(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240624BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20240624BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20240624BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240624BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/40
H02J50/20
H02J50/12
(21)【出願番号】P 2020185841
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 浩平
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-162235(JP,A)
【文献】特開2017-028770(JP,A)
【文献】特開2019-154195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部と、
を備え
、
前記通信装置は第1通信装置および第2通信装置を含み、
前記処理部は、前記第1通信装置が前記無線通信を通じて取得する第1通信データのデータ量または前記第1通信装置が通信する通信端末の数、および前記第2通信装置が前記無線通信を通じて取得する第2通信データのデータ量または前記第2通信装置が通信する通信端末の数に応じて、前記第1通信装置への無線給電および前記第2通信装置への無線給電の指令を決定する、
制御装置。
【請求項2】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部と、
を備え、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記処理部は、前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定し、
前記処理部は、前記第1識別情報から前記第1識別情報の取得に関する第1評価値を算出し、
前記第2識別情報から前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を算出し、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
制御装置。
【請求項3】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部と、
を備え、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記処理部は、前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定し、
前記処理部は、前記第1識別情報の取得に関する第1評価値および前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を取得し、
前記処理部は、前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
制御装置。
【請求項4】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記無線給電装置および前記通信装置間における伝搬路情報を取得し、
前記伝搬路情報に基づいて、前記無線給電の伝搬条件、前記通信装置への給電可能電力、前記無線給電装置および前記通信装置の位置、前記通信データの取得における前記通信装置の必要電力量の少なくとも1つを、前記無線給電に関する情報として算出する、
制御装置。
【請求項5】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記通信装置が前記通信端末と無線通信を行う方向、範囲、頻度、および通信信号の電力の少なくとも1つを、前記無線通信の指令として決定する、
制御装置。
【請求項6】
前記通信装置は第1通信装置および第2通信装置を含み、
前記処理部は、前記第1通信装置が前記無線通信を通じて取得する第1通信データのデータ量または前記第1通信装置が通信する通信端末の数、および前記第2通信装置が前記無線通信を通じて取得する第2通信
データのデータ量または前記第2通信装置が通信する通信端末の数に応じて、前記第1通信装置への無線給電および前記第2通信装置への無線給電の指令を決定する、
請求項
2~5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記処理部は、前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
請求項1
、4または5に記載の制御装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記第1識別情報から前記第1識別情報の取得に関する第1評価値を算出し、
前記第2識別情報から前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を算出し、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
請求項
7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記第1識別情報の取得に関する第1評価値および前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を取得し、
前記処理部は、前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
請求項
7に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1評価値は、前記第1識別情報の取得の成否および取得時間の少なくとも一方に基づいた評価値であり、
前記第2評価値は、前記第2識別情報の取得の成否および取得時間の少なくとも一方に基づいた評価値である、
請求項
8または9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記無線給電装置および前記通信装置間における伝搬路情報を取得し、
前記伝搬路情報に基づいて、前記無線給電の伝搬条件、前記通信装置への給電可能電力、前記無線給電装置および前記通信装置の位置、前記通信データの取得における前記通信装置の必要電力量の少なくとも1つを、前記無線給電に関する情報として算出する、
請求項1乃至
3、5乃至10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記処理部は、前記無線給電の伝搬条件、前記通信装置への給電可能電力、前記無線給電装置および前記通信装置の位置、前記通信データの取得における前記通信装置の必要電力量の少なくとも1つを、前記無線給電に関する情報として取得する、
請求項1乃至
3、5乃至10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記通信装置への給電時間、給電強度、給電頻度、および給電量の少なくとも1つを決定し、前記通信装置への無線給電を指令する、
請求項1乃至
12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記通信装置が前記通信端末と無線通信を行う方向、範囲、頻度、および通信信号の電力の少なくとも1つを、前記無線通信の指令として決定する、
請求項1乃至
4、6乃至9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御信号を前記通信装置または前記無線給電装置に対して出力する出力部をさらに備える、
請求項1乃至
14のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
請求項1乃至
15のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記無線給電装置と、
前記通信装置と、
を備える、制御システム。
【請求項17】
通信端末と
無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する方法であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成
し、
前記通信装置は第1通信装置および第2通信装置を含み、
前記第1通信装置が前記無線通信を通じて取得する第1通信データのデータ量または前記第1通信装置が通信する通信端末の数、および前記第2通信装置が前記無線通信を通じて取得する第2通信データのデータ量または前記第2通信装置が通信する通信端末の数に応じて、前記第1通信装置への無線給電および前記第2通信装置への無線給電の指令を決定する、方法。
【請求項18】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する方法であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成し、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定し、
前記第1識別情報から前記第1識別情報の取得に関する第1評価値を算出し、
前記第2識別情報から前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を算出し、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
方法。
【請求項19】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する方法であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成し、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定し、
前記第1識別情報の取得に関する第1評価値および前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を取得し、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定する、
方法。
【請求項20】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する方法であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成し、
前記無線給電装置および前記通信装置間における伝搬路情報を取得し、
前記伝搬路情報に基づいて、前記無線給電の伝搬条件、前記通信装置への給電可能電力、前記無線給電装置および前記通信装置の位置、前記通信データの取得における前記通信装置の必要電力量の少なくとも1つを、前記無線給電に関する情報として算出する、
方法。
【請求項21】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する方法であって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成し、
前記通信装置が前記通信端末と無線通信を行う方向、範囲、頻度、および通信信号の電力の少なくとも1つを、前記無線通信の指令として決定する、
方法。
【請求項22】
通信端末と
無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令させるプログラムであって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得させ、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させ、
前記通信装置は第1通信装置および第2通信装置を含み、
前記第1通信装置が前記無線通信を通じて取得する第1通信データのデータ量または前記第1通信装置が通信する通信端末の数、および前記第2通信装置が前記無線通信を通じて取得する第2通信データのデータ量または前記第2通信装置が通信する通信端末の数に応じて、前記第1通信装置への無線給電および前記第2通信装置への無線給電の指令を決定させる、
プログラム。
【請求項23】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令させるプログラムであって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得させ、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させ、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定させ、
前記第1識別情報から前記第1識別情報の取得に関する第1評価値を算出させ、
前記第2識別情報から前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を算出させ、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定させる、
プログラム。
【請求項24】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令させるプログラムであって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得させ、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させ、
前記通信装置は第3通信装置および第4通信装置を含み、
前記第3通信装置が取得する第3通信データには、前記第3通信装置と通信する通信端末の第1識別情報が含まれ、
前記第4通信装置が取得する第4通信データには、前記第4通信装置と通信する通信端末の第2識別情報が含まれ、
前記第1識別情報、前記第2識別情報、および前記無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定させ、
前記第1識別情報の取得に関する第1評価値および前記第2識別情報の取得に関する第2評価値を取得させ、
前記第1評価値、前記第2評価値、および無線給電に関する情報に基づいて、前記第3通信装置への無線給電および前記第4通信装置への無線給電の指令を決定させる、
プログラム。
【請求項25】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令させるプログラムであって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得させ、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させ、
前記無線給電装置および前記通信装置間における伝搬路情報を取得させ、
前記伝搬路情報に基づいて、前記無線給電の伝搬条件、前記通信装置への給電可能電力、前記無線給電装置および前記通信装置の位置、前記通信データの取得における前記通信装置の必要電力量の少なくとも1つを、前記無線給電に関する情報として算出させる、
プログラム。
【請求項26】
通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令させるプログラムであって、
前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得させ、
前記通信データおよび前記無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させ、
