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特許7508263画像処理装置、その制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】画像処理装置、その制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240624BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240624BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240624BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240624BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240624BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20240624BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 838
B41J29/42 F
B41J29/38 202
G03G21/00 386
G03G21/14
G06F3/0487
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020082847
(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公開番号】P2021177617
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】小花 祐輔
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G03G 21/14
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、
前記画像処理装置の表示部で、カード情報が対応付けて登録されているショートカットに関する情報を表示する際には、前記ショートカットに対応付けて登録されているカード情報をそのまま表示することなく、前記ショートカットにカード情報が対応付けられていることが把握できるよう表示を制御する制御手段と、を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ショートカットにカード情報が対応付けられていることが把握できる表示として、ハッシュ化したカード情報の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、カード情報の公開が許可されている場合には、カード情報が対応付けて登録されているショートカットに関する情報を表示する際に、前記ショートカットに対応付けて登録されているカード情報をそのまま表示するよう制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、カード情報が対応付けて登録されていないショートカットに関する情報を表示する際には、前記ショートカットにカード情報が対応付けられていないことが把握できるよう表示を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記登録手段は、前記ショートカット、前記カード情報、カード情報の公開が許可されているか否かを示す情報を対応付けて格納する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記カード情報の公開が許可されているか否かを示す情報は、カードの種類に応じて設定される
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置の制御方法であって、
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する工程と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する工程と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する工程と、
前記画像処理装置の表示部で、カード情報が対応付けて登録されているショートカットに関する情報を表示する際には、前記ショートカットに対応付けて登録されているカード情報をそのまま表示することなく、前記ショートカットにカード情報が対応付けられていることが把握できるよう表示を制御する工程と、を有する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードリーダ機能を有する画像処理装置、その制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFPなどの画像処理装置の機能(アプリケーション)と、その機能に関する複数の設定値の組合せ(ショートカット)に対して、ユーザ情報を紐づけて管理することが考えられる。MFPでユーザ管理を行わない場合にも、ショートカットに対して任意のICカードのカード情報(例えば製造番号)を紐づけて管理することが考えられる。その場合には、MFPでそのカードを読み取ることで、カード情報に紐づくショートカットが簡単に呼び出せる。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-186517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、ショートカットの設定画面にて紐づけられているカード情報を表示する場合、表示したカード情報を第三者によって盗み見られてしまう可能性がある。取得したカード情報は、システムによっては個人情報と紐づけられている場合があり、表示しておくことはセキュリティ上の問題が懸念される。
【0005】
本発明は、ショートカットに紐づけられているカード情報の管理を安全に行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、前記画像処理装置の表示部で、カード情報が対応付けて登録されているショートカットに関する情報を表示する際には、前記ショートカットに対応付けて登録されているカード情報をそのまま表示することなく、前記ショートカットにカード情報が対応付けられていることが把握できるよう表示を制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ショートカットに紐づけられているカード情報の管理を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3】ホーム画面の一例を示す図である。
図4】コピー画面の一例を示す図である。
図5】スキャンして送信画面の一例を示す図である。
図6】お気に入り管理テーブルを説明する図である。
図7】ショートカットについて説明する図である。
図8】ショートカット管理テーブルを説明する図である。
図9】ICカード管理テーブルを説明する図である。
図10】ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図11】ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図12】ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図13】ショートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートを示す図である。
図14】カード情報の表示処理を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態に係るICカード管理テーブルを説明する図である。
図16】第2実施形態に係るショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図17】第2実施形態に係るショートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。
図18】第2実施形態におけるカード情報の表示処理を示すフローチャートである。
図19】第3実施形態に係るICカード管理テーブルを説明する図である。
図20】第3実施形態に係るICカード情報の公開許可確認画面を示す図である。
図21】第3実施形態に係るショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図22】第3実施形態に係るショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
図23】第3実施形態における、ョートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。
図24】第3実施形態におけるカード情報の表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、画像処理装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置101は、例えば、プリンタ機能、コピー機能、スキャン機能など多機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。プリンタ機能、コピー機能、スキャン機能などの機能は、例えば、アプリケーションとして提供される。画像処理装置101は、システムバス110、CPU111、RAM112、ROM113、入力制御I/F114、表示制御I/F115、記憶装置I/F116、通信I/Fコントローラ117、ICカード制御I/F130を備える。画像処理装置101は、さらに、タッチパネル118、ディスプレイ119、記憶装置120、スキャナ121、プリンタ122、ICカード読取装置131を備える。なお、図1は本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含んだり、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であったりしても構わない。
