(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】吐水装置、該吐水装置を備えた浴槽
(51)【国際特許分類】
G09F 13/24 20060101AFI20240624BHJP
A47K 3/02 20060101ALI20240624BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20240624BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240624BHJP
G09F 19/18 20060101ALI20240624BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240624BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20240624BHJP
【FI】
G09F13/24
A47K3/02
A47K3/28
F21S2/00 670
G09F19/18 J
F21Y115:10
F21Y113:10
(21)【出願番号】P 2020163628
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 泰代
(72)【発明者】
【氏名】三好 恵太郎
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0128439(US,A1)
【文献】特開2019-056273(JP,A)
【文献】特開2006-125060(JP,A)
【文献】特開2018-163790(JP,A)
【文献】国際公開第2011/018889(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3002202(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00-13/46
G09F 19/00-27/00
A47K 1/00- 4/00
E03C 1/00- 1/10
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
B01F 23/23-23/2375
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路の出口開口から水を吐水する吐水部と、
前記流路内の水に対して前記出口開口に向かって光を照射する光照射部と、
前記流路内の水に気泡を混入させる気泡混入部と、
制御部と、を備え、
前記出口開口は、横長のスリット状であり、
前記気泡混入部は、当該気泡混入部が前記出口開口の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができ、
前記制御部は、前記気泡混入部に対し、全ての領域から気泡を出すパターンと、一部の領域から気泡を出すパターンと、を含む複数パターンの制御が可能であ
り、
前記気泡混入部が、
前記吐水部内に設けられ、径が絞られた絞り部を有する単一の気泡混入流路と、
前記気泡混入流路の前記絞り部に連通した複数の空気孔と、
前記気泡混入流路の出口に設けられたメッシュと、
各空気孔毎に設けられた、前記制御部により開閉制御される空気孔開閉弁と、を備え、
前記複数の空気孔は、前記出口開口の長手方向に並んでおり、
前記気泡混入流路に水が流れることで前記空気孔開閉弁が開いた状態の前記空気孔から前記気泡混入流路に空気が引き込まれ、この空気が水とともに前記メッシュを通過することで前記流路内の水に気泡が混入する
ことを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
流路の出口開口から水を吐水する吐水部と、
前記流路内の水に対して前記出口開口に向かって光を照射する光照射部と、
前記流路内の水に気泡を混入させる気泡混入部と、
制御部と、を備え、
前記出口開口は、横長のスリット状であり、
前記気泡混入部は、当該気泡混入部が前記出口開口の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができ、
前記制御部は、前記気泡混入部に対し、全ての領域から気泡を出すパターンと、一部の領域から気泡を出すパターンと、を含む複数パターンの制御が可能であ
り、
前記気泡混入部が、
前記流路内に配置され、前記出口開口の長手方向に延びた単一の気泡生成器と、
前記気泡生成器に空気を送るポンプと、
前記気泡生成器と前記出口開口の間に設けられ、前記出口開口の長手方向に並んだ複数の分岐流路と、
各分岐流路毎に設けられた、前記制御部により開閉制御される流路開閉弁と、を備えている
ことを特徴とする吐水装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記光照射部に対し、連続発光させるパターンと、パルス発光させるパターンと、を含む複数パターンの制御が可能である
