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特許7508461空き地又は放棄地内にビーチを備えた熱帯様式のスイミングラグーンを作るための建設方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】空き地又は放棄地内にビーチを備えた熱帯様式のスイミングラグーンを作るための建設方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 3/16 20060101AFI20240624BHJP
   E04H 1/00 20060101ALI20240624BHJP
   A63G 31/00 20060101ALI20240624BHJP
   A63K 1/00 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
E04H3/16 Z
E04H1/00
A63G31/00
A63K1/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021538373
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 US2019068414
(87)【国際公開番号】W WO2020139859
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】62/785,086
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/538,273
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521284554
【氏名又は名称】クリスタル ラグーンズ テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュマン,フェルナンド,ベンジャミン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-194676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 3/16
E04H 1/00
E04H 4/00
E04H 4/12
A63G 25/00
A63G 31/00
A63K 1/00
G06Q 50/08
G06Q 50/16
E02B 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空き地及び/又は放棄地に傾斜したアクセスを有する熱帯様式のスイミングラグーンを作るための都市空間の転換建設方法であって、
a.前記空き地又は放棄地の少なくとも一部を解体することであって、解体プロセスが、少なくとも15cmから6メートルまでの層を掘削することを含む、解体すること、
b.前記空き地又は放棄地内のエリアから少なくとも4,000m の体積を有する材料を掘削すること、
c.少なくとも3,000m の表面積と、その最深部で少なくとも1.4メートルの最小深さとを有する大きな水域のための窪地を形成することであって、前記窪地の盛り土は、周囲の空き地又は放棄地境界内に作られ、前記窪地は窪地境界と底部を含む、形成すること、
d.ウォーターフロント境界を形成するために前記窪地境界の少なくとも1つのセクションに水閉じ込め壁を構築することであって、前記ウォーターフロント境界の形状は主に湾曲しており、前記窪地は300メートルの最大幅を有する、構築すること、
e.非透過性材料で前記窪地の底部を覆って、前記非透過性材料が、プラスチックライナ、吹付けコンクリート、又は柔軟性材料を含むこと、
f.前記窪地境界の少なくとも1つのセクションに傾斜したアクセスエリアを構築して、前記大きな水域に至るビーチアクセスを形成すること、
g.制御されたアクセスエリアを確立するべくあるエリアを封鎖するために前記窪地境界の周囲に1つ又は複数の障壁を構築することであって、前記制御されたアクセスエリアはビーチアクセスの周囲及びビーチエリアを含み、前記障壁は、ユーザが前記制御されたアクセスエリアに入ることを選択的に許可する少なくとも1つのアクセスポイントを含み、これにより、前記制御されたアクセスエリアへの入場を許可されたユーザは前記ビーチアクセスを使用できる、構築すること、及び
h.レストラン、バー、売店、店舗、及びカフェを含む群から選択される飲食及び商業施設を含む少なくとも1つの追加のレクリエーション施設を建設して、前記少なくとも1つの追加のレクリエーション施設が前記ウォーターフロント境界の近くに位置すること、
