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特許7508141電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20240624BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240624BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6567
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022558528
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2021003079
(87)【国際公開番号】W WO2021221310
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0052263
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャンフン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526766(JP,A)
【文献】特開2009-194331(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2015-0035058(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第107799488(CN,A)
【文献】中国実用新案第210274951(CN,U)
【文献】特表2018-533167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0067155(US,A1)
【文献】特表2018-527705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の前面および後面を覆い、前記モジュールフレームと結合する一対のエンドプレート;
前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンク;および
少なくとも一方の前記エンドプレートに対応して形成され、前記ヒートシンクと連結されて前記ヒートシンクに冷媒を供給するための少なくとも二つの冷却ポートを含む電池モジュールであって
前記少なくとも一方のエンドプレートは、
前記少なくとも一方のエンドプレートの側端部と、前記少なくとも二つの冷却ポートのうち前記側端部に隣接した冷却ポートとの間に位置し、前記電池セルから突出している電極リードの突出方向に延長され、前記電池モジュールを固定するための第1載置部、および
前記少なくとも二つの冷却ポートのうち隣り合う二つの冷却ポートの間に位置し、前記電池セルから突出している前記電極リードの前記突出方向に延長され、前記電池モジュールを固定するための第2載置部を含む電池モジュール。
【請求項2】
前記第1載置部および前記第2載置部は、前記突出方向に垂直な方向にそれぞれ前記第1載置部および前記第2載置部を貫通するように形成された貫通ホールを含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記冷却ポートのうちのいずれか一方は冷媒注入ポートであり、他方は冷媒排出ポートである、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記モジュールフレームは、前記少なくとも二つの冷却ポートに対応する位置で前記モジュールフレームの底部一部が突出して形成される少なくとも二つのモジュールフレーム突出部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記モジュールフレームの底面は前記ヒートシンクの上部プレートを構成し、
前記モジュールフレームの底部が前記冷媒と接触する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記ヒートシンクは、板状型本体から陥没した陥没部を含み、前記陥没部と前記モジュールフレームの底面が構成する前記上部プレートとが結合して前記冷媒の流路を形成する、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記陥没部は、U字型管であり、前記U字型管の開放された上側に前記底部が位置する、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも一つの電池モジュール;および
前記ヒートシンクの下側に位置して前記電池モジュールを収容するパックフレームを含む電池パック。
【請求項9】
前記第1載置部および前記第2載置部は、前記突出方向に垂直な方向にそれぞれ前記第1載置部および前記第2載置部を貫通するように形成された貫通ホールを含み、
前記パックフレームは、前記貫通ホールに対応する位置に締結ホールを含み、
前記貫通ホールを貫通して前記パックフレームの前記締結ホールに結合する載置ボルトを含む、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記第1載置部は二つであり、
前記第1および第2載置部と、前記締結ホールとが結合する地点は3個以上である、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願らとの相互引用)
本出願は、2020年4月29日付韓国特許出願第10-2020-0052263号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的に強度が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常的になることに伴い、このようなモバイル機器と関連した分野の技術に対する開発が活発になってきている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として利用されているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収容する電池ケースとを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合は爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合算されて温度がより速くかつ激しく上がることがある。言い換えると、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が良好になされない場合、電池セルの劣化が速くなって寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用バッテリーパックに含まれるバッテリーモジュールの場合、直射光線によく露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的かつ効果的な冷却性能を確保することは非常に重要であると言える。
