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特許7508278露光装置、露光方法、及び物品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】露光装置、露光方法、及び物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020097739
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021189397
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敢士
(72)【発明者】
【氏名】八講 学
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-022222(JP,A)
【文献】特開2007-242775(JP,A)
【文献】特開2009-043933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0220306(US,A1)
【文献】国際公開第2015/015749(WO,A1)
【文献】特開2016-188878(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152359(WO,A1)
【文献】特開2017-073549(JP,A)
【文献】特開2018-022884(JP,A)
【文献】特開2020-122921(JP,A)
【文献】米国特許第06233039(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を露光する露光装置であって、
複数の固体発光素子と、前記複数の固体発光素子のそれぞれに対応して設けられた複数のコリメートレンズと、前記複数のコリメートレンズから出射した光を集光するコンデンサレンズと、を含み、前記複数の固体発光素子からの光でマスクを照明する照明光学系と、
前記マスクのパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、を有し、
前記複数の固体発光素子のそれぞれは、前記複数のコリメートレンズのそれぞれの光軸外で最大強度となるように発光し、
前記コンデンサレンズの後側焦点位置の光強度分布である瞳面強度分布は、前記複数の固体発光素子のそれぞれからの光を重畳させることにより形成される光強度分布であり、
前記瞳面強度分布は、前記照明光学系の光軸外で最大強度となる光強度分布であることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記瞳面強度分布は、4回以上の回転対称性を示す光強度分布であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記瞳面強度分布は、輪帯形状の光強度分布であることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記瞳面強度分布は、四重極形状の光強度分布であることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項5】
前記照明光学系は、前記光のうち一部の光を遮光する開口絞りを更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記複数の固体発光素子の発光分布は、前記開口絞りを透過した後の前記投影光学系の瞳面における光強度分布である有効光源分布に対応した分布であることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記発光分布で最大の光強度となる領域は、前記有効光源分布の発光領域を仮想的に前記複数の固体発光素子の発光面に逆投影した領域の中に含まれることを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記発光分布の領域をS、前記逆投影した分布の領域をS´、前記複数の固体発光素子の発光面における照度分布をI(x,y)としたとき
【数1】

で規定される特性値が1.13以上であることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
【請求項9】
前記複数の固体発光素子のそれぞれは、前記複数のコリメートレンズのそれぞれの光軸に対して偏心して配置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項10】
前記複数のコリメートレンズの焦点距離が可変であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項11】
前記複数の固体発光素子は、第1の固体発光素子と第2の固体発光素子を含み、
前記照明光学系は、前記第1の固体発光素子の発光面である第1発光面と、前記第2の固体発光素子の発光面である第2発光面を含む複数の発光面の発光分布を重畳して、前記投影光学系の瞳面に形成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項12】
前記第1の固体発光素子の発光分布は、前記第2の固体発光素子の発光分布と異なる発光分布であることを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
【請求項13】
前記第1の固体発光素子は、前記発光面に対して垂直な軸周りの角度が、前記第2の固体発光素子と異なる角度で配置されることを特徴とする請求項11又は12に記載の露光装置。
【請求項14】
基板を露光する露光装置であって、
第1の波長特性を有する第1の固体発光素子と、前記第1の波長特性とは異なる第2の波長特性を有する第2の固体発光素子とを含む複数の固体発光素子と、前記複数の固体発光素子にそれぞれ対応して設けられた複数のコリメートレンズと、前記複数のコリメートレンズから出射した光を集光するコンデンサレンズと、を有し、前記複数の固体発光素子からの光でマスクを照明する照明光学系と、
前記マスクのパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、を有し、
前記複数の固体発光素子のそれぞれは、前記複数のコリメートレンズのそれぞれの光軸外で最大強度となるように発光し、
前記コンデンサレンズの後側焦点位置における瞳面強度分布は、前記第1の固体発光素子からの光により形成される第1光強度分布と、前記第2の固体発光素子からの光により形成される第2光強度分布と、を重畳させた光強度分布であることを特徴とする露光装置。
【請求項15】
前記第2の波長特性の重心波長は、前記第1の波長特性の重心波長よりも長い波長であることを特徴とする請求項14に記載の露光装置。
【請求項16】
前記第2光強度分布において最大の光強度となる領域は、前記第1光強度分布において最大となる光強度の領域よりも前記照明光学系の光軸を中心として外側の領域であることを特徴とする請求項15に記載の露光装置。
【請求項17】
前記複数のコリメートレンズは、前記第1の固体発光素子からの光をコリメートする第1コリメートレンズ及び前記第2の固体発光素子からの光をコリメートする第2コリメートレンズを含み、