前記通信装置が前記通信端末と無線通信を行う方向、範囲、頻度、および通信信号の電力の少なくとも1つを、前記無線通信の指令として決定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置、制御システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線給電装置から通信端末に給電または通信を行う際、状況によって困難なことがある。通信端末と無線通信を行う通信装置を介して給電または通信を行う場合、無線給電装置によるこの通信装置への給電、またはこの通信装置による通信を制御する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、無線給電装置による通信装置への給電、またはこの通信装置による通信を制御する制御装置、制御システム、方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施形態の制御装置は、通信端末と無線通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、および前記無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置であって、前記通信端末および前記通信装置における通信データ、および前記無線給電に関する情報を取得し、この通信データおよびこの無線給電に関する情報に基づいて、前記無線給電および前記無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成する処理部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態における制御システム500の概念図。
【
図2】第1の実施形態における制御装置100の構成図。
【
図3】第1の実施形態における無線給電装置200の構成図。
【
図4】第1の実施形態における通信装置300aの構成図。
【
図5】第1の実施形態における通信端末400aの構成図。
【
図7】無線給電の指令の決定における制御装置100の動作のフローチャート。
【
図9】無線通信の指令の決定における制御装置100の動作のフローチャート。
【
図10】第1の実施形態に適用可能な通信装置300a’の構成図。
【
図11】第1の実施形態に適用可能な通信端末400a’の構成図。
【
図12】無線給電に関連する事項の算出における制御装置100の動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明を実施するための実施形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における制御システム500を表している。制御システム500は、制御装置100、無線給電装置200、通信装置300(300aおよび300b)、通信端末400(400a~400g)を備える。制御装置100は、無線給電装置200が通信装置300aおよび300bに対して行う無線給電、および通信装置300aおよび300bが行う通信端末400との通信について、指令を含む制御信号を生成し、伝達する。無線給電装置200は通信装置300aおよび300bに無線給電を行い、通信装置300aおよび300bと通信端末400の間の無線通信の指令を伝達する。通信装置300aおよび300bは、通信端末400と無線通信を行い、取得した通信データを無線給電装置200に送る。この通信データは、制御装置100へと送られる。制御装置100は、この通信データおよび無線給電に関する情報を取得して、無線給電および通信装置300a、300bと通信端末400の間の無線通信の少なくとも一方を制御する。このようにすることで、制御装置100は無線給電および通信装置300a、300bと通信端末400の間の無線通信の少なくとも一方をより能率化、効率化させることができる。
【0009】
なお、制御装置100および無線給電装置200の間の通信、無線給電装置200および通信装置300a、300bの間の無線給電および通信、通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線通信は、任意の規格を適用可能である。通信では、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0010】
制御装置100の一構成例を
図2に表す。制御装置100は処理部110、記憶部120、出力部130を備える。処理部110は取得部111、算出部112、決定部113、信号生成部114を含む。
【0011】
取得部111は、無線給電装置200および通信装置300a、300bの無線給電に関する情報、および通信装置300a、300bが通信端末400との無線通信で取得した通信データを取得する。この無線給電に関する情報とは、無線給電装置200および通信装置300a、300b間の伝搬路情報、無線給電の伝搬条件、通信装置300a、300bに対する給電可能電力、無線給電装置200および通信装置300a、300bの位置を表す情報(推定情報を含む)、通信データの取得における通信装置300a、300bの必要電力量の少なくともいずれかなどが含まれている。この通信データとは例えば、通信端末400の識別情報や、通信端末400が計測・撮影するなどして取得した各種データなどである。また、通信データには、取得した通信装置300a、300bの識別情報が紐づけられている。この無線給電に関する情報およびこの通信データは、無線給電装置200および通信装置300a、300bの無線給電、および通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線通信の指令の決定に使われる。取得部111は、取得した無線給電に関する情報および通信データを、記憶部120に保持させる。
【0012】
記憶部120は、取得部111から送られた無線給電に関する情報および通信データを保持する。記憶部120はメモリ等であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、フラッシュメモリ、レジスタなどである。また、記憶部120は制御装置100の内部の他、外部に設けられるようにしてもよい。外部に設けられる場合、記憶部120はインターネットを経由して情報を保持するクラウドでもよい。
【0013】
算出部112は、記憶部120に保持されている無線給電に関する情報および通信データの評価値を算出する。例えば、算出部112は、無線給電に関する情報から、通信装置300aおよび300bへの無線給電の能率や給電可能電力などの評価値を算出する。通信データに通信端末400の識別情報が含まれる場合、この識別情報の取得に関する評価値を算出する。この評価値とは例えば、通信端末400の識別情報の取得率(取得成功率)、パケット誤り率、および取得時間の少なくとも1つに基づいて、通信装置300a、300bそれぞれに算出される。通信端末400の識別情報の取得率が高いほど、パケット誤り率が低いほど、あるいは通信端末400の識別情報の取得時間が短いほど、通信装置300a、300bと通信端末400の無線通信が効率よく行われていることを表す。
【0014】
また、算出部112は、通信装置300a、300bがそれぞれ取得した通信データのデータ量を評価値として算出してもよい。算出部112は、この通信データにデータ量を表す情報が含まれる場合、このデータ量を評価値として取得してもよい。通信データのデータ量が多いほど、通信装置300a、300bが取得する(取得すべき)通信データが多いことを表す。
【0015】
決定部113は、無線給電に関する情報および通信データに基づいて、無線給電装置200および通信装置300a、300bの無線給電、および通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線通信の少なくとも一方の指令を決定する。より詳細には、決定部113は、算出部112から送られる無線給電に関する情報および通信データの評価値に基づいて、この無線給電およびこの無線通信の少なくとも一方の指令を決定する。無線給電の指令として、例えば通信装置300a、300bそれぞれに対して給電時間、給電強度、給電頻度、および給電量の少なくとも1つなどを決定する。また、無線通信の指令として、例えば通信装置300a、300bそれぞれに対して、通信端末400と無線通信を行う方向、範囲、頻度、および無線通信に用いる信号の電力の少なくとも1つなどの指令が挙げられる。決定部113は、決定した指令を信号生成部114に送る。
