(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】歯科診断において患者の頭蓋顎顔面領域における上顎に対する下顎の動きをリアルタイムで可視化するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20240624BHJP
A61C 19/045 20060101ALI20240624BHJP
A61B 6/51 20240101ALI20240624BHJP
【FI】
A61B6/46 506B
A61C19/045 110
A61B6/46 506Z
A61B6/46 536Q
A61B6/51 500
(21)【出願番号】P 2021540233
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2020060820
(87)【国際公開番号】W WO2020212554
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】ブレッヒャー、ボルフ
(72)【発明者】
【氏名】リフェルサ、フランチスカ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツェ-ガンツリン、ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】リンデンベルク、カイ
(72)【発明者】
【氏名】ベックハウス、クリスティアン
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-200537(JP,A)
【文献】特開2007-136133(JP,A)
【文献】特開2018-126251(JP,A)
【文献】特表2009-529951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0238981(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102781335(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きをリアルタイムで可視化するための装置(20)であって、
カメラ(40)からの前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号(26)と、ボリュームデータに基づいて予め計算された前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の3次元顎モデル(28)とを受信するための入力インターフェース(32)と、
前記上顎に対する前記下顎の第1の顎位置及び前記上顎に対する前記下顎の第2の顎位置において前記3次元顎モデルを前記2次元画像信号と位置合わせするための位置合わせユニット(34)と、
行われた前記位置合わせ及び前記2次元画像信号に基づいて前記3次元顎モデルから前記頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビュー(30)を生成するための画像化ユニット(36)と、前記2次元深度ビューは、前記2次元画像信号の画像領域の下にある構造を含む、
前記2次元深度ビューを出力するための出力インターフェース(38)と、
を備え
、
前記位置合わせユニット(34)は、閉じた咬合を伴う第1の顎位置において及び完全に開いた咬合を伴う第2の顎位置において前記3次元顎モデル(28)を位置合わせするように構成される、装置(20)。
【請求項2】
前記位置合わせユニット(34)は、
前記2次元画像信号(26)内の前記患者(18)の歯の画像認識、
ユーザ入力、及び/又は、
前記患者の前記2次元画像信号内の軟組織輪郭の特徴抽出、
に基づいて前記3次元顎モデル(28)を前記2次元画像信号(26)と位置合わせするように構成される、請求項
1に記載の装置(20)。
【請求項3】
前記画像化ユニット(36)は、前記2次元画像信号(26)の画角からの前記3次元顎モデル(28)のビューに対応する前記2次元深度ビュー(30)を生成するように構成される、請求項
1又は2に記載の装置(20)。
【請求項4】
前記入力インターフェース(32)は、拡張現実グラス(22)の前記カメラ(40)から前記2次元画像信号(26)を受信するように構成され、
前記出力インターフェース(38)は、前記拡張現実グラスのディスプレイ(42)上に前記2次元深度ビュー(30)を出力するように構成される、
請求項1~
3のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項5】
前記出力インターフェース(38)は、
前記2次元深度ビュー(30)を半透明に出力すること、及び/又は、
前記患者(18)の顎関節の領域においてのみ前記2次元深度ビュー(30)を出力すること、
を行うように構成される、請求項1~
4のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項6】
前記3次元顎モデル(28)に対する前記カメラ(40)の画角を決定するための角度ユニット(44)を有し、
前記位置合わせユニット(34)は、決定された前記画角に基づいて前記3次元顎モデル(28)を前記2次元画像信号(26)と位置合わせするように構成される、請求項1~
5のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項7】
前記入力インターフェース(32)は、外部座標系における前記カメラ(40)の向きに関する情報を有する向きデータを受信するように構成され、
前記角度ユニット(44)は、前記向きデータに基づいて前記画角を決定するように構成される、
請求項
6に記載の装置(20)。
【請求項8】
前記入力インターフェース(32)は、所望のビューに関する情報を有するユーザ入力を受信するように構成され、
前記画像化ユニット(36)は、前記ユーザ入力に基づいて前記2次元深度ビュー(30)を生成するように構成される、請求項1~
7のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項9】
前記入力インターフェース(32)は、ワイヤレス通信接続を介して前記3次元顎モデル(28)を受信するように構成される、請求項1~
8のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項10】
歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きを可視化するためのシステム(10)であって、
請求項1~
9のうちのいずれか一項に記載の装置(20)と、
前記2次元画像信号(26)を生成するためのカメラ(40)と、前記2次元深度ビュー(30)を表示するためのディスプレイ(42)とを有する拡張現実グラス(22)と、ここにおいて、前記ディスプレイ
は半透明である、
を備える、システム(10)。
【請求項11】
前記拡張現実グラス(22)は、前記カメラ(40)の画角を決定するための向きセンサ(46)を含む、請求項
10に記載のシステム(10)。
【請求項12】
前記装置(20)は、前記拡張現実グラス(22)に一体化される、請求項
10又は11に記載のシステム(10)。
【請求項13】
歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きをリアルタイムで可視化するための方法であって、
カメラ(40)からの前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号(26)と、ボリュームデータに基づいて予め計算された前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の3次元顎モデル(28)とを受信するステップ(S10)と、
前記上顎に対する前記下顎の
閉じた咬合を伴う第1の顎位置及び前記上顎に対する前記下顎の
完全に開いた咬合を伴う第2の顎位置において前記3次元顎モデルを前記2次元画像信号と位置合わせするステップ(S12)と、
行われた前記位置合わせ及び前記2次元画像信号に基づいて前記3次元顎モデルから前記頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビュー(30)を生成するステップ(S14)と、前記2次元深度ビューは、前記2次元画像信号の画像領域の下にある構造を含む、
前記2次元深度ビューを出力するステップ(S16)と、
を備える、方法。
【請求項14】
プログラムコードがコンピュータ上で実行されると、請求項
13に記載の方法のステップを実行するための前記プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診断において患者の頭蓋顎顔面領域における上顎に対する下顎の動きをリアルタイムで可視化するための装置に関する。本発明は更に、歯科診断において患者の頭蓋顎顔面領域における上顎に対する下顎の動きを可視化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顎関節機能障害(TMD)は、咀嚼筋及び下顎を頭蓋骨に接続する顎関節の機能障害から生じる症状複合体を指す。TMDは、広範な状態であり、疼痛及び制限された下顎の動きをもたらす可能性がある。更なる症状としては、頭痛、片頭痛、首の痛み、背中の痛み、及び耳鳴りを含む。理由としては、ストレス、歯の位置異常、又は歯の欠損等を含む。症状は慢性化し、生活の質に有害となる可能性がある。TMD及び他の関連状態を治療するための1つの選択肢は、歯及び/又は歯肉を覆うためのマウスピースに対応する咬合スプリントを利用することである。通常、そのようなスプリントは、歯への損傷を防止し、起こり得る欠陥のある顎の位置を治療するために睡眠中に着用される。
【0003】
TMDを診断し、適切な咬合スプリントを製造するために、歯科機能診断を使用して、患者の個々の下顎の動きを決定する。解剖学的データを顎の動きデータと一致させるために、この領域における現在の歯科診断アプローチは、異なる時間の掛かるステップを必要とする。加えて、現在のアプローチは、動きの特別な所定のコースに限定されており、それは、専用機器で追跡しなければならない。特に、第1のステップにおいてX線断層撮影スキャンが行われ、第2のステップにおいて患者の顎の動きデータが記録され、最後のステップにおいて患者の光学画像及びデータの融合が行われる。次いで、診断及び治療計画のためにコンピュータディスプレイ上で動きを可視化することが可能になる。
【0004】
