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特許7508520電子インジケータを備えた呼吸治療システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】電子インジケータを備えた呼吸治療システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022160905
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2018549838の分割
【原出願日】2017-03-23
(65)【公開番号】P2022189841
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】62/312,830
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/337,626
(32)【優先日】2016-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/465,479
(32)【優先日】2017-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504054413
【氏名又は名称】トゥルーデル メディカル インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】コステラ スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】キルヒナー アラナ
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァク バルト
(72)【発明者】
【氏名】アリゾティ ネリタン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー アダム
(72)【発明者】
【氏名】ロマンチュク グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】サカリア ロナク
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-525882(JP,A)
【文献】特開2008-289903(JP,A)
【文献】特表2019-509140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸治療システムのためのユーザインターフェイスであって、前記ユーザインターフェイスは、
呼吸装置に接続されるように適合された入口と、
出口であって、ユーザがこの出口を通じて吸気を行い、前記入口と前記出口との間に吸気流路が定められる、出口と、
前記吸気流路の外側に位置する流量インジケータであって、前記出口を通じたユーザによる吸気に応じて移動可能である、流量インジケータと、
前記流量インジケータの移動を検出するための及び検出するように構成された光センサであって、前記流量インジケータが移動したときに入力信号を提供するように構成された光センサと、
前記光センサから前記入力信号を受け取り、フィードバック信号を送信するように構成されたコントローラと、
前記コントローラから送信された前記フィードバック信号に応じて、吸気流に関するフィードバックを提供するように動作可能なフィードバック装置と、
を備えることを特徴とするユーザインターフェイス。
【請求項2】
前記流量インジケータは、前記ユーザに見える、請求項1に記載のユーザインターフェイス。
【請求項3】
前記出口は、マスク及び/又はマウスピースのうち少なくとも1つを備える、請求項1に記載のユーザインターフェイス。
【請求項4】
前記フィードバック装置は、電子インジケータを備える、請求項1に記載のユーザインターフェイス。
【請求項5】
前記電子インジケータは、視覚インジケータ、聴覚インジケータ、及び/又は振動インジケータ、のうち少なくとも1つを備える、請求項4に記載のユーザインターフェイス。
【請求項6】
呼吸治療システムであって、
呼吸装置と、
ユーザインターフェイスであって、前記ユーザインターフェイスは、
前記呼吸装置に接続された入口と、
出口であって、ユーザがこの出口を通じて吸気を行い、前記入口と前記出口との間に吸気流路が定められる、出口と、
前記吸気流路の外側に位置する流量インジケータであって、前記出口を通じたユーザによる吸気に応じて移動可能である、流量インジケータと、
前記流量インジケータの移動を検出するための及び検出するように構成された光センサであって、前記流量インジケータが移動したときに入力信号を提供するように構成された光センサと、
前記光センサから前記入力信号を受け取り、フィードバック信号を送信するように構成されたコントローラと、
前記コントローラから送信された前記フィードバック信号に応じて、吸気流に関するフィードバックを提供するように動作可能なフィードバック装置と、
を備えることを特徴とする呼吸治療システム。
【請求項7】
前記流量インジケータは、前記ユーザに見える、請求項6に記載の呼吸治療システム。
【請求項8】
前記出口は、マスク及び/又はマウスピースのうち少なくとも1つを備える、請求項6に記載の呼吸治療システム。
【請求項9】
前記フィードバック装置は、電子インジケータを備える、請求項6に記載の呼吸治療システム。
【請求項10】
前記電子インジケータは、視覚インジケータ、聴覚インジケータ、及び/又は振動インジケータ、のうち少なくとも1つを備える、請求項9に記載の呼吸治療システム。
【請求項11】
前記呼吸装置は、バルブ付き保持チャンバ、振動型陽圧呼吸装置、ネブライザ、又は粉末吸入器、の一つを備える、請求項6に記載の呼吸治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2016年5月17日に出願された「電子インジケータを備えた呼吸治療システム(Respiratory Care System With Electronic Indicator)」という名称の米国特許仮出願第62/337,626号、2016年3月24日に出願された「電子インジケータを備えた薬剤送達システム(Medicament Delivery System With Electronic Indicator)」という名称の米国特許仮出願第62/312,830号、及び2017年3月1日に出願された「スマート定量吸入器アプリケータ(Smart Metered Dose Inhaler Applicator)」という名称の米国特許仮出願第62/465,479号の利益を主張するものであり、これらの文献の開示は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、呼吸治療システムに関し、具体的には、吸気、呼気及び/又は呼吸サイクルの完了、並びにシステム又は装置の寿命末期情報についての視覚、聴覚又は触覚フィードバックをユーザ又は介護者に提供できる電子インジケータをそれぞれが含むように構成された薬剤送達装置、薬剤送達装置の付属装置又は呼吸練習装置に関する。
【背景技術】
【0003】
喘息、COPD又はその他の呼吸器疾患を患っている人々は、呼吸器疾患の治療又は予防のために、エアロゾルの形で送達される薬剤を肺に吸入することが必要となり得る。いくつかの例では、薬剤が、ネブライザ、カテーテル、粉末吸入器(DPI)又は定量吸入器(MDI)からエアロゾルの形で投与される。呼吸器疾患を患っている患者は、振動型呼気圧装置などの呼吸練習装置を使用することから恩恵を受けることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8,550,067号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0318534号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0360498号明細書
【文献】米国特許第5,988,160号明細書
【文献】米国特許第5,645,049号明細書
【文献】米国特許第8,875,706号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MDIは、ユーザがMDIの作動に合わせて自身の吸入を調節することを必要とし、これは一部のユーザ、特に子供にとっては困難な場合がある。上手く協調できなければ、薬物が肺ではなく口又は喉に付着してしまうこともある。MDIからの薬物送達を改善するために、バルブ付き保持チャンバ(VHC)などの付属装置を用いて、MDIから分注される薬物をユーザが吸入するまでチャンバ内に保留することができる。VHCは、MDIからの正しい薬物送達に役立つが、例えば上手く吸入できた旨をユーザにさらに示すことによって強化することができる。このようなフィードバックは、ユーザが患者であるか、それとも介護者であるかに関わらず、患者がMDI及びVHCを正しく使用しており、従って必要な薬物を受け取っているという確信を与えることができる。当業では、正しいMDIの使用に関するフィードバックをユーザ又は介護者に提供する電子MDIが知られている。通常、これらのMDIは非常に高価である。
【0006】
吸気及び/又は呼気が行われていることを示す特徴をユーザに提供できる装置は様々であるが、この指標は、多くの場合チャンバ又は他の部品ハウジング内に位置し、治療中に蓄積する湿気又は水分に起因して観察が困難な場合がある。また、多くの装置は、治療が正常に完了した旨の指標を提供することができない。例えば、流れに関する情報は重要であるが、多くの場合、このような指標は、薬物が全て正しく送達されたかどうかに関する情報は提供しない。
【0007】
また、既知の装置の多くは、材料/コーティングの劣化などに起因して時間と共にチャンバが劣化することがあり、このことが、ユーザが推奨期間を超えてVHCによる治療を継続する原因になっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
