(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】操作可能な係止カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A61M25/00 552
A61M25/00 632
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019232409
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ロレンツォ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-515024(JP,A)
【文献】特表2009-528907(JP,A)
【文献】特表2015-536226(JP,A)
【文献】特表2014-516258(JP,A)
【文献】特開平10-057500(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0304040(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作可能なカテーテルであって、
可撓性遠位シャフトを備え、前記可撓性遠位シャフトは、
第1の一次可撓方向と、
第2の一次可撓方向と、
第1の二次可撓方向と、
第2の二次可撓方向と、
内層と、
異なって配向されたノッチを有するセグメント化中間層と、
外層と、を有し、
前記ノッチは、
一次深さ、一次外幅、及び一次内幅を備える複数の一次ノッチであって、前記一次深さ、前記一次外幅、及び前記一次内幅が
、一次可撓角度に関連し、前記一次外幅が、前記一次内幅よりも大きく、前記複数の一次ノッチが、前記第1の一次可撓方向に曲がるように構成されている、複数の一次ノッチと、
二次深さ、二次外幅、及び二次内幅を備える複数の二次ノッチであって、前記二次深さ、前記二次外幅、及び前記二次内幅が
、二次可撓角度に関連し、前記二次外幅が、前記二次内幅よりも大きく、前記複数の二次ノッチが、前記第1の二次可撓方向に曲がるように構成されている、複数の二次ノッチと、を備える、操作可能なカテーテル。
【請求項2】
前記外層は、弾性である、請求項
1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項3】
前記外層は、前記第1の一次可撓方向を決定するために、放射線不透過性要素を備える、請求項
1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項4】
前記外層は、前記第1の二次可撓方向を決定するために、放射線不透過性要素を備える、請求項
1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項5】
前記複数の一次ノッチのサブセットは、第1の深さ、第1の外幅、第1の内幅、第2の深さ、第2の外幅、及び第2の内幅のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項6】
前記複数の二次ノッチのサブセットは、第1の深さ、第1の外幅、第1の内幅、第2の深さ、第2の外幅、及び第2の内幅のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項7】
近位端部と、遠位端部と、を備える中間シャフトであって、前記中間シャフトの遠位端部は前記可撓性遠位シャフトの近位端部に接続されている、中間シャフトと、
近位端部と、遠位端部と、を備える近位シャフトであって、前記近位シャフトの遠位端部は前記中間シャフトの近位端部に接続されている、近位シャフトと、
近位端部と、遠位端部と、を備える近位ハブであって、前記近位ハブの遠位端部は前記近位シャフトの近位端部に接続されている、近位ハブと、を更に備える、請求項1に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項8】
前記近位シャフトは、近位シャフト可撓性を備え、
前記中間シャフトは、中間シャフト可撓性を備え、
前記可撓性遠位シャフトの可撓性は、前記中間シャフト可撓性よりも大きく、
前記可撓性遠位シャフトの可撓性は、前記近位シャフト可撓性よりも大きく、
前記中間シャフトの可撓性は、前記近位シャフト可撓性よりも大きく、
前記近位シャフト可撓性から前記中間シャフト可撓性への、そして前記可撓性遠位シャフトの可撓性への可撓性の変化が、トルクを前記カテーテルの長さに沿って伝達することを可能にする、ことを更に含む、請求項7に記載の操作可能なカテーテル。
【請求項9】
前記近位ハブは、前記第1の一次可撓方向及び前記第1の二次可撓方向を示すラベルを含む、請求項
7に記載の操作可能なカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療器具に関し、より具体的には、操作可能な係止カテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、患者の脈管に入る柔軟な脈管構造とすることができる。カテーテルは、様々な目的及び用途に使用することができる。例えば、カテーテルは、脈管内の特定の目的とする特定の領域に導入することができ、次に、そのルーメンから、他の末梢中心静脈又は動脈デバイスを導入するためのガイドとして働く。このようなデバイスは、単一ルーメン又は多重ルーメンカテーテル、凝血塊捕捉デバイス、バルーンカテーテルなどを含むことができる。
【0003】
蛇行する解剖学的構造を通したカテーテルの追跡は、特に、より大きい直径のカテーテルの場合に困難であり得る。これらのカテーテルは、蛇行が存在する際には追跡することが困難であり、分岐血管を選択することがそれをより困難にする。加えて、蛇行脈管を通してカテーテルを追跡し、カテーテルのルーメンを通して介入デバイス(ステント、血餅レトリーバ、吸引カテーテルなど)を前進させると、しばしば、カテーテルが適所から後退することがある。これが発生した場合、医師は、介入デバイスを取り除き、次いで、介入デバイスの送達を再度行う前に、カテーテルによって蛇行セグメントに再度アクセスしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当分野のこれら問題及び他の問題を解決するための、より制御されたやり方で対象の場所までカテーテルを安全かつ効率よく前進させる新しいデバイスに対する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、分岐血管の追跡及び選択を容易にし、並びに、介入デバイスを遠位解剖学的構造に送達している間、蛇行部にわたってカテーテル本体を硬直させて、カテーテルを固定し、かつカテーテルが適所から後退することを最小にするための手段を提供する。