【0010】
システムバス110に対してCPU111、RAM112、ROM113、入力制御I/F114、表示制御I/F115、記憶装置I/F116、通信I/Fコントローラ117、ICカード制御I/F130が接続されている。また、システムバス110に対しては、スキャナ121、プリンタ122も接続されている。システムバス110に接続される各部は、システムバス110を介して互いにデータのやりとりを行うことができる。
【0011】
CPU(Central Processing Unit)111は、画像処理装置101全体の制御やデータの計算・加工を行う。RAM(Random Access Memory)112は、揮発性のメモリであり、CPU111の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ROM(Read Only Memory)113は、不揮発性のメモリであり、CPU111が動作するための各種プログラム、画像データやその他のデータ等が、それぞれ所定の領域に格納されている。CPU111は、例えばROM113に格納されるプログラムに従い、RAM112をワークメモリとして用いて、画像処理装置101の各部を制御する。なお、CPU111が動作するためのプログラムの格納先はROM113に限られず、記憶装置120に記憶されていてもよい。
【0012】
入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU111に供給する。入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付ける入力デバイスとして、例えば、タッチパネル118などのポインティングデバイス、不図示であるキーボードなどの文字情報入力デバイス、数値などを直接入力するためのハードキー等と接続される。タッチパネル118は、平面的に構成された入力部を有し、入力部においてユーザの指が接触した位置に応じた座標情報が出力される入力デバイスである。本実施形態においては、ユーザの入力操作がタッチパネル118で行われる場合について説明しているが、入力デバイスはタッチパネル118に限られるものではない。CPU111は、タッチパネル118に対してなされたユーザ操作に応じて入力制御I/F114で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従い画像処理装置101の各部を制御する。これにより、ユーザ操作に応じた動作を画像処理装置101に行わせることができる。
【0013】
表示制御I/F115は、ディスプレイ119に対して画面を表示させるための表示信号を出力する。具体的には、CPU111が生成した表示制御信号を表示制御I/F115に対して供給し、表示制御I/F115は、CPU111からの表示制御信号に基づき表示信号を生成してディスプレイ119に対して出力する。表示制御I/F115は、例えば、CPU111が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面をディスプレイ119に表示させる。表示制御I/F115に接続されるディスプレイ119は、例えば液晶ディスプレイであり、ユーザに対して各種画面を表示する表示部である。
【0014】
タッチパネル118とディスプレイ119は、一体的に構成されていてもよい。例えば、タッチパネル118は光の透過率がディスプレイ119の表示を妨げないように構成され、ディスプレイ119の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル118における入力座標と、ディスプレイ119上の表示座標が対応付けられる。タッチパネル118とディスプレイ119を一体的に構成することにより、あたかもユーザがディスプレイ119上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0015】
記憶装置I/F116は、CPU111の制御に基づき、記憶装置120からのデータの読み出しや、記憶装置120に対するデータの書き込みを行う。記憶装置I/F116は、記憶装置120と接続している。記憶装置120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。また、記憶装置120は、メモリカード、USBメモリ等のフラッシュメモリの外部メディアを装填してデータの読出/書込が可能な装置であってもよい。また、記憶装置120をRAM112やROM113の代わりに使用しても構わない。
【0016】
通信I/Fコントローラ117は、CPU111の制御に基づき、ネットワーク102に対する通信を行う。ネットワーク102は、例えば、例えば、インターネット等のLAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等のいずれか、またはこれらの組み合わせにより実現される、いわゆる通信ネットワークである。ネットワーク102には、画像処理装置101の他、PCや他のMFP、プリンタ、サーバ等、様々な装置が画像処理装置101と通信可能に接続される。また、後述する外部の認証サーバとの接続も通信I/Fコントローラ117を介して行われる。
【0017】
スキャナ121は、CPU111の制御に基づき、原稿を読み取り、画像データを生成する。具体的には、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示に応じて、スキャナ121に対してスキャン処理の実行を指示する。スキャナ121は、原稿台やADF(Auto Document Feeder)に置かれた原稿を読み取り、デジタルデータ化し、画像データを生成する。そして、スキャナ121は、生成した画像データを記憶装置I/F116を介して記憶装置120に格納する。
【0018】
プリンタ122は、CPU111の制御に基づき、記憶装置120に保存された画像データを印刷処理する。具体的には、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示や通信I/Fコントローラ117を介して外部装置から入力されたコマンドの指示に応じて、プリンタ122に対して印刷処理の実行を指示する。プリンタ122は、記憶装置120から画像データを読出し、印刷可能なデータ形式に変換し、紙原稿に印字し出力する。
【0019】
ICカード制御I/F130は、ICカード読取装置131と接続され、ICカード読取装置131に対してICカードの読取指示信号を出力する。また、ICカード制御I/F130は、ICカード読取装置131から取得したICカードの読み取り結果をCPU111に出力する。ここで、本実施形態におけるICカードは、NFC(Near Field Communication)などが搭載された非接触ICカードとする。ICカードの読み取りを行う場合、CPU111は、プログラムに従い、生成したICカード制御信号をICカード制御I/F130に対して供給する。ICカード制御I/F130は、CPU111の制御信号に基づきICカード読取信号を生成してICカード読取装置131に対して出力する。ICカード読取装置131は、ICカード読取信号に基づいて、ICカード読取装置131にかざされているICカードの情報の読み込みを行い、ICカード制御I/F130に読取結果の信号をICカード制御I/F130に出力する。
【0020】
次に、画像処理装置101のソフトウェアの構成について、図2を用いて説明する。図2は、画像処理装置101のソフトウェア構成の一例を示す図である。なお、図2は本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含んだり、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であったりしても構わない。図2のおける各制御部は、ROM113に記憶されており、起動時や機能利用時など必要に応じてRAM112へ展開され、CPU111により制御される。
【0021】
画像処理装置101は、制御バス200、表示操作制御部201、認証制御部202、ネットワーク制御部203、送信制御部204、コピー制御部205、FAX制御部206、文書利用制御部207、文書保存制御部208を備える。画像処理装置101は、さらに、ICカード制御部209、ショートカット制御部210を備える。画像処理装置101には、コピー、スキャンなどのひとつ以上の機能があり、それぞれの機能毎に制御部がある。図2には一例として、スキャン機能を制御する送信制御部204および文書保存制御部208、コピー機能を制御するコピー制御部205および文書利用制御部207、FAX機能を制御するFAX制御部206が示される。
【0022】
制御バス200には、表示操作制御部201~ショートカット制御部210の各制御部が接続されている。制御バス200は、CPU111の制御に基づき、各制御部間の情報の受け渡しをする。例えば、制御バス200は、各制御部から受け取った表示情報を表示操作制御部201へ送り、表示操作制御部201は取得した表示情報に応じてディスプレイ119に表示を行う。
【0023】
表示操作制御部201は、入力制御I/F114および表示制御I/F115を制御する。例えば、表示操作制御部201は、他の制御部からの指示に基づいて表示制御I/F115を介してディスプレイ119で表示を行う。また、表示操作制御部201は、入力制御I/F114を介してタッチパネル118にユーザが入力した情報を取得する。なお、表示操作制御部201は、取得した情報を、必要に応じて制御バス200を介して各制御部へ通知する。
【0024】
認証制御部202は、ユーザを識別するための認証処理を行い、画像処理装置101の操作者が画像処理装置101の正当なユーザか否かの判断を行う。ユーザの認証処理を行い、正当なユーザの場合にセッションを開始することをログインと呼ぶ。一方、ユーザが画像処理装置101を利用後に、当該ユーザのセッションを終了することをログアウトと呼ぶ。
