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特許7508460スタンピングを伴う外科用ステープラ用フレーム及び関連する製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】スタンピングを伴う外科用ステープラ用フレーム及び関連する製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021538246
(86)(22)【出願日】2019-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2019061247
(87)【国際公開番号】W WO2020141401
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】16/236,703
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ナラガトラ・アニル・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】バイラギ・ソホム
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ・ヨゲシュ
(72)【発明者】
【氏名】アチャリヤ・サンビット・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ダッシュ・チンマヤ・ランジャン
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0153544(US,A1)
【文献】特表2017-511221(JP,A)
【文献】特開平06-165785(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0153546(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0153551(US,A1)
【文献】特開2006-320720(JP,A)
【文献】特開昭61-106144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068-17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した外科用ステープラのフレームを製造する方法であって、
(a)前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第1の部分を製造することであって、前記第1の部分は、第1の曲線部分と、第1の位置合わせ機構と、を含む、ことと、
(b)前記第1の部分から分離した、前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第2の部分を製造することであって、前記第2の部分は、第2の曲線部分と、第2の位置合わせ機構を含む、ことと、
(c)前記第1の部分又は前記第2の部分のいずれか一方から分離した、前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第3の部分を製造することであって、前記第3の部分は、C字形トラックを含む、ことと、
(d)前記湾曲した外科用ステープラの前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構を位置合わせすることによって、前記第1の部分を前記第2の部分と位置合わせすることと、
(e)前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの前記第1の部分前記第2の部分及び前記第3の部分を共に連結して、前記第1及び第2の部分を近位側から見て左右に配置し、前記第3の部分を前記第1及び第2の部分の遠位側に配置することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の部分及び前記第2の部分を製造することは、前記第1の部分及び前記第2の部分を金属射出成形すること、前記第1の部分及び前記第2の部分を3D印刷すること、又は前記第1の部分及び前記第2の部分をスタンピングすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部分をスタンピングすることは、金属材料の平面シートから前記第1の部分を切断し、続いて、前記第1の部分を屈曲させることを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の部分は、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構と位置合わせするよう構成された第3の位置合わせ機構を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の部分を前記第2の部分と位置合わせすることは、前記第1の位置合わせ機構、前記第2の位置合わせ機構、及び前記第3の位置合わせ機構を使用して、前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分を共に位置合わせすることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の位置合わせ機構は、前記第1の部分を貫通して延在する開口を含み、前記第2の位置合わせ機構は、前記第2の部分を貫通して延在する開口を含み、前記第3の位置合わせ機構は、前記第3の部分を貫通して延在する開口を含み、
前記第1の部分及び前記第2の部分を共に連結することは、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構、及び前記第3の部分の前記第3の位置合わせ機構に締結部を挿入することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記第1の曲線部分から遠位に延在する第1の接続部分と、前記第1の接続部分から遠位に延在する第1の遠位アンビル支持部分と、を含み、前記第2の部分は、前記第2の曲線部分から遠位に延在する第2の接続部分と、前記第2の接続部分から遠位に延在する第2の遠位アンビル支持部分と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームの前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記第1の部分及び前記第2の部分を共に連結する前に、互いから完全に分離している、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置しており、前記第1の部分及び前記第2の部分が共に連結されると、前記フレームの外側表面に沿って見えなくなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構は、少なくとも1つの凸部又は少なくとも1つの凹部を含み、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構は、前記凸部又は前記凹部のうちの他方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のシャフト位置合わせ機構を含む第1のハンドルフレームをスタンピングすることと、
第2のシャフト位置合わせ機構を含む第2のハンドルフレームをスタンピングすることと、
少なくとも1つの締結部を使用して、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構を前記第1のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、前記第1の部分を前記第1のハンドルフレームに連結することと、
少なくとも1つの締結部を使用して、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構を前記第2のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、前記第2の部分を前記第2のハンドルフレームに連結することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のハンドルフレームは、第1の細長いシャフト部分と、第1のハンドル部分と、を含み、前記第2のハンドルフレームは、第2の細長いシャフト部分と、第2のハンドル部分と、を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ステープラのいくつかは、1つ以上の患者の組織層を押さえ付けて、組織層を貫通するようにステープルを形成し、形成されたステープルの付近の組織層同士を実質的に封止し、組織層を切り開き、作動的に封止された組織の切断端を形成するように動作可能である。例示的ステープル留め器具は、一対の協働する細長い顎部材を含むことがあり、各顎部材が患者の中に挿入され、ステープル留め及び/又は切開される組織に対して配置されるように適合され得る。顎部材のうちの一方は、横方向に離れて配置された少なくとも2列のステープルを中に収容したステープルカートリッジを支持することができ、他方の顎部材は、ステープルカートリッジ内のステープル列と位置合わせされたステープル形成ポケットを有するアンビルを支持することができる。概して、ステープル留め器具は、顎部材に対して摺動可能な押し込みバー及びナイフブレードを更に含むことがあり、これらが押し込みバー上のカム面、及び/又は押し込みバーによって押し込まれるウェッジスレッド上のカム面を介して、ステープルカートリッジからステープルを連続的に又は同時に排出することができる。ステープルをアンビルに対して押し付け、顎部材の間で把持された組織内に変形したステープルの横方向に離れて配置された列を形成するために、カートリッジによって保持され、ステープルと関連付けられた1つ以上のステープルドライバを作動させるように、カム面を構成し得る。このような列は、患者の組織を所定のパターンの形態で連続的に又は同時にステープル留め及び切断するための直線状の列及び/又は弓状の列として配置し得る。ナイフブレードは、カム面を追跡し、組織内に形成されたステープルの列の間の直線状又は弓状の線に沿って組織を切断し得る。
【0002】
単に例示的な外科用ステープラが、2006年1月24日に発行された「Retaining Pin Lever Advancement Mechanism for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第6,988,650号;2006年11月14日に発行された「Knife Retraction Arm for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,134,587号;2006年12月12日に発行された「Closure Plate Lockout for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,147,139号、2006年12月12日に発行された「Cartridge Retainer for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,147,140号;2007年4月17日に発行された「Slotted Pins Guiding Knife in a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,204,404号;及び2007年4月24日に発行された「Cartridge with Locking Knife for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,207,472号に開示されている。上に引用した米国特許の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。更なる単なる例示的な外科用ステープラは、現在は放棄されている2005年6月30日に公開された発明の名称が「Replaceable Cartridge Module for a Surgical Stapling and Cutting Instrument」である米国特許出願公開第2005/0139636号、現在は放棄されている2005年6月30日に公開された発明の名称が「Curved Cutter Stapler Shaped For Male Pelvis」である米国特許出願公開第2005/0143759号、現在は放棄されている2005年7月7日に公開された発明の名称が「Curved Cutter Stapler with Aligned Tissue Retention Feature」である米国特許出願公開第2005/0145672号に開示されている。上に引用した米国特許出願公開の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
