(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
F16K 31/68 20060101AFI20240624BHJP
H01L 23/473 20060101ALN20240624BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20240624BHJP
【FI】
F16K31/68 Z
H01L23/46 Z
H05K7/20 M
(21)【出願番号】P 2021145075
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 純一
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-180750(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1436941(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0114923(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/64-31/72
F16K 7/17
F16K 51/00
F25B 41/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を所定方向に送り出す送流体手段と、
前記冷媒を通過させるとともに冷却対象から受熱する受熱部と、
前記冷却対象の温度に応じて、通過する前記冷媒の流量を調整する流量調整弁ユニットと、
前記冷媒の熱を放熱する放熱手段と、
を備え、
前記送流体手段、前記受熱部、前記流量調整弁ユニット、及び、前記放熱手段を接続し、前記冷媒を循環させる冷却装置であって、
前記流量調整弁ユニットは、複数の流量調整弁からなり、
前記複数の流量調整弁は、
前記冷媒が導入される第1ポート、前記第1ポートから流入した前記冷媒を通過させる弁ポート、及び、前記弁ポートを通過した前記冷媒を送り出す第2ポートを有する弁ハウジングと、
前記弁ハウジングに移動自在に設けられ、前記弁ポートの弁開度を調整する弁体と、
前記弁体に所定の弁閉方向の力を付与する弁閉力付与手段と、
前記弁体を駆動する駆動エレメントと、
をそれぞれ備え、
前記駆動エレメントは、封入ガスが封入される封入空間を形成する感温部と、前記封入空間と前記冷媒が導入される空間とを区画するとともに、前記弁体に対して弁開力を付与可能な密封部材と、を備え、
前記複数の流量調整弁が前記受熱部に対して、前記感温部を介して熱的に接触した状態で、並列に配置され
、
前記複数の流量調整弁は、
1台の通常使用時に流量調整を行う流量調整弁と、
少なくとも1台の緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁と、
を含み、
通常使用時の温度調整範囲は、緊急使用時の温度調整範囲と重複しないように設定されていることを特徴とする冷却装置
。
【請求項2】
前記流量調整弁ユニットには、前記通常使用時に流量調整を行う流量調整弁の前記弁ポートが全閉となる場合でも、前記受熱部と前記放熱手段との連通を確保するブリード流路が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記通常使用時の温度調整範囲と、前記緊急使用時の温度調整範囲との間には、前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁が作動しない不感帯が設定されていることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記緊急使用時の温度調整範囲における上限流量は、少なくとも前記通常使用時の温度調整範囲における上限流量と一致するように設定されていることを特徴とする請求項
2又は請求項
3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記緊急使用時の温度調整範囲における上限温度は、前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁の流量可変域の中央付近に設定されていることを特徴とする請求項
4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁における温度に対する流量変化率は、前記通常使用時に流量調整を行う流量調整弁における温度に対する流量変化率と比べ、大きく設定されていることを特徴とする請求項
1~