【0025】
また、認証制御部202は、ユーザ情報を格納した不図示のユーザ情報データベースを制御する。ユーザ情報データベースは、記憶装置120に格納されていてもよいし、外部の認証サーバに格納されていてもよい。ユーザ情報データベースが外部の認証サーバに格納されている場合には、認証制御部202は、通信I/Fコントローラ117を介して、外部の認証サーバに接続し、外部の認証サーバの認証結果を利用する。認証制御部202と外部の認証サーバとの認証情報のやり取りは、公知の技術を用いて行う。
【0026】
ネットワーク制御部203は、通信I/Fコントローラ117を制御して、ネットワーク102上の外部機器と接続を行うための処理を行う。
送信制御部204は、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換する。また、送信制御部204は、メールなどのプロトコルを使って、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上のメールサーバなどに文書の送信を行う。送信制御部204を用いる機能(アプリケーション)の一例として、スキャンして送信アプリがある。
【0027】
コピー制御部205は、スキャナ121から原稿をスキャンし、ステイプルなど指定された加工を施して、プリンタ122に出力する。コピー制御部205を用いる機能(アプリケーション)の一例として、コピーアプリがある。
FAX制御部206は、ネットワーク102の公衆回線網、インターネット回線などを用いて、公知のG3などのFAX送信プロトコルを使い、ネットワーク制御部203を介して送信先に文書の送信を行う。FAX制御部206を用いる機能(アプリケーション)の一例として、ファクスアプリがある。
【0028】
文書利用制御部207は、画像処理装置101の記憶装置120、外部のファイルサーバ、メモリメディア、クラウドストレージなどに保存されている文書を利用した処理を行う。文書を利用した処理としては、例えば、プリンタ122での印刷処理や、ディスプレイ119へのプレビューの表示処理等が行われる。文書利用制御部207は、記憶装置120に保存された文書を利用する場合は、記憶装置I/F116を介して、記憶装置120にアクセスして、指定された文書を取得して処理を行う。文書利用制御部207は、外部のファイルサーバやクラウド上のストレージに保存された文書を利用する場合は、適切なプロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介してネットワーク102上の保存先から文書を取得して処理を行う。
【0029】
文書保存制御部208は、文書ファイルを、画像処理装置101の内部の記憶装置120、USBメモリなどのメモリメディア、ネットワーク102上のファイルサーバ、クラウド上のストレージ等に保存する。例えば、文書保存制御部208は、送信制御部204と同様に、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換し、保存する。ネットワーク102上のファイルサーバやクラウド上のストレージに文書ファイルを保存する場合は、文書保存制御部208は、適切な通信プロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介して保存先にアクセスし、文書の保存を行う。通信プロトコルとしては、例えば、SMB(Server Message Block)などがある。記憶装置120や画像処理装置101に装填されたメモリメディアに文書ファイルを保存する場合は、文書保存制御部208は、記憶装置I/F116を介して、保存先にアクセスし、文書の保存を行う。文書利用制御部207および文書保存制御部208を用いる機能(アプリケーション)の一例として、スキャンして保存アプリ、クラウドアプリがある。
【0030】
ICカード制御部209は、ICカード制御I/F130を介してICカード読取装置131にアクセスして、ICカードの情報を読み取り、要求元の制御部に対して読み取った結果を返す。ICカード情報には、ICチップに書き込まれたICカードを一意に識別する番号が記録されており、以下、ICカードを一意に識別する番号をカードIDと記す。
【0031】
ショートカット制御部210は、後述するお気に入り設定、ショートカット機能の登録、管理、提供を行う。また、ショートカット制御部210は、ショートカットとICカードとを紐づけて登録し管理する。また、本実施形態におけるショートカット制御部210は、ショートカット情報に関する情報の表示の制御も実行する。
【0032】
次に、画像処理装置101のホーム画面について説明する。図3は、ホーム画面の一例を示す図である。ホーム画面340は、コントロール領域300、タブ領域310、選択領域320、情報領域330の4つの領域を有する。タブ領域310、選択領域320、情報領域330の表示は、実行中の各機能に応じて変化する。一方、コントロール領域300は、実行中の機能に依らず常に表示されている。
【0033】
コントロール領域300には、画像処理装置101にログインするためのログインボタン301、設定画面を表示するための設定ボタン302、実行中の機能からホーム画面に戻るためのホームボタン303が表示される。さらに、コントロール領域300には、数値などを入力するためのキーパッド304、クリアボタン、リセットボタン、スタートボタン、ストップボタン等が表示される。
情報領域330は、ユーザに対し所定の情報を表示する領域である。情報領域330には、例えば、現在の日時や、エラーが発生した場合にはエラーメッセージが表示される。
【0034】
タブ領域310には、選択領域320を切り替えるための複数のタブが表示される。タブ領域310のタブが選択されると、選択されたタブに対応する画面が選択領域320に表示される。例えば、図3の例では、タブ1が選択されており、タブ1に対応する画面が選択領域320に表示されている。
【0035】
選択領域320には、機能を実行するための機能実行ボタンが複数表示される。例えば、図3の例では、コピー機能を実行するためのコピーボタン321、スキャン機能および送信機能を実行するためのスキャンして送信ボタン322などのボタンが表示されている。機能実行ボタン等がユーザにより押下されると、各機能に対応した画面が、タブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。例えば、コピー機能が実行されれば、コピーアプリの画面が表示され、スキャンして送信機能が実行されれば、スキャンして送信アプリの画面が表示される。また、設定ボタン302がユーザにより押下した場合には、タブ領域310および選択領域320に相当する領域に、画像処理装置101の設定画面が表示される。
【0036】
選択領域320において機能が未登録のボタンには、追加ボタン323が表示される。選択領域320で追加ボタン323が表示されている箇所には、新規のアプリケーションを画像処理装置101にインストールして機能実行ボタンを追加したり、後述するショートカットを登録したりすることができる。
【0037】
次に、ホーム画面340で機能実行ボタンを選択することで表示されるアプリケーションの画面について説明する。図4は、コピー画面の一例を示す図である。ホーム画面340においてコピーボタン321がユーザにより選択されると、コピー機能を実行するためのコピー画面400が表示される。図5は、スキャンして送信画面の一例を示す図である。ホーム画面340においてスキャンして送信ボタン322がユーザにより選択されると、スキャン機能および送信機能を実行するためのスキャンして送信画面500が表示される。
【0038】
コピー画面400は、ホーム画面340のタブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。コピー画面400には、印刷の部数を指定する部数設定および印刷の各種設定を行うための設定ボタンが表示される。印刷の部数は、例えば、キーパッド304を用いて指定される。コピー画面400に表示される設定ボタンには、例えば、面付設定ボタン、両面印刷設定ボタン、カラー設定ボタンがある。面付設定ボタンでは、1枚の用紙に割付けるページ数を指定する。両面印刷設定ボタンでは、片面印刷か両面印刷を指定する。カラー設定ボタンでは、印刷をカラー、白黒、グレースケースのいずれで行うのかを指定する。部数設定および各設定ボタンには、現在設定されている値が表示されている。各設定ボタンを押下すると、対応する設定値を変更する画面が表示され、設定を変更することができる。
【0039】
ユーザが指定していない設定には、デフォルト設定が利用される。コピー機能のデフォルト設定を、例えば、部数は1、面付設定は1in1、両面印刷設定は片面、カラー設定はカラーであるとする。ユーザが、面付設定を2in1、両面印刷設定を両面、カラー設定を白黒と設定した場合には、設定していない部数にはデフォルト設定の部数:1が設定される。また、コピー画面400には、お気に入り登録ボタン401およびお気に入り呼出ボタン402が表示される。
【0040】
ここで、お気に入り設定について説明する。お気に入り設定とは、それぞれのアプリケーションにおいてユーザがよく利用する設定である。お気に入り設定に登録される設定には、複数の設定の組合せも含まれる。お気に入り設定機能は、それぞれのアプリケーションにおいてよく利用される設定を予め登録しておき、よく利用される設定を簡単に呼び出せるようにする機能である。お気に入り設定機能を利用することにより、ユーザは毎回同じ設定を行わなくて済むようになる。お気に入り設定は、ショートカット制御部210により制御される。アプリケーションの画面には、お気に入り設定に関するボタンも表示される。
【0041】
