(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】機械類を有する組み立て環境における近接状態の検出
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240624BHJP
B23P 19/00 20060101ALI20240624BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240624BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240624BHJP
B23P 21/00 20060101ALN20240624BHJP
【FI】
B25J19/06
B23P19/00 304E
G08B21/02
G08B25/04 K
B23P21/00 307J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020059266
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】シスコ, ファラナズ
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, フェイ
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-170447(JP,A)
【文献】特開2006-043862(JP,A)
【文献】特開2009-276545(JP,A)
【文献】特開2011-073079(JP,A)
【文献】特開2012-096355(JP,A)
【文献】特開2015-013330(JP,A)
【文献】特開2016-057894(JP,A)
【文献】特開2017-134755(JP,A)
【文献】特開2018-032377(JP,A)
【文献】特開2018-097390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0018382(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/22-19/06
G08B 21/02-25/04
B23P 19/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み立て環境(130)における近接状態を報告するための方法(1100)であって、
クレイドル(1010)によって保持されており、かつロボット(140、1030、1250)によって加工されている部品(1000)の内部(1004)に、ブラケット(1020)のアーム(1026)を挿入すること(1102)と、
前記ブラケット(1020)の位置決めフィーチャ(1016)を、前記クレイドル(1010)の位置決めフィーチャ(1023)と接触させて設置すること(1104)と、
技術者(150、920)が装着している第1近接状態検出器(160、300、410、1260)の所在地、及び前記ロボット(140、1030、1250)の第2近接状態検出器(162、300、420、430、1290)の所在地を直接的に検出するよう、前記ブラケット(1020)のセンサ(120、1028、1270)を動作させること(1106)と、
前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)と前記第2近接状態検出器(162、300、420、430、1290)との間の距離が閾値を下回った場合に、前記技術者(150、920)に警告を提供するよう前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)に指示すること(1108)とを含む、
方法(1100)。
【請求項2】
前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)が、前記技術者(150、920)が装着している衣料品と一体化される、請求項1に記載の方法(1100)。
【請求項3】
前記センサ(120、1028、1270)を動作させること(1106)が、超広帯域(UWB)信号を受信することを含む、請求項1又は2に記載の方法(1100)。
【請求項4】
前記センサ(120、1028、1270)を動作させること(1106)が、前記ブラケット(1020)の前記アーム(1026)の下に配置されたセンサ(1028)を動作させることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項5】
前記ブラケット(1020)の位置決めフィーチャ(1016)を、前記クレイドル(1010)の位置決めフィーチャ(1023)と接触させて設置すること(1104)が、カップの中にコーンを入れることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項6】
前記警告が視覚的な刺激及び音による刺激を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項7】
前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)の慣性測定ユニット(IMU)(395)からの入力に基づいて、前記距離を更新することを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項8】
組み立て環境(130)における近接状態報告のためのシステム(100)であって、
技術者(150、920)が装着しているウエアラブルな第1近接状態検出器(160、300、410、1260)と、
前記組み立て環境(130)のセル(132、133、1200)内のロボット(140、1030、1250)に配置される、第2近接状態検出器(162、300、420、430、1290)と、
内部(1004)を有する部品(1000)を保持するクレイドル(1010)であって、位置決めフィーチャ(1023)を含むクレイドル(1010)と、
ブラケット(1020)であって、
前記クレイドル(1010)の前記位置決めフィーチャ(1023)と嵌合する位置決めフィーチャ(1016)を有するベース(1014、1210)、
前記部品(1000)の前記内部(1004)に挿入されるアーム(1026)、及び
前記アーム(1026)に配置された複数のセンサ(120、1028、1270)を備える、ブラケット(1020)とを備える、
システム(100)
。
【請求項9】
近接状態報告サーバ(110、1280)であって、前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)と前記第2近接状態検出器(162、300、420、430、1290)との間の距離を特定し、前記距離が第1閾値を下回った場合に前記第1近接状態検出器(160、300、410、1260)に通知を提供し、かつ前記距離が第2閾値を下回った場合に前記第2近接状態検出器(162、300、420、430、1290)に通知を提供する、近接状態報告サーバ(110、1280)を更に備える、請求項8に記載のシステム(100)
。
【請求項10】
前記アーム(1026)に配置された前記センサ(120、1028、1270)の各々が、前記部品(1000)の前記内部(1004)への見通し線を有する、請求項8又は9に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記ブラケット(1020)の前記位置決めフィーチャ(1016)及び前記クレイドル(1010)の前記位置決めフィーチャ(1023)が、カップとコーンからなる群から選択される、請求項8から10のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は組み立ての分野に関し、詳細には、組み立て環境における人間-機械相互作用に関する。
【背景技術】
【0002】
