(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】画像形成装置、検査装置、情報処理方法、検査システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240624BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240624BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240624BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240624BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240624BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240624BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/393 105
G03G21/00 510
G03G21/00 384
G03G15/00 303
G03G21/00 376
H04N1/00 002A
H04N1/00 127Z
G06T1/00 400E
G01N21/892 A
B41J29/38 201
(21)【出願番号】P 2022064888
(22)【出願日】2022-04-11
【審査請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】東 絵莉香
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-165041(JP,A)
【文献】特開2022-001442(JP,A)
【文献】特開2020-053885(JP,A)
【文献】特開2021-107788(JP,A)
【文献】特開2021-140495(JP,A)
【文献】特開2021-197686(JP,A)
【文献】特開2021-182725(JP,A)
【文献】特開2021-181213(JP,A)
【文献】特開2021-097365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/393
G03G 21/00
G03G 15/00
H04N 1/00
G06T 1/00
G01N 21/892
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも検査装置と印刷装置と情報処理装置とが通信可能に接続された検査システムであって、
前記検査装置は、
ユーザから検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段で受け付けた前記検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を少なくとも1つ記憶する記憶手段と、
基準画像を受信する受信手段と、
印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信すると、前記スキャン画像を検査する検査手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記検査設定情報を受け付ける第2受付手段と、
前記検査設定情報と前記基準画像を送信する送信手段と、
を有し、
前記検査装置は、
所定の検査設定情報と前記所定の検査設定情報に対応する所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記情報処理装置から前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記受信手段が受信した基準画像と前記記憶手段に記憶された前記所定の検査設定に基づいて
、前記スキャン画像の検査を実行する
ことを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記検査装置は、画面を表示する表示
手段と、
を備え、
前記情報処理装置から検査設定情報として新規設定の情報を受信した場合、前記所定の検査設定と前記所定の検査設定情報が前記記憶手段により記憶される前に前記受信手段が受信した基準画像を前記表示手段に表示し、前記第
1受付手段は、前記画面に表示された
前記所定の検査設定と前記所定の検査設定情報が前記記憶手段により記憶される前に前記受信手段が受信した基準画像に対して、少なくとも検査の実行を行う
ための検査領域と検査レベルの設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記新規設定の情報を受信した場合であって、前記第1受付手段が受け付けた前記検査領域と前記検査レベルの設定を、前記所定の検査設定情報に対応する前記検査設定として、前記記憶手段に記憶できることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記スキャン画像は、前記印刷装置が印刷した印刷物をスキャンした画像である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項5】
ユーザから検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記検査設定と、前記検査設定に対応する検査設定情報を少なくとも1つ記憶する記憶手段と、
基準画像を受信する受信手段と、
印刷物をスキャンしたスキャン画像を
受信すると、前記スキャン画像を検査する検査手段と、
を有し、
所定の検査設定情報と前記所定の検査設定情報に対応する所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記受信手段が受信した基準画像と前記記憶手段に記憶された前記所定の検査設定に基づいて、前記スキャン画像の検査を実行する
ことを特徴とする検査装置。
【請求項6】
画面を表示する表示手段と、
を備え、
検査設定情報として新規設定の情報を受信した場合、前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶される前に前記受信手段が受信した基準画像を前記表示手段に表示し、前記受付手段は、前記画面に表示された前記所定の検査設定と前記所定の検査設定情報が前記記憶手段により記憶される前に前記受信手段が受信した基準画像
に対して、少なくとも検査領域と検査レベルの設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項
5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記検査装置は、
前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記受信手段が受信した基準画像と前記記憶手段に記憶された前記所定の検査設定に基づいて、前記基準画像に前記所定の検査設定が反映された前記基準画像が前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項
6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記受付手段は、前記
所定の検査設定が反映された前記基準画像に対して、更に検査設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項
7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記検査装置は、印刷を実行する印刷装置と通信可能に接続されており、
前記検査装置は、前記印刷装置が印刷した印刷物をスキャンした画像であるスキャン画像を受信する受信手段を備える
ことを特徴とする請求項
6乃至
8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
少なくとも検査装置と印刷装置と情報処理装置とが通信可能に接続された検査システムの制御方法であって、
前記検査装置は、
ユーザから検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を受け付ける第1受付ステップと、
前記第1受付ステップで受け付けた前記検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を記憶部に少なくとも1つ記憶する記憶ステップと、
基準画像を受信する受信ステップと、
印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信すると、前記スキャン画像を検査する検査ステップと、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記検査設定情報を受け付ける第2受付ステップと、