薬物送達システムが、ユーザインターフェイスを含む。このユーザインターフェイスを通じてユーザが吸気前記/又は呼気、或いはこれらの両方を行ったことに応答して流量インジケータが移動可能である。流量インジケータの移動に応答して送信される電子信号に応答して電子インジケータが動作可能である。使用方法及び組み立て方法も提供する。いくつかの実施形態では、流量インジケータを、吸気バルブ、呼気バルブ又はアクチュエータとすることもできる。本明細書で説明するような電子インジケータ能力を有するVHCを使用することにより、ユーザ又は介護者は、電子的指標能力を有していない安価な機械的MDIを使用することができる。薬剤送達装置の正しい使用法を指導して促すトレーニングツールとして、フィードバック指標を含む他のタイプの付属装置を使用することもできる。
【0009】
1つの実施形態では、薬物送達システムが、入力端と、出口を有するユーザインターフェイスを含む出力端と、入力端と出力端との間に定められる空間の内部容積と、流量インジケータとを有する保持チャンバを含む。流量インジケータは、ユーザがユーザインターフェイスを通じて吸気又は呼気を行ったことに応答して移動可能である。いくつかの実施形態では、流量インジケータが機械的流量インジケータである。流量インジケータの移動に応答して送信される電子信号に応答して、電子インジケータが動作可能である。使用方法及び組み立て方法も提供する。
【0010】
様々な態様及び実施形態は、従来の既知の装置に比べて著しい利点をもたらす。例えば、1つの実施形態では、保持チャンバを、MDI、或いは粉末吸入器又はネブライザなどの他の薬剤送達装置、及び/又はPEP装置又はOPEP装置などの呼吸練習装置と共に使用することができ、インジケータが、LEDを介した視覚フィードバックによって、限定ではなく一例として十分な吸入がいつ行われたか、及び/又は全ての薬物がいつ吸入されて治療が完了したかに関する電子フィードバックを提供することができる。流量インジケータは、吸入が十分であることを示す第1及び第2の位置間の移動による機械的フィードバックのために組み込むことができる。これらの電子部品は、装置のアセンブリに一体化することも、又は既存のバルブ付き保持チャンバ又はその他の薬剤送達システム及び/又は呼吸練習システムに適合又は接続されたモジュラー部品内に具体化することもできる。
【0011】
図には、薬物送達システムの異なる実施形態、ブロック図/フロー図、並びにその使用方法及び組み立て方法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】吸気バルブが閉位置にあって流量インジケータが中立位置にあるバルブ付き保持チャンバの第1の実施形態の断面図である。
図2】吸気バルブが開位置にあり、流量インジケータが動作可能位置にあって電子インジケータが正しい吸入を示す、図1に示すバルブ付き保持チャンバの断面図である。
図3】電子インジケータがバルブ付き保持チャンバの寿命を示す、図1に示すバルブ付き保持チャンバの断面図である。
図4】吸気バルブが閉位置にあって流量インジケータが中立位置にあるバルブ付き保持チャンバの第2の実施形態の断面図である。
図5】吸気バルブが開位置にあり、流量インジケータが動作可能位置にあって電子インジケータが正しい吸入を示す、図3に示すバルブ付き保持チャンバの断面図である。
図6】電子インジケータがバルブ付き保持チャンバの寿命を示す、図1に示すバルブ付き保持チャンバの断面図である。
図7】電子インジケータの動作を示す概略的フロー図である。
図8】流量インジケータと電子インジケータとを有するネブライザの実施形態の斜視図である。
図9】流量インジケータと電子インジケータとを有する陽圧呼吸装置の実施形態の斜視図である。
図10】流量インジケータと電子インジケータとを有する粉末吸入器の実施形態の斜視図である。
図11】流量インジケータと電子インジケータとを有するバルブ付き保持チャンバの部分的斜視図である。
図12A図11に示すバルブ付き保持チャンバの側面図である。
図12B図11に示すバルブ付き保持チャンバの上面図である。
図13】流量インジケータと電子インジケータとを有するバルブ付き保持チャンバの解放可能な端部アセンブリの斜視図である。
図14図13に示す端部アセンブリの部分的断面図である。
図15図13に示す端部アセンブリの正面斜視図である。
図16】流量インジケータを除去した端部アセンブリの部分的拡大図である。
図17】患者インターフェイスを固定した、図13に示す端部アセンブリの斜視図である。
図18図1に示すバルブ付き保持チャンバの正面斜視図である。
図19図1に示すバルブ付き保持チャンバの後面斜視図である。
図20】電子流量インジケータを有する端部アセンブリの切断図である。
図21図20に示す端部アセンブリの拡大図である。
図22】バルブを有する端部アセンブリの分解図である。
図23図22の端部アセンブリを組み込んだ薬剤送達装置の断面図である。
図24】バルブを有するマスクアセンブリの分解図である。
図25図24のマスクアセンブリの斜視図である。
図26】バルブを有するマウスピースの分解図である。
図27図26のマウスピースの斜視図である。
図28】ダイアフラムを有するネブライザの斜視図である。
図29図28に示すネブライザの断面図である。
図30A】複合吸気/呼気バルブの対向図である。
図30B】複合吸気/呼気バルブの対向図である。
図31図30A及び図30Bに示すバルブを組み込んだ薬剤送達装置の断面図である。
図32図31に示す装置の部分的拡大図である。
図33】ネブライザの側面図である。
図34】ダイアフラムの上面図である。
図35】ダイヤルの下面図である。
図36】保持チャンバアセンブリの側面図である。
図37図36に示す保持チャンバアセンブリを線37-37に沿って切り取った断面図である。
図38A】バルブ付き保持チャンバの吸気バルブの後面図である。
図38B】バルブ付き保持チャンバの吸気バルブの側面図である。
図38C】バルブ付き保持チャンバの吸気バルブの正面図である。
図39】バルブ付き保持チャンバに組み込まれた保持器の斜視図である。
図40】マスクの斜視図である。
図41A図40に示すマスクに組み込まれたバルブの正面図である。
図41B図40に示すマスクに組み込まれたバルブの側面図である。
図41C図40に示すマスクに組み込まれたバルブの後面図である。
図42】マウスピースの斜視図である。
図43A図42に示すマウスピースに組み込まれたバルブの正面図である。
図43B図42に示すマウスピースに組み込まれたバルブの側面図である。
図43C図42に示すマウスピースに組み込まれたバルブの後面図である。
図44】ネブライザの側面図である。
図45A図44のネブライザに組み込まれたネブライザアクチュエータの正面図である。
図45B図44のネブライザに組み込まれたネブライザアクチュエータの側面図である。
図45C図44のネブライザに組み込まれたネブライザアクチュエータの後面図である。
図46】保持チャンバの斜視図である。
図47図46の保持チャンバのコネクタの斜視図である。
図48A図46の保持チャンバに組み込まれた複合吸気/呼気バルブの正面図である。
図48B図46の保持チャンバに組み込まれた複合吸気/呼気バルブの側面図である。
図48C図46の保持チャンバに組み込まれた複合吸気/呼気バルブの後面図である。
図49】マノメータの概略図である。
図50】機械的流量インジケータと連動する光学センサの概略的側面図である。
図51】流量インジケータの斜視図である。
図52】バルブ付き保持チャンバアセンブリの1つの実施形態の分解斜視図である。
図53】バルブ付き保持チャンバアセンブリの別の実施形態の分解斜視図である。
図54】電子インジケータのマイクロプロセッサの概略図である。
図55】バルブ付き保持チャンバの別の実施形態に適用される定量吸入器の側面図である。
図56図55に示すバルブ付き保持チャンバ及び末端部の拡大分解図である。
図57】定量吸入器作動支援装置の概略的断面図である。
図58A】人工呼吸器システムにおいて使用される薬物送達アダプタの部分的断面図である。
図58B】人工呼吸器システムにおいて使用される薬物送達アダプタの部分的断面図である。
図59】薬物送達システムと共に使用される圧縮器の斜視図である。
図60】管体及びインジケータの分解図である。
図61】ピークフローメータの概略的断面図である。
図62】バルブ付き保持チャンバの1つの実施形態の断面図である。
図63図62のバルブ付き保持チャンバにおいて使用される吸気バルブの斜視図である。
図64】定量吸入器作動支援装置及びバルブ付き保持チャンバの動作を示す概略的フロー図である。
図65】バルブ付き保持チャンバの別の実施形態の断面図である。
図66A】機械的流量インジケータ及び電子インジケータアレイの部分的拡大断面図である。
図66B】機械的流量インジケータ及び電子インジケータアレイの部分的拡大断面図である。
図66C】機械的流量インジケータ及び電子インジケータアレイの部分的拡大断面図である。
図67】流量検出及びその対応する指示のシーケンスを示すフロー図である。
図68】バルブ付き保持チャンバに適用される定量吸入器の側面図である。
図69】MDIアプリケータと、リモートサーバ及び/又はローカルコンピュータ装置との間の通信を行うシステムを示す概略図である。
図70図69のシステムにおいて使用されるコンピュータ及びネットワークを示す概略図である。
図71】レバーが上昇位置にある、図1及び図2のMDIアプリケータ内に位置するMDIの後面図である。
図72】MDIアプリケータ内でMDIが作動位置に位置する、図5に示すMDIの実施形態の正面図である。
図73】MDIアプリケータ内に位置するMDIの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用する「複数」という用語は、2つ又は3つ以上を意味すると理解されたい。「結合された」という用語は、例えば直接的であるか、それとも間接的であるかに関わらず、介在する部材に接続又は係合していることを意味し、この係合は固定的又は恒久的なものである必要はないが、固定的又は恒久的なものであってもよい。本明細書における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの序数を表す用語の使用は、要素のいずれかの特定の順序又は序列を意味するものではなく、例えば「第1」及び「第2」のリング状ハウジング要素は、このような部材のあらゆる順序を意味することができ、別途指定していない限り、特定の構成の第1及び第2のリング状ハウジング要素に限定されるものではないと理解されたい。本明細書で使用する「呼吸治療システム」は、薬剤送達装置、薬剤送達装置の付属装置及び呼吸練習装置のうちのいずれか1つ又は2つ以上を含む。
【0014】
