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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240624BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/302 105A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021154479
(22)【出願日】2021-09-22
(65)【公開番号】P2023045872
(43)【公開日】2023-04-03
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】稲田 充郎
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-215635(JP,A)
【文献】特開2009-76881(JP,A)
【文献】特開2004-124193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1原料を貯留し、第1容器出口を有する第1貯留容器と、
反応室と、
前記第1貯留容器の前記第1容器出口から前記反応室に輸送される前記第1原料の流量を調整し、第1入口と、第1出口と、を有する第1流量制御機構と、
前記第1貯留容器の前記第1容器出口と前記第1流量制御機構の前記第1入口を接続し、第1接続部を有する第1配管と、
前記第1流量制御機構の前記第1出口と前記反応室を接続し、第1流路切替弁を有する第2接続部を有する第2配管と、
前記第1接続部において前記第1配管と接続され、前記第2接続部において前記第2配管と接続された第3配管と、
前記第3配管のうちの前記第2接続部に接続された部分に接続された第1吸気口と、前前記第3配管のうちの前記第1接続部に接続された部分に接続された第1排気口と、を有し、前記第2配管から前記第1配管に前記第1原料を輸送する第1ポンプと、
前記第3配管のうちの前記第1接続部と前記第1ポンプとの間の部分のうち前記第1ポンプに接続された部分に接続された第2入口と、前記第3配管のうちの前記第1接続部と前記第1ポンプとの間の前記部分のうち前記第1接続部に接続された部分に接続された第2出口と、を有し、前記第1ポンプから前記第1流量制御機構に供給される前記第1原料の流量を制御する第2流量制御機構と、
を備える半導体製造装置。
【請求項2】
第2原料を貯留し、第2容器出口を有する第2貯留容器と、
前記第2貯留容器の前記第2容器出口から前記反応室に輸送される前記第2原料の流量を調整し、第3入口と、第3出口と、を有する第3流量制御機構と、
前記第2貯留容器の前記第2容器出口と前記第3流量制御機構の前記第3入口を接続し、第3接続部を有する第4配管と、
前記第3流量制御機構の前記第3出口と前記反応室を接続し、第2流路切替弁を有する第4接続部を有する第5配管と、
前記第3接続部において前記第4配管と接続され、前記第4接続部において前記第5配管と接続された第6配管と、
前記第6配管のうちの前記第4接続部に接続された部分に接続された第2吸気口と、前記第6配管のうちの前記第3接続部に接続された部分に接続された第2排気口と、を有し、前記第5配管から前記第4配管に前記第2原料を輸送する第2ポンプと、
前記第6配管のうちの前記第3接続部と前記第2ポンプとの間の部分のうち前記第2ポンプに接続された部分に接続された第4入口と、前記第6配管のうちの前記第3接続部と前記第2ポンプの間との前記部分のうち前記第3接続部に接続された部分に接続された第4出口と、を有し、前記第2ポンプから前記第3流量制御機構に供給される前記第2原料の流量を制御する第4流量制御機構と、
をさらに備える請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記第3配管のうち前記第1ポンプと前記第2流量制御機構との間の部分に接続可能であり、前記第1原料を前記第3配管の外部に排出する第7配管と、
前記第7配管に接続された第5入口と、第9配管に接続された第5出口と、を有し、前記第7配管に排出される前記第1原料の量を調整する第1調整機構と、
をさらに備える請求項1又は請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記第6配管のうち前記第2ポンプと前記第4流量制御機構との間の部分に接続可能であり、前記第2原料を前記第6配管の外部に排出する第8配管と、
前記第8配管に接続された第6入口と、第9配管に接続された第6出口と、を有し、前記第8配管に排出される前記第2原料の量を調整する第2調整機構と、
をさらに備える請求項2記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記第3配管のうちの前記第1ポンプと前記第2流量制御機構との間の部分のうち、前記第1ポンプに接続された部分に接続された第3容器入口と、前記第1ポンプと前記第2流量制御機構との間の前記部分のうち、前記第2流量制御機構に接続された部分に接続された第3容器出口と、を有する第3貯留容器と、
をさらに備える請求項1乃至請求項4いずれか一項記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記第6配管のうちの前記第2ポンプと前記第4流量制御機構との間の部分のうち、前記第2ポンプに接続された部分に接続された第4容器入口と、前記第2ポンプと前記第4流量制御機構との間の前記部分のうち、前記第4流量制御機構に接続された部分に接続された第4容器出口と、を有する第4貯留容器と、