外科用ステープラを患者内に挿入して、結腸直腸外科手術を行うことができる。このような手術は、患者の結腸を全体的に又は部分的に作動的に封止、切断、及び除去するためにステープラを使用することを含み得る。例えば、結腸直腸癌細胞の拡散を処置及び防止するための低位前方切除(「LAR」)の間に直腸結腸切除を行うことができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の状況及び処置において使用され得る。
【0004】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれていると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【0006】
図1A】ピン作動機構が開位置にあり、ステープルカートリッジが開位置にある、例示的な外科用ステープル留め器具の右前方斜視図である。
図1B】ピン作動機構が閉位置にあり、ステープルカートリッジが開位置にある、図1Aの外科用ステープル留め器具の右前方斜視図である。
図1C】ピン作動機構が閉位置にあり、閉鎖機構の作動によりステープルカートリッジが閉位置にある、図1Aの外科用ステープル留め器具の右前方斜視図である。
図1D】ピン作動機構及びステープルカートリッジが閉位置にあり、患者の組織をステープル留め及び切断するための発射トリガーが発射位置にある、図1Aの外科用ステープル留め器具の右前方斜視図である。
図2】エンドエフェクタの残部から取り外されたステープルカートリッジを示す、図1Aの外科用ステープル留め器具の右前方部分分解斜視図である。
図3図1の外科用ステープル留め器具に組み込むことができる第1の例示的なフレームの右後方斜視図である。
図4図3のフレームの遠位部分の右後方拡大斜視図である。
図5】フレームが、締結部によって共に連結される、左及び右のハンドルフレーム、左及び右の支持プレート、遠位アンビル支持部分、並びにインサートを含む、図3のフレームの右後方分解斜視図である。
図6図4の遠位部分の左上方斜視図である。
図7】フレームを共に連結する締結部を有する、図6の遠位部分の左上方断面図である。
図8図4の遠位部分の右下方斜視図である。
図9図4の遠位部分の左後方斜視図である。
図10A】屈曲される前の、図1の外科用ステープル留め器具に組み込まれ得る第2の例示的なフレームの遠位部分の斜視図である。
図10B】屈曲された後の図10Aのフレームの遠位部分の斜視図である。
図10C】屈曲及び溶接され、シャフトフレームと連結された後の図10Bのフレームの遠位部分の斜視図である。
図11図10Bの線11-11に沿って取られた図10Bのフレームの遠位部分の遠位アンビル支持部分の断面図である。
図12図1の外科用ステープル留め器具に組み込むことができる第3の例示的なフレームの右後方斜視図である。
図13図12のフレームの遠位部分の右後方拡大斜視図である。
図14】フレームが、左及び右のハンドルフレーム、左及び右のエンドエフェクタフレーム部分、並びにインサートを含む、図12のフレームの右後方分解斜視図である。
図15図13の左及び右の遠位エンドエフェクタフレーム部分、並びにインサートを含む、エンドエフェクタフレームの右上方斜視図である。
図16】内部位置合わせ機構及び締結部を含む図15のエンドエフェクタ部分の右上方断面図である。
図17】締結部がエンドエフェクタフレームを通って延在する図15のエンドエフェクタフレームの右上方拡大断面図である。
図18図12のエンドエフェクタフレームの右平面図である。
図19図12のエンドエフェクタフレームの左平面図である。
図20図14の左のエンドエフェクタフレーム部分の左斜視図である。
図21図20の左のエンドエフェクタフレーム部分の右平面図である。
図22図20の左のエンドエフェクタフレーム部分の左平面図である。
図23図14の右のエンドエフェクタフレーム部分の右斜視図である。
図24図23の右のエンドエフェクタフレーム部分の左平面図である。
図25図23の右のエンドエフェクタフレーム部分の右平面図である。
図26図14のインサートの左前方斜視図である。
図27図26のインサートの後方平面図である。
図28図26のインサートの右平面図である。
図29図1の外科用ステープル留め器具に組み込むことができる第4の例示的なフレームの右後方斜視図である。
図30図29のフレームのエンドエフェクタフレームの右後方斜視図である。
図31図30のエンドエフェクタフレームの左後方斜視図である。
図32図1の外科用ステープル留め器具に組み込まれ得る図3のフレームを製造する例示的な方法を示す図である。
図33図1の外科用ステープル留め器具に組み込まれ得る図14のフレームを製造する例示的な方法を示す図である。
【0007】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴部/機構、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0010】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。便宜的に、かつ明確にするために、「垂直」、「水平」、「下側」、「上側」、「前方」、「後方」など、空間に関する用語は、本明細書において、図面を基準にして用いられることが更に理解されるだろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0011】
I.例示的な外科用ステープラ
図1Aは、例示的な外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示し、この器具は、ハンドル組立体(12)、シャフト組立体(14)、及びシャフト組立体(14)から遠位に突出するエンドエフェクタ(16)を含む。本明細書では、「近位」、「遠位」、「右」、「左」といった用語は、外科用ステープル留め器具(10)のハンドル組立体(12)を握っている臨床医を基準として使用されることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(16)は、比較的近位にあるハンドル組立体(14)に対して遠位にある。本明細書において他に記載のない限り、器具(10)は、開示が参照により本明細書に組み込まれている、現在は放棄されている2005年6月30日に公開された発明の名称が「Curved Cutter Stapler Shaped For Male Pelvis」である米国特許出願公開第2005/0143759号、及び/又は2017年2月2日に公開された発明の名称が「Surgical Instrument Comprising Systems for Assuring the Proper Sequential Operation of the Surgical Instrument」である米国特許出願公開第2017/0027571号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成され得、動作可能であり得る。
【0012】
ハンドル組立体(12)は、外科手術中にエンドエフェクタ(16)を操縦するためのいくつかの作動機構を含む。このために、例示的なハンドル組立体(12)が、鞍部形のスライド(18)と、閉鎖トリガー(20)と、シャフト組立体(14)を介してエンドエフェクタ(16)と連通する発射トリガー(22)とを含む。図1Aに示すように、スライド(18)及び閉鎖トリガー(20)は、エンドエフェクタ(16)がエンドエフェクタ(16)のアンビル(26)とカートリッジ(28)との間の間隙(25)内で横方向に組織を受け入れるように構成されるように、開放形態にある。スライド(18)をエンドエフェクタ(16)に向かって遠位に並進させることにより、アンビル(26)とカートリッジ(28)との間で組織を捕捉するためのエンドエフェクタの保持ピン(30)を図1Bに示すように遠位にスライドさせる。図1C及び図1Dについて、閉鎖トリガー(20)及び発射トリガー(22)を連続的に作動させることにより、それぞれ、閉鎖形態においてアンビル(26)とカートリッジ(28)との間の組織を圧縮し、次いで組織内に複数のステープル(図示せず)を形成し、治療のために組織をナイフ(図示せず)で切断する。これらの例示的な作動機構に関する追加の詳細は、以下により詳細に提供される。
【0013】
A.例示的なハンドルアセンブリ及びシャフトアセンブリ
図1Aに示すように、ハンドル組立体(12)は、簡単に前述したように、ハンドルハウジング(34)と、シャフト組立体(14)に沿って延びるハンドルハウジング(34)内の一対のハンドルフレームプレート(35、36)と、鞍部形スライド(18)と、閉鎖トリガー(20)と、発射トリガー(22)とを有する。ハンドルハウジング(34)は、外科医等のオペレータが少なくとも片手の掌で把持するハンドグリップ(38)を画定する。ハンドルハウジング(34)は、右シュラウドハンドル部分(40)と左シュラウドハンドル部分(42)とによって形成される。閉鎖トリガー(20)は発射トリガー(22)に対して近位に位置決めされ、それぞれフレームプレート(35、36)に枢着され、オペレータの指で操作されるようにハンドル組立体(12)の残部の下に延びる。閉鎖及び発射トリガー(20、22)は、エンドエフェクタ(16)及び発射ステープル(図示せず)及び/又はナイフを閉じる前の非作動位置で示されている。したがって、カートリッジ(28)は、その間の間隙(25)内で組織を受け入れるためにアンビル(26)から離隔されている。
【0014】
外科用ステープル留め器具(10)は、閉鎖及び発射トリガー(20、22)の作動より前に組織保持ピン作動機構(37)によって組織を捕捉する。保持ピン作動機構(37)は、ハンドルハウジング(34)の上面に取り付けられ、近位位置と遠位位置との間で直線的に並進するように構成されている。スライド(18)はスロット(48)に沿って摺動する(図1Aを参照)。スライド(18)の遠位の移動が、プッシュロッド(50)をシャフト組立体(14)に沿って近位に同様に摺動させて保持ピン(30)(図1B参照)を閉鎖形態に移動させるように、プッシュロッド(50)の遠位端が保持ピン(30)に連結しており、これについてはより詳細に後述する。
【0015】
閉鎖トリガー(20)を含む閉鎖機構(52)は、組織をステープル留め及び/又は切断することを予期して、閉鎖態様にあるアンビル(26)とカートリッジ(28)との間に位置決めされた組織に向かってカートリッジ(28)を選択的に移動させるように構成される。閉鎖機構(52)は、略U字形の断面を有する細長い閉鎖部材(54)を更に含み、この閉鎖部材は、ハンドル組立体(12)から遠位にシャフト組立体(14)を通ってエンドエフェクタ(16)内へ延び、エンドエフェクタは、後述するようにカートリッジ(28)(図2参照)をその遠位端部分で受け入れる。閉鎖部材(54)の近位端部分は、閉鎖トリガー(20)の枢動運動を閉鎖部材(54)の並進に変換するように構成された複数のリンク部によって閉鎖トリガー(20)に作動的に連結されている。より具体的には、閉鎖部材(54)の中間部及び近位端部分は、左右のハンドルフレームプレート(35、36)間のハンドル組立体(12)を通って延びる。閉鎖トリガ(20)は、スロット付き閉鎖アームリンク(62)からハンドグリップ(38)に向かってかつハンドグリップ(38)から離れるように下降する。閉鎖部材(54)は、オペレータが閉鎖トリガー(20)を握り締めている間、組織保持ピン作動機構(37)の移動を導いて、保持ピン(30)の移動を閉鎖形態へ自動的に導くように更に構成される。このような自動化は、トリガー(20)を作動させる前にオペレータが手動でスライド(18)を遠位位置に移動させなかった場合に有用となり得る。これによって、トリガー(20)を作動させる前にオペレータが手動でスライド(18)を遠位位置に操作しなかった場合には、スライド(18)が、ハンドルハウジング(34)に沿って近位位置から遠位位置へ引っ張られる。
