IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本信号株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-駐車場システム 図1
  • 特許-駐車場システム 図2
  • 特許-駐車場システム 図3
  • 特許-駐車場システム 図4
  • 特許-駐車場システム 図5
  • 特許-駐車場システム 図6
  • 特許-駐車場システム 図7
  • 特許-駐車場システム 図8
  • 特許-駐車場システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240624BHJP
   G06Q 50/43 20240101ALI20240624BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240624BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/43
G16Y10/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020099051
(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公開番号】P2021193477
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(72)【発明者】
【氏名】市川 光
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-045233(JP,A)
【文献】特開2020-004012(JP,A)
【文献】特許第6554259(JP,B1)
【文献】国際公開第2015/050242(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共同利用車両に関する予約情報と複数の駐車場に設けられた複数の車室の使用状態とを管理する管理サーバと、
車室に設置され、車両の有無及び識別情報を検出する検知部を有し、検知結果を前記管理サーバに送信する監視装置とを備え、
前記管理サーバは、前記各車室に入庫されている車両を識別情報に基づいて管理し、予約による利用が開始された共同利用車両の出庫を確認した場合、当該共同利用車両の出庫が確認された車室を、非共同利用車両を含む他の車両の入庫を許可する管理状態に変更する、駐車場システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記予約による利用が開始された共同利用車両の出庫を確認した場合であっても、当該共同利用車両について返却予約があって利用終了後の入庫を確保する必要がある場合、前記共同利用車両の出庫が確認された車室を前記他の車両の入庫を許可しない管理状態に維持する、請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記車室に設置され、駐車の可否を表示する表示装置をさらに備え、
前記管理サーバは、前記共同利用車両の出庫が確認された車室が前記他の車両の入庫を許可する管理状態である場合に、前記共同利用車両の出庫が確認された車室に設けられた前記表示装置を入庫を許可する表示状態に変更させる、請求項1及び2のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、予約に基づいて利用中の前記共同利用車両が入庫できる駐車場情報を、公衆回線を介して提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記共同利用車両中に搭載され、前記管理サーバと公衆回線を介して通信する車両搭載端末をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記監視装置は、入庫が許可された車室に入庫された車両の識別情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記共同利用車両を特定する識別情報を受信した場合、前記共同利用車両の受付処理を行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、前記共同利用車両の入庫が所定の条件を満たす場合、前記共同利用車両を予約可能状態として登録する、請求項6に記載の駐車場システム。
【請求項8】
駐車場は、前記共同利用車両の駐車領域を有し、前記管理サーバの管理下で、前記駐車領域のうち一部の車室を、前記他の車両としての一般車両に開放する、請求項1~7のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングといった車両の共同利用に関して駐車場を管理する駐車場システムに関し、特に共同利用車両の返却場所の自由度を高めた駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車管理システムとして、同一の車の利用時間帯により、レンタカーとしての利用形態と、カーシェアリングの利用形態とに区分して登録管理し、車の利用時間に基づいて精算処理を行うものが公知となっている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のような車管理システムの場合、利用者にとって出発地の近くに存在する店舗に存在する車を予約し、利用後は元の店舗に車を返却するといった運用がなされている。