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記気泡混入部に対し前記出口開口から所定タイミングで気泡を吐出させ、かつ、前記光照射部に対し前記気泡の吐出タイミングに連動させてパルス発光させる制御が可能である
ことを特徴とする請求項1~
3の何れか1項に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記光照射部が、フルカラーLEDを備えている
ことを特徴とする請求項1~
4の何れか1項に記載の吐水装置。
【請求項6】
請求項1~
5の何れか1項に記載の吐水装置と、浴槽本体と、を備えた浴槽であって、
前記吐水部が、前記浴槽上部から前記浴槽本体内方に向かって水を吐水する
ことを特徴とする浴槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水装置及び吐水装置を備えた浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吐水装置として、特許文献1には、浴槽上部から入浴者の首や肩に湯水を吐水する吐水部と、吐水部の上方から浴槽内方に向けて横長状の光を照射する光照射部と、を備えた照明付き吐水装置が開示されている。この光照射部は、主に浴槽の外観向上や空間演出効果を目的として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の照明付き吐水装置においては、吐水口近傍が線状に光るだけで吐水された水自体は光らなかった。
【0005】
そこで、本発明は、吐水された水を光らせることができ、多様な光の演出を行うことができる吐水装置、及び、該吐水装置を備えた浴槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の吐水装置は、流路の出口開口から水を吐水する吐水部と、前記流路内の水に対して前記出口開口に向かって光を照射する光照射部と、前記流路内の水に気泡を混入させる気泡混入部と、制御部と、を備え、前記出口開口は、横長のスリット状であり、前記気泡混入部は、当該気泡混入部が前記出口開口の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができ、前記制御部は、前記気泡混入部に対し、全ての領域から気泡を出すパターンと、一部の領域から気泡を出すパターンと、を含む複数パターンの制御が可能であり、前記気泡混入部が、前記吐水部内に設けられ、径が絞られた絞り部を有する単一の気泡混入流路と、前記気泡混入流路の前記絞り部に連通した複数の空気孔と、前記気泡混入流路の出口に設けられたメッシュと、各空気孔毎に設けられた、前記制御部により開閉制御される空気孔開閉弁と、を備え、前記複数の空気孔は、前記出口開口の長手方向に並んでおり、前記気泡混入流路に水が流れることで前記空気孔開閉弁が開いた状態の前記空気孔から前記気泡混入流路に空気が引き込まれ、この空気が水とともに前記メッシュを通過することで前記流路内の水に気泡が混入することを特徴とする。
【0007】
本発明の吐水装置は、流路の出口開口から水を吐水する吐水部と、前記流路内の水に対して前記出口開口に向かって光を照射する光照射部と、前記流路内の水に気泡を混入させる気泡混入部と、制御部と、を備え、前記出口開口は、横長のスリット状であり、前記気泡混入部は、当該気泡混入部が前記出口開口の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができ、前記制御部は、前記気泡混入部に対し、全ての領域から気泡を出すパターンと、一部の領域から気泡を出すパターンと、を含む複数パターンの制御が可能であり、前記気泡混入部が、前記流路内に配置され、前記出口開口の長手方向に延びた単一の気泡生成器と、前記気泡生成器に空気を送るポンプと、前記気泡生成器と前記出口開口の間に設けられ、前記出口開口の長手方向に並んだ複数の分岐流路と、各分岐流路毎に設けられた、前記制御部により開閉制御される流路開閉弁と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吐水された水内に導入された光が水内の気泡により拡散するので、吐水された水自体が光っているように見せることができる。また、気泡の出し方や光照射部の発光パターンを変えることで多様な光の演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる吐水装置を備えた浴槽の平面図である。
【
図3】
図2の吐水装置から吐水された水の光り方の一例を説明する図である。
【
図4】
図2の吐水装置から吐水された水の光り方の他の例を説明する図である。
【
図5】
図4に示す例における光照射部の発光タイミングを示す図である。
【
図6】本発明の第2実施形態にかかる吐水装置を備えた浴槽の断面図である。
【
図8】
図6の吐水装置から吐水された水の光り方の一例を説明する図である。
【
図10】
図8,9に示す例における気泡混入部の気泡生成パターンを示す図である。
【
図11】
図6の吐水装置から吐水された水の光り方の他の例を説明する図である。
【
図12】
図11に示す例における気泡の吐出タイミングに対する光照射部の発光タイミングを示す図である。
