(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】消費電流制御装置及びこれを含む電池管理装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240624BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240624BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
H02J7/00 302D
H02J7/00 302Z
H01M10/44 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2023531684
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 KR2022013625
(87)【国際公開番号】W WO2023068557
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0138962
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ハ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】サンキュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソク・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ブム・チェ
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-229319(JP,A)
【文献】特開平11-283677(JP,A)
【文献】特開平07-131938(JP,A)
【文献】特開2008-306897(JP,A)
【文献】特開2003-170789(JP,A)
【文献】特開2019-118204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363552(US,A1)
【文献】特表2020-504421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを管理するBMS(Battery Management System)の消費電流を制御する装置であって、
充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子を含む入力部と、
複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含む制御回路を含み、前記論理素子の出力及び前記電池パックの出力電圧に応じて前記BMS内の少なくとも一つの素子に対する消費電流制御信号を生成する動作部と
を含む、消費電流制御装置。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてMCUアラーム信号を出力するMOSFETと
を含む第1の個別回路を含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてスイッチト電源オフ信号を出力するMOSFETと
を含む第2の個別回路を含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧として常時電源オフ信号を出力するMOSFETと
を含む第3の個別回路を含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項5】
前記動作部から受信した消費電流制御信号を前記BMS内の少なくとも一つの素子に出力する出力部をさらに含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項6】
前記BMS内の少なくとも一つの素子は、MCU(Micro Controller Unit)及び電流供給装置を含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項7】
前記論理素子は、ANDゲートである、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記論理素子の出力に応じて前記動作部内の全体回路を活性化させる信号を発生させるスイッチをさらに含む、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項9】
前記充電器接続信号及び前記常時電源オフ信号がいずれもハイで入力される場合、前記動作部は非活性化される、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項10】
前記制御回路に含まれた複数のMOSFETの駆動電圧は、当該MOSFETが含まれた個別回路の動作目標に応じて同一の値又は互いに異なる値に設定される、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項11】
前記制御回路に含まれた複数の抵抗素子の抵抗値は、当該抵抗素子が含まれた個別回路の動作目標に応じて同一の値又は互いに異なる値に設定される、請求項1に記載の消費電流制御装置。
【請求項12】
充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子、複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含み、前記論理素子の出力及び電池パックの出力電圧に応じて消費電流制御信号を生成する消費電流制御回路と、
前記消費電流制御信号を受信して消費電流最小化方式で動作するメインコントローラ(MCU)と、
前記消費電流制御信号を受信することによってスイッチト電源又は常時電源の供給を中断する電源供給装置と
を含む、電池管理装置。
【請求項13】
