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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】捩れ棒の回転移動式係止装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 1/02 20060101AFI20240624BHJP
   A01G 9/12 20060101ALI20240624BHJP
   E04H 17/20 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
F16B1/02 D
A01G9/12 C
E04H17/20 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023006372
(22)【出願日】2023-01-19
(65)【公開番号】P2024056597
(43)【公開日】2024-04-23
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2022163474
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392003225
【氏名又は名称】第一ビニール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀夫
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3232492(JP,U)
【文献】特開2012-000091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/02
A01G 9/12
E04H 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置であって、
前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられており、
前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部に当接し得るガイド突部が設けられており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項2】
捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置であって、
前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられており、
前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、前記螺旋突条部を、その延長方向の左右両側で挟持するガイド突部が設けられており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項3】
捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置であって、
前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられており、
前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられており、該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項4】
捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置であって、
前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられており、
前記捩れ棒は、金属製の芯管の外表面部が樹脂で被覆されて樹脂被覆部が形成されており、該樹脂被覆部によって、前記棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で、該棒本体の軸線回りに螺旋状に捩れる螺旋突条部が形成されており、前記芯管は捩れておらず、
前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられており、該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を、前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項5】
前記捩れ棒は直線棒状を呈する支柱であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項6】
捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置であって、
前記捩れ棒は、所要間隔を隔てる直線棒状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されてなり、