【0006】
カテーテルは、可撓性遠位端部を有するトルク付与可能なシャフトから成る。可撓性遠位端部は、一方向において可撓性であり、反対方向においてはより硬く構成することができる。遠位端部の可撓性は、一方向に曲がるのは容易にするが、反対方向に曲がるのには抵抗するように設計された遠位アセンブリの特徴によって管理される。レーザ切断した管状要素を備える特徴は、好ましくは一方向には屈曲するが、反対方向への湾曲には抵抗するように構成されている。管状要素は、可撓性ポリマー層の間に、カプセル化される(融着される)。
【0007】
カテーテルのハブは、ユーザが脈管を通してカテーテルをより容易に操作することができるように、ラベル付けして可撓性の方向を示す。ユーザが、分岐点に接近し、分岐血管の方向以外の方向に血管を追跡することを望む場合、ユーザは、遠位要素の可撓方向が分岐点から離れる方向であるようにシャフトにトルク付与し、このようにして、分岐点から離れるデバイスの追跡を容易にする。ユーザが、分岐点の方向に追跡することを望む場合、ユーザは、遠位要素の可撓方向が分岐点の方向であるようにシャフトにトルク付与し、このようにして、分岐血管への接近を容易にする。蛇行部を通してアクセスし、かつカテーテルが適所から後退することを防止するために、ユーザは、上で説明したように、最初に、蛇行部を通してアクセスするために可撓性セグメントを配向する。カテーテルが蛇行セグメントと交差すると、ユーザは、可撓性セグメントが顕著な湾曲の内部を逆戻りし、かつ可撓性セグメントを湾曲の内部でより少なく硬直するように、カテーテルにトルク付与する。これは、介入デバイスがカテーテルのルーメンを通して追跡されるときに、湾曲内でカテーテル自体を係止し、逆向きの移動に抵抗することになる。
【0008】
本明細書では、蛇行する解剖学的構造を通したカテーテルの追跡及び当分野の他の問題に対処することができる、操作可能なカテーテル又は操作可能な係止カテーテルのための様々な例示的なデバイスを開示する。
【0009】
本デバイスは、一般に、近位ハブと、近位シャフトと、中間シャフトと、可撓性遠位シャフトと、を含むことができる。可撓性遠位シャフトは、近位端部と、遠位端部と、を有する。中間シャフトは、近位端部と、遠位端部と、を有し、中間シャフトの遠位端部は、可撓性遠位シャフトの近位端部に接続される。近位シャフトは、近位端部と、遠位端部と、を有し、近位シャフトの遠位端部は、中間シャフトの近位端部に接続される。近位ハブは、近位端部と、遠位端部と、を備え、近位ハブの遠位端部は、近位シャフトの近位端部に接続される。
【0010】
本デバイスはまた、一般に、第1の可撓方向と、第1の可撓方向とは反対の第2の可撓方向と、を有する、可撓性遠位シャフトも含むことができる。可撓性遠位シャフトは、第1の可撓方向が所望の進行方向の方向にあるようにトルク付与することができ、したがって、脈管又は所望の血管の分岐点へのアクセスを容易にする。デバイスはまた、一般に、3つの層、すなわち、内層と、複数のノッチを有するセグメント化中間層と、外層と、も含むことができる。セグメント化中間層のノッチは、可撓角度に関連し、かつ可撓性遠位シャフトが第1の可撓方向に曲がることを可能にする、深さと、外深さと、内幅と、を有する。
【0011】
操作可能なカテーテルの例示的なデバイスは、外幅が内幅よりも大きいノッチを含むことができる。より大きい外幅は、可撓性遠位シャフトが、第1の可撓方向においてより大きい可撓性を有すること可能にする。操作可能なカテーテルの別の例示的なデバイスは、異なる深さ及び幅であるノッチを含むことができる。ノッチの第1の深さ及び第2の深さは、同じ深さを有するノッチに対して、増加した、減少した、又は同じ可撓性を提供するように選択することができる。第1の深さ及び第2の深さは、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。第1の外幅及び第2の外幅は、同じ外幅を有するノッチに対して、増加した、減少した、又は同じ可撓性を提供するように選択することができる。第1の外幅及び第2の外幅深さは、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。
【0012】
第1の内幅及び第2の内幅は、同じ内幅を有するノッチに対して、増加した、減少した、又は同じ可撓性を提供するように選択することができる。第1の内幅及び第2の内幅深さは、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。
【0013】
操作可能なカテーテルの別の例示的なデバイスは、第1の幾何学形状のノッチを含むことができる。ノッチの幾何学形状は、増加した可撓性又は減少した可撓性を含む、様々な可撓性を提供するように選択することができる。ノッチの幾何学形状は、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。
【0014】
操作可能なカテーテルの別の例は、2つの幾何学形状のノッチを含むことができ、第1の幾何学形状を有する少なくとも1つのノッチ及び第2の幾何学形状を有する少なくとも1つのノッチが存在する。
【0015】
2つの幾何学形状は、増加又は減少した可撓性を含む、様々な可撓性を提供するように選択することができる。2つの幾何学形状は、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。
【0016】
操作可能なカテーテルの別の例は、いくつかの異なる配向の1つ又は複数のノッチを含む。ノッチの異なる配向は、増加又は減少した可撓性を含む、様々な可撓性を提供するように選択することができる。ノッチの異なる配向は、可撓性遠位シャフト上の特定の1つ若しくは複数の地点、又は1つ若しくは複数の場所での可撓性を増加又は減少させることを可能にする可撓性へのカスタム化を提供するように選択することができる。