しかしながら、費用と時間が掛かることは別として、このアプローチはまた、患者個人の動きに関する制限された柔軟性に起因して不正確さをもたらす可能性がある。これは、記録及び可視化のステップの分離のために直接的な患者のフィードバックを得ることが通常不可能であるので、更に重要となる。
【発明の概要】
【0005】
上記を考慮して、本発明は、下顎の動きに関連する状態に関して歯科診断を改善するという課題に直面する。特に、本発明は、下顎の動きに関連する状態を診断するための医療関係者用のツールを提供することを目的とする。
【0006】
この問題を解決するために、本発明の第1の態様は、歯科診断において患者の頭蓋顎顔面領域における上顎に対する下顎の動きをリアルタイムで可視化するための装置であって、
カメラからの患者の頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号と、ボリュームデータに基づいて予め計算された患者の頭蓋顎顔面領域の3次元顎モデルとを受信するための入力インターフェースと、
上顎に対する下顎の第1の顎位置及び上顎に対する下顎の第2の顎位置において3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするための位置合わせユニットと、
行われた位置合わせ及び2次元画像信号に基づいて3次元顎モデルから頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビューを生成するための画像化ユニットと、2次元深度ビューは、2次元画像信号の画像領域の下にある構造を含む、
2次元深度ビューを出力するための出力インターフェースと、
を備える、装置に関する。
【0007】
別の態様では、本発明は、歯科診断において患者の頭蓋顎顔面領域における上顎に対する下顎の動きを可視化するためのシステムであって、
上記に規定された装置と、
2次元画像信号を生成するためのカメラと、2次元深度ビューを表示するためのディスプレイとを有する拡張現実グラスと、ここにおいて、ディスプレイは、好ましくは半透明である、
を備える、システムに関する。
【0008】
本発明のまた更なる態様では、対応する方法と、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、本明細書に開示された方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラムと、プロセッサによって実行されると、本明細書に開示された方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体とが提供される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態が、従属請求項に規定されている。特許請求の範囲に記載された装置、方法、システム、コンピュータプログラム、及び媒体は、特許請求の範囲に記載された、特に、従属請求項に規定され、本明細書に開示された装置及びシステムと同様の及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるべきである。
【0010】
本発明は、患者の顎の動きのリアルタイム可視化を可能にするために拡張現実グラスを利用するという考えに基づいている。拡張現実グラスのカメラは、患者の頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号を記録するために使用される。更に、以前に行われたX線断層撮影スキャンに基づいて予め計算された、患者の頭蓋顎顔面領域の予め計算された3次元顎モデルが得られる。3次元顎モデルの2次元画像信号との位置合わせは、上顎に対する下顎の2つの顎位置において実行される。これに基づいて、2次元画像信号の画像領域の下にある解剖学的構造の透視図に対応する患者の頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビューを生成することが可能になる。言い換えれば、拡張現実グラスのカメラのビュー及び上顎に対する下顎のそれぞれの現在位置に対応する3次元顎モデルのビューが生成される。この2次元深度ビューは、次いで、拡張現実グラスを着用している人によって観察された現実世界を、観察された領域の下にある解剖学的構造に関する情報でオーバレイするために、拡張現実グラスのディスプレイ上に表示することができる。現実は、歯科診断中に患者のインタラクション及びフィードバックを可能にするために、下にある構造に関する情報で拡張される。患者は、自分の顎を動かすことができ、顎関節の動きが可視化されて正確な診断及び治療計画を可能にする。
【0011】
歯科機能診断の分野における以前のアプローチと比較して、本発明は、このことから、患者の可視化された個々の口の動きに基づく直接的な診断を可能にする。別個の位置合わせ手順において光学マーカを利用する必要はない。診断の質を改善するにもかかわらず、以前のアプローチの費用及び時間の掛かる処理ステップを省くことができる。歯科医又は別の医療関係者は、正確な診断に到達し、最適な治療計画を決定するために、顎関節に対する顎の動きの影響を直接可視化するためのツールを提供される。咬合スプリントの最適な治療位置を決定するために簡単なプロトタイプを利用することが可能になる。
【0012】