を含む都市空間の転換建設方法。
【請求項2】
前記制御されたアクセスエリア内に位置しない前記窪地境界の周りのエリアが、ユーザが自由にアクセスできるチケットの要らないアクセスエリアを形成する、請求項1に記載の建設方法。
【請求項3】
前記解体プロセスが、設計掘削レベルを20センチメートル超える深さまでの機械による掘削を含み、最後の20cmは手動で掘削される、請求項1に記載の建設方法。
【請求項4】
ステップb)が少なくとも7,000m の体積を有する材料を掘削することを含む、請求項1に記載の建設方法。
【請求項5】
ステップc)が少なくとも5,000m の表面積を有する大きな水域のための窪地を形成することを含む、請求項1に記載の建設方法。
【請求項6】
-土壌のタイプが、N°200メッシュ(0.075mmの開口部)を通過する12%を超える材料を有する場合、底部土壌を95%の、最大乾燥締固め密度とも呼ばれるモディファイドプロクター密度を達成するように締固める必要があり、
-土壌のタイプが、N°200メッシュ(0.075mmの開口部)を通過する12%未満の材料を有する場合、土壌を80%以上の相対密度を達成するために締固める必要がある、請求項1に記載の建設方法。
【請求項7】
砂浜エリアを作るためにビーチエリアの周囲に砂を配置することをさらに含む、請求項1に記載の建設方法。
【請求項8】
前記ビーチアクセスが5%~30%の前記窪地への傾斜した移行部を有する、請求項1に記載の建設方法。
【請求項9】
熱帯様式のスイミングラグーンは、泳ぐために、ウォータースポーツの練習のために、ショー及びイベントを開催するために使用される、請求項1に記載の建設方法。
【請求項10】
前記傾斜したアクセスエリアが、前記傾斜したアクセスエリアに構造的安定性を提供するために支持スラブによって構築される、請求項1に記載の建設方法。
【請求項11】
前記窪地の底部を覆う非透過性底部材料が、プラスチックライナ、吹付けコンクリート、又は柔軟性材料を含み、それにより従来のスイミングプールのような厚いコンクリート層の使用は必要ない、請求項1に記載の建設方法。
【請求項12】
前記窪地の底部の少なくとも一部を覆う前記非透過性材料が少なくとも1mmの厚さを有するプラスチックライナである、請求項1に記載の建設方法。
【請求項13】
前記プラスチックライナが白、青又は明るい色を有する、請求項11に記載の建設方法。
【請求項14】
制御されたアクセスエリアとチケットの要らないアクセスエリアの両方に個別のアクセスポイントが含められ、これにより、訪問者は、レース又はアクティビティサーキット施設及び熱帯様式の前記スイミングラグーンを訪問する目的に応じて、一方又は両方のエリアに参加することができる、請求項1に記載の建設方法。
【請求項15】
前記制御されたアクセスエリアが、ビーチエリア対熱帯様式のスイミングラグーンの合計比率が少なくとも1:2であるように設計される、請求項1に記載の建設方法。
【請求項16】
前記熱帯様式のスイミングラグーンの周囲が、コンサート及びフェスティバルを含む群から選択されるイベントを実施するために円形劇場の使用を含む、請求項1に記載の建設方法。
【請求項17】
前記熱帯様式のスイミングラグーンの周囲が、カフェ、バー、レストラン、ビーチセンター、遊歩道、ホテル、娯楽施設、及び仮想的で没入型の体験を含む、請求項1に記載の建設方法。
【請求項18】
コンテンツを放送しイベント及びショーを開催するために前記熱帯様式のスイミングラグーンの近くに非固定式のスクリーンが提供される、請求項1に記載の建設方法。
【請求項19】
前記熱帯様式のスイミングラグーンが、照明システムによって照らされる、請求項1に記載の建設方法。
【請求項20】
前記熱帯様式のスイミングラグーンが植物及び樹木を含む草木によって囲まれる、請求項1に記載の建設方法。
【請求項21】
前記熱帯様式のスイミングラグーンを囲む設備が、青及び白色の使用を含む、ビーチテーマにより人工的に設定される、請求項1に記載の建設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、PCT国際特許出願として2019年12月23日に提出され、2019年8月12日に提出された米国特許出願第16/538,273号に付与された優先権の利益を主張し、前記特許出願は2018年12月26日に提出された米国仮特許出願第62/785,086号の利益を主張し、その開示内容全体は参照により完全な形で組み込まれる。
【0002】
米国内のみの指定に関して、本出願は2019年8月12日に提出された米国特許出願第16/538,273号の一部継続出願であり、前記特許出願は2018年12月26日に提出された米国仮特許出願第62/785,086号の利益を主張し、それらの出願は参照により本明細書に組み込まれる。適切な範囲で、上記の開示された出願のそれぞれに優先権の主張がなされる。
