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特許7508466加熱を用いたガントリなしの風力タービンウェブの設置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】加熱を用いたガントリなしの風力タービンウェブの設置
(51)【国際特許分類】
   F03D 1/06 20060101AFI20240624BHJP
   B29C 70/68 20060101ALI20240624BHJP
   F03D 13/10 20160101ALI20240624BHJP
【FI】
F03D1/06
B29C70/68
F03D13/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021547058
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2019057411
(87)【国際公開番号】W WO2020086560
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】62/748,830
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520005303
【氏名又は名称】ティーピーアイ コンポジッツ,インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スキブスビー,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】サリミ,アミール
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-167481(JP,U)
【文献】特表2014-501865(JP,A)
【文献】特表2013-526681(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0068389(US,A1)
【文献】特開2017-129091(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0122459(US,A1)
【文献】特開2012-013006(JP,A)
【文献】特開2017-210949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0040654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0101414(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109397722(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/10
F03D 1/06
F03D 80/00
B29D 70/30
B29D 70/34
B29D 70/52
B29D 70/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンブレードを形成する方法であって、
第1のブレードハーフを準備することと、
第2のブレードハーフを準備することと、
内部に形成された少なくとも一つの開口部を含むせん断ウェブを準備することと、
前記せん断ウェブに取り付けられた少なくとも一つのバルクヘッドを準備することと、
前記せん断ウェブ及び前記少なくとも一つのバルクヘッドを前記第1のブレードハーフ上に配置することと、
前記第1のブレードハーフと前記第2のブレードハーフとの間にブレードの内部を画定するよう前記第1のブレードハーフ上に前記第2のブレードハーフを配設することと、を含み、
前記せん断ウェブ及び前記少なくとも一つのバルクヘッドは、前記ブレードの内部の中に配設され、
前記少なくとも一つのバルクヘッドは、フレーム及び取外し可能な蓋を備える、
方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つのバルクヘッドのうちの第1のバルクヘッドは第1及び第2の非対称構成要素を備え、前記第1の非対称構成要素は前記せん断ウェブの第1の側に配設され、前記少なくとも一つのバルクヘッドのうちの第2のバルクヘッドは前記せん断ウェブの前記第1の側に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の非対称構成要素は、D字形状で構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームは、前記せん断ウェブに恒久的に取り付けられたままである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つのバルクヘッドのうちの第1のバルクヘッドは、前記ブレードの根元に近接して位置し、前記少なくとも一つのバルクヘッドのうちの第2のバルクヘッドは、前記第1のバルクヘッドから所定の距離に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記せん断ウェブ及び前記バルクヘッドを前記第1のブレードハーフ上に配置することは、前記せん断ウェブを、水平の向きから垂直の向きに回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレードの内部を露出させるためにバルクヘッドから少なくとも一つの蓋を取り外すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ブレードの内部を加熱することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ブレードの内部を冷却することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