前記第1コリメートレンズの焦点距離は、前記第2コリメートレンズの焦点距離とは異なることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項18】
基板を露光する露光方法であって、
照明光学系を介した光でマスクを照明する第1の工程と、
前記マスクのパターンの像を前記基板に投影する第2の工程と、を有し、
前記照明光学系は、複数の固体発光素子と、前記複数の固体発光素子のそれぞれに対応して設けられた複数のコリメートレンズと、前記複数のコリメートレンズから出射した光を集光するコンデンサレンズと、を含み、
前記複数の固体発光素子のそれぞれは、前記複数のコリメートレンズのそれぞれの光軸外で最大強度となるように発光し、
前記コンデンサレンズの後側焦点位置の光強度分布である瞳面強度分布は、前記複数の固体発光素子のそれぞれからの光を重畳させることにより形成される光強度分布であり、
前記瞳面強度分布は、前記照明光学系の光軸外で最大強度となる光強度分布であることを特徴とする露光方法。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する露光工程と、
前記露光工程で露光された基板を現像する現像工程と、
前記現像工程で現像された基板の処理を行う処理工程と、を含み、
前記処理工程で処理された基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置、露光方法、及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
露光装置は、マスク(原版)に形成されているパターンをプレート(基板)に転写する装置であって、照明光学系を介して被照射面であるマスクに光を照明し、投影光学系を介してマスクのパターンの像をプレート上に投影する。露光装置の照明光学系では、光源からの光でオプティカルインテグレータを照明し、照明光学系の瞳面に相当する当該オプティカルインテグレータの射出面において2次光源を生成する。2次光源は、所定の形状および所定の大きさを持つ発光領域で形成される。また、発光領域における光量分布である有効光源分布は、マスクの各点を照明する光の角度分布に対応する。
【0003】
露光装置においては、微細パターンに対する転写性能の向上技術として、超解像技術(RET:Resolution Enhancement Techniques)が知られている。RETの1つとして、マスクの各点を照明する光の角度分布を最適化する変形照明の技術が知られている。例えば、微細パターンに対する解像性能を向上させることを目的として、有効光源分布を輪帯形状にした輪帯照明が用いられる。
【0004】
露光装置の光源として、例えば、水銀ランプが用いられているが、近年、水銀ランプの代わりに、固体発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)へ置換することが期待されている。LEDは発光を制御する基板回路に電流を流してから、光の出力が安定するまでの時間が短く、水銀ランプのように常時発光させる必要がないため、省エネルギー且つ長寿命であるというメリットがある。
【0005】
特許文献1には、複数のLED素子の発光分布を照明光学系の瞳面に重畳し、有効光源分布を均一にするための構成が記載されている。また、照明光学系の瞳面に配置する開口絞りの開口部の形状を輪帯形状とすることで、解像性能を向上させる変形照明を用いる内容についても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-188878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、LED素子は、その発光面内で一様の強度で発光するように構成されているため、瞳面位置の光強度分布も一様な分布となる。そのため、変形照明を形成するためには、照明光学系の瞳面に所望の形状の開口絞りを配置し、光を遮光する必要がある。結果として、変形照明の形成のためには、開口絞りの遮光領域の分だけ照度が低下してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、LEDを光源とした変形照明において、照度の低下を抑制するために有利な露光装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、基板を露光する露光装置であって、複数の固体発光素子と、前記複数の固体発光素子のそれぞれに対応して設けられた複数のコリメートレンズと、前記複数のコリメートレンズから出射した光を集光するコンデンサレンズと、を含み、前記複数の固体発光素子からの光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、を有し、前記複数の固体発光素子のそれぞれは、前記複数のコリメートレンズのそれぞれの光軸外で最大強度となるように発光し、前記コンデンサレンズの後側焦点位置の光強度分布である瞳面強度分布は、前記複数の固体発光素子のそれぞれからの光を重畳させることにより形成される光強度分布であり、前記瞳面強度分布は、前記照明光学系の光軸外で最大強度となる光強度分布でることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、LEDを光源とした変形照明において、照度の低下を抑制するために有利な露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】露光装置の構成を示す概略図である。
図2】照明光学系構成を示す概略図である。
図3】LEDアレイ光源の構成を示す図である。
図4】照明光学系のその他の構成例を示す図である。
図5】比較例における輪帯照明の形成を示す図である。
図6】実施例1における輪帯照明の形成を示す図である。
図7】比較例と実施例1のシミュレーション結果を示す図である。
図8】比較例と実施例1の瞳面強度分布の強度プロファイルを示す図である。
図9】比較例に対する実施例1の光量比を示す図である。
図10】実施例1における四重極照明の形成を示す図である。
図11】有効光源分布を逆投影した逆投影分布を示す図である。
図12】異なる発光分布の複数のLED素子における輪帯照明の形成を示す図である。
図13】異なる角度の複数のLED素子における輪帯照明の形成を示す図である。
図14】異なる偏心の複数のLEDにおける四重極照明の形成を示す図である。
図15】焦点距離が可変である集光部の構成を示す図である。
図16】瞳面強度分布のシミュレーション結果を示す図である。
図17図16の瞳面強度分布の強度プロファイルを示す図である。
図18】複数の発光分布の発光面を示す図である。
図19】実施例5における変形照明の波長域と発光領域の関係を示す図である。
図20】実施例5のシミュレーション結果を示す図である。
図21】実施例5における有効光源分布の形成を示す図である。
図22】様々な分布と式(5)の評価値の対応について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略図である。露光装置100は、複数の波長域を含む光でマスク(原版)1を照明し、プレート(基板)6にマスク1のパターンを転写するリソグラフィ装置である。露光装置100は、フラットパネルディスプレイ、半導体素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などを製造するための装置である。