前記検査設定情報と前記基準画像を送信する送信ステップと、
を有し、
前記検査装置は、
所定の検査設定情報と前記所定の検査設定情報に対応する所定の検査設定とが前記記憶部により記憶された後に前記情報処理装置から前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶部により記憶された後に前記受信ステップで受信した基準画像と前記記憶部に記憶された前記所定の検査設定に基づいて、前記スキャン画像の検査を実行することを特徴とする検査システムの制御方法。
【請求項11】
ユーザから検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記検査設定と、前記検査設定に対応する検査設定情報を記憶部に少なくとも1つ記憶する記憶ステップと、
基準画像を受信する受信ステップと、
印刷物をスキャンしたスキャン画像を受け付けると、前記スキャン画像を検査する検査ステップと、
を有する検査装置の制御方法であって、
所定の検査設定情報と前記所定の検査設定情報に対応する所定の検査設定とが前記記憶部により記憶された後に前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶部により記憶された後に受信した基準画像と前記記憶部に記憶された前記所定の検査設定に基づいて、前記スキャン画像の検査を実行する
ことを特徴とする検査装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、検査装置、情報処理方法、検査システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(印刷装置)で印刷した印刷物を読み取り、品位を検査する検査装置が知られている。検査装置は、汚れや印刷抜けなどの画像欠陥などを検出可能である。これらの画像欠陥や、印刷品位の不良については、欠陥の種別を検出し、検出した種別ごとに、画像不良として検出する閾値を設定できることも一般的である。例えば小さい円状の画像欠陥であるポチであれば、直径何mm以上を画像不良とするか、などを検査装置に設定可能であることが一般的である。
【0003】
これらの検査では、基準画像として登録した欠陥がない画像と印刷物とを比較する方式がとられている。そこで、はじめに検査装置に基準画像を登録しておく必要があり、この登録のための処理を基準画像登録用ジョブと呼ぶ。続いて、ユーザが本印刷ジョブで行う欠陥を検出する領域や閾値を基準画像に対して設定する検査設定を行う。検査設定が終了すると、実際の印刷物に対して登録された基準画像と比較し欠陥を検出する本印刷ジョブを実行する。
【0004】
ここで、検査装置にて検査を行う印刷ジョブを検品ジョブと呼ぶ。検品ジョブの実行は、以下の3ステップで行う。
・基準画像登録用ジョブの実行
・検査設定
・本印刷ジョブの実行
特許文献1には、検査設定を行う手法として、基準画像に対してユーザからの入力を受け付ける技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、予め設定されている検査設定や、過去と同じ検査設定を指定したい場合において、ユーザは検査設定の使い回しをすることができなかった。そのため、ユーザは毎回検査設定を行う必要があった。
【0007】
そこで本発明では、決まった検査設定で検査を行う場合に、基準画像に対して検査設定を反映させることで、ユーザの操作を減らすことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検査システムは、少なくとも検査装置と印刷装置と情報処理装置とが通信可能に接続された検査システムであって、前記検査装置は、ユーザから検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段で受け付けた前記検査設定と前記検査設定に対応する検査設定情報を少なくとも1つ記憶する記憶手段と、基準画像を受信する受信手段と、印刷物をスキャンしたスキャン画像を受信すると、前記スキャン画像を検査する検査手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記検査設定情報を受け付ける第2受付手段と、前記検査設定情報と前記基準画像を送信する送信手段と、を有し、前記検査装置は、所定の検査設定情報と前記所定の検査設定情報に対応する所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記情報処理装置から前記所定の検査設定情報を受信した場合、前記所定の検査設定情報と前記所定の検査設定とが前記記憶手段により記憶された後に前記受信手段が受信した基準画像と前記記憶手段に記憶された前記所定の検査設定に基づいて、前記スキャン画像の検査を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検査システムにおいて、検査実行のための操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を表す模式図。
【
図2】情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を示すブロック図の一例。
【
図3】情報処理装置と検査ユニットと印刷装置と大容量スタッカの内部構成を示す図の一例。
【
図4】検査装置と検査ユニットの動作モードを指定する検査装置の設定画面の一例。
【
図5】検査時に検査装置に表示される検査状況の画面の一例。
【
図6】基準画像登録時の検査装置の動作フローチャートの一例。
【
図7】実施例における、検査装置の検査の動作フローチャートの一例。
【
図8】実施例における、情報処理装置の検査の動作フローチャートの一例。
【
図9】実施例における、検査装置の全体の動作フローチャートの一例。
【
図10】情報処理装置に表示される印刷設定の画面の一例。
【
図11】検査装置に表示される検査設定の画面の一例。
【
図12】実施例における、検査装置の検査設定受付時のフローチャートの一例。
【
図13】検査装置の表示される検査設定の画面の別の一例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。なお、特に断らない限り、本実施形態に係る機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなる検査装置であっても、本実施形態を適用できることは言うまでもない。また、特に断らない限り、本実施形態の機能が実現されるのであれば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続がなされ、処理が行われる検査装置であってもよい。すなわち、以下の実施形態で説明する各種端末が接続されたシステム構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0012】
図1は、本実施形態における検査システムであって、情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を表す模式図である。情報処理装置と検査装置と印刷装置は、ネットワークを介して通信可能である。なお、本実施形態の印刷装置は電子写真方式の印刷装置を用いて説明するが、本実施形態における印刷装置は、インクジェット方式、オフセット方式など、異なる画像形成方式の印刷装置であっても良い。
【0013】
印刷装置0101は、ケーブル0112を介して情報処理装置0109と接続されている。情報処理装置0109は、ネットワーク0113を介してクライアントコンピュータ0110と接続されている。
【0014】
印刷装置0101は、UIパネル0102、給紙デッキ0103および給紙デッキ0104を備える。さらに、3段の給紙デッキからなるオプションデッキ0105が接続される。印刷装置0101は、例えば電子写真方式の印刷装置である。また、UIパネル0102は、例えば静電容量方式のタッチパネルを備えたユーザインターフェースである。
【0015】
さらに印刷装置0101は、検査ユニット0106、大容量スタッカ0107を備える。検査ユニットは、ケーブル0114を介して検査装置0108と接続されている。大容量スタッカ0107はメイントレイとトップトレイを備え、メイントレイには一度に数千枚の用紙を積載することができる。
【0016】
印刷ジョブはクライアントコンピュータ0110で生成され、ネットワーク0113を介して情報処理装置0109に送信され、情報処理装置0109で管理される。そして、印刷ジョブは情報処理装置0109からケーブル0112を通じて印刷装置0101に送信され、印刷装置0101が用紙に印字する処理を行う。なお、印刷ジョブは、情報処理装置0109において生成・管理され、ネットワーク0112を介して印刷装置0101に送信され、印刷装置0101で管理される形態をとっても良い。