風力タービンブレードを形成する方法であって、
第1のブレードハーフを準備することと、
第2のブレードハーフを準備することと、
内部に形成された少なくとも一つの開口部を含むせん断ウェブを準備することと、
前記せん断ウェブに取り付けられた少なくとも一つのバルクヘッドを準備することと、
前記せん断ウェブ及び前記少なくとも一つのバルクヘッドを前記第1のブレードハーフ上に配置することと、
前記第1のブレードハーフと前記第2のブレードハーフとの間にブレードの内部を画定するよう前記第1のブレードハーフ上に前記第2のブレードハーフを配設することと、
前記ブレードの内部を加熱することと、を含み、
前記せん断ウェブ及び前記少なくとも一つのバルクヘッドは、前記ブレードの内部の中に配設され、
加熱することは、前記せん断ウェブの周りを循環しながら前記ブレードの根元からバルクヘッドを通じて前記ブレードの先端へと流体を向かわせることを含む、
方法。
【請求項11】
加熱することは、前記せん断ウェブの第1の側から、前記少なくとも一つの開口部を通じて流体をポンピングすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
加熱することは、前記せん断ウェブの第2の側から、前記少なくとも一つの開口部を通じて流体を吸引することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
加熱することは、前記ブレードの先端に近接した前記せん断ウェブの遠位端の周りに流体を向かわせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
加熱することは、前記根元と前記先端との間の位置において前記せん断ウェブの周りに流体を向かわせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
第1のバルクヘッドは、内部に位置する流体通路のための第1の開口部を含み、第2のバルクヘッドは、内部に位置する流体通路のための第2の開口部を含み、前記第1の開口部は、前記第2の開口部から翼弦方向にオフセットされている、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ブレードの内部を露出させるためにバルクヘッドから少なくとも一つの蓋を取り外すことを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つの蓋の取り外し後にレイアップ動作を行うことを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
加熱することは、前記ブレードの根元において加熱流体をポンピングすることと、前記ブレードの根元において冷却流体を吸引することとを同時に行うことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
加熱することは、前記バルクヘッドを通じて加熱流体を分配するための導管を巡らせることを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月22日出願の米国仮出願第62/748,830号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張するものであり、その全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示される主題の分野
開示される主題は、大規模な複合構造体、例えば、風力タービンブレードを製造するシステム及び対応する方法に関する。これらの大規模な複合体構造は、通常、ツーピース金型と、せん断ウェブ挿入物とから形成され、せん断ウェブ挿入物は、製造を完了するためにせん断ウェブを移送及び位置決めするためのオーバーヘッドガントリ装置を含むことから、ブレードハーフが成形された後に、複雑な金型設置及び閉鎖プロセスを必要とする。
【0003】
特に、本開示は、せん断ウェブにおいて、設置後のウェブの安定性も確保しながら、設置ガイドとしての役割を果たす支持要素を用いることによって、せん断ウェブを支持するガントリを必要とすることなく、せん断ウェブを設置するシステム及び対応する方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
風力タービンブレードは、一般に、ガラス繊維強化プラスチック等の複合材料から主に作製された中空のブレードシェルを備える。ブレードシェルは、通常、二つのハーフシェル、すなわち、下側の正圧側シェルと、上側の負圧側シェルとから作製され、これらはそれぞれの雌型のハーフ金型において別個に成形され、その後、ブレードの前縁及び後縁においてフランジに沿って共に結合される。このブレードの製造方法は、図1Aに概略的に示される。
【0005】
