(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】表示モジュール及び移動端末
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240624BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240624BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240624BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240624BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20240624BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/30 308A
H10K77/10
H10K59/12
H10K59/95
(21)【出願番号】P 2022526803
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2021139068
(87)【国際公開番号】W WO2023103033
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】202111495963.X
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】游 魁▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲藺▼ ▲飛▼明
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲暁▼▲ウェン▼
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112863347(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108281576(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112289185(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113764356(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110060574(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H01L 21/54
H01L 23/00-23/04
H01L 23/06-23/10
H01L 23/16-23/26
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュールであって、
前記表示モジュールは、対向して設置された表示セクションと、圧着セクションと、前記表示セクションと前記圧着セクションとを屈曲して接続する屈曲セクションとを含み、前記表示モジュールは、表示平面領域と、ボンディング屈曲領域とを含み、前記表示平面領域は、圧着重畳領域を含み、前記圧着セクションの前記表示セクション上での正投影は、前記圧着重畳領域をカバーし、
前記表示セクションの前記表示モジュールは、
表示機能層と、バッファ層とを含み、
前記バッファ層は、少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、前記バッファ層は、前記表示機能層の出光面から離れる一側に設置され、前記バッファ層は、金属層を含み、
前記バッファ層の前記表示機能層から離反する一側に保護層が設置され、前記保護層は、少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、且つ前記保護層の材料の硬度が前記金属層の材料の硬度よりも大き
く、
前記保護層は、本体部と、前記本体部を取り囲む周辺部とを含み、前記周辺部において前記保護層のエッジに近いほど、前記保護層の厚さは薄くなる、
表示モジュール。
【請求項2】
前記保護層の前記表示セクション上での正投影は、前記表示モジュールの前記表示平面領域内に位置し、前記保護層は、圧着部と、支持部とを含み、前記圧着部の前記表示セクション上での正投影は、前記圧着重畳領域をカバーする、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記保護層において、前記圧着部の厚さは、前記支持部の厚さよりも大きい、