前記捩れ棒は、金属製の芯管の外表面部が樹脂で被覆されて樹脂被覆部が形成されており、該樹脂被覆部によって、棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で、該棒本体の軸線回りに螺旋状に捩れる螺旋突条部が形成されており、前記芯管は捩れておらず、
前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられており、該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項7】
前記筒状体は、その軸線を含む面で2分割されてなる両半割片の割面相互が一体化されて構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は6記載の捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項8】
前記螺旋突条部は3~6条に設定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は6記載の捩れ棒の回転移動式係止装置。
【請求項9】
前記係止具の外面部に、他物を取り付けるための取り付け部が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は6記載の捩れ棒の回転移動式係止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
棒本体の外表面部に、該棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられてなる捩れ棒の一例が特許文献1、特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1の図15には、かかる構成の捩れ棒を、直線状支柱と横連結杆として用いた場合において、両者を、前記螺旋突条部が形成されている部分相互を当接させて連結した構成が記載されている。該連結は、該直線状支柱と該横連結杆との交差部分を、例えば、弾性変形可能で開閉できるフックバンドを用いて連結するものである。
【0004】
該フックバンドは、特許文献1の図15に示すように、弾力性を有する1本の金属線材を屈曲して形成されており、第1の棒材を嵌め入れて該第1の棒材の裏面部を支持するU字状屈曲部の左右両端に、第2の棒材を該第1の棒材に向けて押圧する左右一対の押圧線状部が、所要間隔を隔てて且つ該第1の棒材の略長さ方向に延長する如く連設されている。そして、該両押圧線状部の先端部に、該第1の棒材の裏面部に弾性圧接状態に当接し得る円弧状係合片が該第1の棒材の長さ方向で位置をずらして逆方向に突設されており、該両押圧線状部には、前記第1の棒材に裏面部で重なる前記第2の棒材の円弧状表面部分に沿うように円弧状に屈曲した1個の押圧屈曲部が設けられている。
【0005】
そのため、該直線状支柱と該横連結杆との交差部分を連結するに際しては、該フックバンドを強い力で弾性変形させて行う開閉操作を要し、該連結は容易とは言えなかった。又、該直線状支柱に対する該横連結杆の取り付け位置を変更しようとする場合は、装着状態にある前記フックバンドを弾性変形させて一旦取り外した後に取り付け位置を所要に変更し、再度該フックバンドを所要に弾性変形させて装着する作業を要するため、かかる位置変更作業も容易とは言えなかった。加えて、前記固定は、金属線材を屈曲して形成されたフックバンドを弾性変形させて行うものであったため、該弾性変形させる際に前記円弧状係合片の先端で怪我をする恐れもあった。
【0006】
特許文献2には、冷間で伸線され、捩り加工を施された断面多角形の無垢の鋼棒であってその長手方向の各側面を前記捩り加工によって前記鋼棒の軸線の周囲に螺旋状に延在させた植物用支柱が記載されている。又該特許文献2には、該鋼棒を相互に連結するための横棒を収容させ且つ該収容状態にある該横棒を弾性的に挟持するためのフックを、該鋼棒に溶接により固定することが記載されている。しかし、該フックを該鋼棒に溶接により固定する場合は、該植物用支柱の製造コストの上昇を招く問題があったばかりか、該溶接されてなる該フックの位置の変更が不可能である問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-219164号公報
【文献】特開2002-119144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、棒本体に螺旋突条部が設けられてなる捩れ棒の長さ方向の所要部位に他物を取り付ける作業を容易且つ正確に、しかも安全に行うことができ、又、該他物の取り付け位置の変更も容易である、捩れ棒の回転移動式係止装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第1の態様は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置である。前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられている。前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部に当接し得るガイド突部が設けられている。そして、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第2の態様は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置である。前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられている。前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、前記螺旋突条部を、その延長方向の左右両側で挟持するガイド突部が設けられている。そして該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とする捩れ棒の回転移動式係止装置。