図面を参照すると、様々な薬剤送達システムは、入力端12と、出口18を含むユーザインターフェイス16を有する出力端14と、入力端と出力端との間に定められる空間の内部容積20とを有するバルブ付き保持チャンバ2を含む。流量インジケータ22は、出口を通じたユーザの吸気及び/又は呼気に応答して動くことができる。電子インジケータ220は、流量インジケータ22の動きに応答して送信される電子信号に応答して動作することができる。ハウジング23は、流量インジケータを取り囲んで観察ウィンドウ又はポートを定める。観察ポートは、ユーザが流量インジケータの動きを観察できるように半透明又は透明とすることができる。或いは、機械的流量インジケータ22が配置される観察ウィンドウは、ユーザが電子インジケータ220のみを観察できるように、透けて見えないコーティング又は色を有する不透明又は不明瞭なものとすることもできる。この後者の実施形態では、ユーザ又は介護者に1つのインジケータしか見えない。様々な呼吸治療システムは、限定するわけではないが、バルブ付き保持チャンバ2、粉末吸入器4、陽圧呼吸装置6又はネブライザ8を含むことができる。
【0015】
図1図6図10図19及び図50図53に示す1つの実施形態では、機械的流量インジケータ22が、例えば保持チャンバ2の入力端12と出力端14との間に定められる吸入経路に沿って流路(P)が形成される吸入中に第1及び第2の位置間で移動する電気スイッチとして機能する。MDIは、薬剤キャニスタ13と、例えば入力端12内に摩擦嵌合によって取り付けられるマウスピースを有するアクチュエータブーツ15とを含む。機械的流量インジケータ22は、この実施形態では吸入経路(P)の外側に位置するが、例えば形成される陰圧を通じて、流路に沿った流れに応答することができる。流量インジケータは、呼気中に動くように構成することもできると理解されたい。流量インジケータの様々な態様は、例えば限定するわけではないが、「エアロゾル薬物送達装置及びシステムの視覚的インジケータ(Visual Indicator for An Aerosol Medication Delivery Apparatus and System)」という米国特許第8,550,067号に示されており、この文献の開示はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0016】
図1図4図52及び図53に示すように、バルブ付き保持チャンバ2は、バルブ付き保持チャンバの端部にタブなどを用いて解放可能に固定される、保持器とも呼ばれるアダプタ24又はバッフル部分を有する前方部品又は患者インターフェイス16を含む。マウスピース部分26は、例えばタブ28が開口部30に係合することによってバッフル部分に結合される。図22図38図39図52及び図53に示すように、アダプタ又はバッフル部分は、スロット34、遷移部品36、及び円筒形出口ポート38を有する環状取り付けカラー32を含む。アダプタは、チャンバハウジング上のタブ40をスロット34に嵌めこんだ後に、チャンバハウジング又はアダプタをねじってタブをスロット内の適所にロックさせることによってチャンバに取り付けられる。バッフル部分24は、保持チャンバの端部として一体に形成することもできる。
【0017】
弁座を定めるバッフルの前面42には、吸気バルブ241が着座する。1つの実施形態では、吸気バルブが環状のバルブとして形成される。環状弁体241は、弁座42に対する密封を行う内周密封縁部44を含む中心開口部を有する。環状弁体の外周縁部46は、マウスピースによって定められる弁座48に接して着座する呼気バルブを定める。吸気バルブは、ダックビルバルブ、センターポストバルブ(center post valve)、スリットペタルバルブ(slit petal valve)、及び/又はフラップバルブとして形成することもできる。バルブは、シリコーン又は熱可塑性エラストマなどの軟質プラスチックで形成することができる。
【0018】
流量インジケータ22は、吸気バルブに一体的に取り付けることも、又は図51に示すように別個に形成することもできる。いずれの実施形態においても、流量インジケータは、例えばその接合部に形成された一体ヒンジ、又はヒンジピンによって、バルブ又は基部50にヒンジ接続される。基部50は、バルブ付き保持チャンバ又はユーザインターフェイスに固定することができる。流量インジケータは、その弾性によって静止位置に付勢される。流量インジケータは、ユーザ又は介護者に、ユーザが吸入を行っている旨の視覚的インジケータを提供する。流量インジケータは矩形とすることができるが、正方形又は楕円形などの他の形状も適することができる。例えば、この視覚的流量インジケータは、図23及び図51に示すような丸みを帯びた上縁部を有することができる。
【0019】
図65及び図66A図66Cの実施形態を参照すると、機械的流量インジケータ22は、保持チャンバ2の入力端に配置されたハウジング23内に位置する。流量インジケータは、チャンバの入力端に固定された背面部品(backpiece)230に組み込むことができる。この実施形態では、機械的流量インジケータ22が単一の常開又は常閉スイッチではなく、様々な電気的応答を行うように構成される。1つの実施形態では、流量インジケータ22が、フレキシブル抵抗器を含むように構成され、又は組み込む。図66A図66Cに示すように、流量インジケータ22の変形(例えば、屈曲)量が増えるにつれて抵抗が変化し、例えば増加(又は減少)する。以下でさらに説明するように、この抵抗器は、この実施形態ではLEDなどの光アレイ1040として示す電子インジケータに結合された回路に組み込まれる。この実施形態では、流量インジケータが流路Pの外側に位置するが、背面部品230の一部として形成されるか、それとも保持チャンバ2の一部として形成されるかに関わらず、ハウジング23の開口部を通じて周囲空気が取り込まれる。空気流がインジケータ22を通過すると、流速又は流量に応じて流量インジケータの屈曲量が増減する。最初に、図66Aに示すようにシステムが停止中であって流量インジケータも停止している時には、回路内の抵抗器の抵抗によって1つの光が点灯して、システムが待機中であって流れが存在しない旨の指標が提供される。患者が吸入を行うと、流れの大きさが所定の望ましい流量に上昇し、流量インジケータ22が屈曲し、抵抗が変化して、回路にさらなる光を点灯するように伝える。
【0020】
例えば、流量インジケータが上限と下限との間で屈曲することによって様々な許容できる流速/流量が検知され、例えば対応する抵抗の変化によって、回路が2~3つのさらなる光を点灯できるようになる。流量が大きすぎる場合には、流量インジケータが許容範囲を超えて屈曲することにより、さらなる光(例えば異なる色、強度又は明滅)が点灯して流量が大きすぎる旨のフィードバックを提供することができる。これにより、電子インジケータが装置の正しい使用法に関するフィードバックをユーザ及び/又は介護者に提供する。この光アレイは、許容流量、限界流量及び許容不能流量に関連する(緑色から黄色、赤色への)色の変化などの様々な指標を提供することができる。マイクロプロセッサを含むことができる、又は図69及び図70に関連してさらに説明するように遠隔コンピュータ又はプロセッサと通信できる回路は、吸入シーケンスの長さ又は継続時間、或いは所定の許容流量範囲内の吸入の長さ又は継続時間を記録することもできる。
【0021】
図55図56、及び同様に図65の実施形態を参照すると、機械的流量インジケータ22及び電子流量インジケータ220は、バルブ付き保持チャンバの入力端に収容される。この実施形態では、背面部品820が、流量インジケータを収容するハウジング23と共に構成される。ここでも、ハウジングの開口部を通じて周囲空気が引き込まれ、これによって流量インジケータの偏向/変形/屈曲が生じるようになる。流量インジケータは、例えば吸入を通じて流れが生じている旨の入力を回路に提供して電子インジケータ220に信号を提供するようにスイッチを閉じ又は抵抗を変化させる抵抗器を組み込むことができる。流量インジケータは、いずれかの方向に偏向するように構成することができる。流量インジケータ及び電子インジケータは、例えば背面部品に設けられたスロットなどのホイッスル(whistle)に組み込むこともできる。インジケータをチャンバの入力端に配置することにより、システムは、チャンバ内への2次流路を備えながら、出力端/ユーザインターフェイスにおける漏れの可能性を回避する。また、見通し線が増加することにより、ユーザにとって電子インジケータを見やすくすることもできる。
【0022】
図68に示す1つの実施形態では、定量吸入器(MDI)が、アクチュエータブーツ15と、薬剤キャニスタ13と、アダプタ802とを含む。アダプタ802は、ブーツのマウスピース部分806を受け取るように成形された入力端804と、例えばバルブ付き保持チャンバの背面部品230に形成された入力端の開口部に受け取られるように成形された出力端808とを有する。キャニスタ13が解放されると、エアロゾル化された薬剤が放出され、マウスピース806及びアダプタ802を通じてバルブ付き保持チャンバ2に入り込む。アダプタ802は、ハウジング23及び流量インジケータ22を含むことができる。アダプタは、保持チャンバの外周面を超えて半径方向に延びる直立フランジ又は基準/垂直材(standard/upright)810を含んで、垂直材上に配置された光などの電子インジケータ812が保持チャンバのユーザに見えるように構成することができる。アダプタは、保持チャンバを伴わずに使用することもでき、出力端808が、ユーザの口に挿入できるマウスピースとして構成されてその役割を果たすと理解されたい。流量インジケータ22、回路及び電子インジケータ812は、本明細書の他の箇所で他の実施形態に関して説明したように機能する。この実施形態では背面部品に電子部品が組み込まれているので、例えば食器洗い及び/又は高圧蒸気殺菌のような高温洗浄などの洗浄時には背面部品を取り外すことができ、これによって部品を熱及び/又は水から防護し、例えば防水加工する必要性が避けられる。さらに、これによって部品を低コストで製造することもできる。
【0023】