請求項2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含み、前記平面有効表示部は、前記表示平面領域内に位置し、前記湾曲有効表示部は、前記表示湾曲領域に位置し、前記保護層と前記表示湾曲領域との間の距離が0.1mmよりも大きい、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記保護層の材料の硬度は>150HVである、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含み、
前記保護層は、平面部と、湾曲部とを含み、前記平面部は、前記平面有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部は、前記湾曲有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部の湾曲弾性率は、前記平面部の湾曲弾性率よりも大きい、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記湾曲部の厚さは、前記平面部の厚さよりも小さく、且つ前記保護層のうち、前記表示機能層に近い一側面は、前記表示機能層に密着する、
請求項
6に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記湾曲部に複数の止まり穴が設置され、前記止まり穴の開口部は、前記保護層のうち、前記バッファ層から離反する一側面に位置する、
請求項
6に記載の表示モジュール。
【請求項9】
前記金属層の材料は銅であり、前記保護層の材料はステンレス鋼である、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項10】
移動端末であって、
前記移動端末は、表示モジュールと、端末本体とを含み、前記端末本体と前記表示モジュールとが一体に組み合わせられ、
前記表示モジュールは、
請求項1ないし9のうちのいずれか1項に記載の表示モジュールである、
移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示の分野に関し、特に表示モジュール及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、よりよい表示効果を達成し、画面の透過率を向上させ、消費電力を低減させるために、有機発光半導体(Organic Light-Emitting Diode、OLED)パネルにおいて偏光片を除去する一種の技術が開発されている。
【0003】
このような偏光片を除去する技術は、COE(Color On Thin-Film Encapsulation)技術と呼ばれ、その原理はOLED薄膜封止(Thin-Film Encapsulation、TFE)層上に一層のカラーフィルター層を追加することである。しかしながら、COE技術はよりよい表示効果をもたらすとともに、偏光片のつや消し作用がないため、表示パネルの表面の外観上の欠陥はより見つけやすくなり、特に屈曲してボンディングした後、スーパークリーンフォーム(Super Clean Foam、SCF)構造材料における金属材料は比較的柔らかいため、圧着後に変形しやすく、変形により生じた痕跡は表示装置の画面オフ状態下で表示され得る。その結果、表示モジュールに対するユーザーの体験が悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、表示モジュール及び移動端末を提供することで、COE技術では表示パネルの表面の外観の平坦性が低く、ユーザーの使用体験が悪いという技術的問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本願により提供された技術的手段は以下のとおりである。
【0006】
本願の実施例は、表示モジュールを提供し、前記表示モジュールは、対向して設置された表示セクションと、圧着セクションと、前記表示セクションと前記圧着セクションとを屈曲して接続する屈曲セクションとを含み、前記表示モジュールは、表示平面領域と、ボンディング屈曲領域とを含み、前記表示平面領域は、圧着重畳領域を含み、前記圧着セクションの前記表示セクション上での正投影は、前記圧着重畳領域をカバーし、
前記表示セクションの前記表示モジュールは、
表示機能層と、バッファ層とを含み、
前記バッファ層は、少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、前記バッファ層は、前記表示機能層の出光面から離れる一側に設置され、前記バッファ層は、金属層を含み、
ここで、前記バッファ層の前記表示機能層から離反する一側に保護層が設置され、前記保護層は、少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、且つ前記保護層の材料の硬度が前記金属層の材料の硬度よりも大きい。
【0007】
