(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】入出場管理システムおよび入出場管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240624BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 510
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2021123924
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】518210823
【氏名又は名称】ETCマネジメントサービス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森 克実
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-334567(JP,A)
【文献】特開2005-258664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車するための管理区域の出入口に近接した車両から、当該車両の車両番号情報、当該車両に設置された車載器の固有情報、および当該車載器に挿入されたETCカードの固有情報、のうちの少なくとも一つの情報を含む識別情報を取得する取得部と、
前記管理区域への前記車両の入場および前記管理区域からの前記車両の出場を規制可能な車両入出場規制部と、
前記管理区域の出入口に接近した車両が、前記管理区域に入場しようとしているのか、前記管理区域から出場しようとしているのかを判断する判断部と、
前記識別情報と、前記駐車に関して前記車両または前記車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能な請求処理部と、
前記判断部によって、前記車両が前記管理区域に入場しようとしていると判断された場合、前記代金の支払いに関する支払処理を実行することなく前記車両の入場を許可するように前記車両入出場規制部を制御し、前記車両が前記管理区域から出場しようとしていると判断された場合は、前記代金の支払いに関する支払処理を実行してから前記車両の出場を許可するように前記車両入出場規制部を制御する制御部と、
を有
し、
前記管理区域内に収容されている車両の前記識別情報を記憶する記憶部に接続され、
前記判断部は、前記取得部によって前記識別情報が取得された際に、当該識別情報が前記収容されている車両の前記識別情報として記憶されていない場合に、前記車両が入場しようとしていると判断し、当該識別情報が前記収容されている車両の前記識別情報として記憶されている場合に、前記車両が出場しようとしていると判断する入出場管理システム。
【請求項2】
前記管理区域内であって前記出入口の近傍の所定の範囲に近接した車両を検知する検知部をさらに有し、
前記判断部は、前記取得部によって前記識別情報が取得された際に、前記検知部によって前記車両が検知されていない場合に、前記車両が入場しようとしていると判断し、前記検知部によって前記車両が検知されている場合に、前記車両が出場しようとしていると判断する請求項
1に記載の入出場管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記支払処理を実行する際に、前記請求処理部における前記支払手段に関する情報の登録を確認し、前記代金を出場時に自動的に支払うことが登録されている場合は、前記ユーザーへの支払いの確認を行うことなく、前記車両の出場を許可するように前記車両入出場規制部を制御する請求項1
または2に記載の入出場管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記支払処理を実行する際に、前記請求処理部における前記支払手段に関する情報の登録を確認し、前記代金を出場時に自動的に支払うことが登録されていない場合は、前記ユーザーへの支払いの確認を行うための画面を出力し、前記ユーザーから前記支払いの許可に関する指示を受け付けた場合に、前記車両の出場を許可するように前記車両入出場規制部を制御する請求項1~
3のいずれかに記載の入出場管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記支払処理を実行する際に、前記請求処理部における前記支払手段に関する情報の登録を確認し、前記支払手段に関する情報が登録されていない場合は、前記ユーザーが前記支払手段に関する情報を登録するための画面を出力し、前記ユーザーから前記支払手段に関する情報の登録を受け付けた場合に、前記支払処理を実行するとともに前記識別情報に関連付けて前記支払手段に関する情報を前記請求処理部に登録する請求項1~
4のいずれかに記載の入出場管理システム。
【請求項6】
情報処理装置を請求項1~
5のいずれかに記載の入出場管理システムとして機能させるための入出場管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出場管理システムおよび入出場管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車場の利用料金をキャッシュレスで精算するための様々な方法が提案されている。たとえば特許文献1には、車両の入庫時刻データと出庫時刻データに基づいて駐車料金を算出してWebサイトサーバーに送信し、Webサイトにおいて駐車料金の精算を受け付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のような従来の技術においては、車両の入出場管理および駐車料金の精算を適切に行うために、車両が入場することを検知するための構成と、車両が出場することを検知するための構成とをそれぞれ別々に設ける必要がある。これでは、複雑で大掛かりなシステムが必要になってしまうため、入出場管理およびキャッシュレス精算を行うためのシステムの構築および導入が困難という問題が生じている。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、簡易な構成によって駐車場における入出場管理および駐車料金のキャッシュレス精算を適切かつ確実に実行するための入出場管理システムおよび入出場管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