前記消費電流制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてMCUアラーム信号を出力するMOSFETと
を含む第1の個別回路を含む、請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項14】
前記消費電流制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてスイッチト電源オフ信号を出力するMOSFETと
を含む第2の個別回路を含む、請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項15】
前記消費電流制御回路は、
前記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧として常時電源オフ信号を出力するMOSFETと
を含む第3の個別回路を含む、請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項16】
前記充電器接続信号及び前記常時電源オフ信号がいずれもハイで入力される場合、前記消費電流制御回路は非活性化される、請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項17】
前記電源供給装置は、LDO(Low Drop-output)レギュレータである、請求項12に記載の電池管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0138962号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、消費電流制御装置及びこれを含む電池管理装置に関し、より具体的には、ハードウェア的に消費電流を最小化する消費電流制御回路及びこれを含む電池管理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
使用後に充電して再使用が可能な電池である二次電池は、デバイスが要求する出力容量に応じて多数個の電池セルを直列接続してなる電池モジュール又は電池パックとして作製されて、各種のデバイスの電源供給源として使用される。かかる電池は、スマートフォンなどの小型先端電子機器分野のみならず、電気自転車、掃除機、電気自動車(EV、LEV)、エネルギー貯蔵システム(ESS)に至るまで多様な分野に使用されている。
【0004】
電池モジュール又は電池パックは、多数個の電池セルが組み合わせられた構造体であって、一部の電池セルで過電圧、過電流、過発熱などが発生する場合には、電池モジュール又は電池パックの安全性と作動効率に問題が発生するので、これらを検出するための手段が必須となる。そのため、電池モジュール又は電池パックには、各電池セルの電圧値を測定し、測定された値に基づいて電池セルの電圧状態をモニタリングしながら制御するBMS(Battery Management System)が装着されている。
【0005】
電池パックが長い間放置される場合、消費電流による過放電が発生して、電池パックを永久的に使用できなくなる場合が頻繁に発生する。高価の電池パックの場合、このような問題のため使用可能な容量を減らして使用し、例えば、一定容量を残しておいた状態をSOC0%として使用しているが、これは非効率的である。
【0006】
また、ソフトウェア的にBMS内のMCU及びBMICの機能を最大限オフすることで消費電流を最小化する方式が通常使用されている。しかしながら、BMSの消費電流削減のためのハードウェア的な接近は不足している状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、電池管理装置(BMS)の消費電流を制御する装置を提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、消費電流制御回路を含む電池管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施例に係る消費電流制御装置は、電池パックを管理するBMS(Battery Management System)の消費電流を制御する装置であって、充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子を含む入力部と、複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含む制御回路を含み、上記論理素子の出力及び上記電池パックの出力電圧に応じて上記BMS内の少なくとも一つの素子に対する消費電流制御信号を生成する動作部とを含むことができる。
上記制御回路は、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてMCUアラーム信号を出力するMOSFETとを含む第1の個別回路を含むことができる。
【0010】
上記制御回路はまた、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてスイッチト電源オフ信号を出力するMOSFETとを含む第2の個別回路を含むことができる。
【0011】
上記制御回路はまた、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧として常時電源オフ信号を出力するMOSFETとを含む第3の個別回路を含むことができる。
【0012】
上記消費電流制御装置は、上記動作部から受信した消費電流制御信号を上記BMS内の少なくとも一つの素子に出力する出力部をさらに含むことができる。
【0013】
上記BMS内の少なくとも一つの素子は、MCU(Micro Controller Unit)及び電流供給装置を含むことができる。
【0014】
上記論理素子は、ANDゲートであってよい。
【0015】
上記制御回路は、上記論理素子の出力に応じて上記動作部内の全体回路を活性化させる信号を発生させるスイッチをさらに含むことができる。
【0016】
上記充電器接続信号及び上記常時電源オフ信号がいずれもハイで入力される場合、上記動作部は非活性化されることができる。
【0017】