【0016】
オペレータは、図1Cに示すように、閉鎖トリガー(20)をハンドグリップ(38)へと更に握り締め、簡単に前述したように、ステープル(図示せず)を形成して組織を切断する前に、外科用ステープル留め器具(10)を閉鎖形態に効果的に設定する。例示的なハンドル組立体(12)は、オペレータが、図1Dに示すように発射トリガー(22)を閉鎖トリガー(20)に向けて操作すると、発射機構(80)を介してステープル(図示せず)を形成して組織を切断するように構成される。図1C図1Dに関して、発射トリガー(22)を含む発射機構(80)は、ハンドル組立体(12)からエンドエフェクタ(16)内に遠位に延びる。
【0017】
トリガー(20、22)の一方又は両方が発射位置にある間、又は非作動位置と発射位置との間の中間位置にある間に、閉鎖及び発射トリガー(20、22)の一方又は両方をオペレータが解除すると、外科用ステープル留め器具(10)は、様々な形態のうちの1つに解除可能に係止されるように更に構成することができる。次いで、オペレータは、外科手術の間にハンドグリップ(38)を解放して1つ以上の手を別のタスクのために空けて、必要に応じて、解除ボタン(24)によって外科用ステープル留め器具(10)をそのロック位置から解除することができる。
【0018】
本例の外科用ステープル留め器具(10)は、ハンドル組立体(12)からエンドエフェクタ(16)へ連続的に延び、それによってその間に延びるシャフト組立体(14)を画定する、各ハンドルフレームプレート(35、36)、プッシュロッド(50)、閉鎖部材(54)、及び発射バーを含む。外科用ステープル留め器具(10)のハンドルフレームプレート(35、36)、プッシュロッド(50)、閉鎖部材(54)、及び発射バーは、ハンドル組立体(12)から遠位に延びる細長い部品からなるサブセットのみをシャフト組立体(14)として提供する。代替的に、シャフト組立体(14)は、関節接合部など追加の構成要素を含んでもよいし、シャフト組立体(14)がハンドル組立体(12)に対してモジュール化されるように様々な構成要素の再配置を含んでもよい。いずれの場合も、本発明は、本明細書に記載のシャフト組立体(14)に限定されるものではなく、エンドエフェクタ(16)をハンドル組立体(12)に作動的に連結するための様々な代替構成を含むことができることが理解されよう。当然のことながら、ハンドル組立体(12)及びシャフト組立体(14)は、上記したもののいずれかに加えて又はその代わりに様々な他の構成要素、特徴、及び動作性を有することができる。ハンドル及びシャフト組立体(12、14)の他の好適な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0019】
B.例示的なエンドエフェクタ
エンドエフェクタ(16)は、アンビル(26)と、複数のステープル(図示せず)及びナイフ(図示せず)を含む交換可能なカートリッジ(28)と、保持ピン(30)と、を含む。本例のエンドエフェクタ(16)は、様々な構成要素を有する交換可能なカートリッジ(28)と併せて使用するよう適合されているが、本発明の根底にある概念は、患者を治療するための様々なエンドエフェクタ及びカートリッジ構造体に適用できることが理解されよう。
【0020】
エンドエフェクタ(16)は、C字形支持構造体(128)内に受け入れられたカートリッジ(28)を含む外科用締結組立体を提供する。「C字形」という用語は、本明細書の全体を通じて、支持構造体(128)及びカートリッジ(28)の凹面性を表すために用いられている。C字形構造体は、機能性及び患者内の組織へのアクセスの向上を容易にする。本明細書で使用する「C字形」という用語は、同様に外科用ステープル留め及び切断器具の機能性を向上させるであろう様々な凹形状を含むと解釈されるべきである。あくまで例として、支持構造体(128)のC字形は、例えば、直腸結腸切除手術においてLARを実施するために、患者の骨盤ボウル内の下部結腸へのアクセスを促進するように寸法決めすることができる。エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)は、肩リベット(129)及び支柱(130)によってシャフト組立体(14)のハンドルフレームプレート(35、36)にそれぞれ取り付けられ、支柱(130)は、支持構造体(128)からハンドルフレームプレート(35、36)の受容穴内に延びている。閉鎖部材(54)の遠位端は、カートリッジ(28)を閉鎖形態に導くために、カートリッジ(28)をその上部に受け入れるように配置される。
【0021】
カートリッジ(28)は、カートリッジハウジング(132)に結合されたアンビル(26)を含む。カートリッジ(28)はまた、保持ピン(30)及び組織接触表面(34)を含む。ステープル(図示せず)は、カートリッジハウジング(132)の組織接触面(134)に対向するアンビル(26)のステープル形成面に対してカートリッジハウジング(132)から発射される。カートリッジ(28)は、カートリッジ(28)の様々な部分との意図しない接触を防止するために、使用の前及び/又は後でアンビル(26)と組織接触面(34)との間に格納される取外し可能な保定具(図示せず)を含むことができる。
【0022】
C.例示的なカートリッジ作動
本例では、カートリッジ(28)は、ハンドル組立体(12)に関して前述したようにカートリッジ(28)とアンビル(26)との間に組織が配置される閉鎖形態に達するまで、閉鎖部材(54)によってアンビル(26)に向けて駆動される。カートリッジ(28)の作動は、この例では、組織をステープル留め及び切断することを含むが、これらのステップのうちの1つ以上は、オペレータによって必要に応じて処置から省略されてもよいことが理解されよう。更に、外科用ステープル留め器具(10)は、これらのステップを必要に応じて同時に又は連続的に実行するように再構成することができることが理解されよう。したがって、本発明は、外科用ステープル留め器具(10)の特定の操作又は関連する処置に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0023】
図1Aに示すように、開放形態において間隙(25)内に組織を受け入れるように、カートリッジ(28)はアンビル(26)から近位に離隔される。カートリッジ(28)とアンビル(26)との間に組織を受け入れた状態で、オペレータは、スライド(18)によってプッシュロッド(50)を手動で遠位に導く。したがって、プッシュロッド(50)を遠位に並進させることによって、同様に、カートリッジ(28)からアンビル(26)に延びるように保持ピン(30)を並進させて、保持ピン(30)とガイドピン(166)との間で組織を捕捉する。
【0024】
図1Cに示すように、閉鎖トリガー(20)の操作は、閉鎖部材(54)をエンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)に対して遠位に並進させる。閉鎖部材(54)は、カートリッジ(28)を上部に支持し、閉鎖部材(54)を遠位に並進させることによって、同様に、発射バー及びカートリッジ(28)をアンビル(26)に向かって移動させるようにする。カートリッジ(28)が閉鎖形態にあり、組織がエンドエフェクタ(16)内に効果的に捕捉された状態で、オペレータは発射トリガー(22)(図1Dを参照)をアンビル(26)に向けて発射位置へ操作する。発射すると、オペレータは、解除ボタン(24)を押下して、閉鎖部材(54)及び発射バーを作動発射位置から非作動位置へ近位に引き込めることができる。ほぼ同時に、カートリッジ(28)が閉鎖部材(54)と共に近位に並進し、カートリッジハウジング(132)が適所に保持される。次いで、カートリッジ(28)は、エンドエフェクタ(16)の支持構造体(128)から取り外され、廃棄され、必要であれば更なる処置のために交換されることができる。当然のことながら、外科用ステープル留め器具(10)を使用することができる様々な適当な状況及び手術は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるであろう。
【0025】
II.例示的なフレーム及び製造方法
いくつかの従来の製造プロセスでは、器具(10)のエンドエフェクタフレーム(例えば、支持構造体(128)を含むエンドエフェクタフレーム)は、材料(例えば、金属)の単一の固形ブロックから機械加工され得る。結果として、この支持構造体(128)の機械加工は、両方とも望ましくないことであるが、時間がかかり高価である場合がある。結果として、より速く、より効率的で、より費用効率の高いプロセス又はプロセスのシステムを使用してフレームを製造することが所望されている。本質的に縮小させることを伴う従来の機械加工の手法はまた、材料の単一の固形ブロックから除去される材料の廃棄物を生成する場合があるため、非効率であると考えられる場合がある。加えて、支持構造体(128)の特定の部分及び機構は、器具(10)の性能を向上させるためのより厳格な許容度を有する一方で、支持構造体(128)の他の特定の部分及び機構は、正確な寸法の有意性がより小さい、より寛容な許容度を有し得ることが所望され得る。例えば、より厳格な許容度は、エンドエフェクタ(16)とステープルカートリッジ(28)との連結を補助する表面、及びハンドルフレームプレート(35、36)と器具(10)のエンドエフェクタフレームとの連結を補助する表面にとって好ましい場合がある。したがって、フレーム(210、310、410、510)を効率的に、費用効果的に、かつ頑丈に製造することが所望される。様々な例示的な代替のフレーム(210、310、410、510)及び関連する製造手法について、以下でより詳細に説明する。
【0026】
A.第1の例示的なフレーム
図3図9は、図1の外科用ステープル留め器具(10)に組み込まれ得る第1の例示的なフレーム(210)を示す。図3は、シャフトフレーム(212)と、シャフトフレーム(212)から遠位に延在するエンドエフェクタフレーム(214)と、を含むものとしてのフレーム(210)を示す。シャフトフレーム(212)は、左及び右のハンドルフレーム(216、218)として示される第1及び第2のシャフトフレーム部分を含む。エンドエフェクタフレーム(214)は、遠位アンビル支持部分(220)と、インサート(222)と、左及び右の支持プレート(224、226)と、を含む(図5を参照)。図示されるように、左及び右のハンドルフレーム(216、218)、遠位アンビル支持部分(220)、インサート(222)、並びに左及び右の支持プレート(224、226)は、それぞれ単一の部品として一体的に形成され、続いて以下でより詳細に説明するように共に連結される。これにより、上述のように、時間がかかり高価である場合がある、エンドエフェクタフレーム(214)が材料の単一の固形ブロックから機械加工されることを防止する。
【0027】
図4は、図6図9を参照してより詳細に説明されるように、締結部(228a~228c)を使用したシャフトフレーム(212)及びエンドエフェクタフレーム(214)の連結を示す図3のフレーム(210)の遠位部分の拡大斜視図を示す。インサート(222)は、上面(232)内に配設されたC字形トラック(230)を含み、左及び右のフランジ(234、236)は、上面(232)の横方向に配設されている。C字形トラック(230)は、図1A図1Dに示される保持ピン(30)の遠位部分を受容するように構成された拡大部分(238)を含む。ステープルカートリッジ(28)のスロットと共に、C字形トラック(230)は、組織を切断するようにC字形トラック(230)を通るナイフ(図示せず)を受容するように構成されている。インサート(222)は、ステープルカートリッジ(28)を受容するように構成されている。インサート(222)は、金属性材料又はポリマー材料に対して形成され得る。より具体的には、インサート(222)の左及び右のフランジ(234、236)は、図1A図1Dに示されるように、ステープルカートリッジ(28)の対応する部分を摺動可能に受容するように構成されている。