入出場管理システムは、取得部、車両入出場規制部、判断部、請求処理部、および制御部を有する。取得部は、車両を駐車するための管理区域の出入口に近接した車両から、当該車両の車両番号情報、当該車両に設置された車載器の固有情報、および当該車載器に挿入されたETCカードの固有情報、のうちの少なくとも一つの情報を含む識別情報を取得する。車両入出場規制部は、管理区域への前記車両の入場および前記管理区域からの前記車両の出場を規制可能に構成される。判断部は、前記管理区域の出入口に接近した車両が、前記管理区域に入場しようとしているのか、前記管理区域から出場しようとしているのかを判断する。請求処理部は、前記識別情報と、前記駐車に関して前記車両または前記車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能に構成される。制御部は、前記判断部によって、前記車両が前記管理区域に入場しようとしていると判断された場合、前記代金の支払いに関する支払処理を実行することなく前記車両の入場を許可するように前記車両入出場規制部を制御し、前記車両が前記管理区域から出場しようとしていると判断された場合は、前記代金の支払いに関する支払処理を実行してから前記車両の出場を許可するように前記車両入出場規制部を制御する。
【0008】
入出場管理プログラムは、情報処理装置を上記の入出場管理システムとして機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の入出場管理システムによれば、管理区域の出入口に近接した車両から、当該車両の識別情報を取得し、管理区域の出入口に接近した車両が、管理区域に入場しようとしているのか、管理区域から出場しようとしているのかを判断する。入出場管理システムは、車両が入場しようとしていると判断された場合、代金の支払処理を実行することなく車両の入場を許可し、車両が出場しようとしていると判断された場合は、代金の支払処理を実行してから車両の出場を許可する。したがって、車両が入場しようとしている場合には、代金の支払処理を要求することなく車両の入場を許可し、車両が出場しようとしている場合には、登録された支払情報を用いて支払処理を実行してから車両の出場を許可することができる。これにより、簡易な構成によって駐車場における入出場管理および駐車料金の精算を適切かつ確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2A】取得装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2B】検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2C】車両入出場規制装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバーの概略構成を示すブロック図である。
【
図5】サーバーの制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】サーバーにおいて記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】ETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
【
図8】決済システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図9】サーバーによって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10A】
図9のステップS102の処理の手順の一例を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図10B】
図9のステップS102の判断処理の手順の他の例を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図11】
図9のステップS108の支払処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
(システムの全体構成)
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように、システム1は、場内システム10、情報端末20、サーバー30、ETC車載器40、および決済システム50から構成される。場内システム10、情報端末20、サーバー30、および決済システム50はネットワークを介して接続され、各構成は有線または無線の各種通信方式によって通信可能である。ETC車載器40は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の所定の通信規格によって場内システム10の取得装置110と無線通信可能である。
【0014】
場内システム10は、たとえば車両を駐車するための有料の駐車場等の管理区域に設けられる。場内システム10には、取得装置110、検知装置120、および入出場規制装置140が含まれる。
【0015】
取得装置110は、ETCアンテナを備え、管理区域の出入口に近接した車両に搭載されたETC車載器40と、DSRC等の通信規格によって無線通信を行う。また、取得装置110は、カメラを備え、管理区域に入出場する車両の画像を撮影する。
【0016】
検知装置120は、各種のセンサーを備え、管理区域内であって、管理区域の出入口の近傍の所定の範囲に近接した車両を検知する。
【0017】
入出場規制装置140は、たとえば管理区域の出入口に設けられる入出場ゲートであり、管理区域への車両の入場および管理区域からの車両の出場を規制可能な入出場規制部を有する。
【0018】
情報端末20は、ユーザーが支払情報等の登録を行うための端末である。情報端末20は、たとえば、車両の運転者が使用するスマートフォン等の端末である。情報端末20は、ネットワークを介してサーバー30等と通信を行う。