図1Aを参照すると、これは、二つのハーフ金型、すなわち、上側の負圧側金型10aと、下側の正圧側金型10bとに分割された風力タービンブレードの金型10を示し、それらの金型が開けられた形態で並んで配置されている。正圧側ブレードシェル12aは、下側金型10aの金型表面14a上に支持され、負圧側ブレードシェル12bは、上側金型10bの金型表面14b上に支持される。シェル12a、12bはそれぞれ、硬化樹脂によって共に結合された複数のガラス繊維織物層から作製される。
【0006】
それぞれのハーフ金型10a、10bにおいてシェル12a、12bを形成した後、せん断ウェブ16は、風上のブレードシェル12aの内面17に結合される。図1A図1Cには二つのせん断ウェブが示されるが、本開示は、単一のせん断ウェブの使用を含む。実際に、単一のせん断ウェブの実施形態は、二重ウェブ設計よりも安定性が低くなり得るため、本開示は、単一のウェブの実施形態の場合に、一層大きな効用を有する。図示するように、せん断ウェブ16は、ブレードの二つのハーフシェル12a、12bを架橋する長手方向に延びる構造であり、使用時に、ブレードから風力タービンハブへせん断負荷を移す役割を果たす。断面において、図1Aに示すように、せん断ウェブ16は各々、第1の長手方向に延びる取り付けフランジ20を含む下縁19と、第2の長手方向に延びる取り付けフランジ22を含む上縁21とを有するウェブ18を含む。せん断ウェブ16をそれぞれのハーフシェル12a、12bに結合するために、これらの取り付けフランジ22に沿ってエポキシ等の接着剤が塗布される。
【0007】
図1Bに示すように、せん断ウェブ16が下側ブレードシェル12aに結合されると、せん断ウェブ16の第2の(上側)取り付けフランジ22に沿って、且つ、ブレードシェル12a、12bの前縁24及び後縁26に沿って接着剤が塗布される。次に、前縁24及び後縁26に沿って二つのブレードハーフシェル12a、12bを共に結合し、せん断ウェブ16を上側ブレードシェル12bの内面28に結合するために、上側ブレードシェル12bを含む上側金型10bが持ち上げられ、回転され、下側ブレード金型10aの上に配置される。一方のハーフ金型を他方の上に配置するステップは、金型の閉鎖と呼ばれる。
【0008】
ここで図1Cを参照すると、金型10が閉じており、それによってせん断ウェブ16が上側シェル12bに対して僅かに動くことができる場合に問題が生じる可能性がある。例えば、せん断ウェブ16は、金型閉鎖中、自身の重量下で僅かに動く場合があるか、又は、上側シェル12bとの接触によって外れる場合がある。図1Cに示すように、上側シェル12bの凹型の湾曲は、せん断ウェブ16を共に僅かに押し進める傾向も有する。金型閉鎖中のせん断ウェブ16のそのような動きの結果として、せん断ウェブ16が次善の位置において上側シェル12bに結合される場合がある。
【0009】
加えて、金型内にせん断ウェブを設置する従来のプロセスは、複雑な設置固定具、例えば、オーバーヘッドガントリを用いる。ガントリ固定具の大きなサイズ及び重量は、多くの場合に、製造現場の不動産を複雑にし、ガントリ固定具を動作させることは、製造サイクル時間において大きな遅延をもたらす。
【0010】
更に、金型閉鎖中にせん断ウェブを誘導するための常設固定具を用いることを必要とする様々な技法が存在する。この例が、ウェブガイド構造体を含む、米国特許出願公開第2017/0151711号において提供されており、この内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、そのような常設固定具の使用は、ブレードの重量に悪影響を及ぼし、設計の複雑性及びコストを増大させ、使用時にブレード構造に寄生することによってブレードの設計構造に影響を及ぼす。更に、従来の方法は、初期ブレード設計の一部でなくてはならなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、ガントリ固定具を必要とすることなく、かつ製品の構造に影響を及ぼすことなく、せん断ウェブの適切な配置を確実-にする風力タービンデバイスの組立て段階中のウェブ/構造要素のための支持を提供するための効率的で経済的な方法及びシステムが依然として必要とされている。
【0012】
本開示によれば、せん断ウェブを扱い、ガントリのない設置プロセスを確立するための新規のシステムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示される主題の目的及び利点は、以下の説明に記載されるとともにそこから明らかとなるものであり、また開示される主題の実践からも学習される。開示される主題の更なる利点は、明細書及びその請求項において、また添付図面からも特に指摘される方法及びシステムによって、実現及び達成される。
【0014】
