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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
H01L21/304 644B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021149518
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042290
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】番塲 隆札
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-027807(JP,A)
【文献】特開2020-017689(JP,A)
【文献】特開2013-021183(JP,A)
【文献】特開平02-109333(JP,A)
【文献】特開2009-099906(JP,A)
【文献】特開2021-057371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入された基板を洗浄するための洗浄室を有するチャンバと、
前記洗浄室内において、前記基板の外周を保持する複数のローラを回転させることにより、前記基板を回転駆動する回転駆動部と、
前記基板に対して、洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
回転する前記基板の少なくとも一方の面に、ブラシを接触させることにより、前記基板の面を洗浄する洗浄部と、
前記基板の外周端面に、端面ブラシを接触させることにより、前記基板の前記外周端面を洗浄する外周洗浄部と、
前記外周洗浄部を収容する収容室を有する収容チャンバと、
前記外周洗浄部を、前記外周端面を洗浄可能な洗浄位置と、前記収容室に収容される収容位置との間で移動させる移動機構と、
前記収容室を、前記洗浄室から遮蔽する遮蔽部と、
を有することを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記収容チャンバは、前記チャンバの底部の下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記チャンバは、前記基板の搬出入用の搬出入口と、メンテナンス用の作業口を有し、
前記外周洗浄部は、前記作業口側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記外周洗浄部は、前記端面ブラシに接触することにより、前記端面ブラシを洗浄するブラシ洗浄部を有し、
前記収容室には、
前記端面ブラシを洗浄するための洗浄液を供給する供給部と、
前記洗浄液を排出する排出部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記供給部は、前記洗浄液を前記端面ブラシに吐出するノズルを有することを特徴とする請求項記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記収容室は、前記端面ブラシを前記洗浄液に浸漬可能に設けられていることを特徴とする請求項記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記移動機構を制御する制御部と、
前記洗浄装置の状態を示す情報を表示する表示部と、
前記外周洗浄部を前記収容位置とするか、前記洗浄位置とするかの指示を入力する入力部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、基板である半導体のウェーハの表面を高い清浄度で洗浄することが要求される場合がある。例えば、基板の表面を平坦化するために、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を行った後は、基板の表面に、有機物、金属を含む研磨屑やスラリの残渣屑などの汚染物(以下、パーティクルとする)が付着している。
【0003】
パーティクルは、平坦な成膜の妨げや、回路パターンのショートにつながるため、製品不良を起こすことになる。そのため、基板を洗浄液で洗浄することにより、パーティクルを除去する必要がある。このような洗浄を行う装置として、回転するブラシを用いる洗浄装置が知られている。
【0004】
この洗浄装置は、基板を回転駆動するとともに、回転するブラシを、洗浄液を介して基板の表面に接触させて、基板と平行な方向に移動させる。これにより、洗浄液によって基板の表面に付着したパーティクルが浮いて、ブラシによって基板の外に排出されるので、基板が全体に亘って洗浄される。
【0005】