一実施例では、前記保護層の前記表示セクション上での正投影は、前記表示モジュールの前記表示平面領域内に位置し、前記保護層は、圧着部と、支持部とを含み、前記圧着部の前記表示セクション上での正投影は、前記圧着重畳領域をカバーする。
【0008】
一実施例では、前記保護層において、前記圧着部の厚さは前記支持部の厚さよりも大きい。
【0009】
一実施例では、前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含み、前記平面有効表示部は、前記表示平面領域内に位置し、前記湾曲有効表示部は、前記表示湾曲領域に位置し、前記保護層と前記表示湾曲領域との間の距離が0.1mmよりも大きい。
【0010】
一実施例では、前記保護層は、本体部と、前記本体部を取り囲む周辺部とを含み、前記周辺部において前記保護層のエッジに近いほど、前記保護層の厚さは薄くなる。
【0011】
一実施例では、前記保護層の材料の硬度は>150HVである。
【0012】
一実施例では、前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含み、
前記保護層は、平面部と、湾曲部とを含み、前記平面部は、前記平面有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部は、前記湾曲有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部の湾曲弾性率は、前記平面部の湾曲弾性率よりも大きい。
【0013】
一実施例では、前記湾曲部の厚さは前記平面部の厚さよりも小さく、且つ前記保護層のうち、前記表示機能層に近い一側面は前記表示機能層に密着する。
【0014】
一実施例では、前記湾曲部に複数の止まり穴が設置され、前記止まり穴の開口部は前記保護層の前記バッファ層から離反する一側面に位置する。
【0015】
一実施例では、前記金属層の材料は銅であり、前記保護層の材料はステンレス鋼である。
【0016】
本願は移動端末をさらに提供し、前記移動端末は、表示モジュールと、端末本体とを含み、前記端末本体と前記表示モジュールとが一体に組み合わせられ、
前記表示モジュールは、
対向して設置された表示セクションと、圧着セクションと、前記表示セクションと前記圧着セクションとを屈曲して接続する屈曲セクションとを含み、前記表示モジュールは、表示平面領域と、ボンディング屈曲領域とを含み、前記表示平面領域は、圧着重畳領域を含み、前記圧着セクションの前記表示セクション上での正投影は前記圧着重畳領域をカバーし、
前記表示セクションの前記表示モジュールは、
表示機能層と、バッファ層とを含み、
前記バッファ層は少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、前記バッファ層は、前記表示機能層の出光面から離れる一側に設置され、前記バッファ層は、金属層を含み、
ここで、前記バッファ層の前記表示機能層から離反する一側に保護層が設置され、前記保護層は、少なくとも前記圧着重畳領域をカバーし、且つ前記保護層の材料の硬度が前記金属層の材料の硬度よりも大きい。
【0017】
一実施例では、前記保護層の前記表示セクション上での正投影は、前記表示モジュールの前記表示平面領域内に位置し、前記保護層は、圧着部と、支持部とを含み、前記圧着部の前記表示セクション上での正投影は、前記圧着重畳領域をカバーする。
【0018】
一実施例では、前記保護層において、前記圧着部の厚さは前記支持部の厚さよりも大きい。
【0019】
一実施例では、前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは表示湾曲領域をさらに含み、前記平面有効表示部は、前記表示平面領域内に位置し、前記湾曲有効表示部は、前記表示湾曲領域に位置し、前記保護層と前記表示湾曲領域との間の距離が0.1mmよりも大きい。
【0020】
一実施例では、前記保護層は、本体部と、前記本体部を取り囲む周辺部とを含み、前記周辺部において前記保護層のエッジに近いほど、前記保護層の厚さは薄くなる。
【0021】
一実施例では、前記保護層の材料の硬度は>150HVである。
【0022】
一実施例では、前記表示セクションは、平面有効表示部と、湾曲有効表示部とを含み、前記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含み、
前記保護層は、平面部と、湾曲部とを含み、前記平面部は、前記平面有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部は、前記湾曲有効表示部に対応して設置され、前記湾曲部の湾曲弾性率は前記平面部の湾曲弾性率よりも大きい。
【0023】
一実施例では、前記湾曲部の厚さは前記平面部の厚さよりも小さく、且つ前記保護層のうち、前記表示機能層に近い一側面は前記表示機能層に密着する。