【0017】
なお、クライアントコンピュータ0110、情報処理装置0109、検査装置0108はケーブル0112に接続されて印刷装置0101と通信できる形態をとっても良い。また、検査装置0108もネットワーク0113を介して情報処理装置0109、クライアントコンピュータ0110と接続される形態をとっても良い。即ち、本実施形態に示す印刷装置0101、情報処理装置0109、クライアントコンピュータ0110の接続形態は一例であり、本実施形態で示した他にも様々な接続形態があることは言うまでもない。
【0018】
また、印刷装置0101には検査ユニット0106、大容量スタッカ0107以外にもステープル可能なフィニッシャや折り機、製本機などが接続する形態であっても良い。
【0019】
図2は、本実施形態の印刷装置0101と検査装置0108と大容量スタッカ0107と情報処理装置0109とクライアントコンピュータ0110の制御構成を示すブロック図である。
【0020】
CPU(Central Processing Unit/中央演算装置)0201は、システムバス0212を介して印刷装置0101内の各部における制御や演算を司る。CPU0201は、記憶部0205に格納され、RAM(Ramdom Access Memory)0202にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0202は、CPU0201から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0201のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0205は、印刷装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0021】
エンジンI/F0209は、プリンタエンジン0210との通信、制御を司る。給紙デッキI/F0204は、給紙デッキ0211との通信、制御を司る。給紙デッキ0211は、給紙デッキ0103、0104、オプションデッキ0105をハード構成として総称するものである。UIパネル0203は、UIパネル0102のハード構成であり、印刷装置0101の操作全般を行うためのユーザインターフェースである。本実施形態では、UIパネル0203は静電容量方式のタッチパネルを備えたものとする。
【0022】
ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0207は、ケーブル0213を介して情報処理装置0109のNW I/F0238と接続され、情報処理装置0109と印刷装置0101の通信を司る。なお、この例ではシステムバス0212、0239に接続されたインターフェース同士が直接接続されている形式であるが、情報処理装置0109と印刷装置0101は例えばネットワーク等で接続されている形式でもよく、その接続形式を限定しない。ビデオI/F0206は、ビデオケーブル0241を介してビデオI/F0233と接続され、情報処理装置0109と印刷装置0101の間の画像データの通信を司る。
【0023】
なお、情報処理装置0109における印刷装置0101との接続インターフェースは、NW I/F0238とビデオI/F0233の機能を統合した形式をとっても良い。また、印刷装置0101における情報処理装置0109との接続インターフェースは、NW I/F0207とビデオI/F0206の機能を統合した形式をとっても良い。
【0024】
アクセサリI/F0208は、ケーブル0225を介してアクセサリI/F0214、アクセサリI/F0220と接続する。即ち、印刷装置0101はアクセサリI/F0208、0214、0220を介して検査ユニット0106、大容量スタッカ0107と互いに通信を行う。
【0025】
CPU0216は、システムバス0219を介して検査ユニット0106内の各部における制御や演算、記憶部0247に格納され、RAM0217にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0217は、CPU0216から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0216のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0247は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。検査装置I/F0215は、ケーブル0248を介して検査装置ユニットI/F0231と接続する。即ち、検査ユニット0106は、検査装置I/F0215と検査装置ユニットI/F0231とを介して検査装置0108と通信を行う。
【0026】
撮影部0218は、例えばコンダクトイメージセンサ(以下、CIS)を搭載した撮影機能を備え、検査ユニット内を通過する用紙を撮影し、撮影した画像を検査装置I/F0215を介して検査装置0108に送信する。なお、撮影部0218に対するCISはセンサの一例であり、CCDイメージセンサなど他の種類のセンサであっても良く、その撮影方式を限定しない。撮影した画像を送信する目的は二つある。一つは、検査の方式を問わず、検査対象の印刷ジョブの印刷物を撮影し、検査のために検査装置0108に送信するためである。もう一つは、検査方式がスキャン検品である場合に、検査対象の印刷ジョブの前に1部ないし複数部の印刷ジョブを基準画像の作成のために印刷、撮影し、基準画像として検査装置0108に送信するためである。検査装置0108では、送信された画像を基準画像として記憶部0228に格納する。
【0027】
CPU02220は、システムバス0224を介して大容量スタッカ0107内の各部における制御や演算、記憶部0248に格納され、RAM0222にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0222は、CPU0221から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0221のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0248は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。排紙部0223は、メイントレイとトップトレイへの排紙動作や、メイントレイとトップトレイ各々の積載状況の監視や制御を司る。
【0028】
CPU0226は、システムバス0230を介して検査装置0108内の各部における制御や演算、記憶部0228に格納され、RAM0227にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0227は、CPU0226から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0226のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0228は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。PDL解析部0229は、クライアントコンピュータ0110や情報処理装置0109から受信した例えばPDF、PostScript、PCLなどのPDLデータを読み込み、解釈処理を実行する。表示部0245は例えば検査装置に接続される液晶ディスプレイであり、検査装置へのユーザの入力を受け付けたり、検査装置の状態を表示したりする。
【0029】
CPU0234は、システムバス0239を介して情報処理装置0109内の各部における制御や演算、記憶部0236に格納され、RAM0235にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0235は、CPU0234から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0234のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0236は、情報処理装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0237は、ネットワークを介してNW I/F0240と接続される。また、情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0240を介してクライアントコンピュータ0110と通信を行う。
【0030】
また、検査装置0108がNW I/Fを持ち、情報処理装置0109が当該NW I/FとNW I/F0237を介して検査装置0108と通信を行う形態をとっても良い。たとえば、検査方式として検品を用い、基準画像として印刷装置0101が印刷に用いるRIP画像を用いる場合を考える。この場合、基準画像は検査装置I/F0215を通じて検査装置0108に送信しても良いし、NW I/F0207、NW I/F0237を通じて、検査装置0108が備えるNW I/Fから検査装置0108に送信しても良い。