また、基板の表面ではなく、外周端面にパーティクルが付着している場合にも、回路パターンに影響を与える。このため、基板の表面のみならず、外周端面に付着したパーティクルも除去する必要がある。このような基板の外周端面を洗浄するためのブラシ機構を備えた洗浄装置として、特許文献1に示すものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5064331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、基板の外周端面を洗浄するためのブラシ機構は、基板に隣接する位置に配置する必要があるため、基板の表面を洗浄している際の洗浄液が当たって跳ね返ることにより、基板の表面にパーティクルが再付着するという問題がある。
【0008】
また、洗浄装置をメンテナンスする際に、ブラシ機構に作業者の手が当たり、ブラシが損傷する場合がある。例えば、洗浄装置を収容するチャンバにおいて、基板を搬出入させる搬出入口側には、基板搬送ロボットとの干渉を考慮すると、ブラシ機構を設けることはできない。また、基板の外周端をローラによって保持して、基板を回転させる場合には、基板に接離するためにローラが移動する位置には、ブラシ機構を設けることができない。すると、チャンバに設けられたメンテナンスのための作業口側に、ブラシ機構を設ける必要があるが、この場合、作業口から作業者が手を出し入れする際に、ブラシ機構が邪魔になる。
【0009】
本発明の実施形態は、上述のような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、基板の外周端面を洗浄する端面ブラシが、基板の汚染源やメンテナンス時の邪魔になることを低減できる洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の洗浄装置は、搬入された基板を洗浄するための洗浄室を有するチャンバと、前記洗浄室内において、前記基板の外周を保持する複数のローラを回転させることにより、前記基板を回転駆動する回転駆動部と、前記基板に対して、洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、回転する前記基板の少なくとも一方の面に、ブラシを接触させることにより、前記基板の面を洗浄する洗浄部と、前記基板の外周端面に、端面ブラシを接触させることにより、前記基板の前記外周端面を洗浄する外周洗浄部と、前記外周洗浄部を収容する収容室を有する収容チャンバと、前記外周洗浄部を、前記外周端面を洗浄可能な洗浄位置と、前記収容室に収容される収容位置との間で移動させる移動機構と、前記収容室を、前記洗浄室から遮蔽する遮蔽部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、基板の外周端面を洗浄する端面ブラシが、基板の汚染源やメンテナンス時の邪魔になることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の洗浄装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】実施形態の洗浄装置の概略構成を示す背面図である。
図3】解放位置にあるローラ(A)、保持位置にあるローラ(B)を示す平面図である。
図4】解放位置にあるローラ(A)、保持位置にあるローラ(B)を示す正面図である。
図5】洗浄の開始位置にある洗浄部(A)、洗浄中の洗浄部(B)、終了位置にある洗浄部(C)を示す平面図である。
図6】洗浄位置にある外周洗浄部(A)、収容室に収容途中の外周洗浄部(B)、収容位置にある外周洗浄部(C)を示す説明図である。
図7】表示部の表示画面例であって、運転モード及びメンテナンスモードの選択画面(A)、運転モードの表示画面(B)、メンテナンスモードの表示画面(C)を示す説明図である。
図8】収容チャンバの変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、図1に示すように、基板Wを回転させながら、洗浄液とブラシによって洗浄する洗浄装置1である。洗浄対象となる基板Wは、典型的には半導体のウェーハであるが、表示装置用の基板等であってもよい。
【0014】
基板Wは円形であり、その外周端面には、ベベル加工が施されている。つまり角を研削することによる面取りがなされている。なお、以下の説明では、基板Wの上下の面を表面及び裏面とし、表面及び裏面の双方を指す場合には、基板Wの表裏面とする。また、外周端面は、基板Wの表裏面以外の側面である。
【0015】
[構成]
洗浄装置1は、図1及び図2に示すように、チャンバ10、回転駆動部20、洗浄部30、ブラシ駆動部40、洗浄液吐出部50、外周洗浄部60、収容チャンバ70、移動機構80、制御部100を有する。なお、図1及び図2は、チャンバ10内を透視した図である。
【0016】
(チャンバ)