【0016】
信号生成部114は、決定部113から送られた無線給電および無線通信の少なくとも一方の指令を含む制御信号を生成する。信号生成部114は制御信号について、無線給電の指令を含む給電制御信号、無線通信の指令を含む通信制御信号に分けて生成するようにしてもよい。信号生成部114は、出力部130に生成した制御信号を送る。
【0017】
出力部130は、信号生成部114から送られた制御信号を、無線給電装置200に対して出力する。出力部130は、この制御信号を通信装置300a、300bに対して出力するようにしてもよいし、給電制御信号を無線給電装置200に、通信制御信号を通信装置300a、300bに対して出力するようにしてもよい。これらの出力は、無線でも有線でもよい。
【0018】
以上、制御装置100の構成を説明した。制御装置100の構成要素の少なくとも一部は、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路で実装されるようにしてもよい。また
図2では、取得部111、算出部112、決定部113、信号生成部114は処理部110に含まれる。処理部110は、制御装置と演算装置を含む1つ以上の電子回路である。電子回路は、アナログまたはディジタル回路等で実現される。例えば、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、およびその組合せが可能である。また、
図2では取得部111が処理部110に含まれているように表されているが、処理部110に含まれないハード構成としてもよい。また、出力部130が処理部110に含まれないように表されているが、処理部110に含まれるようにしてもよい。
【0019】
無線給電装置200は、制御装置100からの制御信号(給電制御信号)を受けて、通信装置300a、300bそれぞれに対して無線給電を行う、および無線通信の指示を含む制御信号の伝達の少なくとも一方を行う。また無線給電装置200は、通信装置300a、300bから送られる通信データを取得し、制御装置100に送る。無線給電装置200の一構成例を
図3に表す。無線給電装置200は取得部210、処理部220、記憶部230、出力部240、給電部250を備える。処理部220は制御部221、信号生成部222を含む。
【0020】
取得部210は、制御装置100から送られる制御信号(給電制御信号)、および通信装置300a、300bが通信端末400との無線通信で取得した通信データを取得する。取得部210は、制御装置100または通信装置300a、300bとの通信が無線通信の場合、1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して制御信号および通信データを取得するようにしてもよい。この制御信号および通信データは、制御部221に送られる。
【0021】
制御部221は、取得部210から送られた制御信号に含まれる無線給電の指示に基づいて、信号生成部222に無線給電のための信号(以降、給電信号とも称する)を生成するように指令する。制御部221は、取得部210から送られた通信データを、記憶部230に保持させる。制御部221は、所定の時刻や時間間隔、制御装置100からの指示などに応じて、記憶部230に保持されている通信データを引き出し、出力部240に送る。制御部221は、取得部210から送られた、無線通信の指示を含む制御信号(通信制御信号)出力部240に送る。
【0022】
記憶部230は、取得部210から送られた通信データを保持する。記憶部230は、記憶部120で説明した装置や方法が適用可能である。
【0023】
出力部240は、制御部221から送られた制御信号(通信制御信号)を、通信装置300a、300bに対して出力する。出力部240は、制御部221から送られた通信データを、制御装置100に対して出力する。出力部240は、制御装置100または通信装置300a、300bとの通信が無線通信の場合、1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して制御信号(通信制御信号)および通信データを出力するようにしてもよい。
【0024】
信号生成部222は、制御部221から送られた指令に基づいて給電信号を生成し、給電部250に送る。給電部250は、1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して通信装置300a、300bに対して給電信号を送信し、無線給電を行う。
図3では、雷のマークを付して給電を行うことを表している。
【0025】
以上、無線給電装置200の構成を説明した。無線給電装置200の構成要素の少なくとも一部は、IC、LSIなどの集積回路で実装されるようにしてもよい。また
図3では、制御部221、信号生成部222は処理部220に含まれる。処理部220は、処理部110で説明した電子回路が適用可能である。また、
図3では取得部210、出力部240が処理部220に含まれないように表されているが、例えば制御装置100に対する制御信号の取得、通信データの伝達は処理部220に含まれる構成要素としてもよい。また、取得部210、出力部240、給電部250がアンテナを備える場合があるが、これらのアンテナは独立してもよいし、少なくとも一部の構成要素において共用してもよい。
【0026】
通信装置300a、300bは、無線給電装置200からの無線給電を受けて駆動し、通信端末400と通信を行い、通信データを取得する。通信端末400との通信は、制御装置100または無線給電装置200から送られる無線通信の指示を含む制御信号によって制御される。また通信装置300a、300bは取得した通信データを無線給電装置200に送る。通信装置300aの一構成例を
図4に表す。通信装置300aは受電部310、取得部320、処理部330、記憶部340、出力部350を備える。処理部330は制御部331、信号生成部332を含む。なお、通信装置300bの構成例は通信装置300aと同様のため、説明を省略する。
【0027】
受電部310は、1つ以上のアンテナを備え、無線給電装置200から送られる給電信号により受電する。受電した電力は、処理部330のほか、取得部320や出力部350に供給される。受電部310は蓄電装置を備え、受電した電力を蓄電装置によって蓄え、処理部330、取得部320、および出力部350は蓄電装置から駆動に必要な電力を供給されてもよい。
図4では、雷のマークを付して給電されることを表している。
【0028】
取得部320は、無線給電装置200から送られる制御信号(通信制御信号)、および通信端末400との無線通信により通信データを取得する。取得部320は1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して通信データを取得する。また、無線給電装置200との通信が無線通信の場合、このアンテナを介して制御信号を取得するようにしてもよい。この制御信号および通信データは、制御部331に送られる。また、取得部320は制御装置100から制御信号(通信制御信号)を取得するようにしてもよい。
【0029】
制御部331は、取得部320から送られた制御信号に含まれる無線通信の指示に基づいて、信号生成部332に無線通信のための信号(以降、通信信号とも称する)を生成するように指令する。通信信号は例えば、受信した通信端末400に通信データを送信させる信号である。制御部331は、取得部320から送られた通信データに、自身の通信装置300aの識別情報を紐づけて、記憶部340に保持させる。制御部331は、所定の時刻や時間間隔、制御装置100または無線給電装置200からの指示などに応じて、記憶部340に保持されている通信データを引き出し、信号生成部332に送る。
【0030】
記憶部340は、取得部320から送られた通信データを保持する。記憶部340は、記憶部120で説明した装置や方法が適用可能である。
【0031】
