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特許7508209シム無しアセンブリの製造を同調させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】シム無しアセンブリの製造を同調させる方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 3/24 20060101AFI20240624BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240624BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20240624BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B64C3/24
B64C1/00 A
B64F5/10
B23P21/00 303Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019183861
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2020059494
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】16/152,243
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード・ディー・ボロヴィチ
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-092349(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106182765(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0236334(US,A1)
【文献】特表2010-520104(JP,A)
【文献】特開昭54-059544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 3/24
B64C 1/00
B64F 5/10
B23P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品および第2の部品を備えるアセンブリ(20)を製造する方法(100)であって、前記方法(100)は、
複数の以前に構築された部品による履歴データセットを用いて前記第1の部品について予め決められた許容値の範囲内で予測製造寸法のセットを予測するステップ(102)と、
前記第1の部品を製造するステップ(104)と、
前記第1の部品の実際の製造寸法のセットを決定するために前記第1の部品をスキャンするステップ(106)と、
前記第2の部品を製造するステップ(112)であって、前記第2の部品は、前記第2の部品が前記第1の部品と係合するように構成されるように前記第1の部品の予測製造寸法の前記セットに基づいて製造され、前記第2の部品を製造する前記ステップ(112)は、前記第1の部品をスキャンする前記ステップ(106)が完了する前に少なくとも部分的に実行される、ステップ(112)と、
予測製造寸法の前記セットと実際の製造寸法の前記セットとの間の任意の不適合となるずれをチェックするために予測製造寸法の前記セットを実際の製造寸法の前記セットと比較するステップ(118)と
予測製造寸法の前記セットと実際の製造寸法の前記セットとの間の1つ以上の不適合となるずれを検出するステップ(124)と、
予め決められた許容誤差内で、組み合わせるときに前記第2の部品が前記第1の部品と係合するように、前記1つ以上の不適合となるずれに対処するために前記第2の部品を修正するステップ(126)と、
を備える、方法(100)。
【請求項2】
前記第2の部品を製造する前記ステップ(112)は、前記第1の部品をスキャンする前記ステップ(106)が完了する前に完了する、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記第1の部品をスキャンする前記ステップ(106)は、前記第1の部品全体の広域スキャンを実行するステップを備える、請求項1または2に記載の方法(100)。
【請求項4】
前記履歴データセットに前記実際の製造寸法を付加するステップ(120)をさらに備える、請求項1、2または3に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記アセンブリ(20)を形成するために前記第2の部品を前記第1の部品につなぐステップ(122)をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記第1の部品は、航空機翼用のスキンパネル(22)を備え、前記第2の部品は、前記航空機翼用のリブ(24)を備える、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記アセンブリ(20)は、前記航空機翼用の桁キャップ(26)を備える第3の部品を備え、前記方法(100)は、
前記第3の部品を製造するステップであって、前記第3の部品は、前記第1の部品の予測製造寸法の前記セットに基づいて、前記第3の部品が前記第1の部品と係合するように構成されるように製造され、前記第3の部品を製造する前記ステップは、前記第1の部品をスキャンする前記ステップ(106)が完了する前に少なくとも部分的に実行される、ステップと、
前記アセンブリ(20)を形成するために前記第3の部品を前記第1の部品につなぐステップと