【0028】
図5は、シャフトフレーム(212)の左及び右のハンドルフレーム(216、218)をより明確に示す、図3のフレーム(210)の分解斜視図を示す。図示のように、左のハンドルフレーム(216)は、ハンドル部分(239)と、ハンドル部分(239)から遠位に延在する細長いシャフト部分(240)と、細長いシャフト部分(240)から遠位に延在する左の曲線部分(242)と、左の曲線部分(242)から遠位に延在する接続部分(244)と、を含む。接続部分(244)は、シャフト位置合わせ機構(246a~246b)を含む。同様に、右のハンドルフレーム(218)は、ハンドル部分(248)と、ハンドル部分(248)から遠位に延在する細長いシャフト部分(250)と、細長いシャフト部分(250)から遠位に延在する右の曲線部分(252)と、右の曲線部分(252)から遠位に延在する接続部分(254)と、を含む。接続部分(254)は、シャフト位置合わせ機構(256a~256b)を含む。接続部分(254)は、シャフト位置合わせ機構(256a~256b)を含む。図示のように、シャフト位置合わせ機構(246a~246b、256a~256b)は、接続部分(244)を完全に貫通して延在する開口であるが、他のシャフト位置合わせ機構(246a~246b、256a~256b)もまた想定される(例えば、凸部及び対応する凹部など)。左及び右のハンドルフレーム(216、218)は、図32を参照してより詳細に説明されるものなどの1つ以上のスタンピングプロセスを含む多様な方法を使用して製造され得る。
【0029】
図5に示すように、エンドエフェクタフレーム(214)は、遠位アンビル支持部分(220)、インサート(222)、並びに左及び右の支持プレート(224、226)を含む。遠位アンビル支持部分(220)は、位置合わせ機構(258)と、インサート(222)を受容するように構成された曲線状空洞部(260)と、を含む。支持構造体(128)に関して前述したように、曲線状空洞部(260)はC字形状である。C字形構造体は、機能性及び患者内の組織へのアクセスの向上を容易にする。「C字形」という用語は、同様に外科用ステープル留め及び切断器具の機能性を向上させるであろう様々な凹形状を含む。あくまで例として、支持構造体(128)のC字形は、例えば、直腸結腸切除手術においてLARを実施するために、患者の骨盤ボウル内の下部結腸へのアクセスを促進するように寸法決めすることができる。同様に、インサート(222)は、インサート位置合わせ機構(262a~262c)を含む。エンドエフェクタフレーム(214)は、左及び右の支持プレート(224、226)を含む。左の支持プレート(224)は、位置合わせ機構(264a~264c)を含んでもよく、右の支持プレート(226)は、位置合わせ機構(266a~266c)を含んでもよい。位置合わせ機構(262a~262c、264a~264c、266a~266c)は、完全に貫通して延在する開口として図示されているが、他のシャフト位置合わせ機構(246a~246b)もまた想定される。
【0030】
図5に示すように、左及び右のハンドルフレーム(216、218)は、器具(10)の操作性のための1つ以上の機能を実行する複数の開口部(268、270)を含んでもよい。更に、右のハンドルフレーム(218)は、細長いシャフト部分(250)が右の曲線部分(252)に移行する際に、内向き屈曲部分(272)を含む。図5及び図8に示されるように、右のハンドルフレーム(218)は、左のハンドルフレーム(216)の長手方向延在縁部(278)と嵌合するように構成されている長手方向延在縁部(276)を有する湾曲部分(274)を含む。
【0031】
図6図9は、締結部(228a~228c)を示すフレーム(210)の遠位部分の様々な斜視図を示す。図示のように、締結部(228a~228b)は、左及び右のハンドルフレーム(216、218)、左及び右の支持プレート(224、226)、並びにインサート(222)を共に連結するように構成されている。図7に示すように、締結部(228a)は、左のハンドルフレーム(216)のシャフト位置合わせ機構(246a)、左の支持プレート(224)の位置合わせ機構(264a)、インサート(222)のインサート位置合わせ機構(262a)、右の支持プレート(226)の位置合わせ機構(266a)、及び右のハンドルフレーム(218)のシャフト位置合わせ機構(256a)を連結する。同様に、締結部(228b)は、左のハンドルフレーム(216)のシャフト位置合わせ機構(246b)、左の支持プレート(224)の位置合わせ機構(264a)、インサート(222)のインサート位置合わせ機構(262b)、右の支持プレート(226)の位置合わせ機構(266b)、及び右のハンドルフレーム(218)のシャフト位置合わせ機構(256b)を連結する。締結部(228c)は、遠位アンビル支持部分(220)、左及び右の支持プレート(224、226)、及びインサート(222)を共に連結するように構成されている。より具体的には、締結部(228c)は、遠位アンビル支持部分(220)の位置合わせ機構(258)、左の支持プレート(224)の位置合わせ機構(264c)、インサート(222)のインサート位置合わせ機構(262c)、右の支持プレート(226)の位置合わせ機構(266c)、及び遠位アンビル支持部分(220)の位置合わせ機構(258)を連結する。図示のように、締結部(228a~228c)はフランジ溶接部であるが、締結部は、例えば、溶接、ねじ、又は任意の他の好適な締結部を含んでもよい。
【0032】
B.第2の例示的なフレーム
図10A図10Cは、図1の外科用ステープル留め器具(10)に組み込まれ得る第2の例示的なフレーム(310)の斜視図を示す。図10A図10Cは、異なる製造段階におけるエンドエフェクタフレーム(314)を示す。より具体的には、図10A図10Bは、エンドエフェクタフレーム(314a~314b)を示し、図10Cは、シャフトフレーム(312)及びエンドエフェクタフレーム(314)を含むものとしてのフレーム(310)の分解斜視図を示す。シャフトフレーム(312)は、図12図14を参照して以下でより詳細に説明されるシャフトフレーム(412)と構造及び機能が類似している。
【0033】
図10Aは、既に材料の平面シートから切断されているが、図10B図10Cに示されるような1つ以上の屈曲プロセスを使用して所望の形状に屈曲される前の、続いてエンドエフェクタフレーム(314)に形成されることとなるエンドエフェクタフレーム(314a)を示す。図10Aに示すように、エンドエフェクタフレーム(314)は、左、中央、及び右の曲線部分(342、347、352)と、対応する左、中央、及び右の曲線部分(342、347、354)から遠位に延在する左、中央、及び右の接続部分(344、349、354)と、中央の接続部分(349)から遠位に延在する遠位アンビル支持部分(320)と、を含む。左及び右の接続部分(344、354)は、左及び右の遠位延在フランジ(380、382)として示される左及び右の位置合わせ機構をそれぞれ含む。遠位アンビル支持部分(320)は、中央の接続部分(349)に隣接する、左及び右の外側延在部分(384、386)を含む。
【0034】
左及び右の接続部分(344、354)(図3と同様)又は左及び右の曲線部分(342、354)(図12と同様)のうちの少なくとも一方は、シャフトフレーム(312)の位置合わせ機構(346a~346c、356a~356c)と位置合わせするように構成された位置合わせ機構を含んでもよい。図10Aに示すように、左の曲線部分(342)は、位置合わせ機構(362a~362b)及び開口部(388)を含む。右の曲線部分(352)は、位置合わせ機構(364a~364b)及び開口部(390)を含む。しかしながら、位置合わせ機構(362a~362c、364a~364c)及び開口部(388、390)は省略されてもよく、これにより、シャフトフレーム(312)は、別の方法(例えば溶接)を使用してエンドエフェクタフレーム(314)と連結されてもよい。中央の曲線部分(347)及び中央の接続部分(349)は、エンドエフェクタフレーム(314a)のためのスパインを効果的に形成する。図示のように、エンドエフェクタフレーム(314a)は、材料(例えば、金属)の単一シートから単一の部品として一体的に形成されている。
【0035】
図10Bは、図10Aのエンドエフェクタフレーム(314a)が部分的に屈曲された後の、エンドエフェクタフレーム(314b)の斜視図を示す。図示のように、左及び右の曲線部分(342、352)は、図10Cで更に屈曲された曲線形状を呈する。スタンピングは、(機械プレス又はスタンピングプレスを使用する)打抜き、ブランキング、エンボス加工、屈曲加工、フランジ加工、及び印圧加工などの多様な成形製造プロセスを含む。本明細書で使用するとき、スタンピングは、材料をネットシェイプに形成するように工具表面及び金型表面が合流するスタンピングプレスに加工物(例えば、金属シート、素材)を配置するプロセス(複数可)を指すことが意図される。エンドエフェクタフレーム(314a)は、ブランキング後に平面であるものとして図示されているが、エンドエフェクタフレーム(314a)は、ブランキングプロセス中に既に少なくとも部分的に屈曲されてもよい。
【0036】
図10A図10Bにおける位置合わせ線(388)として示される位置合わせ機構は、エフェクタフレーム(314a)を屈曲させる前に、エンドエフェクタフレーム(314a)内に付与されてもよい。位置合わせ線(388)は、マーキング器具(例えば、マーカー、鉛筆など)を使用して表面に付与されてもよく、又は材料に彫り込まれてもよい(例えば、レーザなど)。あるいは、位置合わせ線(388)は、スタンピング動作のうちの1つ以上によって付与されてもよい。図11は、図10Bの線11-11に沿って取られた図10Bのエンドエフェクタフレーム(314b)の遠位アンビル支持部分(320)の断面図を示す。図示のように、遠位アンビル支持部分(320)は、上面(390)、左側面(392)、及び右側面(394)を含む。したがって、遠位アンビル支持部分(320)は、逆U字型チャネルを形成する。
【0037】
図10Cは、更に屈曲及び溶接された後のエンドエフェクタフレーム(314)の斜視図を示す。図10Cは、左及び右のハンドルフレーム(316、318)として示される、第1及び第2のシャフトフレーム部分を含むものとしてのシャフトフレーム(312)を示す。前述したように、左及び右のハンドルフレーム(316、318)は、図12及び図14を参照して後述する左及び右のハンドルフレーム(416、418)と同様であってもよい。エンドエフェクタフレーム(214)は、遠位アンビル支持部分(320)を含む。インサート(222)が遠位アンビル支持部分(220)に挿入された方法と同様に、C字形トラック(230)を含むインサート(222)と同様のインサートが、遠位アンビル支持部分(320)に組み込まれ得る。肩リベット(129)と同様の肩リベットなどの締結部(328)は、左及び右のハンドルフレーム(316、318)のシャフト位置合わせ機構(346c、356c)と左及び右の曲線部分(342、352)の開口部(388、390)を連結するように構成される。シャフトフレーム(312)をエンドエフェクタフレーム(314)と連結する他の方法もまた想定される(例えば溶接)。
【0038】
図10Cに示すように、遠位アンビル支持部分(320)は、遠位アンビル支持部分(320)の上面(390)が左及び右の曲線部分(342、352)に対して概ね垂直に延在するように近位に屈曲される。左の遠位延在フランジ(380)は、溶接部(396)を使用して、遠位端で、左外方延在部分(384)及び/又は左側面(392)に溶接される。同様に、右の遠位延在フランジ(382)は、溶接部(398)を使用して、遠位端で右外方延在部分(386)及び/又は右側側面(394)に溶接される。溶接部(396、398)は、遠位アンビル支持部分(320)を、左、中央、及び右の接続部分(344、349、354)と長手方向に回転可能に固定する。更に、左及び右の遠位延在フランジ(380、382)並びに/又は左右側面(392、394)を遠位アンビル支持部分(320)に溶接することにより、これらの遠位機構の嵌合が改善され、遠位アンビル支持部分(320)の曲率半径の許容度を厳格にする。
【0039】
C.第3の例示的なフレーム