信号生成部332は、制御部331から送られた指令に基づいて通信信号を生成し、出力部350に送る。また、信号生成部332は、制御部331から送られた通信データを信号化し、出力部350に送る。出力部350は、1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して、信号生成部332から送られた通信信号を通信端末400に対して出力する。なお、通信信号を出力する向きや範囲、頻度や通信信号の電力は、無線通信の指示に基づいて制御部331によって定められる。また、出力部350は、信号生成部332から送られた通信データを、無線給電装置200に対して出力する。出力部350は、無線給電装置200との通信が無線通信の場合、このアンテナを介して通信データを出力するようにしてもよい。
【0032】
以上、通信装置300aの構成を説明した。通信装置300aの構成要素の少なくとも一部は、IC、LSIなどの集積回路で実装されるようにしてもよい。また
図4では、制御部331、信号生成部332は処理部330に含まれる。処理部330は、処理部110で説明した電子回路が適用可能である。また、受電部310、取得部320、出力部350がアンテナを備えるが、これらのアンテナは独立してもよいし、少なくとも一部の構成要素において共用してもよい。
【0033】
通信端末400(400a~400gは、通信装置300a、300bから送られた通信信号を受けて、通信データを送信する。通信端末400aの一構成例を
図5に表す。通信端末400aは受信部410、処理部420、送信部430を備える。処理部420は制御部421、信号生成部422を含む。なお、通信端末400b~400gの構成例は通信端末400aと同様のため、説明を省略する。
【0034】
受信部410は1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して通信装置300a、300bから送られる通信信号を受信する。この通信信号は制御部421に送られる。
【0035】
制御部421は、受信部410から送られた通信信号を受けて、信号生成部422に通信データを生成するように指令する。信号生成部422は、制御部421から送られた指令に基づいて通信データを生成し、送信部430に送る。送信部430は1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して、信号生成部422から送られた通信データを通信装置300a、300bに送信する。
【0036】
以上、通信端末400aの構成を説明した。通信端末400aの構成要素の少なくとも一部は、IC、LSIなどの集積回路で実装されるようにしてもよい。また
図5では、制御部421、信号生成部422は処理部420に含まれる。処理部420は、処理部110で説明した電子回路が適用可能である。また、受信部410、送信部430がアンテナを備えるが、これらのアンテナは独立してもよいし、少なくとも一部の構成要素において共用してもよい。
【0037】
本実施形態の制御装置100は、無線給電装置200および通信装置300a、300bの間の無線給電に関する情報、および通信装置300a、300bが通信端末400との通信を介して取得する通信データを取得する。制御装置100は、この無線給電に関する情報およびこの通信データに基づいて、無線給電および無線通信の少なくとも一方の指令を決定し、制御する。
【0038】
図6は、本実施形態の一例として、無線給電装置200および通信装置300a、300bの間の無線給電の指令を説明する図である。
図6では、無線給電装置200は通信装置300aに対して無線給電PSaを行い、通信装置300bに対して無線給電PSbを行っている。
図7は、無線給電の指令を行う制御装置100の動作のフローチャートである。以下、制御装置100の動作の詳細について説明する。なお、本実施形態では、無線給電装置200による通信装置300a、300bへの給電、通信装置300a、300bによる通信データの取得が少なくとも一度行われていることが前提である。
【0039】
取得部111は、無線給電に関する情報および通信データを取得する(ステップS101)。取得部111は、取得した無線給電に関する情報および通信データを、記憶部120に保持させる。
【0040】
算出部112は、記憶部120に保持されている無線給電に関する情報および通信データを評価する(ステップS102)。これらの評価について、以下説明する。
【0041】
制御装置100は、無線給電に関する情報に基づいて、無線給電装置200および通信装置300a、300bにおける無線給電の能率について評価することができる。例えば、通信装置300a、300bのうちより無線給電装置200に近い方が無線給電の能率を向上させることができる。ここでの能率とは、給電に用いる電力に対して受電される電力の割合のことを表す。また、通信装置300a、300bと無線給電装置200との間に無線信号を妨げる物体や空間の有無に応じて、無線給電の能率は変動する。また、通信装置300a、300bのうち給電可能電力に差異があれば、通信装置300a、300bのそれぞれの給電可能電力に応じて無線給電の指令を決定することで、無線給電の能率を向上させることができる。これにより、制御装置100は、無線給電の効率がよい通信装置300a、300bを評価することができる。
【0042】
また、制御装置100は、通信データに基づいて、通信装置300aおよび300bが行う通信端末400の通信に関する電力要求量について評価することができる。通信装置300aおよび300bは通信信号が届く範囲において通信端末400と通信を行い、通信データを取得する。この場合、通信端末400が扱うデータや、通信端末400が通信装置300a、300bの近傍にどのように分布するかによって、通信データが異なる。具体的には、通信端末400が取得した各種データの種類、データの形式、データの取得時間等に応じて通信データのデータ量が増える場合がある。あるいは、通信装置300a、300bが通信する(通信すべき)通信端末400の数が増えるほど、通信データのデータ量が増える。
【0043】
例えば通信データが通信端末400の識別情報の場合、通信する(通信すべき)通信端末400が増えるほど、識別情報が増えることになる。通信装置300aが通信端末400a~400cと通信し、通信装置300bが通信端末400c~400gと通信するとする。この場合、通信装置300aは3台の通信端末400の通信データを取得し、通信装置300bは5台の通信端末400の通信データを取得することになる。
【0044】
これらの通信データは無線給電装置200へ送られるため、通信データのデータ量が多いほど、より多くの電力が必要になる。また、より多くの通信端末400と通信する(通信する必要がある)ほど、より多くの電力が必要になる。これにより制御装置100は、通信データに基づいて、通信装置300a、300bの電力要求量を評価することができる。
【0045】
また、制御装置100は、通信データに基づいて、通信装置300a、300bが行う通信データの取得に関して評価することができる。例えば通信データが通信信号を受信した通信端末400の識別情報である場合、通信データには、通信端末400の識別情報の取得の成否の情報や取得時間に関する情報が含まれる場合がある。この識別情報の取得の成否の情報は、識別情報または識別情報の取得のエラーを表す情報や、識別情報の取得率(取得成功率)、パケットの誤りを表す情報などである。この取得時間に関する情報とは、通信端末400の識別情報の取得に要した時間や、取得開始時刻と終了時刻などである。
【0046】
例えば、識別情報の取得の成否は通信信号の電力に影響されるため、通信装置300の識別情報の取得率を向上、またはパケット誤り率を低減させるためには、より多くの電力を供給する必要がある。また、識別情報の取得時間の長短は通信装置300に供給される電力に影響されるため、通信装置300の識別情報の取得時間を短くするためには、より多くの電力を供給する必要がある。これにより、制御装置100は、通信端末400の識別情報の取得の成否の情報や取得時間に関する情報を評価することができる。
【0047】
なお、これらの評価は、通信装置300a、300bそれぞれに評価値を算出し、比較することによって行ってもよい。また、これらの評価を組合せたり、重みづけを行うなどして総合的に評価してもよい。算出部112は、評価した結果を決定部113に送る。