をさらに備える請求項2又は請求項4記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記第1原料はフッ素供給エッチングガスであり、
前記第2原料はフッ化炭化水素である、
請求項2、請求項4又は請求項6記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記第1原料は六フッ化硫黄(SF)であり、
前記第2原料はオクタフルオロシクロブタン(C)である、
請求項2、請求項4、請求項6又は請求項7記載の半導体製造装置。
【請求項9】
前記第1ポンプと前記第2流量制御機構の間の前記第3配管に設けられた第3貯留容器と、
前記第2ポンプと前記第4流量制御機構の間の前記第6配管に設けられた第4貯留容器と、
をさらに備え、
前記第1原料は六フッ化硫黄(SF)であり、
前記第2原料はオクタフルオロシクロブタン(C)であり、
前記第3貯留容器の内部の体積は前記第4貯留容器の内部の体積より小さい、
請求項2又は請求項4記載の半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ等の半導体装置の製造は、反応室の内部に半導体基板等の基板を搬入し、原料を供給することによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-215635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、原料の使用効率が高い半導体製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体製造装置は、第1原料を貯留し、第1容器出口を有する第1貯留容器と、反応室と、第1貯留容器の第1容器出口から反応室に輸送される第1原料の流量を調整し、第1入口と、第1出口と、を有する第1流量制御機構と、第1貯留容器の第1容器出口と第1流量制御機構の第1入口を接続し、第1接続部を有する第1配管と、第1流量制御機構の第1出口と反応室を接続し、第1流路切替弁を有する第2接続部を有する第2配管と、第1接続部において第1配管と接続され、第2接続部において第2配管と接続された第3配管と、第3配管のうちの第2接続部に接続された部分に接続された第1吸気口と、前第3配管のうちの第1接続部に接続された部分に接続された第1排気口と、を有し、第2配管から第1配管に第1原料を輸送する第1ポンプと、第3配管のうちの第1接続部と第1ポンプとの間の部分のうち第1ポンプに接続された部分に接続された第2入口と、第3配管のうちの第1接続部と第1ポンプとの間の部分のうち第1接続部に接続された部分に接続された第2出口と、を有し、第1ポンプから第1流量制御機構に供給される第1原料の流量を制御する第2流量制御機構と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の半導体製造装置の模式図である。
図2】実施形態の第2接続部の一態様を示す模式図である。
図3】実施形態の第4接続部の一態様を示す模式図である。
図4】実施形態の半導体製造装置を用いた半導体装置の製造工程の一態様を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
【0008】
(実施形態)
実施形態の半導体製造装置は、第1原料を貯留し、第1容器出口を有する第1貯留容器と、反応室と、第1貯留容器の第1容器出口から反応室に輸送される第1原料の流量を調整し、第1入口と、第1出口と、を有する第1流量制御機構と、第1貯留容器の第1容器出口と第1流量制御機構の第1入口を接続し、第1接続部を有する第1配管と、第1流量制御機構の第1出口と反応室を接続し、第1流路切替弁を有する第2接続部を有する第2配管と、第1接続部において第1配管と接続され、第2接続部において第2配管と接続された第3配管と、第3配管のうちの第2接続部に接続された部分に接続された第1吸気口と、前第3配管のうちの第1接続部に接続された部分に接続された第1排気口と、を有し、第2配管から第1配管に第1原料を輸送する第1ポンプと、第3配管のうちの第1接続部と第1ポンプとの間の部分のうち第1ポンプに接続された部分に接続された第2入口と、第3配管のうちの第1接続部と第1ポンプとの間の部分のうち第1接続部に接続された部分に接続された第2出口と、を有し、第1ポンプから第1流量制御機構に供給される第1原料の流量を制御する第2流量制御機構と、を備える半導体製造装置である。
【0009】
図1は、実施形態の半導体製造装置100の模式図である。
【0010】
図1を用いて、実施形態の半導体製造装置100について説明をする。
【0011】
半導体製造装置100は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)等の半導体装置の製造に用いられる基板のドライエッチングや、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法による薄膜成長等に用いられる。ただし、半導体製造装置100の用途は、上記の用途に限定されるものではない。
【0012】
第1貯留容器2は、第1容器出口3bを有する。第1貯留容器2は、第1原料を貯留している。第2貯留容器32は、第2容器出口33bを有する。第2貯留容器32は、第2原料を貯留している。第5貯留容器82は、第5容器出口83bを有する。第5貯留容器82は、第3原料を貯留している。第1原料、第2原料及び第3原料は、それぞれ、例えば気体であってもかまわないし、液体であってもかまわない。
【0013】