【0010】
このために、冷却のためのヒートシンクが電池モジュールと一体に形成され得るが、この時、ヒートシンクへの冷媒注入などのための構成を付加する場合、構造的に脆弱な部分が発生することがある。特に、容量増大のために電池モジュールを大面積化する場合、振動や衝撃に対して脆弱な部分が発生する余地が一層高まるところ、これを補完できる手段の開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、大面積の電池モジュールにおいて冷却性能を確保しながらも、構造的安定性が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することにその目的ある。
【0012】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム、前記電池セル積層体の前面および後面を覆い、前記モジュールフレームと結合するエンドプレート、前記モジュールフレームの底部の下に位置するヒートシンク、および前記ヒートシンクと連結されて前記ヒートシンクに冷媒を供給するための少なくとも二つの冷却ポートを含み、前記エンドプレートは、前記エンドプレートの側端部と、前記少なくとも二つの冷却ポートのうち前記側端部に隣接した冷却ポートとの間に位置し、前記電池セルから突出している電極リードの突出方向に延長された第1載置部、および前記少なくとも二つの冷却ポートのうち隣り合う二つの冷却ポートの間に位置し、前記電池セルから突出している電極リードの突出方向に延長された第2載置部を含む。
【0014】
前記第1載置部および前記第2載置部は、前記突出方向に垂直な方向にそれぞれ前記第1載置部および前記第2載置部を貫通するように形成された貫通ホールを含むことができる。
【0015】
前記冷却ポートのうちのいずれか一方は冷媒注入ポートであり、他方は冷媒排出ポートであり得る。
【0016】
前記モジュールフレームは、前記少なくとも二つの冷却ポートに対応する位置で前記モジュールフレームの底部一部が突出して形成される少なくとも二つのモジュールフレーム突出部を含むことができる。
【0017】
前記モジュールフレームの底面は前記ヒートシンクの上部プレートを構成し、前記モジュールフレームの底部が前記冷媒と接触することができる。
【0018】
前記ヒートシンクは、板状型本体から陥没した陥没部を含み、前記陥没部と前記モジュールフレームの底面が構成する上部プレートとが結合して前記冷媒の流路を形成することができる。
【0019】
前記陥没部は、U字型管であり、前記U字型管の開放された上側に前記底部が位置することができる。
【0020】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前述の少なくとも一つの電池モジュール、および前記ヒートシンクの下側に位置して前記電池モジュールを収容するパックフレームを含むことができる。
【0021】
前記第1載置部および前記第2載置部は、前記突出方向に垂直な方向にそれぞれ前記第1載置部および前記第2載置部を貫通するように形成された貫通ホールを含み、前記パックフレームは、前記貫通ホールに対応する位置に締結ホールを含み、前記貫通ホールを貫通して前記パックフレームの締結ホールに結合する載置ボルトを含むことができる。
【0022】
前記第1載置部は二つであり、前記第1および第2載置部と、前記締結ホールとが結合する地点は3個以上であり得る。
【0023】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは、前述の少なくとも一つの電池パックを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
実施形態によれば、モジュールフレームとヒートシンクの一体化した電池モジュール構造を通じて大面積である場合にも冷却性能を向上させると同時に、振動および衝撃に対する構造的安定性を向上させた電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
図2図1の電池モジュールの分解斜視図である。
図3図1の電池モジュールをz軸方向に沿って電池モジュールの下から上へ眺めた斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による電池パックの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0029】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0030】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図であり、図2図1の電池モジュールの分解斜視図であり、図3図1の電池モジュールをz軸方向に沿って電池モジュールの下から上へ眺めた斜視図である。
【0033】
図1乃至図3を参照すれば、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120を収容するモジュールフレーム200、モジュールフレーム200の開放された互いに対応する両側(y軸方向とその反対方向)に位置して電池セル積層体120を覆うように形成されたエンドプレート400、および電池モジュール100の冷却のための冷却ポート500を含む。また、電池モジュール100は、モジュールフレーム200の底部210aの下に位置するヒートシンク300を含むことができ、冷却ポート500を通じてヒートシンク300に冷媒を供給し、ヒートシンク300から冷媒を排出できる少なくとも二つの冷却ポート500を含むことができる。
【0034】