【0011】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第3の態様は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置である。前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられている。前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられており、該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されている。そして該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第4の態様は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置である。前記捩れ棒は、棒本体の軸線回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部が、該棒本体の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部は、該棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で設けられている。前記捩れ棒は、金属製の芯管の外表面部が樹脂で被覆されて樹脂被覆部が形成されており、該樹脂被覆部によって、前記棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で、該棒本体の軸線回りに螺旋状に捩れる螺旋突条部が形成されており、前記芯管は捩れていない。前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられている。そして該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されており、該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を、前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第5の態様は、前記第1~第4の何れかの態様において、前記捩れ棒は直線棒状を呈する支柱であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第6の態様は、捩れ棒と、該捩れ棒の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具とを具備する捩れ棒の回転移動式係止装置である。前記捩れ棒は、所要間隔を隔てる直線棒状の支柱部の上端相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部で連結されている。前記捩れ棒は、金属製の芯管の外表面部が樹脂で被覆されて樹脂被覆部が形成されており、該樹脂被覆部によって、棒本体の長さ方向の全体乃至一部分で、該棒本体の軸線回りに螺旋状に捩れる螺旋突条部が形成されており、前記芯管は捩れていない。前記係止具は、前記捩れ棒を挿通させ得る挿通孔が設けられた筒状体を有し、該挿通孔に前記捩れ棒が挿通された状態で見て、該挿通孔の内周面部に、隣り合う前記螺旋突条部間に位置し該筒状体の軸線方向に延長するガイド突部が設けられており、該ガイド突部の一端部が、隣り合う前記螺旋突条部の向き合う側面部の一方に当接すると共に、該ガイド突部の他端部が、該向き合う側面部の他方に当接するように構成されている。そして該螺旋突条部で、該ガイド突部のガイド作用により前記係止具を前記筒状体の軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具を前記捩れ棒の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第7の態様は、前記第1、第2、第3、第4又は第6の何れかの態様において、前記筒状体は、その軸線を含む面で2分割されてなる両半割片の割面相互が一体化されて構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第8の態様は、前記第1、第2、第3、第4又は第6の何れかの態様において、前記螺旋突条部は3~6条に設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の第9の態様は、前記第1、第2、第3、第4又は第6の何れかの態様において、前記係止具の外面部に、他物を取り付けるための取り付け部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置によるときは、前記棒本体に前記螺旋突条部が設けられてなる捩れ棒の長さ方向の所要部位に他物を取り付ける作業を、容易且つ正確にしかも安全に行うことができる。又、該他物の取り付け位置の変更も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置の構成を、その組み立て手順と共に説明する正面図である。