をさらに備える、請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記修正するステップ(126)は、前記第2の部品から材料を取り去るステップと、前記第2の部品に材料を付加するステップとを備える群から選択される1つ以上のステップを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記修正するステップ(126)は、検出された不適合となるずれの領域中の、前記第1の部品と係合する領域に対応する前記第2の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域を修正するステップを備える、請求項に記載の方法(100)。
【請求項10】
検出された不適合となるずれに対応する1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップ(128)をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップは、前記第2の部品を修正するステップ(126)の後に実行される、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップ(128)によるデータを実際の製造寸法の前記セットにデジタル的に挿入するステップ(130)をさらに備える、請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
予測するステップ(102)は、複数の独立した因子によって影響される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項14】
予測するステップ(102)は、統計プロセス制御を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項15】
前記第2の部品を製造するステップ(112)は、前記第1の部品の特定の構築物と係合するために前記第2の部品を現物合わせで機械加工せずに、自動化される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、シム無しアセンブリの製造を同調させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造プロセスでは、多くの場合に複数の構造的構成要素を別々に製造した後に組み合わせる。たとえば、航空機翼の製造などの航空宇宙や航空用途では、数十の構造的構成要素や何百の構造的構成要素(またはこれを超える構造的構成要素)さえ組み合わせて構造を形成する場合がある。構成要素の製造許容誤差(想定されるが、計画はできない変動)および/または特定の材料に関連する独特の問題によりこのような構造的構成要素間に隙間が生じる場合がある。たとえば、複合部品を製造する際には、レイアップされて複合部品を形成する材料の複数の層を介して蓄積する場合がある繊維直径の変動および/または樹脂体積の変動により完成部品の形状的変動が生じる場合がある。
【0003】
このような問題が起こる例が、航空機の翼ボックスを形成するリブ足部へのスキンパネルの組み付けに存在する。図1は航空機翼10用の翼ボックス構造の例を示す。一般的には、航空機翼10は、1つ以上の長尺の桁14の間にあり離間した複数のリブ12によって形成されるはしご状の構造を含む。スキンパネル16(破線で部分的に示され、翼スキンとも称する)がリブ12に取り付けられ、リブ12の形状に合致することで、リブ12は航空機翼10の形状全体をほぼ決める。従来のプロセスでは、スキンパネル16を所望の形状で製造してから、リブ12および桁14と係合する位置に配置する。基礎をなすリブ/桁はしご構造は、たとえば、外方に突出するリブ足部を有してもよく、リブ足部には、締め具をスキンパネル16およびリブ足部に挿入してスキンパネルをはしご構造に固定することができるように、スキンパネル16の内面のそれぞれの部分が載置されることが意図されている。一般的にはスキンパネル16の工作許容誤差はスキンパネル16とはしご構造との合わさりの受け入れ可能な誤差よりも大きく、これにより、いくつかの領域でスキンパネル16とはしご構造との間で境界部の隙間が生じる可能性がある。たとえば、応力のない状態でスキンパネルをリブ足部に対向する位置に配置すると、いくつかのリブ足部はスキンパネルに当接するが、その他はスキンパネルと離間することが一般的に分かっている。スキンパネル中に蓄積される応力を生じさせたり、スキンパネルの形状および空気力学に影響を及ぼしたりすることなく当該隙間に問題なく対処するには、スキンパネルを僅かな量だけ変形させることしかできない。ただし、極端な許容誤差を強制すると、コストが増大し、かつ/またはまったく実施不能になる場合がある。したがって、一般的に製造は、必要な位置で(たとえば、隙間の位置で)リブ12とスキンパネル16との間に液体シムまたは固形シムを施すことによって隙間を埋めることに頼っている。
【0004】
必要なシムを作製するために、一般的にスキンパネルと基礎をなす翼ボックスの構造とを隣り合わせの位置に配置することで、リブ足部とスキンパネルの内面との間の隙間を測定することができる。その後、シムによって隙間を埋める。各シムの形状および寸法は、埋められるそれぞれの隙間の形状および寸法に応じて選択される。この手法では、シムの製造後まで、スキンパネルと基礎をなす翼ボックスの構造との最終組み合わせが先延ばしになり、その時点で、スキンパネルと基礎をなす構造とは再び隣り合わせの位置に配置される。このようにステップが追加されて遅れると、製造コストが増大し、効率が低下する。これに加えて、当該シムの設置は一般的に時間を要する高価なプロセスである。場合によっては、シムのギャップを測定し、穿孔して孔を適正状態にするために、複合構造の組み立ておよび分解を数回行わなくてはならない場合がある。また、特定の隙間を埋めるように特定の寸法および形状に製造されたシムを、正規の隙間を埋めるのに用い、違ったギャップを埋めるのに誤って用いないことを確実に行うように注意しなければならない。
【0005】