具体化され、幅広く説明されるように、これら及び他の利点を実現するため、及び開示される主題の目的に従って、開示される主題は、風力タービンブレードを形成する方法であって、第1のブレードハーフを準備することと、第2のブレードハーフを準備することと、内部に形成された少なくとも一つの開口部を含むせん断ウェブを準備することと、せん断ウェブに取り付けられた少なくとも一つのバルクヘッドを準備することと、せん断ウェブ及び少なくとも一つのバルクヘッドを第1のブレードハーフ上に配置することと、第1のブレードハーフと第2のブレードハーフとの間にブレードの内部を画定するよう第1のブレードハーフ上に第2のブレードハーフを配設することと、を含み、せん断ウェブ及び少なくとも一つのバルクヘッドは、ブレードの内部の中に配設される、方法を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のバルクヘッドは第1及び第2の非対称構成要素を備え、第1の構成要素はせん断ウェブの第1の側に配設され、第2のバルクヘッドはせん断ウェブの第1の側に配設される。例えば、第1の及び第2の対称構成要素は、概ねD字形状で構成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のバルクヘッドは第1及び第2の非対称構成要素を備え、第1の構成要素はせん断ウェブの第1の側に配設され、第2のバルクヘッドはせん断ウェブの第1の側に配置される。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2のバルクヘッドの第1の構成要素は概ねD字形状で構成され、第2のバルクヘッドの第2の構成要素はテーパー形状で構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のバルクヘッドは、ブレードの根元に近接して位置し、第2のバルクヘッドは、第1のバルクヘッドから所定の距離に位置する。
【0019】
いくつかの実施形態では、せん断ウェブ及びバルクヘッドを第1のブレードハーフに配置することは、せん断ウェブを水平の向きから垂直の向きに回転させることを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、ブレードの内部を露出させるためにバルクヘッドから少なくとも一つの蓋を取り外すことも含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、ブレードの内部を加熱及び/又は冷却することも含む。
【0022】
本開示の別の態様によれば、風力タービンブレードを形成する方法であって、第1のブレードハーフを準備することと、第2のブレードハーフを準備することと、内部に形成された少なくとも一つの開口部を含むせん断ウェブを準備することと、せん断ウェブに取り付けられた少なくとも一つのバルクヘッドを準備することと、せん断ウェブ及び少なくとも一つのバルクヘッドを第1のハーフブレード上に配置することと、第1のブレードハーフと第2のブレードハーフとの間にブレードの内部を画定するよう第1のブレードハーフ上に第2のブレードハーフを配設することと、ブレードの内部を加熱することと、を含み、せん断ウェブ及び少なくとも一つのバルクヘッドは、ブレードの内部の中に配設され、加熱することは、せん断ウェブの周りを循環しながらブレードの根元からバルクヘッドを通じてブレードの先端へと流体を向かわせることを含む、方法が提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、加熱することは、せん断ウェブの第1の側の開口部を通じて流体をポンピングすることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、加熱することは、せん断ウェブの第2の側の開口部を通じて流体を吸引することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、加熱することは、ブレードの先端に近接したせん断ウェブの遠位端の周りに流体を向かわせることを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、加熱することは、根元と先端との間の位置においてせん断ウェブの周りに流体を向かわせることを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1のバルクヘッドは、内部に位置する流体通路のための第1の開口部を含み、第2のバルクヘッドは、内部に位置する流体通路のための第2の開口部を含み、第1の開口部は、第2の開口部から翼弦方向にオフセットされている。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のブレードハーフから少なくとも一つの蓋を取り外して、ブレードの内部に配設された少なくとも一つのバルクヘッドを露出させることも含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも一つの蓋の取り外し後にレイアップ動作を行うことも含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、加熱することは、ブレードの根元において加熱流体をポンピングすることと、ブレードの根元において冷却流体を吸引することとを同時に行うことを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、加熱することは、バルクヘッドを通じて加熱流体を分配するための導管を巡らせることを含む。
【0032】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、特許請求される開示される主題の更なる説明を提供することが意図されていることを理解されたい
【0033】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、開示される主題の方法及びシステムを例示し、その更なる理解をもたらすために含まれる。説明と共に、図面は、開示される主題の原理を説明する役割を果たす。