組み立て環境においては、新たな部品を可能な限り迅速かつ効率的に組み立てることが、依然として望ましい。ある種の組み立てタスクが自動機械によって実施される一方で、その他の組み立てタスクが人間の技術者(technicians)によって実施されるのは、よくあることである。安全を確保するために、技術者は、自動機械が動作している間、この自動機械の動作ゾーンへの進入が制限される。これにより「立ち入り禁止ゾーン」が生じるが、この立ち入り禁止ゾーンにより、技術者が作業するスピード及び効率が低減し、かつ、望ましくない組み立て速度の低減がもたらされうる。これと同時に、付近の自動機械に対する作業員の自覚に依存しないことが、依然として最良事例(best practice)である。(これができるのであれば、自動機械が、同一ゾーン内で技術者と連携して動作することが可能になる。)ゆえに、自動機械と技術者とは、両者が同一ゾーンを利用するのであれば、使用時間を分けるよう制限される。
【0003】
この問題を更に複雑にしているのは、技術者が、ゾーンの中で加工されている大型部品によって遮蔽されている場合、このゾーン内に技術者がいるかどうかを判定するのが困難になりうるということである。例えば、航空機の翼又は胴体向けの複合部品の長さは多フィートに及ぶので、視界から技術者を遮蔽することが可能である。
【0004】
したがって、上記の問題の少なくとも一部だけでなく起こりうる他の問題も考慮した、方法及び装置を有することができれば、それが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本書に記載の実施形態は、機械及び技術者の近接状態検出器と相互作用する複数のセンサを介して、この機械に対する技術者の近接状態を動的に検知する。かかるセンサは、専門技術者がいるゾーン内で部品が加工されているか否かに基づいて、種々の検出モードで(例えば種々のタイミングウインドウ又は検出方法を利用することによって)、動作することが可能である。
【0006】
一実施形態は、組み立て環境における近接状態を報告するための方法である。この方法は、クレイドルによって保持されており、かつロボットによって加工されている部品の内部に、ブラケットのアームを挿入することと、ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することと、技術者が装着している第1近接状態検出器の所在地、及びロボットの第2近接状態検出器の所在地を直接的に検出するよう、ブラケットのセンサを動作させることと、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することとを、含む。
【0007】
更なる実施形態は、プログラムされた命令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、組み立て環境における近接状態を報告するための方法を実施するよう実行可能である、非一時的コンピュータ可読媒体である。方法は、クレイドルによって保持されており、かつロボットによって加工されている部品の内部に、ブラケットのアームを挿入することと、ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することと、技術者が装着している第1近接状態検出器の所在地、及びロボットの第2近接状態検出器の所在地を直接的に検出するよう、ブラケットのセンサを動作させることと、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することとを、含む。
【0008】
更なる実施形態は、組み立て環境における近接状態報告のためのシステムである。このシステムは、ウエアラブルな第1近接状態検出器と、組み立て環境のセル内のロボットに配置される、第2近接状態検出器と、内部を有する部品を保持するクレイドルであって、位置決めフィーチャを含むクレイドルと、ブラケットとを、含む。このブラケットは、クレイドルの位置決めフィーチャと嵌合する位置決めフィーチャを有するベースと、部品の内部に挿入されるアームとアームに配置された複数のセンサとを、含む。
【0009】
その他の例示的な実施形態(例えば、上述した実施形態に関連する方法及びコンピュータ可読媒体)についても、後述されうる。上述した特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において個別に実現可能であるか、又は、更に別の実施形態であって、その更なる詳細が以下の説明及び図面を参照して理解されうる実施形態において、組み合わされることもある。
【0010】
これより、本開示の実施形態の一部について、ただ例示のためだけに、添付図面を参照して説明する。全ての図面で、同じ参照番号は同じ要素又は同種の要素を表わしている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な一実施形態における、近接状態報告システムを示す。
【
図2】例示的な一実施形態における、近接状態を報告するための方法を示すフロー図である。
【
図3】例示的な一実施形態における、近接状態検出器の図である。
【
図4】例示的な一実施形態における、近接状態検出器同士の間の距離を示す。
【
図5】例示的な一実施形態における、近接状態検出器同士の間の距離を示す。
【
図6】例示的な一実施形態における、近接状態検出器同士の間の距離を示す。
【
図7】例示的な一実施形態における、近接状態検出器と近接状態報告サーバとの間で送信される通信を示す。
【
図8】例示的な一実施形態における、近接状態検出器と近接状態報告サーバとの間で送信される通信を示す。
【
図9】例示的な一実施形態における、工場フロアにおける技術者の存在を検出して、工場フロアにおける遮蔽部品の存在に対処する(account for)ために、検知ヒューリスティック(heuristic)を選択的に調整するシステムを示す。
【
図10】例示的な一実施形態における、技術者が中にいることが可能な遮蔽部品の内部にセンサを挿入するためのブラケットを示す。
【
図11】例示的な一実施形態における、近接状態を報告するための更なる方法を示すフロー図である。
【
図12】例示的な一実施形態における、近接状態報告システムのブロック図である。
【
図13】例示的な一実施形態における、航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
【
図14】例示的な一実施形態における、航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図及び以下の説明により、本開示の具体的かつ例示的な実施形態が提供される。ゆえに、当業者は、本開示の原理を具現化する様々な構成であって、本開示の範囲に含まれている様々な構成を、(本書で明示的に説明又は図示されていなくとも)考案しうることが、認識されよう。更に、本書に記載のいかなる例も、本開示の原理の理解に役立てるためのものであり、具体的に列挙されたかかる例及び条件に限定されるものではないと、解釈すべきである。結果として、本開示は、後述する具体的な実施形態又は例には限定されず、特許請求の範囲及びその等価物によって限定されるものである。
【0013】
図1は、例示的な一実施形態における、近接状態報告システム100の図である。近接状態報告システム100は、組み立て環境内で近接状態センサ同士の間の距離を動的に特定するよう、かつ、セル内に部品が配置されているかどうかに基づいて検出のモード/ヒューリスティックを変更するよう動作可能な、任意のシステムを含む。近接状態報告システム100は、技術者と機械とを区別するよう、かつ、技術者と機械との間の距離に基づいて警告及び/又はその他の緩和策を提供するよう、更に強化されたものである。これによって、機械の付近で作業する技術者の安全が確保されると共に、セル内の機械の稼働時間も増大することにより、技術的恩恵がもたらされる。セル内の部品により技術者の検出が遮蔽されないことも確実になる。本書で使用される場合、「セル(cell)」は、専用の作業スペース又は空間であって、その中で一又は複数の機械が動作することが意図されている、あらゆる作業スペース又は空間を含む。
【0014】