例えばWO2015/123759A1に提示されているような医療アプローチにおいて拡張現実を利用する以前のアプローチと比較して、上顎に対する下顎の2つの異なる位置における位置合わせが、2次元深度ビューを導出するために使用される。2つの位置合わせの使用は、顎の動きを可視化することを可能にする。それによって、拡張現実は、歯科器具又は歯科修復物の審美的効果を可視化するためだけでなく、診断用途において使用することができる。
【0013】
好ましい実施形態では、位置合わせユニットは、閉じた咬合(closed bite)を伴う第1の顎位置において及び完全に開いた咬合(fully opened bite)を伴う第2の顎位置において3次元顎モデルを位置合わせするように構成される。第1の顎位置は、咬合(occlusion)位置であり、第2の顎位置は、最大範囲の非咬合(abocclusion)位置である。口は、可能な限り開閉される。顎のこれらの位置合わせ位置は、歯科機能診断において顎関節の全機能範囲を利用することを可能にする。2次元深度ビューは、顎の全ての異なる位置について生成することができる。顎機能の正確な診断が可能になる。
【0014】
別の好ましい実施形態では、位置合わせユニットは、2次元画像信号内の患者の歯の画像認識に基づいて、3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするように構成される。追加的又は代替的に、ユーザ入力を使用することができる。更に追加的又は代替的に、患者の2次元画像信号内の軟組織輪郭の特徴抽出を使用することができる。歯の使用は、歯が通常はカメラによって視覚的に観察されることができ、ボリュームデータに基づいて生成された3次元顎モデルでも表現されるので、正確なマッピング(位置合わせ)が可能になるという利点を有する。一方では、軟組織輪郭の使用はまた、更なる一致点を利用することが可能になるという点において利点を提供する。また、軟組織輪郭は、正確なマッピングを提供するために利用することができるように、3次元顎モデルで表現される。ユーザ入力の使用は、患者個人の特徴又は現在の診断用途に関連する特徴を使用することができるという利点を有する。正確な診断が可能になる。
【0015】
実施形態では、画像化ユニットは、2次元画像信号の画角からの3次元顎モデルのビューに対応する2次元深度ビューを生成するように構成される。2次元深度ビューは、2次元画像信号の画角に相当する画角からの3次元顎モデルのビューを表す。歯科医は、患者が自分の顎を動かしている間に、下にある構造を自然に見ることができる。
【0016】
好ましい実施形態では、入力インターフェースは、拡張現実グラスのカメラから2次元画像信号を受信するように構成される。出力インターフェースは、拡張現実グラスのディスプレイ上に2次元深度ビューを出力するように構成される。好ましくは、拡張現実グラスは、歯科医が患者の機能診断を実行することを可能にするために使用される。歯科医は、患者を正確に検査し、顎関節に対する顎の動きの影響に関するリアルタイム情報を得るための手段を得る。
【0017】
別の好ましい実施形態では、出力インターフェースは、2次元深度ビューを半透明に出力するように構成される。追加的又は代替的に、出力インターフェースは、患者の顎関節の領域においてのみ2次元深度ビューを出力するように構成される。2次元深度ビューが顎関節の領域にのみ表示される場合、正確な診断を可能にするために歯科医の注意散漫が回避される。2次元画像信号及び2次元深度ビューの両方がスクリーン上に表示される場合、半透明出力を利用することが可能である。例えば、仮想現実グラスが使用される場合、2次元深度ビューの半透明出力は、機能診断を実行することを可能にする。
【0018】
好ましい実施形態では、装置は、3次元顎モデルに対するカメラの画角を決定するための角度ユニットを含む。位置合わせユニットは、決定された画角に基づいて3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするように構成される。画角に関する追加情報が存在する場合、2次元深度ビューの生成及び2次元画像信号の3次元顎モデルとのマッピングは、より正確になり、潜在的に計算コストがより低くなる。改善されたマッピング品質及び/又はより高速な処理を得ることができる。
【0019】
好ましくは、入力インターフェースは、外部座標系におけるカメラの向きに関する情報を有する向きデータを受信するように構成される。角度ユニットは、向きデータに基づいて画角を決定するように構成される。カメラの向きが外部座標系において提供される場合、画角の計算は、この外部座標系において実行することができる。これにより、3次元モデルへの正確なマッピングが可能になる。
【0020】
別の好ましい実施形態では、入力インターフェースは、所望のビューに関する情報を有するユーザ入力を受信するように構成される。画像化ユニットは、ユーザ入力に基づいて2次元深度ビューを生成するように構成される。診断を更に個別化するためには、ユーザの所望のビューに関する情報を有するユーザ入力を利用することが有利である。例えば、歯科医は、状況のより明確な概観を得るために、第1のステップにおいてある特定の情報を、第2のステップにおいて他の情報を見ることを選択することができる。また、ある特定の関連領域が選択され得る。診断の精度を更に改善することができる。
【0021】
別の好ましい実施形態では、入力インターフェースは、ワイヤレス通信接続を介して3次元顎モデルを受信するように構成される。特に、装置が拡張現実グラスに一体化されている場合、ケーブル接続が不要であれば取り扱いが容易になる。加えて、ワイヤレス通信接続の使用は、より高い処理能力を提供し得る外部プロセッサ上でいくつかの処理ステップを実行することを可能にする。