【0014】
露光装置100は、光源からの光によって、被照明面であるマスク1を照明する照明光学系10と、マスク1に形成されたパターンの像をプレート6へと投影する投影光学系101とを有する。更に、露光装置100は、マスク1を保持し、駆動又は位置決めするマスクステージ2と、プレート6を保持し、駆動又は位置決めするプレートステージ7と、プレートステージ7に設けられた計測部8と、制御部9とを有する。マスク1は、投影光学系11の物体面に配置され、プレート6は、物体面と光学的に共役な位置である投影光学系11の像面に配置される。
【0015】
投影光学系101は、例えば、反射光学系であり、ミラー3、4及び5を含む。投影光学系101は、マスク1からの光をミラー3、4、5、4、3の順に反射し、マスク1の投影像をプレート6に形成する。投影光学系101が反射光学系で構成される場合、光源からの光の色収差が屈折光学系よりも小さい。このような構成は、複数の波長域を含む広帯域光(ブロードバンド照明光)を用いる場合に好適である。
【0016】
制御部9は、露光装置100の各部、即ち、照明光学系10、投影光学系101、マスクステージ2、プレートステージ7などを統括的に制御して露光装置100を動作させる。制御部9は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、又は、これらの全部又は一部の組み合わせによって構成される。
【0017】
図2は、照明光学系10の構成を示す概略図である。照明光学系10は、例えば、光源11と、コンデンサレンズ12、15と、オプティカルインテグレータ13と、開口絞り14とを含む。
【0018】
光源11は、例えば、固体発光素子であるLED素子を複数含むLEDアレイ光源のことであり、詳しい構成については後述する。光源11から射出される光は、コンデンサレンズ12で集光され、オプティカルインテグレータ13を照射する。位置関係としては、コンデンサレンズ12の前側焦点位置の近傍に光源11の射出面が位置し、コンデンサレンズ12の後側焦点位置の近傍にオプティカルインテグレータ13の入射面が位置するよう構成する。ここで、光源11の射出面やオプティカルインテグレータ13の入射面はコンデンサレンズ12の焦点位置に完全に一致する必要はなく、例えば焦点距離から10%以内に位置されても良い。
【0019】
オプティカルインテグレータ13は、例えば、フライアイレンズであり、多数の同一のレンズエレメントから構成される。オプティカルインテグレータ13は入射面上の光を波面分割し、その射出面で光源11の多重光源像を形成する。換言すると、オプティカルインテグレータ13を構成する多数のレンズエレメントの1つ1つの射出面に、光源11の光学像が形成され、これが2次光源となる。オプティカルインテグレータ13の射出面近傍に配置される開口絞り14は、マスク1を照射する光の角度分布を制御する。開口絞り14は、例えば、輪帯形状の透過領域や四重極状の透過領域を設けることで、輪帯や四重極などの変形照明を形成可能である。開口絞り14を透過した光は、コンデンサレンズ15によって集光され、照明光としてマスク1を照射する。また、プレートステージ7には、オプティカルインテグレータ13の射出面に形成される2次光源の形状や光強度を計測可能なイメージセンサ(例えば、CCDセンサ)である計測部8が設けられている。
【0020】
ここで、照明光学系10の瞳面位置とは、オプティカルインテグレータ13の射出面に相当する。また、マスク1が配置されている面に対して光学的にフーリエ変換した面が瞳面位置に相当する。瞳面強度分布とは、オプティカルインテグレータ13の射出面の光量分布を指す。有効光源分布とは、マスク1を照明する光の角度分布であり、図2においては開口絞り14を透過した後の光量分布に相当する。ここで、開口絞り14が設けられない場合には、瞳面強度分布と有効光源分布は同一となる。また、本実施形態における変形照明は、有効光源分布が輪帯形状や四重極状であるものとして説明するが、これに限られるものではなく、円形で略均一な分布とは異なる有効光源分布全般を指す。
【0021】
オプティカルインテグレータ13の分割数が無限大の極限を考える(レンズエレメント1つの大きさが無限小の極限を考える)と、オプティカルインテグレータ13の入射面の光量分布と、射出面の光量分布である瞳面強度分布は同一となる。オプティカルインテグレータ13の分割数が有限の場合は入射面の光量分布と瞳面強度分布は必ずしも一致しない。しかし、両者の分布には高い相関があることからオプティカルインテグレータ13の入射面の光量分布を「瞳面強度分布」と称しても差し支えない。
【0022】
次に、光源11の構成について図3で説明する。図3(a)は、x軸方向から見た光源の断面の概略図であり、図3(b)は、z軸方向から見た光源の概略図である。光源11は、基台21に複数のLED素子22が実装されている構成となっている。LED素子22は、高圧水銀ランプと比べて放射エネルギーが小さいため複数用いる必要があり、例えば、1000個程度のLED素子22が基台21に実装される。LED素子22は、基台21の上に二次元的に配列されており、特に図3(b)では正方格子状に配列しているがこのような配列に限らず、その他の配列、例えば、千鳥状に配列されてもよい。
【0023】
LED素子22は紫外光を放射するUV-LEDであり、発光ピークの波長は、例えば、365nm、385nm、405nmである。複数のLED素子22はすべて同一の発光波長であっても良いし、異なる発光波長のものを同一の基台上に混在させてもよい。また、LED素子22から放射される光は、放射角度が半角で60~70度程度であり、一般的なフラットパネルディスプレイ向けの投影光学系の開口数NAが0.1前後(角度に換算すると5.7度前後)であることを考えると非常に大きな角度分布である。そこで、LED素子22からの放射光束を損失なく下流の光学系で取り込むため、各LED素子22の直下に、放射光束をコリメートする集光部23を設けることが望ましい。
【0024】
集光部23には、各LED素子22の1つ1つに対応するようにコリメートレンズが設けられている。図3(b)の点線と点線が交わっている交点は、集光部23に含まれる各コリメートレンズの光軸を表している。ここでは各コリメートレンズの光軸と各LED素子22の中心が一致するように図示されているが、必ずしもその通り配置する必要はない。
【0025】
集光部23の前側焦点位置の近傍に、LED素子22の発光面が位置するように構成することで、集光部23の後側焦点位置の近傍に、LED素子22の発光面における光線情報がフーリエ変換された分布が形成される。この集光部23の後側焦点位置が、コンデンサレンズ12の前側焦点位置の近傍に位置するよう構成すれば、LED素子22の発光面とオプティカルインテグレータ13の入射面が光学的に共役となる。全てのLED素子22に対して同様に構成することで、全てのLED素子22の発光面とオプティカルインテグレータ13の入射面が光学的に共役となる。換言すれば、全てのLED素子22の発光面の光学像がオプティカルインテグレータの入射面に重畳して投影され、瞳面強度分布が形成される。ここで、必ずしもすべてのLED素子が同様の構成をとる必要はなく、大多数のLED、例えば90%以上のLED素子に対して上記の関係であればよい。