図12図28は、図1の外科用ステープル留め器具(10)に組み込まれ得る第3の例示的なフレームを示す。図12及び図14は、シャフトフレーム(412)と、シャフトフレーム(412)から遠位に延在するエンドエフェクタフレーム(414)と、を含むものとしてのフレーム(410)を示す。シャフトフレーム(412)は、左及び右のハンドルフレーム(416、418)として示される第1及び第2のシャフトフレーム部分を含む。エンドエフェクタフレーム(414)は、インサート(422)と、左及び右のエンドエフェクタ部分(424、426)と、を含む。図20図22は、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)を示し、図23図25は、右のエンドエフェクタフレーム部分(426)を示し、図26図28は、より明確にするために、インサート(422)を更に詳細に示す。
【0040】
図示のように、左及び右のハンドルフレーム(416、418)、インサート(422)、並びに左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)はそれぞれ単一の部品として一体形成され、続いて共に連結されている。例えば、左及び右のハンドルフレーム(416、418)、インサート(422)、並びに左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)は、金属射出成形を含む多様なプロセスを使用して別個に形成され得る。金属射出成形(Metal injection molding、MIM)とは、微粉末金属がバインダ材料と混合されて、成形プロセス(射出成形など)を使用して、以降成形及び固化される原料を作製する任意の金属加工プロセスを指す。金属射出成形は、大量の複雑な部品を成形することを可能にする。以下により詳細に記載されるように、左及び右のハンドルフレーム(416、418)、インサート(422)、並びに左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)並びに対応する機構のそれぞれは成形形状を有する。対応する機構のうちの特定の機構は、その後、機械加工形状に機械加工されてもよい。特定の機構を機械加工することは、金属射出成形プロセスの寸法許容度を改善することを含む、多くの利益を提供することができる。しかしながら、所望であれば、これらの構成要素のうちの2つ以上が単一の部品として一体的に形成されてもよいことが想定される。
【0041】
図13は、図12のフレーム(410)の遠位部分の拡大斜視図を示す。図13に示され、図26図28を参照してより詳細に示されるように、インサート(422)は、インサート(422)の上面(432)内に配設されたC字形トラック(430)を含み、左及び右のフランジ(434、436)は上面(432)によって分離されている。C字形トラック(430)は、図1A図1Dに示される保持ピン(40)の遠位部分を受容するように構成された拡大部分(438)を含む。インサート(422)は、図1A図1Dに示されるステープルカートリッジ(28)を受容するように構成されている。より具体的には、インサート(422)の左及び右のフランジ(434、436)は、ステープルカートリッジ(28)の対応する部分を摺動可能に受容するように構成されている。インサート(222)と同様に、インサート(422)は、図15図17を参照してより詳細に論じられるように、インサート(222)を左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)と固定するように構成されたインサート位置合わせ機構(462)を含む。インサート(422)は、金属材料又はポリマー材料のために形成され得ることが想定される。
【0042】
図14は、シャフトフレーム(412)の左及び右のハンドルフレーム(416、418)を示す、図12のフレーム(410)の分解斜視図を示す。図示のように、左のハンドルフレーム(416)は、ハンドル部分(439)と、ハンドル部分(439)から遠位に延在する細長いシャフト部分(440)と、を含む。細長いシャフト部分(440)は、図5に示すようなシャフト位置合わせ機構(246a~246b)を含む接続部分(244)の代わりに、シャフト位置合わせ機構(446a~446c)を含む。同様に、右のハンドルフレーム(418)は、ハンドル部分(448)と、ハンドル部分(448)から遠位に延在する細長いシャフト部分(450)と、を含む。細長いシャフト部分(450)は、図5にまた示されるようなシャフト位置合わせ機構(256a~256b)を含む接続部分(254)の代わりに、シャフト位置合わせ機構(456a~456c)を含む。シャフト位置合わせ機構(446a~446c、456a~456c)は開口として示されているが、他のシャフト位置合わせ機構(446a~446b)もまた想定される(例えば、凸部及び対応する凹部など)。左及び右のハンドルフレーム(416、418)は、フレーム(210)に対する図5に示される開口部(268、270)と同様に、器具(10)の操作性のための1つ以上の機能を実行する複数の開口部(468、470)を含んでもよい。加えて、右のハンドルフレーム(418)は、細長いシャフト部分(450)が右の曲線部分(452)に移行する際に、内向き屈曲部分(472)を含む。左及び右のハンドルフレーム(416、418)は、1つ以上のスタンピングプロセスを含む多様な方法を使用して製造され得ることが想定される。
【0043】
図14及び図20図22は、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)の更なる詳細を示す。左のエンドエフェクタフレーム部分(424)は、細長いシャフト部分(440)と連結されるように構成された左の曲線部分(442)と、左の曲線部分(442)から遠位に延在する接続部分(444)と、左の曲線部分(442)から遠位に延在する左の遠位アンビル支持部分(420a)と、を含む。左の曲線部分(442)は、近位端に隣接する凹状位置合わせ部分(480)を含み、位置合わせポスト(482a~482b)は、凹状位置合わせ部分(480)から外向きに延在する。図13に示すように、位置合わせポスト(482a~482b)は、細長いシャフト部分(440、450)のシャフト位置合わせ機構(446a~446b)を通って延在するように構成されている。図20及び図22に示されるように、左の遠位アンビル支持部分(420a)は、インサート(422)の一部を受容するように構成された左の曲線状空洞部分(460a)を含む。左のエンドエフェクタフレーム部分(424)は、右のエンドエフェクタフレーム部分(426)の長手方向延在縁部(476)と嵌合するように構成されている長手方向延在縁部(478)を有する湾曲部分(474)を含む。
【0044】
図14及び図23図25は、右のエンドエフェクタフレーム部分(426)の更なる詳細を示す。右のエンドエフェクタフレーム部分(426)は、細長いシャフト部分(450)と連結されるように構成された右の曲線部分(452)と、右の曲線部分(452)から遠位に延在する接続部分(454)と、右の曲線部分(452)から遠位に延在する右の遠位アンビル支持部分(420b)と、を含む。右の曲線部分(452)は、凹状位置合わせ部分(480)から外向きに延在する位置合わせポスト(486a~486b)を有する凹状位置合わせ部分(484)を含む。位置合わせポスト(486a~486b)は、シャフト位置合わせ機構(456a~456b)を通って延在するように構成されている。図23に示すように、右の遠位アンビル支持部分(420b)は、インサート(422)の別の部分を受容するように構成された右の曲線状空洞部分(460b)を含む。したがって、左及び右の曲線状空洞部分(460a~460b)は、インサート(222)の底面を集合的に受容する。
【0045】
図13及び図14は、エンドエフェクタフレーム(414)とシャフトフレーム(412)との連結をより詳細に示す。図示のように、シャフトフレーム(412)及びエンドエフェクタフレーム(414)は、図1A図1Dのリベット(129)と同様の肩リベットとして図示される締結部(428)を使用して共に連結される。左及び右の曲線部分(442、452)は、それぞれの開口部(488、490)を含む。締結部(428)は、左及び右のハンドルフレーム(416、418)のシャフト位置合わせ機構(446c、456c)と左及び右の曲線部分(442、452)の開口部(488、490)を連結するように構成されている。
【0046】
図15図17は、左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)及びインサート(422)の連結を示す。図示のように、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)は、右のエンドエフェクタフレーム部分(426)に接触するように構成された位置合わせ機構(464a~464c)及び接触表面(492a~492b)を含む。同様に、右のエンドエフェクタフレーム部分(426)は、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)に接触するように構成された位置合わせ機構(466a~466c)及び接触表面(494a~494b)を含む。スプリングピン(458)として示される締結部は、インサート(422)、並びに左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)を共に連結するように構成されている。図16に示すように、スプリングピン(458)は、位置合わせ機構(462、464a、466a)を完全に通って延在する。位置合わせ機構(462、464a、466a)は、それぞれのインサート(222)、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)、及び右のエンドエフェクタフレーム部分(426)を完全に通って延在する開口として示されているが、他の位置合わせ機構もまた想定される。
【0047】
図16に示すように、左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)の位置合わせ機構(462b~462c、464b~464c)は、左のエンドエフェクタフレーム部分(424)と右のエンドエフェクタフレーム部分(426)との間に位置し、左及び右のエンドエフェクタフレーム部分(424、426)が共に連結されると、エンドエフェクタフレーム(414)の外側表面に沿って見えない。位置合わせ機構(464b~464c)は凹部として図示されており、位置合わせ機構(466b~466c)は凸部として図示されているが、多様な形状を有する多様な他の位置合わせ機構も想定される。位置合わせ機構(464b~464c)が凸部であってもよく、位置合わせ機構(466b~466c)が凸部であってもよいことも想定される。位置合わせ機構(464b~464c)が、少なくとも1つの凸部及び少なくとも1つの凹部を含み、位置合わせ機構(466b~466c)が、少なくとも1つの対応する凹部及び少なくとも1つの凸部を含むことも想定される。
【0048】
D.第4の例示的なフレーム
図29図31は、図1の外科用ステープル留め器具に組み込まれ得る第4の例示的なフレーム(510)を示す。図29は、シャフトフレーム(512)と、シャフトフレーム(512)から遠位に延在し、1つ以上の締結部(528)を使用してシャフトフレーム(512)と連結されている、エンドエフェクタフレーム(514)と、を含むものとしてのフレーム(510)を示す。シャフトフレーム(512)は、左及び右のハンドルフレーム(516、518)として示される第1及び第2のシャフトフレーム部分を含む。左のハンドルフレーム(516)は、ハンドル部分(539)と、細長いシャフト部分(540)と、シャフト位置合わせ機構(546a~546b)と、開口部(568)と、を含む。同様に、右のハンドルフレーム(518)は、ハンドル部分(548)と、細長いシャフト部分(550)と、シャフト位置合わせ機構(456a~456b)と、開口部(568)と、を含む。
【0049】
