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特許7508535ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ
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  • 特許-ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/00 20060101AFI20240624BHJP
   G02C 7/04 20060101ALI20240624BHJP
   C08F 20/02 20060101ALI20240624BHJP
   A61L 27/16 20060101ALI20240624BHJP
   A61L 27/50 20060101ALI20240624BHJP
   A61L 27/40 20060101ALI20240624BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
G02C7/00
G02C7/04
C08F20/02
A61L27/16
A61L27/50
A61L27/40
G02C7/10
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204415
(22)【出願日】2022-12-21
(65)【公開番号】P2023095821
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】110148798
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517113716
【氏名又は名称】永勝光学股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳冠宏
(72)【発明者】
【氏名】曹郁涵
(72)【発明者】
【氏名】李年加
【審査官】植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-522551(JP,A)
【文献】特表2014-506814(JP,A)
【文献】特表2018-533082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00-13/00
A61L27/16
A61L27/40
A61L27/50
C08F20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、それはブルーライトの波長範囲380~460nmにおける10から60%の間のブルーライトカット率及び2より小さいか又は等しいdb*値を有し、前記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で前記db*=(b*)-(b*)、前記(b*)は前記眼用レンズのb*値、かつ前記(b*)は対照群のレンズのb*値であり、
前記対照群のレンズは、ブルーライトフィルタリング化合物を添加していない前記基材を含むレンズであり、
前記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有するブルーライトフィルタリング化合物であって、
【化1】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項2】
0.04から2.00mmの厚みを持つ、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項3】
前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10%である、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項4】
0.04~1.5mmの厚みを持つ、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項5】
その中で前記基材は、ソフトコンタクトレンズ基材、ハードコンタクトレンズ基材、埋め込み式眼用レンズ基材又は人工水晶体基材である、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項6】
その中で前記基材は、親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含む、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項7】
その中で前記基材の重量百分率が90.0から99.6%である、請求項6に記載の眼用レンズ。
【請求項8】
前記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(HEMA)、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸(AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(DEAEMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項6に記載の眼用レンズ。
【請求項9】
前記重合開始剤には熱重合開始剤又は光重合開始剤を含む、請求項6に記載の眼用レンズ。
【請求項10】
前記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項9に記載の眼用レンズ。
【請求項11】
前記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項9に記載の眼用レンズ。
【請求項12】
前記架橋剤は、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(TMPTMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項6に記載の眼用レンズ。
【請求項13】
前記基材は非親水性物質を含み、前記非親水性物質にはメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項6に記載の眼用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ、特に黄色に偏らない、又は無色透明の、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、電子製品と人との関係もますます密接になってきており、日常生活において既に極めて重要な位置を占めている。しかし、大部分の電子製品のディスプレイ部品、例えば液晶ディスプレイのスクリーン、携帯電話・スマートフォンのディスプレイ等は、可視光の波長域においてより豊かな演色性を持つことが必要で、これは製品が消費者により受け入れられやすくするためであるが、これにより上記製品のほとんどは大量のブルーライトを発する。
【0003】
青色光又はブルーライトは、一般的に波長380nmから460nmの間の光を指し、可視光の中で比較的高いエネルギーを有する。電子製品を使用する時、ブルーライトは人の眼を透過して網膜に直接到達でき、またブルーライトの網膜への長時間照射は、色素上皮細胞の細胞死をもたらし、ひいては視力の損傷を引き起こす。このため、ユーザーがこれらの電子製品を使用し、眼部にブルーライトの照射を長時間受けると、眼部に不可逆的な損傷をもたらす。
【0004】
青色光の照射による人の眼に対する損傷を低減又は回避するため、市場では、例えば、ブルーライト保護メガネ、ブルーライトフィルター保護フィルム等、ブルーライトをフィルタリングする多くのレンズ又は製品が発売されている。従来のブルーライトをフィルタリングするレンズの大部分は、レンズの基材中にブルーライトフィルタリングの特性を持つ物質を添加して製造することにより、青色光が使用者の眼部まで直接照射するのを阻止している。しかし、よく見られるブルーライトフィルタリング物質は、これにより可視光中の青色光をフィルタリングして取り除くのと同時に、レンズが黄色に偏った外観を呈することとなり、製品の画質が良くないことから、消費者の購買意欲を低下させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、黄色に偏らない、又は無色透明の、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)-(b*)、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値及び10から60%の間のブルーライトカット率を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)-(b*)、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0008】