【0019】
サーバー30は、場内システム10の各構成、情報端末20、決済システム50等との間で各種情報を送受信する。
【0020】
ETC車載器40は、車両に取り付けられ、所定の距離に近接した取得装置110との間で無線通信を行う。ETC車載器40は、挿入されたETCカードから各種情報を取得して取得装置110に送信する。
【0021】
決済システム50は、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)または、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。
【0022】
本実施形態では、サーバー30が入出場管理システムを構成する例について説明する。なお、サーバー30によって実行される処理は、取得装置110や検知装置120等の他の構成によって実行されてもよい。この場合、当該構成が入出場管理システムを構成する。また、サーバー30と他の構成が協働して動作し、サーバー30および当該他の構成が入出場管理システムを構成してもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
(取得装置110)
【0023】
図2Aは、取得装置の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図2Aに示すように、取得装置110は、制御部111、記憶部112、通信部113、ETCアンテナ114、およびカメラ115を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、各構成要素は、バスを介さずに直接ネットワークを介してサーバー30と接続されてもよい。
【0025】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御のほか、場内システム10の各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0026】
記憶部112は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等を備える。
【0027】
通信部113は、ネットワークを介して、他の端末や装置と通信するためのインターフェースを備える。通信部113は、たとえば、サーバー30と各種データ等の送受信を行う。
【0028】
ETCアンテナ114は、所定の通信規格によってETC車載器40との間で無線通信を行うための構成である。取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDを取得する。また、取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40に挿入されたETCカードを識別するための固有情報であるETCカード番号を取得する。ETCカード番号は暗号化された状態で取得され、たとえば上位のサーバー30に送信される前に復号化されうる。
【0029】
カメラ115は、管理区域に入出場する車両を撮影する。カメラ115によって撮影された画像を解析することによって、車両の車両番号(車両のナンバー)を示す情報が取得される。
(検知装置120)
【0030】
図2Bは、検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図2Bに示すように、検知装置120は、制御部121、記憶部122、通信部123、および検知部124を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、検知装置120が制御部121や記憶部122等を備えていない装置である場合には、検知部124は取得装置110の制御部111に接続する構成をとってもよい。
【0032】
検知装置120の制御部121、記憶部122、通信部123は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0033】
検知部124は、管理区域内であって管理区域の出入口の近傍の所定の範囲に車両が近接したことを検知するための構成であり、たとえば、ループコイル、レーザーライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)、カメラ等の各種センサーによって構成され得る。上記のような各種センサーは、それぞれ単体で使用されてもよく、あるいは複数のセンサーが組み合わせられて使用されてもよい。
【0034】
たとえば、検知部124として車両の近接を電磁的に検知するループコイルが使用される場合、ループコイルは、管理区域内であって管理区域の出入口の近傍に配置され、たとえば車両が管理区域から出場する際に通行する車路の下部等に配置される。
【0035】
また、検知部124としてレーザーライダーが使用される場合、レーザーライダーは管理区域内であって管理区域の出入口の近傍の所定の範囲を検知範囲に含む位置に設けられる。レーザーライダーによって取得された画像情報を解析することによって、車両が管理区域内であって管理区域の出入口の近傍の所定の範囲に近接したことが検知される。
【0036】
また、検知部124としてカメラが使用される場合、カメラは管理区域内であって、管理区域の出入口の近傍の所定の範囲を撮影範囲に含む位置に設けられる。カメラによって連続的に撮影された画像(映像)を解析することによって、車両が管理区域内であって管理区域の出入口の近傍の所定の範囲に近接したことが検知される。画像(映像)の認識は、たとえば背景差分法や、機械学習を用いる方法等の公知の技術を用いて実施され得る。
【0037】
なお、検知部124として使用され得るセンサーは、上記の例に限定されず、たとえば車両に接触して車両の通過を検知する接触式センサーや、通過する車両の重量によって車両の通過を検知する重量センサー等が使用されてもよい。あるいは、車両を検出可能な位置に設けられた赤外線センサーや音波センサー、地磁気センサー等が使用されてもよい。
(入出場規制装置140)
【0038】