【0048】
決定部113は、無線給電に関する情報および通信データを評価した結果に基づいて、通信装置300a、300bへの無線給電の指令を決定する(ステップS103)。無線給電の指令として、例えば通信装置300a、300bそれぞれに対して給電時間、給電強度、給電頻度、および給電量の少なくとも1つなどを決定する。例えば制御装置100は、通信装置300aに対しては無線給電PSaを、通信装置300bに対しては無線給電PSbを行うように指令を決定してもよいし、無線給電を変更して無線給電PSa’、PSb’を行うように指令を決定してもよい。決定部113は、決定した無線給電の指令を、信号生成部114に送る。
【0049】
信号生成部114は、決定部113から送られた無線給電の指令を含む制御信号(給電制御信号)を生成し、出力部130から無線給電装置200に出力する(ステップS104)。
【0050】
決定部113は、制御装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS105)。この終了指令は、制御装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによる制御装置100への入力や、終了指令を含んだ信号を制御装置100が取得するなどして決定部113に伝えられる。この終了指令は、直ちに制御装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
【0051】
決定部113にこの終了指令が届いていない場合(ステップS105:No)、ステップS101に戻る。一方、決定部112にこの終了指令が届いている場合(ステップS105:Yes)、フローは終了し、制御装置100は動作を終了する。制御装置100は、ステップS101に戻った後、任意の条件によって本フローの動作を再び行うようにしてもよい。
【0052】
以上から、制御装置100は、無線給電に関する情報および通信データに基づいて、無線給電の能率、通信装置300a、300bの電力要求量および通信データの取得を評価し、無線給電の指令を決定する。これにより例えば、制御装置100は、無線給電の能率が高い通信装置300に無線給電をより多く配分する、通信装置300a、300bのそれぞれの電力要求量を満たすように配分する、または通信装置300a、300bが行う通信端末400の識別情報の取得状況に応じた電力となるように配分するといった指令が可能となる。これにより、無線給電装置200は能率よく無線給電を行うことができる。
【0053】
図8は、本実施形態の一例として、通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線通信の指令を説明する図である。
図8では、通信装置300aは方向Da、範囲Raに対して通信信号を送信し、通信端末400a~400cと通信して通信データを取得している。通信装置300bは方向Db、範囲Rbに対して通信端末400c~400gと通信して通信データを取得している。
図9は、無線通信の指令を行う制御装置100の動作のフローチャートである。以下、制御装置100の動作の詳細について説明する。なお、本実施形態では一例として、通信端末400a~400gは無線タグであり、通信装置300a、300bはこの無線タグの読取機能を備えている。すなわち、通信装置300a、300bの通信信号を受信した通信端末400a~400gのそれぞれは、自身の識別情報を含む応答信号を送信し、通信装置300a、300bによって通信端末400a~400gのそれぞれの識別情報を含む通信データとして受信する。無線タグとしては例えば、RFIDタグなどである。
【0054】
取得部111は、無線給電に関する情報および通信データを取得する(ステップS111)。取得部111は、取得した無線給電に関する情報および通信データを、記憶部120に保持させる。
【0055】
算出部112は、記憶部120に保持されている無線給電に関する情報および通信データを評価する(ステップS112)。これらの評価について、以下説明する。
【0056】
制御装置100は、無線給電に関する情報に基づいて、無線給電装置200および通信装置300a、300bにおける無線給電の能率について評価することができる。評価についての詳細は、ステップS102と同様であるので、説明を省略する。ここで、通信装置300a、300bのうち、より無線給電の能率が高い通信装置に、より多くの通信端末400と通信させることにより、制御装置100は通信データをより多くの通信端末400から、短時間に、あるいは失敗の可能性を低減して取得させることができる。制御装置100はこの無線給電の能率の評価に応じて、通信装置300a、300bと通信端末400の間の無線通信の指令を決定することができる。ここで、無線通信の指令とは、通信信号を送信する向きや通信頻度、通信範囲、通信信号の電力などの少なくとも1つの指令である。例えば制御装置100は、無線給電の能率がよい通信装置300には、より多くの通信端末400が存在する方向に、通信信号を送信させることができる。また、制御装置100は、無線給電の能率がよい通信装置300には、より頻繁に通信端末400と通信させることができる。また、制御装置100は、無線給電の能率がよい通信装置300には、より広い通信範囲を決定することができる。通信範囲の決定に当たっては、通信信号の電力を決定するようにしてもよい。通信信号の電力を大きくすることで、通信装置300は、より遠方の通信端末400とも通信することができる、すなわち通信範囲を広くすることができるためである。
【0057】
また、制御装置100は、通信データに基づいて、通信装置300aおよび300bが行う通信端末400の無線通信に関する電力要求量について評価することができる。評価についての詳細は、ステップS102と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
例えば、通信装置300aが通信端末400a~400cと通信し、通信装置300bが通信端末400c~400gと通信するとする。この場合、通信装置300aは3台の通信端末400の通信データを取得し、通信装置300bは5台の通信端末400の通信データを取得することになる。これらの通信データは無線給電装置200へ送られるため、通信データのデータ量が多いほど、より多くの電力が必要になる。また、より多くの通信端末400と通信する(通信する必要がある)ほど、より多くの電力が必要になる。制御装置100は、この電力要求量を評価することで、通信装置300a、300bと通信端末400の間の無線通信の指令を決定することができる。例えば、制御装置100は、通信装置300a、300bの無線給電の能率が同等の評価である場合、この電力要求量が通信装置300a、300bとで同等のレベルとなるように、無線通信の指令を決定することができる。また、制御装置100は、通信装置300a、300bの無線給電の能率が異なる評価の場合、無線給電の能率の評価に応じた無線通信の指令を決定することができる。
【0059】
また、制御装置100は、通信データに基づいて、通信装置300a、300bが行う通信データの取得に関して評価することができる。評価についての詳細は、ステップS102と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
例えば、識別情報の取得の成否や識別情報の取得時間の長短は通信装置300に供給される電力に影響される。この取得の成否や取得時間の長短が一定のレベルよりも悪化した場合、この通信装置300に設定されている通信信号を送信する向き、通信頻度、通信範囲、通信信号の電力などが過重であることが考えられる。一方、この取得の成否や取得時間の長短が一定のレベルよりもよい場合、この通信装置300に設定されている通信信号を送信する向き、通信頻度、通信範囲、通信信号の電力などにはまだ余裕があることが考えられる。制御装置100は、識別情報の取得の成否や識別情報の取得時間の長短に応じて、無線通信の指令を決定することができる。
【0061】