【0017】
操作可能なカテーテルの別の例は、セグメント化中間層を含むことができる。セグメント化中間層は、ノッチを有することができる。ノッチは、第1の可撓角度に関連し、かつ可撓性遠位シャフトが第1の可撓方向に曲がることを可能にする、深さと、外幅と、うち幅と、を有する。加えて、ノッチは、第1の可撓角度の角度とは反対の第2の可撓角度に関連する、深さと、外幅と、内幅と、を有する。セグメント化中間層及びノッチは、第2の可撓方向に曲がることに抵抗するように構成することができる。
【0018】
操作可能なカテーテルの別の例は、外層を含むことができる。外層は、弾性材料を含む、カテーテルに適した様々な材料から作製することができる。外層はまた、第1の可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。外層はまた、第2の可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。外層はまた、第1の可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。
【0019】
操作可能なカテーテルの別の例は、近位シャフト可撓性を有する近位シャフトと、中間シャフト可撓性を有する中間シャフトと、を含むことができる。可撓性遠位シャフトの可撓性は、中間シャフト可撓性に対して大きく、小さく、又は等しくすることができる。可撓性遠位シャフトの可撓性は、近位シャフト可撓性に対して大きく、小さく、又は等しくすることができる。中間シャフトの可撓性は、近位シャフト可撓性に対して大きく、小さく、又は等しくすることができる。加えて、近位シャフトの可撓性は、近位シャフト可撓性に対して大きく、小さく、又は等しくすることができる。
【0020】
操作可能なカテーテルの別の例は、操作可能なカテーテルの第1の可撓方向を示すラベルを有する、近位ハブを含むことができる。近位ハブは、操作可能なカテーテルの第2の可撓方向を示すラベルも有することができる。
【0021】
操作可能なカテーテルを操作する例示的な方法は、第1の可撓方向を有する可撓性遠位シャフトと、深さ、外幅、及び内幅を有する複数のノッチを有するセグメント化中間層と、操作可能なカテーテルを回転させることと、第1の可撓方向が所望の進行方向の移動を容易にするように可撓性遠位シャフトを配向させることと、操作可能なカテーテルを所望の進行方向に前進させることと、を含むことができる。
【0022】
本方法は、外幅が内幅よりも大きいノッチを含むことができる。本方法は、ノッチを含むことができ、複数のノッチが第1の可撓方向に曲がるように構成される。本方法は、第2の可撓方向を有する、可撓性遠位シャフトを含むことができる。本方法は、第1の可撓方向とは反対の第2の可撓方向を有する、可撓性遠位シャフトを含むことができる。本方法は、可撓性遠位シャフトを含むことができ、可撓性遠位シャフトの可撓性は、第1の可撓方向において、任意の他の方向よりもより大きい。
【0023】
操作可能なカテーテルを係止する例示的な方法は、第1の可撓方向を有する可撓性遠位シャフトと、深さ、外幅、及び内幅を有する複数のノッチを有するセグメント化中間層と、操作可能なカテーテルを回転させることと、第1の可撓方向が所望の進行方向の移動を容易にするように可撓性遠位シャフトを配向させることと、操作可能なカテーテルを所望の進行方向に前進させることと、を含むことができる。
【0024】
操作可能なカテーテルを係止する方法は、外幅が内幅よりも大きいノッチを含むことができる。本方法は、ノッチを含むことができ、複数のノッチが第1の可撓方向に曲がるように構成される。本方法は、第2の可撓方向を有する、可撓性遠位シャフトを含むことができる。本方法は、第1の可撓方向とは反対の第2の可撓方向を有する、可撓性遠位シャフトを含むことができる。本方法は、可撓性遠位シャフトを含むことができ、可撓性遠位シャフトの可撓性は、第1の可撓方向において、任意の他の方向よりもより大きい。
【0025】
操作可能なカテーテルを係止する方法は、可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁に接触して、所望の進行方向における可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、操作可能なカテーテルを回転させて、第1の可撓方向に配向させることによって、可撓性遠位シャフトを適所に係止することを含むことができる。
【0026】
操作可能なカテーテルを係止する方法は、可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁に接触して、所望の進行方向における可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、操作可能なカテーテルを回転させて、第1の可撓方向及び第2の可撓方向に配向させることによって、可撓性遠位シャフトを適所に係止することを含むことができる。
【0027】
操作可能なカテーテルの一例は、第1の一次可撓方向、第2の一次可撓方向、第1の二次可撓方向、及び第2の二次可撓方向を提供するための、ノッチの異なる配向を含むことができる。第1の一次可撓方向は、第2の一次可撓方向と同じ方向ではない。第1の二次可撓方向は、第2の二次可撓方向と同じ方向ではない。
【0028】
この例は、内層と、異なって配向されたノッチを有するセグメント化中間層と、外層と、を含むことができる。この例は、一次深さ、一次外幅、及び一次内幅を有する複数の一次ノッチを有するセグメント化中間層を含むことができる。この例は、セグメント化中間層を含むことができ、一次深さ、一次外幅、及び一次内幅が一次可撓角度に関連する。この例は、一次外幅が一次内幅よりも大きいセグメント化中間層を含むことができる。この例は、セグメント化中間層を含むことができ、複数の一次ノッチが第1の一次可撓方向に曲がるように構成される。
【0029】