【
図14】
図11,13に示す例における気泡混入部の気泡生成パターンを示す図である。
【
図15】
図6の吐水装置から吐水された水の光り方のさらに他の例を説明する図である。
【
図17】
図15,16に示す例における気泡混入部の気泡生成パターンを示す図である。
【
図18】本発明の第3実施形態にかかる吐水装置を備えた浴槽の断面図である。
【
図20】本発明の第4実施形態にかかる吐水装置を備えた浴槽の断面図である。
【
図22】本発明の第5実施形態にかかる吐水装置を備えた浴槽の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態にかかる「吐水装置」、及び、該吐水装置を備えた「浴槽」を
図1~5を参照して説明する。
【0011】
図1,2に示す吐水装置1は、浴槽10に適用されるものである。浴槽10は、湯水を貯める浴槽本体9と、この浴槽本体9内に湯水を吐水する吐水装置1と、浴槽本体9内の湯水を吸引して吐水装置1に送る配管及びポンプを備えている。
【0012】
吐水装置1は、吐水部2と、光照射部3と、気泡混入部4と、これらを制御する制御部7と、制御部7への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)と、を備えている。
【0013】
吐水部2には、湯水が流れる流路20が形成されている。流路20は、垂直方向に延びるとともに浴槽本体9の上面9aよりも上まで延びた垂直部20aと、垂直部20aに連続し、浴槽本体9の内方に向かって延びた水平部20bと、を有している。流路20の出口開口(吐水口)21は、浴槽本体9の幅方向に延びた横長のスリット状に形成されている。出口開口21は、浴槽本体9の上面9aよりも上に位置している。
【0014】
本例においては、浴槽本体9内の湯水が図示しない配管及びポンプを介して吐水部2の流路20に送られる。この湯水は、
図2中の破線矢印で示すように、垂直部20aを上昇し、水平部20bを通過し、出口開口21から浴槽本体9の内方に向かって略水平方向に吐水される。即ち、本例の吐水部2は、入浴者が浴槽本体9の壁面9bに背中を当接させた際、入浴者の首や肩に向けて湯水を吐水するようになっている。
【0015】
光照射部3は、吐水部2のケース内に配置されている。光照射部3は、光源31と、光源31からの光を導光する導光材32と、を備えている。本例では、光源31が複数設けられており、これら複数の複数の光源31は、垂直部20aの直上に配置され、出口開口21の長手方向に並んでいる。また、本例では、光源31としてフルカラーLEDを採用している。導光材32は、水平部20bの直上に配置されており、光源31の配置に対応して出口開口21の長手方向に延びるとともに、水平部20bに沿って板状に延びている。また、吐水部2のケース内には、流路20と光照射部3の配設スペースとを区画した隔壁8が設けられている。導光材32の光出射面は出口開口21の手前に配置されている。このような光照射部3は、出口開口21の手前において、流路20内の湯水に光を照射するとともに出口開口21に向かって光を照射する。
【0016】
気泡混入部4は、流路20の水平部20b内に配置され、出口開口21の長手方向に延びた単一の気泡生成器41と、気泡生成器41に空気を送るポンプ42と、を備えている。気泡混入部4は、流路20内の湯水に気泡を混入させる。気泡生成器41としては、例えば、周知のエアストーンを採用することができる。気泡生成器41が出口開口21の長手方向に延びているので、気泡生成器41により生成された気泡は、出口開口21の長手方向全域から湯水とともに吐出される。
【0017】
制御部7は、操作部からの信号に基いて、吐水部2からの吐水のオン・オフ、光源31のオン・オフ及び発光タイミング、光源31の発光色、気泡混入部4による気泡生成のオン・オフ及び生成タイミング、気泡の混入量、等を制御する。なお、制御部7は、予め用意されたプログラムにしたがって前述した内容の制御を行うこともできる。
【0018】
上記浴槽10において、吐水部2からの吐水時に気泡混入部4を稼働させ、光源31を発光させた場合、出口開口21から湯水の吐水とともに該湯水内に導入された光及び気泡が吐出される。この湯水の中の光は、気泡の表面で反射して拡散する。このため、出口開口21から吐水された湯水自体が光っているように見える。また、出口開口21から出た光は湯水が落下する間に湯水の外に拡散し、浴槽本体9内の水面に到達する光はほとんど無い。
【0019】
上記浴槽10においては、制御部7の制御により気泡の出し方や光源31の発光パターンを変えることで多様な光の演出を行うことができる。例えば、吐水部2からの吐水時に気泡混入部4を稼働させ、光源31を連続発光(常時オン)させた場合、
図3に示すように、出口開口21の全域から複数の線状光が水の流れに沿って延びているように見せることができる。これは、気泡の速度(流速)が速いため、気泡が繋がった状態で線状に発光して見えるためである。なお、図面ではわかりやすくするため、気泡で拡散する光を模式的に表現している。
【0020】
また、
図3に示す状態から、気泡の出し方はそのままで、光源31の発光パターンをパルス発光(発光タイミングを