5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の流量調整弁からなる流量調整弁ユニットを備える冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車にはモータやインバータ等の発熱を伴う発熱部品が搭載されている、あるいは、大型のコンピュータシステムやサーバ等にはCPUやメモリ等の発熱量の大きい発熱部品が搭載されている。
【0003】
これらの発熱部品を冷却するために、構成部材が比較的少なく、軽量かつ信頼性の高い水冷式の冷却装置が採用されている。この水冷式の冷却装置は、冷やした冷媒をポンプで循環させ、対象物を冷却するものである。
【0004】
例えば、特許文献1(特に、
図10参照)には、水冷式の冷却装置であって、冷媒を所定方向に送り出すポンプと、冷媒を通過させるとともに冷却対象から受熱する冷却器と、通過する冷媒の流量を調整する流量調整弁と、冷媒の熱を放熱する放熱器と、を備え、1組の冷却器及び流量調整弁が複数並列に接続されており、コントロールユニットが、温度計により検出した冷却器の出口温度に基づいて、流量調整弁の弁開度を制御するものが記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1には、1台の冷却器に対して、1台の流量調整弁のみが設けられているため、仮に、流量調整弁において、弁閉固着や少し弁開した状態での固着等の不都合が発生した場合には、この流量調整弁に接続された冷却器を冷却することはできず、冷却対象が異常発熱するおそれがあった。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1の水冷式の冷却装置において、冗長性を持たせるために、1台の冷却器に対して、複数の流量調整弁を設けることも考えられる。しかしながら、特許文献1では、温度計及びコントロールユニットを用いて、流量調整弁を電子的に制御しているため、制御対象である流量調整弁の数が増加すると、制御が複雑化し、流量調整弁に誤動作が生じる問題(以下、「従来の問題点(流量調整弁の誤動作)」という)や、処理能力低下のために、冷却対象の温度変化に対する流量調整弁の応答性が低くなる問題(以下、「従来の問題点(流量調整弁の応答性の低下)」という)が生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高い信頼性の流量調整弁ユニットを備える冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、冷媒を所定方向に送り出す送流体手段と、前記冷媒を通過させるとともに冷却対象から受熱する受熱部と、前記冷却対象の温度に応じて、通過する前記冷媒の流量を調整する流量調整弁ユニットと、前記冷媒の熱を放熱する放熱手段と、を備え、前記送流体手段、前記受熱部、前記流量調整弁ユニット、及び、前記放熱手段を接続し、前記冷媒を循環させる冷却装置であって、前記流量調整弁ユニットは、複数の流量調整弁からなり、前記複数の流量調整弁は、前記冷媒が導入される第1ポート、前記第1ポートから流入した前記冷媒を通過させる弁ポート、及び、前記弁ポートを通過した前記冷媒を送り出す第2ポートを有する弁ハウジングと、前記弁ハウジングに移動自在に設けられ、前記弁ポートの弁開度を調整する弁体と、前記弁体に所定の弁閉方向の力を付与する弁閉力付与手段と、前記弁体を駆動する駆動エレメントと、をそれぞれ備え、前記駆動エレメントは、封入ガスが封入される封入空間を形成する感温部と、前記封入空間と前記冷媒が導入される空間とを区画するとともに、前記弁体に対して弁開力を付与可能な密封部材と、を備え、前記複数の流量調整弁が前記受熱部に対して、前記感温部を介して熱的に接触した状態で、並列に配置されるものである。
【0010】
また、上記冷却装置であって、前記複数の流量調整弁は、1台の通常使用時に流量調整を行う流量調整弁と、少なくとも1台の緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁と、を含み、通常使用時の温度調整範囲は、緊急使用時の温度調整範囲と重複しないように設定されているものとしてもよい。
【0011】
また、上記冷却装置であって、前記流量調整弁ユニットには、前記通常使用時に流量調整を行う流量調整弁の前記弁ポートが全閉となる場合でも、前記受熱部と前記放熱手段との連通を確保するブリード流路が設けられているものとしてもよい。
【0012】
また、上記冷却装置であって、前記通常使用時の温度調整範囲と、前記緊急使用時の温度調整範囲との間には、前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁が作動しない不感帯が設定されているものとしてもよい。
【0013】
また、上記冷却装置であって、前記緊急使用時の温度調整範囲における上限流量は、少なくとも前記通常使用時の温度調整範囲における上限流量と一致するように設定されているものとしてもよい。
【0014】