この実施形態では、近接状態報告システム100は、近接状態報告サーバ110と、センサ120(例えば無線アンテナ、超広帯域(UWB)送受信器、カメラなど)とを含む。センサ120は、組み立て環境130(工場フロアなど)の一又は複数のセル132~133の中に配置されている近接状態検出器160から入力を受信する。ゆえに、センサ120は、近接状態報告サーバ110のインターフェースとして動作する。コントローラ112は、センサからの超広帯域(UWB)入力をレビューする。近接状態検出器160は、一又は複数の技術者150に装着されることが可能であり、機械140の部分142(可動構成要素など)にも配置されうる。機械140は、ロボットアームと、自動誘導車両(AGV)と、適応軌道機械(flex track machines)と、セルの中で動くその他の自動デバイスとを備えうる。図示しているように、技術者150は、セル132の中の第1位置P1において近接状態検出器160を装着しており、セル132の中の第2位置P2において近接状態検出器162を有する機械140に対して、ある距離/近接状態Dにある。近接状態検出器162は、機械140の可動部分(機械140のベース、機械140のエンドエフェクタなど)に配置されうる。更に、図示しているように、この時点で、セル133内には、技術者も近接状態検出器も存在していない。
【0015】
近接状態報告サーバ110のコントローラ112は、近接状態検出器160及び162からの信号に基づいて、近接状態検出器160及び162の各々の所在地を特定する。一又は複数の技術者の近接状態検出器160が、機械140の近接状態検出器162に、メモリ114に記憶されている所定の閾値を超えて近付くと、コントローラ112は警告を提供しうる。コントローラ112は、例えば、カスタム回路として、プログラムされた命令を実行するハードウェアプロセッサとして、又はこれらの何らかの組み合わせとして、実装されうる。
【0016】
近接状態検出器までの見通し線を遮蔽しうる(したがって、技術者又は機械の検出を妨げうる)遮蔽物170(例えば胴体の一区域や翼パネルなど)の存在に対処するために、一又は複数のミラー180が、検出経路182を形成するように設置される。ミラー180は、センサ120によって利用される電磁放射の波長を反射させることが可能である。ゆえに、センサがカメラを備える実施形態では、ミラー180は光学波長を反射させる。センサが電波長を検出する実施形態では、ミラー180は電波長を反射させることが可能である。本書で使用される場合、ミラーは、信号を実質的に(例えば10パーセントを超えて、1パーセントを超えて、等)減衰させることなく信号の方向を変える場合に、「反射させることが可能(capable of reflecting)」である。
【0017】
近接状態報告システム100(例えば近接状態報告サーバ110)は、セル132内の遮蔽物170の存在に応じて検知ヒューリスティックを調整するよう構成される。この方式では、センサ120は、検出経路182に沿ったミラー180を介して送られる信号伝達を用いて、技術者を検出することが可能である。物体の存在は、センサによって自動的に検出されうるか、又は外部ソースからコントローラ112に提供される入力によって示されうる。
【0018】
全方向性のセンサ120では、検知ヒューリスティックの変更は、(ミラーによって生じる経路長の増大による入力遅延の増大に対処するために、)入力が取得されるタイミングウインドウを調整することを含みうる。つまり、一実施形態では、経路長の増大が対応する遅延をもたらし、センサ120による入力検出のサンプリングウインドウは、遅延と等しい量だけ時間的に動かされる。サンプリングウインドウのタイミングに対するこの変更は、センサ120間で変動するが、各センサ120が相互作用するミラー180の位置及び配向に基づくことが既知である。指向性であり、かつ新たな方向に向くよう調整が可能なセンサ120では、検知ヒューリスティックの変更は、検出経路182からの信号伝達を受信するように、センサ120をあるミラー180に向けることを含みうる。一実施形態では、限られた数のセンサがその検知ヒューリスティックを調整する。この数は、遮蔽物170の背後のいかなる場所からも、一時に少なくとも3つのセンサによって技術者が検出可能であり続けることを確実にするよう選ばれ、これにより、(受信した信号タイミングを変換して、ミラーによって生じた経路の差異に対処した後に)位置の三角測量が可能になる。これにより、技術者150が、セル132の中で動いている時に検出され続けることが可能になるが、これは大変望ましいことである。
【0019】
簡潔に述べると、機械140と技術者150は、送受信器を装備して自身の所在地を通信し、かかる所在地同士が互いに比較されうる。この比較に基づいて、人間と機械とが同一のセル/ゾーン内で共に作業する時の安全を確保するために、種々のレベルの警告/対処法が(例えば、人間に警告するため、かつ/又は機械をシャットダウンするために)提供される。ミラー180を使用することで、本書で記述している近接状態を報告する技法及びシステムが、遮蔽物が存在しているか否かに関係なく、有効であり続けることが確実になる。
【0020】
近接状態報告システム100の動作の例示的な詳細について、これより
図2のフロー図に関連して説明する。この実施形態では、
図1の技術者150が、機械140が動作中のセル132への進入を企図していることが、前提となる。この機械は、例えば、航空機に使用される複合部品及び/又は金属部品を組み立て中/接合中でありうる。
【0021】
図2は、例示的な一実施形態における、近接状態を報告するための方法200を示すフロー図である。方法200のステップについて、
図1の近接状態報告システム100を参照して説明するが、当業者には、方法200はその他のシステムにおいても実施されうることが認識されよう。本書に記載のフロー図のステップは、網羅的なものではなく、その他の図示していないステップも含みうる。本書に記載のステップは、代替的な順序でも実施されうる。
【0022】
ステップ202において、技術者150は、第1近接状態検出器(例えば、近接状態検出器160のうちの一又は複数)を装備する。第1近接状態検出器は、技術者が手を使わない方式で持ち運びうるように、ウエアラブルである。例えば、近接状態検出器は、技術者の被り物(ヘルメットなど)に付加されることも、面ファスナ―(例えばVelcro)素材によって技術者150が装着している衣服に装備されることも、技術者のポケットに入れられることも、技術者150が装着するペンダント又はスマート腕時計の形態であることも、技術者150が装着している衣服に縫い付けられるか若しくは接着されることも、視覚的警告、音による警告、振動による警告、若しくはこれらの任意の組み合わせを提供するスマート保護メガネとして実装されることも、又は、その他の手段によって装備されることもある。更なる実施形態では、第1近接状態検出器は、携帯電話又はタブレットを含み、かつ、全地球測位システム(GPS)技術といった技術を利用しうる。
【0023】
ステップ204において、組み立て環境130の中で動く機械140の一部分142に、第2近接状態検出器が配置される。このことは、複数の近接状態検出器162をセルの中の各機械140に固定すること(例えば、各機械の表面上又は内部に配置すること)を含んでよく、かつ、整備又は検査が求められる前の、機械140の初期設定・較正の時に実施されうる。一部の実施形態では、第2近接状態検出器(すなわち近接状態検出器162)は、機械140の電力供給源に連結され、機械140のコントローラと通信する。第1近接状態検出器(すなわち近接状態検出器160)及び第2近接状態検出器(すなわち近接状態検出器162)が定位置にある状態で、技術者150が、(例えば、検査、組み立て支援、又は整備を実施するために)セル132内に進入する。この時、セル132内の機械140は、動作を継続してよい。しかし、機械は、第2近接状態検出器の設置中にも、近接状態検出器の使用中にも、継続的に動いていることが必要なわけではない。むしろ、近接状態検出器は、機械の稼働中と機械の稼働休止中の両方において、機械の位置を検出することが可能である。