図2】捩れ棒と係止具を分解して示す斜視図である。
図3】捩れ棒の横断面図である。
図4】係止具を説明する平面図である。
図5】係止具の作用を説明する説明図である。
図6】捩れ棒の回転移動式係止装置が応用されてなる支柱を用いて構成されたガーデン用のフェンスを説明する説明図である。
図7】係止具を捩れ棒に取り付ける要領を説明する説明図である。
図8】アーチ状の捩れ棒を用いて構成された捩れ棒の回転移動式係止装置を説明する説明図である。
図9】アーチ状の捩れ棒の両下端部の構成を説明する正面図である。
図10】アーチ状の捩れ棒を用いて構成されたガーデン用のフェンスを説明する説明図である。
図11】係止具に設けられているガイド突部の他の態様を説明する説明図である。
図12】係止具に設けられているガイド突部のその他の態様を説明する説明図である。
図13】係止具に設けられているガイド突部のその他の態様を説明する説明図である。
図14】係止具に設けられているガイド突部のその他の態様を説明する説明図である。
図15】2分割型の筒状体を説明する説明図である。
図16】係止具に設けられている取り付け部の他の態様を説明する説明図である。
図17】捩れ棒の回転移動式係止装置が応用されてなる支柱を用いて構成されたネット張設部を説明する説明図である。
図18】係止具に設けられている取り付け部の他の態様を、該係止具が、捩れ棒としての横架材に係止されている状態で説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1~2において本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置1は、捩れ棒2と、該捩れ棒2の所要部位に係止される回転移動式の係止具3とを具備しており、例えば、図6図に示すガーデン用のフェンス5を構成するために用いることのできる直線棒状の支柱(以下支柱という)6を構成するために応用されている。
【0021】
前記捩れ棒2は、図1~3に示すように、棒本体7の外表面部9に、該棒本体7の軸線L1回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部10が、該棒本体7の周方向に所要間隔で複数条設けられ、該螺旋突条部10は、該棒本体7の長さ方向の全体乃至一部分で設けられている。前記係止具3は、図2図4に示すように、前記捩れ棒2を挿通させ得る挿通孔11が設けられた筒状体12を有している。そして、該挿通孔11に前記捩れ棒2が挿通された状態で見て、該挿通孔11の内周面部13に、図4に示すように、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う側面部15,15(図5)に当接し得る前記ガイド突部16が設けられている。該螺旋突条部10で、該ガイド突部16のガイド作用により前記係止具3をその軸線(前記筒状体12の軸線L2)回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具3を前記捩れ棒2の長さ方向(前記棒本体7の軸線L1方向)で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができる。本実施例においては、上方向又は下方向に移動させることができる。そして図1~2に示すように、前記係止具3の外面部17に、他物を取り付けるための取り付け部20が設けられている。以下、これを具体的に説明する。
【0022】
前記捩れ棒2は、例えば図6に示す、前記ガーデン用のフェンス5を構成する前記支柱6として用いられるものであり、本実施例においては、図1に示すように、前記棒本体7の長さ方向の上端側の部分21と下端側の部分22を除いた中間部分23に、前記螺旋突条部10が連続して設けられている。
【0023】
前記支柱6の全長は例えば1150mm程度に設定されており、前記上端側の部分21と前記下端側の部分22は共に、横断面正方形状の正方形状軸部27として構成されており、夫々110mm程度の長さを有している。上下の該正方形状軸部27,27の各面29,29(図1~2)は上下方向で見て面一である。
【0024】
前記螺旋突条部10は、図2~3に示すように、前記正方形状軸部27の4つの角部分32,32,32,32及び隣り合う該角部分32,32間の面部33が、前記棒本体7の軸線L1回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に一様に捩れることによって形成されており、4条設けられている。