チャンバ10は、搬入された基板Wを洗浄するための洗浄室11を有する容器である。チャンバ10は、直方体形状の筐体であり、内部の空間が洗浄室11となっている。また、チャンバ10の底部を10aで示す。チャンバ10の対向する2側面のうち、一側面には、搬送ロボットによって基板Wを搬出入するための搬出入口12が設けられている。
【0017】
チャンバ10の搬出入口12が設けられた側面に対向する側面には、メンテナンス作業のための作業口13が設けられている。搬出入口12及び作業口13は、図示しない扉によって開閉可能に構成されている。各扉は、図示しない開閉機構によって、搬出入口12及び作業口13を開閉する。
【0018】
チャンバ10の底部10aの作業口13側には、開口14が設けられている。開口14には、図2に示すように、遮蔽部15が設けられている。遮蔽部15は、図示しない開閉機構によって、水平で相反する方向に移動することにより、開口14を開閉する一対の板状体からなるシャッタである(図6参照)。
【0019】
(回転駆動部)
回転駆動部20は、図3に示すように、基板Wの外周を保持する複数のローラ20aを回転させることにより、基板Wを回転駆動する。回転駆動部20は、図1及び図2に示すように、第1の保持部21、第2の保持部22、第1の駆動部23及び第2の駆動部24を有する。第1の保持部21及び第2の保持部22は、基板Wを挟んで対向する位置に配置される。
【0020】
第1の保持部21、第2の保持部22は、それぞれ一対のローラ20aを有する。ローラ20aは、基板Wに直交する軸を中心に回転可能に設けられている。各ローラ20aは、大径の円柱形状の大径部と、大径部と同軸に設けられた小径の円柱形状の小径部を有する。ローラ20aは、小径部の側面が、基板Wの外周に当接することにより、基板Wを保持する。なお、ローラ20aは、例えば、PEEKなどの洗浄液に対する耐性を有する材料により形成されている。
【0021】
図2及び図3に示すように、第1の駆動部23及び第2の駆動部24は、それぞれ第1の保持部21、第2の保持部22を支持し、ローラ20aを、その軸を中心に回転させる。第1の駆動部23、第2の駆動部24内には、ローラ20aを駆動する回転機構(図示せず)が収納されている。
【0022】
回転機構は、例えば、ベルトドライブ機構である。つまり、駆動源であるモータの駆動軸と一方のローラ20aの駆動軸に設けられたプーリの間、一対のローラ20aの駆動軸に設けられたプーリの間に、それぞれ駆動力を伝達するベルトが架け渡されることにより、駆動源により一対のローラ20aが回転可能に設けられている。なお、回転機構は、これには限定されず、例えば、各ローラ20aにそれぞれ設けられたモータによって、各ローラ20aを回転させるように構成してもよい。
【0023】
また、第1の駆動部23及び第2の駆動部24は、ローラ20aが基板Wに対して接離する方向に移動可能となるように構成されている。つまり、図2に示すように、第1の駆動部23と第2の駆動部24のそれぞれの下端に、駆動機構25、26が設けられ、この駆動機構25、26によって、第1の駆動部23と第2の駆動部24が基板Wに対して接離する方向に移動する。これにより、第1の保持部21と第2の保持部22も、基板Wに対して接離する方向に移動する。
【0024】
駆動機構25、26は、それぞれガイド部材27、シリンダ28を有する。ガイド部材27は、チャンバ10の底部10aの下方に設けられ、第1の駆動部23及び第2の駆動部24を、水平方向にスライド移動可能に支持する。シリンダ28は、駆動ロッドが第1の駆動部23、第2の駆動部24に接続され、第1の駆動部23、第2の駆動部24を互いに逆方向に移動させる。
【0025】
駆動機構25、26によって、第1の保持部21及び第2の保持部22が互いに離れる方向に移動することにより、図3(A)、図4(A)に示すように、ローラ20aが基板Wから離れる解放位置となる。駆動機構25、26によって、第1の保持部21及び第2の保持部22が互いに近づく方向に移動することにより、図3(B)、図4(B)に示すように、ローラ20aが基板Wに接して保持する保持位置となる。
【0026】
(洗浄部)
洗浄部30は、図4及び図5に示すように、回転する基板Wの面に、回転するブラシ35を接触させることにより、基板Wの面を洗浄する。なお、ここでいう接触は、ブラシ35が直接接する場合も、洗浄液が介在して接する場合も含む。ブラシ35は、柔軟性と弾性を有する材質で形成された円柱形状の部材である。
【0027】
本実施形態のブラシ35は、PVA(ナイロン系樹脂)、PTFE(フッ素系樹脂)などのスポンジ状の樹脂を用いる。なお、同様の樹脂製の毛ブラシを用いてもよい。つまり、本実施形態のブラシ35には、スポンジ状の塊のものも、多数の毛状体が密集したものも含まれる。なお、スポンジ状の塊としたブラシ35には、複数の繊維体が密集したものを塊にしたものも含まれる。また、ブラシ35の数は、単一であっても、複数であってもよい。