このような運用により、(1)出発地点の店舗に車を返却しなければならないため乗り捨てできない、(2)店舗の駐車場は、カーシェアリングを前提とする場合、車室が専用となると考えられ、使用されている対象車が返却されるまで車室が空いたままで無駄となってしまうといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-192031号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、共同利用車両の返却場所の自由度を高め、車室の無駄を抑えることができる駐車場システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため駐車場システムは、共同利用車両に関する予約情報と駐車場に設けられた車室の使用状態とを管理する管理サーバと、車室に設置され、車両の有無及び識別情報を検出する検知部を有し、検知結果を管理サーバに送信する監視装置とを備え、管理サーバは、予約された共同利用車両の出庫を確認した場合、当該出庫が確認された車室を他の車両の入庫を許可する管理状態に変更する。
【0007】
上記駐車場システムによれば、管理サーバが、予約された共同利用車両の出庫を確認した場合に当該出庫が確認された車室を他の車両の入庫を許可する管理状態に変更するので、車室が複数の車両間で共有され、共同利用車両の乗り捨てを可能にしつつ駐車場の稼働率を高めることができる。
【0008】
本発明の具体的な側面によれば、上記記駐車場システムにおいて、管理サーバは、予約された共同利用車両の出庫を確認した場合であっても、共同利用車両について返却予約があって利用後の入庫を確保する必要がある場合、出庫が確認された車室を他の車両の入庫を許可しない管理状態に維持する。これにより、例えば元の出発地点に戻ってくる利用者の便宜を図ることができる。
【0009】
本発明の別の側面によれば、車室に設置され、駐車の可否を表示する表示装置をさらに備え、管理サーバは、出庫が確認された車室が他の車両の入庫を許可する管理状態である場合に、出庫が確認された車室に設けられた表示装置を入庫を許可する表示状態に変更させる。この場合、車室がフリーな状態か否かを利用者が視覚的に認識できるようになり、利用者の便宜を図ることができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、管理サーバは、予約に基づいて利用中の共同利用車両が入庫できる駐車場情報を、公衆回線を介して提供する。これにより、共同利用車両の乗り捨て箇所を遠隔的に周知することができ、スマートフォン等の利用者端末から乗り捨て箇所を検索することができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、共同利用車両中に搭載され、管理サーバと公衆回線を介して通信する車両搭載端末をさらに備える。車両搭載端末は、共同利用車両の利用状況管理、ドアロック等の制御に利用される。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、監視装置は、入庫が許可された車室に入庫された車両の識別情報を管理サーバに送信し、管理サーバは、共同利用車両を特定する識別情報を受信した場合、共同利用車両の受付処理を行う。これにより、例えば返却された共同利用車両を特定して次の利用者に対してサービス提供を確保することができる。
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、管理サーバは、共同利用車両の入庫が所定の条件を満たす場合、共同利用車両を予約可能状態として登録する。この場合、共同利用車両を次の利用希望者に対して提供するための予約が可能になる。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、駐車場は、共同利用車両の駐車領域を有し、管理サーバの管理下で、駐車領域のうち一部の車室を、他の車両としての一般車両に開放する。この場合、共同利用車両以外の一般車両も空いている車室を利用することができ、駐車場をより有効に活用することができる。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、管理サーバは、複数の駐車場に設けられた共同利用車両用の車室の状態を管理している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の駐車場システム及びその適用対象を示す全体的な概念図である。
図2】特定の駐車場に設置される駐車場装置を説明する概念図である。
図3】(A)は、個々の車室に設置される車室装置を説明する斜視図であり、(B)は、車室装置の構造を説明する概念図であり、(C)は、車室装置の動作を制御する回路部分の概略構成を説明する概念的なブロック図である。
図4】駐車場装置において全体の動作を統括する駐車場サーバを説明する概念的なブロック図である。
図5】(A)は、管理サーバの概略構成を説明するブロック図であり、(B)は、車両搭載装置の概略構成を説明するブロック図である。