また、上記冷却装置であって、前記緊急使用時の温度調整範囲における上限温度は、前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁の流量可変域の中央付近に設定されているものとしてもよい。
【0015】
また、上記冷却装置であって、前記緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁における温度に対する流量変化率は、前記通常使用時に流量調整を行う流量調整弁における温度に対する流量変化率と比べ、大きく設定されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高い信頼性の流量調整弁ユニットを備える冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷却装置の概略図である。
【
図2】
図1の破線IIで囲まれる部分拡大上面図である。
【
図3】
図2の流量調整弁(メイン弁)を示す縦断面図である。
【
図4】通常使用時における流量調整弁ユニットの流量特性を示す図である。
【
図5】緊急使用時における流量調整弁ユニットの流量特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、
図1から
図5を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0019】
<用語について>
本明細書及び特許請求の範囲の記載において、「上」、「下」、「右」、「左」は、図面の縦断面図に対応する方向を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「通常使用時」とは、メイン弁が正常に機能している状態を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「緊急使用時」とは、メイン弁に、弁閉固着や少し弁開した状態での固着等の不都合が発生した状態を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「通常使用時の温度調整範囲」とは、通常使用時において、メイン弁を用いた流量調整により、冷却対象の温度がシステム停止温度とならないように、積極的に調整する温度範囲を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「緊急使用時の温度調整範囲」とは、緊急使用時において、サブ弁を用いた流量調整により、冷却対象の温度がシステム停止温度とならないように、積極的に調整する温度範囲を示す。
【0020】
<冷却装置について>
図1を用いて、本発明の実施形態に係る冷却装置1について説明する。なお、図中における直線矢印は、冷媒の送液方向を示している。
【0021】
冷却装置1は、通過する冷媒の流量を複数の冷却対象A1~A4の温度に応じて調整する複数の流量調整弁ユニット100と、複数の冷却対象A1~A4から受熱する複数の冷却器(受熱部)200と、冷媒(液冷媒)を所定方向に送り出すポンプ(送流体手段)300と、冷媒の熱を放熱する放熱器(放熱手段)400と、を備え、これらを接続して冷媒を循環させる。ここで、
図1に示すように、1組の冷却器200及び流量調整弁ユニット100を並列に4つ備えている。
【0022】
この冷却装置1は、電気自動車やハイブリッド車等に搭載される発熱部品(例えば、モータやインバータ等)である各冷却対象A1~A4Aを冷却する。あるいは、大型のコンピュータシステムやサーバ等に搭載される発熱部品(例えば、CPUやメモリ等)である各冷却対象A1~A4を冷却する。本実施形態においては、説明のために、冷却対象を4箇所とし、流量調整弁ユニット100及び冷却器200は、この冷却対象の数と同数をそれぞれ設けるものである。しかしながら、これに限らず、冷却対象は、1箇所を含む任意の数であるとともに、流量調整弁ユニット100及び冷却器200は、この冷却対象の数と同数をそれぞれ設けるものであってもよい。以下、冷却装置1のそれぞれの構成について順に説明する。
【0023】
流量調整弁ユニット100の一次側継手10aは、冷却器200の出口側配管に接続され、流量調整弁ユニット100の二次側継手10bは、放熱器400の入口側配管に接続される。また、流量調整弁ユニット100は、冷却器200に熱的に接触し、この冷却器200を介して、各冷却対象A1~A4の温度を感知することにより、冷却器200を通過する冷媒の流量調整を行っている。
【0024】