第1原料及び第2原料は、例えば、それぞれフッ素供給エッチングガス及びフッ化炭化水素であることが好ましい。第1原料及び第2原料は、例えば、それぞれ六フッ化硫黄(SF)及びオクタフルオロシクロブタン(C)であることが好ましい。
【0014】
また、第1原料は、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、テトラキスジメチルアミドチタニウム(TDMAT)又はテトラキスジエチルアミノハフニウム(TDEAH)であることが好ましい。かかる場合、第2原料は、例えば、水(HO)ガスであることが好ましい。
【0015】
第3原料は、例えば、半導体装置の製造のためにキャリアガスとして用いられる、アルゴン(Ar)ガスや窒素(N)ガス等の不活性ガスである。
【0016】
ただし、実施形態の半導体製造装置100に用いられる第1原料、第2原料及び第3原料は、特に限定されるものではない。
【0017】
反応室4の内部には、例えば、図示しない基板支持部が設けられている。かかる基板支持部の上に、図示しない基板が配置されている。かかる基板の上に、上記の第1原料、第2原料及び第3原料が適宜供給される。これにより、例えば、かかる基板の上に、半導体装置の製造が行われる。
【0018】
また、反応室4に、配管98が接続されている。配管98には、例えばバタフライバルブ等の第6流量調整機構92、ターボ分子ポンプ等の第3ポンプ94が設けられている。配管98、第9配管70及び配管97は、例えばT字管である第8接続部99により接続されている。配管97には、ドライポンプ等の第4ポンプ96が適宜設けられている。そして、配管98及び配管97を経由して、半導体装置の製造に用いられなかった余剰の原料等は、反応室4の外部に排出される。
【0019】
第1流量制御機構6は、第1入口7aと、第1出口7bと、を有する。第1流量制御機構6は、第1貯留容器2から反応室4に輸送される第1原料の流量を制御する。第1流量制御機構6は、例えば、マスフローコントローラである。第1配管8は、第1配管8aと、第1配管8bと、を有する。第1配管8aと第1配管8bは、例えば、第1接続部12により、互いに接続されている。第1配管8a及び第1配管8bは、第1貯留容器2の第1容器出口3bと第1流量制御機構6の第1入口7aを接続している。第2配管10は、第2配管10aと、第2配管10bと、を有する。第2配管10aと第2配管10bは、例えば、第2接続部14により、互いに接続されている。第2配管10a及び第2配管10bは、第1流量制御機構6の第1出口7bと反応室4を接続している。
【0020】
第3配管16は、第3配管16aと、第3配管16bと、を有する。第3配管16aと第3配管16bは、互いに接続されている。第3配管16bは、第1接続部12において、第1配管8a及び第1配管8bと接続されている。第3配管16aは、第2接続部14において、第2配管10a及び第2配管10bと接続されている。
【0021】
第1接続部12は、第1配管8a、第1配管8b及び第3配管16bに接続されている。第1接続部12は、例えば、T字管である。
【0022】
第2接続部14は、第2配管10a、第2配管10b及び第3配管16aと接続されている。第2接続部14は、第2配管10aを流れる原料を、反応室4又は第3配管16aに供給することが可能である。なお、第2接続部14は、第2配管10aを流れる原料を、反応室4と第3配管16aの両方に供給することが可能であってもかまわない。第2接続部14は、例えば、三方弁である。第2接続部14は、例えば、流路切替弁である。第2接続部14は、例えば、チェンジバルブである。
【0023】
第1ポンプ18は、第1吸気口19aと、第1排気口19bと、を有する。第1ポンプ18は、第3配管16aに設けられている。例えば、第1ポンプ18の第1吸気口19aは、第2接続部14の側の、第3配管16に接続されている。また、例えば、第1ポンプ18の第1排気口19bは、第2流量制御機構20の側及び第1接続部12の側の、第3配管16に接続されている。言い換えると、第1ポンプ18の第1吸気口19aは、第3配管16のうちの第2接続部14に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第1ポンプ18の第1排気口19bは、第3配管16のうちの第1接続部12に接続された部分に接続されている。第1ポンプ18は、第2配管10から第1配管8に、第1原料の少なくとも一部を輸送する。
【0024】
第2流量制御機構20は、第2入口21aと、第2出口21bと、を有する。第2流量制御機構20は、第1接続部12と第1ポンプ18の間の第3配管16に設けられている。第2流量制御機構20の第2入口21aは、第3配管16の第1ポンプ18の側に接続されている。第2流量制御機構20の第2出口21bは、第3配管16の第1接続部12の側に接続されている。言い換えると、第2流量制御機構20の第2入口21aは、第3配管16のうちの第1接続部12と第1ポンプ18との間の部分のうち第1ポンプ18に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第2流量制御機構20の第2出口21bは、第3配管16のうちの第1接続部12と第1ポンプ18との間の部分のうち第1接続部12に接続された部分に接続されている。第2流量制御機構20は、第1ポンプ18から第1流量制御機構6に供給する第1原料の量を調整する。第2流量制御機構20としては、特に限定されないが、例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、マスフローコントローラ、流量制御バルブ、又は絞り弁等を好ましく使用できる。
【0025】