【0031】
CPU0243は、システムバス0246を介してクライアントコンピュータ0110内の各部における制御や演算、記憶部0245に格納され、RAM0242にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0242は、CPU0243から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0243のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0244は、クライアントコンピュータ動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0032】
図3は、印刷装置0101と検査ユニット0106と大容量スタッカ0107の内部構成を示す図である。印刷装置0101は、UIパネル0102を介してユーザの入力を受け付けたり、印刷や機器の状態を表示したりする。給紙デッキ0103及び0104には、各種用紙を収容しておくことが可能である。各給紙デッキでは、収容された用紙の最上位の用紙一枚のみを分離し、用紙搬送パス0305へ搬送することが可能である。0301~0304は現像ステーションであり、カラー画像を形成するために、それぞれY、M、C、Kの有色トナーを用いてトナー像を形成する。ここで形成されたトナー像は中間転写ベルト0306に一次転写される。中間転写ベルト0306は図を時計回りに回転し、0307の二次転写位置で用紙搬送パス0305から搬送されてきた用紙へとトナー像が転写される。
【0033】
定着ユニット0308は加圧ローラーと加熱ローラーを備え、各ローラーの間を用紙が通過することにより、トナーを溶融・圧着することで用紙にトナー像を定着させる。定着ユニット0308を抜けた用紙は用紙搬送パス0309を通って0312へと搬送される。用紙の種類によって定着のためにさらに溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット0308を通過した後、上の用紙搬送パスを使って第二定着ユニット0310へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、用紙搬送パス0311を通って0312へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、0313の用紙反転パスへと用紙を搬送し、0313で反転した後、両面搬送パス0314へと用紙が搬送され、二次転写位置0307で二面目の画像転写が行われる。
【0034】
検査ユニット0106内にはCIS0315、0316が対向する形で配置される。CIS0315は用紙の上面を、CIS0316は用紙の下面を読み取るための読取手段としてのセンサである。検査ユニット0106は、用紙搬送パス0317に搬送された用紙が所定の位置に到達したタイミングで、CIS0315、0316を用いて用紙をスキャンする。スキャンされた画像は、検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査装置0108に送信される。CPU0226は、当該受信した画像に欠陥があるかどうか判定し、判定した結果を再び検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介して検査ユニット0106に通知する。CPU0216は、当該受信した判定結果を、アクセサリI/F0214、0220を介して大容量スタッカ0107に通知する。
【0035】
0107は大容量の用紙を積載することが可能な大容量スタッカである。大容量スタッカ0107は、用紙を積載するトレイとしてメイントレイ0324を有する。検査ユニット0106を通過した用紙は用紙搬送パス0319を通して大容量スタッカ0107に入る。用紙は用紙搬送パス0319から用紙搬送パス0322を経由して、メイントレイ0324に積載される。さらに大容量スタッカ0107は、排紙トレイとしてトップトレイ0320を有する。CPU0221は、検査装置0108によって欠陥が検出された用紙をトップトレイ0320に排出する。トップトレイ0320に出力する場合は、用紙搬送パス0319から用紙搬送パス0321を経由してトップトレイ0320へと用紙が搬送される。0323は用紙を反転するための反転部である。この反転部0323は、用紙をメイントレイ0324に積載する場合に使用される。入ってきた用紙の向きと積載時の用紙の向きが同一となるように、メイントレイ0324に積載する場合には反転部0323で一度用紙を反転させる。トップトレイ0320へ搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのまま用紙を排出するため、反転部0323での反転動作は行わない。
【0036】
図4(a)は、検査装置における動作モードの設定画面である。動作モード設定画面0401は検査装置0108の表示部0245に表示され、ユーザからの動作モード設定を受け付ける。動作モード選択部0402にて、「ログモード」が選択された時は、印刷装置0101は、検査装置0108による検査結果によらず、検査後の用紙は全て印刷ジョブのプロパティにて予め指定された排紙先に排紙する。検査装置0108の検査結果は、ログとしてユーザに提供する。動作モード選択部0402にて、「パージモード」が選択された時は、印刷装置0101は、検査結果OKの用紙を予め指定された排紙先に排紙し、検査結果NGの用紙をトップトレイ0320に排紙する。
【0037】
図4(b)は、検査装置におけるパージモードのリカバリ設定画面である。動作モード選択部0402にて「パージモード」が選択されている場合、さらに、リカバリモード設定画面0403のリカバリモード設定が反映される。リカバリモード設定画面0403は表示部0245に表示され、ユーザからのリカバリモード設定を受け付ける。リカバリモード設定画面0403にて「リカバリなしモード」が選択されている場合は、印刷装置0101は、検査結果NGの用紙のみをトップトレイ0320に排紙する。検査結果NGの用紙があっても、印刷装置0101は印刷を止めず、検査装置0108は後続の用紙の検査を続行する。
【0038】
リカバリモード設定画面0403にて「リカバリありモード」が選択されている場合は、印刷装置0101は、検査結果NGの用紙と、検査装置0108が検査結果NGと判定した時点で機内にある給紙済みの後続の用紙を全てトップトレイ0320に排紙する。その後、用紙搬送パスに用紙がなくなったら、印刷装置0101と検査装置0108は、検査結果NGとなった用紙に印字される画像から印刷と検査を再開する。
【0039】
本実施形態における検査装置0108は印刷装置0101で印刷を実施しながら検査ユニット0106のCIS0315、0316にて画像を撮像し、検査を実行する。このため、検査装置0108が、ある用紙で検査結果NGと判定した時、後続の用紙は既に用紙搬送パス0309や0311に到達している可能性がある。しかし、用紙搬送パスの用紙は全て排紙しないと、検査結果NGの用紙に印字されていた画像を再度印刷して、印刷ジョブで予め指定された排紙先に、正しい出力順で積載できない。従って、「リカバリありモード」では上述の動作を実行する。
【0040】
CPU0226は、動作モード選択部0402、リカバリモード設定画面0403、検査方式選択部1001にて設定された動作モード、リカバリモード、検査方式を、検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介して検査ユニットに通知する。なお、動作モード選択部0402、リカバリモード設定画面0403、検査方式選択部1001にて設定された動作モード、リカバリモードと検査方式については、CPU0226がRAM0227に、CPU0216がRAM0217にそれぞれ保存する。
【0041】
図5は、検査実行時に表示部0245に表示される検査状況画面である。
【0042】
検査状況画面0501は表示部0245に表示され、検査の実行・停止を受け付けたり、検査状況を表示したりする。検査ボタン0502は、ユーザの検査の実行、検査の停止を受け付ける。検査ボタン0502を押下するとボタン上の文字列が「検査を停止する」に、検査ステータス0503が「検査中」に変化する。もう一度検査ボタン0502を押下するとボタン上の文字列は「検査を開始する」に、検査ステータス0503は「停止中」に変化する。以降、検査ボタン0502上の文字列と検査ステータス0503は検査ボタン0502が押下される度にトグルで変化する。
【0043】