【0024】
ステップ206において、コントローラ112は、セルの中に遮蔽物170(例えば、胴体の一区域又は翼といった、セル内で加工されている部品)が存在するかどうかを判定する。一実施形態では、コントローラ112は、機械140の作動を指示する数値制御(NC)プログラムのレビューに基づいて、遮蔽物170が存在するかどうかを判定する。機械140の現時点のNCプログラムが、遮蔽物に加工を実施するよう指示されているのであれば、コントローラ112は、遮蔽物170が存在すると推定する(なぜなら、現時点でセル内の機械によってそれが加工されているからである)。更なる実施形態では、コントローラ112は、技術者150によって直接的に提供される入力に基づいて、又はセンサ120からの入力に基づいて、遮蔽物170の存在を推定する。例えば、セル132が、限定的に選択された部品であって、各々が予測配向を有する部品に加工を実施するのに利用されている時、センサ120は、センサ120からの入力に直接的に基づいて(例えば、遮蔽物170がセル132の中に配置されていることを示すセンサの数値に基づいて)、遮蔽物170の存在を検出する。例えば、センサ120は、センサの下方の距離を測定するためにレーザ又は音響センサを利用しうる。複数のセンサによって測定された距離がフロアまでの既知の距離を下回る場合には、遮蔽物170が存在している。更なる実施形態では、遮蔽物の存在の検出という目的のために、カメラの形態のセンサ120が利用される。
【0025】
ステップ208は、遮蔽物170が存在しない時に、第1近接状態検出器の所在地及び第2近接状態検出器の所在地を直接的に検出するよう、セル132のセンサ120を動作させることを含む。一実施形態では、第1近接状態検出器は、組み立て環境130内のセンサ120(例えば、セル132の外部に配置されたセンサ120、セル132の内部に配置されたセンサ120、機械140に配置されたセンサ120など)に第1信号を送信する。第1信号は、第1近接状態検出器から直接的に(すなわちミラー180による反射なしで)、センサ120において受信される。
【0026】
この実施形態では、第1信号は、第1近接状態検出器を組み立て環境130内のその他の近接状態検出器160及び162から区別する、第1近接状態検出器の固有の識別子を提供する、超広帯域(UWB)無線信号を含む。第1近接状態検出器は、近接状態報告サーバ110のメモリ114において示される、ある特定の技術者に関連付けられうる。更なる実施形態では、第1信号は更に、第1近接状態検出器が取り付けられている技術者又は機械を明示する。更に別の実施形態では、第1信号は、複数の異なる無線帯域又は通信チャネルを経て送信される。第1信号は、ある種の実施形態では、視覚コードとして、発光ダイオード(LED)により送信されることもある。複数の別個の通信チャネルにより第1信号を送信することで、この信号がセンサ120によって受信され、処理されうることが確実になるという、技術的恩恵がもたらされる。第1信号は、連続的に送信されても、周期的に(例えば1秒あたり1回若しくは複数回)送信されてもよい。
【0027】
第2近接状態検出器(すなわち近接状態検出器162)は、センサ120に第2信号を送信する。第2信号は、第2近接状態検出器から直接的に(すなわちミラー180による反射なしで)、センサ120において受信される。第2信号は、この第2近接状態検出器を一意的に特定するものであり、第1信号と同様な方式で、同じチャネルを介して送信されうる。第1信号及び第2信号は、センサ120で受信され、解析のために近接状態報告サーバ110に提供される。次に、コントローラ112は、近接状態検出器の所在地を特定するために、三角測量を実施してよく、かつ、センサ120のうちの一又は複数によるミラーの使用に対処するために、タイミング系及び/又は座標系に望ましい変換を適用しうる。
【0028】
どこかの時点において、遮蔽物170がセル132に付加され、これにより、セル132に進入する技術者は、特定の場所にいる時に直接的な視認から遮蔽されることになる。この状況は、コントローラ112によって検出される。
【0029】
ステップ210は、遮蔽物170が存在する時に、ミラー180を介して第1近接状態検出器の所在地P1及び第2近接状態検出器の所在地P2を間接的に検出するよう、セル132のセンサ120を動作させることを含む。このことは、センサが指向性である実施形態では、センサ120をミラー180のうちの一又は複数の方に向けることを含みうる。一実施形態では、三角測量を可能にするために、センサは、各場所に少なくとも3つの個別の経路が提供されるように、ミラーと相互作用する。間接検出は、センサが全方向性である実施形態では、センサ120の検知ヒューリスティックを変化させることを更に含みうる。各センサには、予測される最大検出距離と最小検出距離があり、これらは、センサ120からの入力がレビューされるサンプリングウインドウに対応する。検出経路182を進む信号伝達は、最大検出距離及び最小検出距離を変化させ(例えば増大させ)、ひいては、入来信号伝達が予測されるタイミングを変化させる(例えば拡大する)。ゆえに、信号が解析のために取得されるサンプリングウインドウは、予測される信号伝達タイミングの変化と等しい量だけ、調整されうる。受信された信号伝達に基づいて、第1近接状態検出器の所在地、及び第2近接状態検出器の所在値が、(例えば三角測量によって)特定される。
【0030】
近接状態検出器の所在地が既知となることにより、コントローラ112は、ステップ212において、近接状態検出器同士の間の距離を特定する。このことは、各センサの位置を示す、メモリ114に記憶された情報を参照すること、各センサ120において受信された信号の強度に基づいて、第1近接状態検出器の第1位置P1、及び第2近接状態検出器の第2位置P2を三角測量すること、及び第1位置と第2位置との間の離間量を特定することによって、実施されうる。メモリ114は、このプロセスの一部として、センサ120からの信号を記憶しうる。センサ120がカメラを含む更なる実施形態では、各カメラの角度、及び立体視の機器又は技法が、位置を特定するために使用されることもある。更なる実施形態では、コントローラ112は、どの近接状態検出器同士の間の距離を特定するかを、選択しうる。例えば、コントローラ112は、複数の技術者に配置された複数の近接状態検出器同士の間、同一の主体(例えば同一技術者、同一機械など)に配置された複数の近接状態検出器同士の間、(例えば、機械向けの既存の衝突回避技術により衝突が既に防止されている状況においては)複数の機械に配置された複数の近接状態検出器同士の間などでは、選択的に、距離特定を控えることもある。これにより、コントローラ112が最も適切な(すなわち、安全性を強化する可能性が最も高い)距離特定を実施するためのリソースの割り当てを増大させることが、可能になりうる。更に別の実施形態では、技術者又は機械の現時点でのスピード及び/又は方向を特定するために、経時的に取得された距離データに対して、モーション検出技法が使用されうる。距離が特定されると、この距離は閾値と比較される。距離が閾値(例えば、技術者に安全警告が提供される距離、又は安全を確保するために機械が停止する距離)を下回った場合には、処理はステップ206へと続き、システムは近接状態検出器の新たな所在地を特定する。あるいは、距離が閾値の範囲内であれば、処理はステップ214へと続く。
【0031】
ステップ214は、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することを含む。本書に記載の(かつ
図4から
図6に示している)距離閾値は、機械ごとに静的に規定されても、又は、機械が動作を継続するにつれて、機械のNCプログラムに示される動き及び/若しくはNCプログラムにおける機械の位置に基づいて、動的に規定されてもよい。例えば、機械の将来の経路により、その機械と技術者との距離が縮まることが予測される場合、より迅速に警告を発することを確実にするために、閾値は加増されうる。
【0032】