上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。
【0009】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%、1から10%、又は5から10%である。
【0010】
本発明に基づいて、例えば上記の眼用レンズは、0.04から2.00mmの厚み、又は0.04から1.80mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことができる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、その中で上記眼用レンズの厚みは0.04~1.5mmの間であり、上記眼用レンズのブルーライトカット率は10から60%の間であり、かつ上記眼用レンズは基材及び構造式(A)を持つブルーライトフィルタリング化合物を含む。
【0012】
【化1】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0013】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、その中で上記db*=(b*)-(b*)であり、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは10から60%の間のブルーライトカット率を有し、かつその中で上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物である。
【0016】
【化2】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0017】
本発明のブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを製造する時、重量百分率90.0から90.6%の基材を採用可能である。
【0018】
本発明に基づいて、上記基材は親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含むことができる。
【0019】
上記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate,HEMA)、メタクリル酸(2-methylpropenoic acid,MAA)、アクリル酸(acrylic acid, AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(N-Vinyl-2-pyrrolidone, NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide,DMAA)、メタクリル酸グリシジル(Glycidyl methacrylate,GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(2-(Dimethylamino)ethyl methacrylate,DEAEMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0020】
上記重合開始剤には、熱重合開始剤又は光重合開始剤を含むが、これらに限定されない。
【0021】
上記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0022】
上記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0023】
上記架橋剤には、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(Trimethylolpropane trimethacrylate,TMPTMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0024】
このほか、上記基材は、非親水性物質を含んでいてもよい。上記非親水性物質には、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(Methyl di(trimethylsiloxy) silylpropylglyceryl methacrylate,SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-(Methacryloyloxy)-propyltris(trimethylsiloxy)-silane,TRIS)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane,PDMS)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0025】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0026】
【化3】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0027】
本発明の眼用レンズは、好ましくはコンタクトレンズ、例えばソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、埋め込み式眼用レンズ又は人工水晶体である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】レンズ12~16の各波長における透過率(T%)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
別途明示している場合を除いて、本文において使用するすべての技術的及び科学的専門用語は、当業者が一般的に了解しているのと同じ意味を有する。
【0030】
本文で使用する「一」という単語は、特別に明示していない場合は、少なくとも1つ(1つ又は1つ以上)の数量を指す。
【0031】
一方では、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)-(b*)、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0032】
また一方では、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値及び10から60%の間のブルーライトカット率を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)-(b*)であり、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0033】
例えば、上記対照群のレンズは、ブルーライトフィルタリング化合物を添加していないレンズである。
【0034】
上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。CIELAB色空間に関する定義については、例えば、US 5,751,845又はUS 2019/0151161を参照することができる。
【0035】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0036】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は、0.4から10%、1から10%、1.5から10%、2から10%、2.5から10%、3から10%、3.5から10%、4から10%、4.5から10%、又は5から10%とすることができる。
【0037】