検査状況画面0501は、検査済用紙数、検査結果NGの用紙数、不良率と、検査結果NGの原因の発生数を、検査中にリアルタイムに表示する。なお、0501において「エラー」と表示されるのは、所定の検査時間内に検査が終了しなかったために検査装置0108がタイムアウトでエラーと判定し、検査結果NG相当と判定した数である。検査NG一覧0504においては、検査結果NGが発生する度に、検査結果NGの用紙番号、おもてか裏かの情報、検査結果NGの原因、検査時刻、NG詳細画面(不図示)へのリンクが追加される。
【0044】
「詳細」が押下されると、表示部0245は、検査結果NGとなった撮像画像、欠陥の位置などを閲覧できるNG詳細画面を表示する。検査結果NGの原因については、ここでは位置ずれ、円状欠陥(ポチ)、筋状欠陥(スジ)のように例示する。それぞれ、スキャン画像と基準画像とを比較した際に、画像の全部または一部が全体的にずれている欠陥が位置ずれ、スキャン画像側だけに汚れが円状に発生している状態が円状欠陥である。また、スキャン画像側だけに汚れが筋状あるいは線状に発生している状態筋状欠陥である。
【0045】
検査装置0108はこのように、欠陥の特徴から、検出された欠陥の種類を特定して検査NG一覧0504に表示することができる。なお、これらは一例であり、検査装置0108が検出できる欠陥種別はこれらに限らない。例えば、基準画像側だけに画像が描画されており、スキャン画像側ではその全部または一部が描画されていない状態のときに、画像抜けと判定して検査結果NGに加えても良い。
【0046】
以下、フローチャートを用いて本実施形態の特徴となる処理について説明する。なお、本フローに係る印刷装置のプログラムは、印刷装置0101の記憶部0205に記憶されており、RAM0202に読み出され、CPU0201によって実行される。また、本フローに係る検査装置のプログラムは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されており、RAM0227に読み出され、CPU0226によって実行される。また、本フローに係る情報処理装置のプログラムは、情報処理装置0109の記憶部0236に記憶されており、RAM0235に読み出され、CPU0234によって実行される。また、本フローに係るクライアントコンピュータのプログラムは、クライアントコンピュータ0110の記憶部0245に記憶されており、RAM0242に読み出され、CPU0243よって実行される。
【0047】
図6は、検査の基準画像を登録する際の検査装置0108の動作フローチャートである。
【0048】
基準画像の生成方法は、スキャン検品とRIP検品の二つの検査方式で異なる。それぞれの方式での基準画像の生成方法について説明する。
【0049】
図10で説明する検査方式選択部1005にて選択された検査方式がスキャン検品である場合、まず、印刷装置0101は、検品対象の印刷ジョブを印刷する。印刷装置0101で用紙に印刷された印刷物は、検品ユニット0106で撮影され、画像データとなる。印刷装置0101は、検査装置0108に画像データを送信する。ユーザは検査装置0108に表示された画像データ(画像イメージ)に汚れや文字の誤りがないことを確認し、基準画像として登録する。以上のようにして、スキャン検品での基準画像登録方法は、印刷物をスキャンすることで得た画像データを基準画像として検査装置0108に登録する。なお、基準画像は、印刷装置0101にて複数部を印刷、撮影したものを検査装置0108に送信し、複数部の合成した画像イメージを基準画像として用いることもできる。
【0050】
図10で説明する検査方式選択部1005にて選択された検査方式がRIP検品である場合、印刷装置0101は、生成したRIP画像を検査装置0108に送信する。この時、RIP画像は、印刷装置以外のRIP装置(例えばRIPソフトウェア等)により生成されたRIP画像であってもよい。以上のようにして、RIP検品での基準画像登録方法は、RIP画像を基準画像として検査装置0108に登録する。
【0051】
図6のフローチャートはスキャン検品、RIP検品で共通のフローとなっている。
【0052】
S601にて、検査装置0108は、印刷装置0101から、基準画像登録用ジョブの開始通知を受信する。次にS602に進み、全シートの基準画像が検査装置0108の記憶部0228に格納されるまで処理を繰り返す。
【0053】
S603にて、検査ユニットI/F0231は、検査方式がスキャン検品である場合は、検査装置I/F0215から、CIS0315、CIS0316でスキャンした画像を受信する。検査方式がRIP検品である場合は、検査装置I/F0215から、印刷装置0101が印刷前に生成するRIP画像を受信する。スキャン検品とRIP検品の二つの検査方式による、情報処理装置0109と印刷装置0101の動作については
図8で説明する。検査方式は
図10で説明する検査方式選択部1005で選択された方式である。
【0054】
次にS604にて、CPU0226は、S603にて受信した画像をRAM0227に基準画像として登録する。そしてS605に進み、全ての用紙の画像読み込みを終えるまでS602~S605を繰り返す。
【0055】
全ての用紙の画像読み込みが終了したら、本フローは終了する。なお、検査方式がスキャン検品である場合は、例えば検査装置0108は同一ページに対して複数枚の画像を読み込み、その合成結果を基準画像として登録する形態をとってもよい。
【0056】
図7は、検査装置の検査の動作フローチャートである。本フローは、印刷装置0101及び検査装置0108が、情報処理装置0109から本印刷ジョブを受信するステップから開始される。
【0057】
ジョブの開始前に、CPU0226は
図4(a)および(b)の設定画面から動作モード選択部0402、リカバリモード選択画面0403にて動作モードとリカバリモード設定を受け付ける。また、本印刷ジョブは、クライアントコンピュータ0110がユーザからジョブプロパティ画面1001の検査方式選択部1001を介して、検査方式の設定を受け付けることで作成される。本印刷ジョブの送信については、
図8を用いて後述する。
【0058】
S0701にて、印刷装置0101は本印刷ジョブを受信する。受信すると、本印刷ジョブから検査に必要な情報を検査装置0108に送信する。なお、検査装置0108への送信は、情報処理装置0109から直接行うように構成してもよい。
【0059】
次にS0702にて、CPU0226は本印刷ジョブの画像読み込み開始指示を受け付ける。ここでは、画像読み込み開始指示は、表示部0245に表示された画面(不図示)を介してユーザから受け付けることを想定している。次にS0703に進み、検査対象の用紙がある場合はS0704に進む。
【0060】
S0704にて、検査ユニットI/F0231は、検査装置I/F0215から、CIS0315、CIS0316でスキャンした画像を受信する。この画像は成果物となる本印刷ジョブの印刷結果をスキャンしたものである。
【0061】
S0705にて、CPU0226はRAM0227から、S604にて登録した、対応するページの基準画像を読み出す。
【0062】
次にS0706にて、CPU0226は、S0705にて読みだした基準画像と、S0704にて受信した検査対象のスキャン画像を比較する。この比較の動作では、まず、画像の特徴的な点を位置合わせの基準点として使用して、基準画像と検査対象のスキャン画像の画像位置を合わせる。次に、検査対象のスキャン画像において、用紙の四隅とスキャン画像の位置合わせ基準点とを解析して用紙に対する画像の位置ずれがないか検出する。次に、基準画像と検査対象のスキャン画像の濃度値を画素ごとに比較する。以上の結果、スキャン画像と基準画像との間に差異が検出されなければ、検査結果OKとする。差異が検出された場合は、検査結果をNGとし、欠陥の種類に応じて、
図5で説明した検査結果NGの詳細を記録する。なお、ここでは基本的な検査動作を説明するため、差異が検出された場合には常に検査結果がNGとなる処理を説明した。本実施形態では、差異が検出された場合に望ましい基準画像を選択する処理を提案する。その処理については
図8のフローチャートで説明する。
【0063】
次にS0707にて、規定時間内に検査が完了した場合はS0708に、完了しなかった場合はS0709に進む。本実施形態の検査方法は、印刷を行うスピードに合わせて検査を実行する構成であるため、1枚のスキャン画像にかける検査時間には制限がある。これは、一定の時間内に検査を完了して検査結果を出さないと、後続の用紙がCIS0315,0316にスキャンされて検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215がスキャン画像を操作し始めるのに間に合わなくなるためである。また、動作モード選択部0402にてパージモードが選択されている時は、CPU0221が、検査装置0108が検査結果NGとした用紙をトップトレイ0320に排出するよう搬送先を切り替える。よって、制限時間内に検査を終えないと搬送先の切り替えに間に合わないためである。CPU0226は、用紙が搬送先を切り替えることができなくなる地点に到達する前に、検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215、アクセサリI/F0214、アクセサリI/F0220を介してCPU0221に検査結果NGを通知する必要がある。