電池セル110は、パウチ型電池セルであり得る。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収容した後、前記パウチケースの外周部を熱融着して形成され得る。この時、電池セル110は長方形のシート型構造で形成され得る。このような電池セル110は、複数個で構成され得、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、図2に示すようにx軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。
【0035】
電池セル積層体120を収容するモジュールフレーム200は、上部カバー220およびU字型フレーム210を含むことができる。
【0036】
U字型フレーム210は、底部210a、および底部210aの両端部から上向きに延長された二つの側面部210bを含むことができる。底部210aは電池セル積層体120の下面(z軸反対方向)を覆うことができ、側面部210bは電池セル積層体120の両側面(x軸方向とその反対方向)を覆うことができる。
【0037】
上部カバー220は、U字型フレーム210により囲まれる前記下面および前記両側面を除いた残りの上面(z軸方向)を囲む一つの板状型構造で形成され得る。上部カバー220とU字型フレーム210は、互いに対応する縁部位が接触された状態で、溶接などにより結合することによって、電池セル積層体120を上下左右に覆う構造を形成することができる。上部カバー220とU字型フレーム210を通じて電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために上部カバー220とU字型フレーム210は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0038】
一方、具体的に図示していないが、変形例によるモジュールフレーム200は、上面、下面および両側面が一体化した金属板材形態のモノフレームであり得る。つまり、U字型フレーム210と上部カバー220が互いに結合する構造でなく、押出成形により製造されて上面、下面および両側面が一体化した構造であり得る。
【0039】
本実施形態によるモジュールフレーム200は、モジュールフレーム200の底部210aが延長されてエンドプレート400を通過するように形成されたモジュールフレーム突出部211を含むことができる。この時、モジュールフレーム突出部211の上面部と連結される冷却ポート500により流入および排出される冷媒が、モジュールフレーム突出部211を通じてヒートシンク300に供給およびヒートシンク300から排出され得る。
【0040】
モジュールフレーム突出部211およびここに連結された冷却ポート500は、モジュールフレーム200の一辺、例えば図面のx軸方向に平行な一辺に沿って互いに離隔して配置され得る。モジュールフレーム200の底部210aは、ヒートシンク300の上部プレートを構成し、ヒートシンク300の陥没部340とモジュールフレーム200の底部210aとが冷媒の流路を形成することができる。
【0041】
具体的に、ヒートシンク300は、モジュールフレーム200の下部に形成され、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の骨格を形成し、モジュールフレーム200の底部210aと溶接などにより直接結合する下部プレート310、および冷媒が流動する経路である陥没部340を含むことができる。また、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の一辺からモジュールフレーム突出部211が位置した部分に突出したヒートシンク突出部300Pを含むことができる。
【0042】
ヒートシンク突出部300Pとモジュールフレーム突出部211は、互いに溶接などの方法で直接結合され得る。ヒートシンク300の陥没部340は、下部プレート310が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部340は、冷媒流路が伸びる方向を基準として垂直にxy平面で切断した断面がU字型管であり得、前記U字型管の開放された上側に底部210aが位置することができる。ヒートシンク300が底部210aと接しながら、陥没部340と底部210aとの間の空間が、冷媒が流動する領域、つまり、冷媒の流路となる。そのために、モジュールフレーム200の底部210aが前記冷媒と直接接触することができる。
【0043】
ヒートシンク300の陥没部340の製造方法に特別な制限はないが、板状型のヒートシンク300に対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型陥没部340を形成することができる。またモジュールフレーム200の底部210aは、ヒートシンク300のうち陥没部340が形成されていない下部プレート310部分と溶接を通じて接合され得る。このように、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の冷却一体型構造を通じて、前述した冷却性能の向上だけでなく、モジュールフレーム200に収容された電池セル積層体120の荷重を支持し、電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。それだけでなく、下部プレート310とモジュールフレーム200の底部210aとは溶接結合などを通じて密封されることによって、下部プレート310内側に形成された陥没部340で冷媒が漏れなしに流動することができる。一方、前記冷媒は、冷却のための媒介物であって、特別な制限はないが、冷却水であり得る。
【0044】
一方、図示していないが、図4のモジュールフレーム200の底部210aと電池セル積層体120との間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含む熱伝導性樹脂層が位置することができる。前記熱伝導性樹脂層は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を底部210aに塗布し、塗布された熱伝導性樹脂が硬化して形成され得る。
【0045】
前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュールの下側に伝達することができる。
【0046】