コピー画面400には、お気に入り登録ボタン401およびお気に入り呼出ボタン402が表示される。お気に入り登録ボタン401が押下されると、その時点でコピー画面400に表示されている設定をお気に入りとして登録される。お気に入りが登録されている状態でお気に入り呼出ボタン402が押下されると、登録されたお気に入りが呼び出され、コピー画面400の各設定が、お気に入りに登録されている設定に切り替わる。
【0042】
例えば、コピー機能で用紙節約のために、面付設定が2in1、両面印刷設定が両面、カラー設定が白黒の設定をよく行う場合、「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」という設定の組合せをお気に入り設定として登録する。その後、コピー機能を呼び出した際には各設定にはデフォルト設定が表示されるが、お気に入り呼出ボタン402を押下してお気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元される。お気に入りに登録されている設定が復元されることにより、コピーの設定が「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」となる。ユーザは、お気に入り呼出ボタン402を押下して原稿を置いてスタートするだけで、いつも使う設定でコピーを行うことができる。
【0043】
なお、アプリケーション毎のお気に入り設定はアプリケーション内で複数登録することができ、呼出時に複数のお気に入り設定から選択できるようにしてもよい。例えば、コピー機能で、「面付設定:2in1」以外に、用紙を更に節約するときに利用する「面付設定:4in1」もお気に入りとして登録して、両方をお気に入りとして登録できるようにしてもよい。複数のお気に入り設定が登録されている場合にお気に入り呼出ボタン402が押下された際には、例えば、複数のお気に入り設定のリスト表示を行い、ユーザに選択させるようにすればよい。
【0044】
スキャンして送信画面500は、ホーム画面340のタブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。スキャンして送信画面500には、送信先設定およびスキャンの各種設定を行うための設定ボタンが表示される。送信先設定では、スキャンした文書を送信するメールアドレスやファイルサーバのパスなどの送信先を設定することができる。スキャンして送信画面500に表示される設定ボタンには、例えば、フォーマット設定ボタン、解像度設定ボタン、カラー設定ボタンがある。、フォーマット設定ボタンでは、スキャンした文書の保存形式を指定する。解像度設定ボタンでは、スキャンの解像度を指定する。カラー設定では、原稿の読み取りをカラー、白黒、グレースケール、自動判定ボタンのいずれで行うかを指定する。送信先設定および各設定ボタンには、現在設定されている値が表示されている。なお、図4および図5はアプリケーションの画面の一例であり、説明した設定以外の設定が可能であってもよいし、説明した設定を行えない形態であっても構わない。
【0045】
ユーザが指定していない設定には、デフォルト設定が利用される。スキャンして送信機能のデフォルト設定を、例えば、送信先設定は空、フォーマット設定はjpeg、解像度設定は300dpi、カラー設定は自動判定であるとする。ユーザが、送信先をSMB \\172.20.83.168\folder、フォーマットをjpeg、解像度を300dpiと設定した場合には、設定していないカラー設定にはデフォルト設定の自動判定が設定される。
【0046】
また、スキャンして送信画面500には、お気に入り登録ボタン501およびお気に入り呼出ボタン502が表示される。例えば、ユーザがスキャンして送信機能で、送信先がSMB \\172.20.83.168\folder、フォーマットがjpeg、解像度が400dpiの設定をよく使い、カラー設定にはデフォルト設定が設定されるとする。スキャンして送信画面500でよく使う設定を設定した状態でお気に入り登録ボタン501を押下する。これにより、「送信先:SMB \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度:400dpi、カラー:自動」をお気に入り設定として登録する。
【0047】
その後、スキャンして送信機能を呼び出した際には各設定にはデフォルト設定が表示されるが、お気に入り呼出ボタン502を押下してお気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元される。お気に入りに登録されている設定が復元されることにより、スキャンして送信の設定が「送信先:SMB \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度:400dpi、カラー:自動」となる。ユーザは、お気に入り呼出ボタン502を押下して原稿を置いてスタートするだけで、いつも使う設定でいつもの送信先にスキャンした文書を送信することができる。
【0048】
お気に入り設定は、図6に示されるお気に入り管理テーブルに格納される。図6は、お気に入り管理テーブルを説明する図である。お気に入り管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。お気に入り管理テーブルでは、各お気に入り設定のお気に入りID601、機能602、設定603が管理される。お気に入りID601には、登録されているお気に入りを識別するための一意な識別子が格納される。機能602には、どの機能(アプリケーション)のお気に入りであるかが格納される。設定603には、お気に入りとして登録した設定が格納される。
【0049】
お気に入り設定610は、前述のコピー機能のお気に入り設定に対応するお気に入り管理テーブルの一例である。お気に入り設定610のお気に入りID601には「F0001」、機能602には「コピー」、設定603には「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」が格納される。お気に入り設定611は、前述のスキャンして送信機能のお気に入り設定に対応するお気に入り管理テーブルの一例である。お気に入り設定611のお気に入りID601には「F0005」が、機能602には「スキャンして送信」が格納される。そして、お気に入り設定611の設定603には「送信先:ファイルサーバ \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度400dpi、カラー設定:自動」が格納される。
【0050】
次に、ショートカット機能について説明する。ショートカットとは、ホーム画面から実行される機能であり、ユーザはショートカットボタンを押下されることで、お気に入り設定が設定された機能を呼び出すことができる。ショートカットには、呼び出したい機能(アプリケーション)とその機能の復元したいお気に入り設定が登録されている。具体的には、ホーム画面でショートカットボタンが押下され、ショートカットが実行されると、ショートカットに登録されたアプリケーションが起動して、同時にアプリケーションのお気に入り設定が復元する。なお、ショートカットに設定されたアプリケーションにお気に入り設定が登録されていない場合は、デフォルト設定で当該アプリケーションが起動する。ショートカット機能は、ショートカット制御部210により制御される。
【0051】
図7は、ショートカットについて説明する図である。図7(A)は、ショートカットの登録について説明する図である。図7(B)は、追加されたショートカットについて説明する図である。ホーム画面340の追加ボタン323(図3)を押下すると、図7(A)に示されるショートカットに登録するアプリケーション選択画面701が表示される。アプリケーション選択画面701には、画像処理装置101に登録されているアプリケーションが一覧で表示される。ユーザは、アプリケーション一覧からショートカットに追加したいアプリケーションを選択することで、所望のショートカットをホーム画面に追加することができる。
【0052】
例えば、アプリケーション選択画面701のアプリケーション一覧からコピー702が選択されると、コピー機能のショートカットが追加できる。ショートカットの登録が終了するとホーム画面に戻り、図7(B)に示されるように、元の追加ボタン323の位置に追加したショートカットボタン710が表示される。ユーザがショートカットボタン710を押下すると、お気に入り設定が反映された状態でコピー機能の画面(例えば、図4)が表示される。
【0053】
ショートカットは、図8に示されるショートカット管理テーブルに格納される。図8は、ショートカット管理テーブルを説明する図である。ショートカット管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ショートカット管理テーブルでは、各ショートカットのショートカットID801、機能802、呼出お気に入り803、場所804が管理される。ショートカットID801には、ショートカットを識別するための一意な識別子が格納されている。機能802には、ショートカットによって実行されるアプリケーションが格納される。呼出お気に入り803には、アプリケーションに反映させるお気に入り設定を示す情報として、お気に入り設定テーブル(図6)のお気に入りID601の値が格納される。場所804には、ホーム画面のどこに登録されているかを示す場所が格納される。
【0054】
ショートカット810は、コピーのショートカットに対応するショートカット管理テーブルの一例である。ショートカット810のショートカットID801には一意なIDである「S0001」、機能802には「コピー」、呼出お気に入り803には「F0001」、場所804には「タブ1:8」が格納される。なお、本実施形態では機能802にアプリケーションの名称を格納しているが、これに限れるものではなく、例えば、アプリケーション毎に一意に定められたIDを格納するようにしてもよい。呼出お気に入り803に格納された「F0001」は、お気に入り設定テーブル(図6)に示されるお気に入り設定610のお気に入りIDである。場所804に格納された「タブ1:8」は、ショートカット810に対応するショートカットボタン710のホーム画面上の場所を表しており、ショートカットボタン710がタブ1の8番目のボタンでることを示している。