【0026】
ここで、照明光学系10の変形例を図4で説明する。図2で説明した照明光学系10との差異は、複数のLEDアレイ光源を含む点である。図4では、2つの光源11a、11bによってマスク1を照射する。光源11aには第1の波長特性λ1を有する第1のLED素子が複数含まれ、光源11bには第2の波長特性λ2を有する第2のLED素子が複数含まれる。第1の波長特性λ1を有する第1のLED素子は、例えば、ピーク波長が365nmで発光するLED素子であり、第2の波長特性λ2を有する第2のLED素子は、例えば、ピーク波長が405nmで発光するLED素子である。
【0027】
2つの光源11a、11bから放射される波長特性の異なる光を、波長合成部16で合成し、コンデンサレンズ12へ導く。波長合成部16は、例えば、ダイクロイックミラーであり、365nmの光は透過し、405nmの光は反射するような光学薄膜を形成しているガラスである。このような構成により、図2で説明した照明光学系10と比較して、より多くの光量をオプティカルインテグレータ13に導くことができる。
【0028】
図4で説明した照明光学系10のような構成の場合でも、光源11aに含まれる複数の第1のLED素子の発光面とオプティカルインテグレータ13の入射面は光学的に共役である。即ち、複数の第1のLED素子の発光面の光学像がオプティカルインテグレータ13の入射面上で重畳して投影される。同様に、光源11bに含まれる複数の第2のLED素子の発光面とオプティカルインテグレータ13の入射面は光学的に共役である。即ち、複数の第2のLED素子の発光面の光学像がオプティカルインテグレータ13の入射面上で重畳して投影される。
【0029】
<比較例>
本実施形態との比較のために、変形照明の形成の比較例について説明する。図5は比較例における輪帯照明の形成に関する模式図である。図5(a)はある1つのLED素子22の発光面の光量分布である発光分布27を表しており、図5(b)は、瞳面における瞳面強度分布25を表し、図5(c)は輪帯形状の開口絞り24を表す。開口絞り24は、光を透過する透過領域と、中央部と外周部の光を遮蔽する遮蔽領域があり、図5(c)では、透過領域をドットで、遮蔽領域を斜線で表している。開口絞り24の透過領域でのみ光が透過するため、有効光源分布26の形状は、開口絞り24の形状によって決まる。
【0030】
図5(a)内の破線の交点は、LED素子からの放射光をコリメートする集光部23に含まれるコリメートレンズの光軸に対応しており、図5(b)及び図5(c)内の破線の交点は、照明光学系10の光軸に対応する。図5(a)では、複数のLED素子22が全て図5(a)で示すような発光分布27を有しているものとする。比較例では、発光分布27は略均一な発光分布であり、その発光面が瞳面に投影されることから瞳面強度分布25は略均一な強度分布となっている。
【0031】
比較例では、図5(b)で示している瞳面強度分布25は略均一な強度分布であるために、開口絞り24によって光を遮蔽する領域が大きければ大きいほど光源の光量を損失してしまう。特に、上述した輪帯照明等の変形照明では、光を遮蔽する領域が大きいために多くの光量を損失してしまう。露光装置において、光源の光量が低下することは、プレート6の処理(例えば、プレート6への露光処理)にかかる時間の増加の要因の1つとなってしまうため、プレート6を処理する生産性の悪化につながってしまうという問題が生じる。
【0032】
また、LED素子22に電流をより多く流すことで、LED素子22自体の発光量を上げることにより上記の問題を解決することも考えられるが、別の問題が発生しうる。例えば、LED素子22に電流が多く流れることによる温度上昇によって、LED素子22が正常に動作できる温度を超えてしまうといった問題や、LED素子22に電流が多く流れることにより、LED素子22の寿命が短くなってしまうといった問題がある。したがって、別の方法によって有効光源分布26の光量を向上させることが好ましい。
【0033】
そこで本実施形態では、開口絞り24の透過領域に光量を集中させ、開口絞り24の遮光領域の光量を少なくするような技術を提供する。これにより、変形照明を形成する際の光量の損失を小さくすることができる。
【0034】
<実施例1>
実施例1では、発光分布と瞳面強度分布が同じ分布である場合における変形照明の形成について説明する。変形照明とは、例えば、照明形状が回転対称となる輪帯照明や、照明形状が4回回転対称となる四重極照明である。以下では、4回以上の回転対称性を示す変形照明について説明する。図6は、実施例1を示す図である。
【0035】
図6(a)はある1つのLED素子22の発光分布37を表しており、図6(b)は、瞳面における瞳面強度分布35を表し、図6(c)は輪帯形状の開口絞り34を表す。開口絞り34は、光を透過する透過領域と、中央部と外周部の光を遮蔽する遮蔽領域があり、図6(c)では、透過領域をドットで、遮蔽領域を斜線で表している。開口絞り34の透過領域でのみ光が透過するため、有効光源分布36の形状は、開口絞り34の形状によって決まる。
【0036】
図6(a)内の破線の交点は、LED素子からの放射光をコリメートする集光部23に含まれるコリメートレンズの光軸に対応しており、図6(b)及び図6(c)内の破線の交点は、照明光学系10の光軸に対応する。図6(a)の発光分布37は、図5(a)の略均一な発光分布27とは異なり、輪帯形状の発光分布となっている。
【0037】
図6(a)では、複数のLED素子22が全て図6(a)で示すような発光分布37を有しているものとする。ここで、図6(a)及び図6(b)のドットパターンで図示される領域が発光領域であり、その他の灰色で図示される領域は非発光領域である。ここで、非発光領域は、微弱に発光しているが発光領域に対して相対的に強度が低い領域も含む。例えば、発光分布37の最大発光強度の値に対して20%以下の発光強度である領域を非発光領域であるとする。
【0038】
輪帯形状の発光領域を有する発光分布37が瞳面に投影されることから、照明光学系の光軸外で最大の光強度となる輪帯形状の瞳面強度分布35が形成される。この発光領域は開口絞り34の透過領域に対応するよう構成されるため、開口絞り34の遮蔽領域で遮蔽される光量は比較例と比べて小さく、開口絞り34の透過領域を透過する光量は比較例と比べて大きくなる。
【0039】
次に、シミュレーションによって実施例1における効果を定量的に評価した結果について説明する。図7は、比較例と実施例1のシミュレーション結果を示す図である。図7(a)は、比較例におけるLED素子22の発光分布と瞳面強度分布であり、図7(b)は、実施例1におけるLED素子22の発光分布と瞳面強度分布である。LED素子22の発光領域は、図7(a)、図7(b)共に1.4mm×1.4mmの正方形の領域としており、総放射エネルギーが同等になる様に設定している。
【0040】
また、集光部は、図7(a)、図7(b)共に2枚のコリメートレンズで構成しており、集光部の焦点距離は図7(a)では6.56mm、図7(b)では6.88mmである。瞳面強度分布の軸は、集光部から射出した光の角度分布を投影光学系の開口数NAで規格化した値を横軸fx、縦軸fyとしている。