【0028】
ブラシ35は、図2及び図4に示すように、筒状の胴部31に設けられた支持体に、ブラシホルダを介して着脱可能に設けられている。胴部31には、ブラシ35を回転させる駆動源であるモータ(図示せず)が内蔵されている。
【0029】
(ブラシ駆動部)
図5に示すように、ブラシ駆動部40は、洗浄部30を基板Wの面に平行な方向に移動させる。ブラシ駆動部40は、図1及び図2に示すように、アーム41、駆動機構42を有する。アーム41は、基板Wに平行な方向の部材であり、一端に洗浄部30が取り付けられている。駆動機構42は、揺動機構と昇降機構を有する。
【0030】
揺動機構は、図5(A)~(C)に示すように、洗浄部30と反対側の端部を軸とする円弧の軌跡で、基板Wの外周上から反対側の外周上まで、基板Wに平行にアーム41を往復させる。また、揺動機構は、待機位置から基板Wの外周上まで、アーム41を往復させる。揺動機構は、アーム41から基板Wの面に直交する方向に延びた支軸と、支軸を揺動させる駆動源であるモータ(図示せず)を有する。アーム41は、基板Wの洗浄を行わないときは、基板Wの外部にある待機位置(図示せず)に位置付けられている。
【0031】
昇降機構は、図4(A)、(B)に示すように、アーム41を、洗浄部30が基板Wに接離する方向に移動させる。昇降機構としては、アーム41の支軸を昇降させるボールねじ機構、シリンダ等が適用できる。
【0032】
(洗浄液吐出部)
洗浄液吐出部50は、基板Wに対して洗浄液を吐出する。洗浄液吐出部50はノズル51から、回転する基板Wの両面に向けて洗浄液を吐出する。本実施形態の洗浄液は、オゾン水や純水、SC-1(アンモニア水と過酸化水素水を混合した洗浄液)である。洗浄液吐出部50は、配管を介して、図示しない洗浄液の供給機構に接続されている。供給機構は、純水製造装置(純水貯留タンク)、オゾン水製造装置(オゾン水貯留タンク)及びSC-1供給装置に接続された送液装置、バルブ等を有し、純水、オゾン水及びSC-1のいずれかを切り替えて供給可能である。
【0033】
上記のような洗浄部30、ブラシ駆動部40、洗浄液吐出部50は、図2及び図4に示すように、基板Wの表裏面を洗浄可能となるように、基板Wを挟んで上下に一対設けられている。つまり、一対の洗浄部30が、それぞれのブラシ35が基板Wに向かうように、ブラシ駆動部40の一対のアーム41が基板Wの上下に配置される。駆動機構42は、一対のブラシ35が基板Wを挟むように接触する接触位置(図4(B))と、基板Wから離れる離隔位置(図4(A))との間で、一対のアーム41を移動させる。
【0034】
また、駆動機構42は、一対のアーム41を揺動させることにより、図5(A)~(C)に示すように、円弧の軌跡で、接触位置にある一対のブラシ35を移動させる。平面視で見た場合、接触位置は、図5(A)に示すように、ブラシ35が揺動する始点であり、離間位置は、図5(C)に示すように、ブラシ35が揺動する終点である。また、接触位置は、基板Wの外周上であって、離間位置は、接触位置とは反対の基板Wの外周上にある。
【0035】
(外周洗浄部)
外周洗浄部60は、基板Wの外周端面に、端面ブラシ61を接触させることにより洗浄する。外周洗浄部60は、図1図2及び図6に示すように、端面ブラシ61、ヘッド部62、首振り機構63、支持部64、ブラシ洗浄部65、洗浄液供給部66を有する。
【0036】
端面ブラシ61は、円柱形状のブラシである。端面ブラシ61は、PTFE(フッ素系樹脂)、PVA(ナイロン系樹脂)などの硬質な樹脂を用いる。端面ブラシ61は、基板Wのベベル加工された外周端面を洗浄することから、ベベルブラシとも呼ぶ。端面ブラシ61の外周面は、基板Wの外周端面に平行である。但し、端面ブラシ61の軸は、基板Wの回転の軸(ローラ20aの回転の軸)に対して、ねじれの位置となるように傾斜している。これは、洗浄液とともに汚染物を下方に落下させ易くするためである。ヘッド部62は、端面ブラシ61を回転可能に支持する。ヘッド部62は、図示しないモータが傾斜配置され、そのシャフトが端面ブラシ61の軸に接続されている。
【0037】
首振り機構63は、端面ブラシ61が基板Wの外周端面に接離する方向に、ヘッド部62を回動可能に支持する。首振り機構63は、図示はしないが、ヘッド部62に接続された鉛直方向の支柱と、支柱を回動させるロータリーアクチュエータを内蔵している。
【0038】
支持部64は、首振り機構63の下端を支持する部材である。支持部64は、チャンバ10の底部10aに設けられた開口14を、閉止可能な板状体である。なお、支持部64が開口14を閉止しているときには、開口14の遮蔽部15は開状態にある。
【0039】