上記制御回路に含まれた複数のMOSFETの駆動電圧は、当該MOSFETが含まれた個別回路の動作目標に応じて同一の値又は互いに異なる値に設定されることができる。
【0018】
上記制御回路に含まれた複数の抵抗素子の抵抗値は、当該抵抗素子が含まれた個別回路の動作目標に応じて同一の値又は互いに異なる値に設定されることができる。
【0019】
本発明の別の実施例に係る電池管理装置は、充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子、複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含み、上記論理素子の出力及び電池パックの出力電圧に応じて消費電流制御信号を生成する消費電流制御回路と、上記消費電流制御信号を受信して消費電流最小化方式で動作するメインコントローラ(MCU)と、上記消費電流制御信号を受信することによってスイッチト電源又は常時電源の供給を中断する電源供給装置とを含むことができる。
【0020】
上記消費電流制御回路は、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてMCUアラーム信号を出力するMOSFETとを含む第1の個別回路を含むことができる。
【0021】
上記消費電流制御回路はまた、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧としてスイッチト電源オフ信号を出力するMOSFETとを含む第2の個別回路を含むことができる。
【0022】
上記消費電流制御回路はまた、上記電池パックが出力する電圧に連動する電圧値を第1の入力として有する演算増幅器と、上記演算増幅器の出力電圧を駆動電圧として常時電源オフ信号を出力するMOSFETとを含む第3の個別回路を含むことができる。
【0023】
上記充電器接続信号及び上記常時電源オフ信号がいずれもハイで入力される場合、上記消費電流制御回路は非活性化されることができる。
【0024】
上記電源供給装置は、LDO(Low Drop-output)レギュレータであってよい。
【発明の効果】
【0025】
上記のような本発明の実施例によれば、BMSの消費電流を最小化できるハードウェア的な接近方式として消費電流制御回路を提案することで、必要以上の電池の放電が起こる場合、ハードウェア的にパワーソース関連回路をオフさせることにより消費電流を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例に係る消費電流制御装置を含む電池システムの構造を示す。
【
図2】本発明の実施例に係る消費電流制御装置のブロック図である。
【
図3】本発明の実施例に係る消費電流制御装置の動作部の回路構成図である。
【
図4】本発明の一実施例によって消費電流の変化による消費電流制御装置内の素子の状態を説明するためのテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明する。ところが、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0028】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0030】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0031】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0032】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施例に係る消費電流制御装置を含む電池システムの構造を示す。
【0034】
図1において、電池パック又は電池モジュール(Battery Module)は、直列接続された複数の電池セルを含んで構成されることができる。電池セル又はモジュールは、正極端子及び負極端子を介して負荷と接続されて充/放電動作することができる。
【0035】
このような電池モジュール又は電池パックには、電池管理システム(Battery Management System;BMS)200が設けられることができる。BMSは、自分が管掌する各電池パックの電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいてSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する。ここで、SOC(State of Charge;充電率)は、電池の現在充電された状態を割合[%]で表したものであり、SOH(State of Health;電池寿命状態)は、電池の現在の劣化状態を割合[%]で表したものである。
【0036】
BMS200は、このような動作を行うために、ヒューズ、電流センシング素子、サーミスタ、スイッチ、バランサなど多様な構成要素を含むことができるが、ほとんどの場合、これらと連動し、制御するためのMCU(Micro Controller Unit)又はBMIC(Battery Monitoring Integrated Chip)をさらに含んでいる。ここで、BMICは、BMSの内部に位置し、電池セル/モジュールの電圧、温度、電流などの情報を測定するIC(Integrated Circuit)形態の部品であってよい。
【0037】
本発明の実施例に係る消費電流制御装置100は、電池パックとBMS200との間に位置し、電池パックの正極端子及び負極端子と接続される入力、そしてBMSと接続される出力を有することができる。また、本発明に係る消費電流制御装置100は、BMSの一部としてBMSに含まれる形態で具現化されることもできる。
【0038】