【0055】
ホーム画面でショートカットボタン710が押下されると、ショートカット制御部210は、ショートカット管理テーブルからショートカットボタン710に対応するショートカットID801「S0001」を読み出す。そして、ショートカット制御部210は、読み出したショートカットID801「S0001」に対応する機能802(アプリケーション)であるコピーをコピー制御部205に実行させる。同時に、ショートカット制御部210は、読み出したショートカットID801「S0001」に対応する呼出お気に入り803に記録されたお気に入りID「F0001」を読み出す。そして、ショートカット制御部210は、お気に入り設定テーブル(図6)から、読み出したお気に入りID「F0001」と一致するお気に入り設定610の設定603を読み出し、設定603を実行したアプリケーションに適用する。
【0056】
なお、本実施形態では、各アプリケーションに対して、1つのお気に入りを保持する例を説明しているが、これに限れるものではなく、それぞれのアプリケーションが複数のお気に入り設定を持つ形態であってもよい。アプリケーション選択画面701からショートカットに登録したい所望のアプリを選択した際に当該アプリに2つ以上のお気に入り設定が登録されている場合は、不図示のお気に入り一覧選択画面を表示し、ユーザが所望のお気に入りを選択するようにすればよい。これにより、ホーム画面でショートカットを実行する場合に、所望のお気に入りが設定された所望の機能(アプリケーション)を即座に利用することができる。
【0057】
次に、ショートカットとICカードのカード情報の関係について説明する。事前にICカードに対応してショートカットを登録することで、ホーム画面が表示されているときにICカードをICカード読取装置131にかざしたときに、ICカードに対応したショートカットを実行することができる。本実施形態において、ショートカットは、ユーザ情報が紐付いたカード情報に対応づけて登録することも可能であるが、ログインユーザーのユーザ情報に依存せず、ユーザ情報が紐付かないカード情報に対応づけて登録することも可能である。例えば、ユーザは、画像処理装置101にログインするために利用するユーザ情報が紐付いたICカード以外に、交通系ICカードなどユーザ情報が紐付かない任意のカードを保持している場合がある。ユーザは、ユーザ情報が紐付かない交通系ICカード等のカード情報に対応付けてショートカットを登録しておくことで、ログインすることなく、簡単にカード情報に対応付けられたショートカットを呼び出すことが可能となる。このように、ユーザ情報が紐付かないカード情報にショートカットを対応付ける場合は、ショートカットに対してユーザ情報をさらに紐づけて登録する必要がない。
【0058】
ショートカットとICカードの対応関係は、図9に示されるICカード管理テーブルに格納される。図9は、第1実施形態におけるICカード管理テーブルを説明する図である。ICカード管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ICカード管理テーブルでは、ICカードのカードID901およびICカードから呼び出されるショートカットID902がICカード情報として管理される。カードID901には、カード情報として、登録するICカードに記録されている一意なカードIDが格納される。ショートカットID902には、ICカードに対応して呼び出されるショートカットのショートカットID801が格納される。ICカード管理テーブルでは、ショートカットID1002にそれぞれ異なるカードID901が対応付けられて格納される。すなわち、ショートカットにはそれぞれ異なるICカードが対応付けられる。
【0059】
ホーム画面で、ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部209がICカードのカードIDを読み出す。そして、ショートカット制御部210がICカード管理テーブルのカードID901に当該カードIDが存在するか確認する。ICカード管理テーブルに読み出したカードIDが存在していれば、ショートカット制御部210は、当該カードIDに対応するショートカットID902を読み出し、ショートカットID902で指定されるショートカットの機能を実行する。また、ショートカットID902で指定されるショートカットにお気に入り設定が対応付けられている場合は、お気に入りの設定でショートカットの機能が提供される。
【0060】
ICカード管理テーブルに示されるICカード情報910は、ショートカットボタン710に、カードIDが「ABC123456789」であるICカードを登録した例である。カードID901には「ABC123456789」が格納され、ショートカットID902には、ショートカットボタン710に登録されているショートカットID「S0001」が格納される。
【0061】
ここで、ショートカットにICカードを対応付けて登録する際の操作の例について説明する。図10図12は、ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。ショートカットにICカードを登録する一例として、登録されたショートカットボタンを長押しすることで、ICカード登録画面を表示させる方法がある。図7(B)に示されるショートカットボタン710にICカードを登録する場合を例に説明する。
【0062】
ショートカットボタン710を長押しすると、図10に示されるICカード管理画面1001が表示される。ICカード管理画面1001には、ICカード情報領域1002、ICカード登録ボタン1003、ICカード削除ボタン1004、操作を終了させるキャンセルボタンが表示される。ICカード情報領域1002は、選択されたショートカットに関するICカードのカード情報を表示する領域である。ショートカットに対応付けられているカードIDがない場合、ICカード情報領域1002には、当該ショートカットに対応するICカードが登録されていないことをユーザが把握できるような表示を行う。ショートカットに対応付けられているカードIDがない場合、例えば、図10に示すように「未登録」と表示される。一方、ショートカットに対応付けられているカードIDがある場合、ICカード情報領域1002には、図12に示すように「登録済」と表示される。
【0063】
ICカード管理画面1001においてユーザがICカード登録ボタン1003を押下すると、図11に示されるICカード登録画面1100が表示される。ICカード登録画面1100が表示されている状態でユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、かざしたICカードのカード情報が読み取られ、当該ショートカットに対応付けて読み取ったICカードが登録される。ICカード管理テーブルには、当該ショートカットを示すショートカットIDと、カード情報のカードIDが格納される。ショートカットに対応したICカードが登録されると、再びICカード登録画面1001が表示される。ICカード登録後のICカード登録画面1001のICカード情報領域1002には、ショートカットに対応したICカードが登録済みであることを表示する。本実施形態では、カード情報をそのまま表示することなく、ショートカットに対応したICカードが登録済みであることをユーザが把握できるよう表示する。例えば、図12に示されるようにICカード情報領域1002に「登録済」と表示される。一方、ICカード管理画面1001においてユーザがICカード削除ボタン1004を押下すると、当該ショートカットに対応付けて登録されているICカードのカードIDが削除される。
【0064】
次に、ショートカットにICカードを対応付けて登録する処理について説明する。図13は、ショートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、ICカード制御部209、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。
【0065】
本処理は、表示操作制御部201が、ディスプレイ119に表示されたICカード管理画面1001においてICカード登録ボタン1003が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。
ステップS1301において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ディスプレイ119にICカード登録画面1100(図11)を表示する。
【0066】
ステップS1302において、ICカード制御部209は、ICカード読取装置131にかざされたICカードからカード情報内のカードIDを取得する。
ステップS1303において、ショートカット制御部210は、カードIDとショートカットを対応付けて登録する。カードIDとショートカットの対応付けは、ICカード管理テーブル(図9)にS1302で取得したカードIDと当該ショートカットのショートカットIDを追加して格納することによって行われる。
ステップS1304において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ディスプレイ119にICカードが登録済みであることを示すICカード管理画面1001(図12)を表示し、本処理を終了する。ICカードが登録済みであることは、例えば、ICカード情報領域1002に「登録済」と表示されることで示される。
【0067】
なお、ステップS1302で取得したカードIDが既にいずれかのショートカットに対応付けられているカードIDと同一の場合には、登録済みのICカードであることをユーザに通知するようにしてもよい。また、ステップS1302で取得したカードIDが既に当該ショートカットに対応付けられているカードIDと同一の場合には、カードID901の値を表示するようにしても良い。これにより、ユーザはICカード読取装置131にかざしたカードが当該ショートカットと対応付けられていることを確認することができる。