【0022】
本発明のシステムの好ましい実施形態では、拡張現実グラスは、カメラの画角を決定するための向きセンサを含む。特に、拡張現実グラスの現在の画角を決定するために慣性測定ユニット又は慣性測定センサを利用することが可能である。この向きセンサは、次いで、画角を決定し、3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするために使用することができる向きデータを提供する。
【0023】
システムの別の好ましい実施形態では、装置は、拡張現実グラスに一体化される。一体化されたシステムは、効率的な適用を可能にするために、セットアップ及び状況固有の適応のために必要とされる労力を最小限に抑えることができる。
【0024】
本明細書では、下顎(lower jaw)は、特に患者の下顎(mandible)に対応することができる。頭蓋顎顔面領域は、特に、患者の歯、上顎及び下顎、並びに顎関節の領域を含む。頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビューは、ライブ可視化を可能にするためにリアルタイムで生成される。上顎に対する下顎の動きは、リアルタイムで可視化される。位置合わせのために、画像処理の分野とは異なる標準的な位置合わせアプローチを使用することができる。ボリュームデータは、特に、医用撮像デバイスを介して得られるデータである。例えば、ボリュームデータは、X線スキャナ、(コーンビーム)コンピュータ断層撮影(CT)デバイス又は磁気共鳴撮像(MRI)デバイスからのデータであり得る。好ましくは、ボリュームデータは、X線データに対応する。異なる撮像モダリティからの組み合わされたデータを利用することも可能である。カメラ、2次元画像信号、及び2次元深度ビューに関して、本出願では単数形が使用される。1つよりも多くのカメラ及び/又は1つよりも多くの画像信号を使用することができ、生成された2次元深度ビューは、複数の別個の2次元画像、例えば人の各目に1つの画像を含むことが理解されるべきである。
【0025】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して解明されるであろう。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による、上顎に対する下顎の動きを可視化するためのシステムの概略図を示す。
【
図4】第1の顎位置及び第2の顎位置の概略図を示す。
【
図5】拡張現実グラスに一体化された本発明のシステムの概略図を示す。
【
図6】本発明の装置の別の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1では、歯科診断において患者18の頭蓋顎顔面領域16における上顎14に対する下顎12の動きをリアルタイムで可視化するためのシステム10が概略的に例示される。システム10は、装置20及び拡張現実グラス22を含む。例示された実施形態では、装置20は、拡張現実グラス22と一体化されている。システム10は、歯科診断に適用可能である。特に、歯科医24又は別の介護者が、患者18の顎関節機能障害を診断し、患者18の個々の特徴に対する最適な治療計画を決定するためにシステム10を利用することが可能である。
【0028】
図2は、提案されたデータ処理アプローチを概略的に例示する。患者の頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号26が、カメラから得られる。この2次元画像信号26は、特に患者の頭部の画像に対応し得る。好ましくは、拡張現実グラスのカメラが、2次元画像信号26を得るために使用される。加えて、3次元顎モデル28が使用される。この3次元顎モデル28は、ボリュームデータに基づいて予め計算される。特に、3次元顎モデル28は、患者の頭蓋顎顔面領域の断層撮影スキャンに対応することができる。この3次元顎モデル28は、患者の頭蓋顎顔面領域における構造の密度に関する情報を含む。特に、骨及び歯だけでなく軟組織の輪郭も、3次元顎モデル28中に含まれる。
【0029】
本発明は、リアルタイム2次元画像信号26及び3次元顎モデル28に基づいて頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビュー30を生成することを提案する。この2次元深度ビュー30は、2次元画像信号の現在の画角に相当する画角からの3次元顎モデル28のビューを表す。3次元顎モデル28は、2次元画像信号の画角に類似した画角からのビューを得るように処理される。2次元画像信号に見られる患者の顎の現在位置は、2次元深度ビュー30に反映される。
【0030】
この生成された2次元深度ビューは、次いで、観察されたリアルタイム画像上にオーバレイすることができる。それによって、患者の下顎の動きの拡張現実ビューを実現することができる。2次元深度ビュー30は、好ましくは、拡張現実グラスのスクリーン上に表示される2次元画像信号26のための一種のオーバレイである。歯科医又は別の介護者は、次いで、拡張現実グラスを通して患者を見、現在見られている領域の下にある構造で自分の観察を拡張するオーバレイ画像を得ることができる。診断中に、歯科医が患者と意思疎通し、患者の顎の動きを指示することが可能である。これは、個々の顎の動きを正確に診断し、咬合スプリントの最適位置を決定することが可能にする。