図6】利用者端末の概略構成を説明するブロック図である。
図7】利用者端末、管理サーバ等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
図8】駐車場サーバ及び管理サーバで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図9】駐車場サーバ及び管理サーバで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る駐車場システムの一実施形態について説明する。
【0018】
図1に示す実施形態の駐車場システム100は、共同利用車両の利用の予約、その返却先の予約等に関する運用管理を行う。ここで、共同利用車両とは、具体的にはカーシェアリングと呼ばれる車両貸与システムによって共同利用される車両を意味する。駐車場システム100は、管理対象である複数の駐車場PA1,PA2,…にそれぞれ設置される複数の駐車場装置120と、管理対象である共同利用車両SC1,SC2,…にそれぞれ設置される複数の車両搭載端末50と、駐車場PA1,PA2等から離れた場所に設置される管理サーバ80とを備える。説明の便宜上、図1では2つの駐車場PA1,PA2を示しているが、本実施形態の駐車場システム100は、図示の駐車場PA1,PA2を含む多数の駐車場について並列的に運用管理を行うものである。同様に、駐車場システム100は、図示の共同利用車両SC1,SC2を含む多数の共同利用車両について並列的に運用管理を行うものである。
【0019】
駐車場装置120及び車両搭載端末50は、公衆回線である通信ネットワークNTを介して管理サーバ80と通信可能に接続されている。この通信ネットワークNTは、具体的にはインターネットであり、スマートフォン、タブレットPC等の移動端末である複数の利用者端末UT1,UT2,…からの接続を受け付ける。これら利用者端末UT1,UT2,…は、利用予定者又は利用者の操作に応じて動作し、例えば通信ネットワークNTを介して管理サーバ80に対して共同利用車両の利用の登録要求を送信することにより、オンラインで共同利用車両の利用予約を行う。共同利用車両の利用登録には、受取先や返却先の設定を含めることができる。
【0020】
以下、駐車場システム100を構成する、駐車場装置120、管理サーバ80、車両搭載端末50等について、順に説明する。
【0021】
図2を参照して、駐車場装置120は、駐車場PAにおいて車室単位で設置される複数の車室装置10と、複数の車室装置10を一括管理する駐車場サーバ20とを有する。複数の車室装置10は、駐車場PAを構成する複数の駐車スペースすなわち車室SP1,SP2,SP3,…にそれぞれ設置され、各車室装置10を構成する車室管理端末40は、駐車場サーバ20と連携して各車室装置10の動作状態を制御する。駐車場サーバ20は、一般的な時間貸駐車場の精算機として車両MOによる車室SPの利用及び利用料金の支払を管理するだけでなく、共同利用車両SCに車室SP1,SP2,SP3,…を提供する際に出庫予告の受付、入庫予約の受付等を行う。
【0022】
上記駐車場PAにおいて、3つの車室SP1,SP2,SP3は、共同利用車両SC用の駐車領域ACとして優先的に活用されるが、駐車領域ACのうち一部の車室SPを他の車両としての一般車両に開放することもできる。具体的には、駐車場サーバ20は、車室SP1,SP2,SP3のいずれか1つ以上を時間貸用の駐車スペースに切り替えて活用することを可能にする。これとは反対に、駐車場サーバ20は、他の車室SP4,SP5…を共同利用車両SC用の駐車スペースに切り替えて活用することを可能にする。
【0023】
図3(A)及び3(B)に示すように、各車室SPには、車両検知装置30と、車室管理端末40とを一組とする車室装置10が設けられている。車両検知装置30は、輪留めブロック11よりも車室SPの入口側に配置されている。車室管理端末40は、車室SPの奥に配置されている。
【0024】
車両検知装置30は、車室管理端末40の制御下で動作し、これを設置した車室SPに車両が存在するか否かを検出する。車両検知装置30は、詳細な説明を省略するが、例えば複数のループコイルからなるセンサ31、検出回路32等を有し、車室管理端末40から給電されて動作する。車両検知装置30は、例えばループコイルのインダンクタンス変化を検出し、検出結果に基づいて駐車場PAに車両が入庫された状態か否かを判定し、判定結果を入出庫検出情報として車室管理端末40に送信する。
【0025】
車室管理端末40は、車両の入庫或いは車両の出庫といった車室SPの状態変化を監視し、車室SPに入庫された車両の車両登録番号を識別情報としてチェックする。車室管理端末40は、カメラ41、表示装置43、及び情報処理装置48を含む。情報処理装置48は、カメラ41によって撮影した車両のナンバープレートの画像から、画像処理回路によって車室SPに入庫した車両の車両登録番号を決定し、入出庫の状況管理を行う。また、情報処理装置48は、表示装置43を動作させて、「課金中」、「精算済み」、「入庫中」、「入庫可」、「予約中」、「カーシェア用」等の各種表示を行わせる。「入庫可」表示する場合、例えば表示面全体を青色にすることができ、「予約中」を表示する場合、例えば表示面全体を赤色にすることができる。表示装置43は、入庫可及び予約中の表示によって、この車室SPに関して駐車の可否を表示するものとして動作する。情報処理装置48は、車両検知装置30から入出庫検出情報を受け取って、課金開始の時間判定等に利用する。車室管理端末40において、カメラ41と情報処理装置48と車両検知装置30とは、車両の有無及び識別情報を検出する検知部40sとして機能する。なお、本明細書において、カメラ41と情報処理装置48とを併せて検知部40sと呼ぶこともある。