ブラシ洗浄部65は、端面ブラシ61に接触することにより、端面ブラシ61を洗浄する。つまり、ブラシ洗浄部65の傾斜面と、端面ブラシ61の洗浄面(基板Wの外周端面と接触する面)が接触することで、端面ブラシ61が洗浄できる。ブラシ洗浄部65は、首振り機構63に隣接する位置に立設され、上端に、端面ブラシ61の軸に平行な傾斜面65aを有している。端面ブラシ61は、首振り機構63によるヘッド部62の回動によって、基板Wの外周端面に接する外周洗浄位置と、ブラシ洗浄部65の傾斜面65aに接する自己洗浄位置との間を移動可能に設けられている。
【0040】
洗浄液供給部66は、柱部66a、アーム66b及び給液管66cを有する。柱部66aは、チャンバ10の底部10aに、鉛直方向に立設されている。アーム66bは、柱部66aの上端から水平方向に延びている。給液管66cは、先端がアーム66bの先端から下方に向かうように支持され、他端が洗浄液の供給機構に接続されている。この供給機構は、洗浄液吐出部50と同様のものを適用できる。また、洗浄液の供給源等、供給機構の一部を洗浄液吐出部50と共通とすることができる。
【0041】
なお、柱部66aは、アーム66bの先端、つまり給液管66cの先端が、端面ブラシ61と基板Wの外周端面との接触位置と、端面ブラシ61及び基板Wから離隔した退避位置との間を移動可能となるように、ロータリーアクチュエータなどの回動機構によって回動可能に設けられている。
【0042】
(収容チャンバ)
収容チャンバ70は、図1図2及び図6に示すように、外周洗浄部60を収容する収容室71を有する容器である。収容チャンバ70は、開口14の下部に接続され、支持部64を含む外周洗浄部60が下降することにより収容室71に収容される。つまり、収容チャンバ70は、チャンバ10の底部10aの下方に設けられている。これにより収容室71は、洗浄室11からは外れた位置に配置される。
【0043】
収容室71には、供給部72、排出部73が設けられている。供給部72は、端面ブラシ61を洗浄するための洗浄液を供給する。このため、供給部72は、収容室71に外周洗浄部60が収容された場合に、ブラシ洗浄位置にある端面ブラシ61に、洗浄液を供給可能な位置に設けられている。
【0044】
供給部72は、洗浄液の供給機構に接続されている。この供給機構は、洗浄液吐出部50と同様のものを適用できる。また、洗浄液の供給源等、供給機構の一部を、洗浄液吐出部50と共通とすることができる。本実施形態の供給部72は、洗浄液を端面ブラシ61に吐出するノズルである。排出部73は、収容室71から洗浄液を排出する。排出部73は、配管を介して、洗浄液の回収機構に接続されている。
【0045】
(移動機構)
移動機構80は、図1図2及び図6に示すように、外周洗浄部60を、基板Wの外周端面を洗浄可能な洗浄位置と、収容室71に収容される収容位置との間で移動させる。移動機構80は、例えば、収容チャンバ70の底部70aに接続されたシリンダ81を有している。シリンダ81の鉛直方向の駆動ロッド81aは、収容室71内を上方に延び、支持部64に接続されている。なお、移動機構80は、シリンダ81には限定されない。例えば、移動機構80を、ボールねじ機構により外周洗浄部60を移動させる構成としてもよい。
【0046】
(制御部)
制御部100は、図2に示すように、洗浄装置1の各部を制御するコンピュータであり、基板洗浄に関する各種の情報及びプログラムなどを記憶する記憶部と、各種のプログラムを実行するプロセッサを有する。
【0047】
制御部100は、チャンバ10の搬出入口12及び作業口13の扉の開閉機構、遮蔽部15の開閉機構、回転駆動部20のローラ20aの回転機構、駆動機構25、26、ブラシ駆動部40の駆動機構42、洗浄液吐出部50の供給機構、外周洗浄部60の首振り機構63、洗浄液供給部66の供給機構及び回動機構、供給部72の供給機構、移動機構80などを駆動する駆動回路に、動作指令を出力することにより、各機構を制御する。
【0048】
制御部100には、表示部110、入力部120が接続されている。表示部110は、洗浄装置1の状態を確認するための情報を、作業者が視認可能な状態とするディスプレイ、ランプ、メータ等の出力装置である。入力部120は、作業者が、制御部100を介して洗浄装置1を操作したり、設定を入力したりするためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置である。
【0049】
表示部110は、洗浄装置1の状態を表示する。入力部120は、外周洗浄部60を洗浄位置とするか、収容位置とするかの指示を入力できる。例えば、タッチパネルとして入力部120が構成された表示部110に、情報入力を促すボタンを表示して、ボタンを選択することにより、所望の指示を入力できる。
【0050】