【0064】
従って、所定の時間内に検査を完了できなかった場合、検査結果OKとは判定できないため、CPU0226は検査結果エラーとし、当該用紙の検査結果を検査結果NGと同等の結果と判定する。
【0065】
S0708にて、検査結果がNGであればS0709に進む。S0709にて、CPU0226はRAM0227から動作モードを読み出す。動作モードがパージモードであれば、S0710に進む。S0710にて、CPU0226は検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介してCPU0216に検査結果NGを通知する。
【0066】
次にS0711に進み、CPU0226がRAM0227から読み出したリカバリモードが「リカバリありモード」であればS0712に進む。S0712にて、CPU0226は、検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介してCPU0216から印刷停止情報を受信するまで待機する。CPU0226が印刷停止情報を受信したら、S0713に進む。
【0067】
S0713にて、CPU0226は、検査結果NGの用紙に対応する基準画像をRAM0227から読み出して、次に検査すべき画像として保持する。次にS0714に進み、CPU0226は検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介してCPU0216に検査再開を通知する。
【0068】
次にS0715に進み、CPU0226は、検査NG一覧0504に、検査結果NGの用紙についての情報を追加する。次にS0716に進み、全ての用紙の検査を終えるまでS0703~S0716を繰り返す。全ての用紙の検査が終了したらS0717に進み、CPU0226は表示部0245にて検査ボタン0502を介してユーザから画像読み込み終了の指示を受け付ける。
【0069】
S0711にて、CPU0226がRAM0227から読み出したリカバリモードが「リカバリなしモード」であればS0715に進み、以降上述のフローと同様に処理を終了することができる。また、S0709にて、動作モードがログモードであれば、S0715に進み、以降上述のフローと同様に処理を終了することができる。
【0070】
さらに、S0708にて、検査結果がOKであればS0716に進み、以降上述のフローと同様に処理を終了することができる。
【0071】
なお、ここに示した例は一例であり、その形態を限定しない。例えば表示部0245におけるユーザの画像読み込み開始指示は印刷装置0101や情報処理装置0109やクライアントコンピュータ0110における印刷開始の指示と連動して自動的に実施されても良い。また、表示部0245におけるユーザの画像読み込み終了指示は印刷装置0101における印刷終了と連動して自動的に実施されても良く、その形態を限定しない。
【0072】
ここで、本実施形態で提案する検品ジョブ実行中の動作について説明する。
図8~11を用いて情報処理装置0109と検査装置0108、印刷装置0101が連動して検品ジョブを処理する流れを説明する。
【0073】
まず、
図10を用いて、検品ジョブの検査方式の選択の動作を説明する。
図10で説明する動作は、基準画像登録を開始する前に行う動作である。
図10は、ジョブプロパティ設定画面の例である。ジョブプロパティ設定画面(検査方式選択部)1001はクライアントコンピュータ0110に表示される画面である。ジョブプロパティ設定画面1001の左側のタブから「設定」を選択すると、検査に関するジョブ設定をすることができ、ユーザから検査に関する印刷ジョブ設定を受け付ける。クライアントコンピュータ0110で生成される印刷ジョブには、受け付けたジョブ設定を含み、印刷ジョブは、クライアントコンピュータ0110から情報処理装置0109を介して印刷装置0101に送信される。また、印刷ジョブは、情報処理装置0109で管理される。
【0074】
ユーザが検査モード設定部1002にて検査「ON」を選択した場合は、続くプロパティの設定を行う。ここで、検査「ON」と設定した印刷ジョブを「検品ジョブ」という。なお、検査「OFF」を選択した場合は、例えば1003~1005をグレーアウトしてユーザの選択を受け付けないように構成してもよい。また、検査「OFF」の状態で、Printボタン1006が押下されると、印刷装置0101は通常の印刷動作を行う。
【0075】
検査設定部1003にて検品を行う領域やそのレベルの設定方法を選択する。「Default」が選択されると、検査装置0108は基準画像の全面を標準のレベルで検査を行う。「Preset1~10」が選択されると、検査装置0108は、基準画像に対して予め指定された領域・レベルに基づいて検査を行う。「Preset1~10」の検査設定は記憶部0228に格納されており、Printボタン1006が押下されるとCPU0226が基準画像にたいして検査設定の反映を行う。「新規登録」が選択されると、検査装置0108は、ユーザから新たに検品を行う領域やそのレベルの検査設定を受け付け、受け付けた領域・レベルに基づいて検査を行う。検査設定で「新規登録」が設定された印刷ジョブを検査装置0108が受け付けると、表示部0245に受け付けた基準画像を表示部0245に表示された検査設定画面1101内に表示する。検査設定画面1101については、
図11(a)~(c)を用いた説明を後述する。
【0076】
検査設定部1003で「Default」や「Preset1~10」が選択され、Printボタン1006が押下された時には、検査装置0108は検査設定画面1101を表示しないように構成される。検査方式選択部1001のPrintボタン1006がユーザ操作により押下され、検査装置0108は、基準画像の受け付けが完了すると、他の追加操作なしに基準画像の登録を行う。本実施例では、検査設定部1003で「Default」や「Preset1~10」が選択され、Printボタン1006が押下された時には、検査装置0108は検査設定画面1101を表示しないよう構成しているが、表示するようにしてもよい。この場合に表示する目的は、自動でセットされた検査設定をユーザが確認するためである。
【0077】
検査動作設定部1004にて基準画像の登録や、本印刷ジョブの印刷の動作の組み合わせを選択する。「登録のみ」が選択された時、検査装置0108は基準画像の登録とその検査設定のみを行う。「印刷のみ」が選択された時、予め登録された基準画像を用いた印刷装置0101による印刷と、検査装置0108による検査が行われる。なお、検査動作選択部1004にて「印刷のみ」が選択された場合、検査モード設定部1002はグレーアウトし、ユーザからの入力を受け付けない。「登録&印刷」が選択された時、先述した「登録のみ」の動作と「印刷のみ」の動作を続けて行う。
【0078】
検査方式選択部1005にて、「スキャン検品」が選択された時は、検査装置0108は、印刷物のスキャン画像を検査に用いる基準画像とする。「RIP検品」が選択された時は、検査装置0108は、印刷装置0101が印刷に用いるRIP画像を基準画像とする。基準画像の生成、格納処理については
図6のフローチャートで説明した通りである。最後に、Printボタン1006を押すと、1002~1005で入力した設定に基づいて印刷や検査の動作が実行される。設定に応じた印刷や検査の動作の詳細については、
図8、9を用いて説明する。
【0079】
続いて、
図11を用いて、検査装置0108による検査設定画面の表示およびユーザ操作の概略を説明する。検査設定画面1101は、検査装置0108がユーザに対して表示する検査設定画面の一例である。
図8のS802で基準画像登録ジョブが送信されると、検査設定画面1101が、検査装置0108が備える表示部0245に表示され、ユーザが操作を受け付ける。また、例えば検査装置0108の記憶部0228に予め登録されている基準画像を選択することにより、検査設定画面1101を表示させ、ユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。
【0080】
図11(a)は、ユーザから操作を受け付ける前に表示される検査設定画面の一例である。1102はプレビュー領域であり、
図6のS604で生成された基準画像を表示する。1103は検査領域設定部であり、ここでは検査領域ごとの検査レベル、すなわち検査の精度を変更することができる。検査装置0108は、検査レベルを高く設定するほど、基準画像と印刷物とのわずかな違いでも欠陥として判定する。
【0081】
