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特許7508593ATRキナーゼ阻害剤としての2,4,6-トリ置換ピリミジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ATRキナーゼ阻害剤としての2,4,6-トリ置換ピリミジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20240624BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240624BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240624BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240624BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240624BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20240624BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61K31/5377
A61P35/00
A61P35/02
A61K31/506
C07D471/04 104Z
C07D405/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022571223
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 CN2021094871
(87)【国際公開番号】W WO2021233376
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】202010429678.7
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110418026.8
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521532455
【氏名又は名称】北京泰徳製薬股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING TIDE PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8 East Rongjing St., Beijing Economic Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(72)【発明者】
【氏名】趙 焔平
(72)【発明者】
【氏名】劉 彬
(72)【発明者】
【氏名】姜 媛媛
(72)【発明者】
【氏名】仲 偉▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 慧芬
(72)【発明者】
【氏名】王 紅軍
(72)【発明者】
【氏名】冒 莉
(72)【発明者】
【氏名】李 敬涛
(72)【発明者】
【氏名】張 宏雷
(72)【発明者】
【氏名】黄 闖闖
(72)【発明者】
【氏名】李 晶
(72)【発明者】
【氏名】趙 静
(72)【発明者】
【氏名】劉 偉娜
(72)【発明者】
【氏名】田 娜娜
(72)【発明者】
【氏名】周 麗瑩
(72)【発明者】
【氏名】劉 亜男
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/005119(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/154365(WO,A1)
【文献】特表2010-503651(JP,A)
【文献】Park, Byung Sun et al.,Structure-based optimization and biological evaluation of trisubstituted pyrazole as a core structure of potent ROS1 kinase inhibitors,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,(2014), 22(15), 3871-3878
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
[式中:
XはCRまたはNであり;
YはCRまたはNであり;
、R、R、RおよびRは、H、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、またはRとRとが、RとRとが連結して結合手、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはC2-6アルキニレンを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
ここで、RはH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SRまたはC1-6アルキルであって、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
YがCRである場合、RとRとは、それらが結合する原子と一緒になって、C3-5シクロアルキルまたは3ないし5員のヘテロシクリルを形成して、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
環Aはフェニルまたは5ないし6員のヘテロアリールであり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
mは0、1、2、3、4または5であり;
環Bは員のヘテロアリールであり、そして環Bは以下の基から選択され:
【化2】
-B 12 のうちの0、1、2または3個は、化学的に許容される限りできるだけ多く、O、SおよびNより選択されるヘテロ原子であり;B -B 12 は、酸化されて=O基を形成してもよく
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3、4または5であり;
およびR はH、C 1-6 アルキル、C 2-6 アルケニルまたはC 2-6 アルキニルより独立して選択され、その各々はr個のR 基で置換されてもよく、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
rは0、1、2、3、4または5であり;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであって、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成して、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項2】
・RがC1-6アルキルであり、代替となるのが(R)-C1-6アルキルで、さらに代替となるのが(R)-メチルであり、
・および/または、環Aが、次の基:
【化3】
[ここで、AはCRa1またはNであり;AはCRa2またはNであり;AはCRa3またはNであり;AはCRa4またはNであり;AはCRa5またはNであって;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は請求項1におけるRと同意義である]
から選択されるか;
あるいはまた、環Aが、次の基:
【化4】
より選択され、
・および/または、環Bが以下の基:
【化5】
[ここで、B -B12のうちの少なくとも1個は化学的に許容される限りできるだけ多く、O、SおよびNより選択されるヘテロ原子であり;
あるいはまた、B-B12のうちの0、1、2または3個はN原子であり;あるいはまた、B-B12のうちの少なくとも1個はN原子であり;あるいはまた、B-Bのうちの少なくとも1個はN原子であり;あるいはまた、B-Bのうちの少なくとも2個はN原子であり;あるいはまた、BはN原子であるか;
あるいはまた、
はCRb1またはNであり;BはCRb2またはNであり;BはCRb3またはNであり;BはCRb4またはNであり;BはCRb5またはNであり;BはCRb6またはNであり;BはCRb7またはNであり;BはCRb8またはNであり;BはCRb9またはNであり;B10はCRb10またはNであり;B11はCRb11またはNであって;B12はCRb12またはNであり;
b1ないしRb12およびRは、請求項1におけるRと同意義であり;
nは0、1、2、3または4であり;
およびRはH、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はr個のR基で置換されてもよく、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
ここでRはH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
rは0、1、2、3、4または5であり;
あるいはまた、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
より選択されるか;