第7配管62は、第3配管16に接続可能である。言い換えると、第7配管62は、第3配管16のうち第1ポンプ18と第2流量制御機構20との間の部分に接続可能である。第7配管62は、第1原料を、例えば第4ポンプ96により、第3配管16の外部に排出する。なお、図1においては、第7配管62は、第7配管62に接続された第7接続部80、及び第7接続部80を介して接続された第9配管70を経由して、第3ポンプ94と第4ポンプ96の間の第8接続部99に接続されている。そして、第3配管16の外部に排出された第1原料は、第4ポンプ96を用いて排出されている。しかし、例えば、第7配管62は、第3ポンプ94及び第4ポンプ96とは異なる、図示しない他のポンプに接続されていてもかまわない。そして、第3配管16の外部に排出された第1原料は、かかる図示しない他のポンプを用いて排出されていてもかまわない。また、第7配管62、第3配管16a及び第3配管16bの接続は、例えばT字管である第5接続部76等により行われていてもかまわないし、他の方法により行われていてもかまわない。
【0026】
第1調整機構64は、第5入口65aと、第5出口65bと、を有する。第1調整機構64は、第7配管62に設けられている。第1調整機構64の第5入口65aは、第7配管62に接続されている。第1調整機構64の第5出口65bは、第7接続部80を介して、第9配管70に接続されている。第7配管62、第8配管66及び第9配管70の接続は、例えばT字管である第7接続部80により行われていてもかまわないし、他の方法により行われていてもかまわない。第1調整機構64は、第7配管62に排出される第1原料の量を調整する。第1調整機構64としては、特に限定されないが、例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、マスフローコントローラ、流量制御バルブ、又は絞り弁等を好ましく使用できる。また、第1調整機構64は、第3配管16内の圧力が高くなりすぎたときに開いて、第5入口65aから第5出口65bに第1原料を流す、逆止弁であってもかまわない。
【0027】
例えば、第2流量制御機構20の2次側(第2出口21bの側、又は第1接続部12の側)の圧力は、第1原料の供給側(第1配管8内部)と同程度の圧力になるように制御する。また、例えば、第1調整機構64の1次側(第5入口65aの側、又は第3配管16の側)の圧力は、第2流量制御機構20の1次側(第2入口21aの側、又は第2圧力計24の側)の圧力より高くなるように制御する。これにより、第1調整機構64の1次側の圧力と第2流量制御機構20の1次側の圧力の差分に比例する量の、第1原料を、第3配管16aの内部、第3配管16bの内部及び第3貯留容器72の内部に貯留することが可能である。
【0028】
第3貯留容器72は、第3容器入口73aと、第3容器出口73bと、を有する。第3貯留容器72は、第1ポンプ18と第2流量制御機構20の間の第3配管16に設けられている。第3貯留容器72の第3容器入口73aは、第1ポンプ18と第2流量制御機構20の間の第3配管16の、第1ポンプ18に接続された第3配管16に接続されている。第3貯留容器72の第3容器出口73bは、第1ポンプ18と第2流量制御機構20の間の第3配管16の、第2流量制御機構20に接続された第3配管16に接続されている。言い換えると、第3貯留容器72の第3容器入口73aは、第3配管16のうちの第1ポンプ18と第2流量制御機構20との間の部分のうち、第1ポンプ18に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第3貯留容器72の第3容器出口73bは、第1ポンプ18と第2流量制御機構20との間の部分のうち、第2流量制御機構20に接続された部分に接続されている。第3貯留容器72は、第3配管16内の第1原料を貯留する。第3貯留容器72は、ボンベ(compressed gas cylinder)のような、内部に高い圧力を加えることが可能な容器でなくてもかまわない。例えば、第3貯留容器72は、第3配管16の配管径を大きくして、より多くの第1原料を貯留可能としたものであってもかまわない。また、第3貯留容器72は、設けられていなくてもかまわない。
【0029】
第1圧力計22は、第1接続部12と第2流量制御機構20の間の第3配管16に設けられている。第2圧力計24は、第1ポンプ18と第2流量制御機構20又は第3貯留容器72の間の第3配管16に設けられている。
【0030】
第3流量制御機構36は、第3入口37aと、第3出口37bと、を有する。第3流量制御機構36は、第2貯留容器32から反応室4に輸送される第2原料の流量を制御する。第3流量制御機構36は、例えば、マスフローコントローラである。第4配管38は、第4配管38aと、第4配管38bと、を有する。第4配管38aと第4配管38bは、例えば、第3接続部42により、互いに接続されている。第4配管38a及び第4配管38bは、第2貯留容器32の第2容器出口33bと第3流量制御機構36の第3入口37aを接続している。第5配管40は、第5配管40aと、第5配管40bと、を有する。第5配管40aと第5配管40bは、例えば、第4接続部44により、互いに接続されている。第5配管40a及び第5配管40bは、第3流量制御機構36の第3出口37bと反応室4を接続している。
【0031】
第6配管46は、第6配管46aと、第6配管46bと、を有する。第6配管46aと第6配管46bは、互いに接続されている。第6配管46bは、第3接続部42において、第4配管38a及び第4配管38bと接続されている。第6配管46aは、第4接続部44において、第5配管40a及び第5配管40bと接続されている。
【0032】