次に、図57に、MDIアプリケータ902内に位置するMDIの1つの実施形態を示す。MDIアプリケータ902は、レバー904とハウジング906とを含むことができる。アプリケータの様々な実施形態の構成は、2014年3月14日に出願されて2014年10月30日に公開された「定量吸入器アプリケータ(Metered Dose Inhaler Applicator)」という名称の米国特許出願公開第2014/0318534号に開示されており、この文献の開示はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。これらの部品は、例えばポリプロピレン、ABS及びアセタールなどの、射出成形業界で使用されているプラスチックを含む様々な材料で形成することができる。例えば枢動軸(pivot axis/axle)又はヒンジを中心とした枢動を通じてハウジング906に移動可能に結合されたレバー904は、ユーザが患者であるか、それとも介護者であるかに関わらず、ユーザによるMDIの作動を支援する。ハウジングは、例えば伸縮性シール908を用いてMDIに結合される。ハウジング906内には、流量インジケータ22と、ユーザに見える電子インジケータ220とが配置される。ハウジング内には、電子回路がさらに配置される。例えば図57に示すようなキャニスタ上方のハウジング頂部の、又はハウジングの側面に沿ったハウジングの様々な開口部911、913を通じて空気流を取り込むことができ、これによって流量インジケータ22が動いて、関連する信号が電子インジケータに送られるようになる。
【0024】
図71図73に示すように、MDIブーツ15は、アプリケータ902内に配置することができる。次に、レバー904を、レバー904のポスト934がMDIのキャニスタ13の端部に接して位置する静止位置まで枢動軸を中心にハウジングに対して回転又は枢動させる。MDIアプリケータ902のレバー904に力を加えると、レバー904が枢動軸を中心にハウジング及びMDIに対して枢動することができる。レバー904及びポスト934の枢動は、レバー904に加わった力をMDIのキャニスタ13に対する下向きの力に移行させる。MDIのキャニスタ13に対する下向きの力によって、MDIの軸部がMDIの内部バルブを開くほど十分に加圧されると、キャニスタ内の薬剤が軸部を通過してエアロゾル化された形でMDIのノズルから排出され、患者によって吸入される。枢動軸は、マウスピース、又はマウスピースから出る流路によって定められる軸と実質的に直角に配向される。レバー904を介してMDIのキャニスタ13に十分な力が加わると、MDIは、例えばマウスピースを介して又はバルブ付き保持チャンバ2内にエアロゾル化された薬剤を分注し、その後にこの薬剤を患者が吸入することができる。
【0025】
具体的には、レバー904が押圧されると、MDIのキャニスタ13が、1つの実施形態ではバルブ軸を受け取るウェルを有するアクチュエータブーツ15内に押し込まれる。キャニスタが十分にブーツ15内に進むと、バルブが開くまでウェルによってバルブ軸が押圧され、これによって1回分のエアロゾル化された薬剤が放出される。MDIは、キャニスタの作動回数を記録する機械式又は電子式用量カウンタなどの用量カウンタ930を含むように構成することができる。
【0026】
図82に示す実施形態を参照すると、レバーは、流路軸と平行に配向された又は流路軸に対して鋭角を成す軸を中心にしてハウジングに枢動自在に結合されている。この別のレバー位置は、少なくとも一部のユーザにとっての快適性を向上させる。
【0027】
ハウジング906、キャニスタ13又はブーツ15に対してレバー904が動くと、キャニスタの作動が行われた旨を示唆及び/又は記録する入力が電子作動インジケータ/トラッカに提供される。例えば、図71及び図72に示す実施形態では、レバーの表面上にストリップ935などの導電性部分が配置されて、ケース942に収容できるマイクロコントローラ940につながる。レバーは、やはりケース942に収容できるバッテリ944につながるストリップ936などの導電性部分をさらに含む。ハウジング906上、或いはキャニスタ又はブーツ上には、ストリップ932などの導電性部分が配置される。レバー及びハウジングは、別個の部材として適用されたものであるか、それとも一体的に形成されたものであるかに関わらず、他の導電性を含むことも、導電性材料から一体的に形成することも、付着点において絶縁体によって絶縁することも、又は様々な導電性部分を含むこともできると理解されたい。ケース942は、レバー904内に配置してレバー904に結合することができると理解されたい。ストリップ935、936と、バッテリ944及びコントローラ940を含むケース942とは、レバー上に配置されたストリップ932と共にハウジング906、ブーツ15又はキャニスタ13上に配置し、又はこれらに結合することができると理解されたい。ストリップ932、935、936は、レバーが図71及び図72に示すような上昇位置及び/又は静止位置にある時には(常開)スイッチとして機能する。レバーが作動位置に枢動すると、ストリップ932がストリップ935、936に接触してストリップ935、936を電気的に接続し、ストリップ932、935、936が閉スイッチとして機能する。回路936、932、935が完成すると、マイクロコントローラに、MDIの作動を記録し、作動に関連するタイムスタンプを取得してオンボードメモリにデータを記憶し、又は以下でさらに説明するようなリモートサーバ又はローカルコンピュータ装置にデータを通信するように信号が送られる。このスイッチは、レバーが所定の最小距離だけ変位した時に閉じる(又は開く)。或いは、このスイッチは、レバーが一定距離だけ移動した時、又は一定角度だけ枢動した時にのみ作動するリミットスイッチとして構成することもできる。このスイッチは、ハウジング、MDIキャニスタ及び/又はアクチュエータに接触することによって切り替わることができる。
【0028】
アプリケータは、レバー又はハウジングの一方に配置されたLEDなどの、作動が行われた旨の指標を提供する電子インジケータを含むように構成することもできる。スイッチが閉じることによって回路が作動すると、レバー又はハウジングの一部に封入された低電力回路を利用するコントローラなどの電子回路が作動することができる。導電性は、例えば細いストリップ又はその他の形状などの、レバー及びハウジングの狭い領域に特有のものとすることも、或いはハウジングの端部全体を導電性とすることもできる。或いは、システムは、容量性検知を使用してレバーがいつ作動位置に到達したかを判断する。電子インジケータからのフィードバックは、十分な作動が行われたことを示す。
【0029】
他の実施形態では、スイッチを、例えばレバーが枢動してスイッチが開いた時に回路を作動させる常閉スイッチとすることもできる。作動は、圧力センサ、静電容量センサ、誘導センサ、或いはその他の近接センサ又はスイッチによって検出することもできる。所定の第2の位置に達すると、レバー及び/又はハウジングの導電性は、レバー、ハウジング又はMDI上に位置する、ハウジング942に封入された低電力回路を利用して、開いているか、それとも閉じているかに関わらず電子フィードバックを作動させるスイッチとして機能する。合わせ面上のスイッチは、封入、ポッティング、コンフォーマルコーティング又は密封されたプリント回路基板(PCB)から出現する2つの小さな導電性点接点(conductive point contacts)又は導電パッドとして構成することができる。容量性検知を用いてスイッチを形成する場合、封入体(encapsulation)内のセンサは、センサの感度を高めるように少なくともPCBのサイズに適合する小さなパッド及び接地パッドである。接地パッドは、封入体に組み込むことも、或いはアプリケータ又はMDI部品の一方に沿ったインジケータの導電性領域からの導電路によって形成することもできる。人体は、アプリケータを保持しながら導電路に接触し、接地として機能することができる。
【0030】
電子部品は、装置のアセンブリに一体化することも、或いはあらゆるMDI又はアプリケータに適合できるモジュラー部品又はハウジング942内に具体化することもできる。いずれのシナリオにおいても、電子部品は、ハウジング942内に封入、ポッティング、コンフォーマルコーティング又は密封される。様々な実施形態では、ユーザ又は介護者には回路が見えないと理解されたい。
【0031】
図73の別の実施形態を参照すると、ハウジング906が、IR検出器962及びエミッタ960を含むように構成される。この時、キャニスタは静止位置にあり、エミッタ960から放射経路に沿って赤外線が放出され、キャニスタ13から放射経路に沿って反射され、検出器62によって検出される。MDIが作動すると、キャニスタがレバー904からの力に応答して、もはや放射経路内に存在しなくなるまで下向きに移動する。換言すれば、作動位置では、もはやキャニスタ13が赤外線経路を反射する位置に存在せず、検出器962からの信号の変化を用いて作動を推測する。
【0032】
別の実施形態では、エミッタ960と検出器962とが互いに180°離れて位置し、キャニスタ13がエミッタ960と検出器962との間の放射線ビームを遮断することができる。この実施形態では、レバー及びキャニスタが静止位置にある時には、エミッタ960から放出された放射線が検出器962によって検出されることはない。作動中には、キャニスタが経路から逸脱することによって検出器962がエミッタ960からの放射線ビームを検出し、これによってMDIの作動に関連する信号を検知して送信するようになる。光カーテン及び反射/近接検知の実施形態及び構成も適することができる。
【0033】
別の実施形態を参照すると、レバー上に力センサが設けられる。力センサは、ポスト934の機能を果たし、又は支柱に組み込むことができる。MDIの作動は、ほとんど一貫した力で行われる。従って、力センサを作動力と相関させ、レバーが枢動してこのような力が加わった時に信号を送るようにすることができる。例えば、センサによって一定の閾値が記録又は検出されると、作動が記録/登録される。レバーには、上記で開示したようなマイクロコントローラ、バッテリ及びケースを組み込むことができる。或いは、ハウジング906又はMDIに力センサを適用して、関連する電子部品と電子的に通信するようにすることもできる。
【0034】
異なるモジュール及び実施形態は、装置が、マイクロコントローラに埋め込むことができる、又はマイクロコントローラと共に収容できるGPSモジュールを含むように構成されている場合、及び/又はこのようなGPSモジュールに関連付けられている場合、作動日時及び/又は場所を含めて個別に累積的に作動を記録して登録することができると理解されたい。蓄積されたデータを分析して、装置がいつどのように使用されたか、及び/又は介護者が指示した特定の送達プロトコルの順守に関するフィードバックを提供することができる。
【0035】