【0024】
一実施例では、前記湾曲部に複数の止まり穴が設置され、前記止まり穴の開口部は、前記保護層の前記バッファ層から離反する一側面に位置する。
【0025】
一実施例では、前記金属層の材料は銅であり、前記保護層の材料はステンレス鋼である。
【発明の効果】
【0026】
[有益な効果]
本願は、バッファ層の表示機能層から離反する一側面に保護層を設置し、且つ保護層の硬度がバッファ層における金属層の硬度よりも大きく、保護層が少なくとも表示モジュールの圧着重畳領域をカバーすることにより、圧着を行うとき、バッファ層内の金属層の硬度が低いため、COE技術を採用するとき、表示モジュールにおけるバッファ層の圧着の痕跡が明らかであるという問題を効果的に回避することができる。それにより、表示モジュールの美しさを改善し、COE技術を採用する表示モジュールのユーザー体験を効果的に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本願の実施例に係る表示モジュールの表示セクションの構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る表示モジュールの屈曲ボンディングの構造模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る表示モジュールの下面図である。
【
図4】本願の別の一実施例に係る表示モジュールの下面図である。
【
図5】本願の一実施例に係る表示モジュールの一部に保護層が設置された下面図である。
【
図6】本願の実施例に係る曲面表示モジュールの対応する保護層の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る曲面表示モジュールの保護層を設置した構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る別の曲面表示モジュールの保護層を設置した構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る曲面表示モジュールの対応する保護層の構造模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る別の曲面表示モジュールの対応する保護層の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
現在、よりよい表示効果を達成し、画面の透過率を向上させ、消費電力を低減させるために、有機発光半導体(Organic Light-Emitting Diode、OLED)パネル上に偏光片を除去する一種の技術が開発されている。
【0029】
このような偏光片を除去する技術は、COE(Color On Thin-Film Encapsulation)技術と呼ばれ、その原理はOLED薄膜封止(Thin-Film Encapsulation、TFE)層上に一層のカラーフィルター層を追加することである。しかしながら、COE技術はよりよい表示効果をもたらすとともに、偏光片のつや消し作用がないため、表示パネルの表面の外観上の欠陥は見つけやすくなり、特に屈曲してボンディングした後、スーパークリーンフォーム(Super Clean Foam、SCF)構造材料における金属材料は比較的柔らかいため、圧着後に変形しやすく、変形により生じた痕跡は画面オフ状態下で表示され得る。その結果、表示モジュールに対するユーザーの体験が悪くなる。
【0030】
上記技術的問題を解決するために、本願は表示モジュール及び移動端末を提供し、バッファ層20の表示機能層10から離反する一側に保護層30を設置し、保護層30が少なくとも圧着重畳領域Tに設置される。それにより、圧着を行うとき、保護層30はバッファ層20における金属層202を保護でき、金属層202の圧着中の変形を防止することができる。それにより、COE技術では表示モジュールは圧着後に、外観がより美しくなり、得られた表示装置は画面オフ状態になっても圧着の痕跡がなく、表示モジュールのユーザーの体験が改善される。
【0031】
本願は表示モジュールを提供し、具体的に、
図1及び
図2に参照されるように、上記表示モジュールは、対向して設置された表示セクションaと、圧着セクションb2と、上記表示セクションaと上記圧着セクションb2とを屈曲して接続する屈曲セクションb1とを含み、上記表示モジュールは、表示平面領域AAと、ボンディング屈曲領域VAとを含み、上記表示平面領域AAは、圧着重畳領域Tを含み、上記圧着セクションb2の上記表示セクションa上での正投影は、上記圧着重畳領域Tをカバーし、
上記表示セクションaの上記表示モジュールは、
表示機能層10と、バッファ層20とを含み
上記バッファ層20は、少なくとも上記圧着重畳領域Tをカバーし、上記バッファ層20は上記表示機能層10の出光面から離れる一側に設置され、上記バッファ層20は金属層202を含み、