一実施形態では、距離が第1閾値を下回らなければ、技術者150は機械140から離れていることになる。したがって、機械140は動作を継続しうる。あるいは、距離が第1閾値を下回っている場合には、コントローラ112が、技術者150に警告を提供するよう、検出経路182を介して(例えばセンサ120を介して)第1近接状態検出器に指示する。つまり、警告は、検出経路182を通じて提供される。具体的には、検出経路182を通じて提供される送信により、第1近接状態検出器が、任意の好適な手段(例えば、視覚的手段、音響的手段、振動手段など)を介して、技術者に警報を出す。セル132内の動作環境は、視覚的な、音による、及び/又はその他の刺激を含むことがあり、これらの刺激は、技術者150の感覚を弛緩させうる。したがって、警告は、複数の感覚を刺激するよう(例えば、明るい光、振動運動、及び/又は独特の音により)生成されうる。警告は、機械に対する技術者の所在地に応じて、「前進停止」「左方向に動くな」「南方向に動くな」、又は類似の文言を発声する、音声警告の形態をとることもある。警告は、自覚及び用心の増大を促す、技術者150に対する合図である。更なる実施形態では、警告は、技術者のヘルメット、メガネ、若しくは手袋における光の点滅という形態で、又は機械における光の点滅若しくはサイレンとして、実装されうる。
【0033】
第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が第2閾値を下回った場合には、コントローラ112は、停止するよう機械140に指示する。これによって、たとえ技術者がアクティブに動作している機械に接近しても、技術者の安全が保たれることが確実になることにより、技術的恩恵がもたらされる。これにより、技術的恩恵が更にもたらされる。各機械自体が、技術者を回避するための専用のセンサ及びロジックを含むことが、必要ではなくなるからである。
【0034】
方法200は、近接状態検出器の複数の組に関して、実質的に同時にかつ非同期的に実施されうる。例えば、方法200は、技術者の近接状態検出器と更なる機械における近接状態検出器との間の、更なる距離を特定するために実施されうる。これにより、製造セルの中の(又は工場フロア全体においても)関連する全ての主体に関して、近接状態の検出が実施されることが可能になる。方法200により、遮蔽物(大型部品など)が技術者を検出できなくするのを防止することによって、技術的恩恵が更にもたらされる。方法200により、ロボット産業協会(RIA)標準(RIA15,06など)への準拠が可能になることによって、技術的恩恵が更にもたらされる。
【0035】
図3は、例示的な一実施形態における、近接状態検出器300の図である。近接状態検出器300は、コントローラ310、メモリ320、及び主要送受信器330に加えて、副次的送受信器340も含む。主要送受信器330及び副次的送受信器340は、近接状態検出器300から信号を送信するために別々の周波数範囲(又は、光と無線といった別々の通信モダリティ)を使用して動作する。ゆえに、一方の周波数範囲が干渉又はノイズを受けても、他方の送受信器は、別の周波数範囲で信号を提供することが可能なままである。近接状態検出器300は、振動発生装置360(例えばピエゾ素子、振動モータなど)、及びスピーカー350も含む。コントローラ310は、警告を生成する時に、これらの要素の一方又は両方を始動させて、技術者の注意を引き付けうる。更なる実施形態では、近接状態検出器300は、警告を提供する光の点滅、その他の視覚的入力、又は振動を引き起こすよう、技術者150が装着している眼装具において警報を生成しうる。例えば、眼装具の、技術者のこめかみの近く、詳細にはつるの端部にある部分により、音による警告が生成されうる。更なる実施形態では、眼装具は、視覚的警告、音による警告、若しくは振動による警告、又はこれらの任意の組み合わせを伴う、スマート保護メガネを含む。一部の実施形態では、ブルートゥース技術が利用され、この場合、技術者は、近接状態検出器を実装する、帽子、ヘルメット、手袋、メガネ、ベストなどといったウエアラブルデバイスと通信可能な、基地局を装着する。この実施形態では、第1近接状態検出器を技術者に装備させることは、第1近接状態検出器を含む/第1近接状態検出器と一体化された衣料品を装着するよう、(例えば標示や手順書によって)技術者に指示することを含む。この実施形態では、近接状態検出器300は、バッテリー370及びセンサ380も含む。センサ380は、(例えばバッテリー370における電圧を測定することによって、)バッテリーレベルを検出する。センサ380は、コントローラ310にこのバッテリーレベルを報告しうる。バッテリーレベルが望ましい値を下回った場合には、コントローラ310は、スピーカー350及び/又は振動発生装置360を通じて、バッテリーレベル警告を生成しうる。近接状態検出器300は、ボタン390を更に含みうる。ボタン390を推すことで、第1近接状態検出器は、技術者150と同じセル内にある機械140を遠隔停止させるためのコマンドを発するよう動作しうる。
【0036】
図3は、近接状態検出器300の運動を示す加速度を検出することが可能な、慣性測定ユニット(IMU395)を更に示している。かかる加速度をある時間にわたって(例えば一秒に一回、一秒未満に一回、数キロヘルツにつき一回等)積分することによって、技術者の動きが確認されうる。この情報は、センサ120を通じて特定された所在地のデータを認証するか又は補完するために利用されうる。例えば、IMU395は、センサ120のサンプリングレートよりも実質的に高いサンプリングレートを有しうる。ゆえに、IMU395は、センサ120により受信/送信されたUWBのパルス間における、技術者の急速運動を検出するために利用されうる。これは、技術者がセンサ120の検出のパルス間で急速に動いたとしても、この技術者の位置を正確に検出するのに役立つ。
【0037】
IMU395は、一実施形態では、コントローラ112に最新の位置情報を提供する一方、更なる実施形態では、近接状態検出器300だけでなく機械の近接状態検出器についても、所在地を示す情報を受信する。コントローラ310は次いで、その位置を、センサ120が動作していない(例えば一秒未満の)休止時間(lulls)中に、IMU395からの入力に基づいて内部的に更新する。IMU395からの入力が、休止時間中に近接状態検出器300が閾値距離(例えば
図4から
図6のD2)を超えて近づいたことを示すと、コントローラ310は、近接状態検出器300を装着している技術者に警告するために、上述したように警告を生成する。
【0038】
更なる実施形態では、近接状態報告サーバ110にバッテリーレベル情報が報告されうる。各セルは、所定のバッテリーレベルに関連付けられうる。これは、そのセル内で技術者が検査又は整備を実施している間、近接状態検出器300が動作を継続することを確実にするために望ましい、バッテリーレベルでありうる。(例えば、近接状態検出器300の三角測量された所在地に基づいて決定された)セルへの進入に当たり、コントローラ112は、現時点のバッテリーレベルと、そのセルにとって望ましいバッテリーレベルとを比較しうる。コントローラ112は更に、技術者がセルへの進入を試行している時にバッテリーレベルが所定のバッテリーレベルを下回っている場合、警告を生成するよう近接状態検出器300に指示しうる。近接状態報告サーバ110は更に、技術者が(この技術者が中にいる)セル132内に留まると予測される時間を推定し、検査又は整備のプロセスにおいてバッテリーレベルがその時点で予測されるバッテリーレベルよりも低くなると、近接状態検出器300にバッテリーレベル警告を生成するよう命令しうる。
【0039】
更に別の実施形態では、近接状態報告サーバ110は、近接状態検出器が既定の時間(例えば1秒間、10秒間、30秒間、1分間など)よりも長い時間にわたって信号を送信していないことを特定しうる。この特定に応じて、近接状態報告サーバ110は、近接状態検出器が最後に検出されたセル内に配置された全ての機械に、停止命令を送信しうる。これにより、予期されない電力損失が近接状態検出器に発生した際にも安全が確保され、全体的なバッテリー損失又はデバイス故障が発生しても、技術者がセルから安全に退出することが可能になる。