図2Cは、入出場規制装置の概略構成を示すブロック図である。
【0039】
図2Cに示すように、入出場規制装置140は、制御部141、通信部142、および入出場規制部143を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、入出場規制装置140が制御部141や通信部142を備えていない場合には、入出場規制部143は取得装置110の制御装置と接続される構成をとってもよい。
【0040】
入出場規制装置140の制御部141、通信部142は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0041】
入出場規制部143は、車両の管理区域への入出場を規制するための構成である。入出場規制部143は、たとえば管理区域の出入口に配置され、車両の通行を阻害したり許可したりするように動作するゲート(ボラード)やバーによって構成される。入出場規制部143は、たとえば管理区域への車両の入出場が認められた場合に、管理区域への車両の入出場を許可し、車両が入出場した後に、再び車両の入出場を規制する。なお、入出場規制部143の実現方法は上記の例に限定されず、車両の入出場を規制可能な構成であれば、いかなる構成によって実現されてもよい。
(情報端末20)
【0042】
図3は、情報端末の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
図3に示すように、情報端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24および操作受付部25を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。情報端末20の制御部21、記憶部22および通信部23は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0044】
表示部24は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等を備え、各種情報を表示する。操作受付部25は、タッチセンサーや、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を備え、ユーザーの各種操作を受け付ける。表示部24および操作受付部25は、表示部24としての表示面に、操作受付部25としてのタッチセンサーを重畳することによって、タッチパネルを構成してもよい。
(サーバー30)
【0045】
図4は、サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図5は、サーバーの制御部の機能構成を示すブロック図である。
図6は、サーバーにおいて記憶される情報の一例を示す図である。
【0046】
図4に示すように、サーバー30は、制御部31、記憶部32および通信部33を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。サーバー30の制御部31、記憶部32および通信部33は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0047】
図5に示すように、サーバー30の制御部31は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部311、車両入出場規制部312、判断部313、請求処理部314、および制御部315として機能する。また、制御部31は、場内システム10の各構成要素にある制御部に機能の一部を分散する構成としてもよい。たとえば、制御部31は、検知装置120の検知部124からの検知情報に基づいて、検知部として機能してもよい。
【0048】
取得部311は、所定の範囲に位置する車両の車両番号情報、当該車両に設置されたETC車載器40の固有情報(車載器ID)、および当該ETC車載器40に挿入されたETCカードの固有情報(ETCカード番号)のうちの少なくとも一つの情報を含む識別情報を、取得装置110から取得する。
【0049】
車両入出場規制部312は、入出場規制装置140を制御して、管理区域への車両の入場および管理区域からの車両の出場を規制する。
【0050】
請求処理部314は、取得部311によって取得された識別情報と、車両の駐車に関して車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録する。
【0051】
サーバー30は、請求処理部314として、ユーザーからの指示に基づいて上記の各情報を関連付けて登録するために、ユーザーが情報端末20を用いてアクセス可能な専用のウェブページを提供する。専用のウェブページは、たとえば駐車場ごとに異なるURLを用いて提供される。たとえば駐車場に設けられた無線LANネットワーク、ビーコン、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)、二次元バーコードなどを介して当該URLに対応するサーバー等にユーザーの情報端末20が接続すると、当該URLのウェブページが情報端末20に表示されるように設定される。これにより、駐車場を使用するユーザーは、容易にウェブページにアクセスして必要な情報を登録することができる。
【0052】
次に、サーバー30の記憶部32に記憶される情報について説明する。
【0053】
図6に示すように、サーバー30の記憶部32には、識別情報、支払情報、およびユーザー情報が関連付けられて記憶される。識別情報には、車載器ID、ETCカード番号、および車両番号が含まれる。支払情報には、クレジットカード情報、銀行口座情報、およびその他の決済スキームを利用するための各種情報が含まれる。支払情報は、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報として使用される。なお、支払情報には、車両が出場する際に、上記の代金を所定の方法で自動的に支払うことを許可することを示す情報も含まれる。ユーザー情報には、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報、連絡先情報、および認証情報等が含まれる。ユーザー識別情報には、たとえば、氏名、住所、生年月日、性別、ニックネーム、免許証番号等が含まれる。連絡先情報には、たとえば、電話番号、メールアドレス、SNSや各種メッセージサービスのID等が含まれる。認証情報には、会員専用のウェブサイト等にアクセスするためのID、パスワード等が記憶される。
