更することができる。
【0077】
また更に詳しくは、刺激変更部150は、集計部120により集計された評価33,103における一の評価の傾向(例えば、音が大きすぎる、風が強すぎる等)が所定数以上となったときに刺激発生部90に発生させる刺激(刺激記憶部55に記憶された刺激)の程度を変更することができる(例えば、大きすぎる音を小さくする、強すぎる風を弱くする等)。
【0078】
また、刺激変更部150は、過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に含まれる過去ユーザの生体データ34の増減および現ユーザの生体データ111の増減に応じて刺激発生部90に発生させる刺激(刺激記憶部55に記憶された刺激)の程度を変更することができる(例えば、血圧や脳波等が上がった過去ユーザや現ユーザが過半数いる場合に刺激を弱くする等)。
【0079】
ここで、上記した映像システム1の各機能部は、所定のプログラム200を実行させることにより機能をさせることができる。
【0080】
すなわち、プログラム200は、映像システム1のコンピュータを、映像表示システム1Aと映像評価システム1Bとして機能させることができる。より詳しくは、プログラム200は、映像システム1のコンピュータを、ユーザ希望情報入力部10、映像記憶部20、ユーザ映像情報記憶部30、タグ記憶部40、スコア記憶部50、刺激記憶部55、比較部60、スコア設定部65、レコメンド部70、映像表示部80、刺激発生部90、ユーザ評価入力部100、ユーザ生体データ取得部110、集計部120、タグ設定部130、スコア変更部140、および刺激変更部150として機能させることができる。プログラム200は、映像システム1の記憶装置1cに記憶されている。
【0081】
次に、本発明の映像システム1における演算処理フローを図8および図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0082】
すなわち、図8の映像表示システム1Aの演算処理フローにおいては、まずステップS10において、ユーザ希望情報入力部10が、現ユーザの希望情報11を入力する。現ユーザの希望情報11を入力は、ユーザが入力装置1dを介して行うことができる。
【0083】
次いで、ステップS20において、比較部60が、ユーザ映像視聴情報記憶部30により記憶された複数の映像の視聴に関する情報31およびタグ記憶部40に記憶されたタグを読み出しつつ、ステップS10でユーザ希望情報入力部10により入力された現ユーザの希望情報11と読み出された複数の映像の視聴に関する情報31およびタグとを比較し、その一致度を演算する。または、スコア設定部65が、スコア記憶部50に記憶されたスコアを読み出して設定する。
【0084】
続いて、ステップS30において、レコメンド部70が、ステップS20で演算された比較部60による比較の一致度に応じて、またはスコア設定部65により設定されたスコアに応じてレコメンドする映像および映像の順序更には刺激に関する情報として刺激の種類や刺激の程度を設定する。
【0085】
次に、ステップS40において、現ユーザが、入力装置1dを介して、ステップS30でレコメンドされた映像のうち表示させる映像を選択する。
【0086】
次いで、ステップS50において、映像表示部80が、ステップS40で選択された映像を映像記憶部20から読み出して表示しつつ、刺激発生部90が表示された映像に応じて音、風、香り、振動、触感の少なくともいずれかの刺激を、映像を視聴する現ユーザに対して発生させる。
【0087】
次に、図9の映像評価システム1Bの演算処理フローにおいては、まずステップS100において、ユーザ評価入力部100が、現ユーザの映像に対する評価101より詳しくは映像を視聴することによって現ユーザが得られた効果に関する情報102および刺激発生部90の刺激に対する現ユーザの評価103を入力する。現ユーザの映像に対する評価101の入力は、ユーザが入力装置1dを介して行うことができる。また、ユーザ生体データ取得部110が、現ユーザが映像を視聴しているときの現ユーザの生体データ111を取得する。
【0088】
次いで、ステップS110において、集計部120が、現ユーザによる評価101より詳しくは映像を視聴することによって現ユーザが得られた効果に関する情報102および刺激発生部90の刺激に対する現ユーザの評価103および現ユーザの生体データ111を過去に映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31より詳しくは過去ユーザが得られた効果に関する情報32、刺激発生部90の刺激に対する過去ユーザの評価33、および過去ユーザの生体データ34と合わせて集計する。
【0089】
続いて、ステップS120において、ステップS110で集計された集計部120の集計結果に応じて、タグ設定部130が、タグを設定してタグ記憶部40にタグを記憶させ、スコア変更部140が、スコア記憶部50に記憶されたスコアを変更し、刺激変更部150が、刺激記憶部55に記憶された刺激を変更する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態によれば、映像を表示する映像表示部80と、映像を視聴する現ユーザに対して発生させる刺激発生部90と、を有することとしたので、映像を視聴する現ユーザに対し所定の刺激を発生させることができる。
【0091】
また、現ユーザの希望情報11を入力するユーザ希望情報入力部10と、現ユーザの希望情報11に応じて映像を現ユーザにレコメンドするレコメンド部70と、を有することとしたので、現ユーザの希望情報11に応じて映像をレコメンドすることができる。