図5に示す)に変えた場合、
図4に示すように、気泡一粒一粒が発光しているように見せることができる。
【0021】
また、上記浴槽10において、吐水部2からの吐水時に光源31を発光させ気泡混入部4を停止させた場合(気泡未混入時)、出口開口21から湯水の吐水とともに該湯水内に導入された光が吐出される。この湯水の中の光は、全反射を繰り返しながら浴槽本体9内の水面に到達し、波立った水面や浴槽本体9の表面などで乱反射する。このため、出口開口21から吐水された湯水自体は光っているように見えず、湯水の到達点である水面が光っているように見えるとともに浴槽本体9内部が照らされる。
【0022】
上述したように、吐水装置1は、入浴者の首や肩を温める主機能に加え、出口開口21から吐水された湯水自体を光らせることで湯水の揺らぎを見せたり、湯水の到達点の水面を光らせることで水面の揺らぎを見せたりと、多様な光の演出を行うことができる。また、吐水装置1は、湯水の到達点の水面を光らせることで浴室の補助照明としても機能する。
【0023】
本発明の第2実施形態にかかる「吐水装置」、及び、該吐水装置を備えた「浴槽」を
図6~17を参照して説明する。
図6~17において、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
図6に示す浴槽110は、浴槽本体9と、この浴槽本体9内に湯水を吐水する吐水装置101と、浴槽本体9内の湯水を吸引して吐水装置101に送る配管及びポンプを備えている。吐水装置101は、吐水部2と、光照射部3と、気泡混入部104と、これらを制御する制御部107と、制御部107への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)と、を備えている。
【0025】
本例の気泡混入部104は、当該気泡混入部104が出口開口21の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができる。具体的には、
図6,7に示すように、気泡混入部104は、吐水部2内に設けられ、出口開口21の長手方向に並んだ複数の気泡混入流路141と、全ての気泡混入流路141に連通した単一の共通流路140と、各気泡混入流路141の絞り部141aに連通した空気孔141bと、各気泡混入流路141の出口に設けられたメッシュ105と、各気泡混入流路毎に設けられた流路開閉弁106と、を備えている。
【0026】
気泡混入流路141及び共通流路140は、流路20内の隔壁108と隔壁8との間に形成されている。気泡混入流路141は、本例では9つ形成されており、水平部20bの直上に配置されている。各気泡混入流路141の出口は出口開口21の手前に配置されている。各気泡混入流路141は、絞り部141aを有するベンチュリ管状に形成されている。即ち、絞り部141aの断面積(流路径)は、その上流部分及び下流部分の断面積よりも小さい。共通流路140は、垂直部20aと平行に延びている。
【0027】
各空気孔141b(
図6のみに示す)は、隔壁8を貫通し、吐水部2のケース外部に連通している。また、各空気孔141bには、水の逆流を防止する逆止弁が設けられている。各流路開閉弁106は、制御部107により開閉制御される。
【0028】
本例では、浴槽本体9内の湯水が、共通流路140に送られ、流路開閉弁106が開いた状態の気泡混入流路141に流れる。この際、ベンチュリー効果により空気孔141bから気泡混入流路141に空気が引き込まれ、この空気が湯水とともにメッシュ105を通過することで流路20内の湯水に気泡が混入する。即ち、メッシュ105は、通過する空気を細かい気泡に細分化する。
【0029】
このように、本例では、気泡混入部104が、出口開口21の長手方向に並んだ9つの気泡混入流路141を備えており、各気泡混入流路141毎に気泡を出すことができる。言い換えると、気泡混入部104が出口開口21の長手方向に9の領域に区分されており、一の気泡混入流路141が一の領域を成しており、各領域毎に気泡を出すことができる。
【0030】
図7に示す例では、左から2番目と、5番目と、8番目の気泡混入流路141の流路開閉弁106が開いた状態となっており、他の流路開閉弁106が閉じた状態となっている。このため、左から2番目と、5番目と、8番目の気泡混入流路141のみから気泡が出ている。また、全ての気泡混入流路141から気泡を出した場合は、第1実施形態の気泡混入部4と同様の気泡の出方になる。
【0031】
上記浴槽110においても、吐水部2からの吐水時に気泡混入部104を稼働させ、光源31を発光させた場合、出口開口21から吐水された湯水自体が光っているように見える。湯水の光り方の一例として、上述したように、左から2番目と、5番目と、8番目の気泡混入流路141のみから気泡を連続的に出させ(気泡生成パターンを
図10に示す)、光源31を連続発光(常時オン)させた場合、
図8,9に示すように、出口開口21の3領域から線状光が水の流れに沿って延びているように見せることができる。
【0032】
湯水の光り方の他の例として、