エンドプレート400は、モジュールフレーム200の開放された互いに対応する両側(y軸方向とその反対方向)に位置して電池セル積層体120を覆うように形成され得る。このようなエンドプレート400は、外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他電装品を物理的に保護することができる。一方、具体的に図示していないが、電池セル積層体120とエンドプレート400との間にはバスバーが装着されるバスバーフレームおよび電気的絶縁のための絶縁カバーなどが位置することができる。
【0047】
また、エンドプレート400には、後述する電池パックのパックケースに電池モジュール100を固定するための複数の載置部410、420を含むことができる。複数の載置部410、420は、エンドプレート400を基準として電池セル積層体120が位置する一側面と反対になる他の一側面から突出して延長され得る。つまり、電池セル積層体120に含まれている電池セル110から突出している電極リードの突出方向(y軸方向)に延長されて形成される。
【0048】
このうち、第1載置部410は、エンドプレート400の両側の側端部、つまり、図面においてx軸方向の両側端部に隣接して位置することができる。第1載置部410によって、エンドプレート400の両側端部が安定的に固定され得る。第1載置部410は、モジュールフレーム200の両側端部に配置された一対のエンドプレート400の全てに備えられ得る。
【0049】
第2載置部420は、少なくとも二つの冷却ポート500のうち、隣り合う二つの冷却ポート500の間に対応して配置される。例えば、図面に示したように、二つの冷却ポート500を備える場合、二つの冷却ポート500の間に第2載置部420が配置され得る。
【0050】
従来は、このような第2載置部420なしに、単にエンドプレート400の端部のみを固定するように構成されたが、電池モジュール100の面積が広くなることによって、振動および衝撃に脆弱性を有する部分がより増加し、破損が発生する可能性が高かった。特に、モジュールフレーム200の底部210aにヒートシンク300を一体に形成することによって、モジュールフレーム200の底部210aから突出したモジュールフレーム突出部211などの構造的変形を伴い、このように構造が変形された部分では、構造的脆弱性が一層問題になり得る。冷却ポート500とモジュールフレーム突出部211の連結部、ヒートシンク300の下部プレート310とモジュールフレーム200の結合部などのように部品間の連結部品が増加することによって振動や衝撃により破損する可能性がより高くなるためである。
【0051】
しかし、本発明の一実施形態では、前述のように隣り合う冷却ポート500の間に、第2載置部420をさらに備えるため、冷却ポート500およびヒートシンク300が一体に形成されている構造および大面積の構造でも、電池モジュール100を安定的に固定して振動および衝撃に対する強度を増大させることができ、冷却ポート500とヒートシンク300がモジュールフレーム200などと連結された部分の破損を防止することができる。
【0052】
また、図面においては、冷却ポート500が一対のエンドプレート400のうち、いずれか一方にのみ対応して形成されているが、両側共に形成されていてもよく、また冷却ポート500が形成されていないエンドプレート400でも、特に大面積化による構造的脆弱性を補完するために追加的に第2載置部420を備えてもよい。同時に第2載置部420は、強度増加の必要に応じて追加的にさらに備えてもよく、特に限定されるのではない。
【0053】
本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュール100は、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パック1000を形成することができる。
【0054】
以下、図4を参照して本発明の一実施形態による電池パックについて説明する。
【0055】
図4は本発明の一実施形態による電池パックの部分斜視図である。
【0056】
図4を参照すれば、本発明の電池パック1000は、電池モジュール100、および電池モジュール100を収容するパックフレーム1100を含む。パックフレーム1100は、電池モジュール100のヒートシンク300の下側に位置することができる。
【0057】
電池モジュール100は、エンドプレート400に含まれている第1および第2載置部410、420によりパックフレーム1100に固定され得る。つまり、第1および第2載置部410、420には、エンドプレート400から突出した方向に垂直な方向、つまり、図面でz軸方向に貫通した貫通ホールを含む。またパックフレーム1100は、このような貫通ホールに対応する位置に締結ホールを含む。貫通ホールと締結ホールが整列した状態で、これらを貫通する載置ボルト700を締結することによって、電池モジュール100がパックフレーム1100に固定される。
【0058】
この時、第1載置部410は、一つのエンドプレート400において両側端部に対応して二つが存在することができ、第2載置部420は、隣り合う冷却ポート500の間に少なくとも一つが存在することができるところ、第1および第2載置部410、420とパックフレーム1100の締結ホールが結合する固定地点は一つのエンドプレート400で3個以上存在することができる。このように、パックフレーム1100に電池モジュール100を固定する時、構造的に弱点が発生し得る部分に対して追加的に固定地点を含むことによって、振動や衝撃により電池モジュール100が破損し、または大面積、大容量電池モジュール100において電池モジュール100自重により垂れることを防止することができる。
【0059】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0060】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0061】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
120 電池セル積層体
200:モジュールフレーム
210 U字型フレーム
211:モジュールフレーム突出部
220 上部カバー
300:ヒートシンク
310 下部プレート
300P ヒートシンク突出部
340 陥没部
400:エンドプレート
410:第1載置部
420:第2載置部
500:冷却ポート
700:載置ボルト
図1
図2
図3
図4