本発明に基づいて、上記眼用レンズは、0.04から2mmの厚み、0.04から1.95mmの厚み、0.04から1.90mmの厚み、0.04から1.85mmの厚み、0.04から1.80mmの厚み、0.04から1.75mmの厚み、0.04から1.70mmの厚み、0.04から1.65mmの厚み、0.04から1.60mmの厚み、0.04から1.55mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことができる。
【0038】
上記眼用レンズは、10から60%のブルーライトカット率、20から60%のブルーライトカット率、30から60%のブルーライトカット率、40から60%のブルーライトカット率、又は50から60%のブルーライトカット率を有することが可能である。
【0039】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、その中で上記眼用レンズの厚みは0.04~1.5mmの間であり、上記眼用レンズのブルーライトカット率は10から60%の間であり、かつ上記眼用レンズは基材及び構造式(A)を持つブルーライトフィルタリング化合物を含む。
【0040】
【化4】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0041】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0042】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、その中で上記db*= (b*)-(b*)であり、上記(b*)は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)は対照群のレンズのb*値である。
【0043】
例えば、上記対照群のレンズは、ブルーライトフィルタリング化合物を添加していないレンズである。上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。
【0044】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは10から60%の間のブルーライトカット率を有し、かつその中で上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物である。
【0045】
【化5】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0046】
本発明のブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを製造する時、重量百分率90.0から90.6%の基材を採用可能である。
【0047】
本発明に基づいて、上記基材は親水性物質、非親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含むことができる。
【0048】
上記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate,HEMA)、メタクリル酸(2-methylpropenoic acid,MAA)、アクリル酸(acrylic acid, AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(N-Vinyl-2-pyrrolidone, NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide,DMAA)、メタクリル酸グリシジル(Glycidyl methacrylate,GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(2-(Dimethylamino)ethyl methacrylate,DEAEMA)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0049】
上記重合開始剤には、熱重合開始剤又は光重合開始剤を含むが、これらに限定されない。理解しなければならないのは、上記熱重合開始剤は加熱状況下において上記基材と上記ブルーライトフィルタリング化合物との化学反応(重合反応)の発生を引き起こすことができ、また上記光重合開始剤は光照射状況下において上記基材と上記ブルーライトフィルタリング化合物との化学反応(重合反応)の発生を引き起こすことができるということである。
【0050】
上記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0051】
上記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0052】
好ましくは、上記基材は、さらに架橋剤を含むことができる。上記架橋剤には、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(Trimethylolpropane trimethacrylate,TMPTMA)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0053】
このほか、上記基材は、さらに非親水性物質を含むことができる。上記非親水性物質には、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(Methyl di(trimethylsiloxy) silylpropylglyceryl methacrylate,SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-(Methacryloyloxy)-propyltris(trimethylsiloxy)-silane,TRIS)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane,PDMS)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0054】
例えば、上記基材は、親水性物質を含む、非親水性物質を含む、又は同時に親水性物質及び非親水性物質を含む等の3種の形式を有することができる。
【0055】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0056】
【化6】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0057】
本発明の一部分の具体的な実施例に基づいて、2より小さいdb*値を有する眼用レンズは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は1から10%であり、上記基材の重量百分率は90から99%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得る。
【0058】
製造した眼用レンズは、0.04から2mmの厚み、0.04から1.95mmの厚み、0.04から1.90mmの厚み、0.04から1.85mmの厚み、0.04から1.80mmの厚み、0.04から1.75mmの厚み、0.04から1.70mmの厚み、0.04から1.65mmの厚み、0.04から1.60mmの厚み、0.04から1.55mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことが可能である。
【0059】
そのほか、製造した眼用レンズは、10から60%のブルーライトカット率、20から60%のブルーライトカット率、30から60%のブルーライトカット率、40から60%のブルーライトカット率、又は50から60%のブルーライトカット率を有することが可能である。
【0060】
本発明に基づいて、眼用レンズの製造に用いるブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0061】
【化7】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH 、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0062】
本発明中で使用するブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A1)を有することができる。
【0063】
【化8】