【0025】
本実施例において前記捩れ棒2は、鋼製等の金属製の芯管35の外周面36が樹脂で被覆されて樹脂被覆部37が形成されており、該樹脂被覆部37によって、前記棒本体7の前記中間部分23に、該棒本体7の軸線L1回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる前記螺旋突条部10が形成され、該芯管35は捩れていない。該樹脂被覆部37の薄肉部39(図3)の肉厚は0.4mm程度に設定されると共にその角部分(横断面四角形状の厚肉部)32(図3)は、その最大肉厚が1.5mm程度に設定されている。かかる構成を有する該樹脂被覆部37が、前記中間部分23を構成する前記芯管35の長さ方向に、該芯管35の軸線L3(前記棒本体7の軸線L1)回りに螺旋状に捩れることによって前記螺旋突条部10が構成されている。
【0026】
前記係止具3は本実施例においては、合成樹脂で一体に形成されており、図2図4に示すように、前記捩れ棒2を挿通させ得る前記挿通孔11が設けられた前記筒状体(本実施例においては円筒状の筒状体)12を有し、該筒状体12の外径は例えば16.8mm程度で、その内径は10.8mm程度に設定されている。そして、該挿通孔11に前記捩れ棒2が挿通された状態で見て、該挿通孔11の前記内周面部13に、隣り合う前記螺旋突条部10,10間に位置し且つ該筒状体12の軸線L2方向に延長する直線状の前記ガイド突部16が設けられている。該ガイド突部16は、本実施例においては図4に示すように、隣り合う前記螺旋突条部10,10間の全てで配置されるように、該内周面部13に、90度の角度ピッチで4本設けられている。各ガイド突部16の一端部(図5における上端部)42は、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う前記側面部15,15の一方(図5における左側にある螺旋突条部10aの側面部)15aに当接すると共に、該ガイド突部16の他端部(図6における下端部)43は、向き合う該側面部15,15の他方(図5における右側にある螺旋突条部10bの側面部)15bに当接する。
【0027】
かかる構成を有する前記係止具3は、前記捩れ棒2に、前記正方形状軸部27の外端部44(図1(A))で取り付けられるのであるが、その際、図7に示すように、4本の前記ガイド突部16,16,16,16の夫々を、該正方形状軸部27の各面29に面するように配置させる。この状態で、図1(B)に矢印で示すように、該係止具3を該正方形状軸部27の該外端部44からその内端部45に向けてスライドさせ、その後、該係止具3を前記中間部分23に向けて移動させる。該中間部分23において該係止具3は、前記ガイド突部16のガイド作用によって、図4に矢印で示すように、その軸線L3回りに正逆回転しつつ該中間部分23を、その長さ方向で見て一方向又は、これと逆方向(図1(C)において矢印F1と矢印F2で示す方向)に移動できる。これによって、該係止具3を前記捩れ棒2の所望位置に簡易に且つ正確に移動させることができる。該所望位置に移動された該係止具3は、その回転が阻止されることによって定位置に止まることができる。
【0028】
前記係止具3の前記外面部17に設けられている前記取り付け部20は、本実施例においては図2図4に示すように、前記筒状体12の外面部17の対向部位17a,17bで該外面部17と一体に設けられており、上に向け且つ外方に凸に屈曲するフック部20aとして構成されている。
【0029】
本実施例においては、図1(C)に示すように、上の前記正方形状軸部27の上端部分49に上端部材50が固定されると共に、下端側の前記正方形状軸部27の下端部分51には下端部材52が固定されている。該上端部材50は、図1(B) (C)に示すように、前記上端部分49を密接に挿入させて該上端部分49に固定される上角筒体53の対向する外側面部55,55に、前記フック部20a(図2)と同様構成の上端フック部56が一体に突設されている。又、該上角筒体53の上端には擬宝珠57が一体に設けられている。一方前記下端部材52は、図1(B)(C)に示すように、前記下端部分51を密接に挿入させて該下端部分51に固定される下角筒体59の下端に、下方に向けて先細化して前記支柱の土中への押し込みを容易化する角錐部60が突設されている。
【0030】
図6は、かかる構成を有する回転移動式係止装置1が応用されてなる前記支柱6(図1(C))を用いてガーデン用のフェンス5を構成した場合の一例を示すものである。該支柱6は、その下側の部分64が地面に押し込まれて、花壇や芝生、アプローチにおいて所要間隔(例えば80cm間隔)で立設される。該支柱6での前記係止具3の高さ位置は、前記したように、該係止具3を適宜に正逆回転させることによって所要に設定される。その後、隣り合う支柱6,6に係止されている前記係止具3,3の前記フック部20aに、例えば連結チェーン61の両端部62,62を引っ掛け、U字状に弛んだ該連結チェーン61で該支柱6,6相互が連結された状態とする。U字状に弛んだ該連結チェーン61の該端部62,62の該引っ掛けは、例えば、長尺のチェーンに所要間隔毎に取り付けたカラビナを前記フック部20aに引っ掛けることによって簡易に行うことができる。前記係止具3は、その対向する前記フック部20a,20aに、前記連結チェーン61の端部62,62が引っ掛けられることにより、前記筒状体12の軸線回りでの正逆回転が阻止される。従って、一旦設定された前記係止具3の高さ位置は変わらない。