【0026】
図3(C)は、情報処理装置48を説明する概念的なブロック図である。情報処理装置48は、主制御回路48aと、記憶回路48bと、インターフェース回路48cとを有する。主制御回路48aは、記憶回路48bに格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、インターフェース回路48cを介してカメラ41、表示装置43等を動作させる機能、カメラ41によって撮影した画像から車両の車両登録番号を検出する機能、車両検知装置30の検出結果を監視する機能が含まれるとともに、インターフェース回路48cを介して複数の車室装置10を束ねる駐車場サーバ20と通信して指令を受け付け情報を送信する機能を有する。
【0027】
図4は、駐車場サーバ20を説明する概念的なブロック図である。駐車場サーバ20は、管理下にある複数の車室装置10(図2参照)を構成する複数の車室管理端末40と通信しており、各車室装置10に関して車両の入出庫を個別に管理することで、料金の支払に関する精算処理を可能にする。駐車場サーバ20は、主制御装置21と、記憶装置22と、通信装置24と、対人処理部26とを有する。主制御装置21は、記憶装置22に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、駐車場サーバ20自体の動作を可能にする機能だけでなく、車室装置10の管理を可能にする機能、管理サーバ80と連携して動作する機能が含まれている。具体的には、駐車場サーバ20のうち、主制御装置21と、記憶装置22と、通信装置24とは、検知部40sによる検知結果である車両の有無及び識別情報を管理サーバ80に送信する監視装置20aとして機能する。また、駐車場サーバ20のうち、主制御装置21と、記憶装置22と、通信装置24とは、共同利用車両SCに車室SP1,SP2,SP3,…を提供する際に出庫予告の受付、入庫予約の受付、管理サーバ80等に向けて予約状況の提示等を行う共同利用管理部20bとして機能する。
【0028】
駐車場サーバ20のうち対人処理部26は、表示装置26a、操作キー26b、金銭処理装置26c等を有する。対人処理部26は、表示装置26aを介して駐車場PAの利用者に対して精算に関連する情報を提供するとともに、操作キー26bを介して利用者の応答を操作信号として受け取る。また、対人処理部26は、金銭処理装置26cを介して利用者から硬貨や紙幣を受け取って種類や枚数を識別し、適切な種類及び枚数の硬貨や紙幣を返却する。
【0029】
図5(A)は、管理サーバ80を説明する概念図であり、図5(B)は、車両搭載装置150を説明する概念図である。図5(A)に示す管理サーバ80は、システム管理者の管理下で動作するコンピュータであり、共同利用車両の運用や駐車場の予約を管理する。管理サーバ80は、主制御装置81と、記憶装置82と、通信装置84とを有する。管理サーバ80は、通信装置84により、図1に示す通信ネットワークNTを経由して駐車場サーバ20、車両搭載端末50、及び利用者端末UTと通信する。記憶装置82には、管理サーバ80を動作させるプログラムが格納されている。図5(B)に示す車両搭載装置150は、共同利用車両SCの動作状態を制御するものであり、一般的な車両に組み込まれる車両制御装置150aのほかに、車両搭載端末50やカードリーダ150cを含む。共同利用車両SC中に搭載された車両搭載端末50は、共同利用車両SCの共同利用に関して情報を収集し、車両制御装置150aと連携してドアロック等に関して共同利用車両SCの状態を制御するとともに、共同利用車両SCを共同利用状態に関して監視する。車両搭載端末50は、主制御装置51と、記憶装置52と、通信装置54とを有する。車両搭載端末50は、通信装置54により、図1に示す公衆回線としての通信ネットワークNTを介して管理サーバ80と通信する。主制御装置51は、記憶装置52に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、車両搭載端末50自体の動作を可能にする機能だけでなく、カードリーダ150cによる会員識別カードからの認証情報の読み取り結果に応じて、車両制御装置150aにドアロックの解除等を要求する機能、管理サーバ80と連携して共同利用車両SCの利用状況に関する情報を提供する機能が含まれている。なお、カードリーダ150cは、利用者端末UTがNFC(Near Field Communication)に対応する機器であれば、会員識別カードに代えて利用者端末UTから情報を読み取って認証を行うこともできる。
【0030】