【0041】
また、瞳面強度分布のスケールは微小立体角内に含まれる光量を縦階調としてプロットしている。LED素子の発光分布、瞳面強度分布における画像の縦階調はともに図7(b)のデータの最大値で規格化した。ここで、開口数NAに対する照明光の広がりの比をコヒーレンスファクターσと称する。座標fx、fyとの関係はσ=√(fx^2+fy^2)である。
【0042】
比較例のシミュレーションを示す図7(a)のLED素子22の発光分布は均一であることから、瞳面強度分布もσ<1.0の範囲では略均一な分布となっている。σ>1.0の周辺部で強度が減衰しているのは、LED素子の周辺部から放射される光はコリメートレンズに入射する光線高が大きく、レンズの収差の影響を受けて集光されにくいためである。一方、比較例1のシミュレーションを示す図7(b)のLED素子22の発光分布は輪帯形状に強く発光している。瞳面強度分布も同様に輪帯形状に強く発光する分布となっている。
【0043】
図8は、図7(a)と図7(b)の瞳面強度分布のfx=0における規格化強度を示す強度プロファイルである。図中の(a)は図7(a)に対応しており、起伏のない略均一な分布である。一方、図中の(b)は図7(b)に対応しており、|fy|=0.80で極大値を取り、照明光学系10の光軸を中心として外側に局在した分布である。強度を比較すると、|fy|<0.52では(a)の方が高く、0.52<|fy|<0.93では(b)の方が高い。
【0044】
図8で示す結果を元に、輪帯形状の領域における光量について、図7(a)と図7(b)の比較を行う。即ち、輪帯形状の開口絞りを置いた場合における有効光源分布の光量について評価する。図9は、図7(a)のfx=0における瞳面強度分布においてσin<σ<0.90の領域に含まれる光量を図7(b)のfx=0における瞳面強度分布においてσin<σ<0.90の領域に含まれる光量で割った値をグラフ表示した図である。ここで、σinは輪帯領域の下限値を示しており、0.45<σin<0.90の値を取る変数である。即ち、輪帯の上限をσ=0.90に固定し、様々な輪帯幅に対しての光量比を評価している。例えば、図9のσin=0.60は、σが0.60~0.90である輪帯における(a)に対する(b)の光量比を表す。輪帯の幅によって変動はあるものの、常に(b)の光量の方が大きい。例えば、σが0.45~0.90の輪帯では光量比は1.14であり、比較例に対して実施例1では14%の光量の利得がある。また、σが0.70~0.90の輪帯では、光量比は1.22であり、比較例に対して実施例1では22%の光量の利得がある。
【0045】
次に、発光分布が輪帯形状ではない例について図10を用いて説明する。図10(a)は四重極形状の発光分布47を表しており、図10(b)は瞳面における瞳面強度分布45を表し、図10(c)は四重極形状の開口絞り44と有効光源分布46を表す。四重極形状に発光する発光分布47の発光領域は四重極形状の開口絞り44の透過領域に対応するよう構成される。一般に、四重極照明では、輪帯照明と比較して開口絞り44で遮光される領域が大きいことから、マスク1に導かれる光量は小さくなる。したがって、本実施形態における四重極照明は、輪帯照明の場合に比べて光量の利得が大きくなる。
【0046】
本実施形態において、照度の低下を抑制する効果を得るためには、LED素子の発光分布が所望の有効光源分布に対応するような分布である必要がある。即ち、所望の有効光源分布を逆投影した分布をLED素子の発光分布とすれば良い。また、逆投影した分布とLED素子の発光分布は完全に同じでなくても良く、例えば、逆投影した光強度分布で最も光強度が高い領域で、LED素子が最も強く発光するような発光分布であれば良い。これについて図11を用いて説明する。
【0047】
図11(a)と図11(b)は、それぞれ図10(a)と図10(c)の意味するところと同じであり、図11(a)は発光分布47、図11(b)は四重極形状の開口絞り44と有効光源分布46である。この有効光源分布46を、発光分布47の発光面に対して逆投影した分布が図11(c)の逆投影分布48である。ここで、逆投影について説明する。LED素子の発光面と照明光学系の瞳面位置は、光学的に共役となるように構成され、LED素子の発光面の光学像が照明光学系の瞳面位置に所定の投影倍率に拡大されて投影される。逆投影とは、瞳面上の光強度分布を、投影倍率の逆数の倍率で仮想的に投影することを指す。逆投影分布48の波線パターンで示す領域48aは、開口絞り44を透過した、有効光源分布46における発光領域に対応している。
【0048】
逆投影分布48の斜線パターンで示す領域48bは、開口絞り44で遮光された、有効光源分布46における非発光領域に対応している。図11(d)は、図11(c)の点線のうちx軸と平行である点線上における、LED素子の発光強度のプロファイルを示すものである。図11(d)において斜線で示す領域は逆投影像の斜線パターン領域48b、即ち、有効光源分布の非発光領域に相当する。それ以外の領域は有効光源46の発光領域に対応する。図11(d)で示す通り、LED素子の面内で高い発光強度を有する領域が、有効光源分布の逆投影像の発光領域48aの中に含まれる。このような構成であれば、発光分布47の放射光を開口絞り44の透過部に集中させられるため、開口絞り44による光量の損失を抑制することができる。
【0049】
また、複数のLED素子が光源に含まれる場合には、各LED素子に対し有効光源分布を逆投影し、LED素子の発光分布と有効光源分布の対応を評価する。このとき、必ずしも全てのLED素子で上記条件を満たす必要はなく、例えば、90%以上のLED素子で上記条件を満たせばよい。
【0050】
ここまでは開口絞り44が設けられる場合について説明したが、開口絞り44が設けられない場合には、有効光源分布において、完全な非発光領域が形成されない可能性がある。この場合には、例えば、有効光源分布の最大強度に対して50%を閾値とし、発光強度が50%以上の領域を発光領域、50%より小さい領域を非発光領域と定義しても良い。
【0051】
本実施形態において、照度の低下を抑制する効果をより高めるための定量的な条件について説明する。LED素子の発光面の領域をS、有効光源分布の逆投影像の領域をS´、LED素子の発光面における発光分布(単位面積当たりの発光強度分布)をI(x,y)としたとき、以下の式(1)で規定される特性値が1.13以上であれば良い。
【0052】
【数1】
式(1)のうち以下の式(2)は、有効光源分布の逆投影像の発光領域の面積とLED素子の発光面の面積の比である。つまり、式(2)は、LED素子の発光分布が完全に均一である場合に、開口絞りを透過可能な光量をLED素子の総発光量で規格化した値に相当する。換言すれば、LED素子の発光分布が完全に均一である場合の、LED素子の総発光エネルギーに対する開口絞りを透過可能なエネルギーの比を表す。
【0053】
【数2】
式(1)のうち以下の式(3)は、有効光源分布の逆投影像の発光領域内におけるLEDの発光強度の積分値と、LED素子の発光面内におけるLED素子の発光強度の積分値との比である。つまり、式(3)は、開口絞りを透過可能なエネルギーをLED素子の総発光エネルギーで規格化した値に相当する。換言すれば、LED素子の総発光エネルギーに対する開口絞りの透過可能なエネルギーの相対値を表す。