【0068】
次に、ICカード管理画面1001に含まれるICカード情報領域1002の表示処理について説明する。図14は、第1実施形態におけるカード情報の表示処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。本処理は、ICカード管理画面1001を表示する際に、ICカード情報領域1002の表示内容を決定するために実行される。
【0069】
ステップS1401において、ショートカット制御部210は、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブルにおいて当該ショートカットに対応したショートカットIDが存在するかを確認することによって、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。当該ショートカットのショートカットIDが存在する場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みである場合は、ステップS1402に進む。一方、当該ショートカットのショートカットIDが存在しない場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みでない場合は、ステップS1403に進む。
【0070】
ステップS1402において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていることを表示する。例えば、表示操作制御部201は、カード情報をそのまま表示することなく、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に「登録済」と表示する。
ステップS1403において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていないことを表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に「未登録」と表示する。
【0071】
なお、本実施形態では、ショートカットに対応するICカードを登録/削除するためのICカード管理画面1001において、ショートカットにICカードが対応付けられていることを表示したが、これに限られるものではない。ショートカットに関する情報を表示する様々な画面において、図14に示されるカード情報の表示処理に基づいて、当該ショートカットにICカードが対応付けられているか否かをユーザが把握できるよう表示するようにしてもよい。
【0072】
本実施形態によると、カード情報をそのまま表示せずに、登録済みであることのみを表示することができる。これにより、ユーザは第三者によってカード情報を盗み見られるリスクを抑えることができる。
【0073】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態として、ショートカットに既にICカードが対応付けられていることを示す際に、ハッシュ化したカード情報を表示する例について説明する。画像処理装置101のハードウェア構成、ソフトウェア構成、ホーム画面、コピー画面、スキャンして送信画面、お気に入り管理テーブル、ショートカット登録画面、ショートカット管理テーブル(図1図8)については、第1実施形態と同様である。そのため、本実施形態では第1実施形態と共通の部分はその説明を省略し、第1実施形態との差異について説明する。
【0074】
本実施形態においては、ショートカットに紐付けられているカード情報の管理において、カードIDをハッシュ化し管理する。ショートカットとICカードの対応関係は、図15に示されるICカード管理テーブルに格納される。図15は、第2実施形態におけるICカード管理テーブルを説明する図である。ICカード管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ICカード管理テーブルでは、ICカードのカードIDのハッシュ値1501およびICカードから呼び出されるショートカットID1502がICカード情報として管理される。カードIDのハッシュ値1501には、カード情報として、登録するICカードに記録されている一意なカードIDのハッシュ値が格納される。ショートカットID1502には、ICカードに対応して呼び出されるショートカットのショートカットID801が格納される。
【0075】
ホーム画面で、ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部209がICカードのカードIDを読み出し、読み出したカードIDのハッシュ値を算出する。そして、ショートカット制御部210がICカード管理テーブルのカードIDのハッシュ値1501に当該カードIDのハッシュ値が存在するか確認する。ICカード管理テーブルに算出したカードIDのハッシュ値が存在していれば、ショートカット制御部210は、当該カードIDのハッシュ値1501に対応するショートカットID1502を読み出す。そして、ショートカットID1502で指定されるショートカットの機能を実行する。また、ショートカットID1502で指定されるショートカットにお気に入り設定が対応付けられている場合は、お気に入りの設定でショートカットの機能が提供される。
【0076】
ICカード管理テーブルに示されるICカード情報1510は、ショートカットボタン710に、カードIDのハッシュ値が「03BAF394AE277C80」であるICカードを登録した例である。カードIDのハッシュ値1501には「03BAF394AE277C80」が格納され、ショートカットID1502には、ショートカットボタン710に登録されているショートカットID「S0001」が格納される。
【0077】
ここで、ショートカットにICカードを対応付けて登録する際の操作の例について説明する。図10図11図16は、ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。ショートカットにICカードを登録する一例として、登録されたショートカットボタンを長押しすることで、ICカード管理画面を表示させる方法がある。図7(B)に示されるショートカットボタン710にICカードを登録する場合を例に説明する。
【0078】
ショートカットボタン710を長押しすると、図10に示されるICカード管理画面1001が表示される。ICカード管理画面1001には、ICカード情報領域1002、ICカード登録ボタン1003、ICカード削除ボタン1004、操作を終了させるキャンセルボタンが表示される。ICカード情報領域1002は、選択されたショートカットに関するICカードのカード情報を表示する領域である。ショートカットに対応付けられているICカードがない場合、ICカード情報領域1002には、図10に示すように「未登録」と表示される。一方、本実施形態において、ショートカットに対応付けられているICカードがある場合、ICカード情報領域1002には、図16に示すように登録済みのICカードのカードIDのハッシュ値が表示される。
【0079】
ICカード管理画面1001においてユーザがICカード登録ボタン1003を押下すると、図11に示されるICカード登録画面1100が表示される。ICカード登録画面1100が表示されている状態でユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、かざしたICカードのカード情報が読み取られる。ICカード制御部209は、読み取ったカード情報内のカードIDのハッシュ値を算出する。ショートカット制御部210は、カードIDのハッシュ値と対応付けて当該ショートカットを登録することで、当該ショートカットに対応付けて読み取ったICカードを登録する。ICカード管理テーブルには、当該ショートカットを示すショートカットIDと、カード情報のカードIDのハッシュ値が格納される。ショートカットに対応したICカードが登録されると、再びICカード登録画面1001が表示される。ICカード登録後のICカード管理画面1001のICカード情報領域1002には、図16に示されるように登録済みのICカードのカードIDのハッシュ値が表示される。一方、ICカード管理画面1001においてユーザがICカード削除ボタン1004を押下すると、当該ショートカットに対応付けて登録されているICカードのカードIDが削除される。
【0080】
次に、ショートカットにICカードを対応付けて登録する際の処理について説明する。図17は、第2実施形態におけるショートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、ICカード制御部209、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。
【0081】
本処理は、表示操作制御部201が、ディスプレイ119に表示されたICカード管理画面1001においてICカード登録ボタン1003が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。
ステップS1701において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ディスプレイ119にICカード登録画面1100(図11)を表示する。
【0082】
ステップS1702において、ICカード制御部209は、ICカード読取装置131にかざされたICカードからカード情報内のカードIDを取得する。
ステップS1703において、ICカード制御部209は、ステップS1702で取得したカードIDからハッシュ値を算出する。
【0083】
ステップS1704において、ショートカット制御部210は、カードIDのハッシュ値とショートカットを対応付けて登録する。カードIDとショートカットの対応付けは、ICカード管理テーブル(図15)にS1703で算出したカードIDのハッシュ値と当該ショートカットのショートカットIDを追加して格納することによって行われる。