【0064】
本発明中で使用するブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A2)を有することができる。
【0065】
【化9】
それは不飽和ビニル基を含む。
【0066】
本発明の眼用レンズは、好ましくはコンタクトレンズ、例えばソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、埋め込み式眼用レンズ又は人工水晶体である。
【0067】
以下の実施例は本発明の実施方法のさらなる説明に用いるものであり、当該実施例は例示的で非制限的なものである。
【実施例1】
【0068】
異なる原料及び原料配合率による眼用レンズの製造
【0069】
下の表1に示した原料及びその重量配合率に基づいて、レンズ1~11を製造する。
【0070】
表1.原料重量配合率表
【0071】
【表1】
【0072】
その中で、HEMAはメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate)、EGDMAはエチレングリコールジメタクリラート、AIBNは2,2’-アゾジイソブチロニトリルである。
【0073】
レンズ2を例にとると、重量百分率が0.40%で構造式(A)を有する化合物、重量百分率が99.20%のHEMA、重量百分率が0.20%のEGDMA及び重量百分率が0.20%のAIBNを準備し、準備した各種原料を濾過、混合して均一にし、成形金型中に入れる。それから、加熱又は光照射を行うことで、成形金型中の原料に共重合反応を起こさせる。反応完了後、上記成形金型中からレンズを剥がし出して、後続の分析に用いる。
【実施例2】
【0074】
ブルーライトフィルタリング能力分析
【0075】
紫外可視分光光度計(例えば、型番がAgilent Cary 60の分光光度計)を使用して、実施例1中で製造したレンズ1~11の波長範囲380~460nmにおけるブルーライト平均カット率(%)をそれぞれ測定し、さらにそれぞれのブルーライトカット率(%)を算出するとともに、上記ブルーライトカット率をレンズのブルーライトフィルタリング能力を評価するパラメータとする。
【0076】
まず、検査対象のレンズを標準食塩水に浸し、少なくとも30分間平衡化する。光路長1cmの石英比色管を注意深く取り出し、純水で3回洗浄し、さらに標準食塩水で3回洗浄する。石英管の外部をレンズペーパーできれいに拭き、管壁に汚れ又は指紋がないか検査し、もしあればきれいになるまで洗浄の手順を繰り返すか、又は石英比色管を取り替える。レンズを注意深く比色管に入れ、必要に応じてカットし適切な正方形サイズにする。分光光度計とソフトウェアを作動させる。レンズ透過率検査の波長は、ブルーライトの波長範囲380~460nmである。測定範囲380~460nm、スペクトルスキャンバンド幅1nmに設定する。比色管内に標準食塩水を8分目まで入れ、設定完了した分光光度計上でブランク補正(blank)を行う。比色管を取り出し、注意深くレンズを入れ、レンズの中心が光度計の光源通過位置にあるか確認する。レンズの380~460nmにおける透過率(T%)を測定し、測定結果を保存する。また以下の公式1と公式2によって計算し、対応するブルーライトフィルタリング能力数値を得る。
【0077】
レンズ1~11の計測及び計算によって得られた数値を下の表2に記録する。
【0078】
表2.ブルーライトフィルタリング能力数値
【0079】
【表2】
【0080】
表2に示すように、レンズ1はいかなるブルーライトフィルタリング材料も添加しない状況下において、本体は依然としてわずかなブルーライトカット率(約0.4%)を有する。
【0081】
比較対象化合物の黄色染料をブルーライトフィルタリング材料として添加した状況において、少量(約0.1%)の添加でレンズが黄色い外観を呈してしまい、本発明の目的を満たすことができないため、レンズ7~11では黄色染料の比率を低減し(表1を参照)、依然として必要なブルーライトフィルタリング効果を有するか否かを測定した。その結果、0.01から0.1%の黄色染料を使用した時には6から22%のブルーライトカット率を達成可能であることを示している。
【0082】
一般的には、レンズのブルーライトカット率は少なくとも10%を超えることが必要で、そうして初めてブルーライトをフィルタリングする効果を有すると認定される。
【0083】
黄色染料を使用したレンズの中で、レンズ7及び8のブルーライトカット率は10%より低く、レンズ9~11のブルーライトカット率は10%より高い。また構造式(A)を有する化合物を使用したレンズ2~6のブルーライトカット率は約10から約60%である。
【実施例3】
【0084】
透明度分析
【0085】
まず色差計(例えば、型番がMSEZ-4000Sの色差計)の標準校正を行い、校正完了後、レンズを対照群のレンズ(実施例1中で製造したレンズ1)に正確に合わせ、測定キーを押下すると、色差計が上記対照群のレンズの色の絶対値:L*、a*、b*を表示する。
【0086】
次に、計測用レンズを試験群のレンズ(実施例1中で製造したレンズ2~11のうちの1つ)に正確に合わせ、上記測定を繰り返し、この時、色差計は上記試験群のレンズの色の絶対値:L*、a*、b*を表示する。
【0087】
色差値のデータの正負に基づいて、試験群のレンズと対照群のレンズとでどのような色差があるかを得ることができる。L*は白黒を表し、L*が正の値である場合、試験群のレンズは対照群のレンズと比較して白に偏っていることを示し、負の値である場合、黒に偏っていることを示す。a*は赤と緑を表し、a*が正の値である場合、試験群のレンズは対照群のレンズと比較して赤に偏っていることを示し、負の値である場合、緑に偏っていることを示す。b*は黄と青を表し、b*が正の値である場合、試験群のレンズは対照群のレンズと比較して黄に偏っていることを示し、負の値である場合、青に偏っていることを示す。
【0088】
本発明において、レンズの外観が黄色に偏るか否かは、下記の公式3によって算出されるdb*値で判断できることがわかる。
(db*)試験群のレンズ =(b*)試験群のレンズ -(b*)対照群のレンズ (3)
【0089】
レンズ1~11の計測及び計算によって得られた数値、並びにその数値とレンズの外観の色及びブルーライトカット率との比較は、下の表3に示す通りである。
【0090】
表3.色差数値/外観の色/ブルーライトカット率比較
【0091】
【表3】
【0092】
レンズ1は、いずれのブルーライトフィルタリング材料も添加しておらず、その外観は目視での観察で無色透明を呈し、かつその黄緑色のデータを表すb*値は0.00である。レンズ1は対照群のレンズとして用いられる。
【0093】
レンズ7~11は、黄色染料を使用して製造したレンズである。その中で、レンズ7~8は無色透明の外観を呈しているが、そのブルーライトカット率は10%より低く(表2を参照)、必要なブルーライトフィルタリング能力を有していない。またレンズ9~11のブルーライトカット率は10%より高い(表2を参照)が、表3に示すように、その外観は目視での観察で黄色に偏った状況が見られる。
【0094】
レンズ2~6は、構造式(A)を有する化合物を使用して製造したレンズであり、その外観はすべて目視での観察で無色透明を呈しており、またそのdb*値は0.03から0.87の間である。このほか、db*値が2.01に達したレンズ8は依然として無色透明の外観を呈しており、db*値が2より小さいレンズは黄色に偏らない、又は無色透明の外観を呈することが推測できる。
【実施例4】
【0095】
その他の実施例
【0096】
下の表4は、本発明のその他の実施例のレンズ12~16の関連パラメータを提供している。
【0097】
表4.レンズ12~16の関連パラメータ
【0098】
【表4】
【0099】
そのほか、図1はレンズ12~16の各波長における透過率(T%)を示している。
【0100】
上記内容は、単に本発明のより好ましい具体的な実施例を示したに過ぎず、決して本発明の実施の範囲を制限するために用いるものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲に記載された形状、構造、特徴及び精神に基づいて行われた均等な変化又は修飾は、すべて本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
図1