図11,13に示すように、出口開口21と浴槽本体9内の水面との中間部において横長の線状光を見せることもできる。この場合、
図12,14に示すように、気泡混入部104に対し出口開口21から所定タイミングで気泡を吐出させ、かつ、光源31に対し気泡の吐出タイミングに連動させてパルス発光させる。詳細には、全ての気泡混入流路141から同タイミングで気泡を1回(短い時間)吐出させ、これら気泡が
図11,13に示す発光位置に到達するタイミングで光源31を1回(数ナノ~数ミリsec)発光させる。この動作を一定周期で繰り返すことにより、横長の線状光を常時同じ位置に見せることができる。なお、図面ではわかりやすくするため、気泡で拡散する光を模式的に表現している。
【0033】
図11,13に示す例の応用として、
図15,16に示すように、左上から右下に延びた線状光を見せることもできる。この場合、
図17に示すように、各気泡混入流路141からの気泡吐出タイミングをずらせばよい。なお、図面ではわかりやすくするため、気泡で拡散する光を模式的に表現している。
【0034】
このような要領で気泡の出し方や光源31の発光パターンを変えることで多様な光の演出を行うことができる。例えば、各気泡混入流路141からの気泡吐出タイミングを工夫してV字状の線状光を見せたり、円や三角形などの図形状の光を見せたりすることもできる。また、本例では、光源31がフルカラーLEDであるので、時間の経過に伴って発光色を変えたり、複数の光源31を互いに異なる色で発光させたりすることもできる。
【0035】
本発明の第3実施形態にかかる「吐水装置」、及び、該吐水装置を備えた「浴槽」を
図18,19を参照して説明する。
図18,19において、第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
図18に示す浴槽210は、浴槽本体9と、この浴槽本体9内に湯水を吐水する吐水装置201と、浴槽本体9内の湯水を吸引して吐水装置201に送る配管及びポンプを備えている。吐水装置201は、吐水部2と、光照射部3と、気泡混入部204と、これらを制御する制御部207と、制御部207への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)と、を備えている。
【0037】
本例の気泡混入部204は、当該気泡混入部204が出口開口21の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができる。具体的には、
図18,19に示すように、気泡混入部204は、吐水部2内に設けられた単一の気泡混入流路240と、気泡混入流路240の絞り部240cに連通した複数の空気孔240dと、気泡混入流路240の出口に設けられたメッシュ205と、各空気孔240d毎に設けられた空気孔開閉弁206と、を備えている。
【0038】
気泡混入流路240は、流路20内の隔壁208と隔壁8との間に形成されている。気泡混入流路240は、垂直部20aと平行に延びた気泡混入流路垂直部240aと、この気泡混入流路垂直部240aに連続し、水平部20bの直上に配置された気泡混入流路水平部240bと、を有している。気泡混入流路水平部240bの出口は出口開口21の手前に配置されている。気泡混入流路水平部240bは、絞り部240cを有するベンチュリ管状に形成されている。即ち、絞り部240cの断面積(流路径)は、その上流部分及び下流部分の断面積よりも小さい。
【0039】
空気孔240dは、本例では9つ形成されている。各空気孔240dは、隔壁8を貫通し、吐水部2のケース外部に連通している。これら9つの空気孔240dは、出口開口21の長手方向に並んでいる。また、各空気孔240dには、水の逆流を防止する逆止弁が設けられている。各空気孔開閉弁206は、制御部207により開閉制御される。なお、
図19においては、各空気孔240dの一部、即ち絞り部240cに連通した部分、のみを模式的に小さな円で記載している。
【0040】
本例では、浴槽本体9内の湯水が気泡混入流路240に送られる。この際、空気孔開閉弁206が開いた状態の空気孔240dからベンチュリー効果により気泡混入流路水平部240bに空気が引き込まれ、この空気が湯水とともにメッシュ205を通過することで流路20内の湯水に気泡が混入する。即ち、メッシュ205は、通過する空気を細かい気泡に細分化する。
【0041】
このように、本例では、気泡混入部204が、単一の気泡混入流路240に対し、出口開口21の長手方向に並んだ9つの空気孔240dを備えており、各空気孔240d毎に気泡を出すことができる。言い換えると、気泡混入部204が出口開口21の長手方向に9の領域に区分されており、一の空気孔240dが一の領域を成しており、各領域毎に気泡を出すことができる。
【0042】
上記浴槽210においても、吐水部2からの吐水時に気泡混入部204を稼働させ、光源31を発光させた場合、出口開口21から吐水された湯水自体が光っているように見える。また、第2実施形態の制御部107による流路開閉弁106への開閉制御を本例の空気孔開閉弁206に適用することで、第2実施形態の気泡混入部104と同様の気泡の出方になる。
【0043】