ステップS1705において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ディスプレイ119にICカードが登録済みであることを示すICカード管理画面1001(図16)を表示し、本処理を終了する。ICカードが登録済みであることは、例えば、ICカード情報領域1002に、登録済みのICカードのカードIDのハッシュ値を表示されることで示される。
【0084】
次に、ICカード管理画面1001に含まれるICカード情報領域1002の表示処理について説明する。図18は、第2実施形態におけるカード情報の表示処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。本処理は、ICカード管理画面1001を表示する際に、ICカード情報領域1002の表示内容を決定するために実行される。
【0085】
ステップS1801において、ショートカット制御部210は、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブルにおいて当該ショートカットに対応したショートカットIDが存在するかを確認することによって、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。当該ショートカットのショートカットIDが存在する場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みである場合は、ステップS1802に進む。一方、当該ショートカットのショートカットIDが存在しない場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みでない場合は、ステップS1803に進む。
【0086】
ステップS1402において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていることを表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に登録済みのICカードのカードIDのハッシュ値を表示する。
ステップS1403において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていないことを表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に「未登録」と表示する。
【0087】
なお、本実施形態においてはショートカットに対応するICカードが登録済みであることを示す際にカードIDのハッシュ値を用いたが、ハッシュ値以外にカードIDの登録順の番号や、ショートカットの登録日時のような一意な値を用いても良い。また、ショートカットに対応するICカードを登録する際に、ICカード管理テーブルのショートカットIDに対してカードIDのハッシュ値を対応付けするか、カードIDをそのまま対応付けするかをユーザが選択できるようにしてもよい。あるいは、ICカード管理テーブルのショートカットIDに対してカードIDのハッシュ値を対応付けするか、カードIDをそのまま対応付けするかを画像処理装置101の設定値によって切り替られるようにしても良い。
【0088】
また、第2実施形態の変形例として、ICカード管理テーブルは第1の実施形態と同様にカードIDをショートカットIDと対応付けて管理し、ICカード情報を表示する場合のみ、ハッシュ化した値を提示するようにしてもよい。また、ハッシュ化した値は、カードIDのハッシュ値に限られるものではなく、ICカードを一意に識別できるものであれば、カードID以外のカード情報をハッシュ化したものであってもよい。
【0089】
本実施形態によれば、カード情報をそのまま表示せずに、カードIDのハッシュ値のみを表示することができる。これにより、ユーザは第三者によってカード情報を盗み見られるリスクを抑えることができる。
【0090】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態として、ショートカットに既にICカードが対応付けられていることを示す際に、カード情報の公開/非公開の設定に応じてカード情報の表示を切り替える例について説明する。画像処理装置101のハードウェア構成、ソフトウェア構成、ホーム画面、コピー画面、スキャンして送信画面、お気に入り管理テーブル、ショートカット登録画面、ショートカット管理テーブル(図1図8)については、第1実施形態と同様である。そのため、本実施形態では第1実施形態と共通の部分はその説明を省略し、第1実施形態との差異について説明する。
【0091】
本実施形態においては、ショートカットにICカードを紐付けて管理する際に、ショートカットを示す情報に対し、カード情報に加えカード情報の公開が許可されているかを示す情報についても紐付けて格納する。ショートカットとICカードの対応関係は、図19に示されるICカード管理テーブルに格納される。図19は、第3実施形態におけるICカード管理テーブルを説明する図である。ICカード管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ICカード管理テーブルでは、ICカードのカードID1901、ICカードから呼び出されるショートカットID1902、カードID公開許可フラグ1903がICカード情報として管理される。カードID1901には、カード情報として、登録するICカードに記録されている一意なカードIDが格納される。ショートカットID1902には、ICカードに対応して呼び出されるショートカットのショートカットID801が格納される。
【0092】
カードID公開許可フラグ1903は、カード情報の公開が許可されているかを示す情報である。カードID公開許可フラグ1903には、カードID1901の値を表示するかを許可するかの値が格納される。例えば、カードID公開許可フラグ1903には、カードIDの公開を許可することを示す「True」、許可しないことを表す「False」のいずれかの値が格納される。なお、カードID公開許可フラグ1903に格納される値は、カード情報の公開が許可されているか否かを示す値であればよく、例えば、許可されている場合に「0」、許可されていない場合に「1」を格納するようにしてもよい。
【0093】
ホーム画面で、ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部209がICカードのカードIDを読み出す。そして、ショートカット制御部210がICカード管理テーブルのカードID1901に当該カードIDが存在するか確認する。ICカード管理テーブルに算出したカードIDが存在していれば、ショートカット制御部210は、当該カードID1901に対応するショートカットID1902を読み出し、ショートカットID1902で指定されるショートカットの機能を実行する。また、ショートカットID1902で指定されるショートカットにお気に入り設定が対応付けられている場合は、お気に入りの設定でショートカットの機能が提供される。
【0094】
ICカード管理テーブルに示されるICカード情報1910は、ショートカットボタン710に、カードIDが「ABC123456789」であるICカードを登録した例である。カードID1901には「ABC123456789」が格納され、ショートカットID1902には、ショートカットボタン710に登録されているショートカットID「S0001」が格納される。カードID公開許可フラグ1903には、許可しないことを表す「False」が格納される。
【0095】
ここで、ショートカットにICカードを対応付けて登録する際の操作の例について説明する。図10図11図20-22は、第3実施形態における、ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。ショートカットにICカードを登録する一例として、登録されたショートカットボタンを長押しすることで、ICカード登録画面を表示させる方法がある。図7(B)に示されるショートカットボタン710にICカードを登録する場合を例に説明する。
【0096】
ショートカットボタン710を長押しすると、図10に示されるICカード管理画面1001が表示される。ICカード管理画面1001には、ICカード情報領域1002、ICカード登録ボタン1003、ICカード削除ボタン1004、操作を終了させるキャンセルボタンが表示される。ICカード情報領域1002は、選択されたショートカットに関するICカードのカード情報を表示する領域である。ショートカットに対応付けられているICカードがない場合、ICカード情報領域1002には、図10に示すように「未登録」と表示される。
【0097】
ICカード管理画面1001においてユーザがICカード登録ボタン1003を押下すると、図11に示されるICカード登録画面1100が表示される。ICカード登録画面1100が表示されている状態でユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、かざしたICカードのカード情報が読み取られ、当該ショートカットに対応付けて読み取ったICカードが登録される。ICカード管理テーブルには、当該ショートカットを示すショートカットIDと、カード情報のカードIDが格納される。
【0098】
本実施形態では、ショートカットに対応したICカードが登録されると、図20に示されるICカード情報の公開許可確認画面2000が表示される。図20は、ICカード情報の公開許可確認の画面の一例を示す図である。公開許可確認画面2000では、ユーザに対してICカード情報の公開を許可するか否かのメッセージと、許可ボタン2001および不許可ボタン2002が表示される。ユーザは、ICカード情報の公開を許可する場合には許可ボタン2001を選択し、許可しない場合には不許可ボタン2002を選択する。表示操作制御部201は、入力制御I/F114を介してユーザの選択を受け付けて、ユーザの選択結果をショートカット制御部210に送る。ショートカット制御部210は、ユーザの選択結果に応じてICカード管理テーブルのカードID公開許可フラグ1903に、カードIDの公開を許可することを示す「True」、許可しないことを表す「False」のいずれかの値を格納する。