また、例えば重点検査領域、標準検査領域といった検査領域の種類に応じて、検出する欠陥のレベルを変更することができる。ここで挙げた例のほかに、検査をしない検査対象外領域を領域種類として加えても良い。標準検査領域よりも重点検査領域の検査レベルを高く設定することが一般的であるが、この設定を限定しない。
【0082】
ここでの欠陥とは、円状欠陥(汚れ(点))、筋状欠陥(汚れ(すじ))のように例示する。それぞれ、基準画像と印刷物のスキャン画像とを比較した際に、印刷物のスキャン画像にのみ汚れが円状に発生している状態が円状欠陥、印刷物のスキャン画像にのみ汚れが筋状あるいは線状に発生している状態が筋状欠陥である。これらは一例であるため、検査装置0108が検出できる欠陥種別はこれらに限らない。
【0083】
ユーザが操作する前の状態である
図11(a)では、重点検査領域と標準検査領域、それぞれの汚れ(点)、汚れ(すじ)の検査レベルは、検査装置0108が記憶するデフォルトの検査レベルであるとする。
図11(a)の例では重点検査領域のデフォルトはレベル5、標準検査領域のデフォルトはレベル3となっている。
【0084】
ページ番号表示部1104は、基準画像が複数枚ある場合に表示する画像を切り替えることができる。OKボタン1105は、基準画像に対して設定した領域を登録するためのボタンである。キャンセルボタン1106は、検品ジョブの中止を指示するためのボタンである。なお、ボタンは画面上に表示されたオブジェクトである。1109、1110については
図11(c)を用いて詳細に説明する。
【0085】
図11(b)を用いて、ユーザ操作および検査設定画面への操作反映の例を説明する。
【0086】
検査領域設定部1103で検査領域の種類を選択し、プレビュー領域1102にて領域指定を行うことで、検査装置0108は指定された領域の検査を行う。領域指定の方法は、例えばマウスカーソルでの入力等があるが、その入力形式を指定しない。
【0087】
また、ユーザは検査領域設定部1103にて検査レベルを変更することができる。
図11(b)の例では重点検査領域のレベルを7,標準検査領域のレベルを5に設定したことを示している。
【0088】
1107、1108に領域指定の例を示す。領域1107に重点検査領域を、領域1108に標準検査領域を設定した場合の例である。本図では図示するように実線が重点検査領域、破線が標準検査領域としている。このほか、色や背景色で領域の種類を分けても良い。検査の必要がないページについては、この領域を指定しなくてもよい。また、細かく範囲を区切らず、ページの全体に領域を指定してもよい。ページ番号表示部1104において表示する画像を切り替えることで、全てのページに検査領域の設定を行うことができる。
【0089】
検査領域指定の完了後、OKボタン1105が選択された場合には、CPU0226は情報処理装置0109に検査設定の完了通知を送信する。キャンセルボタン1106が選択された場合には、検査装置0108は、検査設定の登録を行わずに検査設定画面1101を閉じる。
【0090】
情報処理装置0109は、検査設定の完了通知を受信した検品ジョブについては、本印刷ジョブを実行することができる。背景技術でも述べたように、検品ジョブの操作方式は二種類あり、ユースケースに応じて、ユーザは所望のタイミングで基準画像の登録や本印刷を行うことができる。予め検査設定が決まっているジョブを実行する方式をワークフローA、ジョブを実行してから検査設定を決める方式をワークフローBと定義し、従来の検査装置での操作について以下で詳しい説明を行う。
【0091】
ワークフローAで、ユーザは、基準画像が登録されている検品ジョブの本印刷ジョブのみを実行する。ユーザは、クライアントコンピュータ0110にて本印刷ジョブの実行を指示し(1ステップ目)、印刷装置0101は印刷、印刷物の撮影、検査装置0108への撮影画像の送信を行う。検査装置0108に既に登録されている基準画像を用いて印刷物の撮影画像との比較をし、検査を行う。なお、本印刷ジョブの実行指示は情報処理装置0109にて行う形態をとっても良く、この形式を限定しない。この時、ユーザの操作は1ステップとなる。
【0092】
ワークフローBで、ユーザは、検品ジョブの実行、検査設定、本印刷ジョブの実行を行う。ユーザは、はじめにクライアントコンピュータ0110にて検品ジョブの実行を指示する(ステップ1)つまり、新しく基準画像の登録を行う。続いて、検査装置0108にて登録した基準画像に対して検査条件の設定を行い(ステップ2)、最後にクライアントコンピュータ0110から本印刷ジョブの実行を指示する(ステップ3)。という計3ステップにて、検品ジョブを完了する。ステップ2では、ユーザが検査装置0108に表示された検査設定画面において、基準画像を見ながら検査条件を設定する。なお、検品ジョブ及び本印刷ジョブの実行指示は情報処理装置0109にて行う形態をとっても良く、この形式を限定しない。
【0093】
以上が、従来の検品を行う上でのワークフローである。今回、ワークフローBのように、新規に画像を登録する場合でも、ステップ2として説明を行った検査条件の設定を簡略化させることのできるワークフローCについて提案する。
【0094】
ワークフローCの方法一つ目が、検査装置0108が、基準画像の全面を標準のレベルに指定する検査設定である。本実施例では、「Default」と呼ぶ。
【0095】
ワークフローCの方法2つ目が、予め登録したユーザ定義の検査設定を新しく登録する基準画像に対して反映させる検査設定方法であり、本実施例では、「Preset」と呼ぶ。
【0096】
はじめに、
図11(c)を用いて、Presetの設定登録時の動作を説明する。Persetはユーザが予め登録した検査領域や検査レベルで検品を行う際に用いる検査設定である。Presetの検査設定は、検査設定部1003にて「新規登録」が選択された際に登録を行うことができる。また、基準画像なしに検査領域や検査レベルの登録を行う形態や、予めユーザ入力なしに検査装置0108に記憶させておく形態を取っても良い。
図11(c)で示すPresetの登録方法は一例であり、この方法を限定しない。
【0097】
ユーザが、検査設定部1003にて「新規登録」を選択した際、
図11(a)(b)にて説明した検査設定のほかに、「Preset1~10」として検査設定を検査装置0108に登録することができる。
【0098】
ユーザがPreset番号選択部1109にてPresetとして登録する番号を選択すると、Preset登録ボタン1110が選択できるようになる。Preset番号選択部1109にていずれかのPreset番号が選択されるまでは、Preset登録ボタン1110はグレーアウトしており、ユーザは選択できない(
図11(a)、
図11(b))。
【0099】
ユーザがPreset登録ボタン1110を押下すると、現在設定されている検査領域と検査レベルが記憶部0228に格納される。既に登録されているPresetの番号がPreset番号選択部1109で選択され、Preset登録ボタン1110を押下された時、記憶部0228に格納する検査設定を上書きする。この時、例えばポップアップなどを表示することにより、ユーザにPresetを上書きするか否かの判断を入力させる形態をとっても良い。
【0100】
続いて、
図8のフローチャートを用いて、情報処理装置0109が検品ジョブを実行する際の動作について説明する。
【0101】
ユーザが、検査モード設定部1002にて検品「ON」と設定した印刷ジョブを実行すると、S801にて、CPU0234は、検査動作設定部1004で設定された動作の判定を行う。検査モード設定部1002での設定が「登録のみ」または「登録&印刷」だった場合はS802に、「印刷のみ」だった場合はS805に進む。次に、S802にて、情報処理装置0109は基準画像登録用ジョブを印刷装置0101に送信し、S803に進む。
【0102】
基準画像登録用ジョブは、検査方式選択部1005にて「スキャン検品」が選択された時、部数が一部、または複数部の印刷ジョブである。情報処理装置0109は、一部の印刷ジョブを印刷装置0101に送信し、印刷装置0101は印刷動作と撮影を行った後に検査装置0108に撮影した画像を送信する。
【0103】
基準画像登録用ジョブは、検査方式選択部1005にて「RIP検品」が選択された時、印刷装置0101が印刷前に生成するRIP画像を基準画像として登録するためのジョブである。RIP画像を基準画像として登録する場合は、スキャン検品のように印刷や撮影の動作を行わない。情報処理装置0109は、印刷装置0101が印刷に用いるRIP画像を検査装置0108に送信する。
【0104】
S802にて基準画像登録用ジョブを印刷装置0101に送信した後に、