第3接続部42は、第4配管38a、第4配管38b及び第6配管46bに接続されている。第3接続部42は、例えば、T字管である。
【0033】
第4接続部44は、第5配管40a、第5配管40b及び第6配管46aと接続されている。第4接続部44は、第5配管40aを流れる原料を、反応室4又は第6配管46aに供給することが可能である。なお、第4接続部44は、第5配管40aを流れる原料を、反応室4と第6配管46aの両方に供給することが可能であってもかまわない。第4接続部44は、例えば、三方弁である。第4接続部44は、例えば、流路切替弁である。第4接続部44は、例えば、チェンジバルブである。
【0034】
第2ポンプ48は、第2吸気口49aと、第2排気口49bと、を有する。第2ポンプ48は、第6配管46に設けられている。例えば、第2ポンプ48の第2吸気口49aは、第4接続部44の側の、第6配管46に接続されている。また、例えば、第2ポンプ48の第2排気口49bは、第4流量制御機構50の側及び第3接続部42の側の、第6配管46に接続されている。言い換えると、第2ポンプ48の第2吸気口49aは、第6配管46のうちの第4接続部44に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第2ポンプ48の第2排気口49bは、第6配管46のうちの第3接続部42に接続された部分に接続されている。第2ポンプ48は、第5配管40から第4配管38に、第2原料の少なくとも一部を輸送する。
【0035】
第4流量制御機構50は、第4入口51aと、第4出口51bと、を有する。第4流量制御機構50は、第3接続部42と第2ポンプ48の間の第6配管46に設けられている。第4流量制御機構50の第4入口51aは、第6配管46の第2ポンプ48の側に接続されている。第4流量制御機構50の第4出口51bは、第6配管46の第3接続部42の側に接続されている。言い換えると、第4流量制御機構50の第4入口51aは、第6配管46のうちの第3接続部42と第2ポンプ48との間の部分のうち第2ポンプ48に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第4流量制御機構50の第4出口51bは、第6配管46のうちの第3接続部42と第2ポンプ48との間の部分のうち第3接続部42に接続された部分に接続されている。第4流量制御機構50は、第2ポンプ48から第3流量制御機構36に供給する第2原料の量を調整する。第4流量制御機構50としては、特に限定されないが、例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、マスフローコントローラ、流量制御バルブ、又は絞り弁等を好ましく使用できる。
【0036】
第8配管66は、第6配管46に接続可能である。言い換えると、第8配管66は、第6配管46のうち第2ポンプ48と第4流量制御機構50との間の部分に接続可能である。第8配管66は、第2原料を、例えば第4ポンプ96により、第6配管46から半導体製造装置100外に排出する。なお、図1においては、第8配管66は、第8配管66に接続された第7接続部80、及び第7接続部80を介して接続された第9配管70を経由して、第3ポンプ94と第4ポンプ96の間の第8接続部99に接続されている。そして、第6配管46の外部に排出された第2原料は、第4ポンプ96を用いて排出されている。しかし、例えば、第8配管66は、第3ポンプ94及び第4ポンプ96とは異なる、図示しないポンプに接続されていてもかまわない。そして、第6配管46の外部に排出された第2原料は、かかる図示しないポンプを用いて排出されていてもかまわない。また、第8配管66、第6配管46a及び第6配管46bの接続は、例えばT字管である第6接続部78により行われていてもかまわないし、他の方法により行われていてもかまわない。
【0037】
第2調整機構68は、第6入口69aと、第6出口69bと、を有する。第2調整機構68は、第8配管66に設けられている。第2調整機構68の第6入口69aは、第8配管66に接続されている。第2調整機構68の第6出口69bは、第7接続部80を介して、第9配管70に接続されている。第2調整機構68は、第8配管66に排出される第2原料の量を調整する。第2調整機構68としては、特に限定されないが、例えば、バタフライバルブ、ボールバルブ、ニードルバルブ、マスフローコントローラ、流量制御バルブ、又は絞り弁等を好ましく使用できる。また、第2調整機構68は、第6配管46内の圧力が高くなりすぎたときに開いて、第6入口69aから第6出口69bに第2原料を流す、逆止弁であってもかまわない。
【0038】
例えば、第4流量制御機構50の2次側(第4出口51bの側、又は第3接続部42の側)の圧力は、第2原料の供給側(第4配管38内部)と同程度の圧力になるように制御する。また、例えば、第2調整機構68の1次側(第6入口69aの側、又は第6配管46の側)の圧力は、第4流量制御機構50の1次側(第4入口51aの側、又は第4圧力計54の側)の圧力より高くなるように制御する。これにより、第2調整機構68の1次側の圧力と第4流量制御機構50の1次側の圧力の差分に比例する量の、第2原料を、第6配管46aの内部、第6配管46bの内部及び第4貯留容器74の内部に貯留することが可能である。
【0039】