【0054】
また、サーバー30の記憶部32には、各管理区域を識別するための情報と、各管理区域に設けられている取得装置110または検知装置120を識別するための情報が関連付けられて記憶される。本実施形態においては、1つの管理区域に対して、取得装置110および検知装置120が1つずつ設けられる例について説明したが、これに限定されない。たとえば、車両の出入口が複数あるような管理区域においては、取得装置110および検知装置120はそれぞれ複数設けられてもよい。
【0055】
また、サーバー30の記憶部32には、管理区域内に収容されている車両の識別情報が記憶される。たとえば、サーバー30は、車両が管理区域内に入場した際に、収容中の車両を把握するために記憶部32に設けられるデータベースに、当該車両の識別情報を記憶(登録)する。サーバー30は、当該車両が管理区域から出場した際に、当該車両の識別情報を記憶部32のデータベースから消去(削除)してもよく、あるいは、当該車両が収容されていない旨を当該車両の識別情報に関連付けて記憶部32のデータベースに記憶しておいてもよい。
【0056】
なお、記憶部32に記憶されるものとして説明した上記の情報は、サーバー30からネットワークを介して接続可能な外部ストレージに記憶され、必要に応じてサーバー30からアクセスして取得するように構成されてもよい。
(ETC車載器40)
【0057】
図7は、ETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
【0058】
図7に示すように、ETC車載器40は、制御部41、記憶部42、通信部43、カード受付部44および出力部45を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。ETC車載器40の制御部41、記憶部42および通信部43は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0059】
カード受付部44は、ETCカードの挿入を受け付ける。カード受付部44は、挿入されたETCカードから、ETCカード番号を含む各種情報を取得する。制御部41は、カード受付部44において取得された情報を、通信部43を介して取得装置110に送信する。
【0060】
出力部45は、光や音声を出力する構成であり、たとえばETCカードの読み取り状態を表すインジケーターランプや音声案内を出力するスピーカー等によって構成される。
【0061】
記憶部42には、無線の基地局としてETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDが記憶されている。したがって、取得装置110は、ETCアンテナ114を介してETC車載器40と無線通信を行う際に、ETC車載器40の車載器IDを取得することができる。
(決済システム50)
【0062】
図8は、決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図9は、決済システムにおいて記憶されるETCカード番号に関連する情報の一例を示す図である。
【0063】
図8に示すように、決済システム50は、制御部51、記憶部52および通信部53を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。決済システム50の制御部51、記憶部52および通信部53は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0064】
決済システム50は、たとえば、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)、各種コード決済サービスを提供する決済機関、あるいは、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。サーバー30は、決済システム50との間で情報を送受信することによって、クレジットカード決済や銀行口座振込等によって駐車場の利用料の決済を実行することができる。
【0065】
また、決済システム50は、ユーザーのETCカードに対応付けられたクレジットカードに関する情報と、ユーザーのETCカードが、ETCカードの発行者によって拒絶(無効設定)されているか否かを示す情報とを保有していてもよい。上記の情報は、決済システム50の記憶部52に記憶される。なお、決済システム50は、ETCカード番号に対応付けて拒絶情報を保有しなくてもよい。この場合、たとえばETCカード番号をクレジットカード情報に変換して、当該クレジットカードが拒絶されているか否かをクレジットカード会社に都度確認してもよい。
【0066】
なお、システム1は、上記の構成以外の構成を含んでもよい。また、上記の各構成は、上述した構成要素以外の構成要素を含んでもよく、上述した構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。また、上記の各構成は、複数の装置によって構成されてもよく、一体的に構成されてもよい。また、ある構成が実施するものとして説明した機能を、他の構成が代わりに実施するようにしてもよい。
システムにおける処理の概要を説明する。
(処理概要)
【0067】
図9は、サーバーによって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
図10Aは、
図9のステップS102の処理の手順の一例を示すサブルーチンフローチャートである。
図10Bは、
図9のステップS102の判断処理の手順の他の例を示すサブルーチンフローチャートである。
図11は、
図9のステップS108の支払い処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図9~