この例は、二次深さ、二次外幅、及び二次内幅を有する複数の二次ノッチを含むことができる。この例は、複数の二次ノッチを含むことができ、二次深さ、二次外幅、及び二次内幅が二次可撓角度に関連する。この例は、二次外幅が二次内幅よりも大きい複数の二次ノッチを含むことができる。この例は、複数の二次ノッチを含むことができ、複数の二次ノッチが第1の二次可撓方向に曲がるように構成される。
【0030】
操作可能なカテーテルの別の例は、第1の一次可撓方向を示すラベルを含むことができる。この例は、第1の二次可撓方向を示すラベルを含むことができる。操作可能なカテーテルの別の例は、外層を含むことができる。外層は、弾性材料を含む、カテーテルに適した様々な材料から作製することができる。外層はまた、第1の一次可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。外層はまた、第2の一次可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。外層はまた、第1の二次可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。外層はまた、第2の二次可撓方向の識別を容易にするために、放射線不透過性要素も含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の上記及び更なる態様は、
添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
【
図1A】本発明の操作可能な係止カテーテルの側面図である。
【
図1B】
図1Aに示される本発明の遠位端部に位置付けられたノッチの断面図である。
【
図3】第1の可撓方向に撓曲する可撓性遠位シャフトの側面図である。
【
図4A】操作可能なカテーテルを操作して、第1の可撓方向を所望の進行方向に配向させる方法の側面図である。
【
図4B】操作可能なカテーテルを操作して、第1の可撓方向を所望の進行方向に配向させる方法の側面図である。
【
図5A】所望の血管分岐内に位置付けられた操作可能なカテーテル、及び第1の可撓方向の配向の側面図である。
【
図5B】所望の血管分岐内に位置付けられた操作可能なカテーテル、及び第1の可撓方向の配向の側面図である。
【
図6A】可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁と接触して可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、操作可能なカテーテルを係止して第1の可撓方向に配向させる方法の側面図である。
【
図6B】可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁と接触して可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、操作可能なカテーテルを係止して第1の可撓方向に配向させる方法の側面図である。
【
図7A】本発明の2つの異なる配向を有するノッチを有する操作可能な係止カテーテルの側面図である。
【
図7B】
図7Aに示される本発明の遠位端部に位置付けられた、異なる配向を有するノッチの側面図である。
【
図7C】
図7Aに示される本発明の遠位端部に位置付けられた、異なる配向を有するノッチの側面図である。
【
図7D】
図7Aに示される本発明の遠位端部に位置付けられた、異なる配向を有するノッチの側面図である。
【
図7E】
図7Aに示される本発明の遠位端部に位置付けられた、異なる配向を有するノッチの側面図である。
【
図8A】所望の血管分岐内に位置付けられた、異なる配向を有するノッチを有する操作可能なカテーテルの側面図である。
【
図8B】所望の血管分岐内に位置付けられた、異なる配向を有するノッチを有する操作可能なカテーテルの側面図である。
【
図8C】所望の血管分岐内に位置付けられた、異なる配向を有するノッチを有する操作可能なカテーテルの側面図である。
【
図9】本発明の態様による例示的なデバイスの例示的な操作シーケンスの説明図である。
【
図10】本発明の態様による例示的なデバイスの例示的な係止シーケンスの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1Aは、操作可能なカテーテルの側面図を例示する。例示されるように、操作可能なカテーテル100は、近位ハブ200と、近位シャフト300と、中間シャフト400と、可撓性遠位シャフトと、を有することができる。近位ハブ200は、近位端部250と、遠位端部260と、を有することができる。近位ハブ200は、ラベル202を有することができる。近位シャフト300は、近位端部350と、遠位端部360と、を有することができる。中間シャフト400は、近位端部450と、遠位端部460と、を有することができる。可撓性遠位シャフトは、近位端部550と、遠位端部560と、を有することができる。近位ハブ200の遠位端部260は、近位シャフト300の近位端部350に接続することができる。近位シャフト300の遠位端部360は、中間シャフト400の近位端部450に接続することができる。中間シャフト400の遠位端部460は、可撓性遠位シャフトの近位端部550に接続することができる。操作可能なカテーテル100は、第1の可撓方向102を有することができる。操作可能なカテーテル100は、第2の可撓方向104を有することができる。第1の可撓方向102は、第2の可撓方向104の反対方向とすることができる。
【0033】
近位シャフト300は、可撓性近位シャフトを有することができ、中間シャフト400は、可撓性中間シャフトを有することができる。中間シャフト400の可撓性は、近位シャフト可撓性よりも大きくすることができ、可撓性遠位シャフト500の可撓性は、中間シャフト及び近位シャフト可撓性のどちらよりも大きい。この硬さ又は可撓性の変動は、操作可能なカテーテル100の長さに沿って、近位ハブ200から可撓性遠位シャフト500へのトルクのより容易な伝達を可能にする。これは、ユーザが、トルクを近位ハブ200に印加して、第1の可撓方向102又は第2の可撓方向104のいずれかを利用して脈管を通してカテーテルを前進させるために必要とされる半径方向に、可撓性遠位シャフト500を容易に配向することを可能にする。特定のカテーテル100は、患者の内股から、心弓を通じて、患者の頭蓋骨内部の神経血管の中へ上に前進させることができ、したがって、距離及び蛇行がかなりのものであることに留意されたい。