ここで、上記バッファ層20の上記表示機能層10から離反する一側に保護層30が設置され、上記保護層30は、少なくとも上記圧着重畳領域Tをカバーし、且つ上記保護層30の材料の硬度が上記金属層202の材料の硬度よりも大きい。
【0032】
具体的に、
図2に示すように、上記表示モジュールは平面表示モジュールであってもよく、又は2.5D表示モジュールであってもよく、又は3D表示モジュールであってもよい。具体的な生産のニーズに応じて表示モジュールの構造を設定し、さらに上記保護層30のカバー範囲及びカバー形式を対応するように設定することができる。
【0033】
具体的に、上記表示セクションaの表示モジュールは、カバープレート層1と、光学接着層2と、表示機能層10と、第1バックパネルBP1と、グリッド接着層4と、バッファ層20と、保護層30とを含んでもよい。
【0034】
説明する必要がある点として、本実施例はpad bending構造部分の領域を例として説明し、表示モジュールのpad bending構造において、上記表示モジュールのボンディングセクションは、180°屈曲して圧着し、表示機能層10は、有効表示部と、非有効表示部とを含む。ここで、有効表示部は、本実施例の表示モジュールにおける表示セクションaに対応し、上記非有効表示部は、第1非有効表示部と、第2非有効表示部とを含む。上記第1非有効表示部は、本実施例の表示モジュールの屈曲セクションb1に対応し、上記第2非有効表示部は、本実施例の表示モジュールの圧着セクションb2に対応する。
【0035】
具体的に、上記表示セクションaの上記表示モジュールは、具体的に、表示機能層10と、第1バックパネルBP1と、グリッド接着層と、バッファ層20とを含む。ここで、表示機能層10はOLED表示機能層10を含んでもよく、上記表示機能層10のバックライト面に第1バックパネルBP1が貼設され、第1バックパネルBP1の上記表示機能層10から離反する一側にバッファ層20が貼設される。上記バッファ層20の材料は、順に積層して設けられた粘着層と、フォーム層201と、ポリイミド層と、金属層202とを含んでもよい。上記金属層202は、上記バッファ層20の上記表示機能層10から離反する一側に位置する。
【0036】
具体的に、表示モジュールが平面表示モジュールであるときに、バッファ層20の表示モジュール上での投影は、少なくとも上記表示セクションaをカバーし、表示モジュールが四曲面表示モジュールであるときに、上記バッファ層20は上記表示モジュールの表示セクションaと重なる。
【0037】
具体的に、上記金属層202の材料は銅箔又は良好な放熱効果を有する他の金属材料であってもよい。
【0038】
具体的に、
図2に示すように、上記表示機能層10の非有効表示部が屈曲した後、第2非有効表示部のその有効表示部に向ける一側面に第2バックパネルBP2が貼り付けられ、上記第1バックパネルBP1と上記保護層との間は補強板STIFによって圧着して粘着される。
【0039】
具体的に、上記保護層30の材料の硬度は上記金属層202の材料の硬度よりも大きい。たとえば、金属層202の材料が銅箔であるときに、上記保護層30の材料の硬度は150HVよりも大きく、上記保護層30の厚さは20~150umの間にあってもよい。具体的に、20um、30um、50um、70um等であってもよく、具体的に、実際の生産状況に応じて調整することができる。
【0040】
具体的に、
図3に示すように、上記保護層30は、少なくとも表示モジュールの圧着重畳領域Tをカバーし、上記保護層30の上記表示機能層10上での投影は、上記表示平面領域AAの大部分の範囲をカバーしてもよい。
【0041】
理解できるように、バッファ層20の表示機能層10から離反する一側面に保護層30を設置し、且つ保護層30の硬度がバッファ層20における金属層202の硬度よりも大きい。保護層30の上記表示機能層10上での投影は、少なくとも表示モジュールの圧着重畳領域Tをカバーすることにより、圧着を行うとき、バッファ層20内の金属層202の硬度が低いため、COE技術を採用するとき、表示モジュールにおけるバッファ層20の圧着の痕跡が明らかであるという問題を効果的に回避することができる。それにより、表示モジュールの美しさを改善し、COE技術を採用する表示モジュールのユーザーの体験を効果的に向上させる。
【0042】
一実施例では、上記保護層30の上記表示セクションa上での正投影は、上記表示モジュールの上記表示平面領域AA内に位置し、上記保護層30は、圧着部と、支持部とを含む。上記圧着部の上記表示セクションa上での正投影は、上記圧着重畳領域Tをカバーする。
【0043】
具体的に、
図4及び
図5に示すように、上記保護層30の支持部は、上記表示平面領域AAの大部分をカバーしてもよく、又は上記表示平面領域AAの一部をカバーしてもよい。具体的に、実際の生産状況に応じて調整することができる。