【0031】
図3では、本発明の装置20が概略的に例示される。装置は、入力インターフェース32、位置合わせユニット34、画像化ユニット36、及び出力インターフェース38を含む。異なるインターフェース及びユニットは、ハード及び/又はソフトウェアに部分的に又は完全に実装され得る。異なるユニット及びインターフェースが単一のユニットに一体化されるか、又は別個のユニットに実装されることが可能である。特に、異なるインターフェース及びユニットは、プロセッサの形態で実装することができる。
【0032】
入力インターフェース32を介して、患者の頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号が、カメラから受信される。2次元画像信号は、好ましくは、カメラの出力信号に対応する。更に、3次元顎モデルは、例えば予め計算されたモデルを含むデータベースから受信される。この3次元顎モデルは、診断より前に実行されるスキャン(好ましくはX線断層撮影スキャン)において得られる患者のボリュームデータに基づいて予め計算されることが可能である。このために、入力インターフェースは、3次元顎モデルを記憶する外部データベースとワイヤレス通信するように構成され得る。
【0033】
位置合わせユニット34は、画像位置合わせ手順を実行する。第1の位置合わせは、下顎が上顎に対して第1の顎位置にあるときに実行され、別の位置合わせは、下顎が上顎に対して第2の顎位置にあるときに実行される。2つの顎位置に基づいて、2次元画像信号の特徴が3次元顎モデルの特徴にリアルタイムでマッピングされる。患者の頭蓋顎顔面領域の2つの表現は、互いにマッピングされる。画像位置合わせは、それによって、2つの表現の座標系のマッピング又はマッチングを含む。本発明によると、位置合わせユニット34は、2つの別個の画像位置合わせ手順を実行し、それにおいて、2次元画像信号及び3次元顎モデルが1つの座標系に変換される。
【0034】
画像位置合わせのために、異なるアルゴリズムを使用することができる。例えば、強度ベース又は特徴ベースの位置合わせアルゴリズムを利用することが可能である。位置合わせの基準は、患者の歯の画像認識であり得る。理想的には、歯は、2次元画像信号において視覚的に観察及び認識することができ、3次元顎モデルでも表現される。歯の特徴的な形状は、2次元画像信号及び3次元顎モデルの両方において識別することができる。歯は、3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするための適切なターゲットを形成する。
【0035】
画像化ユニット36では、2つの位置合わせが、頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビューを生成するために使用される。この2次元深度ビューは、2次元画像信号の領域に対する、及び3次元顎モデル上の同等の画角からの、3次元顎モデル中に含まれる特徴のリアルタイム可視化に対応する。言い換えれば、患者の現在見られている頭蓋顎顔面領域についての、下にある骨及び歯等のリアルタイム表現が計算される。このために、画像化ユニット36は、2つの位置合わせ間の中間ステップをアルゴリズム的に決定するように構成され得る。特に、2つの位置合わせ間を補間することが可能である。このプロセスでは、標準的な画像処理及び動き計算アプローチを使用することができる。
【0036】
出力インターフェース38は、2次元深度ビューを出力するように構成される。好ましくは、出力は、リアルタイムで実行される。出力インターフェース38は、拡張現実グラスのヘッドアップディスプレイに接続され得る。それによって、患者の頭蓋顎顔面領域の観察部位に2次元深度ビューをオーバレイするために半透明出力を実行することが可能である。歯科医が機能障害に関する情報を得ることを可能にするために、2次元深度ビューが患者の顎関節の領域においてのみ出力されることが可能である。
【0037】
図4では、位置合わせが実行される2つの好ましい顎位置が例示される。第1の顎位置は左側に例示され、第2の顎位置は右側に例示される。第1の顎位置は、閉じた咬合を伴う位置(咬合)に対応するのに対して、第2の顎位置は、完全に開いた咬合を伴う位置(完全非咬合)に対応する。第1の顎位置では、患者の上顎の歯が患者の下顎の歯と接触している。第2の顎位置では、患者の顎関節の全機能範囲が利用される。患者は、自分の口を可能な限り広く開く。
【0038】
図5では、本発明のシステム10の実施形態が例示される。システム10は、カメラ40と2次元深度ビューを表示するためのディスプレイ42とを有する拡張現実グラス22を含む。システム10は、本発明の装置20を更に含む。特に、装置20は、更なる外部機器と通信するためのワイヤレス通信インターフェースを含むプロセッサの形態で実装され得る。
【0039】
カメラ40は、2次元深度ビューを表示するために使用される。ディスプレイ42は、拡張現実グラス22を着用している人が現実を見、同時に、ディスプレイ42上に表示された追加情報を見ることを可能にするために可視光に対して少なくとも半透明であるヘッドアップディスプレイである。カメラ40は、グラスの画角がカメラ40の画角に対応するように、拡張現実グラスに接続される。