本発明の実施例によって消費電流制御装置がBMSの一部として具現化される場合、BMSは、充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子、複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含み、上記論理素子の出力及び上記電池パックの出力電圧に応じて消費電流制御信号を生成する消費電流制御回路と、上記消費電流制御信号を受信して消費電流最小化方式で動作するメインコントローラ(MCU)と、上記消費電流制御信号を受信することによってスイッチト電源又は常時電源の供給を中断する電源供給装置とを含むことができる。
【0039】
図2は、本発明の実施例に係る消費電流制御装置のブロック図である。
【0040】
本発明に係る消費電流制御装置100は、電池パックを管理するBMS(Battery Management System)の消費電流を制御する装置であって、充電器接続信号及び常時電源オフ信号を入力とする論理素子を含む入力部110と、複数のスイッチ、複数の演算増幅器、及び複数の抵抗素子を含む制御回路を含み、上記論理素子の出力及び上記電池パックの出力電圧に応じて上記BMS内の少なくとも一つの素子に対する消費電流制御信号を生成する動作部120と、動作部から受信した消費電流制御信号を上記BMS内の少なくとも一つの素子に出力する出力部130とを含むことができる。
【0041】
入力部110は、論理素子であるANDゲートを含むことができ、ANDゲートの第1の入力は充電器接続信号、第2の入力は常時電源オフ(always power source OFF)信号である。ANDゲートの出力は、本発明に係る消費電流制御回路を含む動作部120に入力される。すなわち、ANDゲートの出力信号に応じて消費電流制御回路が活性化又は非活性化されることができる。
【0042】
消費電流制御装置100の出力部130は、動作部120から伝達されたMCUアラーム信号、スイッチト電源(switched power source)オフ信号、及び常時電源(always power source)オフ信号のうちの少なくとも一つの信号をBMSに伝達する。
【0043】
一方、入力部110の第2の入力である常時電源オフ信号は、出力部130が電源供給装置に伝達する常時電源オフ信号が反転処理されて(inverted)入力部に提供される信号であってよい。
【0044】
出力部130が出力する3種の信号のうちMCUアラーム信号は、ハードウェア的にBMS内のMCU(Micro Controller Unit)に伝達されることができる。MCUは、アラーム信号に基づいて消費電流を最小化する方式で動作するようになるが、例えば、スリープモードに強制移行及び動作することができる。
【0045】
一方、スイッチト電源オフ信号、及び常時電源オフ信号は、BMS内の電源供給装置に伝達されることができる。電源供給装置は、例えば、LDOレギュレータであってよい。LDO(Low Drop-output)レギュレータは、低い入出力電位差でも動作するリニアレギュレータであり、電力効率の良い電源供給デバイスであって、MCU、CAN通信IC、アイソレータICなどBMSの主要素子に電源を供給する。
【0046】
LDOレギュレータは、電源供給対象の素子に応じて常に一定電圧(例えば、3.3V)を供給するか、スイッチト(switched)3.3Vの電圧を供給することができる。例えば、RTC(Real Time Clock)などの素子は、BMSの動作有無に関わらず、常に電源を供給されてオンしている回路部である。一方、MCU及び通信ICなどの主要ICは、スイッチト電力ソースを供給されて動作する。
【0047】
スイッチト電源オフ信号を受信した電源供給装置は、MCU及び通信ICなど主要ICに対するスイッチト電力供給を中断する。すなわち、本発明によれば、電池の電圧が過放電水準に該当する電圧に到達する場合、MCUのファームウェア動作ではなく、ハードウェアを通じてIC素子に対する電力供給を強制的にオフさせる。
【0048】
また、常時電源オフ信号を受信した電源供給装置は、普段常に電力を供給されてオンしている回路部に対する常時電力供給を中断する。すなわち、本発明によれば、電池の電圧が過放電水準を超えて危険水準に到達する場合、BMS内部のすべての素子に対する電力供給を強制的にオフさせる。
【0049】
図3は、本発明の実施例に係る消費電流制御装置の動作部の回路図である。
【0050】
動作部120は、
図3に示すように、電圧分配のための複数の抵抗、複数のスイッチ、複数の演算増幅器及び複数のMOSFETを含むことができる。
【0051】
入力部からの制御回路ON/OFF信号は、動作部内の全体回路活性化スイッチTHENABLEのゲートに入力される。全体回路活性化スイッチTHENABLE、すなわちMOSFETがON(High)になると、活性化信号(ENABLE)はLowになって、全体回路がオフになる。逆に、MOSFETがOff(Low)になると、動作部内の回路素子にオン状態の活性化(ENABLE)信号が入力される。オン状態の活性化信号は、個別回路活性化スイッチSWENABLEをターンオンさせる。
【0052】
各個別回路活性化スイッチSWENABLEは、第1の個別回路(第1のスイッチS1、第1の演算増幅器A1、及び第1のMOSFET Nch 1)、第2の個別回路(第2のスイッチS2、第2の演算増幅器A2、及び第2のMOSFET Nch 2)、又は第3の個別回路(第3のスイッチS3、第3の演算増幅器A3、及び第3のMOSFET Nch 3)と接続される。それぞれの個別回路はまた、電池の正極端子と接続されるプルアップ抵抗素子R_P1、R_P2、R_P3及び電圧分配用の少なくとも一つの抵抗素子R11、R12、R21、R22、R31、R32をさらに含むことができる。
【0053】
図3の回路において、第1のMOSFET、第2のMOSFET、第3のMOSFETは、NチャネルMOSFETとして具現化されたが、回路の適切な変更を通じてPチャネルMOSFETを使用して、本発明で期待する消費電流制御回路を具現化することができる。
【0054】