エンドエフェクタフレーム(514)は、遠位アンビル支持部分(520)と、左のエンドエフェクタフレーム部分(524)と、右のエンドエフェクタフレーム部分(526)と、C字形トラック(530)と、上面(532)と、左フランジ(534)と、右フランジ(536)と、拡大部分(538)と、左及び右の曲線部分(542、552)と、接続部分(544、554)と、凹部分(580、584)と、位置合わせポスト(582a~582b、586a~586b)と、開口部(588、590)と、を含む。エンドエフェクタフレーム(514)は、エンドエフェクタフレーム(514)が単一の部品として一体的に共に形成され得るように、付加製造を使用して形成されてもよい。付加製造としては、材料押出法、指向エネルギー堆積法、材料噴射法(例えば、3D印刷)、結合剤噴射法、シート積層法、液槽光重合法、及び粉末床融合法が挙げられる。粉末床融合法としては、直接金属レーザ焼結法(direct metal laser sintering、DMLS)、選択的レーザ焼結法(selective laser sintering、SLS)、選択的熱焼結法(selective heat sintering、SHS)、電子ビーム溶融法(electron beam melting、EBM)、及び直接金属レーザ溶融法(direct metal laser melting、DMLM)が挙げられる。図示のように、エンドエフェクタフレーム(514)は、3D印刷を使用して形成される。
【0050】
特定の機構を機械加工することにより、金属射出成形プロセスのためのより良好な金型流動特性を有する初期成形形状を可能にし得る。これらの機構としては、例えば、左及び右のフランジ(534、536)、凹部分(580、584)、図30図31中で(ハッチングを用いて)網掛けされている位置合わせポスト(582、586)が挙げられ得る。図示のように、左のフランジは、左側面(534b)、弓状凹部分(534c)、及び下面(534d)に隣接する先端部分(534a)を含む。同様に、右のフランジ(536)は、右側面(536b)、弓状凹面(536c)、及び下面(536d)に隣接する先端表面(536a)を含む。各表面(334a~334d、536a~536d)は、機械加工されているものとして図示されているが、1つ以上の表面(334a~334d、536a~536d)が機械加工されてもよい。これらの機械加工作業により、接続された側壁に加工が使用された場所を示す表示マークが残され、その量の材料が除去されてもよい。したがって、金属射出成形プロセス及びその後の機械加工を使用することにより、同じ遠位構成要素上のより高性能の機械加工された機構がフレーム(210、310、410、510)に提供される。加えて、方法(510)は、金属射出成形が単独で可能であるよりも優れた表面仕上げを提供する。
【0051】
E.第1の例示的な製造方法
図32は、工程(612、614、616、618、620)を含む外科用器具(10)のフレーム(210、310、410、510)を製造する第1の例示的な方法(610)を示す。図示のように、工程(612)において、方法(610)は、スタンピング又は付加製造機(622)を使用して、外科用器具(10)のフレーム(210、310、410、510)の第1の部分を製造することを含む。第1の部分は、エンドエフェクタフレーム(214、314、414、514)の第1の曲線部分((例えば、曲線部分(242、252、242、352、442、452、542、552))と、第1の位置合わせ機構と、を含む。例えば、第1の部分を製造することは、スタンピングすること、又は第1の部分の付加製造(例えば、金属射出成形、3D印刷)を使用することを含んでもよい。
【0052】
図示のように、工程(614)において、方法(610)は、スタンピング又は付加製造機(624)を使用して、外科用器具(10)のフレーム(210、310、410、510)の第2の部分を製造することを含む。第2の部分は、第2の位置合わせ機構を含む。例えば、第2の部分を製造することは、第2の部分をスタンピングすることと、第2の部分を金属射出成形することと、又は第2の部分を3D印刷することと、含み得る。図示されるように、工程(616)において、方法(610)は、第1又は第2の部分のいずれか一方とは別個の、外科用器具(10)のフレーム(210、310、410、510)の第3の部分を製造することを含む。第3の部分は、C字形トラック(230、430、530)を含む。第3の部分は、例えば、金属射出成形を使用して金属から製造されるか、又は射出成形機(626)を使用してポリマー材料から製造することができる。図示されるように、工程(618)において、方法(610)は、器具(10)の第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構を共に位置合わせさせることによって、第1の部分を第2の部分と位置合わせさせることを含む。図示されるように、工程(620)において、方法(610)は、器具(10)のフレーム(210、310、410、510)の第1の部分及び第2の部分を共に連結することを含む。
【0053】
F.第2の例示的な製造方法
図33は、工程(712、714、716)を含む外科用器具(10)のフレーム(410、510)を製造する第2の例示的な方法(710)を示す。図示のように、工程(712)において、方法(710)は、付加製造を使用してフレーム(410、510)のエンドエフェクタフレーム(414、514)を形成することを含む。図示のように、付加製造機(718)(例えば、金属射出成形機又は3Dプリンタ)を使用してもよい。エンドエフェクタフレーム(414、514)は、初期形状を有する少なくとも1つの機構を有する。前述のように、付加製造としては、材料押出法、指向エネルギー堆積法、材料噴射(例えば、3D印刷)法、結合剤噴射法、シート積層法、液槽光重合法、及び粉末床融合法が挙げられる。粉末床融合法としては、直接金属レーザ焼結法(DMLS)、選択的レーザ焼結法(SLS)、選択的熱焼結法(SHS)、電子ビーム溶融法(EBM)、及び直接金属レーザ溶融法(DMLM)が挙げられる。図示のように、エンドエフェクタフレーム(514)は、3D印刷を使用して形成される。
【0054】
図示のように、工程(712)において、方法(710)は、旋盤(720)を使用して、エンドエフェクタフレーム(414、514)全体を機械加工することなく、機械加工された形状を有するようにエンドエフェクタフレーム(414、514)の少なくとも1つの機構を機械加工することを含む。初期形状の寸法が、少なくとも1つの機構の機械加工された形状の寸法よりも大きくなるように、機械加工することにより、少なくとも1つの機構(例えば、左及び右のフランジ(434、436、534、536)、凹部分(480、484、580、584)、位置合わせポスト(482、486、582、586))から材料を除去する。改善された特性が所望される他の機構もまた機械加工されてもよい。図示されるように、工程(714)において、方法(710)は、エンドエフェクタフレーム(414、514)を外科用器具(10)内に連結することを含む。
【0055】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の否定要素を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0056】
湾曲した外科用ステープラのフレームを製造する方法であって、(a)湾曲した外科用ステープラのフレームの第1の部分を製造することであって、第1の部分は、エンドエフェクタの第1の曲線部分と、第1の位置合わせ機構と、を含む、ことと、(b)第1の部分から分離した、湾曲した外科用ステープラのフレームの第2の部分を製造することであって、第2の部分は、第2の位置合わせ機構を含む、ことと、(c)第1の部分又は第2の部分のいずれか一方から分離した、湾曲した外科用ステープラのフレームの第3の部分を製造することであって、第3の部分は、C字形トラックを含む、ことと、(d)湾曲した外科用ステープラの第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構を位置合わせすることによって、第1の部分を第2の部分と位置合わせすることと、(e)湾曲した外科用ステープラのフレームの第1の部分及び第2の部分を共に連結することと、を含む、方法。
【実施例2】
【0057】
第1の部分及び第2の部分を製造することは、第1の部分及び第2の部分を金属射出成形すること、第1の部分及び第2の部分を3D印刷すること、又は第1の部分及び第2の部分をスタンピングすることを更に含む、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0058】
第1の部分をスタンピングすることは、材料の平面シートから第1の部分を切断し、続いて、第1の部分を屈曲させることを更に含む、実施例2に記載の方法。
【実施例4】
【0059】
位置合わせ線に沿って第1の部分を屈曲させる前に、第1の部分において位置合わせ線を付与することを更に含む、実施例3に記載の方法。
【実施例5】
【0060】
第1の部分は、エンドエフェクタの第2の曲線部分と、エンドエフェクタの第1の曲線部分及び第2の曲線部分から遠位に延在する接続部分と、接続部分から遠位に延在する遠位アンビル支持部分と、を含み、第1の部分をスタンピングすることは、エンドエフェクタの第1の曲線部分及び第2の曲線部分、接続部分、並びに遠位アンビル支持部分を屈曲させることを更に含む、実施例3~4のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例6】
【0061】
少なくとも1つの溶接部を使用して、接続部分の第1の遠位端及び第2の遠位端を遠位アンビル支持部分に溶接することを更に含む、実施例5に記載の方法。
【実施例7】
【0062】
フレームの第3の部分を製造することを更に含み、第3の部分は、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構と位置合わせするよう構成された第3の位置合わせ機構を含む、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例8】
【0063】
第1の部分を第2の部分と位置合わせすることは、第1の位置合わせ機構、第2の位置合わせ機構、及び第3の位置合わせ機構を使用して、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を共に位置合わせすることを更に含む、実施例7に記載の方法。
【実施例9】
【0064】
第1の部分及び第2の部分を共に連結することは、第1の部分の第1の位置合わせ機構、第2の部分の第2の位置合わせ機構、及び第3の部分の第3の位置合わせ機構に締結部を挿入することを更に含む、実施例8に記載の方法。
【実施例10】
【0065】
第1の部分は、第1の曲線部分から遠位に延在する第1の接続部分と、第1の接続部分から遠位に延在する第1の遠位アンビル支持部分と、を含み、第2の部分は、第2の曲線部分と、第2の曲線部分から遠位に延在する第2の接続部分と、第2の接続部分から遠位に延在する第2の遠位アンビル支持部分と、を含む、実施例1~4及び実施例6~9のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例11】
【0066】
フレームの第1の部分及び第2の部分は、第1の部分及び第2の部分を共に連結する前に、互いから完全に分離している、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例12】
【0067】
第2の部分は、第2の曲線部分を含み、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構は、第1の部分と第2の部分との間に位置しており、第1の部分及び第2の部分が共に連結されると、フレームの外側表面に沿って見えなくなる、実施例1~4及び実施例6~11のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例13】
【0068】
第1の部分の第1の位置合わせ機構は、少なくとも1つの凸部又は少なくとも1つの凹部を含み、第2の部分の第2の位置合わせ機構は、凸部又は凹部のうちの他方を含む、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例14】
【0069】