【0054】
【数3】
以上より、式(3)と式(2)の比である式(1)は、均一発光のLED素子を用いた場合に開口絞りを透過する光量に対して、開口絞りを透過する光量の比を表す。換言すれば、式(1)は、本実施形態による変形照明による光量の利得を表すとも言える。
【0055】
発明者の知るところでは、略均一な面内発光分布であるUV-LEDの市販品を用いた場合には、式(1)の評価値が最大でも1.12となり、1.13を超えるように構成することは出来ない。光源に複数のLED素子が含まれる場合には、各LED素子に対して式(1)を評価することになるが、必ずしも全てのLED素子で式(1)の評価値が1.13以上である必要はない。例えば、全てのLED素子に対する式(1)の評価値の平均が1.13以上であればよい。
【0056】
LED素子の発光分布を局在させる方法について説明する。LED素子には、陽極、陰極の電極が接合されている。この陽極と陰極の間に電位差を与えてLED素子内部に電界を形成し、その電界に沿ってキャリアが移動する。LED素子は、キャリアである電子と正孔が発光層で再結合することでエネルギーが光となって放射されることにより発光する。LED素子内部の電界は、電極を起点として形成されることから、電極周辺ほど電界密度が高くなり、発光強度は高くなる。一方、電極から離れるほど電界密度が低くなり、発光強度は低くなる。一般的に、キャリアが電界の向きと垂直方向に拡散するよう電流拡散層を設けるが、その場合であっても上記のような傾向となる。また、LED素子は素子の面内で均一に発光するよう電極の形成がなされることが一般的であるが、本実施形態では、部分的に高い強度で発光する領域を意図的に設け、その領域を変形照明の発光領域に対応するよう構成することを特徴とする。
【0057】
したがって、実施例1では、発光分布と瞳面強度分布が同じ分布である場合に、上記のようなLED素子の発光分布であることによって、変形照明の光量の損失を抑制することができる。
【0058】
<実施例2>
実施例1では、発光分布と瞳面強度分布が同じ分布である場合について説明した。実施例2では、発光分布と瞳面強度分布が異なる分布である場合について説明する。
【0059】
図12は、異なる発光分布を示す複数のLED素子を用いて、所望の瞳面強度分布を得ることを示す図である。図12(a)は互いに異なる4種の発光分布57a~57dを表す。発光分布57a~57dは、全て四重極形状であるが発光分布57b、57c、57dは、発光分布57aに対し、発光面に対して垂直な軸であるz軸周りにそれぞれ22.5度、45度、67.5度回転した分布である。発光分布57a~57dのそれぞれの発光面が照明光学系の瞳面に対して共役であり、それぞれの光学像が瞳面位置で重畳される。
【0060】
図12(b)は、瞳面における瞳面強度分布55を表し、図12(c)は輪帯形状の開口絞り54を表す。瞳面強度分布55は、図12(b)のようになるよう図12(a)の発光分布57a~57dが設計されており、輪帯形状の開口絞り54の透過部を満たすように導光される。そして、輪帯形状の開口絞り54透過後には、図12(c)のような輪帯形状の有効光源分布56が形成される。このように、複数の異なる発光分布であるLED素子の光学像を瞳面上で重畳することで、それぞれのLED素子の発光分布とは異なる有効光源分布を形成することが可能である。
【0061】
図13は、同一の発光分布を示す複数のLED素子を発光面に対して垂直な軸であるz軸周りに回転して配置することで、所望の瞳面強度分布を得ることを示す図である。図13(a)に図示する4つの発光分布67a~67dは全て同一の発光分布であるが、LED素子の配置される角度が互いに異なる。このような場合にも、全ての発光面の光学像が照明光学系の瞳面位置に対して重畳され、図13(b)のような照明光学系の光軸外で最大の光強度となる瞳面強度分布65となる。更に、輪帯形状の開口絞り64で部分的に遮光されて輪帯形状の有効光源分布66が形成される。すなわち、LED素子の発光分布が同じであっても、配置される角度が異なることにより、LED素子の発光分布とは異なる有効光源分布を形成することが可能である。
【0062】
図14は、同一の発光分布を示す複数のLED素子を光軸に対し偏心した位置に配置することで、所望の瞳面強度分布を得ることを示す図である。図14(a)の発光分布77a~77dは、LED素子の中心付近で発光強度の極大をとるLED素子である。ただし、それぞれのLED素子について、集光部23に含まれる各コリメートレンズの光軸から互いに異なる位置に偏心して配置されている。具体的には、各コリメートレンズの光軸からのLED素子のずれ量をdとすると、(x,y)=(d,0),(-d,0),(0,d)、(0,-d)の4種類となるよう配置されている。結果的に、瞳面上では四重極形状の瞳面強度分布75が形成され、効率的に四重極形状の有効光源分布76を形成可能である。このように、集光部の光軸から外れた点で高い発光強度を有するよう構成することで、変形照明の光量の損失を抑制することができる。
【0063】
ここで、図12(a)、図13(a)、図14(a)で示す4種類のLED素子は、全てを同時に発光させる必要はなく、個別に点灯または消灯してもよい。また、それぞれのLED素子の発光光量を同等にする必要はなく、相対的に異ならせてもよい。このように有効光源分布の対称性を異ならせることで、解像力の方位差を制御することも可能である。例えば、図14(a)で(x,y)=(d,0),(-d,0)に配置した発光分布77b、77cを点灯し、(x,y)=(0,d),(0,-d)に配置した発光分布77a、77dを消灯する。このようなときは、x方向に配列する長手方向がy方向のラインアンドスペースパターンに対する解像力を大きく向上させることが可能である。
【0064】
これとは逆に、図14(a)で(x,y)=(0,d),(0,-d)に配置した発光分布77a、77dを点灯し、(x,y)=(d,0),(-d,0)に配置した発光分布77b、77cを消灯しても良い。このようなときは、y方向に配列する長手方向がx方向のラインアンドスペースパターンに対する解像力を大きく向上させることが可能である。
【0065】
したがって、実施例2のように、発光分布と瞳面強度分布が異なる分布である場合であっても、上記のようなLED素子の発光分布であることによって、変形照明の光量の損失を抑制することができる。
【0066】
<実施例3>
実施例1、実施例2では、変形照明の光量の損失を抑制するための発光分布について説明した。実施例3では、集光部23の焦点距離が可変である照明光学系10の構成について説明する。
【0067】
図15は、LEDアレイ光源11の構成を示す図である。集光部23内はコリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの2つのレンズで構成されており、コリメートレンズ23bがz軸に沿って駆動可能である。コリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの間隔ΔZが可変であることから、集光部23の焦点距離も可変となる。図15(a)は、コリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの間隔ΔZが短い構成を示す図であり、図15(b)は、コリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの間隔ΔZが長い構成を示す図である。