【0031】
併せて本実施例においては、前記支柱6の上端側に前記上端フック部56が固定されているため、図6に示すように、該上端フック部56にも、例えば、前記と同様に形成された連結チェーン61の端部分67(前記カラビナ等)を引っ掛けることができ、これによって、U字状に弛んだ該連結チェーン61の連結状態を上下2段に構成でき、見栄えの良い前記フェンス5を構成できることとなる。
【実施例2】
【0032】
図8は、捩れ棒の回転移動式係止装置1の他の実施例を示すものであり、捩れ棒2と、該捩れ棒2の長さ方向の所要部位に係止される回転移動式の係止具3とを具備する。
該捩れ棒2は、所要間隔を隔てる直線棒状の支柱部68,68の上端69,69相互が、逆U字状をなすアーチ状連結部70で連結されたアーチ状捩れ棒71として構成されている。
【0033】
該支柱部68は、実施例1における捩れ棒2と同様に構成されており、棒本体7の軸線L1回りに同一方向且つ同一ピッチで螺旋状に捩れる螺旋突条部10が、該棒本体7の周方向に所要間隔で複数条(例えば4条)設けられ、該螺旋突条部10は、該棒本体7の下端側の部分を除いて、連続して設けられている。又、該支柱部68の下端側の部分は、実施例1におけると同様に、横断面正方形状の正方形状軸部75として構成されている。
【0034】
該アーチ状捩れ棒71は、本実施例においては図3に示すと同様に構成されており、鋼製等の金属製の芯管35の外周面36が樹脂で被覆されて樹脂被覆部37が形成されている。該樹脂被覆部37によって、該棒本体7の軸線L1(図8)回りに螺旋状に捩れる螺旋突条部10が形成されており、該芯管35は捩れていない。
【0035】
前記係止具3は、実施例1におけると同様に構成されており、図2図4に示すように、前記捩れ棒2を挿通させ得る挿通孔11が設けられた筒状体(本実施例においては円筒状の筒状体)12を有し、該挿通孔11に前記捩れ棒2としての前記支柱部68(図8)が挿通された状態で見て、該挿通孔11の内周面部13に、隣り合う前記螺旋突条部10,10間に位置し該筒状体12の軸線L2方向に延長するガイド突部16が設けられている。該ガイド突部16は、本実施例においては実施例1におけると同様に、隣り合う前記螺旋突条部10,10間の全てで配置されるように、該内周面部13に、90度の角度ピッチで4本設けられている。各ガイド突部16の一端部(図5における上端部)42は、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う前記側面部15,15の一方(図5における左側にある螺旋突条部10aの側面部)15aに当接すると共に、該ガイド突部16の他端部(図5における下端部)43は、向き合う該側面部15,15の他方(図4における右側にある螺旋突条部の側面部)15bに当接する。
【0036】
かかる構成を有する前記捩れ棒2の前記支柱部68に前記係止具3が装着されており、該係止具3の高さ位置は、前記したように、これを適宜に正逆回転させることによって所要に設定される。そして図2に示すと同様に、該係止具3の外面部17に、他物を取り付けるための取り付け部20が設けられている。該取り付け部20は、本実施例においては図2図4に示すと同様に構成されており、前記筒状体12の前記外面部17の前記対向部位17a,17bで、該外面部17と一体に設けられ、上に向け且つ外方に凸に屈曲するフック部20aとして構成されている。
【0037】
又前記したように、前記支柱部68の下端側は正方形状軸部75として構成されている。前記構成を有する前記係止具3は、前記螺旋突条部10が設けられてなる前記支柱部68に、前記正方形状軸部75の外端部81で取り付けられるのであるが、該係止具3を該正方形状軸部75の前記外端部81からその内端部82に向けてスライドさせ、その後、該係止具3を前記支柱部68に移動させる。前記支柱部68において該係止具3は、前記ガイド突部16のガイド作用によって、その軸線回りに回転しつつ該支柱部68を移動でき、これによって、該係止具3を前記支柱部68の長さ方向で見て一方向、又はこれと逆方向(図7において矢印F1と矢印F2で示す方向)に移動できる。該支柱部68においては、該係止具3を適宜に正逆回転させることによって、該係止具3を該支柱部68の所望位置に簡易に且つ正確に移動させることができる。該所望位置に移動された該係止具3は、その回転が阻止されることによって定位置に止まることができる。
【0038】
かかる構成の回転移動式係止装置1において、各部の寸法は、例えば実施例1におけると同様に設定できる。
【0039】
なお、該正方形状軸部75の下端部分76には図9に示すように、図1(C)で説明したと同様の、下端部材77が固定されている。該下端部材77は、該下端部分76を密接に挿入させて該下端部分76に固定される角筒部79の下端に、下方に向けて先細化して前記支柱部68の土中への押し込みを容易化する、下方に向けて先細化する角錐部80が突設されている。
【0040】