【0099】
ICカード情報の公開を許可するか否かが選択され、ICカード管理テーブルに選択結果が格納されると、再びICカード登録画面1001が表示される。ICカード登録後のICカード登録画面1001のICカード情報領域1002には、ICカード情報の公開を許可するか否かの選択結果に応じた表示がなされる。ICカード情報の公開が許可された場合のICカード情報領域1002には、図21に示されるように、ショートカットに対応付けられたカード情報(カードID)がそのまま表示される。図21は、ICカード情報登録後、かつICカード情報が公開可能である場合のショートカットの設定画面を説明する図である。一方、ICカード情報の公開が許可されなかった場合は、図22に示されるように、カード情報は表示されずに、ショートカットに対応するICカードが登録済みであることを示すメッセージが表示される。図22は、ICカード情報登録後かつICカード情報が公開不可である場合のショートカットの設定画面を説明する図である。
【0100】
ショートカットに対応するICカードが登録されている場合に、ICカード管理画面1001においてユーザがICカード削除ボタン1004を押下すると、当該ショートカットに対応付けて登録されているICカードのカード情報が削除される。ICカードのカード情報が削除された後に表示されるICカード登録画面1001のICカード情報領域1002には、図10に示されるように「未登録」と表示される。
【0101】
次に、第3実施形態における、ショートカットにICカードを対応付けて登録する処理について説明する。図23は、第3実施形態における、ョートカットにICカードを対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、ICカード制御部209、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。本処理は、表示操作制御部201が、ディスプレイ119に表示されたICカード管理画面1001においてICカード登録ボタン1003が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。
【0102】
ステップS2301において、表示操作制御部201は、ディスプレイ119にICカード登録画面1100(図11)を表示する。
ステップS2302において、ICカード制御部209は、ICカード読取装置131にかざされたICカードからカード情報内のカードIDを取得する。
【0103】
ステップS2303において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ディスプレイ119にICカード情報の公開許可確認画面2000(図20)を表示する。
ステップS2304において、表示操作制御部201は、入力制御I/F114を介してユーザの選択を受け付け、選択結果をショートカット制御部210に送る。ショートカット制御部210は、カード情報の公開が許可されたか否かを判定する。ショートカット制御部210は、例えば、許可ボタン2001が押下されたか否かを判定することで、カード情報の公開が許可されたか否かを判定する。許可ボタン2001が押下された場合、すなわちカード情報の公開が許可された場合は、ステップS2305に進む。一方、押下されたのが許可ボタン2001出なかった場合、すなわちカード情報の公開が許可されなかった場合は、ステップS2306に進む。
【0104】
ステップS2305において、ショートカット制御部210は、カードID公開許可フラグを「True」と設定する。
ステップS2306において、ショートカット制御部210は、カードID公開許可フラグを「False」と設定する。
ステップS2307において、ショートカット制御部210は、ステップS2302で取得したカードIDと、ステップS2305もしくはステップS2306で設定したカードID公開許可フラグと、ショートカットとを対応付けて登録する。具体的には、ICカード管理テーブル(図19)に、S2302で取得したカードIDと、ステップS2305もしくはステップS2306で設定したカードID公開許可フラグと、当該ショートカットのショートカットIDを追加して格納する。
【0105】
ステップS2308において、表示操作制御部201は、ディスプレイ119にICカードが登録済みであることを示すICカード管理画面1001(図21もしくは図22)を表示し、本処理を終了する。カード情報の公開が許可されている場合にはカード情報を表示することでICカードが登録済みであることを示し、カード情報の公開が許可されていない場合には「登録済」等カード情報を表示しない形式でICカードが登録済みであることを示す。
【0106】
次に、ICカード管理画面1001に含まれるICカード情報領域1002の表示処理について説明する。図24は、第3実施形態におけるカード情報の表示処理を示すフローチャートである。本処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。本処理は、ICカード管理画面1001を表示する際に、ICカード情報領域1002の表示内容を決定するために実行される。
【0107】
ステップS2401において、ショートカット制御部210は、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブルにおいて当該ショートカットに対応したショートカットIDが存在するかを確認することによって、ショートカットにカード情報が登録済みであるかの判定を行う。当該ショートカットのショートカットIDが存在する場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みである場合は、ステップS2402に進む。一方、当該ショートカットのショートカットIDが存在しない場合、すなわちショートカットにカード情報が登録済みでない場合は、ステップS2405に進む。
【0108】
ステップS2402において、ショートカット制御部210は、カード情報の公開が許可されているか否か判定する。ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブル(図19)において当該ショートカットに対応したカードID公開許可フラグ1903の値を確認することで、カード情報の公開が許可されているか否か判定する。カードID公開許可フラグ1903の値が「True」の場合はカード情報が公開可能と判定し、ステップS2403に進む。一方、カードID公開許可フラグ1903の値が「False」の場合はカード情報が公開不可能と判定し、ステップS2404に進む。
【0109】
ステップS2403において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていることを、カード情報と共に表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002にカードIDをそのまま表示する(図21)。
ステップS2404において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていることを、カード情報は非公開の状態で表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に「登録済(非公開)」と表示する(図22)。
ステップS2405において、表示操作制御部201は、ショートカット制御部210の制御に基づき、ICカード管理画面1001において、ショートカットに対応するICカードが登録されていないことを表示する。例えば、表示操作制御部201は、ICカード管理画面1001のICカード情報領域1002に「未登録」と表示する(図10)。
【0110】
なお、本実施形態では、カード情報の公開が許可されている場合にカードIDを表示したが、これに限られるものではなく、他のカード情報をそのまま表示するようにしてもよい。例えば、カード情報に登録されている社員番号やグループ名を表示するようにしてもよい。カードID以外のカード情報は、ICカード管理テーブルで管理するようにしてもよいし、カードIDで紐づけられた他の管理テーブルで管理するようにしてもよい。カードIDや社員番号等、カード情報が複数種類登録されている場合には、表示するカード情報をユーザが指定できるようにしてもよい。
【0111】
また、本実施形態では、カード情報を公開するか否かをユーザがショートカットにICカードを登録する度に設定する例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、カード情報の公開可否をカードの種類に応じて切り替えるようにしてもよい。例えば、社員証である場合にはカード情報を非表示にし、交通系のICカードである場合にはカード情報の公開を許可する等設定することができる。これにより、ユーザがICカードを登録する度に設定を行わなくても、カードの種類に応じて公開/非公開を切り替えることができるようになる。
【0112】
以上のように、本実施形態によれば、設定に応じてカード情報の公開可否を切り替えるこができる。これにより、ユーザは第三者によってカード情報を盗み見られるリスクを抑えることに加え、公開しても良いカード情報(例えば、社員番号など)の場合に、公開することができる。
【0113】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0114】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
図1
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図3
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