【0068】
ここで、集光部23の焦点距離が可変となる構成であれば必ずしも上記通りの機構である必要はない。例えば、コリメートレンズが3つ以上配置される構成であっても良いし、コリメートレンズ23bではなくコリメートレンズ23aが駆動する構成であっても良い。図15に示す構成では、コリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの間隔ΔZが大きい程焦点距離も大きくなるため、図15(a)における集光部23の焦点距離と比べて、図15(b)における集光部23の焦点距離の方が大きくなる。
【0069】
次に、焦点距離が可変であることにより、どのような効果が得られるかについて説明する。図16は、コリメートレンズ23aとコリメートレンズ23bの間隔ΔZの違いにより瞳面強度分布にどのような効果があるかを示す図である。図16(a)では、ΔZ=1mmの場合の瞳面強度分布を示しており、図16(b)ではΔZ=3mmの場合の瞳面強度分布を示している。即ち、図16(a)は、ΔZが短い場合を示す図15(a)に対応した図であり、図16(b)は、ΔZが長い場合を示す図15(b)に対応した図である。また、このときの集光部23の焦点距離はそれぞれ図16(a)では6.56mm、図16(b)では7.24mmである。瞳面強度分布の軸は、集光部から射出した光の角度分布を投影光学系の開口数NAで規格化した値を横軸fx、縦軸fyとしている。また、縦階調はともに図16(b)の最大値で規格化している。
【0070】
図16(a)と比較して焦点距離の大きい図16(b)の方が、分布の広がりが小さく、高い光強度を示す領域のσが小さいことが分かる。図17は、図16(a)と図16(b)のfx=0として、fyの強度プロファイルを示すグラフである。図16と同様に、縦軸は(b)の最大値で規格化している。図17より、図16(a)と比較して図16(b)では、最大値をとるσが0.12だけ小さくなっている。即ち、光軸を中心としてより内側で局在するような光強度分布となることが分かる。このように、実施例3では焦点距離が可変となる照明光学系10の構成であることから、所望の広がりとなる瞳面強度分布を得ることができる。したがって、焦点距離を可変とすることで、変形照明の光量の損失を抑制するように瞳面強度分布を制御することができる。また、マスクパターンによって適した有効光源分布が変わることから、瞳面強度分布の可変性は幅広いプロセスへの対応可能性という効果ももたらす。
【0071】
<実施例4>
実施例1~3では、1つのLED素子はただ1つの発光分布を有することを前提としていた。しかし、LED素子の電極の配置方法によっては、1つのLED素子に対して2つ以上の発光分布をもたせることも可能である。実施例4では、1つのLED素子に対して2つの発光分布をもたせる例について説明する。
【0072】
図18は、輪帯形状の発光領域87と円形状の発光領域88を有するLED素子の発光面の発光分布を示す。輪帯形状の発光領域87はLED素子表面に電極を円状に配置することで実現される。円形状の発光領域88は、LED素子表面に電極を円形状に配置することで実現される。それぞれの電極が互いにコンタクトしないように配線を行うことで、それぞれの領域の点灯・消灯を個別に制御できる。このように、1つのLEDに複数の発光分布を設け、個別に点灯・消灯の制御を行う構成により、幅広いプロセスへの対応力が得られる。ここで示した複数の発光領域の設け方はあくまで一例であり、例えば、格子状に複数のスポット状の発光領域を持つように構成してもよい。
【0073】
したがって、実施例4では、1つのLED素子に対して2つ以上の発光分布をもたせることも可能であるため、様々な形状の変形照明の光量の損失を抑制することができる。
【0074】
<実施例5>
実施例1~4では、LED素子から出射される光の波長について、特に考慮していなかった。実施例5では、複数の波長特性の光によって領域が考慮される変形照明が形成される例について説明する。複数の波長特性の光を光源として、波長特性により異なる有効光源分布を形成することで、高い解像性能を得ることが期待できる。
【0075】
図19は、高い解像性能を得るための露光波長λと照明角度σの関係を示す図である。
【0076】
ここで、繰り返し周期Pを有するパターンを露光波長λで露光するとき、投影光学系の開口数をNAとすると、
σ=λ/(2NA・P)・・・(4)
によって定まる照明角度σを含む発光領域を用いて変形照明することで、デフォーカスに伴うコントラストの低下を抑制することができる。式(4)で照明角度σが波長λに依存するため、露光波長によって解像性能の向上に資する有効光源分布が異なるといえる。図19には、式(4)の露光波長λと照明角度σの関係を実線で示している。図19に示すように、波長域λ1では発光領域I1に示す有効光源分布、波長域λ2では発光領域I2で示す有効光源分布となるようにすることで、解像性能の向上が期待できる。
【0077】
図20は、複数の波長特性の光によって領域が考慮される場合にどのような効果を得られるかについてシミュレーションを行った結果である。ピーク波長が365nmの波長特性とピーク波長が405nmの波長特性を有する2種類のLED素子を光源として、1.5μmラインアンドスペースパターンの解像性能についてシミュレーションを行った。開口数NAは0.10とした。実施例5である変形照明は、365nmの光で形成するσ=0.45-0.90の輪帯形状の有効光源分布と、405nmの光で形成するσ=0.70.00-0.90の輪帯形状の有効光源分布を合わせたものである。
【0078】
実施例5の比較例として、365nm、405nmがともに、σ=0.45-0.90の輪帯形状の有効光源分布を形成する条件である比較例2についても評価した。焦点深度(DOF:Depth of focus)については、レジスト像のボトム線幅がターゲット線幅である1.5μmに対し10%変動するFoucsの幅として定義した。比較例2に対し、実施例5ではコントラストとDOFがともに向上している。ここでいうコントラストとは、レジストの空中像強度のコントラストであり、コントラストが向上するということは解像力が向上していることを意味する。
【0079】
比較例2の輪帯照明に対し、実施例5では405nmの光量が少ないため、露光光の重心波長としては短くなる。通常では露光光を短波長化すると、コントラストは向上するもののDOFは小さくなる。このように、一般的にはコントラストとDOFはトレードオフの関係にあるが、実施例5はそのトレードオフを解消し、コントラストとDOFを同時に向上できる点で比較例2より優れている。
【0080】
実施例5の変形照明を形成する方法の1つとして、照明光学系の瞳面位置に波長フィルタを挿入し、不要な波長域・発光領域の光を遮光する方法がある。この場合、不要な波長域・発光領域の分だけ光量の損失が生じる。例えば実施例5を形成する場合、365nmの光に対しては、σ=0.00-0.45の領域を遮光し、405nmの光に対しては、σ=0.00-0.70の領域の光を遮光する。均一な発光分布のLED素子を光源として用いる場合は、瞳面強度分布も均一であることから、不要な波長域・発光領域の分だけ光量の損失が生じてしまう。そのような課題を解決するため、以下では、波長域によって異なる有効光源分布を形成する際の光量の損失を抑制する技術について説明する。