いくつかの製造プロセスでは、別の段階でまたさらに別の遅れが差し込まれる。たとえば、スキンパネルの製造時寸法が分かったら、スキンパネルを製作した後に桁および桁キャップを現物合わせで製造する(custom-manufacture)などして、シムの使用を減らす努力がなされてきた。この方法では、桁および桁キャップを製造する際に翼スキンパネルの在庫の積み増しが生じてしまう可能性がある。翼スキンパネルは、スキンパネルの損傷を避けるために、桁および桁キャップを製造する際に適切に保持および支持されなければならない巨大な構造物であり、貴重な倉庫スペースを長期間占有する。また、このような試みでさえ、いくつかの現場ではシムの使用がやはり必要とされる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで開示されている方法は、航空機翼の製造など、アセンブリを製造する際にシムの必要性を抑え、かつ/または不要とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも第1の部品および第2の部品のアセンブリを製造する典型的な方法は、第1の部品について予め決められた許容値の範囲内で予測製造寸法のセットを予測するステップと、第1の部品を製造するステップと、第1の部品の実際の製造寸法のセットを決定するために第1の部品をスキャンするステップと、第1の部品をスキャンするステップが完了する前に第2の部品を製造するステップを少なくとも開始するステップとを概して含む。複数の因子によるデータとともに、複数の以前に構築された部品から得られ、以前の部品の寸法を含む履歴データセットを用いて予測製造寸法を予測してもよい。第2の部品が予測時の第1の部品と係合するように構成されるように第1の部品の予測製造寸法のセットに基づいて第2の部品を製造してもよい。ただし、このような方法では、第1の部品が完全にスキャンされ終わる(したがって、それぞれの第1の部品の実際の製造時寸法が分かる)前に、第2の部品が少なくとも部分的に完成したり完全に完成したりすることを可能にすることによって貴重な製造時間を節約してもよい。第1の部品のスキャンが完了した(そして、第1の部品の製造時寸法が決定された)後、予測製造寸法のセットと実際の製造寸法のセットとの間の任意の不適合となるずれをチェックするために予測製造寸法のセットを実際の製造寸法のセットと比較してもよい。このような方法により、第2の部品の自動製造が可能になる(たとえば、第1の製造段階で第2の部品に現物合わせを必要としない)場合があり、したがって、アセンブリプロセスが全体的に合理化される場合があり、まさに、製造時の第1の部品と第2の部品との間の検出された任意の不適合となるずれの領域で第2の部品が修正される(たとえば現物合わせされる)。
【0008】
第1の嵌め合い構造と第2の嵌め合い構造との間の境界帯のモデルを作成するように構成することができる部品スキャンモデルも開示されている。このようなモデルは、最初の製造のときの境界帯全体の原型大規模スキャンベース層と、大規模スキャンベース層に差し込まれる1つ以上の小規模スキャン層であって、小規模スキャン層は、最初の製造の後に修正された境界帯の局所化された部分に対応する、1つ以上の小規模スキャン層とを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】航空機翼の構造の先行技術の例の斜視図である。
図2】本開示に係るアセンブリを製造する典型的な方法を示す概略フローチャート図である。
図3】本開示の方法にしたがって製造することができるアセンブリの一部の例であり、部分的に分解されて示されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、本開示に係る方法100の限定しない図示例を表わすフローチャートを概略的に示す。図2では、一部のステップが破線の四角で示されており、破線の四角は、このようなステップが任意に選択可能であってもよいし、本開示に係る方法の任意に選択可能な例に対応してもよいことを示している。ただし、本開示に係るすべての方法が実線の四角で図示されているステップを含むことが必要であるということではない。図2に示されている方法およびステップは限定するものではなく、ここでの説明から理解されるように、図示されているステップの数よりも多かったり少なかったりするステップを有する方法を含む他の方法およびステップが本開示の範囲に入る。
【0011】
ここで説明されている方法100は、第1の部品と第2の部品との組み合わせなどの、2つ以上の部品のアセンブリの製造に広く適用される。当然、当該方法は複数の部品のアセンブリの製造に広く適用可能であるが、明確にするために、第1の部品(たとえば、航空機翼用の翼スキンパネル)と第2の部品(たとえば、航空機翼用のリブ)との組み合わせに関して最初に説明する。図3は、図2の方法100を説明する際に参照する部分的に分解された部分航空機翼アセンブリ20を示す。翼アセンブリ20は、スキンパネル22(翼パネルスキン、翼スキンパネル、パネルスキン、翼スキンや翼パネルとも称する場合がある)、第1のリブ24ならびに第1および第2の桁キャップ26a、26bを含む。完成時、翼アセンブリ20は、当業者であれば分かるように、構造を完備させる1つ以上の他のスキンパネルに加えて、スキンパネル22の長さに沿って離間する複数のリブを含む。図3に示されているように、桁キャップ26a、26bはスキンパネル22に沿って長手方向に延伸する長手方向境界帯28に沿ってスキンパネル22に全体的に固定される一方で、第1のリブ24はスキンパネル22を横切って短手方向に延伸する短手方向境界帯30に沿ってスキンパネル22に固定される。スキンパネル22に固定されるどのような別のリブでも、短手方向境界帯30から離れて離間するそれぞれの別の短手方向境界帯に固定してもよい。図示されている航空機翼以外の別の構造の組み立てに関する例では、第1および第2の部品は、数、配置、間隔、形状、寸法および/または向きの点で異なる境界帯を広く有するが、これらの例は本開示の範囲から外れない。
【0012】