なお、これらの評価は、通信装置300a、300bそれぞれに評価値を算出し、比較することによって行ってもよい。また、これらの評価を組合せたり、重みづけを行うなどして総合的に評価してもよい。算出部112は、評価した結果を決定部113に送る。
【0062】
決定部113は、無線給電に関する情報および通信データを評価した結果に基づいて、通信装置300a、300bへの無線通信の指令を決定する(ステップS113)。例えば制御装置100は、通信装置300aに対しては無線通信の向きDaや範囲Raを、通信装置300bに対しては無線通信の向きDbや範囲Rbとなるように無線通信を行う指令を決定してもよいし、変更して無線通信の向きDa’範囲Ra’、無線通信の向きDb’、範囲Rb’を行うように指令を決定してもよい。決定部113は、決定した無線通信の指令を、信号生成部114に送る。
【0063】
信号生成部114は、決定部113から送られた無線通信の指令を含む制御信号(通信制御信号)を生成し、出力部130から無線給電装置200に出力する(ステップS114)。
【0064】
決定部113は、制御装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS115)。この終了指令は、制御装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによる制御装置100への入力や、終了指令を含んだ信号を制御装置100が取得するなどして決定部113に伝えられる。この終了指令は、直ちに制御装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
【0065】
決定部113にこの終了指令が届いていない場合(ステップS115:No)、ステップS101に戻る。一方、決定部112にこの終了指令が届いている場合(ステップS115:Yes)、フローは終了し、制御装置100は動作を終了する。制御装置100は、ステップS111に戻った後、任意の条件によって本フローの動作を再び行うようにしてもよい。
【0066】
以上から、制御装置100は、無線給電に関する情報および通信データに基づいて、無線給電の能率、通信装置300a、300bの電力要求量および通信データの取得などを評価し、無線通信の指令を決定する。これにより例えば、制御装置100は、無線給電の能率が高い通信装置300により多くの通信端末400と通信するよう決定する、通信装置300a、300bのそれぞれの電力要求量を制御する、または通信装置300a、300bが行う通信端末400の識別情報の取得状況に応じて無線通信を制御するといった指令が可能となる。これにより、通信装置300a、300bは通信端末400との通信をより効率よく行うことができる。
【0067】
以上に、本実施形態における制御装置100の動作を説明したが、変形例は様々に実装、実行可能である。以下、本実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0068】
(変形例1)
本実施形態では一例として、通信データは通信端末400の識別情報であるとして説明したが、通信データは通信端末400が計測・撮影するなどして取得した各種データなどでもよい。この各種データは、通信端末400のそれぞれが取得する物理量の計測データ、音声データ、画像データ、映像データなどの少なくとも1つである。物理量としては例えば、位置、角度、回転角、速度、角速度、回転速度、回転数、電流、電圧、電力、温度、光量、周波数などである。
【0069】
(変形例2)
例えば変形例1のように、通信端末400が計測・撮影するなどして各種データを取得する場合、通信端末400は計測部を有する必要がある。また、この計測部の電源供給を無線給電で行う場合には、受電部を設ける必要がある。この場合において、通信装置300は通信端末400に電源供給行うため、給電部を設ける必要がある。
【0070】
本変形例における通信装置300a’の一構成例を
図10に表し、通信端末400a’の一構成例を
図11に表す。通信装置300a’は通信装置300aに給電部360をさらに備える。通信装置300b’は300a’と同様であるので、説明を省略する。
【0071】
給電部360による通信端末400への無線給電は、制御装置100によって決定されてもよい。無線給電の決定の説明は、無線給電装置200から通信装置300a、300bへの無線給電の決定と同様に行うことが可能である。すなわち、制御装置100から通信装置300a、300bには、直接または無線給電装置200を介して制御信号(給電制御信号)が送られる。この制御信号(給電制御信号)は、受信部320によって取得され、制御部331に送られる。制御部331は、受信部320から送られた制御信号(給電制御信号)に含まれる無線給電の指示に基づいて、信号生成部332に無線給電のための信号(以降、給電信号とも称する)を生成するように指令する。
【0072】
信号生成部332は、制御部331から送られた指令に基づいて給電信号を生成し、給電部360に送る。給電部360は、1つ以上のアンテナを備え、このアンテナを介して通信端末400に対して給電信号を送信し、無線給電を行う。
図10では、雷のマークを付して給電を行うことを表している。
【0073】
以上、通信装置300a’について説明した。通信装置300a’、300b’から、通信端末400に対して無線通信だけでなく無線給電を行うことができる。なお、給電部360のアンテナは、受電部310、受信部320、送信部350のアンテナと独立してもよいし、少なくとも一部の構成要素において共用してもよい。
【0074】
本変形例における通信端末400a’の一構成例を
図11に表し、通信端末400a’の一構成例を
図11に表す。通信端末400a’は通信端末400aに受電部440、計測部450、記憶部460をさらに備える。通信端末400b’~400g’は400a’と同様であるので、説明を省略する。
【0075】
受電部440は、1つ以上のアンテナを備え、通信装置300a’、300b’から送られる給電信号により受電する。受電した電力は、処理部420のほか、受信部410や送信部430、計測部450に供給される。受電部440は蓄電装置を備え、受電した電力を蓄電装置によって蓄え、処理部420、受信部410、送信部430、および計測部450は蓄電装置から駆動に必要な電力を供給されてもよい。
図11では、雷のマークを付して給電されることを表している。
【0076】
計測部450は、物理量の計測データ、音声データ、画像データ、映像データなどの少なくとも一つを表す各種データを計測する。計測部450は例えば、物理量、音声を計測するセンサや、画像、映像を取得するセンサなどである。計測部450は、計測・撮影した各種データを、制御部421に送る。
【0077】
制御部421は、計測部450から送られた各種データに、自身の通信端末400aの識別情報を紐づけて通信データとし、記憶部460に保持させる。制御部331は、所定の時刻や時間間隔、通信装置300a’、300b’からの指示(通信信号)などに応じて、記憶部460に保持されている通信データを引き出し、信号生成部422に送る。この通信データは、本実施形態と同様に通信装置300a’、300b’に送信される。
【0078】
記憶部460は、制御部421から送られた通信データを保持する。記憶部460は、記憶部120で説明した装置や方法が適用可能である。
【0079】
なお、給電部360のアンテナは、受電部310、受信部320、送信部350のアンテナと独立してもよいし、少なくとも一部の構成要素において共用してもよい。
【0080】
以上、通信端末400a’を説明した。通信端末400a’~400g’は、各種データを計測・撮影し、通信データとして通信装置300a’、300b’に送信することができる。
【0081】
(変形例3)