【0092】
更に、現ユーザの希望情報11と過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31とを比較する比較部60と、映像を現ユーザにレコメンドするレコメンド部70と、を有し、レコメンド部70は、比較部60による比較結果に応じて映像を現ユーザにレコメンドすることとしたので、過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に応じて現ユーザに対し映像をレコメンドすることができる。
【0093】
更にまた、映像を記憶する映像記憶部20と、映像記憶部20に記憶された映像に対して所定の情報を関連付けるためのタグを記憶するタグ記憶部40を有することとしたので、タグを介して映像を検索し表示することが可能となる。
【0094】
また更に、現ユーザが得られた効果に関する情報102および過去ユーザが得られた効果に関する情報32に応じてタグを設定するタグ設定部130を有することとしたので、現ユーザと過去ユーザの評価によりタグを設定することができる。
【0095】
また、タグ設定部130は、現ユーザの生体データ111および過去ユーザの生体データ34に応じてタグを設定することとしたので、現ユーザと過去ユーザの生体データ111,34に応じてタグを設定することができる。
【0096】
更に、映像に対して所定のスコアを記憶するスコア記憶部50を有することとしたので、スコアにより映像を客観的に評価することが可能となる。
【0097】
更にまた、現ユーザが得られた効果に関する情報102と過去ユーザが得られた効果に関する情報32に応じてスコア記憶部50により記憶されたスコアを変更するスコア変更部140と、を有することとしたので、現ユーザと過去ユーザの評価によりスコアを変更することができる。
【0098】
また更に、現ユーザの生体データ111と過去ユーザの生体データ34に応じてスコア記憶部50により記憶されたスコアを変更するスコア変更部140と、を有することとしたので、現ユーザと過去ユーザの生体データ111,34に応じてスコアを変更することができる。
【0099】
また、レコメンド部70は、比較部60によるユーザの希望情報11と過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31との比較の一致度に応じてレコメンドする映像の順序を設定することとしたので、現ユーザの希望情報11と過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報31に応じてレコメンドする映像の順序を設定することができる。
【0100】
更に、現ユーザの刺激に対する評価103と過去ユーザの刺激に対する評価33に応じて刺激発生部90に発生させる刺激を変更する刺激変更部150を有することとしたので、現ユーザと過去ユーザの評価に応じて刺激を変更することができる。
【0101】
更にまた、現ユーザの生体データ111と過去ユーザの生体データ34に応じて刺激発生部90に発生させる刺激を変更する刺激変更部150と、を有することとしたので、現ユーザと過去ユーザの生体データに応じて刺激を変更することができる。
【0102】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0103】
すなわち、上述した実施形態にあっては、現ユーザの希望情報11を入力することにより、レコメンド部70が映像をレコメンドすることとしているが、この希望情報11に加えて、ユーザの性別、年齢、身長、体重、職業、収入、家族構成、居住地、職場の情報を更に入力するとともに、これら情報と映像記憶部に記憶された映像とを関連付けてレコメンド部70が所定の映像をレコメンドすることとしてもよい。
【0104】
また、日時、天気、場所、外の気温・湿度、室内の気温・湿度等の環境データを更に入力するとともに、これら情報と映像記憶部20に記憶された映像とを関連付けてレコメンド部70が所定の映像をレコメンドすることとしてもよい。
【0105】
更に、上述した実施形態にあっては、レコメンド部70は、ユーザの希望情報11に応じて映像および刺激をユーザにレコメンドするとしているが、レコメンド部70は、ユーザの希望情報11に応じて映像のみをユーザにレコメンドすることとしたり、ユーザの希望情報11に応じて刺激のみをユーザにレコメンドすることとしてもよい。すなわち、レコメンド部70は、ユーザの希望情報11に応じて映像および/または刺激をユーザにレコメンドすることとすれば所要の技術的効果を奏することができる。
【0106】
更にまた、上述した実施形態において、ユーザ希望情報入力部10により入力される現ユーザの希望情報11としてスコアを入力または選択することとしてもよい。例えば、リラックス効果に関するスコアが10段階中7以上である映像を選べるように「スコア7以上」の如く入力することができる。
【0107】
また更に、本発明においては図10乃至図13に示す応用例を行うことができる。
すなわち、図10に示すように、同応用例に係る映像システム1は、刺激は風を含み、風を循環させる循環部200を有している。循環部200は、回転羽根201と、回転羽根201を回転させるための回転軸202と、回転軸202に回転力を付与するための駆動源203を有している。循環部200は、駆動源203により回転軸202に回転力を付与して回転羽根201を回転させることにより空気を吐出することができる。
【0108】