【0040】
例示された実施形態では、システム10は、向きセンサ46を更に含み、向きセンサ46は、好ましくは、外部座標系におけるグラスの向きを決定するための内部センサを含む。
【0041】
図6では、本発明の装置20の別の実施形態が概略的に例示される。入力インターフェース32、位置合わせユニット34、画像化ユニット36、及び出力インターフェース38に加えて、装置20は、3次元顎モデルに対するカメラの画角を決定するように構成された角度ユニット44を更に含む。この角度ユニットはまた、共通の処理ユニットに一体化され得る。
【0042】
実施形態では、2次元深度ビューは、入力インターフェースを介して受信されたユーザ入力に基づいて生成されることが可能である。それによって、2次元深度ビューは、歯科医の現在のニーズに基づいて個別化することができる。例えば、歯科医は、ある特定の領域のみをオーバレイすることを選択し得、ユーザ入力を介してこの領域を指定し得る。ユーザ入力は、例えば、テーブル又は同様のもののようなインターフェースデバイスからワイヤレス信号を介して取得され得る。
【0043】
図7では、本発明の方法の実施形態が概略的に例示される。本方法は、2次元画像信号及び3次元顎モデルを受信するステップS10と、3次元顎モデルを2次元画像信号と位置合わせするステップS12と、2次元深度ビューを生成するステップS14と、2次元深度ビューを出力するステップS16とを含む。本発明の方法は、特に、拡張現実グラスのプロセッサ上で実行するソフトウェアの形態で実施され得る。しかしながら、ステップの一部を外部データプロセッサ上で実行することも可能である。例えば、計算コストが高い位置合わせを、より高い処理能力を有する外部プロセッサ上で実行することが可能である。
【0044】
前述の議論は、本開示の単に例証的な実施形態を開示及び説明しているに過ぎない。当業者によって理解されるように、本開示は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。それ故に、本説明は、例示的であることを意図されているが、本開示の範囲及び他の特許請求の範囲を限定するものではない。本開示は、本明細書の教示の任意の容易に認識可能な変形形態を含めて、本発明の主題が公に献呈されないように、前述の特許請求の範囲の専門用語の範囲を部分的に規定する。
【0045】
特許請求の範囲では、「備える」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を果たし得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0046】
本開示の実施形態が、ソフトウェア制御されたデータ処理装置によって少なくとも部分的に実装されるものとして説明されている限り、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、又は同様のものなどの、そのようなソフトウェアを搬送する非一時的機械可読媒体もまた、本開示の実施形態を表すと見なされることが理解されるであろう。更に、そのようなソフトウェアはまた、インターネット又は他のワイヤード若しくはワイヤレス電気通信システムを介するなど、他の形態で配布され得る。本発明による方法は、特に、ソフトウェア無線の動作を制御するために実行され得る。
【0047】
開示されたデバイス、回路、及びシステムの要素は、対応するハードウェア及び/又はソフトウェア要素、例えば適切な回路によって実装され得る。回路は、従来の回路素子、特定用途向け集積回路を含む集積回路、標準集積回路、特定用途向け標準製品、及びフィールドプログラマブルゲートアレイを含む電子コンポーネントの構造的集合体である。更に、回路は、ソフトウェアコードに従ってプログラム又は構成された中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、及びマイクロプロセッサを含む。回路は、ソフトウェアを実行する上述のハードウェアを含むが、回路は、純粋なソフトウェアを含まない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を付記する。
[1] 歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きをリアルタイムで可視化するための装置(20)であって、
カメラ(40)からの前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号(26)と、ボリュームデータに基づいて予め計算された前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の3次元顎モデル(28)とを受信するための入力インターフェース(32)と、
前記上顎に対する前記下顎の第1の顎位置及び前記上顎に対する前記下顎の第2の顎位置において前記3次元顎モデルを前記2次元画像信号と位置合わせするための位置合わせユニット(34)と、
行われた前記位置合わせ及び前記2次元画像信号に基づいて前記3次元顎モデルから前記頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビュー(30)を生成するための画像化ユニット(36)と、前記2次元深度ビューは、前記2次元画像信号の画像領域の下にある構造を含む、 前記2次元深度ビューを出力するための出力インターフェース(38)と、