より具体的には、制御部100に、基板Wを洗浄する運転モードと、洗浄装置1をメンテナンスするメンテナンスモードが設定され、図7(A)に示すように、表示部110に、いずれのモードを選択するかのボタンが表示される。
【0051】
運転モードが選択された場合には、図7(B)に示すように、表示部110に、洗浄開始のボタンとともに、収容ボタンが表示される。洗浄開始のボタンが選択されると、基板Wの表裏面の洗浄と、基板Wの外周端面の洗浄が行われる。
【0052】
基板Wの表裏面の洗浄を行うが、基板Wの外周端面を洗浄しない場合には、収容ボタンを選択する。すると、制御部100は、外周洗浄部60を収容位置とする指示を出力するので、外周洗浄部60が収容チャンバ70に収容される。その後、洗浄開始のボタンを選択すると、基板Wの表裏面の洗浄が行われるが、基板Wの外周端面の洗浄は行われない。
【0053】
また、メンテナンスモードが選択された場合には、図7(C)に示すように、表示部110に、メンテナンス開始のボタンとともに、上昇ボタンが表示される。メンテナンス開始のボタンが選択されると、作業口13の扉が開く。
【0054】
基板Wの外周洗浄部60をメンテナンスする場合には、上昇ボタンを選択する。すると、外周洗浄部60が収容チャンバ70から上昇して、洗浄位置に来る。その後、メンテナンス開始のボタンが選択されると、作業口13の扉が開く。
【0055】
なお、ボタン操作による場合とは別に、制御部100が、自動的に連続して基板Wの洗浄を行う設定とすることもできる。この場合、事前に処理シーケンスをプログラミング(レシピ設定)しておき、基板Wの洗浄において、基板Wの端面洗浄の有無を選択できるようにしてもよい。
【0056】
[動作]
上記のような構成の洗浄装置1の動作を説明する。なお、初期状態において、制御部100は運転モードにあり、外周洗浄部60は上昇した洗浄位置にある。このとき、チャンバ10の開口14は、外周洗浄部60の下端を構成する支持部64によって閉止されている。
【0057】
(基板の搬入)
まず、基板Wの搬入動作を説明する。すなわち、前工程において、処理済みの基板Wの表面にはオゾン水がかけられており、酸化膜が形成されることにより、親水化されている。この酸化膜が形成された基板Wの表面には、前々工程であるCMP工程で残存した、有機系汚染物(スラリー等)や金属汚染物などが付着した状態となっている。
【0058】
これは、基板Wの表面に汚染物が付着したまま、オゾン水が供給された状態となっていること、つまり、汚染物が付着したまま、酸化膜が形成されていることを意味する。オゾン水には有機物を除去する能力はあるが、この前工程は、有機物を除去する工程ではなく、あくまでも基板Wの表裏面を親水化することが目的の工程である。
【0059】
搬送ロボットは、前工程から基板Wを搬出して、洗浄装置1の搬出入口12から、図3(A)、図4(A)に示すように、第1の保持部21及び第2の保持部22のローラ20aの間に搬入する。第1の保持部21及び第2の保持部22は、図3(B)に示すように、互いに近付く方向に移動する。すると、4つのローラ20aが基板Wに向かって移動して、基板Wの外周に接することにより、基板Wを保持する。
【0060】
このとき、上下のアーム41は、基板Wの外部にある待機位置に待機した状態にある。また、外周洗浄部60は洗浄位置にあるが、端面ブラシ61は、チャンバ10内の基板Wの外周端面に、離隔して隣接した位置にある。
【0061】
(基板の表面の洗浄)
次に、基板Wの洗浄動作を説明する。まず、基板Wの表裏面を洗浄する際に、基板Wの外周端面を洗浄する動作を説明する。表示部110に表示された運転モードが選択され、洗浄開始のボタンが選択されると(図7(A)、(B)参照)、図3に示すように、ローラ20aが、図中、時計回りに回転することにより、基板Wが反時計回りに回転する。なお、図中の黒塗りの矢印は、基板Wの回転方向を示す。
【0062】
待機位置にある上下のアーム41は、モータによってブラシ35を回転させながら、図5(A)に示すように、基板Wの外周上まで揺動して、一旦停止する。そして、上下のアーム41が互いに基板Wに近づく方向に移動することにより、上下の洗浄部30のブラシ35が、図4(B)に示すように、基板Wの表面、裏面に接触することにより、基板Wを挟む。
【0063】
そして、上下のアーム41が回動することにより、上下のブラシ35が水平移動する。このとき、ノズル51の吐出口は、洗浄液を吐出しているので、ブラシ35と基板Wとの間に洗浄液が流れている。つまり、図5(A)、(B)に示すように、基板Wの外周の一方から移動を開始したブラシ35が、図中、白塗りの矢印で示す円弧の軌跡で移動しながら、洗浄液とともに汚染物を基板Wの外周に押し出して行く。
【0064】
図5(C)に示すように、ブラシ35が基板Wの外周の他方を越えて、基板Wから外れると、ブラシ35は回転を停止して、ノズル51からの洗浄液の吐出を停止して、洗浄処理を終了する。