【0081】
光量の損失を抑制する照明系の一例は図4である。照明系10は、第1の波長特性λ1を有する第1のLED素子を複数含むLEDアレイ光源11aと、第2の波長特性λ2を有する第2のLED素子を複数含むLEDアレイ光源11bを光源として含む。複数の第1のLED素子並びに複数の第2のLED素子の発光面の全て、あるいはそのほとんど(例えば90%以上)がオプティカルインテグレータ13の入射面に対して光学的に共役である。したがって、波長により異なる有効光源分布を効率的に形成するためには、発光波長の異なるLED素子によって異なる光学構成にすればよい。
【0082】
実施例5を効率的に形成するための具体例について図21を用いて説明する。図21(a)は、実施例5でのLED素子の発光分布を表しており、第1の波長特性λ1を有する第1のLED素子の発光分布97aの領域は、第1のLED素子97aの発光領域である。また、第2の波長特性λ2を有する第2のLED素子97bの領域は、第2のLED素子97bの発光領域である。図21(b)は、瞳面強度分布を示す。第1のLED素子の発光面と第2のLED素子の発光面は、共に照明光学系の瞳面に対して光学的に共役であることから、瞳面強度分布はλ1とλ2の光を含む発光領域95aと、λ1の光を含む発光領域95bを合わせた瞳面強度分布95となる。図21(c)は、開口絞り94と有効光源分布96を示す。図21(c)に示す輪帯形状の開口絞り94を透過後には、波長によって異なる有効光源分布96が形成される。
【0083】
このように、第1のLED素子の発光分布97aと第2のLED素子の発光分布97bを異ならせることにより、波長フィルタを用いずとも瞳面上で波長により異なる有効光源分布を形成することが可能である。均一な発光分布を有するLED素子を用いて略均一な瞳面強度分布を形成し、波長フィルタによって不要な波長域・発光領域の光を遮光する場合と比べてより多くの光量をマスクに導くことが可能である。
【0084】
ここで、図21(c)では開口絞り94を図示したが、開口絞りは必ずしも必要ではない。また、実際は発光領域96aと発光領域96bの境界は離散的ではない。実際のLED素子の発光分布は図21(a)に示すような離散的なものではなく、また光学系の収差の影響で瞳面ではLED素子の光学像がぼけて投影されるためである。95aと95bの境界を明確に分離することを目的として、開口絞り94の代わりに波長フィルタを挿入してもよい。
【0085】
上記の説明で、LED素子の発光波長により発光分布を異ならせる例を示したが、必ずしも異なる発光分布である必要はないことを以下で説明する。実施例3で説明した通り、集光部23の焦点距離を異ならせることにより、異なる有効光源分布を形成することが可能である。実施例3と実施例5を組み合わせて、例えば、第1の波長特性λ1を有する第1のLED素子に対応する集光部23について、図16(a)の瞳面強度分布を形成するよう焦点距離を設定する。また、第2の波長特性λ2を有する第2のLED素子に対応する集光部23について、図16(b)の瞳面強度分布を形成するよう焦点距離を設定する。これらを重畳することで波長により異なる有効光源分布を形成することが可能である。
【0086】
式(4)より、デフォーカスに伴うコントラストの低下を抑制するのに適した照明条件であるσは、露光波長λに比例する。これは、短波長の露光光にとって好適なマスクの照明角度より、長波長の露光光にとって好適なマスクの照明角度が大きいことに相当する。瞳上の光量分布の観点で表現し直すと、短波長の光の有効光源分布よりも長波長の光の有効光源分布が照明光学系10を中心として、より外側で局在するような分布が望ましいといえる。定量的に表現すると、以下の式(5)のように表せる。
【0087】
【数4】
ここで、fx、fyは瞳面上の座標、Sは瞳面上で有効光源分布が形成されている領域、I(fx、fy)は有効光源分布の照度分布(単位面積あたりの光量分布)、dSは微小面積要素である。式(5)は、ある点の光量をその点の中心からの距離を乗じて総和をとった数値を、総光量で除したものであり、照明光学系10を中心として、外側に局在する分布であるほどより大きな値をとる。図22は、分布A~分布Dの4種類の分布に対して式(5)を評価した結果である。光強度は全て1としている。
【0088】
分布Aと分布Bはそれぞれ、σ=0.00-0.50、σ=0.00-0.90である円形状の分布であり、分布Cと分布Dはそれぞれ、σ=0.45-0.90、σ=0.70-0.90である輪帯形状の分布である。図22の内σはσの最小値、外σはσの最大値を表している。分布A、分布B、分布C、分布Dの順番で、照明光学系10を中心として、より外側に局在するような分布であるが、この順番で式(5)の評価値も大きくなる。
【0089】
第1の波長特性λ1の有効光源分布における式(5)の評価値をV1とし、第2の波長特性λ2の有効光源分布における式(5)の評価値をV2とする。ここで、第1の波長特性λ1の重心波長と第2の波長特性λ2の重心波長を比較して、第2の波長特性λ2の重心波長が長波長であるとする。このとき、V1よりV2が大きくなるような有効光源分布であれば式(4)の条件に適するため、ラインアンドスペースパターンに対する解像性能向上効果が得られる。ここで、重心波長とは、波長λに対する光源の発光光量をI(λ)とするとき、以下の式(6)で算出される波長を指す。
【0090】
【数5】
実施例5では、複数の波長域ごとに適切な有効光源分布を形成する変形照明であっても、光量の損失を抑制することができる。したがって、光量の損失を抑制すると共に、コントラストやDOFの性能を向上させる効果も期待できる。
【0091】
<物品の製造方法>
次に、前述の露光装置を利用した物品(フラットパネルディスプレイ、液晶表示素子、半導体IC素子、MEMS等)の製造方法を説明する。物品の製造方法は、プレート上に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(プレートを露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成されたプレートを現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の処理(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を行う工程を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0092】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明は多重露光に適用することも可能である。また、本発明の変形照明をマスクレス露光装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0093】
1 マスク
2 プレート
10 照明光学系
22 LED素子
100 露光装置
101 投影光学系
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