【0040】
更なる近接状態検出器(機械140に配置されるものなど)は、振動発生装置、バッテリー、バッテリーセンサ、及び/又はスピーカーを伴わずに装備されうる。かかる近接状態センサは、それらが取り付けられる機械の電源に直接的に取り付けられてよく、それらが装着される機械140のコントローラと直接的に通信するコントローラを有しうる。
【0041】
図4から
図6は、例示的な一実施形態における、近接状態検出器同士の間の距離を示している。この実施形態では、近接状態検出器410が、セルの中で動く技術者に配置されていることが、前提となる。技術者は、
図4に示しているように、第1機械に配置された近接状態検出器420、及び第2機械に配置された近接状態検出器430に向かって動いている。近接状態検出器420及び430が取り付けられているこれらの機械も、別々の方向に動いている。技術者及び機械が動くにつれ、近接状態検出器410と近接状態検出器420及び430との間の距離が縮まった末に、近接状態検出器420は、
図5に示しているように、距離D2の範囲内に入る。これにより、近接状態検出器410は警告を発出する。
図6では、技術者及び機械の動きが継続したことにより、近接状態検出器420は距離D1の範囲内に、近接状態検出器430は距離D2の範囲内に入っている。近接状態検出器410からの警告の発出は継続しており、近接状態検出器420が取り付けられている機械は停止する。機械を停止させることは、機械の動きを妨げること、機械を稼働停止させること、機械を動かして「安全(safety)」ポーズ若しくはその他の縮納状態にすること、又は機械が技術者から離れるように能動的に動くようにさせることを、含みうる。
【0042】
図7から
図8は、例示的な一実施形態における、近接状態検出器と近接状態報告サーバとの間で送信される通信を示している。
図7は、近接状態検出器によって送信される信号の通信700を示している。この通信は、周知の無線プロトコルにしたがって(例えば、IEEE802.11プロトコルやブルートゥースなどにしたがって)パケット化されてよく、センサ120を介して受信されうるか、さもなければ、情報を運ぶよう変調されうる。
図7によると、通信700は、近接状態検出器が取り付けられている機械又は人物を示すマスタIDを含む。通信700は、近接状態検出器を、同じ人物又は機械におけるその他の近接状態検出器から一意的に区別する、デバイスIDも含む。通信700は更に、その通信を生成した近接状態検出器のバッテリーレベルを報告する。
【0043】
図8は、近接状態報告サーバ110により近接状態検出器に提供されうる、通信800を示している。この実施形態では、通信800は通知を含む。通信800は、デバイスに割り振られた識別子と、近接状態検出器に割り振られた識別子と、この近接状態検出器に提供される命令とを含む。例示的な命令は、警告、動作停止命令、動作再開命令、及びその他を含みうる。例えば、機械における近接状態検出器の距離が第1閾値を下回ると、第1通知(例えば、警告を発するよう第1近接状態検出器に指示する通知)が、技術者が装着している近接状態検出器に提供されてよく、第2通知(例えば、機械を停止させるかシャットダウンするよう第2近接状態検出器に指示する通知)は、第1閾値よりも小さい第2閾値を下回る距離にある第2近接状態検出器に提供されうる。
【0044】
図9は、例示的な一実施形態における、工場フロアにおける技術者の存在を検出して、工場フロアにおける遮蔽部品の存在に対処するために、検知ヒューリスティックを選択的に調整するシステムを示している。
図9では、セル910は技術者920を含んでいる。このセルに翼930が搬入される前に、センサ940は、技術者の近接状態検出器の存在を直接的に検出する。しかし、セルに翼930が搬入された後には、技術者は、全ての場所から、全てのセンサにとって、直接的に視認可能なわけではなくなる。つまり、全てのセンサが技術者920に対する直接的な見通し線を有するわけではなくなる。ゆえに、センサ940は、センサのうちの一又は複数が、ミラー942を介して技術者の存在を間接的に検出するモードで動作する。この検出方式に基づいて、技術者920から機械950までの距離(例えば
図1のD)が特定される。
【0045】
図10は、例示的な一実施形態における、技術者920が中に入ることが可能な遮蔽部品1000(航空機胴体の一部又は一区域など)の内部1004にセンサ1028を挿入するための、ブラケット1020を示している。技術者が遮蔽物1000(例えば加工されている部品)の内部1004にいても、機械に対するこの技術者の近接状態の検出を可能にするために、ブラケット1020及び類似のデバイスが利用されうる。
図10では、遮蔽物1000は外側1002を含み、外側1002は、(例えば、検出に使用される波長に対して非透過性であるので)内部1004にいる技術者の検出を遮蔽する。遮蔽物1000は、クレイドル1010によって保持され、クレイドル1010は、物理的な支持を提供するベース1014及び柱1012を含む。ベース1014は、ブラケット1020を正確に配置するための位置決めフィーチャ1016(例えばカップ又はコーン)を含む。ゆえに、位置決めフィーチャ1016のところの定位置に位置決めフィーチャ1023(例えばコーン又はカップ)が設置されると、遮蔽物1000に対するブラケット1020の位置が正確に分かる。ブラケット1020のベース1022、タワー1024、及びアーム1026は剛性であるので、遮蔽物1000に対するセンサ1028(UWBセンサなど)の位置も分かる。これにより、アーム1026に/アーム1026の下に配置されたセンサ1028が、内部1004の中の技術者を正確に追跡するため、かつ、技術者と、遮蔽物1000の内部に加工を実施する機械1030との間の距離を特定するために、利用されることが可能になる。
【0046】
図11は、例示的な一実施形態における、近接状態を報告するための更なる方法1100を示すフロー図である。ステップ1102は、クレイドルによって保持されており、かつ機械によって加工されている部品の内部に、ブラケットのアームを挿入することを含む。これは、アーム1026に配置されたセンサ1028の各々が、部品の内部への見通し線を有することを意味する。ステップ1104は、ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することを含む。このことは、カップにコーンを入れることを含みうる。ステップ1106において、ブラケットのセンサは、技術者が装着している第1近接状態検出器の所在地、及び機械の第2近接状態検出器の所在地を、直接的に検出するよう動作する。一実施形態では、センサを動作させることは、近接状態検出器からUWB信号を受信することを含む。ステップ1108は、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することを含む。一実施形態では、このことは、距離が第1閾値を下回った場合に、近接状態報告サーバから(例えばセンサ1028を介して)技術者のところの第1近接状態検出器への、送信を開始することを含む。この送信に応じて、第1近接状態検出器は技術者に警告を提供する。距離が第1閾値よりも小さい第2閾値を下回った場合、近接状態報告サーバは機械への送信を開始し、この送信が機械を停止させる。
【0047】
方法1100は、加工されている部品の内部に技術者が隠されていても、機械に対するこの技術者の近接状態の追跡を可能にすることによって、従来技法を凌駕する技術的恩恵をもたらす。
【0048】
例
以下の例では、近接状態報告システムの観点から、更なるプロセス、システム、及び方法について説明する。
【0049】
図12は、例示的な一実施形態における、近接状態報告システムのブロック図である。
図12に示しているように、製造セル1200は機械1250を含む。機械1250は、ベース1210に取り付けられ、コントローラ1252を含む。コントローラ1252は、剛性体1220及び1230を(例えば、数値制御(NC)プログラムにしたがって)再位置付けするために、アクチュエータ1212、1214、及び1216の動作を指示する。これにより、エンドエフェクタ1232も再位置付けされる。アクチュエータクチュエータ1212、1214、及び1216と剛性体1220及び1230(エンドエフェクタ1232を含む)とを組み合わせることで、運動連鎖1254が形成される。