開示されている方法100は、102で第1の部品についての予測製造寸法のセット、たとえば、スキンパネル22についての予測製造寸法のセットを予測するステップを含む。製造された部品は設計されたすなわち意図された寸法のセットを有するが、実際に構築された部品が設計された寸法と僅かに異なっている場合があると考えられる。たとえば、製造プロセスで各々が1.00センチメートル(cm)長の複数の締め具を製造しようとする一方で、製造される実際の締め具の長さは異なって、たとえば0.95~1.05cmとなる場合がある。部品が複雑な外形および形状を有する場合も、複雑さの点でこのような差異が増大する。したがって、予測製造寸法の前記セットは製造寸法の予測範囲といえる。言い換えると、予め決められたかつ/または受け入れ可能な許容値の範囲(すなわち、受け入れ可能な仕様、変動および/または寸法の範囲)を以前に構築された複数の部品による履歴データセットに基づいて102で予測してもよい。たとえば、スキンパネル22の例では、複数の以前に構築されたスキンパネルによる履歴データセットに基づいて予測製造寸法を102で予測してもよい(スキンパネルの設計寸法を見ることしかしないのとは対照的である)。102で予測製造寸法を予測するステップは、部品が係合し合う境界部の特徴評価を行うステップを広く含む。
【0013】
102で予測製造寸法を予測するステップは典型的には複数の独立した因子に基づき、単なる構築された部品の履歴寸法の平均ではない。たとえば、予測は、部品を製造する際に用いられる材料の供給元、用いられる材料の特定のロット、部品が製造される大気および/または現場環境状態、レイアップの際に用いられるバギング材料またはその他工作材料のタイプ、用いられるプリプレグ材料のタイプ、製造の際に用いられるエンドエフェクタ(またはそのセッティング)、繊維テープを敷設するテープ敷設ヘッドの供給速度ならびに/または部品を製造するときにオートクレーブで用いられる温度および/または圧力に基づいてもよい。多くの場合に、部品の製造に関連するこのようなデータは記録され、ここで開示されている方法では、将来の部品の寸法を予測するために利用可能ないかなる情報も利用してもよい。102で予測製造寸法を決定するステップは、統計プロセス制御を含んでもよく、かつ/またはいくつかの方法100でアナリティクスおよび/または機械学習を利用してもよい。このような予測モデルでは、製造部品の寸法を予測するために、複数の入力(たとえば、上記に列挙されている因子の一部または全部)を得てもよい。たとえば、第1の供給元の材料を用いて製造された部品の寸法を予測モデルにより予測し、その寸法が、第2の供給元の材料を用いて製造された同じ部品について予測モデルにより予測した寸法とは異なってもよい。ここで開示されている方法100を用いれば、第1の部品をより安価に製造することができる場合があるという効果がある。たとえば、いくつかの方法100では、第1の部品にあまり精度の高くない(かつより安価な)製造技術を用いる場合であっても、102で予測寸法を予測するステップにより十分に正確な予測が行われる場合がある。
【0014】
102で予測寸法を決定するステップは、104での第1の部品(たとえばスキンパネル22)の製造の前、同時、および/または後に実行してもよい。104で第1の部品を製造するステップは、第1の部品の1つ以上の層をトリムするステップ、第1の部品の1つ以上の層を貫通する1つ以上の孔を穿つステップ、および/または複数の繊維強化ポリマー層をレイアップするステップなどのステップを含んでもよい。第1の部品を106でスキャンして、構築時の第1の部品の実際の製造寸法のセットを測定して決定してもよい。通常、106で第1の部品をスキャンするステップは部品全体の広域スキャンを実行するステップを含むが、いくつかの例では、106で第1の部品の部分のみをスキャンしてもよい。たとえば、106で第1の部品をスキャンするステップを、レーザスキャン、光学スキャン、写真撮影、メトロロジースキャンおよび/またはその他一切の適切な技術により実行してもよい。いくつかの例では、106で第1の部品をスキャンするステップは、画像を組み合わせるために参照点として参照マーカーを用いることで画像がつなぎ合わされて第1の部品の合成スキャンが形成されるように、参照マーカーを第1の部品上に配置して第1の部品の複数の写真や画像を撮る(たとえば、大規模なカメラ台を用いるかつ/または吊るすかつ/または第1の部品に対してカメラを動かす)ステップを含んでもよい。概して106で第1の部品をスキャンするステップは、最低限として、第2の部品が第1の部品と係合される任意の境界帯をスキャンするステップを含む。たとえば、スキンパネル22の場合には、106で第1の部品をスキャンするステップは、108で1つ以上の長手方向境界帯28をスキャンするステップ(たとえば、桁境界部をスキャンするステップ)および/または110で1つ以上の短手方向境界帯30をスキャンするステップ(たとえば、リブ箇所をスキャンするステップ)を含んでもよい。106で第1の部品をスキャンするステップを、品質管理、記録、学習および/または今後登場するアナリティクスの目的のために実行してもよい。
【0015】
方法100は、112で、アセンブリの1つ以上の第2の部品(および/または1つ以上のさらなる部品)を製造するステップも含み、106で第1の部品をスキャンするステップが完了する前にこのステップを少なくとも開始してもよい。たとえば、112で第2の部品を製造するステップは、106での第1の部品のスキャンの間に(たとえば、第1の部品のスキャンが完了する前に)少なくとも部分的に実行されたり、完全に完了したりしてもよい。感覚的に理解しにくい一方で、この順序配置により製造時間および効率を改善することができる。ここで説明されている例では、112で第2の部品を製造するステップは、114で1つ以上の桁および/または桁キャップ(たとえば桁キャップ26a、26b)を製造するステップおよび/または116で1つ以上のリブ(たとえば第1のリブ24)を製造するステップを含んでもよい。第1の部品の予測製造寸法に基づいて、第2の部品が第1の部品と係合するように構成されるように、第2の部品(または複数の部品)を112で製造してもよい。言い換えると、第1の部品の完全な製造時寸法が分かる前に、第2の部品を112で製造してもよい。これにより、第1の部品の製造時寸法が決定されるのを待ってから第2の部品を現物合わせで製造するのを開始するのとは対照的に、第2の部品の製造を自動化することができる場合がある。