図10は、かかる構成を有する回転移動式係止装置1が応用されてなる前記アーチ状捩れ棒71を用いて、図6で示したと同様のガーデン用のフェンス5を構成できる。該アーチ状捩れ棒71は、その両側の前記支柱部68,68の下側の部分81が地面に押し込まれて、花壇や芝生、アプローチにおいて所要間隔(例えば80cm間隔)で立設される。該支柱部68での前記係止具3の高さ位置は、前記したと同様に、該係止具3を適宜に正逆回転させることによって所要に設定される。その後、例えば、隣り合うアーチ状捩れ棒71の対向する支柱部68,68に係止されている前記係止具3,3の前記フック部20aに、実施例1におけると同様に、連結チェーン61の両端部62,62を引っ掛け、該対向する支柱部68,68相互が、U字状に弛んだ該連結チェーン61で連結された状態とする。
【実施例3】
【0041】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0042】
(1) 前記捩れ棒2は、前記芯管35の外周面36を被覆している樹脂被覆部37を螺旋状に捩じれた状態とすることによって前記螺旋突条部10が形成されているものの他、鋼棒等の金属棒を捩れ加工して前記螺旋突条部10が形成されているものを含むものである。
【0043】
(2)前記捩れ棒2に設けられている前記螺旋突条部10は、前記棒本体7の周方向に所要間隔で複数条設けられているが、前記ガイド突部16のガイド作用により前記係止具3の、前記軸線回りの正逆回転を円滑に行わせる上からは、前記螺旋突条部10は3~6条に設定するのがよい。
【0044】
(3) 前記ガイド突部16は、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う側面部15,15に当接し得るものであり、前記筒状体12の前記挿通孔11の内周面部13に、周方向に所要間隔で複数条設けられるものであるが、該ガイド突部16は、隣り合う前記螺旋突条部10,10間の全てで設けられるとは限らない。例えば、対向して位置する2つの螺旋突条部10,10間の夫々にのみ設けられるものであってもよい。或いは、前記捩れ棒2が奇数条の螺旋突条部10を有する場合は、該ガイド突部16が、例えば、選択された、120度の角度を置いて配置されている螺旋突条部10,10,10の、隣り合う該螺旋突条部10,10間の夫々にのみ設けられることもある。
【0045】
(4) 前記ガイド突部16は、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う側面部15,15に当接し得るものであり且つ、該螺旋突条部10,10で、該ガイド突部16のガイド作用により前記係止具3を、前記筒状体12の軸線回りに適宜に正逆回転させることができ、これによって、該係止具3を前記捩れ棒2の長さ方向で見て一方向に又は、これと逆方向に移動させることができるものである。該ガイド突部16は、このような構成を有するものであれば、前記筒状体12の軸線方向に延長する直線状のガイド突部16として構成されることの他、例えば図11に示すような、該軸線方向で所要間隔を置いて配置された2個のガイド突部16a,16bを以て構成されてもよい。このうちの一のガイド突部16aは、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う側面部15a,15bの一方15aに当接すると共に、他のガイド突部16bは、該向き合う側面部15a,15bの他方15bに当接する。或いは、例えば図12に示すような、半球状を呈する1個のガイド突部16cを以て構成されてもよい。この場合は、該1個の該ガイド突部16cの対向部分の一方16c1が、隣り合う前記螺旋突条部10,10の向き合う側面部15a,15bの一方15aに当接すると共に、該対向部分の他方16c2が、該向き合う側面部15a,15bの他方15bに当接する。
【0046】
(5) 図13は、前記螺旋突条部10の延長方向の左右両側面部15c,15dに点状に当接する左右のガイド突部16,16を、前記筒状体12の前記挿通孔11の内周面部13に設けた場合を示すものである。同図においては、前記棒本体7の外表面部9に、前記螺旋突条部10,10が2条設けられており、夫々の螺旋突条部10,10に対応させて、該左右のガイド突部16,16の組が2組設けられている。該ガイド突部16,16は、本実施例においては半球状突部として構成されている。このように構成したときも、該ガイド突部16,16のガイド作用により前記係止具3を、その軸線回りに正逆回転させることができ、これによって、該係止具3を前記捩れ棒2の長さ方向で正逆方向に移動させることができる。
図14は、該ガイド突部16の他の態様を示すものであり、該ガイド突部16は、前記螺旋突条部10の頂部側の部分83を嵌め入れる三角形状の嵌合凹部85が設けられており、該嵌合凹部85の内側面86は、該頂部側の部分83の左右側面部87,87に面接触状態に当接し得る湾曲面として構成されている。
又このように構成する場合、前記当接する前記ガイド突部16,16は、全ての螺旋突条部10に対応させて設けるとは限らず、対向して位置する2つの螺旋突条部10,10の夫々にのみ、或いは、前記捩れ棒2が奇数条の螺旋突条部10を有する場合は、例えば120度の角度を置いて位置する螺旋突条部10,10,10の夫々にのみ、設けることもある。