図11のフローチャートに示される処理は、サーバー30の記憶部32にプログラムとして記憶されており、制御部31が各部を制御することにより実行される。
【0068】
図9に示すように、サーバー30は、取得装置110から、車両の識別情報を取得したか否かを判断する(ステップS101)。
【0069】
識別情報を取得していない場合(ステップS101:NO)、サーバー30は、識別情報を取得するまで待機する。
【0070】
識別情報を取得した場合(ステップS101:YES)、サーバー30は、当該車両が管理区域に入場しようとしているのか、あるいは、当該車両が管理区域から出場しようとしているのか、を判断する(ステップS102)。判断処理の詳細については、
図10Aおよび
図10Bを参照して後述する。
【0071】
ステップS102の処理において、入場しようとしていると判断されている場合(ステップS103:YES)、サーバー30は、管理区域への車両の入場を許可するように入出場規制装置140を制御する(ステップS104)。
【0072】
続いて、サーバー30は、車両の入場が完了したか否かを判断する(ステップS105)。たとえば、サーバー30は、検知装置120の検出結果やカメラ115によって撮影された画像等に基づいて、車両の入場が完了したか否かを判断する。
【0073】
入場が完了していない場合(ステップS105:NO)、サーバー30は、入場が完了するまで待機する。
【0074】
入場が完了した場合(ステップS105:YES)、サーバー30は、管理区域への車両の入出場を規制するように入出場規制装置140を制御し(ステップS106)、処理を終了する。
【0075】
一方、ステップS102の処理において、出場しようとしていると判断されている場合(ステップS103:NO、ステップS107:YES)、サーバー30は、支払処理を実行する(ステップS108)。支払処理の詳細については、
図11を参照して後述する。なお、出場しようとしているとも判断されていない場合(ステップS107:NO)、サーバー30は、ステップS101に戻って処理を継続する。また、ステップS102、S103、S107の処理の順番や方法については、
図9の例に限定されず任意の順番や方法によって実行することができる。
【0076】
続いて、サーバー30は、管理区域からの車両の出場を許可するように入出場規制装置140を制御する(ステップS109)。
【0077】
続いて、サーバー30は、車両の出場が完了したか否かを判断する(ステップS110)。たとえば、サーバー30は、カメラ115によって撮影された画像等に基づいて、車両の出場が完了したか否かを判断する。
【0078】
出場が完了していない場合(ステップS110:NO)、サーバー30は、出場が完了するまで待機する。
【0079】
出場が完了した場合(ステップS110:YES)、サーバー30は、管理区域への車両の入出場を規制するように入出場規制装置140を制御し(ステップS111)、処理を終了する。このとき、サーバー30は、たとえば出場した車両のユーザーの情報端末20に対して、駐車場名、入庫日時、出庫日時、駐車料金、使用した支払手段等を示す情報を、利用証明情報として通知してもよい。
<判断処理>
【0080】
次に、
図9のステップS102に示す判断処理について、2つのパターンに分けて以下に説明する。
<パターン1>
【0081】
図10Aに示すように、サーバー30は、記憶部32のデータベースを参照し(ステップS201)、
図9のステップS101の処理において取得された識別情報が、管理区域に収容されている車両の識別情報として記憶されているか否かを判断する(ステップS202)。
【0082】
管理区域に収容されている車両の識別情報として記憶されている場合(ステップS202:YES)、サーバー30は、既に管理区域に収容されている車両であるため、当該車両が管理区域から出場しようとしていると判断し(ステップS203)、判断処理を終了する。
【0083】
一方、管理区域に収容されている車両の識別情報として記憶されていない場合(ステップS202:NO)、サーバー30は、まだ管理区域に収容されていない車両であるため、当該車両が管理区域に入場しようとしていると判断し(ステップS204)、判断処理を終了する。
<パターン2>
【0084】
図10Bに示すように、サーバー30は、管理区域内の出入口近傍の所定の範囲に近接した車両を検知する検知装置120の検知状況を確認し(ステップS211)、検知装置120が車両を検知しているか否かを判断する(ステップS212)。
【0085】
検知装置120が車両を検知している場合(ステップS212:YES)、サーバー30は、管理区域内の出入口付近に車両が存在しているため、当該車両が管理区域から出場しようとしていると判断し(ステップS213)、判断処理を終了する。
【0086】
検知装置120が車両を検知していない場合(ステップS212:NO)、サーバー30は、管理区域内の出入口付近に車両が存在していないため、当該車両が管理区域に入場しようとしていると判断し(ステップS214)、判断処理を終了する。
<支払処理>
【0087】
次に、
図9のステップS108に示す支払処理について、以下に説明する。
【0088】
図11および
図12に示すように、サーバー30は、
図9のステップS101の処理において取得された識別情報に、駐車料金の支払いに使用する支払手段に関する支払情報が関連付けられて登録されているか否かを判断する(ステップS301)。具体的には、サーバー30は、記憶部32のデータベースを参照し、取得した識別情報に、クレジットカード情報、銀行口座情報等の支払情報が関連付けられて記憶されているか否かを判断する。
【0089】