【0003】
発明の分野
本発明は概して、水泳及びウォータースポーツの実施のための、パブリックアクセス性を備え、ターコイズ色の澄み切った水を湛えた熱帯様式のスイミングラグーンを空き地又は放棄地内に作るための都市空間の転換及び建設方法に関し、空き地の一部はスイミングラグーンを作るために解体される。好ましくは、パブリックアクセスが制御されているスイミングラグーンのエリアが少なくとも存在し、制御されたアクセスエリア内にビーチエリアが位置する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
世界中で、都市や都市空間が成長し続けるにつれて、一連の空き地及び/又は放棄地がこのすべての都市開発の間に取り残されてきた。それらは用途が限定されているために空いている又は放棄されている可能性がある。
【0005】
参考までに、米国では、都市の土地の平均15%が空いていると見なされ、これには、未かく乱のオープンスペースから、放棄された汚染されたブラウンフィールドまで、様々な種類の土地が含まれる(Pagano et al, 2000)。これは特に米国南部の都市に当てはまり、その土地の19%超が空いていると見なされ、これは主に、著しい人口と土地面積の成長を経験した都市によるものである。都市が拡大する一方で、未開発のまま取り残され、その結果空き地になる区画やスペースが多数存在する。米国の平均では、都市には12,367エーカーの使用可能な空き地があり、使用可能な空き地の中央値は4,499エーカーである。
【0006】
一般に、空き区画は不動産価値の低下、犯罪、ゴミ、放棄、景観の悪さ、一般的な経済的及び/又は社会的不全に関連していると考えられており、空き区画は非常に否定的に認識される傾向がある。空き区画は、近隣を荒廃させ、近隣の生活の質を損ない、近隣の不動産の価値を低下させ、地方税収を減少させる可能性がある。この点では、(放棄された構造物の)維持又は解体には都市が支払わなければならない高いコストがかかるという事実に加えて、空いていて放棄された不動産が犯罪率を増加させ、不動産価値を低下させていることが研究されている。
【0007】
一部の空いた土地は、公園の建設が計画されており、オープンスペースのレクリエーション又は緑地に分類されているが、開発されておらず、放棄された荒廃した場所になっている。厳密に空いた土地に加えて、十分に活用されていない、又は適切に維持されていない公園などの緑地も、地域に同じマイナスの影響を与えるため、比較的空いた土地と見なすことができる。
【0008】
空いた土地及び放棄された構造物の再利用は、様々な都市部の経済成長及び回復の機会となる可能性があることが研究されている。これは、人口及び都市の規模に関係なく、すべての都市に当てはまる。
【0009】
本明細書で使用される際、空き地及び/又は放棄地は、空いている又は放棄された構造物を有するだけでなく、使用制限がある公園若しくは場所又は建築制限がある場所も含む場所及び/又は区画を指す。例えば、これは、使用率が低い民間プロジェクトの緑地、及び多層ビル若しくは高層ビルの建設を許可しない土地、使用密度が非常に低い区画、又は不動産若しくはとりわけ商業プロジェクトに転換するために非常に長い許可と承認プロセスを必要とする土地を表すことができる。
【0010】
例えば、何千もの放棄地及び/又は空き地がコミュニティガーデン及び公園に転換されてきた。「緑化」と呼ばれる比較的傾向のある現象は、空き区画を環境にやさしい緑地に転換することからなり、最終的には例えばコミュニティガーデン及び樹木農場として使用される。空いた土地の転換は、都市のガーデニング及びレクリエーションのための緑地の増加、及び都市の息抜きのための他の用途を提供する可能性がある。
【0011】
これらのタイプの緑地の要求は年々高まっているが、一方で都市部の人口は増え続けているため、リラックスした環境を提供することができ、とりわけランニング、エクササイズなどのレクリエーション活動も実行できる屋外の場所のニーズも高まっている。一般に、これらの緑地は、例えば周囲の不動産の価値の向上及び新しい市場の発展(例えば、公園の近くの商業の発展)、並びにユーザの健康の改善、及び環境への利益など、その周囲にもプラスの効果をもたらし、これは、空き区画又は放棄された区画によって生じるマイナスの影響とは正反対である。
【0012】