第4貯留容器74は、第4容器入口75aと、第4容器出口75bと、を有する。第4貯留容器74は、第2ポンプ48と第4流量制御機構50の間の第6配管46に設けられている。第4貯留容器74の第4容器入口75aは、第2ポンプ48と第4流量制御機構50の間の第6配管46の、第2ポンプ48に接続された第6配管46に接続されている。第4貯留容器74の第4容器出口75bは、第2ポンプ48と第4流量制御機構50の間の第6配管46の、第4流量制御機構50に接続された第6配管46に接続されている。言い換えると、第4貯留容器74の第4容器入口75aは、第6配管46のうちの第2ポンプ48と第4流量制御機構50との間の部分のうち、第2ポンプ48に接続された部分に接続されている。また、言い換えると、第4貯留容器74の第4容器出口75bは、第2ポンプ48と第4流量制御機構50との間の部分のうち、第4流量制御機構50に接続された部分に接続されている。第4貯留容器74は、第6配管46内の第1原料を貯留する。第4貯留容器74は、ボンベ(compressed gas cylinder)のような、内部に高い圧力を加えることが可能な容器でなくてもかまわない。例えば、第4貯留容器74は、第6配管46の配管径を大きくして、より多くの第2原料を貯留可能としたものであってもかまわない。また、第4貯留容器74は、設けられていなくてもかまわない。
【0040】
第3圧力計52は、第3接続部42と第4流量制御機構50の間の第6配管46に設けられている。第4圧力計54は、第2ポンプ48と第4流量制御機構50又は第4貯留容器74の間の第6配管46に設けられている。
【0041】
第5流量制御機構86は、入口87aと、出口87bと、を有する。第5流量制御機構86は、第5貯留容器82から反応室4に輸送される第3原料の流量を制御する。第5流量制御機構86は、例えば、マスフローコントローラである。第10配管88は、第5貯留容器82の第5容器出口83bと第5流量制御機構86の入口87aを接続している。第11配管90は、第5流量制御機構86の出口87bと反応室4を接続している。
【0042】
なお、第5貯留容器82、第5流量制御機構86、第10配管88及び第11配管90は、設けられていなくてもかまわない。
【0043】
第3貯留容器72の内部の体積は、第4貯留容器74の体積より小さいことが好ましい。
【0044】
図2は、実施形態の第2接続部14の一態様を示す模式図である。第2接続部14は、第1流路切替弁15を有する。ここで、第1流路切替弁15は、バルブ15a、バルブ15b及び接続部15cを有している。第2配管10a、第2配管10b及び第3配管16aは、接続部15cにおいてT字管で接続されている。第2配管10aには、バルブ15bが設けられている。また、第3配管16aには、バルブ15aが設けられている。なお、第2接続部14及び第1流路切替弁15の態様は、図2に示したものに限定されない。
【0045】
図3は、実施形態の第4接続部44の一態様を示す模式図である。第4接続部44は、第2流路切替弁45を有する。ここで、第2流路切替弁45は、バルブ45a、バルブ45b及び接続部45cを有している。第5配管40a、第5配管40b及び第6配管46aは、接続部45cにおいてT字管で接続されている。第5配管40aには、バルブ45bが設けられている。また、第6配管46aには、バルブ45aが設けられている。なお、第4接続部44及び第2流路切替弁45の態様は、図3に示したものに限定されない。
【0046】
次に、実施形態の半導体製造装置100を用いた半導体装置の製造方法について記載する。
【0047】
第1貯留容器2内の第1原料を、第1配管8、第1接続部12、第1流量制御機構6、第2配管10及び第2接続部14を経由して、反応室4の内部に供給する。ここで、第2接続部14は、例えば、第1原料が第3配管16aに流れないように設定する。また、第2流量制御機構20は、例えば、何の原料も流れないように閉じておく。また、第5貯留容器82内の第3原料を、第10配管88、第5流量制御機構86及び第11配管90を経由して、反応室4の内部に供給する。余剰の第1原料及び余剰の第3原料は、第6流量調整機構92、第3ポンプ94及び第4ポンプ96を経由して、反応室4の外部に排出する。
【0048】
次に、第2接続部14を、例えば、第1原料が第3配管16aに送られ、反応室4に送られないように、設定する。第3配管16aに送られた第1原料は、第3配管16aの内部、第3配管16bの内部及び第3貯留容器72の内部に貯留される。第3貯留容器72が設けられていない場合には、第3配管16bに送られた第1原料は、第3配管16aの内部及び第3配管16bの内部に貯留される。ここで、第2圧力計24を用いて第3配管16b内の圧力や第3貯留容器72内の圧力を測定し、第3配管16bの内部や第3貯留容器72の内部に貯留された第1原料の量を見積もることは好ましい。また、第3配管16bの内部又は第3貯留容器72の内部に多くの第1原料が貯留され、第3配管16bの内部又は第3貯留容器72の内部の圧力が高くなりすぎた場合には、第1調整機構64を用いて、第3配管16bの内部又は第3貯留容器72の内部に貯留された第1原料の一部を排出しても良い。
【0049】
また、第2貯留容器32内の第2原料を、第4配管38、第3接続部42、第3流量制御機構36、第5配管40及び第4接続部44を経由して、反応室4の内部に供給する。ここで、第4接続部44は、例えば、第2原料が第6配管46aに送られないように設定する。また、第4流量制御機構50は、例えば、何の原料も流れないように閉じておく。余剰の第2原料及び余剰の第3原料は、第6流量調整機構92、第3ポンプ94及び第4ポンプ96を経由して、反応室4の外部に排出する。
【0050】