【0034】
本明細書で説明される主題の様々な態様、特徴、及び実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照して提供され、添付の図面は以下で簡単に説明される。図面は例示的なものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、いくつかの構成要素及び特徴は、明確にするために誇張されている。図面は本主題の様々な態様及び特徴を示し、本主題の一つ以上の実施形態又は例を全体的に又は部分的に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】従来の風力タービンブレード金型及び製造方法を示す断面図。
図1B】従来の風力タービンブレード金型及び製造方法を示す断面図。
図1C】従来の風力タービンブレード金型及び製造方法を示す断面図。
図2】バルクヘッド及びせん断ウェブ組立体の概略図。
図3】バルクヘッド及びせん断ウェブ組立体の概略図。
図4】バルクヘッド及びせん断ウェブ組立体の概略図。
図5】本開示の実施形態による、せん断ウェブ(ステップ0)、これに支持バルクヘッドが取り付けられたもの(ステップ1)、及び、これが風力タービンブレード金型に設置するために回転されたもの(ステップ2)の概略表現。
図6】本開示の実施形態による、開いたハーフ金型内に配設されたせん断ウェブ(ステップ3)、閉じた形態(ステップ4)、及び、ここから支持バルクヘッドが取り外されたもの(ステップ5)の概略表現。
図7】本開示の実施形態による、金型内に配設され、HVAC通路に取り付けられたせん断ウェブ(ステップ6)、及び、ここからHVAC通路が取り外されたもの(ステップ7)の概略表現。
図8】本開示の実施形態による、ブレード金型内の例示的な気流パターンの概略表現。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、開示される主題の例示的な実施形態を詳細に参照し、その一例を添付の図面に示す。開示される主題の方法及び対応するステップは、システムの詳細な説明と併せて説明される。
【0037】
本明細書において提示される方法及びシステムは、大型構造物の構築のために用いることができる。開示される主題は、風力タービンブレードの構築に特に適している。限定ではなく、説明及び例示の目的で、開示される主題によるシステムの例示的な実施形態が図2図10に示され、参照符号1000によって全体を指定される。機能的に対応するが、必ずしも同一でない構造を表すために、類似の参照符号(先頭の数字で区別される)が、本明細書において提示される様々な図及び図面間で提供される場合がある。
【0038】
図2に示すように、本開示は、せん断ウェブ100と接続して用いるための複数のバルクヘッド200、204を含む。バルクヘッド200は、ブレードの内部へのアクセスを可能にするために、バルクヘッドのフレームから外すことができる取り外し可能な蓋300を備える。図示するように、バルクヘッドのフレーム201は、蓋が取り外されている間、ブレードの内部表面に取り付けられたままにすることができる。バルクヘッドフレームは、一体部品(図3に示すような概ね半円形のユニット等)として形成されてもよく、かつ/又は概ね半円形のユニットを形成するように共に組立てられるマルチコンポーネント構造(図3に示すような第1のハーフ201a及び第2のハーフ201b等)であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、図示するように、マルチコンポーネントフレーム201a、201bの結合体は、せん断ウェブ100に係合するフレームの部分からオフセットされて位置する。例えば、フレームサブコンポーネント201aは、ブレードの前縁及び/又は後縁と一致する位置でフレームサブコンポーネント201bに接合させることができる。いくつかの実施形態では、バルクヘッドは、フレームタイプの組合せ(例えば、図3に示すように、せん断ウェブ100の第1の側の一体フレーム201、及び、せん断ウェブ100の第2の側のマルチコンポーネントフレーム201a、201b)を用いて組み立てることができる。いくつかの実施形態では、図4に示すように、バルクヘッドは、ブレードの上側及び下側のスキン表面と一致する位置で接合された二つのフレームセクション201から形成することができる。フレーム及びその任意のサブコンポーネントは、さね継ぎ嵌合等、雄部202及び雌部203の結合体を含むことができる。加えて、フレーム201は、図示するように、側部に沿って概ね弓形で、上部及び底部に沿って概ね平坦な内部表面を有するようにサイズ設定することができる。平坦な上部/底部は、せん断ウェブ100の平坦な表面との結合を促進する。フレーム部201a、201bが共に組み立てられた後、蓋300をフレームに取り付けることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、バルクヘッドフレームとの結合のために、接着剤(例えば、糊)がせん断ウェブ100の上縁及び底縁に塗布される(すなわち、蓋30が取り外し可能となり得るように、せん断ウェブの残りの部分は接着剤を塗布されない)。いくつかの実施形態では、バルクヘッド200は概ねD字形を有するが、代替的な形状も本開示の範囲に含まれる。同様に、いくつかの実施形態では、せん断ウェブとブレードの下側/正圧側との間に位置するバルクヘッドは、せん断ウェブとブレードの上側/負圧側との間に位置するバルクヘッドと対称である。代替的に、いくつかの実施形態では、せん断ウェブとブレードの下側/正圧側との間に位置するバルクヘッドは、せん断ウェブとブレードの上側/負圧側との間に位置するバルクヘッドと非対称であるが、代替的な形状も本開示の範囲に含まれる。