【0044】
理解できるように、保護層30の上記表示セクションa上での正投影が上記圧着重畳領域Tよりも大きくなるように設定することにより、生産過程において、他の操作工程がバッファ層20中の金属層202を衝撃することによる金属層202の変形を効果的に低減させる。それにより、表示モジュールの表示効果をさらに改善し、表示モジュールのユーザーの体験を向上させることができる。
【0045】
一実施例では、上記保護層30において、上記圧着部の厚さは上記支持部の厚さよりも大きい。
【0046】
具体的に、上記圧着部の厚さは上記支持部の厚さよりも大きく、上記圧着部の厚さと支持部との間の厚さは均一に遷移する。
【0047】
具体的に、上記保護層30の上記金属層202に向ける一側の側面は平坦な表面を有する。
【0048】
理解できるように、圧着部の受けた衝撃と押し出しの頻度と強度は、支持部の受けた衝撃と押し出しの頻度と強度よりも大きいため、よりよい放熱効果を実現できるために、実際の圧着状況に応じて保護層30の厚さを適切に調整することで、表示モジュールの耐用年数をさらに延長することができ、表示モジュールを使用するときの美しい外観、及び高いユーザーの体験を確実にすることもできる。
【0049】
一実施例では、
図6、
図7及び
図8に示すように、上記表示セクションaは、平面有効表示部a1と、湾曲有効表示部a2とを含み、上記表示モジュールは、表示湾曲領域をさらに含む。上記平面有効表示部a1は上記表示平面領域AA内に位置し、上記湾曲有効表示部a2は上記表示湾曲領域に位置し、上記保護層30と上記表示湾曲領域との間の距離が0.1mmよりも大きい。
【0050】
具体的に、上記表示セクションaは、平面有効表示部a1と、湾曲有効表示部a2とを含み、上記湾曲有効表示部a2の湾曲方向と上記屈曲セクションb1の屈曲方向とは、1つの予め設定された夾角を有し、具体的に、90°であってもよい。
【0051】
理解できるように、表示パネルが2.5D又は3D表示モジュールであるときに、湾曲有効表示部a2の湾曲をよりよく実現するために、保護層30を平面有効表示部a1のみに設置し、且つ上記保護層30と上記表示湾曲領域との間の距離を0.1mmよりも大きくすることにより、保護層30の湾曲有効表示部a2の湾曲性能への影響を回避し、、曲面表示モジュールの構造を実現したうえで、COE技術を採用した表示パネルの表面の外観の平坦性を実現し、曲面表示モジュールを採用した表示装置のユーザー体験をさらに向上させることができる。
【0052】
一実施例では、上記保護層30は、本体部と、上記本体部を取り囲む周辺部とを含み、上記周辺部において上記保護層30のエッジに近いほど、上記保護層30の厚さは薄くなる。
【0053】
具体的に、上記保護層30のエッジが厚さのある鋭利なエッジであるときに、保護層30は一定の硬度を有するため、表示モジュールを圧着してボンディングするときに力が大きすぎ、圧着により生じた圧着力は保護層に沿って拡散する可能性がある。エッジに拡散すると依然として金属層202の僅かな変形を引き起こし、表示モジュールの使用に影響を与え得る。上記問題を解決するために、保護層30上に圧着力伝達遷移領域を形成し、表示モジュールの圧着ボンディングの圧着精度を低減させ、製品の構造をさらに最適化する必要がある。
【0054】
理解できるように、保護層30を本体部及び上記本体部を取り囲む周辺部として設置することで、上記周辺部において上記保護層30のエッジに近いほど、上記保護層30の厚さは薄くなる。それにより、上記保護層30のエッジは有効な力伝達遷移領域を形成し、保護層30の硬度が高すぎ、圧着力が大きすぎることによる、表示モジュールに保護層30の圧着痕跡が出現することを防止する。それにより、表示モジュールの表面の外観をさらに向上させ、ユーザーの体験を向上させ、圧着プロセスの製造精度を低減させ、製品の歩留まりを改善することもできる。
【0055】
一実施例では、上記保護層30の材料の硬度は>150HVである。
【0056】
具体的に、上記保護層30の材料はステンレス鋼であってもよい。
【0057】
一実施例では、上記表示セクションaは、平面有効表示部a1と、湾曲有効表示部a2とを含む。上記表示モジュールは表示湾曲領域をさらに含み、
上記保護層30は、平面部と、湾曲部とを含み、上記平面部は、上記平面有効表示部a1に対応して設置され、上記湾曲部は、上記湾曲有効表示部a2に対応して設置される。上記湾曲部の湾曲弾性率は、上記平面部の湾曲弾性率よりも大きい。
【0058】
具体的に、上記保護層30が一定の硬度を有するため、湾曲有効表示部a2の湾曲に影響を与え得ることとなる。湾曲有効表示部a2も比較的に高い外観平坦性を有することを可能にし、表示装置の画面オフ状態下でも湾曲領域に痕跡が存在しないように、保護層30の表示湾曲領域に位置する部分に対して構造上の改良を行い、それにより、保護層30も比較的に良く湾曲することができる。