【0034】
近位シャフトと中間シャフトとの間の可撓性の変化は、シャフトの各部分について異なる材料を使用して形成することができ、各部分は、異なる硬さ又はデュロメータである。代替的に、近位シャフト及び中間シャフトは、同じ材料で作製することができ、追加的な層又は添加物をシャフトに提供して、個々の硬さを制御することができる。これらの例を組み合わせて、必要とされる可撓性及び/又は硬さを提供することができる。近位シャフト300及び中間シャフト400の各々は、それらの長さにわたって均一な硬さを有することができること、又は硬さを変動させることができることに留意されたい。一例として、近位シャフト300の硬さは、遠位端部360の硬さが中間シャフト400の近位端部450の硬さと一致するように、近位端部350から遠位端部360へ減少させることができる。この硬さの段階的な移行は、特定の例において、局所的な硬さの「転移点」を防止することができる。
【0035】
図1Bは、
図1Aに表される操作可能なカテーテルの断面を例示する。例示されるように、操作可能なカテーテル100は、内層502と、セグメント化中間層504と、外層506と、を有することができる。セグメント化中間層504は、
図1C、1D、及び1Eに表されるように、ノッチ600を有することができる。セグメント化中間層504、並びにノッチ600のサイズ及び形状は、第1の可撓方向102に関連し得る。セグメント化中間層504、並びにノッチ600のサイズ及び形状は、第2の可撓方向104に関連し得る。全てのカテーテル100と同様に、手術用具若しくは手術器具の送達を可能にし、又は患者から凝血塊、組織、若しくは流体を取り出すための通路を提供するために、カテーテル100の内部に沿って通過する内側ルーメン108が存在する。
【0036】
図1C、1D、及び1Eは、様々なノッチを例示する。ノッチ600は、セグメント化中間層504内に位置付けられる。ノッチ600は、深さ602、602A、又は602Bを有することができる。ノッチは、外幅604、604A、又は604Bを有することができる。ノッチは、内幅606、606A、又は606Bを有することができる。
図1Cは、均一にサイズ決定されたノッチ600を表し、複数のノッチが、同じ深さ602、外幅604、及び内幅606を有することができる。
図1D及び1Eは、異なってサイズ決定された2つのノッチを表し、第1の深さ602Aは、第2の深さ602Bとは異なり得る。第1の外幅604Aは、第2の外幅604Bとは異なり得る。第1の内幅606Aは、第2の内幅606Bとは異なり得る。
【0037】
深さ602、外幅604、及び内幅606は、第1の可撓方向102における可撓性に関連し得る。深さ602、外幅604、及び内幅606は、第2の可撓方向104における可撓性に関連し得る。第1の深さ602A、第1の外幅604A、及び第1の内幅606Aは、第1の可撓方向102における可撓性に関連し得る。第1の深さ602A、第1の外幅604A、及び第1の内幅606Aは、第2の可撓方向104における可撓性に関連し得る。第2の深さ602B、第2の外幅604B、及び第2の内幅606Bは、第1の可撓方向102における可撓性に関連し得る。第2の深さ602B、第2の外幅604B、及び第2の内幅606Bは、第2の可撓方向104における可撓性に関連し得る。
【0038】
実施例において、操作可能なカテーテル100の第1の可撓方向102は、第2の可撓方向104よりも多い可撓性を提供することができる。一実施例において、第1の可撓方向102は、ノッチ600を閉じることによって提供することができ、一方で、第2の可撓方向104は、ノッチ600を開くことによって提供することができる。ノッチ600の閉鎖は、ノッチ600の外幅(604、604A、又は604B)によって画定される側部を、互いに接触させる、又は少なくとも撓曲していないときよりも近づけることによって提供することができる。代替的に、ノッチ600の閉鎖は、ノッチ600が撓曲していないときと比較して、可撓角度106を低減させることによって提供することができる。ノッチ600の開放は、ノッチ600の外幅(604、604A、又は604B)によって画定される側部を、撓曲していないときよりも互いに少なくとも更に離すことによって提供することができる。代替的に、ノッチ600の開放は、ノッチ600が撓曲していないときと比較して、可撓角度106を増加させることによって提供することができる。代替的に、第1の可撓方向102及び第2の可撓方向104における異なる可撓性は、上記のような異なる形状のノッチ600によって生じさせることができる。可撓性の変動は、可撓性遠位シャフト500の遠位端部560の撓みの量に変換することができる。
【0039】
図2A及び2Bは、操作可能なカテーテルの側面図であって、第1の可撓方向及び第2の可撓方向における潜在的な可撓性、並びに操作可能なカテーテルを操作する方法を例示する。可撓性遠位シャフト500は、第1の可撓方向102において増加した可撓性を有することができる。可撓性遠位シャフト500は、第2の可撓方向104において減少した可撓性を有することができる。操作可能なカテーテル700を操作する方法は、好ましい配向に応じて操作可能なカテーテル100を回転させて、第1の可撓方向102及び第2の可撓方向104を変更することを可能にする。一実施例において、ラベル202は、どちらの半径方向が可撓方向102、104のうちの1つ又は2つ以上に対応するのかに関するガイダンスをユーザに提供することができる。ユーザがカテーテル100を前進させるときに、近位ハブ200を回転させることで、脈管の特定のフォーク若しくは分岐の中又は所望の進行方向に前進させるために選択した方向に向かって、可撓性遠位シャフト500を配向させることができる。
【0040】
加えて、層502、504、506、510のうちの1つは、第1の可撓方向102及び/若しくは第2の可撓方向104、又は第1の一次可撓方向140、第2の一次可撓方向142、又は第1の二次可撓方向150及び第2の二次可撓方向152の識別を容易にするために、放射線不透過性要素を含むことができる。一実施例において、外層506は、放射線不透過性要素を有する。