【0041】
図5に示すように、せん断ウェブ100は、ステップ0に示すように、その側面が水平位置にくるように横置された状態で最初に提供される。根元102から先端104までテーパー状の構成を有する例示的なせん断ウェブ100の形状が示されているが、本開示は、任意の形状/サイズのせん断ウェブに等しく適用可能であることに留意されたい。流体(例えば、エア)がせん断ウェブの断面を通過することを可能にするために複数の開口部103がせん断ウェブに形成される。ブレードの厚みは、根元に近接するほど大きくなる傾向にあるため、追加の材料を硬化させるには更なる加熱が必要となる。したがって、本開示の実施形態は、先端104に近接したウェブにおいて形成される開口部103の数(例えば一つ)と比較して、根元102に近接したウェブにおいて形成される、より多くの数(例えば、二つ)の開口部103を含む。これらの開口部は、加熱/硬化を加速し、硬化サイクル中の加熱流体の流れの停滞を低減/排除する。示される実施形態において、根元領域に二つの開口部103が形成されているが、追加の開口部を幅方向に形成してもよい。いくつかの例において、開口部のサイズ及び周期は、せん断ウェブの寸法及び位置と共に変動することができる(例えば、根元に近接するほど多くの開口部、大きなサイズ、先端に近接するほど小さなサイズの少ない開口部)。上述したように、これらの開口部103は、樹脂注入システム及び接着剤材料の厚みが大きい根元エリアにおいてエアの循環を可能にし、先端エリアにおいて気流の停滞をなくすための、せん断ウェブの本体内のエア通路としての役割を果たす。
【0042】
ステップ1に示すように、ウェブが水平の向きにある間、支持部又はバルクヘッド200がせん断ウェブ100内に設置される。この例示的な実施形態において、バルクヘッド200は、ウェブスパンの特定のメータマークにおいてせん断ウェブに取り付けられる。いくつかの実施形態では、バルクヘッドは互いに固定の距離に位置決めされるのに対し、他の実施形態において、間隔はブレードスパンに沿って変動する可能性がある。いくつかの実施形態では、バルクヘッドは、ブレードがより重く、より高い(すなわち、より大きなサイズの開口の)根元セクションに近接して位置決めされる。図示するように、第1のバルクヘッド202は、ブレードの根元に近接して位置決めされ、せん断ウェブ100の両側に一つずつ配設された二つの概ねD字形の部材を用いて形成される(図2に最も良好に示される)。第2のバルクヘッド204は、第1のバルクヘッド202の遠位に位置決めされ、第1の側で一つの概ねD字型の部材、第2の側でテーパー形状の部材を用いて形成される(図3に最も良好に示される)。示される例示的な実施形態において、テーパーは非対称であってもよく、バルクヘッド204の上部が、底部が上向きに傾けられるよりも大きな角度で下向きに傾けられてもよい。代替的に、テーパーは、上面及び下面がバルクヘッドの中心軸に対し等しく角度を成すように対称に形成されてもよい。テーパー度合いは、バルクヘッド形状が、変動するブレードの厚みを補い、かつ/又はバルクヘッドがブレードスパンに沿って位置決めされる場所ではどこでも上反りになるように、ブレードの輪郭に従って変動する。以下で更に詳細に記載するように、バルクヘッドは、ブレードのスパン全体にわたる流体、例えばエアの循環のパイプを受けるための開口部又は導管203も含む。
【0043】
例示的な実施形態は、せん断ウェブ100の前側及び後側に配設された二つのバルクヘッド202、204を示すが、追加の不均一なバルクヘッドがせん断ウェブに取り付けられてもよい。例えば、いくつかの場合、バルクヘッドのサイズ及び周期は、せん断ウェブの寸法及び位置と共に変動することができる(例えば、根元に近接するほど大きなサイズの多くのバルクヘッド、先端に近接するほど小さなサイズの少ないバルクヘッド)。根元に近接したバルクヘッドは、先端に近接したバルクヘッドよりもせん断ウェブ100から長い距離(又は「高さ」)にわたって延びることができる。したがって、バルクヘッドは、ブレードの厚み及び/又は上反りの低減と一致するようにブレードスパンに沿って徐々に高さを低減させて構成することができる。
【0044】
上記で説明したように、バルクヘッド200は、せん断ウェブ100に係合するように構成された概ね平坦な側面と、ブレードスキンと係合するように構成された反対側の弓状側面とを有することができる。いくつかの実施形態では、図3に示すように、各バルクヘッドは、マルチコンポーネント構造として構成され、第1のバルクヘッド202aはせん断ウェブの第1の側(例えば、前縁側)に取り付けられ、第2のバルクヘッド202bはせん断ウェブの第2の側(例えば、後縁側)に取り付けられる。そのようなマルチコンポーネント構成において、バルクヘッド202、204は、バルクヘッド202a、202b間に相互接続部が存在せず、各バルクヘッドを互いに独立して設置/取外し/再位置決めすることができるように、せん断ウェブ100によって分離させることができる。いくつかの実施形態では、二つのバルクヘッド202a、202bは、二つのバルクヘッドを共に固定する相互係止フィーチャ(feature)を有することができる(せん断ウェブ100が間に残っている)。