【0059】
具体的に、上記湾曲部の湾曲弾性率は、上記平面部の湾曲弾性率よりも大きく、湾曲部を以下の構造として設定することができる。たとえば、保護層30の湾曲部の厚さを薄くすることで、表示湾曲領域の湾曲部が平面部よりも容易にさらに湾曲でき、保護層30の湾曲有効表示部a2の湾曲性能に対する影響を低減させる。又は、保護層30の湾曲部に複数の中空穴又は止まり穴を設置し、保護層30の上記湾曲部の湾曲性能をさらに改善する。
【0060】
理解できるように、保護層30を平面部と湾曲部として設置し、湾曲部に対して構造上の改良を行うことにより、上記湾曲部の湾曲弾性率は、上記平面部の湾曲弾性率よりも大きくなり、保護層30の湾曲部は、上記表示セクションaの湾曲有効表示部a2に密着して湾曲することができる。それにより、表示湾曲領域の表示モジュールの美しさを改善し、COE技術を採用した曲面表示モジュールのユーザーの体験を効果的に向上させ、ユーザーの体験をさらに向上させる。
【0061】
一実施例では、
図9に示すように、上記湾曲部の厚さは、上記平面部の厚さよりも小さく、且つ上記保護層30の上記表示機能層10に近い一側面は、上記表示機能層10に密着する。
【0062】
具体的に、上記湾曲部の厚さは上記平面部の厚さよりも小さく、上記湾曲部と上記平面部との間の厚さの漸進的変化は、階段状であってもよく、又は漸進的変化のようなものであってもよい。
【0063】
具体的に、上記湾曲部と上記平面部との間の厚さの漸進的変化が階段状であるときに、上記保護層30の上記金属層202に近い一側面は平坦な表面を有し、保護層30が湾曲するときの保護層30の鋭利なエッジの対応する位置の金属層202への押し出しを低減させることができる。
【0064】
理解できるように、保護層30を平面部と湾曲部として設置し、上記湾曲部の厚さを上記平面部の上記保護層30の厚さよりも小さく設定することにより、上記湾曲部の湾曲弾性率は、上記平面部の湾曲弾性率よりも大きくなり、保護層30の湾曲部は、上記表示セクションaの湾曲有効表示部a2に密着して湾曲することができる。それにより、表示湾曲領域の表示モジュールの美しさを改善し、COE技術を採用した曲面表示モジュールのユーザーの体験を効果的に向上させ、ユーザーの体験をさらに向上させる。
【0065】
一実施例では、
図10に示すように、上記湾曲部に複数の止まり穴が設置され、上記止まり穴の開口部は、上記保護層30の上記バッファ層20から離反する一側面に位置する。
【0066】
具体的に、上記止まり穴は丸穴であってもよく、又は長尺状止まり穴であってもよい。長尺状止まり穴であるときに、その長辺は上記湾曲部の湾曲方向に平行である。
【0067】
理解できるように、保護層30を平面部と湾曲部として設置し、上記湾曲部に複数の止まり穴が設置され、上記止まり穴の開口部が上記保護層30の上記金属層202から離反する一側面に位置することにより、上記湾曲部の湾曲弾性率は、上記平面部の湾曲弾性率よりも大きくなり、保護層30の湾曲部は、上記表示セクションaの湾曲有効表示部a2に密着して湾曲することができる。それにより、表示湾曲領域の表示モジュールの美しさを改善し、COE技術を採用した曲面表示モジュールのユーザーの体験を効果的に向上させ、ユーザーの体験をさらに向上させる。それと同時に、止まり穴の開口部を上記保護層30の上記バッファ層20から離反する一側面に設置することにより、保護層30が湾曲するときの保護層30における止まり穴の鋭利なエッジの対応する位置の金属層202への押し出しを低減させることができる。
【0068】
また、本願の実施例は、移動端末をさらに提供し、上記いずれかの実施例に記載の表示モジュールと、端末本体とを含む。上記端末本体と上記表示モジュールとが一体に組み合わせられる。
【0069】
上記で本願の実施例により提供された表示モジュール及び移動端末を詳細に記述した。本明細書では、具体的な例を応用して本願の原理及び実施形態を述べたが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその中心思想の理解を助けるためのものに過ぎず、同時に、当業者であれば、本願の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲に対して変更を行い得る。以上のように、本明細書の内容は本願を制限するものではないと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0070】
1 カバープレート層
2 光学接着層
4 グリッド接着層
20 バッファ層
30 保護層
a 表示セクション
b1 屈曲セクション
b2 圧着セクション
AA 表示平面領域
VA ボンディング屈曲領域
T 圧着重畳領域
BP1 第1バックパネル
BP2 第2バックパネル