図11で説明したように、検査装置0108は、ユーザによる、基準画像に対する検査領域ごとの検査レベルの設定を受け付ける。検査装置0108はこの設定に基づいて、基準画像と印刷物の撮影画像とを比較して検査を行うため、検査条件の設定が終了するまでは本印刷ジョブを開始させずに情報処理装置0108にて待機させておく必要がある。そのため、S803にて、CPU0234は、検査装置0108から基準画像の登録完了通知を受信するまでは本印刷ジョブを印刷装置0101に送信せず、待機する。CPU0234が登録完了通知を受信したら、S804に進む。S804にて、CPU0234は、検査動作設定部1004で設定された動作の判定を行う。検査動作設定部1004にて設定された動作が「登録&印刷」だった場合はS805に、「登録のみ」だった場合は処理を終了する。S805にて、印刷装置0101に本印刷ジョブを送信し、この処理を終了する。
【0105】
本印刷ジョブは、検査方式選択部1002にて選択された検査方式に依らず同様の処理を経て送信される。情報処理装置0109から印刷装置0101に本印刷ジョブが送信されると、印刷装置0101は印刷動作を行い、その印刷した用紙の撮影を撮影部0218にて行った後に、撮影した画像を検査装置0108に送信する。検査装置0108では、この印刷物の撮影画像と、基準画像とを比較し、設定画面1101にて設定された検査設定に基づいて検査を行う。
【0106】
図9のフローチャートを用いて、検査装置0108が検品ジョブを実行する際の動作について説明する。
図9のフローチャートでは、上述したワークフローA,BおよびCの検査方法について説明を行う。なお、ここでは、
図10の1002が検査ONである場合のフローである。
【0107】
S901にて、CPU226は検査動作設定部1004で設定した検査動作を受け付ける。検査動作が「登録のみ」または「登録&印刷」だった場合はS902に、「印刷のみ」だった場合はS910に進む。なお、
図10でも説明したように、検査動作が「印刷のみ」の場合は検査設定部1003にて設定を受け付けない。「印刷のみ」の場合の検査設定は、S914~S915やS911~S913で説明するような動作にて、基準画像に対する検査設定を決定された検査設定が反映される。
【0108】
S902にて、基準画像を印刷装置0101より受信し、記憶部0228に記憶する。詳細については、
図6のフローチャートと同様である。
【0109】
S903にて、CPU226は検査動作設定部1003で設定した検査動作を受け付ける。検査動作設定部1003で設定した検査設定が「新規」だった場合はS904に、「Default」または「Preset」だった場合はS914に進む。
【0110】
S904にて、検査装置0108は、表示部0245に検査設定画面1101を表示する。続いて、S905にてCPU226は検査動作設定部1004で設定した検査動作を受け付ける。検査動作設定部1004で設定した検査動作が「登録&印刷」だった場合はS907に、「登録のみ」だった場合はS911に進む。なお、ここでS907に進んだ場合、情報処理装置0109は本印刷ジョブを印刷装置0101に送信せず一時的に情報処理装置0109内で停止させた状態(待ち状態)になっている。
【0111】
S907にて、CPU0226は表示部0245に表示した検査設定画面1101を介してユーザからの検査設定を受け付ける。S908にて、CPU0226は表示部0245でユーザからのOKボタン1105の入力を受け付けるまではS908の処理を繰り返し、受け付けた場合はS909に進む。また、CPU0226は検査設定を反映させた基準画像を記憶部0228に格納する。キャンセルボタン1106の入力を受け付けた場合、検査装置0108はS902で受信した基準画像を記憶部0228から破棄する。また、情報処理装置0109にて待機状態になっている検品ジョブがある場合、検査装置0108はキャンセル通知を情報処理装置0109に送信する。情報処理装置0109は、S906にて情報処理装置0109内で待ち状態にしていた検品ジョブをキャンセルし、この処理を終了する。
【0112】
S909にて、CPU0226は情報処理装置0109に登録完了通知を送信する。次にS910に進む。ここで、S909では、情報処理装置0109に登録完了通知を送信したが、印刷装置0101に送信するように構成してもよい。
【0113】
S911~S913においてはS907~S909と同様の処理を行い、その後処理を終了する。
【0114】
また、S914は、検査設定部1003にて「Default」または「Preset1~10」が選択された時に行う処理である。検査設定部1003での「Default」という設定は、検査装置0108が、基準画像の全面を標準のレベルに指定する検査設定であり、CPU0226によって基準画像への検査設定の反映が行われる。また、検査設定部1003での「Preset1~10」という設定は、検査装置0108が、基準画像に対して指定された領域やレベルの検査設定を行う設定である。「Preset1~10」の検査設定は検査装置0108の記憶部0228に記憶されおり、RAM0227に読みだされ、CPU0226によって基準画像への反映が行われる。「Default」と「Preset1~10」の二つの検査設定においては、
図11(a)(b)で説明したようなユーザの入力なしで、検査設定を完了することができる。S914にて、検査設定を反映させた基準画像を記憶部0228に格納する。なお、S914にて基準画像の登録のみを行う形態を取っても良く、その場合は、検査動作設定部1004にて「印刷のみ」が選択された際に検査設定部1003の入力を受け付ける。検査装置0108は検査設定部1003で受け付けた設定を基準画像に反映し、S910にて印刷装置0101による印刷と検査の動作を行う。
【0115】
次に、S915に進む。
【0116】
S915において、CPU0226は情報処理装置0109に登録完了通知を送信する。次にS916に進む。ここで、S915では、印刷装置0101に登録完了通知を送信するように構成してもよい。
【0117】
S916にて、検査動作設定部1004で設定した検査動作が「登録&印刷」だった場合はS910に、「登録のみ」だった場合は処理を終了する。S910にて、
図7のフローチャートで説明した印刷と検品の処理を行い、その後処理を終了する。
【0118】
以上の手順により、情報処理装置0109にて「Default」や「Preset」の設定を受け付けることにより、基準画像を新規に作成する場合であっても、予め設定されている検査設定を反映させることにより、ユーザ操作を減らすことが可能である。
【0119】
「Default」や「Preset」の設定は、検査装置0108にて行うようにしてもよい。以下では、検査装置0108にて「Default」や「Preset」の設定を受け付ける場合について
図12、
図13を用いて説明を行う。
【0120】
図12は、検査装置0108にて検査設定を受け付ける際の動作について説明する。
ここでは、検査装置0108が基準画像を受信するとフローが開始する。なお、検査装置0108に基準画像を送信する際のジョブの種類は問わない。つまり、情報処理装置0109側で
図10に示す「登録のみ」が選択されていてもよいし、「登録&印刷」が選択されていてもよい。
【0121】
S1201にて、検査装置0108の表示部0245に受信した基準画像を表示する。ここで、表示された基準画像と共に、
図13に示すように、検査設定のプロパティ1301がポップアップ表示されるように表示よい。また、画面上の設定ボタン(不図示)からプロパティ1301を呼び出すように構成されていてもよい。
【0122】
ユーザから検査設定を受け付けると、S1202では、CPU226が、検査設定としてDefault設定が選択されたかを判断する。Default設定が選択されると、S1203に移行し、基準画像上にDefault設定に対応づいた検査設定が反映される。具体的には、基準画像に対して、CPU226が、記憶部0228に格納されているDefault設定に対応づく検査設定を反映する。本実施例におけるDefaultは、基準画像の全面を標準のレベルに指定する検査設定のため、例えば、基準画像の全面が標準検査領域の破線または実線で囲まれた基準画像が表示される。Default設定が選択されていないと、S1204に移行する。
【0123】
S1204では、CPU226が、検査設定としてPreset設定が選択されたかを判断する。Preset設定が選択されると、S1205に移行し、基準画像上にPreset設定に対応づく予め登録したユーザ定義の検査設定が反映される。
【0124】
S1203およびS1205で検査設定が反映されるもしくは、S1204で新規登録が選択されていると、S1206に移行する。S1206では、ユーザから検査設定の入力を受け付ける。
【0125】
S1207で、OKボタン1105が選択されると、本フローは終了する。
【0126】
以上の手順により、検査装置0108にて「Default」や「Preset」の設定を受け付けることにより、ユーザによる検査設定を簡略化させることが可能である。
【0127】
(その他の実施形態)
本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読みだして実行する処理である。