支払情報が登録されていない場合(ステップS301:NO)、サーバー30は、駐車料金の負担者であるユーザーが、車両番号の少なくとも一部を用いてサーバー30の記憶部32に登録されている車両番号を検索するための画面を出力する(ステップS302)。サーバー30が出力した画面は、ユーザーが使用する情報端末20に表示される。これにより、ユーザーは、把握および記憶しやすい車両番号の一部を検索画面に入力するだけで、サーバー30の記憶部32に記憶されている車両番号(識別情報)を検索することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、サーバー30は、ステップS301、S302の処理を実行した後にステップS303の処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。たとえば、ユーザー自身が、支払情報を登録していないことを認識している場合には、ユーザーは車両を管理区域から出場させる前の任意のタイミングで情報端末20を用いてサーバー30にアクセスしてもよい。この場合、サーバー30は、ステップS301、S302の処理を実行する前にステップS303~S305の処理を実行し、支払処理が完了しているという情報を記憶部32に記憶する。この状態でユーザーが車両を管理区域から出場させる場合、サーバー30は、ステップS301の処理を実行し、記憶部32において識別情報(車両番号等)に支払情報が関連付けられて登録されており、さらに支払処理まで完了しているということを確認できるため、ステップS306、S307の処理をスキップして、支払処理を終了してもよい。たとえばユーザーに事前に案内して上記のようにすることにより、事前に登録処理や支払処理を実行させられるため、車両を出場させる際に管理区域の出入口付近で登録処理や支払処理を行う必要がなくなり、車両を管理区域からスムーズに出場させることができる。
【0091】
サーバー30は、ステップS302の処理において出力された画面を用いて検索された車両番号(識別情報)に対して、ユーザーから支払情報の関連付け登録を受け付けるための画面を出力する(ステップS303)。
【0092】
サーバー30は、車両番号(識別情報)に支払情報が関連付けて登録されたか否かを判断する(ステップS304)。ここで、サーバー30の記憶部32には、車両番号に関連付けられて、車載器IDおよびETCカード番号の少なくとも一方も記憶されている。したがって、車両番号に支払情報が関連付けて登録されると、当該車両のETC車載器40から取得された車載器IDおよびETCカードの少なくとも一方にも、支払情報が関連付けられて記憶される。なお、サーバー30は、上記の支払情報を用いた自動支払いに関する情報(自動支払いを許可することを示す情報)の登録をあわせてユーザーから受け付けてもよい。
【0093】
支払情報が関連付けて登録されていない場合(ステップS304:NO)、サーバー30は、ステップS304の処理を繰り返す。
【0094】
支払情報が関連付けて登録されている場合(ステップS304:YES)、サーバー30は、支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金を支払うための処理を実行して(ステップS305)、支払処理を終了する。
【0095】
一方、ステップS301の処理において、支払情報が登録されていると判断された場合(ステップS301:YES)、サーバー30は、支払情報を用いた自動支払いに関する情報(自動支払いを許可することを示す情報)がユーザーによって記憶部32に登録されているか否かをさらに判断する(ステップS306)。
【0096】
自動支払いに関する情報が登録されている場合(ステップS306:YES)、サーバー30は、支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金を支払うための処理を実行して(ステップS307)、支払処理を終了する。このとき、サーバー30は、たとえばユーザーの情報端末20に対して、出場時に自動支払いが行われるため別途支払処理を実行する必要はない旨や、自動支払いに使用される支払手段に関する情報を通知してもよい。また、当該通知により、出場時に登録された支払手段により自動支払いを行うかどうかを確認してもよい。
【0097】
一方、ステップS306の処理において、自動支払いに関する情報が登録されていないと判断された場合(ステップS306:NO)、サーバー30は、ユーザーから支払手段の選択および支払指示を受け付けるための画面を出力する(ステップS308)。具体的には、サーバー30は、ユーザーが使用する支払手段の選択を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの選択を受け付ける。支払手段の選択は、ユーザーが予め支払情報を登録している支払手段の中から受け付けてもよく、新たな支払手段としてユーザーから支払情報の入力を受け付けてもよい。新たな支払手段の支払情報が入力された場合は、サーバー30は、記憶部32に記憶されている車載器ID、ETCカード番号、車両番号等の識別情報と、ユーザーによって入力された支払情報とを関連付けて記憶部32のデータベースに登録する。さらに、サーバー30は、選択された支払情報を用いて駐車料金を支払うための指示(支払指示)を、ウェブページに表示される支払ボタンの押下等によって、ユーザーから受け付ける。なお、ステップS308~S310の処理についても、上述したステップS303~S305の処理と同様に、ユーザーによる情報端末20の操作等によって、任意のタイミングで実行されてもよい。
【0098】
サーバー30は、支払手段の選択および支払指示を受け付けているか否かを判断する(ステップS309)。
【0099】
受け付けていない場合(ステップS309:NO)、サーバー30は、ステップS309の処理を繰り返す。
【0100】
受け付けている場合(ステップS309:YES)、サーバー30は、上記の支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行して(ステップS310)、支払処理を終了する。
【0101】
上記の実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