都市開発が進んでおり、人口が集中している都市は、特に他の手段による新しい緑地開発の機会がほとんどないため、そのような空き区画又は放棄された区画の転換から著しい恩恵を受ける可能性がある。しかしながら、空き地又は放棄地のコミュニティスペースへの転換は、あまり軌道に乗っておらず、都市の生活の質を向上させるために、また環境にプラスの影響を及ぼすために、これらの未活用スペースを上手く利用していない。庭園などを含む転換の代替案の多くはあまり成功しておらず、世界中に多数の空き地及び/又は放棄地が依然として存在する。
【0013】
大都市のストレス及び都市の生活様式は人々に大きな影響を与え、したがって人々はリラックスするために異なる環境及び生活様式を探す。これと同じ点で、長年にわたり世界中の観光客が爆発的に増加し、これにより二酸化炭素排出量が大幅に増加していることに言及することが重要である(長年にわたる観光客の増加を示す図01を参照)。これは主に、人々が長距離を移動して車を使用しなければならないか、又は飛行しなければならないか、又はウォーターフロント環境やビーチエリアに到達できるように他の輸送手段を使用しなければならないためであり、時に美しいウォーターフロントビーチ環境の一部となるために数百マイル移動しなければならず、結果として、この移動のすべてにより、二酸化炭素排出量は非常に多量になる。これは、社会が二酸化炭素排出量を非常に認識していて、旅行が炭素排出の主な要因の1つである今日、特に関係がある。
【0014】
都市部の場所は非常に忙しくストレスが多く、都市部の人口は、リラックスしたり、スポーツをしたり、美しい景色や空間を楽しんだりできる開放的なレクリエーションスペースをますます求めている。集会スペースは少なく、ショッピングモールや小売施設に集まるという古い伝統は、開放的で自然な環境の探求にシフトしている。
【0015】
したがって、現在、十分に使用されていない又は使用が限定されていて、比較的接続の良い都市部にあり、レクリエーション的な使用及び美しい環境など人々が探し求める美的特徴を有さない多くの空きスペース及び/又は放棄スペースがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
概要
したがって、一実施形態によれば、空き地及び/又は放棄地に傾斜したアクセスを有する熱帯様式のスイミングラグーンを作るための都市空間の転換建設方法が提供され、この方法は、空き地又は放棄地の少なくとも一部を解体することであって、解体プロセスが、少なくとも15cm~6メートルの層を掘削することを含む、解体すること;空き地又は放棄地内のエリアから少なくとも4,000m3の体積を有する材料を掘削すること;少なくとも3,000m2の表面積と、その最深部で少なくとも1.4メートルの最小深さを有する大きな水域のための窪地を形成することであって、窪地の盛り土は、周囲の空き地又は放棄地境界内に作られ、窪地は窪地境界と底部を含む、形成すること;ウォーターフロント境界を形成するために窪地境界の少なくとも1つのセクションに水閉じ込め壁を構築することであって、ウォーターフロント境界の形状は主に湾曲しており、窪地は300メートルの最大幅を有する、構築すること;従来のスイミングプールのような厚いコンクリートを含まない非透過性材料で窪地の底部を覆うこと;窪地境界の少なくとも1つのセクションに傾斜したアクセスエリアを構築して、大きな水域に至るビーチアクセスを形成すること;制御されたアクセスエリアを確立するべくあるエリアを封鎖するために窪地境界の周囲に1つ又は複数の障壁を構築することであって、制御されたアクセスエリアはビーチアクセス境界を含み、障壁は、ユーザが制御されたアクセスエリアに入ることを選択的に許可する少なくとも1つのアクセスポイントを含み、これにより、制御されたアクセスエリアへの入場を許可されたユーザはビーチアクセスを使用できる、構築すること;及びウォーターフロント境界の近くに、とりわけレストラン、バー、売店、店舗、カフェなどの飲食及び商業施設を含む少なくとも1つの追加のレクリエーション施設を建設することを含む。
【0017】
本発明のこれら及び他の変形は、本発明のより詳細な記載により当業者に明らかになるであろう。本発明を特徴付ける利点及び特徴は、本明細書に添付され、本明細書の一部を形成する特許請求の範囲において特に指摘されている。しかしながら、本発明をより深く理解するために、本発明の一部を形成する図面、及び本発明の好ましい実施形態が図示及び記載されている付随する記載事項を参照する必要がある。
【0018】
図の説明
図面を参照すると、同様の数字はいくつかの図全体を通して同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】2017年に世界観光機関によって与えられた国際観光客の到着数を示し、これは、国際観光客が1年未満の期間居住する目的地以外の国への本国行きの旅の数を示している。