MDIアプリケータ内で生成されるセンサデータの処理をさらに高速かつ正確なものにするために、これらのデータは、未加工のセンサデータを解釈してこれらに作用するスマートフォン、ローカルコンピュータ装置及び/又は遠隔コンピュータ装置に無線で通信することができる。
【0036】
図64に示すように、例えば図71図73に開示するMDIアプリケータ902は、流量インジケータを含むように構成された保持チャンバ(例えば、図1図5)と共に使用することができる。MDIアプリケータ902は、装置が、ハウジング上又はハウジング内に配置されたマイクロコントローラに埋め込むことができる、又はこのようなマイクロコントローラと共に収容できるGPSモジュールを含むように構成されている場合、及び/又はこのようなGPSモジュールに関連付けられている場合に、作動日時及び/又は場所を含めて個別に累積的に作動を記録して登録する、上記で開示したモジュールを含むように構成することができる。蓄積されたデータを分析して、装置がいつどのように使用されたか、及び/又は介護者が指示した特定の送達プロトコルの順守に関するフィードバックを提供することができる。
【0037】
本明細書で開示したMDIアプリケータ又は他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)内で生成されるセンサデータの処理をさらに高速かつ正確なものにするために、これらのデータは、未加工のセンサデータを解釈してこれらに作用するスマートフォン、ローカルコンピュータ装置及び/又は遠隔コンピュータ装置に無線で通信することができる。
【0038】
図64図69及び図70を参照すると、MDIアプリケータ902又は他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)は、未加工のセンサデータをスマートフォンなどのローカル装置にリアルタイムで送信する回路を含む。スマートフォンは、ユーザに画像又は命令を表示するとともに、未加工データを解釈してこれらに作用できる処理ソフトウェアを実装することができる。スマートフォンは、未加工のセンサデータをフィルタリングして処理し、未加工のセンサデータに含まれている関連するステータス情報をスマートフォンのディスプレイに出力するソフトウェアを含むことができる。或いは、スマートフォン又はその他のローカルコンピュータ装置は、そのローカルリソースを用いてリモートデータベース又はサーバと交信して処理命令を取り出し、或いは遠隔的な処理及び解釈のために未加工のセンサデータを転送し、処理され解釈されたセンサデータを再びリモートサーバから受け取ってスマートMDIアプリケータのユーザ又はその介護者に表示することもできる。
【0039】
MDIアプリケータの近くにあるスマートフォン又は他のローカルコンピュータ、或いは他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)のディスプレイ上に単純にデータ、統計又は命令を提示することに加えて、MDIアプリケータに関連する先を見越した動作を能動的に管理して制御することもできる。例えば、MDIアプリケータの近くにあるスマートフォン又は他のローカルコンピュータ、或いは他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)は、投与量が投与されたことがセンサデータによって示されていると判断した場合、この情報をユーザ又は介護者に通信することができる。
【0040】
さらに他の例では、スマートMDIアプリケータ又は他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)において収集されたリアルタイムデータがスマートフォンを介してリモートサーバに中継されると、リモートサーバは、これを引き金として医師又は監督介護者を見つけ出し、特定のユーザの過去のセッションに基づいて時間と共に表面化した特定のセッション又はパターンに関する問題を通知することができる。リモートサーバは、スマートMDIアプリケータ又は他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)の1又は2以上のセンサからのデータに基づいて、テキスト、電子メール又は他の電子通信媒体を介してユーザの担当医師又は他の介護者に送信すべきアラートを生成することができる。モバイル装置(例えば、電話機、タブレット、ラップトップなどの)がデータを同期できる範囲内に存在する時には、常に無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))を介してモバイルアプリケーションにデータをアップロードすることができる。その後、アプリケーション上でデータを分析し、ユーザ/患者の誓約及び順守/コンプライアンスにとって有益であるようにユーザに提示することができる。データは、他の介護者、ヘルスケア提供者及び/又は支払人(例えば、保険会社)が検討できるように、WiFi又は携帯電話ネットワークを介してクラウドサービスに転送することもできる。
【0041】
アプリケータ902と、電子インジケータ220を含むように構成されたバルブ付き保持チャンバとを組み合わせることにより、ユーザ又は介護者に対してより正確な投与終了時(end of treatment)の計算を行うことができる。例えば、図7及び図64に示すように、アプリケータ902又はマイクロコントローラ940は、MDIの作動を登録し、その情報を無線通信などによってプロセッサに通信又は信号送信する。他の実施形態では、アプリケータがバルブ付き保持チャンバに挿入されている時に、アプリケータとバルブ付き保持チャンバとが、配線などの直通通信リンクによって通信することができる。動作中、機械的流量インジケータ22は、上記で開示したようにスイッチを閉じ又は別のセンサを作動させることによって、吸入が開始された旨の入力を提供し又は信号を送信する。この情報が、マイクロコントローラ(MCU)又はマイクロプロセッサに通信される。内部クロックが時間を記録する一方で、プロセッサは、アプリケータ902からの信号の通信によってMDIが作動したかどうかを確認する。作動が行われていなかった場合には、内部クロックがループし、及び/又は関連する流量インジケータの移動又は変形及び信号の送信を引き起こすバルブ付き保持チャンバを介した吸入の長さと、MDIの作動後の吸入の長さとに関するデータが収集されるように作動からの時間を計算する。アプリケータ902及びコントローラ940によって記録されるMDIの作動が行われると、作動前後の吸入流に関するデータを用いて容量計算が行われて電子フィードバックが提供される。このようにして、治療が終了した旨の、又はMDIの作動後に十分な容量が吸入された旨のフィードバックが提供される。これらのデータは、上述したように収集してヘルスケア提供者に通信することもできる。
【0042】
MDIアプリケータ又は他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)における電子回路は、ネットワーク526と通信する及び/又は他のコンピュータと直通通信するコンピュータ500の能力の一部又は全部を含むことができる。図69及び図70に示すように、コンピュータ500は、プロセッサ502と、記憶装置516と、ディスプレイ又はその他の出力装置510と、入力装置512と、ネットワークインターフェイス装置とを含むことができ、これらは全てバス508を介して接続される。コンピュータは、ネットワークと通信することができる。プロセッサ502は、CISC(複合命令セットコンピューティング)、RISC(縮小命令セットコンピューティング)、VLIW(超長命令語)又はハイブリッドアーキテクチャなどのいずれかのタイプのアーキテクチャの中央処理装置を表すが、あらゆる適切なプロセッサを使用することができる。プロセッサ502は、命令を実行するとともに、コンピュータ500のコンピュータ全体の動作を制御する部分を含む。図70には示していないが、通常、プロセッサ502は、メモリに記憶されたデータ及びプログラムを体系化してデータ及びその他の情報をコンピュータ500の様々な部品間で転送する制御ユニットを含む。プロセッサ502は、入力装置512から入力データを受け取り、ネットワーク526は、命令(例えば、プロセッサ実行可能コード)524及びデータを読み取ってランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ504、リードオンリメモリ(ROM)などのスタティックメモリ506、及び記憶装置516に記憶する。プロセッサ502は、出力装置510を介してユーザにデータを提示することができる。
【0043】
コンピュータ500は、単一のプロセッサ502及び単一のバス508のみを含むように示しているが、開示する実施形態は、複数のプロセッサを有することができるコンピュータ、及び一部又は全部が異なる機能を異なる方法で実行する複数のバスを有することができるコンピュータにも等しく当てはまる。
【0044】
記憶装置516は、データを記憶する1又は2以上の機構を表す。例えば、記憶装置516は、リードオンリメモリ(ROM)、RAM、不揮発性記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス及び/又はその他の機械可読媒体などのコンピュータ可読媒体522を含むことができる。他の実施形態では、あらゆる適切なタイプの記憶装置を使用することができる。1つの記憶装置516のみを示しているが、複数の記憶装置及び複数のタイプの記憶装置が存在することもできる。さらに、コンピュータ500は、記憶装置516を含むように示しているが、例えばサーバ上の他のコンピュータにわたって分散させることもできる。
【0045】
記憶装置516は、コントローラ(図示せず)と、センサデータの処理、センサデータ又はセンサデータに基づく命令の表示、スマートMDIアプリケータ又はその他の装置(例えば、保持チャンバ、ピークフローメータ、粉末吸入器、ネブライザなどの)の動作を変更するための状態制御、或いは第三機関又はその他の遠隔に位置するリソースに接触してこれらのリソースに更新情報を提供し、又はこれらのリソースからデータを回収することを参照しながら上述した機能を実行するようにプロセッサ502上で実行できる命令524を有するコンピュータ可読媒体522とを含むことができる。別の実施形態では、これらの機能の一部又は全部が、プロセッサーベースのシステムの代わりにハードウェアを介して実行される。1つの実施形態では、コントローラがウェブブラウザであるが、他の実施形態では、コントローラをデータベースシステム、ファイルシステム、電子メールシステム、メディアマネージャ、イメージマネージャとすることができ、又はコントローラが、データ項目にアクセスできる他のいずれかの機能を含むこともできる。記憶装置516は、本発明を理解するためには必要でないさらなるソフトウェア及びデータ(図示せず)を含むこともできる。