【0045】
バルクヘッド200は、接着剤又は機械的結合体(例えば、ねじ、リベット等)及び干渉嵌めによる摩擦力を含む多岐にわたる取り付け手段を用いてせん断ウェブに固定することができる。バルクヘッド200がせん断ウェブ100に取り付けられると、ステップ2に示すように、せん断ウェブをリフトし、垂直の向きに回転させることができる。この動作は、オーバーヘッドリフトデバイス、例えばクレーンを用いて行うことができ、複雑で厄介なガントリ装置(ウェブの長さに沿って延びる)を必要としない。次に、図6のステップ3に示すように、ステップ2のために用いられたのと同じオーバーヘッドリフトデバイスを用いて、取り付けられたバルクヘッド200を有するせん断ウェブ100が、ブレードスキン金型内に設置される。
【0046】
バルクヘッド200がブレードの表面に合致するように厳密に成形される際、せん断ウェブ100は、正しい幅方向の位置(ステップ3)において(バルクヘッド200が取り付けられた)せん断ウェブ100を単に下降させ、解放することによって、ブレード金型内のその最終位置に設置することができる。バルクヘッド200は、せん断ウェブ100が適切に位置決めされたことの視覚的確認としての役割を果たすことができる。例えば、適切に位置決めされたとき、バルクヘッドの縁部と一致するように、マーキング(光学:レーザー投影、又は物理的線)をブレードスキンに設けることができる。
【0047】
正しいアライメントに位置決めされると、ステップ4に示すように、第2のハーフ金型が、(せん断ウェブ100が内部に位置決めされた)第1のハーフ金型の上で閉じられる。次に、選択部分又は蓋300をバルクヘッドから取り外して、技術者がブレードの内部へのアクセスを有することを可能にし(ステップ5)、後続の製造動作、例えば複合セグメントのハンドレイアップが行えるようにすることができる。示される例示的な実施形態において、二つの蓋302、304が金型から取り外され、根元セクションに近接して配設される。図5に示す、開いた又は取り外された構成において、せん断ウェブ100は、バルクヘッドフレーム202、204のようにアクセス可能である。図6におけるステップ5の図において、基礎をなすバルクヘッド/ウェブ構成を示す目的のみで、上側ブレード表面の二つのセグメントが、スキン表面の残りの部分から取り外された状態で示されているが、動作時は、ブレードの表面は連続したままである。いくつかの実施形態では、内部アクセスを容易にするために、(ステップ5に示すように)バルクヘッドフレームがブレード内に取り付けられたままの状態で、一つ以上のバルクヘッドの蓋を、ブレードから取り外し、ブレードの外側に位置決めすることができる。
【0048】
後続の製造動作、例えば複合セグメントのハンドレイアップが完了すると、図7のステップ6に示すように、蓋300がバルクヘッド200に戻して配置され、加熱システムが蓋内に構築される流体、例えばエアの通路に取り付けられる。記載の例示的な実施形態は、タービンの加熱のためのエアの循環に焦点を当てているが、本明細書に開示される装置及び方法は、ブレードの冷却にも等しく適用可能である。所望の硬化レベルまで(以下でより詳細に説明される)加熱/冷却動作が行われた後、ブレードの完成及び現場の後続の設置のために、蓋300をバルクヘッド200から再び取り外すことができる。ここで蓋300が取り外し可能であることは、ブレードの重量及び任意の対応する性能への影響を減らすという点で有利である。上述したように、バルクヘッドフレームは、内部ブレード表面に恒久的に取り付けたままにすることができる。本開示の別の態様によれば、閉じた金型の硬化プロセスを加速する加熱システム及び方法が提供され、その例示的な概略図が図8に示される。根元にクローズアウトを取り付け、閉じたブレードの内部の中に熱をポンピングすることによる加熱システムを提供する試みは、加熱エアの効果的な貫通を可能にするものではなく、ブレードの根元のかなり近くで停滞が生じる。
【0049】
図8が示すように、ここで開示されるシステムでは、ブレードの内部が、バルクヘッド200及びその対応するパイピングシステムを用いて二つの(例えば、根元及び先端)空間に分割される。バルクヘッド開口部203及び対応するパイピングは、気流がブレード表面に直接当たらないように位置決めし、狙いを定めることができる。これらのセルの各々において別個に加熱エアを循環させることにより、加熱プロセスの効率が改善する。いくつかの実施形態では、ポンピングシステムの反対側(図6の下側)に吸引ユニットを含めることができ、これにより、双方の加熱セル内の平滑な気流が確保される。加えて、ポンピング及び吸引ユニットの位置は、ブレードの両側において均一な硬化度を得るために、プロセスの途中で交換することができる。
【0050】
加熱エアは、ブレードの根元に近接したせん断ウェブを取り囲むように、第1のバルクヘッド202を通って、せん断ウェブの開口部103を通り、第1のバルクヘッド202を通って戻るように向かわせることができる。これにより、図8において矢印「A」によって表される第1の循環ゾーンが確立される。この経路を横切る間、エアは近傍構成要素への伝導及び対流により温度を損失し、これにより硬化が促進する。せん断ウェブを取り囲んだ後、エアは、冷却吸引装置を介して根元に向かって引き込まれ、再び第1及び第2のバルクヘッドを横切る。
【0051】