図2】空き地又は放棄地(1)などの都市の場所を、少なくとも1つのビーチエリア(3)を有する熱帯様式のスイミングラグーン(2)を見ることができる都市のビーチに転換することを可能にする本発明の方法を適用した後の本発明の実施形態の航空写真を示す。
図3】スイミングラグーン2の窪地の閉じ込め壁6の実施形態の側面図を示す。最初に図2を参照すると、埋め戻し材料7が、閉じ込め壁6に構造的安定性を提供するために含められる。非透過性材料9が、大きな水域(例えば、スイミングラグーン2)に水を閉じ込め、底部土壌8の上に位置する。図5は、壁の近くのラグーン2の深さが比較的浅い実施形態を示している。
図4】スイミングラグーン2の窪地の閉じ込め壁6の別の実施形態の側面図を示し、閉じ込め壁に構造的安定性を提供する埋め戻し材料7を示し、非透過性材料9は、大きな水域内に水を閉じ込め、底部土壌8の上に位置する。図5は、壁の近くのラグーン2の深さが比較的深い実施形態を示している。
図5】スイミングラグーン2の窪地への傾斜したアクセス5の実施形態の側面図を示し、傾斜したアクセス5、及び大きな水域内に水を閉じ込めるための非透過性材料9の一部の下に支持スラブ10が設けられる。
図6】本発明の原理による好ましい建設方法11を示す。第1のステップ11aは、空き地及び/又は放棄地の少なくとも一部を解体することである。次のステップ11bは、少なくとも4,000m3の体積を有する材料を掘削することである。次に、ステップ11cで、少なくとも3,000m2の表面積を持つ大きな水域用の窪地が形成され、これは、掘削された材料からの及び/又はサイトに持ち込まれた追加の材料からの盛り土を部分的に含み得る。ステップ11dで、水閉じ込め壁が窪地の少なくとも1つのセクションに構築される。ステップ11eにおいて、スイミングエリアが含まれる場合、窪地の少なくとも1つのセクションの傾斜したアクセスエリアが任意選択的に作られる。11fで、ユーザ制御アクセスが望まれるビーチ又は他のエリアの制御されたアクセスエリアを確立するために窪地境界の周囲に障壁が構築される。ステップ11gで、少なくとも1つの追加のレクリエーション施設が建設される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な記載
本発明からの方法は、よりレクリエーション的な都市の屋外スペースに対するニーズと、二酸化炭素排出量がより低い観光のニーズを解決する一助となり得る、したがって、世界中の人々の生活様式を変え得るまったく新しい急進的なトレンドになる可能性がある美しいビーチのような環境を提供するために、図2に見られるように、接続性の良い都市部にある空き地又は放棄地を革新的な方法で転換することを可能にする。本発明は、世界中の都市人口の生活様式を変え得るアクティビティをレクリエーション環境に提供する必要性を解決するのに役立つのと同時に、空き地又は放棄された区画と地域全体へのマイナスの影響に関連する問題を解決するのに役立つ。
【0021】
本発明は、一般に、水泳及びウォータースポーツの実践のために、空き地又は放棄地に澄み切ったターコイズ色の水及びビーチを備えたアクセスが制御された熱帯様式のスイミングラグーンを作るための都市空間の転換及び建設方法に関し、ここでそのような空き地又は放棄地の一部は、設計、建設パラメータ、及び構成に従ってスイミングラグーンを作るために解体される。好ましくは、少なくとも公共のアクセスが制御されるスイミングラグーンのエリアが存在し、ビーチエリアは、制御されたアクセスエリア内に配置される。
【0022】
本発明は、少なくとも1つの熱帯様式のスイミングラグーン及び追加のアメニティを備えたレクリエーションの場を作ることによって、空き地又は放棄地を再利用するためにそのようなスペースに熱帯様式のスイミングラグーンを作るための建設方法を開示する。
【0023】
本発明による建設方法は、ショッピングモール、遊園地、ウォーターパーク又は同様の施設などの他の施設を同じスペースに建設するのに比べて低コストである。
【0024】
本明細書で使用される際、熱帯様式とは、直接接触するレクリエーション目的に適しており、通常はターコイズ色の澄み切った水を湛え、目に見える大型藻類が存在せず、とりわけ公園やゴルフコースにある人工ラグーンや湖のような緑色の水の色調も持たない、丸い形状の澄んだウオーターラグーンを指す。
【0025】
より詳細には、プロセスは、スイミングラグーンの建設に必要な掘削量を提供するために、15cm~6メートルの間の層を掘削するように空き地又は放棄地の少なくとも一部を掘削することを含む。
【0026】