冷却器200は、コールドプレートなどから構成されており、冷媒との熱交換を促進させるために、ジグザグに蛇行する内部流路や、冷媒と衝突するようにピンなど設けられた内部流路を有している。この冷却器200の一側には、発熱部品である各冷却対象A1~A4が接触して配置され、他側には、流量調整弁ユニット100が熱的に接触して配置される。なお、本実施形態における冷却器200は、冷媒を通過させるとともに冷却対象A1~A4から受熱し、冷媒へと熱伝達させ得るものであれば、どのような形態であってもよい。また、本実施形態における冷却器200は、冷却対象A1~A4と直接接触するものであるが、これに限らず、例えば、熱伝達部材を介して、冷却対象A1~A4から冷却器200に熱伝達されるものであってもよい。
【0025】
ポンプ300は、液体状態の冷媒を循環させ、各冷却対象A1~A4を冷却する。この冷媒は、絶縁性の冷媒、例えば、純水やフッ素系不活性液体(例えば、フロリナート(登録商標)や、ガルデン(登録商標)、ノベック(登録商標))等を用いるものである。本実施形態の冷媒は、冷却器200及び流量調整弁ユニット100を通過する際に、液体であるが、これに限らず、冷却装置1の流路の一部において、気液混合状態に遷移する液体であってもよい。
【0026】
放熱器400は、自然対流や強制対流により周囲環境と熱交換する空冷方式である。本実施形態の放熱器400は、空冷方式であるが、これに限らず、水冷方式や油冷方式など、周囲環境と熱交換できるものであれば、どのような形態であってもよい。
【0027】
<冷却装置の冷却動作について>
ポンプ300によって送り出された冷媒は、各冷却対象A1~A4に接触するように設けられた各冷却器200内を通過することで各冷却対象A1~A4と熱交換した後、各流量調整弁ユニット100を通過し、放熱器400によって放熱され、再び、ポンプ300に戻る。この際、各々の冷却器200を通過する冷媒の流量は、各流量調整弁ユニット100によって独立して調整され、温度が高い冷却対象A1~A4に対して設けられた冷却器200には、より多くの冷媒が流れる一方、温度が低い冷却対象A1~A4に対して設けられた冷却器200には、少ない冷媒が流れる。なお、冷却対象A1~A4の合計の発熱量に基づいて、ポンプ300が送り出す冷媒の流量が調整されてもよい。
【0028】
<流量調整弁ユニットについて>
図2を用いて、流量調整弁ユニット100について説明する。流量調整弁ユニット100は、1台の冷却器200に対して、通常使用時に流量調整を行う流量調整弁(以下、「メイン弁」という)100mと、緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁(以下、「サブ弁」という)100sとを、2台並列に設けるものである。このメイン弁100m及びサブ弁100sは、同一の冷却器200に対して熱的に接触して配置される。
【0029】
ここで、詳細は後述するが、本実施形態の流量調整弁ユニット100は、メイン弁100m及びサブ弁100s自体が、それぞれ感温部を有し、外部からの指令信号による制御なしで、自立的に流量調整を行うことにより、従来の問題点(流量調整弁の誤動作)及び従来の問題点(流量調整弁の応答性の低下)を解消し、流量調整弁ユニットの信頼性を高めることができる。なお、本実施形態の流量調整弁ユニット100は、1台のメイン弁100mと、1台のサブ弁100sを並列に設けるものであったが、これに限らず、例えば、1台のメイン弁100mと、複数(2台以上)のサブ弁100sを互いに並列に設けるものであってもよい。
【0030】
<流量調整弁について>
図3を用いて、通常使用時に流量調整を行う流量調整弁であるメイン弁100mについて説明する。なお、詳細は後述するが、緊急使用時に流量調整を行う流量調整弁であるサブ弁100sは、ブリード流路16を設けていない点で、メイン弁100mと相違するが、その他の構成は、メイン弁100mと同一であるため、説明は省略する。なお、図中における直線矢印は、冷媒の送液方向を示している。また、図中における一点鎖線で示す軸線Lは、後述の弁ポート14の中心線であるとともに、弁体20の移動方向に対応している。
【0031】
メイン弁100mは、弁ハウジング10と、弁体20と、弁体20に所定の弁閉方向の力を付与する調整ばねユニット(弁閉力付与手段)30と、駆動エレメント40と、から主に構成される。以下、メイン弁100mのそれぞれの構成について順に説明する。
【0032】
弁ハウジング10は、SUS等の金属部材によって構成され、一次側継手10aに接続される第1ポート11と、二次側継手10bに接続される第2ポート12と、弁室13と、が形成される。第1ポート11は、弁室13に連通され、弁室13と第2ポート12との間には、弁ポート14が形成される。この弁ポート14における弁室13側の開口端には、弁座部15が形成される。また、弁ハウジング10には、弁座部15が弁体20により全閉となっても、弁室13と第2ポート12とを連通するためのブリード流路16と、第2ポート12と後述の均圧室45とを連通する均圧路17とが形成される。さらに、弁ハウジング10には、弁ポート14の軸線L上で第2ポート12から均圧室45側に開口するガイド部18が形成され、このガイド部18は軸線Lを中心とする円筒状の形状をしている。なお、本実施形態の流量調整弁ユニット100には、メイン弁100mの弁ポート14が全閉となる場合でも、冷却器200と放熱器400との連通を確保するために、ブリード流路16が、弁ハウジング10に形成された軸線L方向に延在する貫通孔として設けられている。しかしながら、これに限らず、例えば、弁ポート14、又は、後述する弁体20のニードル部22に設けた溝や、弁体20を弁ポート14に着座させない形態であってもよいし、メイン弁100m自体にはブリード流路を設けず、例えば、メイン弁100mとサブ弁100sとの分岐点(