【0050】
近接状態検出器1290は、機械1250に装着され、コントローラ1252と通信するよう連結される。近接状態検出器1290はコントローラ1292を含み、コントローラ1292は、近接状態報告サーバ1280によって処理される信号を生成し、かつメモリ1294を更に含む。冗長性を提供し、かつ信号が干渉を受ける可能性を低減するために、信号は、主要送受信器1296及び/又は副次的送受信器1298を介して送信される。近接状態検出器1290から送信された信号は、センサ1270において受信される。
【0051】
近接状態報告サーバ1280は、メモリ1282とコントローラ1284とを備える。メモリ1282は、第1閾値と、第1閾値を下回る第2閾値とを示すデータを記憶する。コントローラ1284は、組み立て環境のセルの中に遮蔽物が存在するかどうかを判定し、かつ遮蔽物が存在する時に、ミラーを介して第1近接状態検出器の所在地及び第2近接状態検出器の所在地を間接的に検出するよう、セルのセンサを動作させる。コントローラ1284は、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離を特定し、この距離が第1閾値を下回った場合に第1近接状態検出器に通知を提供し、かつ距離が第2閾値を下回った場合に第2近接状態検出器に通知を提供する。
【0052】
近接状態検出器1260は、製造セル1200の中で技術者に装着される。近接状態検出器1260は、信号を生成するコントローラ1261と、信号を生成し解読するための命令を記憶するメモリ1262とを含む。近接状態検出器1260は、主要送受信器1263と、副次的送受信器1264とを更に含む。スピーカー1265及び振動発生装置1266が、技術者向けの警告を生成するために使用され、バッテリー1267が携帯電力(mobile power)を提供する。センサ1268は、解読されるよう、コントローラ1261にバッテリーレベルを報告する。リフレクタ/ミラー1299も図示されており、これらは、遮蔽物の存在に対処するためにセンサ1270の検知ヒューリスティックが変更される時に、選択的に利用される。
【0053】
図面をより詳細に参照するに、本開示の実施形態は、
図13に示している方法1300における航空機の製造及び保守の観点から、並びに
図14に示している航空機1302の観点から、説明されうる。製造前段階では、方法1300は、航空機1302の仕様及び設計1304と、材料の調達1306とを含みうる。製造段階において、航空機1302のコンポーネント及びサブアセンブリの製造1308と、システムインテグレーション1310とが行われる。その後、航空機1302は、認可及び納品1312を経て、運航1314に供されうる。顧客により運航されている期間中、航空機1302には、整備及び保守1316(改変、再構成、改修なども含みうる)の定期的な作業が予定される。本書で具現化されている装置及び方法は、方法1300に記載の製造及び保守の、任意の好適な一又は複数の段階(例えば、仕様及び設計1304、材料の調達1306、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、認可及び納品1312、運航1314、整備及び保守1316)において、及び/又は、航空機1302の任意の好適な構成要素(例えば、機体1318、システム1320、内装1322、推進システム1324、電気システム1326、液圧システム1328、環境システム1330)で、用いられうる。
【0054】
方法1300の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。この明細書では、システムインテグレータは任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、かつ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0055】
図14に示しているように、方法1300によって製造される航空機1302は、複数のシステム1320及び内装1322を有する、機体1318を含みうる。システム1320の例は、推進システム1324、電気システム1326、液圧システム1328、及び環境システム1330のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムも含まれうる。航空宇宙関連の例を示しているが、本発明の原理は、他の産業(自動車産業など)にも適用されうる。
【0056】
既に上述したように、本書で具現化されている装置及び方法は、方法1300に記載の製造及び保守の、一又は複数の任意の段階において用いられうる。例えば、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機1302の運航期間中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方式で製作又は製造されうる。また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機1302の組立てを著しく効率化するか、又は航空機1302のコストを大幅に削減することにより、サブアセンブリの製造1308及びシステムインテグレーション1310において利用されうる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせのうちの一又は複数は、航空機1302の運航期間中に(限定するわけではないが例としては、整備及び保守1316において)利用されうる。例えば、本書に記載の技法及びシステムは、材料の調達1306、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、運航1314、及び/又は整備及び保守1316で使用されてよく、かつ/又は、機体1318及び/又は内装1322に使用されうる。かかる技法及びシステムは、例えば推進システム1324、電気システム1326、液圧システム1328、及び/又は環境システム1330を含む、システム1320にも利用されうる。
【0057】
一実施形態では、部品は、機体1318の一部分を含み、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308において製造される。この部品は、この場合、システムインテグレーション1310において航空機に組み立てられてよく、次いで、摩耗によりこの部品が使用不可となるまで、運航1314において利用されうる。その後、整備及び保守1316においてこの部品は廃棄されてよく、新たに製造された部品と交換されうる。新たな部品を製造するシステムの検査及び整備を容易にするために、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308の全体を通じて、新規な構成要素及び方法が利用されうる。
【0058】
図示しているか、又は本書に記載している様々な制御要素(例えば電気的構成要素又は電子部品)はいずれも、ハードウェア、プロセッサ実装ソフトウェア、プロセッサ実装ファームウェア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装されうる。例えば、ある要素は専用ハードウェアとして実装されうる。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ(processors)」、「コントローラ(controllers)」と称されうるか、又は何らかの類似の用語で呼ばれうる。機能は、プロセッサによって提供される場合、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、又は、複数の個別のプロセッサであって、その一部が共用でありうるプロセッサによって、提供されうる。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアのみを表わしていると解釈すべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)若しくはその他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェア記憶用の読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、論理、又は、他の何らかの物理的ハードウェアの構成要素若しくはモジュールを黙示的に含みうるが、それらに限定されるわけではない。