任意選択的に、永久的又は堅固な構造物がサイト内にある場合、特に放棄された区画の場合に、スイミングラグーンを構築するのに必要な掘削を可能にするためにそのような構造物の解体を実行することができる。明確にするために、本出願の目的のために、解体という用語は、現在の構造物又は設備を取り壊す又は破壊することだけでなく、そのようなゾーンから瓦礫又は非固定材料を除去し、建設方法の一部として土地の一部を掘る又は掘削することも包含する。
【0027】
解体プロセスは、最終掘削レベルを20センチメートル超える深さまでの機械による掘削を含み、最後の20cmは手動で掘削することができる。
【0028】
設計掘削レベルが達成されたら、95%のモディファイドプロクター密度(Modified Proctor Density)を達成するために底部土壌を締固める必要がある。95%のモディファイドプロクター密度は、底部の土壌が最大乾燥密度の95%まで締固められることを意味する。これは、そのような土壌の建設後の沈下率を減らすことを目的としている。参考までに、モディファイドプロクター試験は、1/30立方フィートの土壌を保持する直径4インチのモールドを使用し、18インチ落下する10ポンドのハンマーを使用し、5つのリフトのそれぞれに25回の打撃を与え、約56,250ft-lb/ftの締固め効果を生じるようにする。これは、土壌タイプがN°200メッシュ(0.075mmの開口部)を通過する12%を超える材料を有する場合、モディファイドプロクター試験(ASTM D1557-02)に基づいて、掘削の底部が最大乾燥締固め密度の95%まで締固められるように説明することもできる。土壌タイプがN°200メッシュ(0.075mmの開口部)を通過する12%未満の材料を有する場合、80%以上の相対密度を達成するために土壌を締固める必要がある。
【0029】
このプロセスは、空き地又は放棄地内のエリアから、少なくとも4,000m3、好ましくは少なくとも7,000m3の体積を掘削することも含む。この掘削材料は、好ましくは、スイミングラグーンの窪地を提供するために必要な盛り土として機能し、そのような盛り土は、不動産境界内に作られ、窪地は、窪地周囲及び底部を含む。掘削された材料が盛り土に不適切であることが判明する可能性があることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、材料は、岩石、セメント、タール又は他の砕石の混合物を含み得る。このような場合、盛り土のために適切な盛土や他の資材をサイトに持ち込むことができる。
【0030】
ラグーン用の窪地は好ましくは、その表面積が少なくとも3,000m2、好ましくは少なくとも5,000m2、より好ましくは10,000m2より大きくなるように、その最深部が1.4メートルの最小深さを有するように設計及び建設される。
【0031】
本発明の熱帯様式のスイミングラグーンは表面が3,000m2を超えるため、従来のスイミングプールの建設技術は経済的及び技術的に実現できることはめったにないことを強調することが重要である。例えば、スイミングプールの建設は、少なくとも1日に1回、水の完全な量のろ過を可能にする水の動きと循環を引き起こすことができるようにその構造の壁と底に一連の入口と出口を備えた大きくて厚いコンクリート構造を有することが必要とされるためである。これにより主に均一な水域を有するようになり、その結果、引き込み及びろ過の際、水流は水量全体がろ過され、水の循環がなく効率的にろ過されないデッドエリアがないことを意味する。
【0032】
例えば、世界中のスイミングプールの規制は、底部及び/又は壁ノズルの使用を義務付けており、規制は、底部入口の使用により、水をプールから引き込んでろ過システムに送る前に、水を適切に混合及び循環できることを義務付けていると好ましい。例えば、フロリダのスイミングプールの建設規制では、床の入口間の間隔が20フィート(6m)を超えず、底部の入口と壁の間の距離が10フィート(3m)を超えないように入口を設置する必要がある。つまり、例えば25m×50mのオリンピックプールには35を超える底部入口が必要であり、3,000m2(60m×60m)のスイミングプールには、主たる排水路、スキマー、又は他の引き込みポイントから水を引き込み、そのような水をろ過システムに送る場合、それがプールの全水量を1日1~6回(通常は規制に基づいて1日あたり4回)ろ過することを効果的に可能にするように、水量を混合することをさらに可能にし得る壁入口に加えて、70を超える底部入口が必要であろう。本発明は、好ましくは、スイミングラグーンが、スイミングプール基準に従って従来のスイミングプールのろ過システムに必要とされる入口よりも少なくとも50%少ない入口を有することを必要とする。
【0033】