図6は、利用者端末UTを説明する概念図である。利用者端末UTは、共同利用車両SCの利用予定者が所持する。利用者端末UTは、主制御装置71と、記憶装置72と、インターフェース装置73と、通信装置74とを有する。利用者端末UTは、通信装置74により、図1に示す通信ネットワークNTを経由して管理サーバ80と通信する。記憶装置72には、利用者端末UTを動作させる基本的なプログラム上で動作するアプリケーションソフトとして、例えば共同利用車両SCの予約利用を可能にするカーシェア・アプリケーションを含む複数のアプリケーションが格納されている。カーシェア・アプリケーションは、管理サーバ80に接続して遠隔的な複数の駐車場に配備された複数の共同利用車両から利用予定者の提示する条件に適合する共同利用車両を選択することを可能にし、利用予定者が選択した共同利用車両の予約の要求を送信することを可能にする。管理サーバ80は、利用者端末UTからの予約の要求に応じて、共同利用車両に関する予約の受付処理及び登録処理を行う。
【0031】
図7等を参照して、利用者端末UT、管理サーバ80、車両搭載端末50、及び複数の駐車場装置120間で行われる共同利用車両の予約、入出庫の予約等に関する一連の動作について説明する。
【0032】
まず、共同利用車両の予約から利用開始までの処理P1について説明する。利用予定者が利用者端末UTのインターフェース装置73を操作し、カーシェア・アプリケーションを呼び出すと、利用者端末UTの主制御装置71は、通信装置74を介して管理サーバ80が提供するカーシェア予約サイト又は利用予約サイトにアクセスすることで、インターフェース装置73を構成するディスプレイに利用予約画面を表示させる。この際、利用者端末UTは、利用予定者にID情報やパスワードを要求し、或いは予め記憶装置72に保持されたID情報等に基づいてカーシェア予約サイトにアクセスする。利用者端末UTの主制御装置71は、利用予定者がインターフェース装置73を介して入力した日付、時間帯、利用エリア又は利用施設等の予約条件情報を、管理サーバ80に送信する空き状況照会を行う。管理サーバ80の主制御装置81は、利用者端末UTから送信された情報や記憶装置82の予約管理データベースを参照して予約条件情報に適合する1以上の共同利用車両を決定し、リスト表示の検索結果を利用者端末UTに返信する空き状況通知を行う。ここで、管理サーバ80が空き状況照会要求を受けたり空き状況を通知したりする動作は、利用の受付処理に相当する。利用者端末UTの主制御装置71は、検索結果のリスト画像をディスプレイに表示させる。利用予定者は、希望する地域において目的に適合する共同利用車両を見つけたときは、利用者端末UTのインターフェース装置73を介して、リスト画像中の共同利用車両から希望する共同利用車両を選択する。利用者端末UTの主制御装置71は、管理サーバ80に利用予定者が利用を希望する共同利用車両について予約登録の要求を送信する。管理サーバ80の主制御装置81は、利用者端末UTからの予約依頼に基づいて予約の申し込みの受付処理を行い、記憶装置82の予約管理データベースのうちカーシェアに関する領域に車両利用条件等を含む予約情報の登録を行うとともに、利用者端末UTに登録完了通知を送信する。ここで、管理サーバ80が予約登録要求を受信したり登録完了通知を送信したりする動作は、利用の登録処理に相当する。利用の登録処理があったとき、管理サーバ80は、利用の登録に対応する共同利用車両SCが配置されている1つの駐車場PA1の駐車場装置120に対して出庫の予告を行い、対応する共同利用車両SCに対して利用開始の予告を行う。
【0033】
車両搭載端末50は、駐車場PA1に到着した利用予定者によって会員識別カードがカードリーダ150cにかざされて共同利用車両SCのドアロックが解除された場合、或いはエンジンキーが差し込まれたことを検出した場合、管理サーバ80に対して共同利用車両SCの利用開始を通知する。その後、駐車場PA1に設けた駐車場装置120は、共同利用車両SCが対応する車室SPから出庫されたことを検出した場合、その出庫を識別情報とともに管理サーバ80に報告する。管理サーバ80は、以上の通知や報告を、車室SPの占有状態を示す使用状態とともに記憶装置82の予約管理データベースに記録する。
【0034】
以下、共同利用車両の返却に際しての処理P2について説明する。利用者が利用者端末UTのインターフェース装置83を操作し、共同利用車両の予約の場合と同様にカーシェア・アプリケーションを呼び出すと、利用者端末UTの主制御装置71は、通信装置74を介して管理サーバ80が提供する利用予約サイトにアクセスすることで、インターフェース装置73を構成するディスプレイに利用予約画面を表示させる。さらに、利用者が利用者端末UTのインターフェース装置73を操作し、利用予約画面中に設けられている返却予約ボタンをタップすると、主制御装置71は、利用予約サイトからデータを取り込んでインターフェース装置73を構成するディスプレイに返却予約画面を表示させる。利用者端末UTの主制御装置71は、利用者がインターフェース装置73を介して入力した日付、時間帯、返却エリア等の予約条件情報を、管理サーバ80に送信する空き状況照会を行う。管理サーバ80の主制御装置81は、利用者端末UTから送信された情報や記憶装置82の予約管理データベースを参照して返却条件情報に適合する駐車場を決定し、リスト表示の検索結果を利用者端末UTに返信する空き状況通知を行う。利用者端末UTの主制御装置71は、上記検索結果のリスト画像をディスプレイに表示させる。ここで、管理サーバ80が空き状況照会要求を受けたり空き状況を通知したりする動作は、返却先の受付処理に相当する。