【0041】
図3は、操作可能なカテーテルを所望の進行方向に配向する能力を例示する、第1の可撓方向に撓曲させた操作可能なカテーテルの側面図を例示する。可撓性遠位シャフト500は、第1の可撓方向102において、表される直角の角度を含む、いくつかの角度に撓曲させることができる。可撓性遠位シャフト500は、操作可能なカテーテル100を所望の進行方向110に前進させるのを容易にするように撓曲させることができる。一実施例において、第1の可撓方向102は、ノッチ600のサブセットを閉じることによって提供することができ、一方で、第2の可撓方向104は、ノッチ600のサブセットを開くことによって提供することができる。ノッチ600のサブセットの閉鎖は、特定のノッチ600の外幅(604、604A、又は604B)によって画定される側部を、互いに接触させる、又は少なくとも撓曲していないときよりも近づけることによって提供することができる。代替的に、ノッチ600の閉鎖は、ノッチ600が撓曲していないときと比較して、可撓角度106を低減させることによって提供することができる。ノッチ600のサブセットの開放は、特定のノッチ600の外幅(604、604A、又は604B)によって画定される側部を、撓曲していないときよりも互いに少なくとも更に離すことによって提供することができる。代替的に、ノッチ600の開放は、ノッチ600が撓曲していないときと比較して、可撓角度106を増加させることによって提供することができる。
【0042】
図4A及び4Bは、操作可能なカテーテルを所望の血管分岐の中へ操作する方法の側面図を例示する。操作可能なカテーテル100は、第1の可撓方向102を所望の進行方向110に対して垂直に配向した状態で、一次血管130内に位置付けることができる。操作可能なカテーテル100は、操作可能なカテーテル700を操作する方法によって回転させて、第1の可撓方向102を所望の血管分岐120の方向に配向することができる。操作可能なカテーテル100は、第1の可撓方向102が、操作可能なカテーテル100を所望の血管分岐120の中へより容易に前進させることを可能にするように、所望の進行方向110に前進させることができる。
【0043】
図5A及び5Bは、第1の可撓方向の方向に撓曲するときの、可撓性遠位シャフトのノッチ及びそれらの配向を例示する。可撓性遠位シャフト500は、所望の血管分岐120の方向に配向された第1の可撓方向102を有することができる。
図5Bは、可撓性遠位シャフト及びノッチの拡大図を表す。ノッチ600は、第1の可撓方向102に配向することができる。ノッチ600は、可撓角度106を形成することができる。ノッチ600は、操作可能なカテーテル100の可撓性を第1の可撓方向102の方向に決定することができる。
【0044】
図6A及び6Bは、操作可能なカテーテルを係止する方法の側面図を例示する。操作可能なカテーテル800を係止する方法は、可撓性遠位シャフト500が血管分岐122の壁に接触して、所望の進行方向110における可撓性遠位シャフト500の移動を制限するように、近位ハブ200で可撓性遠位シャフト500を回転させて、第1の可撓方向102に配向させることを含むことができる。
図6Bは、血管分岐に対するノッチ及びそれらの配向の拡大側面図を表す。操作可能なカテーテル800を係止する方法は、近位ハブ200で可撓性遠位シャフト500を回転させて、ノッチ600を配向させることを含むことができ、当該ノッチは、第1の可撓方向102と同じ方向に配向される。
【0045】
係止する一例は、第1の可撓方向102を使用して所望の分岐血管120に進入して、遠位可撓性シャフト500を曲げて、分岐の中への「方向転換する」ことができる。これは、
図5A及び5Bに例示され、例示されるように、第1の可撓方向102は、湾曲の「内側」に方向付けられる。次いで、ユーザは、
図6A及び6Bに例示されるように、第1の可撓方向102が「内側」に対向するようにトルク付与するか、又はカテーテル100を回転させる。第2の可撓方向104が湾曲の「内側」に面すると、その時点で、遠位可撓性シャフト500がより「硬く」なる。より少ない可撓性を遠位シャフト500の遠位端部560に変換することで、あたかもそれがより可撓性であるかのように「鋭く」方向転換させることができない。この時点で、可撓性遠位シャフト500を移動させて、血管の「外側の」壁に接触させ、カテーテル100を適所に「係止する」。カテーテル100を係止することは、特定のプロシージャ中の、ルーメン108内の要素の展開、及びそこからの要素の取り出しを可能にすることに有益である。
【0046】
図7Aは、2つの異なる配向のノッチを有する操作可能なカテーテルの側面図を例示する。操作可能なカテーテル100は、多数の異なる配向を有するノッチを含むことができる。例えば、ノッチの1つのセットが、第1の一次可撓方向140及び第2の一次可撓方向142の方向に配向される。ノッチの1つのセットが、第1の二次可撓方向150及び第2の二次可撓方向152の方向に配向される。
【0047】
図7B及び7Cは、
図7に表される操縦可能なカテーテルの断面図を例示する。操縦可能なカテーテル100は、内層502と、異なって配向されたノッチ510を有するセグメント化中間層と、外層506と、を有することができる。
図7Bは、第1の一次可撓方向140における可撓性を可能にするように配向された一次ノッチ610を有することができる、異なって配向されたノッチ510を有する、セグメント化中間層を例示する。
図7Cは、第1の二次可撓方向150における可撓性を可能にするように配向された二次ノッチ620を有することができる、異なって配向されたノッチ510を有する、セグメント化中間層を例示する。
【0048】
図7Dは、セグメント化中間層510内の一次ノッチ610を例示する。例えば、一次ノッチ610は、深さ612と、外幅614と、内幅616と、を有する。深さ612、外幅614、及び内幅616は、第1の一次可撓方向140における可撓性に関連し得る。深さ612、外幅614、及び内幅616は、第2の一次可撓方向142における可撓性に関連し得る。
【0049】