【0016】
106で第1の部品をスキャンするステップが完了すると、118で、製造時の第1の部品の実際の製造寸法(106で第1の部品をスキャンするステップによって決定される)を第1の部品の予測製造寸法と比較する。このような比較によって、実際の製造寸法と予測製造寸法との間のいかなる不適合となるずれでも検出することができる。不適合となるずれの基準を所望の許容誤差および許容値に基づいて予め決めてもよい。たとえば、それぞれの実際の製造時寸法が予測寸法の範囲で最大の寸法を超えるまたは予測寸法の範囲で最小の寸法未満である領域に不適合となるずれを定めてもよい。これに加えて、第1の部品の実際の製造寸法を120で履歴データセットに付加して、以降に製造される第1の部品の寸法を予測する際に(たとえば、将来の部品の将来のデータアナリティクス解析に)用いてもよい。
【0017】
122で第1の部品と第2の部品とを(任意のさらなる部品とともに)つなぎ合わせてすなわち組み合わせてアセンブリを形成する。たとえば、スキンパネル22、第1のリブ24および桁キャップ26a、26b(図3)をさらなる部品とともに組み合わせて航空機翼アセンブリ20を形成する。いくつかの方法100では、第2の部品(たとえば、リブと桁とのはしご構造)を第1の部品(たとえばスキンパネル)と係合させる前の第2の部品のメトロロジーやスキャンを必要とせずに、部品を嵌め合わせることができる(たとえば、寄せ付けて境界帯で互いに係合させる)。
【0018】
第3の部品(および/またはさらなる第2の部品および/またはさらなる他の部品)を含む方法100では、この場合も第1の部品の予測製造寸法のセットに基づいて第3の部品を製造して第1の部品に係合させてもよい。たとえば、スキンパネル22が完全にスキャンされる前に、第2の部品(たとえば第1のリブ24)および第3の部品(たとえば第1の桁キャップ26a)の各々をスキンパネル22の予測寸法にしたがって製造してもよい。いくつかの方法100では、従来技術とは対照的に、アセンブリの各部品の製造は関連していないといえる。たとえば、桁キャップ26a、26bを製造するときのリブおよびスキンパネルの製造時寸法に依存せずに、桁キャップ26a、26bを毎回同じデータセットに合わせて最初に製造してもよい。
【0019】
いくつかの方法100では、118で予測寸法のセットを実際の寸法のセットと比較すると、124で1つ以上の不適合となるずれが検出される。このような方法100では、126で修復を実行して、124で検出された不適合となるずれに対処すなわち除去してもよい。たとえば、実際の寸法が寸法の予測範囲のセット内にあるように、すなわち、シムを部品の間に配置することを必要とせずに、部品が係合して組み合わさるように(たとえば、第1の部品と第2の部品との間の合わさりが予め決められた許容誤差内であるように)、第1の部品、第2の部品および/または第3の部品を修正してもよい。航空機翼アセンブリの例では、部品の製造時寸法により、スキンパネル22と第1のリブ24との間、ならびに/または、スキンパネル22と桁キャップ26aおよび/もしくは26bとの間で受け入れ難い境界部隙間が生じる箇所で不適合となるずれが検出される場合があり、修復しなければ、不適合となる境界部でシムの設置が必要となる。しかし、ここで開示されている方法では、このような不適合となるずれに用いるシムを作製するのではなく、部品を局所的に修復してシムの必要がないようにしてもよい。たとえば、予め決められた許容誤差内で部品を組み合わせて互いに係合させることができるように、スキンパネル22をトリムし、「剃り(shave)」かつ/もしくは規定の寸法通りに工作(たとえば、材料を取り去る)してもよく、材料を第1のリブ24から取り去ってもよく、かつ/または材料を桁キャップ26aおよび/または26bから取り去ってもよい。いくつかの場合では、126で部品を修復するステップは材料を第1の部品、第2の部品および/または任意のさらなる部品に付加するステップを含んでもよい。ただし、ここで用いられている語句「材料を付加する」には、シムをアセンブリに挿入することは含まれない。たとえば、取り去られた材料を部品の不適合となるずれの領域に付加してもよく、その後に規定の寸法通りに工作してもよい。
【0020】
126で部品を修復するステップは、どの程度の材料を1つ以上の接触面に付加したり1つ以上の接触面から取り去ったりするかを決定するステップを含んでもよい。たとえば、126で部品を修復するステップは、与えられた短手方向境界帯30に沿った1つ以上の様々な箇所、および/または与えられた長手方向境界帯28に沿った1つ以上の様々な箇所で材料を付加したりスキンパネル22から取り去ったりするステップを含んでもよい。これに加えてまたはこれの代わりに、126で部品を修復するステップは、短手方向境界帯30と係合するように構成されている第1のリブ24の接触面に材料を付加したりその接触面から材料を取り去ったりするステップ、および/または長手方向境界帯28と係合するように構成されている桁キャップ26aおよび/または26bの接触面に材料を付加したりその接触面から材料を取り去ったりするステップを含んでもよい。言い換えると、126で部品を修復するステップは、第1の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域、第2の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域および/または第3の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域を修正するステップあって、修正される局所領域は、検出された不適合となるずれの領域中の、1つ以上の他の部品と係合する領域に対応する、ステップを含んでもよい。方法100では予測寸法にしたがって第2および第3の部品が製造されている(設計されたすなわち意図された寸法にしたがって行うのとは対照的)ので、従来の方法でシムを作製するよりも、126での修復のために部品を機械加工する方が概して高速かつ効率的である。