【0059】
また、制御要素は、要素の機能を実施するためにプロセッサ又はコンピュータによって実行可能な命令として、実装されうる。命令の例の一部は、ソフトウェア、プログラムコード、及びファームウェアである。命令は、プロセッサによって実行されると、要素の機能を実施することをプロセッサに指示するよう、実行可能である。命令は、プロセッサによって可読な記憶デバイスに記憶されうる。記憶デバイスの例の一部は、デジタル若しくはソリッドステートのメモリ、磁気ディスク及び磁気テープといった磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学的に可読なデジタルデータ記憶媒体である。
【0060】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0061】
条項1.組み立て環境における近接状態を報告するための方法であって、クレイドルによって保持されており、かつロボットによって加工されている部品の内部に、ブラケットのアームを挿入することと、ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することと、技術者が装着している第1近接状態検出器の所在地、及びロボットの第2近接状態検出器の所在地を直接的に検出するよう、ブラケットのセンサを動作させることと、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することとを含む、
方法。
【0062】
条項2.第1近接状態検出器が、技術者が装着している衣料品と一体化される、条項1に記載の方法。
【0063】
条項3.センサを動作させることが、超広帯域(UWB)信号を受信することを含む、条項1又は2に記載の方法。
【0064】
条項4.センサを動作させることが、ブラケットのアームの下に配置されたセンサを動作させることを含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
条項5.ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することが、カップにコーンを入れることを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
条項6.警告が視覚的な刺激及び音による刺激を含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
条項7.第1近接状態検出器の慣性測定ユニット(IMU)からの入力に基づいて、距離を更新することを更に含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
条項8.条項1から7のいずれか一項に記載の方法にしたがって組み立てられた、航空機の一部分。
【0069】
条項9.プログラムされた命令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、組み立て環境における近接状態を報告するための条項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するよう実行可能である、媒体。
【0070】
条項10.プログラムされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、この命令は、プロセッサによって実行されると、組み立て環境における近接状態を報告するための方法を実施するよう実行可能であり、この方法が、クレイドルによって保持されており、かつロボットによって加工されている部品の内部に、ブラケットのアームを挿入することと、ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することと、技術者が装着している第1近接状態検出器の所在地、及びロボットの第2近接状態検出器の所在地を直接的に検出するよう、ブラケットのセンサを動作させることと、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離が閾値を下回った場合に、技術者に警告を提供するよう第1近接状態検出器に指示することとを含む、
媒体。
【0071】
条項11.第1近接状態検出器が、技術者が装着している衣料品と一体化される、条項10に記載の媒体。
【0072】
条項12.センサを動作させることが、超広帯域(UWB)信号を受信することを含む、条項10又は11に記載の媒体。
【0073】
条項13.センサを動作させることが、ブラケットのアームの下に配置されたセンサを動作させることを含む、条項10から12のいずれか一項に記載の媒体。
【0074】
条項14.ブラケットの位置決めフィーチャを、クレイドルの位置決めフィーチャと接触させて設置することが、カップにコーンを入れることを含む、条項10から13のいずれか一項に記載の媒体。
【0075】
条項15.警告が視覚的な刺激及び音による刺激を含む、条項10から14のいずれか一項に記載の媒体。
【0076】
条項16.第1近接状態検出器の慣性測定ユニット(IMU)からの入力に基づいて、距離を更新することを更に含む、条項10から15のいずれか一項に記載の媒体。
【0077】
条項17.条項10から16のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体に記憶された命令によって規定される方法にしたがって組み立てられた、航空機の一部分。
【0078】
条項18.組み立て環境における近接状態報告のためのシステムであって、ウエアラブルな第1近接状態検出器と、組み立て環境のセル内のロボットに配置される、第2近接状態検出器と、内部を有する部品を保持するクレイドルであって、位置決めフィーチャを含むクレイドルと、ブラケットであって、クレイドルの位置決めフィーチャと嵌合する位置決めフィーチャを有するベース、部品の内部に挿入されるアーム、及びアームに配置された複数のセンサを備える、ブラケットとを備える、
システム。
【0079】
条項19.センサが超広帯域(UWB)センサを含む、条項18に記載のシステム。
【0080】
条項20.近接状態サーバであって、第1近接状態検出器と第2近接状態検出器との間の距離を特定し、この距離が第1閾値を下回った場合に第1近接状態検出器に通知を提供し、かつ距離が第2閾値を下回った場合に第2近接状態検出器に通知を提供する、近接状態サーバを更に備える、条項18又は19に記載のシステム。
【0081】
条項21.部品が航空機の胴体の一区域を含む、条項18から20のいずれか一項に記載のシステム。
【0082】
条項22.アームに配置されたセンサの各々が、部品の内部への見通し線を有する、条項18から21のいずれか一項に記載のシステム。
【0083】
条項23.ブラケットの位置決めフィーチャ及びクレイドルの位置決めフィーチャが、カップ及びコーンからなる群から選択される、条項18から22のいずれか一項に記載のシステム。
【0084】
条項24.条項18から23のいずれか一項に記載のシステムを使用する、航空機の一部分の製造。
【0085】
本書には具体的な実施形態が記載されているが、本開示の範囲は、かかる具体的な実施形態に限定されるものではない。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲、及びその均等物があればそれらによって定められる。