図2中の黒点参照)を接続するように、メイン弁100mと並列にオリフィスやキャピラリチューブ等を設けてもよい。
【0033】
弁体20は、フランジ部21と、円錐状のニードル部22と、作動軸23と、を有している。この弁体20は、弁ハウジング10内に配置される。具体的には、弁体20において、フランジ部21が弁室13内に配設され、ニードル部22が弁ポート14内に配設され、作動軸23が第2ポート12内及びガイド部18内に配設される。この作動軸23は、ガイド部18の内周面に対してクリアランスを有して嵌挿される。これにより、弁体20は、ガイド部18内を軸線L方向に移動自在に収容され、この軸線L方向の移動によりニードル部22が弁ポート14の弁座部15との弁開度を調整する。
【0034】
調整ばねユニット30は、圧縮ばねからなる調整ばね31と、金属部材で構成され、弁ハウジング10と螺合する調整ねじ32と、を備える。調整ばね31は、軸線L方向に延在するコイル状に形成され、弁体20のフランジ部21と、調整ねじ32との間に挟持される。この調整ねじ32を、弁ハウジング10と螺合させ、調整ねじ32のねじ込み量を調整することで、調整ばね31を介して、弁体20に付与される所定の弁閉力(付勢力)が調整されて、弁ポート14の弁開圧力を設定することができる。この弁開圧力を設定した後は、調整ねじ32と弁ハウジング10とを溶接や接着等で全周を固着し気密封止する。
【0035】
駆動エレメント40は、金属製からなりケース体を構成する上蓋41及び下蓋(感温部)42と、ダイヤフラム(密封部材)43と、当金47と、封入管48と、吸着材内包体49と、を備える。
【0036】
上蓋41は、開口が形成された環形状の板部と、板部の外周縁から下方に向かって延びる筒状部と、筒状部の下端から外方に向かって延びるフランジ部と、を有している。この上蓋41は、弁ハウジング10の下方側端部に対して加締め及びろう付けによって気密に固定される。
【0037】
下蓋42は、有底筒形状であり、円形状の平板部42aと、平板部42aの外周縁から上方に向かって延びる壁部42bと、壁部42bの上端から外方に向かって延びるフランジ部と、を有している。この平板部42aは、冷却対象A1~A4(
図1参照)に熱的に接触されて、冷却対象A1~A4の温度を感知している。また、壁部42bには、後述の密閉室46に封入ガス3を封入するために、外方に向かって延在する封入管48が設けられており、封入管48は、封入ガス3の封入後に封止される。なお、本実施形態の封入管48は、外方に延在するものであるが、これに限らず、例えば、封入管48の長さを比較的短くし、壁部42bと略面一の様態としてもよい。
【0038】
ダイヤフラム43は、弁体20に対して弁開力を付与可能なものであって、外周縁部が上蓋41及び下蓋42の間に挟持された後、溶接やろう付けによって気密に固定されることにより鍔部44が形成される。このダイヤフラム43により、上蓋41の内側空間が、冷媒が導入される空間である均圧室45に区画され、また、下蓋42の内側空間が、封入ガス3が封入される封入空間である密閉室46に区画される。
【0039】
当金47は、上方に窪み部と、下方に平坦部と、を有する。この当金47は、均圧室45内に配置され、下方の平坦部が、ダイヤフラム43に当接するとともに、上方の窪み部が、弁体20の作動軸23と接続する。
【0040】
吸着材内包体49は、不織布等の袋状の仕切り部材49aと、仕切り部材49aに内包された粒状の活性炭等の吸着材49bと、を備える。この吸着材内包体49は、封入ガス3が封入される密閉室46内、つまり、平板部42aの内壁42a1に接触して配置される。これにより、吸着材49bは、冷却対象A1~A4に対して熱的に接触している。
【0041】
吸着材49bは、封入ガス3に対して、二酸化炭素のみに吸着・脱着特性を示す。これにより、封入ガス3は、冷却すると吸着量が増加して密閉室46内の圧力が減少し、加熱すると吸着量が減少して密閉室46内の圧力が増加するような温度-圧力特性を持つ。即ち、温度に応じて吸着材49bが、封入ガス3を吸着する吸着量が変化する。本実施形態の封入ガス3は、主成分ガスを二酸化炭素とし、漏れ検知ガスをヘリウムとし、これらを混入したガスを採用するものであるが、これに限らない。例えば、熱的安定性や環境負荷等を考慮して、使用される温度域で気体状態として存在する封入ガス3を選択するとともに、この封入ガス3を吸着する吸着材49bをさらに選択してもよい。