【0021】
126で部品を修復した後に、124で検出された不適合となるずれの領域で(たとえば、126で修正および/または修復が行われたところの局所領域で)1つ以上の局所領域を128で再スキャンしてもよい。128で再スキャンするステップは、不適合となるずれに対応する境界部箇所で第1の部品を再スキャンするステップ、および/または不適合となるずれの領域で部品のアセンブリを再スキャンするステップを含んでもよい。巨大なガントリに部品を置くことを必要とせずに128での修復された部品の局所再スキャンを実行することができることで、いくつかの方法100でコスト削減を行うことができるという効果がある。128での局所スキャンの結果、不適合となるずれが124で引き続き検出される場合には、126で追加修復を実行してもよく、許容誤差内で完成部品が組み立てられるまで繰り返す。実際の製造寸法のセットが最終的な製造時の部品に対して正確であり、その際に120で履歴データセットに付加されるように、128での局所スキャンによるデータ(たとえば寸法)を、130で、実際の製造寸法のセットにデジタル的に挿入(ここではデジタル的に差し込まれると称する場合がある)してもよい。たとえば、第1の部品の参照座標を128での再スキャンおよび/または106でのスキャンの際に用いて、128での再スキャンによるデータを第1の部品の大規模スキャンに挿入するのを容易にしてもよい。
【0022】
したがって、方法100は、履歴データセットの一部として部品スキャンモデルを作成するステップであって、部品スキャンモデルは、図3の航空機翼アセンブリのスキンパネルとリブおよび/または桁との間の短手方向および/または長手方向境界帯などの、第1の嵌め合い構造と第2の嵌め合い構造との間の境界帯のスキャンを含む、ステップを含んでもよい。一例では、第1の嵌め合い構造は航空機翼用のスキンパネルの桁境界部(たとえば長手方向境界帯28)であってもよく、第2の嵌め合い構造はスキンパネルと係合するように構成されている桁キャップ(たとえば桁キャップ26a、26b)であってもよい。これに加えてまたはこれの代わりに、第1の嵌め合い構造は航空機翼用のスキンパネルのリブ箇所(たとえば短手方向境界帯30)であってもよく、第2の嵌め合い構造はスキンパネルと係合するように構成されているリブ(たとえば第1のリブ24)であってもよい。部品スキャンモデルは、最初の製造のときの境界帯全体(たとえば、長手方向境界帯28全体および/または短手方向境界帯30全体)の原型大規模スキャンベース層と、大規模スキャンベース層に差し込まれる1つ以上の小規模スキャン層とを含んでもよい。小規模スキャン層は、検出された不適合となるずれに応じて126で実行された修復または修正などによって最初の製造の後に修正された1つ以上の境界帯の局所化された部分に対応する。
【0023】
本開示に係るこのような方法100は、製造、特に航空機翼などの巨大なアセンブリの製造において多数の効果を奏することができる。106で第1の部品のスキャンが完了する前に112で第2の部品の製造を開始することにより、他の部品と組み合わせる前にスキンパネルを保管するのに必要な時間を短縮することで、工場にある在庫を減らすことができる。このような必要な保管量の削減も、多数のシムを形成し成形してアセンブリに設置する必要がないことによる製造時間の短縮も、与えられた製造プロセスのコスト削減に貢献する場合がある。いくつかの方法100を用いれば、シムの設置に関する従来技術と比較して、必要な再作業量が削減され、かつ/または完成した部品の部品全体の品質が向上することもある。重ねて述べるがアセンブリにシムを設置することを不要とする試みによって、方法100を用いれば、製造速度(たとえばスループット)が上がり、かつ/または製造ロジスティクスの複雑さが低減されることもある。
【0024】
本開示に係る発明の保護対象の限定しない図示例は、列挙された以下のパラグラフで説明されている。
【0025】
A1.第1の部品および第2の部品を備えるアセンブリを製造する方法であって、方法は、
複数の以前に構築された部品による履歴データセットを用いて第1の部品について予め決められた許容値の範囲内で予測製造寸法のセットを予測するステップと、
第1の部品を製造するステップと、
第1の部品の実際の製造寸法のセットを決定するために第1の部品をスキャンするステップと、
第2の部品を製造するステップであって、第2の部品は、第2の部品が第1の部品と係合するように構成されるように第1の部品の予測製造寸法のセットに基づいて製造され、第2の部品を製造するステップは、第1の部品をスキャンするステップが完了する前に少なくとも部分的に実行される、ステップと、
予測製造寸法のセットと実際の製造寸法のセットとの間の任意の不適合となるずれをチェックするために予測製造寸法のセットを実際の製造寸法のセットと比較するステップと
を備える、方法。
【0026】
A1.1.第2の部品を製造するステップは、第1の部品をスキャンするステップが完了する前に完了する、第A1項に記載の方法。
【0027】
A1.2.第1の部品をスキャンするステップは、第1の部品全体の広域スキャンを実行するステップを備える、第A1項または第A1.1項に記載の方法。
【0028】
A1.3.履歴データセットに実際の製造寸法を付加するステップをさらに備える、第A1項から第A1.2項のいずれか一項に記載の方法。
【0029】
A2.アセンブリを形成するために第2の部品を第1の部品につなぐステップをさらに備える、第A1項から第A1.3項のいずれか一項に記載の方法。
【0030】
A3.第1の部品は航空機翼用のスキンパネルを備える、第A1項から第A2項のいずれか一項に記載の方法。
【0031】
A4.第2の部品は航空機翼/上記航空機翼用のリブを備える、第A1項から第A3項のいずれか一項に記載の方法。
【0032】
A5.第2の部品は航空機翼/上記航空機翼用の桁キャップを備える、第A1項から第A4項のいずれか一項に記載の方法。
【0033】
A6.アセンブリは第3の部品を備え、方法は、