閉じ込め壁は、窪地内に水を閉じ込めるように配置及び構成されたウォーターフロント境界を形成するように、窪地境界の少なくとも1つのセクション上に構築されることが好ましい。そのような閉じ込め壁は、そのような壁に構造的完全性を提供するために埋め戻し材料を必要とする。
【0034】
さらに、傾斜エリアが、ビーチアクセス境界を作るために、窪地境界の少なくとも1つのセクションに構築されることが好ましい。傾斜エリアは、ビーチアクセス境界の勾配が5%~30%になるように構築される。傾斜エリアでは、そのような場所に構造的安定性を提供するために、支持スラブの構築又は配置が必要になる場合がある。例として、支持スラブは鉄筋コンクリート、吹付けコンクリート、プラスチック、又は他の支持材料から構築することができる。例えば、傾斜エリアでは、スイミングラグーンにアクセスするユーザの足の往来が多くなる可能性がある。
【0035】
ウォーターフロント境界の形状は、スイミングラグーンのより自然な態様を作るために湾曲していることが好ましい。さらに、窪地の最大幅は最も広い地点で300メートルである。ラグーンの幅は、ラグーンの端から端までの測定値又は範囲;ラグーン測定値の2つの寸法のうち小さい方として定義される。ラグーンの長さは、ラグーンの最大寸法測定値として定義される。
【0036】
ラグーンの最大幅は最大300メートルに制限される。これは距離が長くなると目のレベルで得られるラグーン全体の視覚的な影響がほとんどないためである。
【0037】
窪地の底部は、水閉じ込め構造として機能するために、非透過性材料で覆われる。窪地の底部を覆う非透過性の底部材料は、プラスチックライナ、吹付けコンクリート、又は従来のスイミングプールのような厚いコンクリート層の使用を必要としない柔軟な材料を含む。厚いコンクリートの広大な表面の使用は、コストが高いことに加えて、コンクリートの破壊、亀裂、沈下を引き起こし、窪地の構造特性に影響を与える可能性がある構造的張力を生成する可能性があるため、問題がある。
【0038】
好ましい実施形態では、非透過性材料は、他の解決策の中でも、少なくとも1mmの厚さのプラスチックライナを含む。プラスチックライナは、様々な色と色調を有することができるが、水域の強いターコイズ色の色調を提供する白、青、又は明るい色を有することが好ましい。
【0039】
したがって、窪地は、その閉じ込め壁及び/又は傾斜したエリアとともに、窪地を形成する先に掘削された体積内にスイミングラグーンを作る。
【0040】
本明細書の実施形態は、訪問者の体験を最適化するように配置及び構成されたスイミングラグーンに向けられる。具体的には、ラグーンは、ラグーンの様々なエリアのすべての要素と目的の関係により、ゲスト及び訪問者が体験を楽しんだり、様々な目的に指定できる様々なエリアと対話したりできるように配置及び構成されている。スイミングラグーンに含まれるビーチエリアが好ましい。しかしながら、スイミングエリアを有する傾斜されたビーチアクセスが実用的でない場合、又はスイミングエリアが特定のサイトで望ましくない場合があるかもしれない。
【0041】
さらに、スイミングラグーンはまた、泳ぐ目的だけでなく、とりわけカヤック、スタンドアップパドリング、ボート、水上スキーなどのいくつかのウォータースポーツの実施にも使用できるように建設されることが好ましい。
【0042】
スイミングラグーンは人工であるが、自然の形状を模倣する傾向のある形状を含むことが好ましく、ラグーンとその周辺の劇的な景色を体験するための少なくとも1つの見晴らしの良い場所を訪問者に提供するためにわずかに細長い形状を含む。好ましくは、スイミングラグーンは、植物及び樹木などの草木によって囲まれる。
【0043】
さらに、スイミングラグーンは、最適化された訪問者体験を提供するための異なる要素及びエリアを含み、好ましくは、少なくとも1つの制御されたアクセスエリアを含む。これは、スイミングラグーンのエリアを封鎖してアクセスが制限されたスイミングラグーンがその中に位置するアクセス制御エリアを確立するために、スイミングラグーンの窪地境界の周りに1つ又は複数の障壁を構築することによって実現される。その場合、制御されたアクセスエリアは、窪地境界内に少なくとも1つのビーチアクセス境界を含み、それによって訪問者に新しいレクリエーションアメニティと場所を提供する。障壁は、ユーザが制御されたアクセスエリアに選択的に入ることができるように、少なくとも1つのアクセスポイントを備える。窪地境界の周囲の残りの領域は、任意選択的に、ユーザが自由にアクセスできる、チケットの要らないエリアであることを意味する、オープンアクセス領域にすることができる。しかしながら、制御されたアクセスエリアは、好ましくは、チケット、バウチャー、又は他の料金又は支払いに含めることができるそのようなエリアにアクセスするための入場料の他の支払いを必要とし、例えば、アクセスはシーズンチケットに、又は、協会又はグループのメンバーになることによって、とりわけ宿泊施設の一部として含まれることによって含めることができる。