このような返却先の受付処理は、管理サーバ80が予約に基づいて利用中の共同利用車両が入庫できる駐車場情報を公衆回線としての通信ネットワークNTを介して提供することに対応する。これにより、共同利用車両の乗り捨て箇所を遠隔的に周知することができ、利用者端末UTから乗り捨て箇所を検索することができる。利用者は、希望する地域において目的に適合する駐車場を見つけたときは、利用者端末UTのインターフェース装置73を介して、リスト画像中の駐車場から希望する駐車場を選択する。利用者端末UTの主制御装置71は、管理サーバ80に利用者が返却を希望する駐車場について予約登録の要求を送信する。管理サーバ80の主制御装置81は、利用者端末UTからの予約依頼に基づいて予約の申し込みの受付処理を行い、記憶装置82の予約管理データベースのうち駐車場利用に関する領域に共同利用車両車を特定する情報、到着予定時刻等の登録を行うとともに、利用者端末UTに予約完了通知を送信する。ここで、管理サーバ80が予約設定要求を受信したり予約完了通知を送信したりする動作は、返却先の登録処理に相当する。返却先の登録処理があったとき、管理サーバ80は、返却先の登録に対応する車室を備える別の駐車場PA2の駐車場装置120に対して入庫の予約を行い、対応する共同利用車両SCに対して利用終了又は返却の予告を行う。
【0035】
共同利用車両SCが返却される駐車場PA2に設けた駐車場装置120は、共同利用車両SCが対応する車室SPに入庫されたことを検出した場合、その入庫を識別情報とともに管理サーバ80に報告する。管理サーバ80は、入庫情報を受信した場合、共同利用車両SCの受付処理を行う。この受付処理では、車両登録番号が適正であるか否かといった照合が行われる。その後、車両搭載端末50は、駐車場PA2に到着した利用者によって会員識別カードがカードリーダ150cにかざされて共同利用車両SCのドアロックが行われた場合、或いはエンジンキーが抜かれたことを検出した場合、管理サーバ80に対して共同利用車両SCの利用終了を通知する。管理サーバ80は、以上の報告や通知を、車室SPの占有状態を示す使用状態とともに記憶装置82の予約管理データベースに記録する。具体的には、管理サーバ80は、共同利用車両SCの入庫が所定の条件を満たす場合、記憶装置82の予約管理データベースにおいて、共同利用車両SCが管理中の車室SPにあって予約可能状態であるとして登録する。これにより、共同利用車両SCを次の利用希望者に対して提供することができるようになる。
【0036】
以上では、共同利用車両SCの返却を元の駐車場PA1とは異なる駐車場PA2に認めているが、着目する共同利用車両SCに次の予約があって、その予約が例えば元の駐車場PA1から利用が開始される内容となっている場合、管理サーバ80は、共同利用車両SCの返却を元の駐車場PA1に制限する処理を行い、利用者端末UTにおいて、返却先が制限される旨の表示が行われる。
【0037】
以上において、管理サーバ80と駐車場サーバ20との間では、駐車場PAの空き状況や営業状況等に関する情報のやり取りが定期的に行われ、管理サーバ80において、駐車場PAの空き状況等に関して予約管理データベースの情報が更新される情報更新が行われる。また、管理サーバ80が利用者端末UTに対して返却先の登録完了通知を送信する際には、駐車場サーバ20に対して入庫予約の要求が行われ、駐車場サーバ20の主制御装置21は、対応する車室SPに関して開放状態から予約状態に変更されたことを記憶装置22に記録し、情報処理装置48は、表示装置43の表示を、例えば入庫可から予約中に切り替える。
【0038】
図7では、簡潔のため、利用者端末UTが単一のものとして表示されているが、利用者端末UTは多数存在し、それぞれが個別に通信ネットワークNTを介して管理サーバ80に接続する。また、駐車場サーバ20も2つに限らず多数存在することが前提であり、管理サーバ80は、利用者端末UTからの要求に応じ、個々の駐車場サーバ20について情報更新を行うとともに、特定された駐車場サーバ20に対して予約設定の要求を行う。
【0039】
図7では説明を省略したが、管理サーバ80は、共同利用車両SCの利用費用についてオンラインでの決済処理を行うこともできる。すなわち、管理サーバ80は、共同利用車両SCの返却が完了し確定した利用費用について、例えば利用者端末UTからの要求に応じて、利用者の個人情報、金融機関情報、決済代行機関等の決済情報を受け付け、或いは予め登録された決済情報に基づいて、決済処理を行うことができる。
【0040】
図8を参照して、駐車場PAの駐車場サーバ20の動作について説明する。当初、管理対象である車室SPは、空状態となっており、一般車両等に開放され一時利用を認める状態となっているものとする。駐車場サーバ20の主制御装置21は、着目する特定の車室SPについて、車室管理端末40を介して監視している車両検知装置30の出力や、車室管理端末40によるカメラ41の撮影画像の解析結果を利用して、新規な車両MOの入庫があったか否かを確認する(ステップS11)。新規な車両MOの入庫が確認された場合(ステップS11でYes)、主制御装置21は、新規車両の受付設定を行う(ステップS12)。新規車両の受付設定では、車室SPに入庫された車両MOの車両登録番号と、車両MOの入庫時刻とが記憶装置22に記録される。その後、主制御装置21は、この車室SPに駐車された車両MOから駐車場の一時利用者である運転者が離れ、車両MOに再度乗車するため車室SPに戻って来るまで待つ。入庫によって占有状態になった車室SPの情報は、管理サーバ80からの要求に応じて、或いは定期的なタイミングで管理サーバ80に報告される。