図7Eは、セグメント化中間層510の二次ノッチ620を例示する。例えば、二次ノッチ620は、深さ622と、外幅624と、内幅624と、を有する。深さ622、外幅624、及び内幅626は、第1の二次可撓方向150における可撓性に関連し得る。深さ622、外幅624、及び内幅626は、第2の二次可撓方向152における可撓性に関連し得る。
【0050】
図8Aは、2つの異なる配向のノッチを有する操縦可能なカテーテルの側面図を例示する。操縦可能なカテーテル100は、操縦可能なカテーテル100が第1の一次可撓方向140及び第1の二次可撓方向150の可撓性を有するように、異なって配向されたノッチ510を有するセグメント化中間層を有することができる。
図8B及び8Cは、第1及び第2の一次可撓方向に対する、一次及び二次ノッチ並びにそれらの配向の拡大側面図を表す。操縦可能なカテーテル100は、第1の一次可撓方向140及び一次可撓角度144における可撓性を可能にする、一次ノッチ610を有することができる。操縦可能なカテーテル100は、第2の一次可撓方向150及び二次可撓角度154における可撓性を可能にする、二次ノッチ620を有することができる。
【0051】
実施例において、第1の一次可撓方向140は、一次ノッチ610のサブセットを閉じることによって提供することができ、一方で、第2の一次可撓方向142は、一次ノッチ610のサブセットを開くことによって提供することができる。一次ノッチ610のサブセットの閉鎖は、特定の一次ノッチ610の外幅614によって画定される側部を、互いに接触させる、又は少なくとも撓曲していないときよりも近づけることによって提供することができる。代替的に、一次ノッチ610の閉鎖は、一次ノッチ610が撓曲していないときと比較して、一次可撓角度144を低減させることによって提供することができる。一次ノッチ610のサブセットの開放は、特定の一次ノッチ610の外幅614によって画定される側部を、撓曲していないときよりも互いに少なくとも更に離すことによって提供することができる。代替的に、一次ノッチ610の開放は、一次ノッチ610が撓曲していないときと比較して、一次可撓角度144を増加させることによって提供することができる。
【0052】
実施例において、第2の一次可撓方向150は、二次ノッチ620のサブセットを閉じることによって提供することができ、一方で、第2の二次可撓方向152は、二次ノッチ620のサブセットを開くことによって提供することができる。二次ノッチ620のサブセットの閉鎖は、特定の二次ノッチ620の外幅624によって画定される側部を、互いに接触させる、又は少なくとも撓曲していないときよりも近づけることによって提供することができる。代替的に、二次ノッチ620の閉鎖は、二次ノッチ620が撓曲していないときと比較して、二次可撓角度154を低減させることによって提供することができる。二次ノッチ620のサブセットを開くことは、特定の二次ノッチ620の外幅624によって画定される側部を、撓曲していないときよりも互いに少なくとも更に離すことによって提供することができる。代替的に、二次ノッチ620の開放は、二次ノッチ620が撓曲していないときと比較して、二次可撓角度154を増加させることによって提供することができる。
【0053】
図9は、操縦可能なカテーテルを操縦するために実施することができる例示的な方法工程を概説するフロー図である。方法工程は、本明細書に記載される例示的な手段のいずれかによって、又は当業者に既知である任意の手段によって実装することができる。
【0054】
図9に概説される方法700を参照すると、工程710で、操縦可能なカテーテル100を提供することができる。工程720で、操縦可能なカテーテル100を回転させることができる。工程730で、操縦可能なカテーテル100の可撓性遠位シャフト500を好ましい方向に配向することができる。工程740で、操縦可能なカテーテル100を所望の進行方向110に前進させて、可撓性遠位シャフト500及びその第1の可撓方向102の配向から利益を得ることができる。
【0055】
図10は、操縦可能なカテーテルを係止するために実施することができる例示的な方法工程を概説するフロー図である。方法工程は、本明細書に記載される例示的な手段のいずれかによって、又は当業者に既知である任意の手段によって実装することができる。
【0056】
図10に概説される方法800を参照すると、工程810で、操縦可能なカテーテル100を提供することができる。工程820で、操縦可能なカテーテル100を回転させることができる。工程830で、操縦可能なカテーテル100の可撓性遠位シャフト500を好ましい方向に配向することができる。工程840で、操縦可能なカテーテル100を所望の進行方向110に前進させて、可撓性遠位シャフト500及びその第1の可撓方向102の配向から利益を得ることができる。工程850で、操縦可能なカテーテル700を操縦する方法に従って、可撓性遠位シャフト500が血管分岐122の壁に接触して、所望の進行方向110における可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、操縦可能なカテーテル100を回転させて、可撓性遠位シャフト500を第1の可撓方向102に配向することができる。
【0057】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書で説明されるように、本発明は、~を含む、~デバイスの数多くの変形例及び修正例を想到する。これらの修正形態は、本発明の関連技術分野の当業者に明らかであろうし、かつ、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 操作可能なカテーテルであって、
可撓性遠位シャフトを備え、前記可撓性遠位シャフトは、
近位端部と、
遠位端部と、
第1の可撓方向と、
前記第1の可撓方向とは反対の第2の可撓方向と、
内層と、
深さ、外幅、及び内幅を備える複数のノッチを備えるセグメント化中間層であって、
前記深さ、前記外幅、及び前記内幅が、可撓角度に関連しており、
前記外幅が、前記内幅よりも大きく、かつ
前記複数のノッチが、前記第1の可撓方向に曲がるように構成されている、中間層と、
外層と、を有し、
前記可撓性遠位シャフトの可撓性は、前記第1の可撓方向において任意の他の方向よりも大きい、操作可能なカテーテル。