また、刺激は更に香りを含み、映像システム1は、香りを発生させる香り発生部210を有している。香り発生部210は、香りを有する液体を貯留する貯留部211と、貯留された液体が霧状に噴霧される噴霧口212と、を有しており、噴霧口212を介して貯留部211に貯留された液体を霧状にして外部に噴霧することができる。
【0109】
応用例に係る映像システム1は、循環部200を有することにより、風を循環させることができ、香り発生部210を有することにより、香りを発生させることができる。
【0110】
つまり、循環部200は、室内における天井230に備えられている。天井230は、吊り天井230としており、循環部200は、吊り天井230の裏面230´側に設けられている。
【0111】
吊り天井230は、矩形状となっており、4つの角230a~230dを有している。また吊り天井230は、端縁部230a´~230d´と壁240との間に所定の間隔dが空けられており、端縁部230a´~230d´側に開口231が形成されている。更に、吊り天井230は、中央に表面230´´側(室内側)から裏面230´側に空気を通気するための通気口232が設けられている。すなわち、循環部200は、通気口232を介して室内から空気を天井230の裏面230´側に取り込み、開口231を介して取り込んだ空気を室内に戻すことができる。つまり、循環部200は、室内と吊り天井230の裏面230´側との間で風を循環させることができる。
【0112】
循環部200は、吊り天井230の4つ角230a~230dにそれぞれ備えられている。また、循環部200は、更に吊り天井230の角230a~230dと角230a~230dの間にも備えられている。循環部200は、角230a~230dから斜め下方に向かってつまり開口231に向かって風を吐出し循環させることができる。なお、循環部200の設置数は、図に示すように7としているが、吊り天井230の4つ角230a~230dおよび吊り天井230の角230a~230dと角230a~230dの間において、3以上16以下の設置数とすることができる。
【0113】
ここで、香り発生部210は、循環部200がある位置から半径5m以内の位置に備えることができ、香り発生部210は、循環部200がある位置から半径1m以内の位置に備えることが好ましく、香り発生部210は、循環部200がある位置から半径50cm以内の位置に備えることが更に好ましく、香り発生部210は、循環部200がある位置から半径30cm以内の位置に備えることがより更に好ましい。このように、循環部200の所定の距離内に香り発生部210を備えることで、循環部200は、香りを循環させることができる。
【0114】
なお、本応用例においては、図14および図15に示すように循環部200を備えることができる。すなわち、循環部200は、壁240の4つの角240a~240dにそれぞれ備えることとしてもよい。また、循環部200は、更に、壁240の4つの角240a~240dと角240a~240dの間に更に備えることとしてもよい。つまり、循環部200は、室内における壁240または天井230に備えることとすればよい。
【0115】
また、循環部200は、壁240または天井230の角230a~230d,240a~240dと角230a~230d,240a~240dの間に備えることなく、壁240または天井230の角230a~230d,240a~240dのみに備えることとしてもよい。すなわち、循環部200は、壁240または天井230の少なくとも角230a~230d,240a~240dに備えられることとすればよい。
【0116】
また、通気口232は、裏面230´側から表面230´´側(室内側)に空気を通気するようにしてもよい。
【0117】
また、室内に空調機が設置されている場合は、循環部200は、空調機から排出される空気を循環させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1:映像システム
1A:映像表示システム
1B:映像評価システム
1a:バス
1b:中央処理装置
1c:記憶装置
1d:入力装置
1e:表示装置
10:ユーザ希望情報入力部
11:現ユーザの希望情報
12:現ユーザが視聴を希望する映像の種類に関する情報
13:現ユーザが映像を視聴するときのユーザにおけるシチュエーションに関する情報
14:映像を視聴することによって現ユーザが得られる効果に関する情報
20:映像記憶部
30:ユーザ映像視聴情報記憶部
31:映像を視聴した過去ユーザに関連する映像の視聴に関する情報
32:映像を視聴することによって過去ユーザが得られた効果に関する情報
33:刺激発生部の刺激に対する過去ユーザの評価
34:映像を視聴しているときの過去ユーザの生体データ
40:タグ記憶部
50:スコア記憶部
55:刺激記憶部
60:比較部
65:スコア設定部
70:レコメンド部
80:映像表示部
90:刺激発生部
100:ユーザ評価入力部
101:現ユーザの映像に対する評価
102:映像を視聴することによって現ユーザが得られた効果に関する情報
103:刺激発生部の刺激に対する現ユーザの評価
110:ユーザ生体データ取得部
111:現ユーザの生体データ
120:集計部
130:タグ設定部
140:スコア変更部
150:刺激変更部
200:循環部
201:回転羽根
202:回転軸
203:駆動源
210:香り発生部
211:貯留部
212:噴霧口
230:天井
230a~230d:角
230a´~230d´:端縁部
230´:裏面
230´´:表面
231:開口
232:通気口
240:壁
240a~240d:角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15