次に、第4接続部44を、例えば、第2原料が第6配管46aに送られ、反応室4に送られないように、設定する。第6配管46aに送られた第2原料は、第6配管46aの内部、第6配管46bの内部及び第4貯留容器74の内部に貯留される。第4貯留容器74が設けられていない場合には、第6配管46bに送られた第2原料は、第6配管46aの内部及び第6配管46bの内部に貯留される。ここで、第4圧力計54を用いて第6配管46b内の圧力や第4貯留容器74内の圧力を測定し、第6配管46b内や第4貯留容器74内に貯留された第2原料の量を見積もることは好ましい。また、第6配管46bの内部又は第4貯留容器74の内部に多くの第2原料が貯留され、第6配管46bの内部又は第4貯留容器74の内部の圧力が高くなりすぎた場合には、第2調整機構68を用いて、第6配管46bの内部又は第4貯留容器74の内部に貯留された第2原料の一部を排出しても良い。
【0051】
また、第1貯留容器2内の第1原料を、第1配管8、第1接続部12、第1流量制御機構6、第2配管10及び第2接続部14を経由して、反応室4の内部に供給する。ここで、さらに、第3配管16a、第3配管16b又は第3貯留容器72の内部に貯留された第1原料を、第2流量制御機構20、第1接続部12、第1流量制御機構6、第2配管10及び第2接続部14を経由して、反応室4の内部に供給する。例えば、第2流量制御機構20がバタフライバルブ等である場合には、かかるバタフライバルブ等の開度を適切に制御して、第1流量制御機構6を経由して反応室4に適切な量の第1原料が送られるようにする。ここで、例えば、第1圧力計22により測定した、第2流量制御機構20と第1接続部12の間の第3配管16bの圧力を用いて、かかるバタフライバルブ等の開度を調整することは好ましい。なお、第2接続部14は、例えば、第1原料が第3配管16aに送られないように設定する。
【0052】
次に、第2接続部14を、例えば、第1原料が第3配管16aに送られ、反応室4に送られないように、設定する。また、第2貯留容器32内の第2原料を、第4配管38、第3接続部42、第3流量制御機構36、第5配管40及び第4接続部44を経由して、反応室4の内部に供給する。ここで、さらに、第6配管46a、第6配管46b又は第4貯留容器74の内部に貯留された第2原料を、第4流量制御機構50、第3接続部42、第3流量制御機構36、第5配管40及び第4接続部44を経由して、反応室4の内部に供給する。例えば、第4流量制御機構50がバタフライバルブ等である場合には、かかるバタフライバルブ等の開度を適切に制御して、第3流量制御機構36を経由して反応室4に適切な量の第2原料が送られるようにする。ここで、例えば、第3圧力計52により測定した、第4流量制御機構50と第3接続部42の間の第6配管46bの圧力を用いて、かかるバタフライバルブ等の開度を調整することは好ましい。なお、第4接続部44は、例えば、第2原料が第6配管46aに送られないように設定する。
【0053】
以上の動作を繰り返し行い、半導体装置を製造する。
【0054】
図4は、実施形態の半導体製造装置100を用いた半導体装置の製造工程の一態様を示す模式断面図である。第1原料として、フッ素供給エッチングガスである六フッ化硫黄(SF)を用いている。第2原料として、フッ化炭化水素であるオクタフルオロシクロブタン(C)を用いている。
【0055】
反応室4内に配置された、シリコン(Si)基板等である半導体基板202の上に、幅Lの開口部204を有するマスク210が設けられている。開口部204の下に、間隙212aが形成されている。間隙212aの側面には、スキャロップ206aが形成されている。ここで、反応室4内に、第2原料であるオクタフルオロシクロブタン(C)を供給する。そして、間隙212aの側面及び底面に、オクタフルオロシクロブタン(C)から形成されたCF(四フッ化炭素)系ラジカルを用いて、保護膜208aを形成する(図4(a))。
【0056】
次に、反応室4内に、第1原料である六フッ化硫黄(SF)を供給する。そして、六フッ化硫黄(SF)から形成されたF系イオンを用いて、異方性エッチングにより、間隙212aの底面に形成された保護膜208aの一部を除去する(図4(b))。
【0057】
次に、間隙212aの底面の下に、例えば六フッ化硫黄(SF)から形成されたF(フッ素)系ラジカルを用いた等方性エッチングにより、間隙212bを形成する。間隙212bの側面には、スキャロップ206bが形成される。次に、間隙212bの側面及び底面に、オクタフルオロシクロブタン(C)から形成されたCF(四フッ化炭素)系ラジカルを用いて、例えばフッ化炭素を含む保護膜208bを形成する(図4(c))。
【0058】
以上の工程を繰り返し行うことにより、半導体基板202のダイシングを行うことが可能である。
【0059】
また、第1原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)、テトラキスジメチルアミドチタニウム(TDMAT)又はテトラキスジエチルアミノハフニウム(TDEAH)を用い、第2原料として水(HO)ガスを用いた場合、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)により、酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜又は酸化ハフニウム膜を形成することが可能である。
【0060】
次に、実施形態の半導体装置の作用効果を記載する。
【0061】
複数の原料の供給を切り替えながら、反応室内に原料を供給して半導体装置を製造する場合を考える。かかる場合、マスフローコントローラ等の流量制御機構を用いて、供給される原料の流量を一定に制御しようとすると、原料の供給の切り替えの際に、切り替えの遅延の発生や流量の不安定さの発生のために、製造される半導体装置に不良が発生しやすくなるという問題があった。
【0062】