【0044】
制御されたアクセスエリアは、他の目的のためにスイミングラグーンの周りに作ることもできる。しかしながら、チケットの要らないエリアがある場合、ラグーンの制御されたアクセスエリアとチケットの要らないアクセスエリアの両方の別々のアクセスポイントを含むことが重要である。これにより、訪問者は、サイト及びラグーンを訪問する目的に応じて、一方又は両方のエリアに明確に参加することができ、これには、自然なアーティキュレーション及びエッジに沿った人工の焦点が含まれ、歩きやすさを促進し、発見の感覚で訪問者を育成する。スイミングラグーンは、夜間の使用を可能にするように、照明システムによって照らすことができる。照明システムは、外部照明システム及び/又は水中システムを含む。
【0045】
前述のように、ラグーンは、少なくとも1つのビーチエリアの訪問者のための少なくとも1つの制御されたアクセスエリアを含むことが好ましく、ビーチエリアは、砂浜とスイミングラグーンへの傾斜した移行部を含む。制御されたアクセスエリアは、ビーチエリア対ラグーンエリアの合計比率が少なくとも1:2になるように設計することができる。さらに、ビーチエリアは、一般的な夏の太陽の向きを考慮して配置及び設計され、訪問者の体験を最適化することが好ましい。本発明の別の実施形態では、制御されたアクセスエリアは、ラグーン表面全体を取り囲み、制御されたアクセスエリア内に、カフェ、バー、レストラン、その他などの追加のアメニティを含み得る。
【0046】
本発明の一実施形態では、熱帯様式のラグーンを取り巻く設備は、ビーチ及びビーチ売店及び灯台に着想を得た青及び白の色の使用を含む、ビーチテーマにより人工的に設定される。
【0047】
スイミングラグーンは、植物や樹木などの草木で囲むこともできる。
【0048】
本発明はまた、熱帯様式のラグーンを取り巻くレクリエーション環境を提供できる飲食及び商業施設を含む少なくとも1つの追加のレクリエーション施設を建設することを含む。レクリエーション施設の例は、レストラン、バー、売店、店舗、カフェ、レストラン、ビーチセンター、遊歩道、ホテル、娯楽施設、仮想的で没入型の体験、及び同様の施設とアメニティを含む。
【0049】
ラグーンの周囲及びビーチエリアの近くに円形劇場を建設することも好ましい。これにより、コンサートやフェスティバルなどのイベントを開催する機会が生まれる。他のアクティビティには、ビーチでの音楽、ビーチでの食事、他の多くのイベントの中でも結婚式及びスポーツイベントなどのビーチでの他のイベントが含まれる。ビーチの周辺は、カフェ、バー、レストラン、ビーチセンター、及び同様の施設とアメニティを含み得る。
【0050】
場内にチケットの要らないエリアがある場合、少なくとも1つのチケットの要らないアクセスエリアは、ラグーンの遮るもののない眺めを有し、ビーチエリアや風景の美観に影響を及ぼし得る遊歩道の真正面にない、スイミングラグーンを囲む最適化されたウォーターフロント境界を含む。チケットの要らないアクセスエリアは、カフェ、バー、レストラン、ビーチセンター、遊歩道、ホテル、娯楽施設、仮想的で没入型の体験、及び同様の施設及びアメニティを含む。
【0051】
また、スクリーンをスイミングラグーンの近くに設置して、コンテンツを放送したり、イベントやショーを開催したり、円形劇場と同じセクターに配置して、スイミングラグーンを背景にした新しいイベント会場を作ったりすることもできる。
【0052】
スクリーンは、ライブ又は記録されたイベント又は一般的なメディアのストリーミングにも使用でき、ステージゾーンは、とりわけ、eスポーツの競技会、コンサート、演劇、ショー、パフォーマンスを放送又は開催するために使用することができる。
【0053】
本発明の原理を具体化する他の構成要素及び方法を、本発明の趣旨及び意図の範囲内で構成することができる。本明細書に記載の構成は、本発明の原理を組み込んで実施する実施形態の一例としてのみ提供されている。他の修正及び変更は、当業者の知識の範囲内であり、添付の特許請求の範囲の広い範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 空地又は放棄地
2 熱帯様式のスイミングラグーン
3 ビーチエリア
4 本発明による方法
5 傾斜したアクセス
6 閉じ込め壁
7 埋め戻し
8 底部土壌
9 非透過性材料
10 支持スラブ
11 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6