第1の個別回路は、第1のスイッチS1、第1の演算増幅器A1、及び第1のMOSFET Nch 1を含み、MCUアラーム信号を出力することができる。より具体的に、電池の正極端子が出力する電圧が低くなると、第1の演算増幅器A1に印加される分配電圧が基準電圧(VRef)に対し低くなり、第1の演算増幅器の出力がハイ(High)になる。第1の演算増幅器の出力が第1のMOSFETのゲートに入力されて第1のMOSFETがターンオンされると、第1のMOSFETの出力がハイ(High)からロー(Low)に変更される。電池パックが充電状態に切り替えられる場合、動作部内の全体回路が非活性化され、それによって第1のMOSFETもオフされ、第1のMOSFETの出力が再びハイに戻る。
【0055】
ここで、第1のスイッチS1及び第1のスイッチと並列接続される抵抗素子は、第1の演算増幅器A1の出力を保持するための素子である。
【0056】
第2の個別回路は、第2のスイッチS2、第2の演算増幅器A2、及び第2のMOSFET Nch 2を含み、スイッチト電源(switched power source)オフ信号を出力することができる。より具体的に、電池の正極端子が出力する電圧が低くなると、第2の演算増幅器A2に印加される分配電圧が基準電圧(VRef)に対し低くなり、第2の演算増幅器の出力がハイ(High)になる。第2の演算増幅器の出力が第2のMOSFETのゲートに入力されて第2のMOSFETがターンオンされると、第2のMOSFETの出力がハイ(High)からロー(Low)に変更される。電池パックが充電状態に切り替えられる場合、動作部内の全体回路が非活性化され、それによって第2のMOSFETもオフされ、第2のMOSFETの出力が再びハイに戻る。
【0057】
ここで、第2のスイッチS2及び第2のスイッチと並列接続される抵抗素子は、第2の演算増幅器A2の出力を保持するための素子である。
【0058】
第3の個別回路は、第3のスイッチS3、第3の演算増幅器A3、及び第3のMOSFET Nch 3を含み、常時電源(always Power source)オフ信号を出力することができる。より具体的に、電池の正極端子が出力する電圧が低くなると、第3の演算増幅器A3に印加される分配電圧が基準電圧(VRef)に対し低くなり、第3の演算増幅器の出力がハイ(High)になる。第3の演算増幅器の出力が第3のMOSFETのゲートに入力されて第3のMOSFETがターンオンされると、第3のMOSFETの出力がハイ(High)からロー(Low)に変更される。電池パックが充電状態に切り替えられる場合、動作部内の全体回路が非活性化され、それによって第3のMOSFETもオフされ、第3のMOSFETの出力が再びハイに戻る。
【0059】
ここで、第2のスイッチS2及び第2のスイッチと並列接続される抵抗素子は、第2の演算増幅器A2の出力を保持するための素子である。
【0060】
ここで、第1のMOSFET Nch 1、第2のMOSFET Nch 2、第3のMOSFET Nch 3の駆動電圧は、各個別回路に対する動作目標に応じて同一に設定されることもでき、それぞれ異なるように設定されることもできる。また、電圧分配用の少なくとも一つの抵抗素子R11、R12、R21、R22、R31、R32の値も、各個別回路に対する動作目標に応じて同一の値又は互いに異なる抵抗値を有するように設定されることができる。
【0061】
図4は、本発明の一実施例によって消費電流の変化による消費電流制御装置内の素子の状態を説明するためのテーブルである。
【0062】
図4のテーブルで状態1(Phase 1)は、正常な電池及びBMSの状況を示し、それによって電池の出力が一般的に使用される電圧である場合を示す。状態2(Phase 2)は、消費電力が次第に増加しながら電池の出力が一般的に使用される電圧よりも低い電圧を有する場合を示す。状態3(Phase 3)は、消費電力がさらに増加して満放電に至った場合を示し、状態4(Phase 4)は、過放電に至った場合を示す。
【0063】
消費電流制御回路に対する入力信号は、上述したように、充電器接続信号及び常時電源オフ(always Power source OFF)信号であり、これらのうちの一つの信号がローであれば、ANDゲートの出力信号がローになって制御回路に対する活性化信号(controller on/off信号 Lowの場合)が印加される。
【0064】
すなわち、状態1ないし状態4の場合については、消費電流制御回路に対する活性化信号が印加される場合である。
【0065】
但し、状態1の場合には、全体の消費電流制御回路に対する活性化信号は印加されるが、電池パックが出力する電圧が十分高いから、個別回路内の演算増幅器の出力がロー(Low)になって、消費電流制御回路が出力する信号がない。
【0066】
状態2の場合、第1の個別回路が活性化されてMCUアラーム信号(Active Low)を出力する。状態3の場合、第2の個別回路が活性化されてスイッチト電源オフ信号(Active Low)を出力し、状態4の場合、第3の個別回路が活性化されて常時電源オフ信号(Active Low)を出力する。
【0067】
一方、状態5(Phase 5)は、電池パックに充電器が接続された場合を示し、この場合、コントローラOFF信号がHIGHになって、消費電流制御回路は動作しない。すなわち、消費電流制御回路が動作しないので、BMS内のすべての素子が正常動作し、消費電流の水準も高いものに回復する。
【0068】
本発明の実施例に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして具現化することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれることができるデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行されることができる。
【0069】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施例において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0071】
100 消費電流制御装置
200 電池管理システム(Battery Management System;BMS)
110 入力部
120 動作部
130 出力部