入出場管理システム(サーバー30)は、管理区域の出入口に近接した車両から、当該車両の識別情報を取得し、管理区域の出入口に接近した車両が、管理区域に入場しようとしているのか、管理区域から出場しようとしているのかを判断する。入出場管理システムは、車両が入場しようとしていると判断された場合、代金の支払処理を実行することなく車両の入場を許可し、車両が出場しようとしていると判断された場合は、代金の支払処理を実行してから車両の出場を許可する。したがって、車両が入場しようとしている場合には、代金の支払処理を要求することなく車両の入場を許可し、車両が出場しようとしている場合には、登録された支払情報を用いて支払処理を実行してから車両の出場を許可することができる。これにより、簡易な構成によって駐車場における入出場管理および駐車料金の精算を適切かつ確実に実行することができる。
【0102】
また、入出場管理システムは、管理区域内に収容されている車両の識別情報を記憶する記憶部を有し、識別情報が取得された際に、当該識別情報が管理区域内に収容されている車両の識別情報として記憶されていない場合に、車両が入場しようとしていると判断し、当該識別情報が管理区域内に収容されている車両の識別情報として記憶されている場合に、車両が出場しようとしていると判断する。これにより、入出場管理システムは、識別情報が取得された際に、記憶部に記憶されている情報を参照するだけで、車両が入場しようとしているか出場しようとしているのかを判断することができる。したがって、簡易な構成および処理によって、駐車場における入出場管理および駐車料金の精算を適切かつ確実に実行することができる。
【0103】
また、入出場管理システムは、管理区域内であって出入口の近傍の所定の範囲に近接した車両を検知する検知部を有し、識別情報が取得された際に、検知部によって車両が検知されていない場合に、車両が入場しようとしていると判断し、検知部によって車両が検知されている場合に、車両が出場しようとしていると判断する。これにより、入出場管理システムは、識別情報が取得された際に、一つの検知部による検知状況を確認するだけで、車両が入場しようとしているか出場しようとしているのかを判断することができる。したがって、簡易な構成および処理によって、駐車場における入出場管理および駐車料金の精算を適切かつ確実に実行することができる。
【0104】
また、入出場管理システムは、支払処理を実行する際に、請求処理部における支払手段に関する情報の登録を確認し、代金を出場時に自動的に支払うことが登録されている場合は、ユーザーへの支払いの確認を行うことなく、車両の出場を許可する。これにより、ユーザーは、支払処理を意識的に実行することなく、管理区域から即座に車両を出場させることができる。したがって、急いでいるユーザーを待たせたり、ユーザーに煩雑な操作を実行させたりすることをなくすことができ、駐車場のユーザー利便性を飛躍的に向上させることができる。
【0105】
また、入出場管理システムは、支払処理を実行する際に、請求処理部における支払手段に関する情報の登録を確認し、代金を出場時に自動的に支払うことが登録されていない場合は、ユーザーへの支払いの確認を行うための画面を出力し、ユーザーから支払いの許可に関する指示を受け付けた場合に、車両の出場を許可する。これにより、代金を自動的に支払うことが登録されていない場合は、ユーザーから支払い指示を得てから車両の出場を許可することができ、より適切に駐車場の入出場管理および駐車料金の精算を実行することができる。
【0106】
また、入出場管理システムは、支払処理を実行する際に、請求処理部における支払手段に関する情報の登録を確認し、支払手段に関する情報が登録されていない場合は、ユーザーが支払手段に関する情報を登録するための画面を出力し、ユーザーから支払手段に関する情報の登録を受け付けた場合に、支払処理を実行するとともに識別情報に関連付けて支払手段に関する情報を請求処理部に登録する。これにより、支払手段に関する情報が登録されていない場合は、ユーザーに支払処理と支払手段の登録を促すことができる。したがって、より効率的かつ確実に駐車料金の精算を実行することができる。
【0107】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲内において、種々の変更や改良等が可能である。
【0108】
たとえば、上記の実施形態においては、情報端末20は、ユーザーが所持する端末であるものとして説明した。しかしながら、情報端末20は、駐車場等に設置された共用の端末であってもよい。この場合、ユーザーが情報端末を所持していなくても、必要な情報の登録等の操作を実行することができる。
【0109】
また、上述した実施形態に係るシステムの処理は、上述したフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。たとえば、
図9のフローチャートでは、ステップS101の検知処理が行われてからステップS102の取得処理が行われる例について説明したが、これに限定されず、ステップS102の取得処理が先に行われるようにしてもよい。
【0110】
また、上述した実施形態に係るシステムの各装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記のプログラムは、たとえば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記のプログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの各装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 システム、
10 場内システム、
110 取得装置、
111 制御部、
112 記憶部、
113 通信部、
114 ETCアンテナ、
115 カメラ、
120 検知装置、
121 制御部、
122 記憶部、
123 通信部、
124 検知部、
140 車両規制装置、
141 制御部、
142 通信部、
143 入出場規制部、
20 情報端末、
21 制御部、
22 記憶部、
23 通信部、
24 表示部、
25 操作受付部、
30 サーバー、
31 制御部、
311 取得部、
312 車両入出場規制部、
313 判断部、
314 請求処理部、
315 制御部、
32 記憶部、
33 通信部、
40 ETC車載器、
41 制御部、
42 記憶部、
43 通信部、
44 カード受付部、
45 出力部、
50 決済システム、
51 制御部、
52 記憶部、
53 通信部。