を備える、装置(20)。
[2] 前記位置合わせユニット(34)は、閉じた咬合を伴う第1の顎位置において及び完全に開いた咬合を伴う第2の顎位置において前記3次元顎モデル(28)を位置合わせするように構成される、[1]に記載の装置(20)。
[3] 前記位置合わせユニット(34)は、
前記2次元画像信号(26)内の前記患者(18)の歯の画像認識、
ユーザ入力、及び/又は、
前記患者の前記2次元画像信号内の軟組織輪郭の特徴抽出、
に基づいて前記3次元顎モデル(28)を前記2次元画像信号(26)と位置合わせするように構成される、[1]又は[2]に記載の装置(20)。
[4] 前記画像化ユニット(36)は、前記2次元画像信号(26)の画角からの前記3次元顎モデル(28)のビューに対応する前記2次元深度ビュー(30)を生成するように構成される、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[5] 前記入力インターフェース(32)は、拡張現実グラス(22)の前記カメラ(40)から前記2次元画像信号(26)を受信するように構成され、
前記出力インターフェース(38)は、前記拡張現実グラスのディスプレイ(42)上に前記2次元深度ビュー(30)を出力するように構成される、
[1]~[4]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[6] 前記出力インターフェース(38)は、
前記2次元深度ビュー(30)を半透明に出力すること、及び/又は、
前記患者(18)の顎関節の領域においてのみ前記2次元深度ビュー(30)を出力すること、
を行うように構成される、[1]~[5]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[7] 前記3次元顎モデル(28)に対する前記カメラ(40)の画角を決定するための角度ユニット(44)を有し、
前記位置合わせユニット(34)は、決定された前記画角に基づいて前記3次元顎モデル(28)を前記2次元画像信号(26)と位置合わせするように構成される、[1]~[6]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[8] 前記入力インターフェース(32)は、外部座標系における前記カメラ(40)の向きに関する情報を有する向きデータを受信するように構成され、
前記角度ユニット(44)は、前記向きデータに基づいて前記画角を決定するように構成される、
[7]に記載の装置(20)。
[9] 前記入力インターフェース(32)は、所望のビューに関する情報を有するユーザ入力を受信するように構成され、
前記画像化ユニット(36)は、前記ユーザ入力に基づいて前記2次元深度ビュー(30)を生成するように構成される、[1]~[8]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[10] 前記入力インターフェース(32)は、ワイヤレス通信接続を介して前記3次元顎モデル(28)を受信するように構成される、[1]~[9]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)。
[11] 歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きを可視化するためのシステム(10)であって、
[1]~[10]のうちのいずれか一項に記載の装置(20)と、
前記2次元画像信号(26)を生成するためのカメラ(40)と、前記2次元深度ビュー(30)を表示するためのディスプレイ(42)とを有する拡張現実グラス(22)と、ここにおいて、前記ディスプレイは、好ましくは半透明である、
を備える、システム(10)。
[12] 前記拡張現実グラス(22)は、前記カメラ(40)の画角を決定するための向きセンサ(46)を含む、[11]に記載のシステム(10)。
[13] 前記装置(20)は、前記拡張現実グラス(22)に一体化される、[11]又は[12]に記載のシステム(10)。
[14] 歯科診断において患者(18)の頭蓋顎顔面領域(16)における上顎(14)に対する下顎(12)の動きをリアルタイムで可視化するための方法であって、
カメラ(40)からの前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の2次元画像信号(26)と、ボリュームデータに基づいて予め計算された前記患者の前記頭蓋顎顔面領域の3次元顎モデル(28)とを受信するステップ(S10)と、
前記上顎に対する前記下顎の第1の顎位置及び前記上顎に対する前記下顎の第2の顎位置において前記3次元顎モデルを前記2次元画像信号と位置合わせするステップ(S12)と、
行われた前記位置合わせ及び前記2次元画像信号に基づいて前記3次元顎モデルから前記頭蓋顎顔面領域の2次元深度ビュー(30)を生成するステップ(S14)と、前記2次元深度ビューは、前記2次元画像信号の画像領域の下にある構造を含む、
前記2次元深度ビューを出力するステップ(S16)と、
を備える、方法。
[15] プログラムコードがコンピュータ上で実行されると、[14]に記載の方法のステップを実行するための前記プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。