(2) 前記複数のノッチは、第1の幾何学形状である、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
(3) 前記複数のノッチのサブセットは、第2の幾何学形状の少なくとも1つを備える、実施態様2に記載の操作可能なカテーテル。
(4) 前記複数のノッチのサブセットは、第1の深さ、第1の外幅、第1の内幅、第2の深さ、第2の外幅、及び第2の内幅のうちの少なくとも1つを備える、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
(5) 前記セグメント化中間層は、前記第2の可撓方向に曲がることに抵抗するように構成されている、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
【0059】
(6) 前記外層は、弾性である、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
(7) 近位端部と、遠位端部と、を備える中間シャフトであって、前記中間シャフトの前記遠位端部は前記可撓性遠位シャフトの前記近位端部に接続されている、中間シャフトと、
近位端部と、遠位端部と、を備える近位シャフトであって、前記近位シャフトの前記遠位端部は前記中間シャフトの前記近位端部に接続されている、近位シャフトと、
近位端部と、遠位端部と、を備える近位ハブであって、前記近位ハブの前記遠位端部は前記近位シャフトの前記近位端部に接続されている、近位ハブと、を更に備える、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
(8) 前記近位シャフトは、近位シャフト可撓性を備え、
前記中間シャフトは、中間シャフト可撓性を備え、
前記可撓性遠位シャフトの前記可撓性は、前記中間シャフト可撓性よりも大きく、
前記可撓性遠位シャフトの前記可撓性は、前記近位シャフト可撓性よりも大きく、
前記中間シャフトの前記可撓性は、前記近位シャフト可撓性よりも大きく、
前記近位シャフト可撓性から前記中間シャフト可撓性への、そして前記可撓性遠位シャフトの前記可撓性への可撓性の変化が、トルクを前記カテーテルの長さに沿って伝達することを可能にする、ことを更に含む、実施態様7に記載の操作可能なカテーテル。
(9) 前記近位ハブは、前記操作可能なカテーテルの前記第1の可撓方向を示すラベルを備える、実施態様7に記載の操作可能なカテーテル。
(10) 前記外層は、前記第1の可撓方向を決定するために、放射線不透過性要素を備える、実施態様1に記載の操作可能なカテーテル。
【0060】
(11) 操作可能なカテーテルを操作する方法であって、
第1の可撓方向と、深さ、外幅、及び内幅を備える複数のノッチを備えるセグメント化中間層と、を備える可撓性遠位シャフトを備える操作可能なカテーテルを提供することであって、前記外幅は前記内幅よりも大きく、前記複数のノッチは前記第1の可撓方向に曲がるように構成されている、ことと、
前記操作可能なカテーテルを回転させることと、
前記第1の可撓方向が所望の進行方向における移動を容易にするように前記可撓性遠位シャフトを配向させることと、
前記操作可能なカテーテルを前記所望の進行方向に前進させることと、を含む、方法。
(12) 前記第1の可撓方向とは反対の第2の可撓方向を備える操作可能なカテーテルを提供することを更に含む、実施態様11に記載の操作可能なカテーテルを操作する方法。
(13) 前記可撓性遠位シャフトの可撓性が、前記第1の可撓方向においては、任意の他の方向よりも大きい、操作可能なカテーテルを提供することを更に含む、実施態様11に記載の操作可能なカテーテルを操作する方法。
(14) 前記操作可能なカテーテルを係止する方法が、
前記可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁に接触して前記所望の進行方向における前記可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、前記操作可能なカテーテルを回転させ、前記第1の可撓方向に配向させることによって、前記可撓性遠位シャフトを適所に係止することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記操作可能なカテーテルを係止する方法が、
前記可撓性遠位シャフトが血管分岐の壁に接触して前記所望の進行方向における前記可撓性遠位シャフトの移動を制限するように、前記操作可能なカテーテルを回転させ、前記第1の可撓方向及び第2の可撓方向に配向させることによって、前記可撓性遠位シャフトを適所に係止することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0061】
(16) 操作可能なカテーテルであって、
可撓性遠位シャフトを備え、前記可撓性遠位シャフトは、
第1の一次可撓方向と、
第2の一次可撓方向と、
第1の二次可撓方向と、
第2の二次可撓方向と、
内層と、
異なって配向されたノッチを有するセグメント化中間層と、
外層と、を有し、
前記ノッチは、
一次深さ、一次外幅、及び一次内幅を備える複数の一次ノッチであって、前記一次深さ、前記一次外幅、及び前記一次内幅が、前記一次可撓角度に関連し、前記一次外幅が、前記一次内幅よりも大きく、前記複数の一次ノッチが、前記第1の一次可撓方向に曲がるように構成されている、複数の一次ノッチと、
二次深さ、二次外幅、及び二次内幅を備える複数の二次ノッチであって、前記二次深さ、前記二次外幅、及び前記二次内幅が、前記二次可撓角度に関連し、前記二次外幅が、前記二次内幅よりも大きく、前記複数の二次ノッチが、前記第1の二次可撓方向に曲がるように構成されている、複数の二次ノッチと、を備える、操作可能なカテーテル。
(17) 前記近位ハブは、前記第1の一次可撓方向及び前記第1の二次可撓方向を示すラベルを含む、実施態様16に記載の操作可能なカテーテル。
(18) 前記外層は、弾性である、実施態様16に記載の操作可能なカテーテル。
(19) 前記外層は、前記第1の一次可撓方向を決定するために、放射線不透過性要素を備える、実施態様16に記載の操作可能なカテーテル。
(20) 前記外層は、前記第1の二次可撓方向を決定するために、放射線不透過性要素を備える、実施態様16に記載の操作可能なカテーテル。