第1のシャフト位置合わせ機構を含む第1のハンドルフレームをスタンピングすることと、第2のシャフト位置合わせ機構を含む第2のハンドルフレームをスタンピングすることと、少なくとも1つの締結部を使用して、第1の部分の第1の位置合わせ機構を第1のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、第1の部分を第1のハンドルフレームに連結することと、少なくとも1つの締結部を使用して、第2の部分の第2の位置合わせ機構を第2のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、第2の部分を第2のハンドルフレームに連結することと、を更に含む、実施例1~13のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例15】
【0070】
第1のハンドルフレームは、第1の細長いシャフト部分と、第1のハンドル部分と、を含み、第2のハンドルフレームは、第2の細長いシャフト部分と、第2のハンドル部分と、を含む、実施例14に記載の方法。
【実施例16】
【0071】
湾曲した外科用ステープラのエンドエフェクタフレームを製造する方法であって、方法は、(a)付加製造を使用してエンドエフェクタフレームを形成することであって、エンドエフェクタフレームは、初期形状を有する少なくとも1つの機構を有する、ことと、(b)エンドエフェクタフレームの全体を機械加工することなく、機械加工された形状を有するようにエンドエフェクタフレームの少なくとも1つの機構を機械加工することと、(c)エンドエフェクタフレームを湾曲した外科用ステープラ内に連結することと、を含む、方法。
【実施例17】
【0072】
初期形状の寸法が、少なくとも1つの機構の機械加工された形状の寸法よりも大きくなるように、機械加工することにより、少なくとも1つの機構から材料を除去する、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0073】
第1の凹部分及び第2の凹部分を機械加工することであって、第1の凹部分及び第2の凹部分のそれぞれは、少なくとも1つの連結機構をそれぞれ含む、ことと、エンドエフェクタフレームに対する第1の凹部分の位置合わせ機構及び第2の凹部分の位置合わせ機構を、湾曲した外科用ステープラに連結することと、を更に含む、実施例16及び17のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例19】
【0074】
湾曲した外科用ステープラのフレームであって、(a)エンドエフェクタフレームと、(b)エンドエフェクタフレームから近位に延在するシャフトフレームであって、シャフトフレームは、(i)第1の曲線部分及び第1の位置合わせ機構を含む第1の部分と、(ii)第2の曲線部分及び第2の位置合わせ機構を含む第2の部分と、を含む、シャフトフレームと、(c)第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構を共に連結するように構成された締結部と、を備える、フレーム。
【実施例20】
【0075】
エンドエフェクタフレームは、遠位アンビル支持部分と、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されたインサートと、を含み、遠位アンビル支持部分は、第3の位置合わせ機構を含み、インサートは、第1のインサート位置合わせ機構及び第2のインサート位置合わせ機構を含み、締結部は、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構を、インサートの第1のインサート位置合わせ機構と連結するように構成され、フレームは、遠位アンビル支持部分の第3の位置合わせ機構をインサートの第1のインサート位置合わせ機構と連結するように構成された第2の締結部を更に含む、実施例19に記載のフレーム。
【実施例21】
【0076】
湾曲した外科用ステープラのフレームであって、(a)シャフトフレームと、(b)シャフトフレームから遠位に延在するエンドエフェクタフレームであって、(i)第1の曲線部分及び第1の位置合わせ機構を含む第1の部分を含む、エンドエフェクタフレームと、(c)第1のエンドエフェクタフレーム部分の第1の位置合わせ機構及び第2のエンドエフェクタフレーム部分の第2の位置合わせ機構を共に連結するように構成された締結部と、を備える、フレーム。
【実施例22】
【0077】
エンドエフェクタフレームは、第2の曲線部分、第2の位置合わせ機構を含む第2の部分を更に含む、実施例21に記載のフレーム。
【実施例23】
【0078】
第1の部分は、金属射出成形、3D印刷、又はスタンピングを用いて形成されている、実施例21及び22のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例24】
【0079】
第1の部分は、材料の平面シートから切断され、続いて屈曲されて、第1の部分を形成する、実施例21~23のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例25】
【0080】
第1の部分は、位置合わせ線に沿って第1の部分を屈曲させるのを補助するように構成された位置合わせ線を含む、実施例21~24のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例26】
【0081】
第1の部分は、エンドエフェクタの第2の曲線部分と、エンドエフェクタの第1及び第2の曲線部分から遠位に延在する接続部分と、接続部分から遠位に延在する遠位アンビル支持部分と、を含む、実施例21及び実施例23~25のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例27】
【0082】
接続部分の第1及び第2の遠位端は、少なくとも1つの溶接部を使用して遠位アンビル支持部分に溶接されている、実施例26に記載のフレーム。
【実施例28】
【0083】
第1の部分又は第2の部分のいずれか一方とは別個の第3の部分を更に備え、第3の部分は、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構と位置合わせするように構成された第3の位置合わせ機構を含む、実施例21~27のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例29】
【0084】
第1、第2、及び第3の部分は、第1、第2、及び第3の位置合わせ機構を使用して共に位置合わせされる、実施例28に記載のフレーム。
【実施例30】
【0085】
第1の部分は、第1の曲線部分から遠位に延在する第1の接続部分と、第1の接続部分から遠位に延在する第1の遠位アンビル支持部分と、を含み、第2の部分は、第2の曲線部分と、第2の曲線部分から遠位に延在する第2の接続部分と、第2の接続部分から遠位に延在する第2の遠位アンビル支持部分と、を含む、実施例21~25及び実施例27~29に記載のフレーム。
【実施例31】
【0086】
第1及び第2の部分は、第1の部分と第2の部分とを共に連結する前に、互いから完全に分離している、実施例21~30のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例32】
【0087】
第2の部分は、第2の曲線部分を含み、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構は、第1の部分と第2の部分との間に位置し、第1及び第2の部分が共に連結されると、フレームの外側表面に沿って見えなくなる、実施例21~25及び実施例27~31のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例33】
【0088】
第1の部分の位置合わせ機構は、少なくとも1つの凸部又は少なくとも1つの凹部を含み、第2の部分の位置合わせ機構は、凸部又は凹部のうちの他方を含む、実施例21~32のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【実施例34】
【0089】
エンドエフェクタフレームは、第1及び第2の凹部分を含み、第1及び第2の凹部分のそれぞれは、湾曲した外科用ステープラにエンドエフェクタフレームを連結するように構成された少なくとも1つの連結機構をそれぞれ含む、実施例21~33のいずれか1つ以上に記載のフレーム。
【0090】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0091】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0092】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0093】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定部分の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形形態は、再調整用の施設において、又は手術の直前に操作者によって、のいずれかで、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0094】
単に一例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0095】
1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「Electrosurgical Hemostatic Device」;2006年2月21日に発行された米国特許第7,000,818号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument having Separate Distinct Closing and Firing Systems」;2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号、発明の名称「Motor-Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Tactile Position Feedback」;2008年12月16日に発行された米国特許第7,464,849号、発明の名称「Electro-Mechanical Surgical Instrument with Closure System and Anvil Alignment Components」;2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、発明の名称「Surgical Instrument Having An Articulating End Effector」;2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、発明の名称「Surgical Stapling Instruments」;2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,514号、発明の名称「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」;2010年12月7日に発行された米国特許第7,845,537号、発明の名称「Surgical Instrument Having Recording Capabilities」;2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「Surgical Cutting And Fastening Instrument Having RF Electrodes」;2011年7月19日に発行された米国特許第7,980,443号、発明の名称「End Effectors For A Surgical Cutting And Stapling Instrument」;2012年7月3日に発行された米国特許第8,210,411号、発明の名称「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument」;2013年12月17日に発行された米国特許第8,608,045号、発明の名称「Powered Surgical Cutting