【0042】
<流量調整弁の動作について>
メイン弁100mにおいて、一次側継手10aに導入された冷媒は、第1ポート11から弁室13に流入し、弁室13からブリード流路16、第2ポート12及び均圧路17を介して均圧室45に導入される。また、第2ポート12の冷媒は、二次側継手10bから流出される。これにより、弁ポート14が全閉状態でも、所定の冷媒流量Qmb(以下、「ブリード流量」という)(
図4参照)が得られる。一方、サブ弁100sにおいては、ブリード流路16が設けられていないため、弁ポート14が全閉状態では、一次側継手10aに導入された冷媒が、第2ポート12に導入されることはない。
【0043】
また、駆動エレメント40の下蓋42において、平板部42aの感知温度に応じて密閉室46内の封入ガス3の圧力が上昇又は低下すると、ダイヤフラム43が変位する。そして、このダイヤフラム43の変位に伴い、当金47を介して、弁体20の作動軸23が軸線L方向に移動し、弁ポート14の弁座部15と弁体20のニードル部22との隙間すなわち弁開度が変化する。この弁開度、つまり、冷却対象A1~A4の温度に応じて、一次側継手10aから二次側継手10bに流れる冷媒の流量が調整される。
【0044】
なお、本実施形態の冷却装置1は、1台のポンプ300及び放熱器400に対し、1組の冷却器200a及び流量調整弁ユニット100を並列に複数備えるものであるが、これに限らず、例えば、1台のポンプ300及び放熱器400に対し、1組の冷却器200a及び流量調整弁ユニット100を1台備えてもよいし、ポンプ300を直列に複数又は並列に複数備えてもよい。
【0045】
本実施形態において、サブ弁100sは、ブリード流路16を備えるものではないが、これに限らず、例えば、サブ弁100sに、ブリード流路16を設けることにより、メイン弁100mとサブ弁100sのトータルのブリード流量を増加させ、冷却対象A1~A4への最低限の冷却をより確実に行うものであってもよい。
【0046】
本実施形態の流量調整弁ユニット100において、並列に配置されたメイン弁100m及びサブ弁100sが、それぞれ感温部を有しており、外部からの指令信号による制御なしで、自立的に流量調整を行うことができるため、従来の問題点(流量調整弁の誤動作)及び従来の問題点(流量調整弁の応答性の低下)を解消し、流量調整弁ユニットの信頼性を高めることができる。
【0047】
<通常使用時における流量調整弁ユニットの流量特性について>
図4は、
図2の実施形態の、1台の冷却器200に対して、通常使用時に流量調整を行うメイン弁100mと、緊急使用時に流量調整を行うサブ弁100sとを、2台並列に設けた流量調整弁ユニット100において、通常使用時、つまり、メイン弁100mが正常に機能している状態の流量特性を説明する示す図であり、横軸に、システム停止温度TSまでの冷却対象A1~A4の温度を示すとともに、縦軸に、流量調整弁ユニット100を介した流量を示す。なお、図中において、通常使用時における流量調整弁ユニット100の流量特性(メイン弁100mの流量特性)を実線で示し、参考のために、緊急使用時における流量調整弁ユニット100の流量特性(メイン弁100mのブリード流量Qmbにサブ弁100sの流量特性を加えたもの)などを破線及び括弧書きで示す。
【0048】
まず、冷却対象A1~A4の温度が、通常使用時の弁開開始温度Tmo未満の温度領域Rb(以下、「通常使用時のブリード域」という)にある場合には、メイン弁100mの弁体20が弁座部15に着座しており、弁ポート14を介して、冷媒が通過することはないが、ブリード流路16を介して、第1ポート11から第2ポート12に冷媒が通過する。よって、この通常使用時のブリード域Rbでは、温度によらず一定のブリード流量Qmbが流れため、冷却対象A1~A4への最低限の冷却を確保することができる。
【0049】
次に、冷却対象A1~A4の温度が、通常使用時の弁開開始温度Tmo以上かつ通常使用時の弁全開温度Tmf未満の温度領域Ra(以下、「通常使用時の流量可変域」という)にある場合には、温度上昇とともに、メイン弁100mの弁体20が、弁座部15から離間し、弁開度が上昇する。よって、通常使用時の流量可変域Raでは、温度変化に対応する流量が流れる。
【0050】
また、冷却対象A1~A4の温度が、通常使用時の弁全開温度Tmf以上の温度領域Rf(以下、「通常使用時の全開域」という)にある場合には、ガイド部18の下端と当金47の窪み部とが当接し、弁開度が最大となる。よって、この通常使用時の全開域Rfは、温度によらず流量は一定である、通常使用時の流量調整弁ユニット最大流量Qmfが流れる。
【0051】