【0046】
出力装置510は、ユーザに出力を表示するコンピュータ500の部分である。出力装置510は、コンピュータハードウェアの技術分野で周知の液晶ディスプレイ(LCD)とすることができる。他の実施形態では、出力装置510を、ガス又はプラズマベースのフラットパネルディスプレイ、又は従来のブラウン管(CRT)ディスプレイに置き換えることもできる。さらに他の実施形態では、いずれかの適当なタイプのディスプレイ装置を使用することができる。1つの出力装置510しか示していないが、他の実施形態では、異なるタイプ又は同じタイプのあらゆる数の出力装置が存在することもできる。ある実施形態では、出力装置510がユーザインターフェイスを表示する。入力装置512は、キーボード、マウス又はその他のポインティングデバイス、トラックボール、タッチパッド、タッチ画面、キーパッド、マイク、音声認識装置、又はユーザがコンピュータ500にデータを入力して上述したユーザインターフェイスを操作できるようにする他のいずれかの適切な機構とすることができる。1つの入力装置512しか示していないが、別の実施形態では、あらゆる数及びタイプの入力装置が存在することもできる。
【0047】
ネットワークインターフェイス装置520は、いずれかの好適な通信プロトコルを介したコンピュータ500からネットワーク526への接続性を提供する。ネットワークインターフェイス装置520は、ネットワーク526から無線又は有線トランシーバ514を介してデータ項目を送受信する。トランシーバ514は、セルラー周波数送信システム、無線周波数(RF)送信システム、赤外線(IR)送信システム、或いはネットワーク526、又は図2のコンピュータ例の特徴のうちの一部又は全部を有する他のスマート装置102と通信できる複数の既知の無線又は有線送信システムのいずれかとすることができる。バス508は、例えばUSB、PCI、ISA(業界標準アーキテクチャ)、X-Bus、EISA(拡張業界標準アーキテクチャ)、又は他のいずれかの適切なバス及び/又は(バスコントローラとも呼ばれる)ブリッジなどの1又は2以上のバスを表すことができる。
【0048】
コンピュータ500は、パーソナルコンピュータ又は他の電子コンピュータ装置などのいずれかの好適なハードウェア及び/又はソフトウェアを用いて実装することができる。コンピュータ500は、ポータブルコンピュータ、ラップトップ、タブレット又はノートブックコンピュータ、スマートフォン、PDA、ポケットコンピュータ、電化製品、電話機とすることができ、メインフレームコンピュータは、他の考えられるコンピュータ500の構成例である。ネットワーク526は、あらゆる好適なネットワークとすることができ、コンピュータ500との通信に適したあらゆる適切なプロトコルをサポートすることができる。ある実施形態では、ネットワーク526が無線通信をサポートすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526が、電話回線又はケーブルなどの有線通信をサポートすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526が、イーサネットIEEE(電気電子技術者協会)802.3x仕様をサポートすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526を、IP(インターネットプロトコル)をサポートできるインターネットとすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526をLAN又はWANとすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526をホットスポットサービスプロバイダネットワークとすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526をイントラネットとすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526をGPRS(汎用パケット無線システム)ネットワークとすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526を、いずれかの適切なセルラーデータネットワーク又はセルベースの無線ネットワーク技術とすることができる。別の実施形態では、ネットワーク526をIEEE 802.11無線ネットワークとすることができる。さらに別の実施形態では、ネットワーク526を、いずれかの好適なネットワーク、又はネットワークの組み合わせとすることができる。1つのネットワーク526しか示していないが、他の実施形態では、(同じ又は異なるタイプの)あらゆる数のネットワークが存在することもできる。
【0049】
本明細書で説明する様々な技術は、ハードウェア又はソフトウェア、或いは必要に応じてこれらの両方の組み合わせに関連して実装することができると理解されたい。従って、本開示の主題又はそのいくつかの態様又は部分の方法及び装置は、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ又は他のいずれかの機械可読記憶媒体などの有形媒体に具体化されるプログラムコード(すなわち、命令)の形を取ることができ、これらのプログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて機械によって実行される時には、この機械が本開示の主題を実施する装置になる。プログラマブルコンピュータ上でプログラムコードを実行する場合、コンピュータ装置は、一般にプロセッサと、プロセッサが読み取ることができる(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶素子を含む)記憶媒体と、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを含む。1又は2以上のプログラムは、例えばAPI又は再使用可能コントロールなどの使用を通じて、本開示の主題に関連して説明するプロセスを実装又は使用することができる。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するように高水準の手続き型言語又はオブジェクト指向型プログラミング言語で実装することができる。しかしながら、これらの(単複の)プログラムは、必要に応じてアセンブリ言語又はマシン語で実装することもできる。いずれにせよ、言語は、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語とすることができ、ハードウェアの実装と組み合わせることができる。例示的な実施形態は、本開示の主題の態様を1又は2以上のスタンドアロン型コンピュータシステムの文脈で使用することに言及している場合もあるが、本主題はこのように限定されるものではなく、むしろネットワーク又は分散コンピュータ環境などのあらゆるコンピュータ環境に関連して実装することができる。さらに、本開示の主題の態様は、複数の処理チップ又は処理装置において、或いは複数の処理チップ又は処理装置にわたって実装することもでき、同様にストレージも複数の装置にわたって分散することができる。このような装置は、例えばパーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ及びハンドヘルド装置を含むことができる。
【0050】
図58A及び図58Bに、人工呼吸器とユーザインターフェイスとの間で流路に挿入された、人工呼吸器回路で使用されるアダプタ1000、1002を示す。これらのアダプタの構成は、2014年3月14日に出願されて2014年12月11日に公開された「人口呼吸器回路、人口呼吸器回路で使用されるアダプタ、及びその使用法(Ventilator Circuit, Adapter for Use in Ventilator Circuit and Methods for The Use Thereof)」という名称の米国特許出願公開第2014/0360498号に開示されており、この文献の開示はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。アダプタ1000、1002は、限定ではなく一例として吸入器1008及びネブライザ1010を含む薬剤送達装置を受け取るように適合され構成された薬物送達ポート1004、1006を含む。アダプタ1000、1002は、流路内に配置された機械的流量インジケータ22を含むように構成される。アダプタは、ユーザ又は介護者に見えるようにアダプタの外面上に配置された光などの電子インジケータ220を含むように構成することができる。流量インジケータ22、回路及び電子インジケータ220は、本明細書で他の実施形態に関して説明したように機能する。
【0051】
人工呼吸器回路では、吸気サイクルの開始時に薬物送達が行われることが好ましく、介護者が人工呼吸器機の音のみを聞いてこれを確認するのは困難な場合がある。インジケータ220は確実性を高め、呼気中に薬物送達が行われるのを防ぐのに役立つ。動作中、薬物送達装置1008、1010は、ユーザに見える機械的インジケータ22が動いた時、及び/又は電子インジケータ220が点灯などによって指標を提供した時に作動する。インジケータ22は、シリコーン製とすることができ、(常開又は常閉)スイッチとして動作することも、或いは本明細書の他の箇所で説明したように回路内にフレキシブル抵抗器を含むように構成することもできる。図示のように、インジケータ22は、通常の使用位置にある時にはアダプタの上側に位置し、又はアダプタから下向きに延びて、インジケータ22に対する薬物の貯留又は蓄積を防ぐ。
【0052】