And Stapling Apparatus With Manually Retractable Firing System」;2012年7月17日に発行された米国特許第8,220,688号、発明の名称「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」;2014年5月27日に発行された米国特許第8,733,613号、発明の名称「Staple Cartridge」;2013年10月22日に発行された米国特許第8,561,870号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument」;2015年7月7日に発行された米国特許第9,072,535号、発明の名称「Surgical Stapling Instruments With Rotatable Staple Deployment Arrangements」;2015年8月11日に発行された米国特許第9,101,358号、発明の名称「Articulatable Surgical Instrument Comprising A Firing Drive」;2016年5月24日に発行された米国特許第9,345,481号、発明の名称「Staple Cartridge Tissue Thickness Sensor System」;現在は放棄されている2014年9月18日に公開された米国特許出願公開第2014/0263552号、発明の名称「Staple Cartridge Tissue Thickness Sensor System」;現在は放棄されている2006年1月31日に公開された米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「Surgical Cutting And Fastening Instrument With Closure Trigger Locking Mechanism」;及び2012年11月12日に発行された米国特許第8,308,040号、発明の名称「Surgical Stapling Instrument With An Articulatable End Effector」が、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0096】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0097】
〔実施の態様〕
(1) 湾曲した外科用ステープラのフレームを製造する方法であって、
(a)前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第1の部分を製造することであって、前記第1の部分は、エンドエフェクタの第1の曲線部分と、第1の位置合わせ機構と、を含む、ことと、
(b)前記第1の部分から分離した、前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第2の部分を製造することであって、前記第2の部分は、第2の位置合わせ機構を含む、ことと、
(c)前記第1の部分又は前記第2の部分のいずれか一方から分離した、前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの第3の部分を製造することであって、前記第3の部分は、C字形トラックを含む、ことと、
(d)前記湾曲した外科用ステープラの前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構を位置合わせすることによって、前記第1の部分を前記第2の部分と位置合わせすることと、
(e)前記湾曲した外科用ステープラの前記フレームの前記第1の部分及び前記第2の部分を共に連結することと、を含む、方法。
(2) 前記第1の部分及び前記第2の部分を製造することは、前記第1の部分及び前記第2の部分を金属射出成形すること、前記第1の部分及び前記第2の部分を3D印刷すること、又は前記第1の部分及び前記第2の部分をスタンピングすることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記第1の部分をスタンピングすることは、前記材料の平面シートから前記第1の部分を切断し、続いて、前記第1の部分を屈曲させることを更に含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 位置合わせ線に沿って前記第1の部分を屈曲させる前に、前記第1の部分において前記位置合わせ線を付与することを更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記第1の部分は、前記エンドエフェクタの第2の曲線部分と、前記エンドエフェクタの前記第1の曲線部分及び前記第2の曲線部分から遠位に延在する接続部分と、前記接続部分から遠位に延在する遠位アンビル支持部分と、を含み、前記第1の部分をスタンピングすることは、前記エンドエフェクタの前記第1の曲線部分及び前記第2の曲線部分、前記接続部分、並びに前記遠位アンビル支持部分を屈曲させることを更に含む、実施態様3に記載の方法。
【0098】
(6) 少なくとも1つの溶接部を使用して、前記接続部分の第1の遠位端及び第2の遠位端を前記遠位アンビル支持部分に溶接することを更に含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記第3の部分は、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構と位置合わせするよう構成された第3の位置合わせ機構を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記第1の部分を前記第2の部分と位置合わせすることは、前記第1の位置合わせ機構、前記第2の位置合わせ機構、及び前記第3の位置合わせ機構を使用して、前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分を共に位置合わせすることを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記第1の部分及び前記第2の部分を共に連結することは、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構、及び前記第3の部分の前記第3の位置合わせ機構に締結部を挿入することを更に含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記第1の部分は、前記第1の曲線部分から遠位に延在する第1の接続部分と、前記第1の接続部分から遠位に延在する第1の遠位アンビル支持部分と、を含み、前記第2の部分は、第2の曲線部分と、前記第2の曲線部分から遠位に延在する第2の接続部分と、前記第2の接続部分から遠位に延在する第2の遠位アンビル支持部分と、を含む、実施態様1に記載の方法。
【0099】
(11) 前記フレームの前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記第1の部分及び前記第2の部分を共に連結する前に、互いから完全に分離している、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記第2の部分は、第2の曲線部分を含み、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置しており、前記第1の部分及び前記第2の部分が共に連結されると、前記フレームの外側表面に沿って見えなくなる、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構は、少なくとも1つの凸部又は少なくとも1つの凹部を含み、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構は、前記凸部又は前記凹部のうちの他方を含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 第1のシャフト位置合わせ機構を含む第1のハンドルフレームをスタンピングすることと、
第2のシャフト位置合わせ機構を含む第2のハンドルフレームをスタンピングすることと、
少なくとも1つの締結部を使用して、前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構を前記第1のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、前記第1の部分を前記第1のハンドルフレームに連結することと、
少なくとも1つの締結部を使用して、前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構を前記第2のシャフト位置合わせ機構と連結することによって、前記第2の部分を前記第2のハンドルフレームに連結することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記第1のハンドルフレームは、第1の細長いシャフト部分と、第1のハンドル部分と、を含み、前記第2のハンドルフレームは、第2の細長いシャフト部分と、第2のハンドル部分と、を含む、実施態様14に記載の方法。
【0100】
(16) 湾曲した外科用ステープラのエンドエフェクタフレームを製造する方法であって、前記方法は、
(a)付加製造を使用して前記エンドエフェクタフレームを形成することであって、前記エンドエフェクタフレームは、初期形状を有する少なくとも1つの機構を有する、ことと、
(b)前記エンドエフェクタフレームの全体を機械加工することなく、機械加工された形状を有するように前記エンドエフェクタフレームの前記少なくとも1つの機構を機械加工することと、
(c)前記エンドエフェクタフレームを前記湾曲した外科用ステープラ内に連結することと、を含む、方法。
(17) 前記初期形状の寸法が、前記少なくとも1つの機構の前記機械加工された形状の寸法よりも大きくなるように、前記機械加工することにより、前記少なくとも1つの機構から材料を除去する、実施態様16に記載の方法。
(18) 第1の凹部分及び第2の凹部分を機械加工することであって、前記第1の凹部分及び前記第2の凹部分のそれぞれは、少なくとも1つの連結機構をそれぞれ含む、ことと、
前記エンドエフェクタフレームに対する前記第1の凹部分の位置合わせ機構及び前記第2の凹部分の位置合わせ機構を、前記湾曲した外科用ステープラに連結することと、を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 湾曲した外科用ステープラのフレームであって、
(a)エンドエフェクタフレームと、
(b)前記エンドエフェクタフレームから近位に延在するシャフトフレームであって、前記シャフトフレームは、
(i)第1の曲線部分及び第1の位置合わせ機構を含む第1の部分と、
(ii)第2の曲線部分及び第2の位置合わせ機構を含む第2の部分と、を含む、シャフトフレームと、
(c)前記第1の部分の前記第1の位置合わせ機構及び前記第2の部分の前記第2の位置合わせ機構を共に連結するように構成された締結部と、を備える、フレーム。
(20) 前記エンドエフェクタフレームは、遠位アンビル支持部分と、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されたインサートと、を含み、前記遠位アンビル支持部分は、第3の位置合わせ機構を含み、前記インサートは、第1のインサート位置合わせ機構及び第2のインサート位置合わせ機構を含み、前記締結部は、第1の部分の第1の位置合わせ機構及び第2の部分の第2の位置合わせ機構を、前記インサートの前記第1のインサート位置合わせ機構と連結するように構成され、前記フレームは、遠位アンビル支持部分の第3の位置合わせ機構を前記インサートの前記第1のインサート位置合わせ機構と連結するように構成された第2の締結部を更に含む、実施態様19に記載の外科用器具。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
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図8
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