【0041】
主制御装置21は、駐車場の一時利用者が対人処理部26を操作して、着目する車室SPについてチェックアウトの意思表示をしたか否かを確認する(ステップS13)。一時利用者がチェックアウトを希望する場合(ステップS13でYes)、主制御装置21は、駐車時間から駐車料金を計算し、対人処理部26のディスプレイに表示する(ステップS14)。その後、主制御装置21は、利用者が対人処理部26を利用して精算を完了するのを確認し(ステップS15)、精算が完了していない場合は(ステップS15でNo)、所定時間が経過するのを待つ(ステップS16)。主制御装置21は、利用者が精算を完了した場合(ステップS15でYes)、ステップS11に戻って、新規な車両MOの入庫があったか否かを確認する。一方、精算が完了しないまま所定時間が経過した場合(ステップS16でYes)、着目する車室SPについて、不正利用が行われたものとして、不正利用の登録及び報告を行う(ステップS17)。不正利用を登録する処理では、不正利用の発生時刻、車両登録番号等の情報を記憶装置22に保管する。不正利用を報告する処理では、不正利用の発生時刻、車両登録番号等の情報を管理サーバ80に送信する。不正利用の発生の有無に関わらず、出庫によって空き状態になった車室SPの情報は、管理サーバ80からの要求に応じて、或いは定期的なタイミングで管理サーバ80に報告される。
【0042】
主制御装置21は、新規な車両MOの入庫が確認されない場合(ステップS11でNo)、共同利用車両について入庫予約があったか否かを確認する(ステップS18)。ここで、入庫予約は、図7で説明したように、管理サーバ80の管理下で駐車場の空き状況を確認しつつ利用者端末UTからの要求に基づいて行われる。このステップS18以降の処理(つまりステップS18~S32までの処理)は、管理サーバ80の管理下で行われ、実質的には管理サーバ80によって行われる処理ということができる。主制御装置21は、共同利用車両について入庫予約がない場合(ステップS18でNo)、ステップS11に戻って新規な車両MOの入庫があったか否かを確認し、共同利用車両について入庫予約がある場合(ステップS18でYes)、対応する車室管理端末40の表示装置43の表示を例えば「予約中」又は「カーシェア予約中」として(ステップS19)、車室SPに進入しようとする予約と無関係の車両の運転者つまり第三者に明示されるようにする。
【0043】
その後、主制御装置21は、着目する車室SPについて入庫予約が取り消されたか否かを確認する(ステップS20)。入庫予約が取り消された場合(ステップS20でYes)、主制御装置21は、対応する車室管理端末40の表示装置43の表示を例えば「入庫可」として(ステップS21)、ステップS18に戻って、入庫予約の有無を確認する。一方、入庫予約が取り消されていない場合(ステップS20でNo)、主制御装置21は、着目する車室SPについて、車室管理端末40の出力に基づいて車両の入庫があったか否かを確認する(ステップS22)。主制御装置21は、車両の入庫が確認されない場合(ステップS22でNo)、ステップS20に戻って、入庫予約が取り消されたか否かを確認し、車両の入庫が確認された場合(ステップS22でYes)、車室管理端末40の出力に基づいて入庫された車両の車両登録番号が入庫予約に対応する適正なものであるか否かを判断する(ステップS23)。主制御装置21は、車両登録番号が入庫予約に対応する適正なものでない場合(ステップS23でNo)、車室管理端末40の表示装置43に警告表示を行わせる警報処理を実行する(ステップS24)。警報処理では、表示装置43の「予約中」の文字を点滅させたり、「予約中」の表示と「駐車不可」の表示を交互に点灯したりすることができる。この際、不図示のスピーカを利用して、着目する車室SPに駐車した第三者に向けて警告アナウンスを発出するといった追加的な処理も可能である。主制御装置21は、車両登録番号が入庫予約に対応する適正なものである場合(ステップS23でYes)、対応する車室管理端末40の表示装置43の表示を消灯して非表示状態とする(ステップS25)。この場合、共同利用車両を適正な車室に受け入れたことになり、主制御装置21は、課金に関連する処理を行わない。次に、主制御装置21は、管理サーバ80に対して共同利用車両の入庫の報告つまり利用終了の報告を行う(ステップS26)。
【0044】