【0065】
そして、上下のアーム41が互いに離れる方向に移動することにより、上下のブラシ35が離れ、さらに、アーム41が揺動することにより、基板Wの外周の外にある待機位置に退避する。なお、その後、上記の動作を繰り返すことにより、ブラシ35による洗浄を複数回行ってもよい。この場合、1回の洗浄毎に、アーム41は洗浄を開始する位置に戻る(図5(A)参照)。
【0066】
なお、上記のように基板Wの表裏面を洗浄する際に、以下のように、基板Wの外周端面を洗浄する。すなわち、図5(A)、(B)に示すように、ローラ20aの回転によって、基板Wが反時計回りに回転しながら、その表裏面がブラシ35によって洗浄されている間に、端面ブラシ61をモータにより回転させながら、首振り機構63によって基板Wの外周端面に接する外周洗浄位置に移動させる。
【0067】
これとともに、洗浄液供給部66の柱部66aが回動して、アーム66bの先端の給液管66cの端部を、端面ブラシ61の上方に移動させて洗浄液を供給する。これにより、基板Wの外周端面が、回転する端面ブラシ61によって洗浄される。
【0068】
ブラシ35による基板Wの表裏面の洗浄の終了とともに、図5(C)に示すように、首振り機構63によって、端面ブラシ61を基板Wの外周端面から離れる位置に移動させ、洗浄液供給部66による洗浄液の供給を停止する。
【0069】
なお、基板Wの外周端面を洗浄しない場合には、作業者は、洗浄開始のボタンを選択する前に、表示部110に表示された収容ボタンを選択する。すると、図6(A)、(B)に示すように、移動機構80が作動することにより、外周洗浄部60が下降して開口14を通過し、図6(C)に示すように、収容チャンバ70内に収容される。そして、開口14が遮蔽部15によって閉止される。
【0070】
その後、作業者が洗浄開始のボタンを選択すると、上記のように、ブラシ35による基板Wの表裏面の洗浄が行われる。このとき、外周洗浄部60は、収容チャンバ70内に収容され、開口14が遮蔽部15によって閉止されているので、洗浄液が外周洗浄部60に当たることがない。
【0071】
(メンテナンス)
作業者が、洗浄装置1のメンテナンスを行う場合には、表示部110に表示されたメンテナンスモードのボタンを選択する。すると、上記のように、移動機構80が作動することにより、外周洗浄部60が収容チャンバ70内に収容され、開口14が遮蔽部15によって閉止される(図6参照)。
【0072】
そして、作業者がメンテナンス開始のボタンを選択すると、開閉機構によって作業口13の扉が開く。これにより、作業者は、作業口13を介して、チャンバ10内をメンテナンスできる。このとき、外周洗浄部60は、収容チャンバ70に収容されているので、作業者によるメンテナンスの邪魔にならない。
【0073】
なお、作業者が外周洗浄部60をメンテナンスする場合には、上昇ボタンを選択する。すると、開閉機構が遮蔽部15を開き、移動機構80が外周洗浄部60を上昇させて、チャンバ10の底部10aの上の洗浄位置に移動させる。これにより、作業者は、端面ブラシ61の交換などのメンテナンスを行うことができる。
【0074】
(端面ブラシの洗浄)
さらに、収容チャンバ70に収容された外周洗浄部60の端面ブラシ61を洗浄する動作を説明する。収容チャンバ70に収容された状態では、端面ブラシ61は、首振り機構63によって、ブラシ洗浄部65の傾斜面65aに接触する自己洗浄位置にあり、供給部72のノズルが端面ブラシ61に洗浄液を供給可能な位置にある。
【0075】
この状態で、端面ブラシ61を回転させながら、供給部72から洗浄液を供給すると、端面ブラシ61の側面がブラシ洗浄部65に擦られながら、洗浄される。収容チャンバ70の底部に落下した洗浄液は、排出部73から排出される。
【0076】
(効果)
(1)以上のような本実施形態の洗浄装置1は、搬入された基板Wを洗浄するための洗浄室11を有するチャンバ10と、洗浄室11内において、基板Wの外周を保持する複数のローラ20aを回転させることにより、基板Wを回転駆動する回転駆動部20と、基板Wに対して、洗浄液を吐出する洗浄液吐出部50と、回転する基板Wの少なくとも一方の面に、ブラシ35を接触させることにより、基板Wの面を洗浄する洗浄部30と、基板Wの外周端面に、端面ブラシ61を接触させることにより、基板Wの外周端面を洗浄する外周洗浄部60と、外周洗浄部60を収容する収容室71を有する収容チャンバ70と、外周洗浄部60が、外周端面を洗浄可能な洗浄位置と、収容室71に収容される収容位置との間で移動させる移動機構80と、を有する。
【0077】
このため、メンテナンスの際に、外周洗浄部60を収容チャンバ70に収容することにより、外周洗浄部60が作業者の手に当たり、端面ブラシ61が損傷することが防止される。また、基板Wの外周端面を洗浄しない場合に、外周洗浄部60を収容チャンバ70に収容することにより、基板Wの表裏面を洗浄している際の洗浄液が外周洗浄部60に跳ね返り、基板Wの表面に付着する可能性が低減する。