加えて、加熱エアは、導管/パイプ400を介して、第1のバルクヘッド202を通じて向かわされ、せん断ウェブスパンの残りの部分に沿って離間された開口部103を通じて第2のバルクヘッド204において分注され、第2のバルクヘッド204を通じて戻ることができ、ここで再び第1のバルクヘッド202を通じてパイピング/吸引することができる。これは、図8において矢印「B」によって表される第2の循環ゾーンを確立し、これは再び、循環ゾーン「A」よりもブレードスパンの大きな距離に沿ってせん断ウェブの周りを取り囲む。この循環ゾーン「B」は、せん断ウェブの端部とブレードの先端との間のエアの通路を含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、加熱/ポンピング動作は、冷却/吸引動作と独立して実行される。いくつかの実施形態では、加熱/ポンピング動作は、冷却/吸引動作と同時に実行される。加えて、又は代替的に、加熱/ポンピング動作及び冷却/吸引動作の双方を連続して、又は予めプログラムされた開始/停止時間及び/若しくはプロセスマイルストーン(例えば、スキン表面温度が閾値に達したことを検出する)を用いて間欠的に行うことができる。
【0053】
本開示の態様によれば、硬化プロセスが完了すると、加熱システム及び蓋300をブレードから取り外すことができる。ブレードは、仕上げ区画に進む(必要な場合、輸送される)ことができ、バルクヘッドフレーム(蓋なし)はそこに恒久的に取り付けられたままである。加えて、又は代替的に、バルクヘッドは、所望の場合、取り外されてもよい。
【0054】
したがって、本明細書に開示されるシステム及び方法は、以下を含む複数の利点を提供する。
1.せん断ウェブの移動のために従来の大きなガントリ固定具を格納することに起因した作業現場空間に対する需要/制約がなくなる。
2.ウェブ設置プロセスが加速し、製造サイクル時間が短縮される。
3.各製造セクションにおける金型が同じ固定具を共有するため、リソース共有及びクレーン使用の制限が回避される。
4.新たなブレード設計の始動の設備投資における大幅な節減がもたらされる(例えば、ガントリ固定具に関連付けられたサンクコストを必要としない)。
5.硬化プロセスが加速し、製造サイクル時間が短縮される。
6.ブレード内にバルクヘッドフレームが留まること(非常に僅かな重量であり、ブレード構造の構造的完全性に影響を及ぼさない)がOEMの承認を必要とする。
7.せん断ウェブ上にエアの通路を生成する必要が回避される。
【0055】
更に、本明細書に開示されるシステム及び方法は、設置中にウェブを安定化させるための技法を提供し、せん断ウェブが双方の金型スキンに同時に結合及び硬化され得るように二つのハーフ金型の1ステップでの閉鎖を可能にし、ウェブを支持するための位置決め固定具もガントリシステムも必要ないようにせん断ウェブの正しい位置及び向きを確実にする。
【0056】
例示的な実施形態において単一のせん断ウェブ100のみが示されているが、本開示の範囲内で追加のせん断ウェブが用いられてもよい。更に、せん断ウェブ100は、Iビーム構造として示されているが、代替的なせん断ウェブ構成、例えば、所望の場合、概ねU字形又はV字型の構造を有する分割ビームが用いられてもよい。
【0057】
開示される主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、開示される主題に対して、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び改善がなされ得ることを認識するであろう。更に、開示される主題の一つの実施形態の個々の特徴は、本明細書で論じられるか、又は、他の実施形態においてではなく、一つの実施形態の図面に示されてもよく、一つの実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の一つ以上の特徴、又は複数の実施形態からの特徴と組み合わされてもよいことが明らかである。
【0058】
以下に特許請求される特定の実施形態に加えて、開示される主題は、以下に特許請求される従属的な特徴及び上記で開示されたものの任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態も対象とする。このため、従属請求項に提示され、上記で開示された特定の特徴は、開示された主題が任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態も特に対象とするものとして認識されるように、別途開示内容の範囲内で互いに組み合わせることができる。したがって、開示される主題の特定の実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的のために提示されたものである。これは包括的であることも、開示されるこれら実施形態に開示される主題を限定することも意図されていない。
【0059】
開示される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される主題の方法及びシステムにおいて様々な修正及び変更がなされてもよいことは、当業者にとって明らかであろう。したがって、開示される主題は、添付の特許請求の範囲及びこれらの均等物の範囲内の修正及び変更を含むように意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8