その後、主制御装置21は、処理を終了するタイミングか否かを判断し(ステップS27)、処理を終了するタイミングでなければ(ステップS27でNo)、着目する車室SPに戻された共同利用車両について、次の利用登録つまり予約の開始時間帯になっているか否かを確認する(ステップS28)。主制御装置21は、着目する共同利用車両について次の利用登録の開始時間帯になっていると判断した場合(ステップS28でYes)、車室管理端末40の出力に基づいて共同利用車両の出庫があったか否かを確認する(ステップS29)。主制御装置21は、車両の出庫が確認された場合(ステップS29でYes)、管理サーバ80に対して共同利用車両の出庫の報告つまり利用開始の報告を行う(ステップS30)。その後、主制御装置21は、この車室について入庫の予約があるか否かを確認する(ステップS31)。主制御装置21は、元に戻すといった入庫の予約がない場合(ステップS31でNo)、対応する車室管理端末40の表示装置43の表示を「入庫可」として第三者の車両を受け入れる(ステップS32)。すなわち、主制御装置21及び管理サーバ80は、予約された共同利用車両の出庫を確認した場合、当該出庫が確認された車室SPを他の車両の入庫を許可する管理状態に変更する。この際、管理サーバ80は、主制御装置21を介して、出庫が確認された車室に設けられた表示装置43を入庫を許可する表示状態に変更させる。その後、主制御装置21は、ステップS18に戻って、着目する車室SPから出庫された共同利用車両又は別の共同利用車両について入庫予約があったか否かを確認する。一方、主制御装置21は、入庫の予約がある場合(ステップS31でYes)、対応する車室管理端末40の表示装置43の表示を変更することなくステップS20に進んで、予約が取り消されたか否かを確認する。すなわち、主制御装置21及び管理サーバ80は、共同利用車両の出庫を確認した場合であっても、入庫の予約がある場合(ステップS31でYes)、具体的には共同利用車両について元の場所への返却予約があって利用後の入庫を確保する必要がある場合、出庫が確認された車室を他の車両の入庫を許可しない管理状態に維持する。この際、管理サーバ80は、主制御装置21を介して、出庫が確認された車室に設けられた表示装置43を入庫を許可しない表示状態に維持させる。
【0045】
以上では、特定の車室SPについて管理を行う方法について説明しているが、主制御装置21は、複数の車室SPについて並行して同様の管理を行う。
【0046】
以上で説明した実施形態の駐車場システム100によれば、管理サーバ80が、予約された共同利用車両SCの出庫を確認した場合に当該出庫が確認された車室SPを他の車両MOの入庫を許可する管理状態に変更するので、車室SPが複数の車両間で共有され、共同利用車両SCの乗り捨てを可能にしつつ駐車場PAの稼働率を高めることができる。
【0047】
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0048】
上記実施形態において、管理サーバ80が駐車場サーバ20を介して車室管理端末40から情報を収集しその動作を管理しているが、管理サーバ80が車室管理端末40と直接通信して車室管理端末40から情報を収集しその動作状態を管理することができる。この場合、駐車場サーバ20が省略されることになる。
【0049】
上記実施形態では、車室管理端末40の情報処理装置48に画像処理を行わせ入庫車両について車両登録番号の識別を行わせているが、駐車場サーバ20において各車室装置10に設置したカメラ41による撮影画像を取り込んで集中的に画像処理を行うこともできる。
【0050】
カメラ41による車両撮影の開始タイミングや識別情報の認識タイミングについては、車両検知装置30の検出結果を利用することができるが、これに限らず、カメラ41によって取得される画像について予め車の形状を学習させ、カメラ41の撮影画像についての画像処理に基づいて入庫の有無を判断し、入庫されたと判定した場合に、撮影画像から車両登録番号の識別を行うといった手法も可能である。
【0051】
以上では、利用者端末UTを利用して管理サーバ80に返却先の登録処理を要求しているが、利用者端末UTに代えて車両搭載端末50を利用して管理サーバ80に返却先の登録処理を要求するといった手続きも可能である。
【0052】
共同利用車両の返却時の処理P2のうち、返却先の受付処理や返却先の登録処理については、共同利用車両の予約時の処理P1における利用の受付処理や利用の登録処理と同時に併せて行うことができる。これにより、出庫時に入庫先の駐車場を確定させることができる。
【0053】
以上では説明を省略したが、管理サーバ80は、その管理対象であるすべての駐車場PAのいずれかにおいて、管理しているすべての共同利用車両SCが駐車できる車室を確保するような管理を行っている。
【0054】
本発明の駐車場システム100は、カーシェアリングシステムのような共同利用に限らず、様々な共同利用型の貸与システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…車室装置、20…駐車場サーバ、20a…監視装置、20b…共同利用管理部、21…主制御装置、26…対人処理部、30…車両検知装置、31…センサ、40…車室管理端末、40s…検知部、41…カメラ、43…表示装置、48…情報処理装置、48a…主制御回路、50…車両搭載端末、51…主制御装置、71…主制御装置、80…管理サーバ、81…主制御装置、82…記憶装置、83…インターフェース装置、84…通信装置、100…駐車場システム、120…駐車場装置、150…車両搭載装置、150a…車両制御装置、AC…駐車領域、MO…車両、NT…通信ネットワーク、PA,PA1,PA2…駐車場、SC,SC1,SC2…共同利用車両、SP,SP1,SP2,SP3…車室、UT,UT1,UT2…利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9