【0078】
(2)収容チャンバ70は、チャンバ10の底部10aの下方に設けられている。このため、外周洗浄部60は、洗浄中の基板Wよりも下方に離れた位置に収容されることになるので、洗浄液の付着の可能性をより低減できる。
【0079】
(3)本実施形態は、収容室71を、洗浄室11から遮蔽する遮蔽部15を有する。このため、収容室71に収容された外周洗浄部60への洗浄液の付着を確実に防止できる。
【0080】
(4)チャンバ10は、基板Wの搬出入用の搬出入口12と、メンテナンス用の作業口13を有し、外周洗浄部60は、作業口13側に設けられている。このため、外周洗浄部60を、基板Wの搬出入口12側に配置できず、作業口13側に設けなければならない場合であっても、メンテナンス時に、外周洗浄部60を収容チャンバ70の収容室71に収容することにより、作業者の邪魔になることを確実に防止できる。
【0081】
(5)外周洗浄部60は、端面ブラシ61に接触することにより、端面ブラシ61を洗浄するブラシ洗浄部65を有し、収容室71には、端面ブラシ61を洗浄するための洗浄液を供給する供給部72と、洗浄液を排出する排出部73と、が設けられている。このため、収容室71内に収容された外周洗浄部60の端面ブラシ61を、ブラシ洗浄部65と洗浄液によって洗浄できる。
【0082】
(6)供給部72は、洗浄液を端面ブラシ61に吐出するノズルを有する。このため、回転する端面ブラシ61をブラシ洗浄部65に当てながら、洗浄液を吐出することにより、端面ブラシ61を洗浄できる。
【0083】
(7)移動機構80を制御する制御部100と、洗浄装置1の状態を表示する表示部110と、外周洗浄部60を洗浄位置とするか、収容位置とするかの指示を入力する入力部120と、を有する。
【0084】
このため、作業者は、表示部110により洗浄装置1の状態を確認して、外周洗浄部60が洗浄位置にある場合に、入力部120を用いて、外周洗浄部60を収容位置とすることにより、基板Wの表裏面の洗浄時に、洗浄液が外周洗浄部60に当たることを防止できる。また、外周洗浄部60が収容位置にある場合に、入力部120を用いて、外周洗浄部60を洗浄位置とすることにより、外周洗浄部60をメンテナンスできる。
【0085】
(変形例)
本実施形態は、上記の態様に限定されるものではなく、以下のような変形例も構成可能である。
【0086】
(1)図8に示すように、収容室71を、端面ブラシ61を洗浄液に浸漬可能に設けてもよい。つまり、収容室71を、供給部72から供給された洗浄液が、端面ブラシ61よりも高い位置にまで貯量可能となるように、防水構造とする。この状態で、端面ブラシ61をブラシ洗浄部65に当てて回転させることにより、端面ブラシ61を洗浄できる。洗浄液は、供給部72による供給量と排出部73による排出量を調整することにより、常時、清浄化された洗浄液を維持できる。
【0087】
(2)遮蔽部15は、一対のシャッタではなく、一枚のシャッタが一方向に移動して開閉する構成であってもよい。また、開口14と遮蔽部15との境界の間隙を、屈曲したラビリンス構造とすることにより、収容室71内への洗浄液の入り込みをより一層低減できる。さらに、開口14に遮蔽部15を設けなくてもよい。この場合にも、収容室71内に収容されていれば、外周洗浄部60に対する洗浄液の付着を低減できる。
【0088】
(3)ローラ20aの数は、上記の態様には限定されない。洗浄部30の構成も、上記の態様には限定されない。例えば、基板Wの一方の面のみをブラシ35で洗浄する構成であってもよい。
【0089】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 洗浄装置
10 チャンバ
10a 底部
11 洗浄室
12 搬出入口
13 作業口
14 開口
15 遮蔽部
20 回転駆動部
20a ローラ
21 第1の保持部
22 第2の保持部
23 第1の駆動部
24 第2の駆動部
25、26 駆動機構
27 ガイド部材
28 シリンダ
30 洗浄部
31 胴部
35 ブラシ
40 ブラシ駆動部
41 アーム
42 駆動機構
50 洗浄液吐出部
51 ノズル
60 外周洗浄部
61 端面ブラシ
62 ヘッド部
63 首振り機構
64 支持部
65 ブラシ洗浄部
65a 傾斜面
66 洗浄液供給部
66a 柱部
66b アーム
66c 給液管
70 収容チャンバ
70a 底部
71 収容室
72 供給部
73 排出部
80 移動機構
81 シリンダ
81a 駆動ロッド
100 制御部
110 表示部
120 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8