ここで、通常使用時において、メイン弁100mを用いた流量調整により、冷却対象A1~A4の温度がシステム停止温度TSとならないように、積極的に調整する範囲Rn(以下、「通常使用時の温度調整範囲」という)が設定されている。この通常使用時の温度調整範囲Rnにおいて、上限温度Tmuは、通常使用時の流量可変域Raの中央付近に設定されており、この上限温度Tmuでは、上限流量Qmuが流れる。
【0052】
本実施形態の流量調整弁ユニット100において、通常使用時の温度調整範囲Rnは、後述の緊急使用時の温度調整範囲Reと重複しないように設定されている。これにより、通常使用時においては、メイン弁100mのみを用いて流量調整を行う一方、メイン弁100mに不都合が発生した緊急使用時においては、サブ弁100sを用いて流量調整を行うことにより、冷却対象A1~A4の異常発熱を確実に防ぐことができる。
【0053】
また、本実施形態の流量調整弁ユニット100において、通常使用時の温度調整範囲Rnと、緊急使用時の温度調整範囲Reとの間には、所定の温度範囲(Tmu~Tso)を有するサブ弁100sの不感帯Rdが設定されている。ここで、仮に、サブ弁100sの不感帯Rdを設けない場合には、通常使用時において、冷却対象A1~A4の温度が、通常使用時の温度調整範囲Rnにおける上限温度Tmuを僅かに超える度に、サブ弁100sが頻繁に作動し、弁開及び弁閉を繰り返すため、サブ弁100sの作動耐久性の低下、及びウォーターハンマー等の脈動が生じるおそれがある。よって、サブ弁100sが頻繁に作動しないように、サブ弁100sの不感帯Rdを設けることにより、サブ弁100sの作動耐久性を確保するとともに、脈動の発生を抑制することができる。このサブ弁100sの不感帯Rdは、通常使用時の流量可変域Ra内に含まれているため、メイン弁100mが、通常使用時の温度調整範囲Rnに加え、サブ弁100sの不感帯Rdにおいても、継続して流量調整を行うことができる。
【0054】
<緊急使用時における流量調整弁ユニットの流量特性について>
図5は、
図4と同様のものであり、
図2の実施形態の流量調整弁ユニット100において、緊急使用時、つまり、メイン弁100mに弁閉固着による不都合が発生した状態の流量特性を説明する示す図である。図中において、緊急使用時における流量調整弁ユニット100の流量特性(メイン弁100mのブリード流量Qmbにサブ弁100sの流量特性を加えたもの)を実線で示し、参考のために、通常使用時における流量調整弁ユニット100の流量特性(メイン弁100mの流量特性)などを破線及び括弧書きで示す。
【0055】
ここで、本実施形態は、
図5に示すように、フェールセーフの観点から、メイン弁100mに不都合が発生した状態として、最も少ない流量、つまり、ブリード流量Qmbのみが流れる弁閉固着を想定したものである。この状況下においても、サブ弁100sを機能させることにより、不都合が発生した流量調整弁ユニット100の、冷却対象A1~A4の何れかが、メイン弁100mの通常使用時の温度調整範囲Rnを超える温度まで上昇しても、システム停止温度TSまで異常発熱することを防ぐことができる。なお、本実施形態において、メイン弁100mに不都合が発生した状態として、最悪状態の弁閉固着を想定したが、これに限らず、例えば、少し弁開した状態で弁固着するものであってもよい。ここで、メイン弁100mにおいて、少し弁開した状態で弁固着する場合は、弁閉固着する場合と比べ、メイン弁100mにより多くの流量(ブリード流量Qmb超)が流れるため、サブ弁100sを用いて、より安全側で流量調整することができる。また、本実施形態において、緊急使用時におけるサブ弁100sを用いた流量調整は、長い期間行われるものではなく、メイン弁100mの不都合がセンシングされ、このメイン弁100mが交換されるまでの間の応急処置として行われる。
【0056】
さらに、
図5に示すように、緊急使用時の弁開開始温度Tsoは、通常使用時の温度調整範囲における上限温度Tmuより、高く設定されている。また、緊急使用時の弁全開温度Tsfは、通常使用時の弁全開温度Tmfより、低く設定されている。
【0057】
なお、本実施形態において、緊急使用時の弁全開温度Tsfは、通常使用時の弁全開温度Tmfより、低く設定されているが、これに限らず、通常使用時の弁全開温度Tmf以上かつシステム停止温度TS未満であってもよい。
【0058】
まず、冷却対象A1~A4の温度が、緊急使用時の弁開開始温度Tso未満の温度領域Rb’(以下、「緊急使用時のブリード域」という)にある場合には、サブ弁100sは、弁全閉状態である一方、メイン弁100mは、弁閉固着しているが、ブリード流路16を介して、冷媒が流れる。よって、緊急使用時のブリード域Rb’では、温度によらず一定のブリード流量Qmbが流れる。
【0059】