本実施形態では、制御装置100は無線給電に関する情報として無線給電装置200および通信装置300a、300b間の伝搬路情報、無線給電の伝搬条件、通信装置300a、300bに対する給電可能電力、無線給電装置200および通信装置300a、300bの位置を表す情報(推定情報を含む)、通信データの取得における通信装置300a、300bの必要電力量の少なくともいずれかを取得するとしていた。制御装置100は、無線給電装置200および通信装置300a、300b間の伝搬路情報を取得し、この伝搬路情報に基づいて、無線給電に関連する事項を算出してもよい。無線給電に関連する事項とは、伝搬路情報を除く無線給電に関する情報に含まれる事項であり、例えば、無線給電の伝搬条件、通信装置300a、300bに対する給電可能電力、無線給電装置200および通信装置300a、300bの位置、通信データの取得における通信装置300a、300bの必要電力量などである。
【0082】
図12は、制御装置100の無線給電に関連する事項の算出に伴う動作を説明するフローチャートである。
図12を用いて説明する。本変形例の制御装置100は、無線給電装置200および通信装置300a、300b間の伝搬路情報を取得し無線給電に関連する事項を算出する。
【0083】
決定部113は、伝搬路情報を取得するためのビーコン信号を、無線給電装置200および通信装置300a、300bに送信させる指令を決定する。信号生成部114は、この指令を含む信号(以降、指令信号とも称する)を生成し、出力部130から無線給電装置200および通信装置300a、300bに出力する(ステップS121)。無線給電装置200および通信装置300a、300bはこの指令信号を受けてビーコン信号をブロードキャストで出力する。無線給電装置200および通信装置300a、300bは、このビーコン信号をそれぞれ受信し、送信元との伝搬路情報を測定する。無線給電装置200および通信装置300a、300bは、直接、または無線給電装置200を介してこの伝搬路情報を制御装置100に送る。
【0084】
取得部111は、無線給電装置200および通信装置300a、300bの間の伝搬路情報を取得する(ステップS122)。この伝搬路情報は、算出部112に送られる。
【0085】
算出部112は、この伝搬路情報に基づいて、無線給電に関連する事項を算出する(ステップS123)。算出部112は、算出した無線給電に関連する事項を、無線給電に関連する情報として記憶部120に保持させる(ステップS124)。
【0086】
決定部113は、制御装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS125)。この終了指令は、制御装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによる制御装置100への入力や、終了指令を含んだ信号を制御装置100が取得するなどして決定部113に伝えられる。この終了指令は、直ちに制御装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
【0087】
決定部113にこの終了指令が届いていない場合(ステップS125:No)、ステップS101に戻る。一方、決定部112にこの終了指令が届いている場合(ステップS125:Yes)、フローは終了し、制御装置100は動作を終了する。制御装置100は、ステップS121に戻った後、任意の条件によって本フローの動作を再び行うようにしてもよい。例えば、所定の時間間隔や所定の時刻に行うようにしてもよいし。ユーザによる制御装置100への入力により行ってもよい。
【0088】
以上、制御装置100の無線給電に関連する事項の算出に伴う動作を説明した。制御装置100は、無線給電装置200および通信装置300a、300b間の伝搬路情報を取得し、この伝搬路情報に基づいて、無線給電に関連する事項を算出する。これにより、例えば無線給電装置200および通信装置300a、300bの位置が変更されたり、伝搬路の環境に変更があった場合でも、無線給電に関する情報を取得することが可能である。
【0089】
なお、変形例2のように通信端末400に対しても無線給電を行う場合は、制御装置100は、通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の伝搬路情報を取得し、この伝搬路情報に基づいて、通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線給電に関連する事項を算出してもよい。
【0090】
この場合における、ステップS121との差異を以下説明する。決定部113は、伝搬路情報を取得するためのビーコン信号を、通信装置300a、300bおよび通信端末400に送信させる指令を決定する。信号生成部114は、この指令を含む指令信号を生成し、出力部130から直接的または間接的通信装置300a、300bおよび通信端末400に出力する(ステップS121’)。通信装置300a、300bおよび通信端末400はこの指令信号を受けてビーコン信号をブロードキャストで出力する。通信装置300a、300bおよび通信端末400は、このビーコン信号をそれぞれ受信し、送信元との伝搬路情報を測定する。通信装置300a、300bおよび通信端末400は、直接、または通信装置300a、300b、無線給電装置200を介してこの伝搬路情報を制御装置100に送る。
【0091】
伝搬路情報の取得、無線給電に関連する事項の算出、保持はステップS122~S124と同様である。なお、この場合において算出部122が算出するのは、通信装置300a、300bおよび通信端末400の間の無線給電に関連する事項となる。これにより、例えば通信装置300a、300bおよび通信端末400の位置が変更されたり、伝搬路の環境に変更があった場合でも、無線給電に関する情報を取得することが可能である。
【0092】
(変形例4)
制御装置100の構成要素が行う機能は、処理部110と同様の処理装置がプログラムを処理することにより実現してもよい。処理装置がこのプログラムを処理することで、
図2に説明した処理部110に含まれる各構成要素を実現する。このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、メモリカード、CD-RおよびDVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由で提供されるようにしてもよいし、ROM、HDD、SSDなどの記憶媒体に組み込んで提供されるようにしてもよい。
【0093】
プログラムの一例は、以下である。
【0094】
通信端末と通信する通信装置に対して無線給電装置が行う無線給電、およびこの無線通信の少なくとも一方を指令する制御装置のプログラムであって、この通信端末およびこの通信装置における通信データ、およびこの無線給電に関する情報を取得させ、この通信データおよびこの無線給電に関する情報に基づいて、この無線給電およびこの無線通信の少なくとも一方の指令を示す制御信号を生成させるためのプログラム。
【0095】
以上、本実施形態の変形例を説明した。本実施形態の制御装置は、通信端末と無線通信する通信装置が取得する通信データおよび、通信装置とこの通信装置に無線給電を行う無線給電装置の間の無線給電に関する情報を取得する。制御装置は、この通信データおよび無線給電に関する情報に基づいて、この無線給電およびこの無線通信の少なくとも一方を制御する。このようにすることで、制御装置はこの無線給電およびこの無線通信の少なくとも一方をより能率化、効率化させることができる。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
100:制御装置
110:処理部
111:取得部
112:算出部
113:決定部
114:信号生成部
120:記憶部
130:出力部
200:無線給電装置
210:取得部
220:処理部
221:制御部
222:信号生成部
230:記憶部
240:出力部
250:給電部
300a、300b、300a’、300b’:通信装置
310:受電部
320:取得部
330:処理部
331:制御部
332:信号生成部
340:記憶部
350:出力部
360:給電部
400、400a~400g、400a’~400g’:通信端末
410:受信部
420:処理部
421:制御部
422:信号生成部
430:送信部
440:受電部
450:計測部
460:記憶部
500:制御システム