図59及び図60を参照すると、圧縮器1020、或いは圧縮器又はその他の空気源を接続する管体1022を、気体であるかそれとも液体に関わらず流体流(P)に応答して移動又は変形する機械的流量インジケータを含むように構成することができる。流量インジケータ22は、作動時に電子インジケータ220に信号を供給する回路に結合される。電子インジケータは、流れが生じている旨の指標をユーザに提供する。図59に示すように、流量インジケータ22は圧縮器1020の流路に埋め込まれ、電子インジケータ220は圧縮器上又は圧縮器内に設けられて、視覚的インジケータとして具体化された場合にはユーザに見える。
【0053】
図60に示すように、流量インジケータは、管体1022の端部1026に受け取られる挿入部分と、管体の端部1026と同じ装置に接続するように成形され構成された受け取り側端部コネクタ部分1028とを有するコネクタ又はアダプタ内に位置することができる。或いは、流量インジケータは、管体1022内に直接配置して、直接回路又は無線のいずれによってかに関わらず電子インジケータに動作可能に接続することができる。
【0054】
図61を参照すると、ピークフローメータ1050が、例えばフレキシブル抵抗器を含むように構成された流量インジケータなどの機械的流量インジケータ22を含むように構成される。流れの量がインジケータを偏向させ、抵抗器を異なる量だけ変形又は屈曲させる。この偏向又は変形の量を、例えばLED1040のアレイなどの電子インジケータによる変動表示と相関させ、流れが増えるにつれてLEDの点灯数も増えるようにすることができる。インジケータ1040は、異なる流量レベルに関する指標を提供する異なる色の光を含むように構成することもできる。使用データを収集して追跡し、MDIアプリケータに関して上述したようにコンピュータ又はスマートフォンアプリに接続して、患者、介護者又は他のヘルスケア提供者とデータを共有できるようにすることもできる。
【0055】
図24図25及び図40図41Aに示す1つの実施形態では、患者インターフェイスが、バルブ付き保持チャンバ又はバッフル部分の端部にさらに固定できるアダプタ62に固定されたマスク52を含む。マスクは、流量インジケータとして機能する呼気バルブ54を含む。他の患者インターフェイスとしては、限定ではなく一例として、様々なマウスピース、マスク、気管内チューブなどを挙げることができる。バルブは、マスクの開口部に係合してバルブをマスクに固定する中心ポスト56を有することができる。バルブの周囲には、保護ドーム又はシュラウド58を配置することができる。呼気バルブ54は、マスクの鼻受け領域に形成された出口ポートに挿入されて取り付けられる。米国特許第5,988,160号及び米国特許第5,645,049号には様々なマスク及び呼気バルブの実施形態の例が開示されており、これらの文献の開示はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。アダプタの出口ポートには、摩擦嵌めによって、或いは入力ポート上に形成されて溝に係合するリブ64又はマスク52上の対応するリブのインターフェイスを通じて、出口ポートを覆ってマスクの円筒形入力ポート60が配置されて出口ポートに取り付けられる。
【0056】
図26図27及び図42図43Cを参照すると、例えば粉末吸入器(図10)、ネブライザ(図8)又は振動型陽圧呼吸装置(図9)に組み込まれたマウスピース70が、弁座76を定めるマウスピースの開口部74を覆って固定された呼気バルブ72を含む。このバルブは、1つの実施形態ではバタフライバルブなどの2つのフラップ78と、バルブの開口部80を通じて延びてバルブをマウスピースの外側に固定する中心ポスト又は突出部82とを含むように構成される。バルブを覆って不正操作から保護する遮蔽体(図示せず)を配置することもできる。
【0057】
図28図29図33図35及び図44図45Cを参照すると、ネブライザ90が、チャンバ92と、ダイアフラム96と、アクチュエータ94の頂部に配置されたダイヤル98とを含む。アクチュエータ94及びダイヤル98は、吸入中に軸107に沿って軸方向に動く。ダイヤル98の底部104はダイアフラム96の内周に係合し、アクチュエータの底部102は、吸入中にアクチュエータが軸方向下向きに移動した時にノズルカバー100に係合する表面を有する。
【0058】
図30A図32及び図46図48Cに、限定ではなく一例として人工呼吸器回路において使用できるバルブ付き保持チャンバ110の別の実施形態を示す。このバルブ付き保持チャンバは、人工呼吸器ポートを定めるコネクタ部品112を有する。コネクタは、壁部118によって分離された第1及び第2の通路114、116を有する。一体形成された吸気/呼気バルブ120は、基部126から逆方向に延びる1対のフラップ122、124を有する。コネクタは、吸気バルブ122のための弁座128を有し、チャンバは、呼気バルブ124のための弁座130を有する。米国特許第8,875,706号には、バルブ付き保持チャンバ及びコネクタの様々な態様が開示されており、この文献の開示はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0059】
上述した薬剤送達装置の様々な構成部品は流量インジケータであり、とりわけ流れに応答して動的に動く機械的流量インジケータであると理解されたい。様々な構成部品は、それらが目に見えているかどうかに関わらず、吸気であるか、それとも呼気であるかに関わらず流れの指標を提供する。様々な構成部品は、ユーザ及び/又は介護者に見えることも、或いは見えないこともある。流量インジケータが動くと、十分な吸入が行われた旨の入力が電子流量インジケータに提供される。例えば、流量インジケータ22の移動回数は、吸入時であるか呼気時であるか(又は両方であるか)、(薬剤投与中に行われた呼吸回数(N)として定められる)呼吸周期中であるか、呼吸周期中における流量インジケータの位置変化の累積時間(T)中であるかに関わらず、十分な吸入と相関する入力を回路に提供する。具体的には、流量インジケータ22と台座との間の所定の接触回数又は(単回であるか、累積であるかに関わらず)所定の接触時間、又は十分な接触近接性、或いは接点によって電子インジケータに入力が提供され、例えば緑色の光又はその他の指標を表示することによって電子インジケータが作動する。流量インジケータの移動回数又は(単回であるか、累積であるかに関わらず)持続時間が達成されない場合、或いは十分な接触又は接触近接性が達成されない場合には、電子回路が電子インジケータを作動させず、或いは黄色又は赤色の光、聴覚的信号、(例えば、触知性の)振動又はその他の指標などを表示することによって電子インジケータを作動させて不適切な薬剤投与を示すことができる。
【0060】
例えば、1つの実施形態では、図1図6図11図21及び図51図53に示すように、視覚的流量インジケータ22が、台座132に接して密封した時に回路を閉じる(常開)スイッチとして機能する導電性ストリップ130を有する又はその他の導電性を含む機械的流量インジケータを定める。スイッチが閉じることによって回路が作動すると、マウスピース又はマスクアダプタなどのユーザインターフェイスの一部に封入された低電力回路を利用して電子回路が作動する。導電性は、例えば細いストリップ又はその他の形状などの、流量インジケータの狭い領域に特有のものとすることも、或いは流量インジケータの面全体を導電性とすることもできる。或いは、システムは、容量性検知を使用して、流量インジケータが所定の流量に対応する第2の位置にいつ到達したかを判断する。電子インジケータ220からのフィードバックは、呼吸数、及び/又は機械的流量インジケータを密封するために必要な最小流量に基づいて計算された容量、及び/又はシール(スイッチ)が維持される時間までの長さに基づいて、十分な作動が行われており、及び/又は正しい治療が完了したことを示す。機械的流量インジケータを密封するために必要な最小流量は、3~5L/分とすることができる。
【0061】
他の実施形態では、このスイッチを、例えば吸気又は呼気バルブ(流量インジケータ)が動作してスイッチが開いた時に回路を作動させる常閉スイッチとすることもできる。この場合も、流量インジケータ(例えば、吸気又は呼気バルブ又はアクチュエータ)の移動回数又はスイッチが開いていた持続時間によって、十分な薬物送達が行われた旨の入力を回路(図54)に提供し、これによって電子回路が電子インジケータを作動させることができる。例えば、図22図23図38A図38C図39図46図48C図62及び図63に示す実施形態を参照すると、機械的流量インジケータが、電子フィードバックの入力部又はスイッチとして機能できる吸気バルブ241、122、1060によって定められる。この場合も、吸気バルブは、例えば、環状弁体の内周又は外周33の周囲に、又は、例えばやはり導電性の材料又は領域を有するバッフル内に電子回路の一部を形成する、弁座42、128などの合わせ面と嵌合する吸入フラップ122の自由端154に沿って、導電性を有する領域150、152又は材料を含むように構成することができる。この実施形態では、バルブ241、122が閉位置にある時には流量が十分でなく、電子フィードバックは存在しない。例えば吸入中にバルブ(常閉スイッチ)が開位置に移動して、閉鎖時に接触しているバッフル又は弁座ともはや接触しなくなると、電子フィードバックが作動する。後者の場合には、圧力センサ、静電容量センサ、誘導センサ、或いはその他の近接センサ又はスイッチによって動きの検出を行うことができる。所定の第2の位置に到達すると、インジケータの導電性は、チャンバハウジング、マウスピース、マスクアダプタ又はその他の構成部品上に位置する、ハウジング160に封入された低電力回路を利用して、開いているか、それとも閉じているかに関わらず電子フィードバックを作動させるスイッチとして機能する。流量インジケータが第2の位置にある時に嵌合するシール面42、128上のスイッチは、封入、ポッティング、コンフォーマルコーティング又は密封されたプリント回路基板(PCB)又はマイクロコントローラ261から出現する2つの小さな導電点接点又は導電パッドとして構成することができる。
【0062】
容量性検知を用いてスイッチを形成する場合、封入体内のセンサは、センサの感度を高めるように25mm2以下の検知面積を有する小さなパッド、及び少なくともPCBのサイズに適合する接地パッドである。接地パッドは、封入体に組み込むことも、或いはチャンバの本体に沿ったインジケータの導電性領域からの導電路によって形成することもできる。人体は、チャンバを保持しながら導電路に接触し、接地として機能することができる。
【0063】