第3の部品を製造するステップであって、第3の部品は、第1の部品の予測製造寸法のセットに基づいて、第3の部品が第1の部品と係合するように構成されるように製造され、第3の部品を製造するステップは、第1の部品をスキャンするステップが完了する前に少なくとも部分的に実行される、ステップと、
アセンブリを形成するために第3の部品を第1の部品につなぐステップと
をさらに備える、第A1項から第A5項のいずれか一項に記載の方法。
【0034】
A6.1.第3の部品の製造は、第1の部品をスキャンするステップが完了する前に完了する、第A6項に記載の方法。
【0035】
A7.第1の部品は航空機翼/上記航空機翼用のスキンパネル/上記スキンパネルを備え、第2の部品は航空機翼用のリブを備え、第3の部品は航空機翼用の桁キャップを備える、第A6項または第A6.1項に記載の方法。
【0036】
A8.予測製造寸法のセットと実際の製造寸法のセットとの間の1つ以上の不適合となるずれを検出するステップと、
予め決められた許容誤差内で、組み合わせるときに第2の部品および/または第3の部品/上記第3の部品が第1の部品と係合するように、1つ以上の不適合となるずれに対処するために第2の部品および/または第3の部品を修正するステップと
をさらに備える、第A1項から第A7項のいずれか一項に記載の方法。
【0037】
A9.修正するステップは、第2の部品から材料を取り去るステップと、第3の部品から材料を取り去るステップと、第2の部品に材料を付加するステップと、第3の部品に材料を付加するステップとを備える群から選択される1つ以上のステップを備える、第A8項に記載の方法。
【0038】
A9.1.修正するステップは、どの程度の材料を第2の部品の、1つ以上のそれぞれの接触面および/または第3の部品の、1つ以上のそれぞれの接触面から取り去るかつ/または付加するかを決定するステップを備える、第A8項または第A9項に記載の方法。
【0039】
A10.修正するステップは、第2の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域および/または第3の部品の、1つ以上のそれぞれの局所領域を修正するステップを備え、局所領域は、検出された不適合となるずれの領域中の、第1の部品と係合する領域に対応する、第A8項から第A9.1項のいずれか一項に記載の方法。
【0040】
A11.検出された不適合となるずれに対応する1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップをさらに備える、第A8項から第A10項のいずれか一項に記載の方法。
【0041】
A12.1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップは、第2の部品および/または第3の部品を修正するステップの後に実行される、第A11項に記載の方法。
【0042】
A13.1つ以上の局所領域を局所的にスキャンするステップによるデータを実際の製造寸法のセットにデジタル的に挿入するステップをさらに備える、第A11項または第A12項に記載の方法。
【0043】
A14.予測するステップは複数の独立した因子によって影響される、第A1項から第A13項のいずれか一項に記載の方法。
【0044】
A14.1.独立した因子は、材料の供給元、材料の特定のロット、大気および/または現場環境状態、レイアップの際に用いられるバギング材料またはその他工作材料のタイプ、用いられるプリプレグ材料のタイプ、製造の際に用いられるエンドエフェクタ(またはそのセッティング)ならびに/または第1の部品を製造するときにオートクレーブで用いられる温度および/または圧力を含む、第A14項に記載の方法。
【0045】
A15.予測するステップは統計プロセス制御を備える、第A1項から第A14.1項のいずれか一項に記載の方法。
【0046】
A16.第2の部品を製造するステップは、第1の部品の特定の構築物と係合するために第2の部品を現物合わせで機械加工しないことで、自動化される、第A1項から第A15項のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
A17.第1の部品を製造するステップは、
複数の繊維強化ポリマー層をレイアップするステップと、
層をトリムするステップと、
層に複数の孔を穿つステップと、
を備える、第A1項から第A16項のいずれか一項に記載の方法。
【0048】
A18.第1の部品は航空機翼/上記航空機翼用のスキンパネル/上記スキンパネルを備え、スキンパネルは1つ以上の桁と係合する1つ以上の桁境界部を備え、スキンパネルは1つ以上のリブと係合する1つ以上のリブ箇所を備え、スキャンするステップは、桁境界部をスキャンするステップと、リブ箇所をスキャンするステップとを備える、第A1項から第A17項のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
B1.第1の嵌め合い構造と第2の嵌め合い構造との間の境界帯のスキャンであって、スキャンは、
最初の製造のときの境界帯全体の原型大規模スキャンベース層と、
大規模スキャンベース層に差し込まれる1つ以上の小規模スキャン層であって、小規模スキャン層は、最初の製造の後に修正された境界帯の局所化された部分に対応する、1つ以上の小規模スキャン層と
を備える、スキャン
を備える、部品スキャンモデル。
【0050】
B2.第1の嵌め合い構造は航空機翼用のスキンパネルの桁境界部を備え、第2の嵌め合い構造は、スキンパネルと係合する桁を備える、第B1項に記載の部品スキャンモデル。
【0051】
B3.第1の嵌め合い構造は航空機翼用のスキンパネルのリブ箇所を備え、第2の嵌め合い構造は、スキンパネルと係合するリブを備える、第B1項に記載の部品スキャンモデル。
【0052】
D1.複数の部品をつなぎ合わせるための、第A1項から第A18項のいずれか一項に記載の方法の使用。
【0053】
D2.航空機翼を製造するための、第A1項から第A18項のいずれか一項に記載の方法の使用。
【0054】