次に、冷却対象A1~A4の温度が、緊急使用時の弁開開始温度Tso以上かつ緊急使用時の弁全開温度Tsf未満の温度領域Ra’(以下、「緊急使用時の流量可変域」という)にある場合には、温度上昇とともに、サブ弁100sの弁体20が、弁座部15から離間し、弁開度が上昇する。よって、この緊急使用時の流量可変域Ra’では、メイン弁100mを介したブリード流量Qmbに、サブ弁100sを介した温度変化に対応する流量を加えた冷媒が流れる。
【0060】
また、冷却対象A1~A4の温度が、緊急使用時の弁全開温度Tsf以上の温度領域Rf’(以下、「緊急使用時の全開域」という)にある場合には、ガイド部18の下端と当金47の窪み部とが当接し、弁開度が最大となる。よって、この緊急使用時の全開域Rf’では、温度によらず流量は一定である、緊急使用時の流量調整弁ユニット最大流量Qsfが流れる。
【0061】
ここで、緊急使用時において、サブ弁100sを用いた流量調整により、冷却対象A1~A4の温度がシステム停止温度TSとならないように、積極的に調整する範囲Re(以下、「緊急使用時の温度調整範囲」という)が設定されている。この緊急使用時の温度調整範囲Reにおいて、上限温度Tsuは、緊急使用時の流量可変域Ra’の中央付近に設定されており、この上限温度Tsuでは、上限流量Qsuが流れる。
【0062】
ここで、本実施形態において、緊急使用時の温度調整範囲Reにおける上限流量Qsuは、通常使用時の温度調整範囲Rnにおける上限流量Qmuと少なくとも一致するように設定(Qsu≧Qmu)されている。これにより、緊急使用時において、システム停止温度TSに達するまでに、流量調整弁ユニット100を介して、少なくとも通常使用時の温度調整範囲Rnにおける上限流量Qmuと同等の流量を流すことにより、冷却対象A1~A4を確実に冷却することができる。
【0063】
本実施形態において、
図5に示すように、緊急使用時の温度調整範囲Reにおける上限温度Tsuと、緊急使用時の弁全開温度Tsfとの間に、所定のマージンが設定され、サブ弁100sを用いた流量調整を行うことができる。これにより、冷却対象A1~A4の温度が、仮に、緊急使用時の温度調整範囲Reにおける上限温度Tsuを超えたとしても、サブ弁100sが継続して流量調整を行うことにより、システム停止温度TSに到達することを確実に抑制できる。
【0064】
また、本実施形態において、サブ弁100sの温度に対する流量変化率は、メイン弁100mの温度に対する流量変化率と比べ、大きく設定されている。ここで、例えばメイン弁100mの調整ばね31mのばね定数に比べ、サブ弁100sの調整ばね31sのばね定数を小さく設定することで、それぞれの温度に対する流量変化率が所望の値へと設定される。このように、メイン弁100mは、通常使用時において、比較的広い温度範囲で、高い精度の流量調整を行う一方、サブ弁100sは、緊急使用時において、比較的狭い温度範囲で、感度の高い流量調整を行うことにより、冷却対象A1~A4の温度が、システム停止温度TSに到達することを確実に抑制できる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述し、その他の実施形態についても詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 冷却装置
3 封入ガス
10 弁ハウジング
10a 一次側継手
10b 二次側継手
11 第1ポート
12 第2ポート
13 弁室
14 弁ポート
15 弁座部
16 ブリード流路
17 均圧路
18 ガイド部
20 弁体
30 調整ばねユニット(弁閉力付与手段)
40 駆動エレメント
41 上蓋
42 下蓋(感温部)
42a 平板部
42b 壁部
42a1 内壁
43 ダイヤフラム(密封部材)
44 鍔部
45 均圧室
46 密閉室
47 当金
48 封入管
49 吸着材内包体
100 流量調整弁ユニット
100m 流量調整弁(メイン弁)
100s 流量調整弁(サブ弁)
200 冷却器(受熱部)
300 ポンプ(送流体手段)
400 放熱器(放熱手段)
A1~A4 冷却対象
Qmb ブリード流量
Qmf 通常使用時の流量調整弁ユニット最大流量
Qmu 通常使用時の温度調整範囲における上限流量
Qsf 緊急使用時の流量調整弁ユニット最大流量
Qsu 緊急使用時の温度調整範囲における上限流量
Ra 通常使用時の流量可変域
Ra’ 緊急使用時の流量可変域
Rb 通常使用時のブリード域
Rb’ 緊急使用時のブリード域
Rd 不感帯
Re 緊急使用時の温度調整範囲
Rf 通常使用時の全開域
Rf’ 緊急使用時の全開域
Rn 通常使用時の温度調整範囲
Tmf 通常使用時の弁全開温度
Tmo 通常使用時の弁開開始温度
Tmu 通常使用時の温度調整範囲における上限温度
TS システム停止温度
Tsf 緊急使用時の弁全開温度
Tso 緊急使用時の弁開開始温度
Tsu 緊急使用時の温度調整範囲における上限温度