本発明の第4実施形態にかかる「吐水装置」、及び、該吐水装置を備えた「浴槽」を
図20,21を参照して説明する。
図20,21において、第1~3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図20に示す浴槽310は、浴槽本体9と、この浴槽本体9内に湯水を吐水する吐水装置301と、浴槽本体9内の湯水を吸引して吐水装置301に送る配管及びポンプを備えている。吐水装置301は、吐水部2と、光照射部3と、気泡混入部304と、これらを制御する制御部307と、制御部307への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)と、を備えている。
【0045】
本例の気泡混入部304は、当該気泡混入部304が出口開口21の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができる。具体的には、
図20,21に示すように、気泡混入部304は、流路20の水平部20b内に配置され、出口開口21の長手方向に並んだ複数の気泡生成器341と、各気泡生成器341にそれぞれ空気を送る複数のポンプ42と、を備えている。気泡生成器341及びポンプ42は、本例では9組設けられている。気泡生成器341は、第1実施形態の気泡生成器41よりも短く小さいものであり、例えば、周知のエアストーンを採用することができる。各ポンプ42は、制御部307によりオン・オフ制御される。
【0046】
このように、本例では、気泡混入部304が、出口開口21の長手方向に並んだ9つの気泡生成器341を備えており、各気泡生成器341毎に気泡を出すことができる。言い換えると、気泡混入部304が出口開口21の長手方向に9の領域に区分されており、一の気泡生成器341が一の領域を成しており、各領域毎に気泡を出すことができる。
【0047】
上記浴槽310においても、吐水部2からの吐水時に気泡混入部304を稼働させ、光源31を発光させた場合、出口開口21から吐水された湯水自体が光っているように見える。また、第2実施形態の制御部107による流路開閉弁106への開閉制御を本例のポンプ42に適用することで、第2実施形態の気泡混入部104と同様の気泡の出方になる。
【0048】
本発明の第5実施形態にかかる「吐水装置」、及び、該吐水装置を備えた「浴槽」を
図22,23を参照して説明する。
図22,23において、第1~4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
図22に示す浴槽410は、浴槽本体9と、この浴槽本体9内に湯水を吐水する吐水装置401と、浴槽本体9内の湯水を吸引して吐水装置401に送る配管及びポンプを備えている。吐水装置401は、吐水部2と、光照射部3と、気泡混入部404と、これらを制御する制御部407と、制御部407への指示を入力する操作部(浴室の壁等に取り付けられる。)と、を備えている。
【0050】
本例の気泡混入部404は、当該気泡混入部404が出口開口21の長手方向に複数に区分されて成る領域毎に気泡を出すことができる。具体的には、
図22,23に示すように、気泡混入部404は、流路20の水平部20b内に配置され、出口開口21の長手方向に延びた単一の気泡生成器41と、気泡生成器41に空気を送るポンプ42と、気泡生成器41と出口開口21の間に設けられ、出口開口21の長手方向に並んだ複数の分岐流路440と、各分岐流路440毎に設けられた流路開閉弁406と、を備えている。
【0051】
分岐流路440は、水平部20b内の隔壁408により形成されている。分岐流路440は、本例では9つ形成されている。各分岐流路440の出口は出口開口21の手前に配置されている。各流路開閉弁406は、制御部407により開閉制御される。
【0052】
このように、本例では、気泡混入部404が、単一の気泡生成器41に対し、出口開口21の長手方向に並んだ9つの分岐流路440を備えており、各分岐流路440毎に気泡を出すことができる。言い換えると、気泡混入部404が出口開口21の長手方向に9の領域に区分されており、一の分岐流路440が一の領域を成しており、各領域毎に気泡を出すことができる。
【0053】
上記浴槽410においても、吐水部2からの吐水時に気泡混入部404を稼働させ、光源31を発光させた場合、出口開口21から吐水された湯水自体が光っているように見える。また、第2実施形態の制御部107による流路開閉弁106への開閉制御を本例の流路開閉弁406に適用することで、第2実施形態の気泡混入部104と同様の気泡の出方になる。
【0054】
上述した実施形態では、吐水装置が浴槽に適用される例について説明したが、本発明の吐水装置は、洗面所や厨房の水栓に適用されてもよい。
【0055】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,101,201,301,401 吐水装置
2 吐水部
3 光照射部
4,104,204,304,404 気泡混入部
7,107,207,307,407 制御部
10,110,210,310,410 浴槽
20 流路
21 出口開口