D3.1つ以上のリブをスキンパネルにつなぐための、第A1項から第A18項のいずれか一項に記載の方法の使用。
【0055】
D4.1つ以上の桁および/または桁キャップをスキンパネルにつなぐための、第A1項から第A18項のいずれか一項に記載の方法の使用。
【0056】
装置の1つ以上の構成要素もしくは特性の動作、動き、構成またはその他働きを修正する場合の、本明細書で用いられている用語「選択的」および「選択的に」は、特定の動作、動き、構成またはその他働きが装置の態様または1つ以上の構成要素のユーザ操作の直接的または間接的な結果であることを意味する。
【0057】
本明細書で用いられている用語「適する(adapted)」および「構成される(configured)」は、要素、構成要素、または他の保護対象が所定の機能を発揮するように設計および/または意図されることを意味する。したがって、用語「適する」および「構成される」の使用は、所定の要素、構成要素またはその他保護対象が所定の機能を発揮する「能力がある」だけであり、機能を発揮する目的のために要素、構成要素および/またはその他保護対象が特別に選択、作成、実施、利用、プログラムかつ/または設計されることを意味するように解釈されるべきではない。特定の機能を発揮するのに適するように記載されている要素、構成要素および/またはその他記載されている保護対象を、この機能を発揮するように構成されるように、この記載に加えてまたはこの記載の代わりに説明することおよびその逆も本開示の範囲に入る。同様に、特定の機能を発揮するように構成されるように記載されている保護対象を、この機能を発揮するように動作する(operative to)ように、この記載に加えてまたはこの記載の代わりに説明してもよい。
【0058】
1つ以上のものの列挙物に関連する、本明細書で用いられている語句「少なくとも1つ」は、ものの列挙物中のもののいずれか1つ以上から選択される少なくとも1つのものを意味すると解するべきであるが、ものの列挙物のうちから特別に挙げられたすべてのもののうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、ものの列挙物中のものの組み合わせを除外しない。この定義により、語句「少なくとも1つ」が関連するものの列挙物中で特別に特定されたもの以外のものが、特別に特定されたものに関連するか否かにかかわらず、適宜存在することも可能である。したがって、限定しない例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または「AまたはBの少なくとも1つ」と同等、または「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」と同等)は、一実施形態では、Bが存在しない(かつB以外のものを適宜含む)状態での少なくとも1つのA(1つを超えるAを適宜含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しない(かつA以外のものを適宜含む)状態での少なくとも1つのB(1つを超えるBを適宜含む)を指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(1つを超えるAを適宜含む)および少なくとも1つのB(1つを超えるBを適宜含む)(かつ他のものを適宜含む)を指す。言い換えると、語句「少なくとも1つ」、「1つ以上」および「および/または」は、演算において連言的でも選言的でもあるオープンエンド表現である。たとえば、表現「A、BおよびCの少なくとも1つ」、「A、BまたはCの少なくとも1つ」、「1つ以上のA、BおよびC」、「A、BまたはCの1つ以上」および「A、Bおよび/またはC」の各々は、A単独、B単独、C単独、AおよびB共々、AおよびC共々、BおよびC共々、A、BおよびC共々、ならびに適宜少なくとも1つの他のものと組み合わされる上記のいずれかを意味してもよい。
【0059】
本明細書で開示されている装置の様々な開示要素および本明細書で開示されている方法の様々な開示ステップが本開示に係るすべての装置および方法に必要であるということはなく、本開示は、本明細書で開示されている様々な要素およびステップの新規かつ非自明なすべての組み合わせおよびサブコンビネーションを含む。さらに、本明細書で開示されている様々な要素およびステップの1つ以上は、開示装置または方法の全体とは別体であり離れている独立した保護対象を定義してもよい。したがって、このような発明の保護対象は、本明細書で明確に開示されている特定の装置および方法に関連する必要はなく、このような発明の保護対象は、本明細書で明確に開示されていない装置および/または方法に有用である場合がある。
【0060】
本開示に係る1つ以上の構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法に関連して用いられる場合の、本明細書で用いられている語句「たとえば」、「例として」および/または単純に記載されている用語「例」は、説明されている構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法が、本開示に係る構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法の限定しない図示例であることを示すことを意図している。したがって、説明されている構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることを意図しておらず、構造的および/または機能的に類似かつ/または均等の構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法を含む他の構成要素、形態、詳細、構造、実施形態および/または方法も本開示の範囲に入る。
【符号の説明】
【0061】
10 航空機翼
12 リブ
14 桁
16 スキンパネル
20 部分航空機翼アセンブリ
22 スキンパネル
24 第1のリブ
26a 第1の桁キャップ
26b 第2の桁キャップ
28 長手方向境界帯
30 短手方向境界帯
図1
図2
図3