図62及び図64に示すように、機械的流量インジケータは、バルブを通る流れに応答して開いて中心開口部1062を形成する1対のフラップ1064を有するダックビルバルブ1060として構成される。このバルブは、一方向の流れ制御を行う。バルブフラップ1064は、常閉位置においてバルブに接し、バルブが開いた時に回路が流れを識別して電子インジケータ220に信号を送信し、及び/又は開いたことをデータベースに記録するような導電性ストリップ1066を有することができる。或いは、バルブフラップ1064は、例えば点灯によって流れが生じた旨の指標を提供するように電子インジケータ220に信号を送信する回路内でバルブフラップと共に偏向するフレキシブル抵抗器1068を備えることもできる。或いは、センサを静電容量センサとして構成することもできる。
【0064】
様々な実施形態における電子部品は、装置のアセンブリに一体化することも、又はあらゆるバルブ付き保持チャンバ(又はその他の呼吸装置)に適合できるモジュラー部品又はハウジング160内に具体化することもできる。いずれのシナリオにおいても、電子部品は、好ましくは25×25×5mm(L×W×H)~45×45×20mm(L×W×H)の領域内に封入、ポッティング、コンフォーマルコーティング又は密封される。電子インジケータ及び流量インジケータは、例えばマスク、マウスピース、アダプタなどの、同じ患者/ユーザが複数の呼吸治療システムと共に使用できる取り外し可能な患者インターフェイスに組み込むことができると理解されたい。様々な実施形態では、回路がユーザ又は介護者に見えないと理解されたい。
【0065】
機械的流量インジケータの他の実施形態は、マスク、マウスピース、又はコネクタ上に、上述した(常開又は常閉)スイッチとして機能する呼気バルブ54、72、124を含む。これらの各実施形態では、バルブ(又は他の移動部材)が、常開構成であるか、それとも常閉構成であるかに関わらずやはり導電性材料又は領域を有するシール面181、76に接する領域180(バルブ54の外周)、182(バルブ72の周囲)、184(フラップ124の自由端)に導電性を有する。接触が維持されている間、スイッチは(どのようなフィードバックが望ましいかに応じて)オン又はオフであり、流れがバルブ(又はその他の移動部材)を克服できた時に状態を変化させる。或いは、MDIキャニスタを受け入れるチャンバに近接センサ又はスイッチを組み込んで、キャニスタが十分に装置に挿入されている旨の表示を行うこともできる。図50に示すように、流量インジケータ22が第2の位置に動いてセンサ190が回路に入力を提供した時に信号192を送信する光センサ190を設けることができる。図31図32及び図46図48Cを参照すると、チャンバ上の多目的吸気/呼気バルブ122、124のいずれかは、吸気中及び/又呼気中にスイッチを閉じる導電性材料又は領域152、184を含むように構成することができる。チャンバは、人工呼吸器、手動蘇生バッグ又は標準的なエアロゾル蘇生マスクと組み合わせて利用することができる。
【0066】
或いは、図28図29及び図33図35に示すように、ネブライザ上のダイヤルの底部104及びダイアフラムの内周106を、例えば吸入中にアクチュエータが軸方向下向きに移動した時などの接触時にスイッチを完成させる導電性材料又は領域を含むように構成することもできる。或いは、図44図45Cに示すように、アクチュエータの底面が、アクチュエータが軸方向に移動した時にマズルカバー100上の導電性材料又は領域と接触することによって上述したようなスイッチを開閉させる導電性材料又は領域を有する。
【0067】
図49に示す他の実施形態では、マノメータ上のピストン200を、圧力に対する可変出力が電子インジケータに入力を提供する磁気又は導電性材料又は領域を含むように構成することができる。図7のブロック図/フロー図に、システムが実行する様々なステップを示す。機械的フィードバックにも関連し得るセンサ又はスイッチ入力部は、マイクロコントローラユニット261に情報を中継する。本明細書に開示したように、図3図12A及び図12B図13図20及び図22にも示すマイクロコントローラ261は、電子フィードバック出力を制御し、電子インジケータ(例えば、LED)220に信号を送信して出力を提供することができる。光導体は、LEDからの光を拡散することができる。バッテリ521は、回路に電力を供給する。
【0068】
ユーザは、食洗機の熱に耐えるように構成することもできる電子部品に特別な注意を払わずにシステム全体を洗浄することができる。或いは、洗浄前又は熱に曝す前に電子部品を取り外すこともできる。1つの実施形態では、バッテリの化学的性質が、最大125℃の温度で動作するように特別に設計され、年間劣化率が0.5%もの低さであって比較的平坦な放電電圧曲線を有するリチウムコイン電池、具体的にはポリカーボンモノフルオリドリチウムである。装置は、封入材料に十分な断熱性を組み込むことによって全体が高圧蒸気殺菌プロセスに耐えることができる。
【0069】
図36図37に示す別の実施形態では、線形誘導を利用して回路の電力を生成し、これによってバッテリを不要にすることができる。線形発電機は、チャンバ602の振動時に長手方向軸51に沿って(又は軸と平行に)、又は軸51に巻き回された銅コイル212によって定められる中心空間内の方向に沿って前後に往復運動する1又は2以上のネオジム磁石210で構成される。この振動は、MDI13、15の作動前に必要であり、薬物送達プロセスにおけるさらなるステップを示唆するものではない。この振動は、コイル212内に電流を誘発し、この電流は、電子インジケータ220に接続された回路に給電を行うようにスーパーキャパシタ214に蓄積される。
【0070】
装置を初めてパッケージから取り出すと、装置の内部タイマが作動する。例えば、光センサ(又は他のセンサ)が内部クロックを作動させて、経過時間を追跡し始める。或いは、初回使用時にタイマを作動させることもできる。装置は、タイマによって定められる装置の所定の推奨寿命期間にわたって本明細書で説明したように機能し、寿命がくると電子インジケータが停止し、或いはそれまでに見られていた従来の吸入及び/又は治療の完了を示す信号とは異なる警告信号を生成する。この警告信号(例えば、赤色LED)は、チャンバの廃棄時期が来たことをユーザに示す。それにも関わらず、機械的流量インジケータは、装置の安全な使用を損なわないように、例えば1年などの所定の推奨寿命の経過後にも機能し続ける。
【0071】
例えば、マウスピース又はマスクアダプタ、保持チャンバ及び保持器を含むユーザインターフェイスは、透明な静電気防止材料(ABS)で形成することができる。MDI13、15と連動する背面部品230は、超軟質熱可塑性エラストマで形成することができる。吸気バルブは、シリコーン製とすることができる。導電性シリコーン、金属箔又は導電性コーティング/インクで形成された導電性領域を含む機械的流量インジケータは、磁性又は導電性を有するシリコーン製とすることができる。導電性材料は、酸化銀、カーボンブラック、アルミニウム、又は他の既知の導電性材料とすることができる。マイクロコントローラ261などの電子部品は、シリコーン、エポキシ、ウレタン、ホットメルト又はその他の高温に強い材料でポッティング、コンフォーマルコーティング、密封又は封入することができる。
【0072】
1つの実施形態では、電子インジケータ220が、電子フィードバックを提供する視覚的インジケータ(例えば、LED又はLCDディスプレイ装置)である。例えば、ブザーなどの可聴信号又は可聴フィードバック、治療の完了パーセントを示す一連のLED又は他のビジュアルキュー(例えば、LED棒グラフ)、治療の完了パーセントを示す分割数字ディスプレイ、流量又は残り容量の進行又は数字表現、或いはBluetooth low energy(BLE)を介して、吸入からのデータを示す、又はフローデータをゲームに組み込むスマートフォンアプリケーションとの接続及び通信の可能性を示すLED又はOLED画面などの他の電子インジケータを使用することもできる。
【0073】
動作時には、図67に示すように、MDI又は他の薬物送達装置が作動すると、例えば吸気バルブが閉じている時に薬剤がチャンバを満たす。吸入が行われていないので、機械的流量インジケータは、独立して構成されているか、それとも吸気バルブ又はアクチュエータによって定められているかに関わらず中立位置にある。従って、フィードバックが提供されていないので、LEDなどの電子インジケータはオフである。ユーザが吸入を開始すると、吸気バルブが開いて陰圧が生じ、機械的流量インジケータが、所定の十分な吸入流において流量インジケータが台座との間にシールを形成するまで第1の位置から第2の位置に前進する。流量インジケータが台座との間にシールを形成し又は十分に台座に近接すると回路が閉じて、例えば正しい吸入を示すフィードバックを提供するLEDによって電子フィードバックが作動する。例えば、緑色LEDは、肯定的なフィードバックを提供する。LEDは、シールが維持されている間にわたって点灯し続け、例えば吸入の終了時又は間違った吸入時にシールが途切れると消灯する。回路及び電子インジケータは、流量インジケータが所定回数動いた時、又はこのような動きの累積時間に達した時に作動するように構成することもできる。これとは別に、或いは個々の正しい吸入を示すだけでなく、LEDは、治療の完了時にもしばらくの間点灯し続けて、例えば複数の呼吸周期を必要とする治療をユーザが無事に完遂したことを中継することもできる。
【0074】
流量インジケータとして構成された呼気バルブ又はネブライザアクチュエータでも同じプロセスが行われるが、呼気バルブ又はアクチュエータが開くと、電子インジケータを介してフィードバックを提供するように回路が開閉する。
【0075】
例えば内部タイマ又はクロックによって追跡されるチャンバ又は他の構成部品の所定の寿命(例えば、1年)の終了時には、LEDが停止し、又は装置を交換すべき旨を示す警告信号を提供する(例えば、赤色で点灯する)。前者の実施形態では、吸入中に肯定的なLEDフィードバックが存在しないことによってユーザが装置を交換すべきであると気づく。
【0076】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形状及び細部に変更を加えることができると認識するであろう。従って、上記の詳細な説明は限定ではなく例示と見なすべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその全ての同等物によって定められる。
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