【0047】
(6) 前記捩れ棒2が、例えば図8に示すように、逆U字状をなすアーチ状連結部70で連結された前記アーチ状捩れ棒71として構成される場合、前記螺旋突条部10が、前記直線棒状の支柱部68と前記アーチ状連結部70とに亘って連続して形成されることもある。この場合において、前記係止具3における前記ガイド突部16を、例えば図13図14に示すように、前記螺旋突条部10をその延長方向の左右両側面部に点状に(図13)或いは面状に(図14)当接するように構成するときは、該係止具3を、該ガイド突部16のガイド作用によって、前記支柱部68と前記アーチ状連結部70とに亘って正逆回転させつつ移動させることが可能であり、これによって、該係止具3を前記捩れ棒2の長さ方向で見て一方向に又は、逆方向に移動させることができる。
【0048】
(7) 前記係止具3は、2分割型の筒状体12を有するものして構成することもできる。該2分割は、図15(A)に示すように、該筒状体12の軸線を含む面の任意の面で行うことができる。2分割の半割片89a,89bを用いて図15(B)に示す筒状体12を形成するには、該半割片89a,89bの割面90a,90b相互を、凹部と凸部との圧入による嵌着により一体化させて行うことができる。このように構成する場合、前記ガイド突部16は、図15(A)に示すように、各半割片89a,89bの内面部91a,91bに設けられ、或いは図15(A)に示すように、両半割片89a,89bの内面部91a,91bの合わせ目部分に設けられる。前記係止具3を、かかる分割型の筒状体12として構成する場合は、例えば実施例1で例示した態様のように、捩れ棒2の上下端に他の部材が取着され、或いは他の部材が存するために該係止具3を追加して装着できない場合であっても、該捩れ棒2に装着する係止具3の個数を後から増加することが可能となる。
【0049】
(8) 前記螺旋突条部10は、前記捩れ棒2の用途に合わせ、前記棒本体7の長さ方向の全長に亘って設けられることもある。
【0050】
(9) 前記係止具3の外面部17に設けられる前記取り付け部20は、他物を引っ掛けるためのフック部(例えば図2に示すもの)20aやリング状であるものの他、例えば図16に示すように、棒状部材の軸部分92を嵌入させるためのC字状やコ字状等を呈する、他物を嵌入させることによって保持することのできる嵌入保持部20bや横向きに突出するT字状突出部20c等、各種形態の取り付け部20として構成できる。その他、該係止具3は、光の反射部や光源(前記他物の一種)が設けられること等によって、特定された位置を表示するために用いることができる等、各種目的に活用できる。
【0051】
(10)図17~18は、本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置1を、防風や遮光、防鳥、犬猫等の動物避けのネット(用途に応じて所要に設定された大きさのネット目を有するネット)95を左右の支柱6,6間に張設する際に応用した態様を示している。但し図17においては、前記捩れ棒2の前記螺旋突条部10の図示が省略されている。
該支柱6,6の上端側の部位には、図16で説明した前記嵌入保持部20bとしての取り付け部20を有する前記係止具3が取り付けられている。該係止具3の高さ調整は、該係止具3を前記支柱6の軸線回りで所要に正逆回して行うことができ、略同高さにある左右の係止具の前記嵌入保持部20bに横架材96の所要部位を嵌入保持させて行う。又、前記支柱6や前記横架材96の所要部位には、前記ネット95の所要部位を引っ掛けるためのT字状取り付け部20cを有する前記係止具(図16に示す、横向き突出のT字状突出部20cを有する係止具3と同様構成のもの)3が取り付けられている。該T字状取り付け部20cを有する該係止具3の配置状態の調整は、前記支柱6や前記横架材96の軸線回りで、該係止具3を所要に正逆回転操作することによって行うことができる。このようにして前記ネットの所要部位を前記T字状取付け部20cに引っ掛けることにより、前記ネット95の上縁部分97や下縁部分99、中間部分98を、前記支柱6や前記横架材96に取り付けることができ、これによって、該ネット95を左右の支柱6,6間に張設できる。
【0052】
(11)本発明に係る捩れ棒の回転移動式係止装置1は、植物栽培等の園芸用途やガーデン用のフェンス構成等のエクステリア用途に応用できるだけでなく、前記捩れ棒2の直径や長さを所要に設定することにより、インテリアの用途等、各種用途に応用できる。そして、前記捩れ棒2の使用状態は、上下方向には限られず横方向や斜め方向等、各種の配置で使用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 捩れ棒の回転移動式係止装置
2 捩れ棒
3 係止具
6 支柱
7 棒本体
10 螺旋突条部
11 挿通孔
12 筒状体
13 内周面部
16 ガイド突部
20 取り付け部
35 芯管
37 樹脂被覆部
68 支柱部
70 アーチ状連結部
89 半割片
90 割面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18