かかる問題を回避するために、流量制御機構を用いて反応室への原料供給量を一定に制御しつつ、反応室内に原料を供給する配管と原料を排出する配管を三方弁等により切り替えることが考えられる。しかし、排出される原料が多くなり、原料の使用効率が低下するという問題があった。
【0063】
そこで実施形態の半導体装置は、第1接続部12において第1配管8と接続され、第2接続部14において第2配管10と接続された第3配管16と、第2接続部14の側の第3配管16に接続された第1吸気口19aと、第1接続部12の側の第3配管16に接続された第1排気口19bと、を有し、第2配管10から第1配管8に第1原料を輸送する第1ポンプ18と、第1接続部12と第1ポンプ18の間の第1ポンプの側の、第3配管16に接続された第2入口21aと、第1接続部12と第1ポンプ18の間の第1接続部12の側の、第3配管16に接続された第2出口21bと、を有し、第1ポンプ18から第1流量制御機構6に供給される第1原料の流量を制御する第2流量制御機構20を備える。これにより、第2接続部14から排出される予定であった第1原料を、再び反応室4に供給することが可能となる。そのため、原料の使用効率が高い半導体製造装置の提供が可能となる。
【0064】
同様に、第3接続部42において第4配管38と接続され、第4接続部44において第5配管40と接続された第6配管46と、第4接続部44の側の第6配管46に接続された第2吸気口49aと、第3接続部42の側の第6配管46に接続された第2排気口49bと、を有し、第5配管40から第4配管38に第2原料を輸送する第2ポンプ48と、第3接続部42と第2ポンプ48の間の第2ポンプ48の側の、第6配管46に接続された第4入口51aと、第3接続部42と第2ポンプ48の間の第3接続部42の側の、第6配管46に接続された第4出口51bと、を有し、第2ポンプ48から第3流量制御機構36に供給される第2原料の流量を制御する第4流量制御機構50を備えることにより、第4接続部44から排出される予定であった第2原料を、再び反応室4に供給することが可能となる。そのため、原料の使用効率が高い半導体製造装置の提供が可能となる。
【0065】
第1ポンプ18と第2流量制御機構20の間の第3配管16に接続可能であり、第1原料を第3配管16の外部に排出する第7配管62と、第7配管62に接続された第5入口65aと、第5出口65bと、を有し、第7配管62に排出される第1原料の量を調整する第1調整機構64と、をさらに備えることにより、第3配管16の内部の圧力が高くなりすぎた場合に、第3配管16から第1原料を排出することが出来る。このため、半導体製造装置の故障を抑制することが可能である。
【0066】
第2ポンプ48と第4流量制御機構50の間の第6配管46に接続可能であり、第2原料を第6配管46の外部に排出する第8配管66と、第8配管66に接続された第6入口69aと、第6出口69bと、を有し、第8配管66に排出される第2原料の量を調整する第2調整機構68と、をさらに備えることにより、第6配管46の内部の圧力が高くなりすぎた場合に、第6配管46から第2原料を排出することが出来る。このため、半導体製造装置の故障を抑制することが可能である。
【0067】
第3貯留容器72をさらに備えることにより、より多くの第1原料を第2接続部14から第1接続部12を経由して再び反応室4に供給することが出来る。そのため、さらに原料の使用効率が高い半導体製造装置の提供が可能となる。
【0068】
第4貯留容器74をさらに備えることにより、より多くの第2原料を第4接続部44から第3接続部42を経由して再び反応室4に供給することが出来る。そのため、さらに原料の使用効率が高い半導体製造装置の提供が可能となる。
【0069】
第1原料がフッ素供給エッチングガスであり、第2原料がフッ化炭化水素である場合、シリコン(Si)基板等の半導体基板のダイシングに適している。特に第1原料が六フッ化硫黄(SF)であり、第2原料がオクタフルオロシクロブタン(C)であることが好ましい。また。この場合、使用される六フッ化硫黄(SF)の体積は、使用されるオクタフルオロシクロブタン(C)の体積よりも小さくなる。そのため、第3貯留容器72の内部の体積は、第4貯留容器74の体積より小さいことが好ましい。
【0070】
実施形態の半導体製造装置によれば、原料の使用効率が高い半導体製造装置の提供が可能となる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
2 :第1貯留容器
3b :第1容器出口
4 :反応室
6 :第1流量制御機構
7a :第1入口
7b :第1出口
8 :第1配管
10 :第2配管
12 :第1接続部
14 :第2接続部
15 :第1流路切替弁
16 :第3配管
18 :第1ポンプ
19a :第1吸気口
19b :第1排気口
20 :第2流量制御機構
21a :第2入口
21b :第2出口
32 :第2貯留容器
33a :第2容器入口
33b :第2容器出口
36 :第3流量制御機構
37a :第3入口
37b :第3出口
38 :第4配管
40 :第5配管
42 :第3接続部
44 :第4接続部
45 :第2流路切替弁
46 :第6配管
48 :第2ポンプ
49a :第2吸気口
49b :第2排気口
50 :第4流量制御機構
51a :第4入口
51b :第4出口
62 :第7配管
64 :第1調整機構
65a :第5入口
65b :第5出口
66 :第8配管
68 :第2調整機構
69a :第6入口
69b :第6出口
70 :第9配管
72 :第3貯留容器
73a :第3容器入口
73b :第3容器出口
74 :第4貯留容器
74a :第4容器入口
74b :第4容器出口
100 :半導体製造装置
図1
図2
図3
図4