あるいはまた、環Bが次の基:
【化6】
より選択されるか;
さらにあるいはまた、環Bが
【化7】
より選択され、
・および/または、RがH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく、
・および/または、RがH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよい、
請求項1に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項3】
次の一般的な構造式:
【化8】
[式中、各基は請求項1または2の記載と同意義である]
で示される、請求項1または2に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項4】
一般式(V-1)または(VI-1):
【化9】
[式中:
はCRa1またはNであり;
はCRa2またはNであり;
はCRa3またはNであり;
はCRa4またはNであり;
はCRa5またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
およびRは、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、その各々はr個のR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
rは0、1、2、3、4または5であり;
代替として、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物である、請求項3に記載の化合物あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項5】
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して、H、D、ハロゲン、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、それらが完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、請求項4に記載の一般式(V-1)または(VI-1)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項6】
・ここで
がCRa1であり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5であり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、H、D、ハロゲン、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-CN、-NRR’または-OHより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
nが0、1、2、3または4であり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、その各々はr個のR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
rが0、1、2、3、4または5があり;
あるいはまた、RおよびRが、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、それは完全に重水素化されるまで1または複数のDで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
pが1または2であるか、
・あるいはまた、ここで
a1、Ra4およびRa5が、独立して、HまたはDであり;
a2およびRa3が、独立して、H、D、ハロゲン、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-CN、-NRR’または-OHであり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、その各々はr個のR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’または-NRC(O)NRR’であり;
rが0、1、2、3、4または5であり;
あるいはまた、RおよびRが、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、それは完全に重水素化されるまで1または複数のDで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい、
請求項4に記載の一般式(V-1)または(VI-1)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項7】
・ここで
がCRa1であり;
がCRa2であり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5であり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して、H、D、ハロゲン、-C(O)OH、C(O)NHまたは-OHであり;
がH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
nが0、1、2、3または4であり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく、;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、その各々はr個のR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’または-ORであり;
rが0、1、2、3、4または5であり;
あるいはまた、RおよびRが、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’がH、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく、
・あるいはまた、ここで
a1、Ra4およびRa5がHまたはDであり;
a2およびRa3がH、D、ハロゲン、C(O)NHまたは-OHであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルまたは-CFであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルまたは-CFであり;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成する、
請求項4に記載の一般式(V-1)または(VI-1)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項8】
一般式(V-2):
【化10】
・ここで
はCRa1またはNであり;
はCRa2であり;
はCRa3またはNであり;
はNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2であり;
はCRb3であり;
a1、Ra2、Ra3およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2およびRb3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2であるか、
・あるいはまた、ここで
はCRa1またはNであり;
はCRa2であり;
はCRa3またはNであり;
はNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2であり;
はCRb3であり;
a1、Ra2、Ra3およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2およびRb3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2であるか、
・あるいはまた、ここで
はCRa1またはNであり;
はCRa2であり;
はCRa3またはNであり;
はNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2であり;
はCRb3であり;
a1はH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
a2はH、D、ハロゲン、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
a3はH、D、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-SH、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
a5はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b3はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRより選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
nは0、1、2、3または4であり;
はハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’であり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよいか、
・あるいはまた、ここで
はCRa1またはNであり;
はCRa2であり;
はCRa3またはNであり;
はNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2であり;
はCRb3であり;
a1はHまたはDであり;
a2はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
a3はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SRより選択され;
a5はH、D、ハロゲン、-CNまたはC1-6アルキルより選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
b2はH、D、ハロゲン、-CNまたはC1-6アルキルより選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
b3はHまたはDより選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
はHまたはDであり;
nは0、1、2、3または4であり;
はC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
はC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
はC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’は、HまたはC1-6アルキルより独立して選択される、
請求項3に記載の一般式(V-2)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項9】
一般式(V-2)または(VI-2):
【化11】
[式中:
はCRa1またはNであり;
はCRa2またはNであり;
はCRa3またはNであり;
はCRa4またはNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2またはNであり;
はCRb3またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2、Rb3およびRは、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物である、請求項3に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項10】
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、
請求項9に記載の一般式(V-2)または(VI-2)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項11】
・ここで
がCRa1またはNであり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5またはNであり;
あるいはまた、A、AおよびAのうちの少なくとも1個がNであり;
がCRb2またはNであり;
がCRb3またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’または-OHであり;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
nが0、1、2、3または4であり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく、
・あるいはまた、ここで
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OH、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい、
請求項9に記載の一般式(V-2)または(VI-2)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項12】
・ここで
がCRa1またはNであり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5またはNであり;
あるいはまた、A、AおよびAのうちの少なくとも1個がNであり;
がCRb2またはNであり;
がCRb3またはNであり;
a1およびRa5がHまたはDであり;
a3がH、DまたはOHであり;
a2およびRa4が、H、D、ハロゲン、-NRR’または-OHであり;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OH、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
nが0、1、2、3または4であり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく、
・あるいはまた、ここで
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルまたは-CFであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまたメチルまたは-CFである、
請求項9に記載の一般式(V-2)または(VI-2)で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、もしくは水和物、またはそれらの混合物。
【請求項13】
【化12】
【化13】
【化14】
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、または水和物と、医薬的に許容される賦形剤とを含み、あるいはまた、他の治療剤をさらに含む、医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、または水和物を含む、疾患を治療および/または予防するための医薬組成物であって、
・ここで、該疾患がATRキナーゼによって介在される疾患であるか;または
・あるいはまた、該疾患が、増殖性疾患(がんなど)、特に充実性腫瘍(がん腫および肉腫など)、白血病およびリンパ腫、特に、例えば、乳がん、大腸がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、および気管支肺胞がんを含む)、前立腺がんおよび胆管がん、骨がん、膀胱がん、頭頚部がん、腎臓がん、肝臓がん、胃腸がん、食道がん、卵巣がん、膵臓がん、皮膚がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮がん、子宮頸がん、および外陰がん、ならびに白血病[急性リンパ性白血病(ALL)および慢性骨髄性白血病(CML)を含む]、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含む、
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ATRキナーゼ阻害剤としての2,4,6-トリ置換ピリミジン化合物に関する。より具体的には、本開示の化合物は、ATRキナーゼが介在する疾患、例えば、がんなどの増殖性疾患の治療に効果的である。本開示はまた、該化合物の医薬組成物、ATRキナーゼが介在する疾患を治療するための化合物の使用およびその製造を提供する。
【背景技術】
【0002】
ATR(Ataxia telangiectasia and Rad3-related protein)は、ゲノムの安定性およびDNA損傷の修復に関与する、一連のタンパク質キナーゼである。これはPIKKファミリーに属する。ATRの活性化は、複製フォークの停滞またはDNAの一本鎖切断(SSB)によって活性化され得る。活性化されたATRは修復タンパク質または修復因子を補充して損傷部分を修復し、有糸分裂のプロセス(特に、有糸分裂のG2/M期におけるプロセス)を遅らせ、これにより複製フォークが安定化するだけでなく、ゲノムの安定性も確保されるであろう。
【0003】
加えて、大半の腫瘍細胞のDNA損傷修復システムは異常であり、それは通常、特定の修復経路(p53またはATM変異など)を欠いており、生存のためにATRに対してより依存的となる。正常な細胞では、その強固で、完全な修復経路に起因して、ATRキナーゼだけを阻害しても大きな影響をもたらすことはないであろう。従って、ATRの阻害は、正常な細胞に対して大きな毒性の副作用がなく、がんの治療に対してより有意な効果を有するかもしれない。
【0004】
その上、ATRの阻害は、放射線療法または化学療法の薬物と合わさってその効果を相乗的に高めることができる。広く使用される化学療法の薬物には、代謝拮抗薬(ゲムシタビンなど)、DNA架橋剤(シスプラチン、カルボプラチンなど)、およびアルキル化剤(テモゾロミドなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(トポテカン、イリノテカンなど)等が含まれる。腫瘍細胞が化学療法または放射線療法によって影響を受けると、ATRシグナル伝達経路がより大きな程度に活性化され、損傷したDNAを修復した。従って、がんの治療に放射線療法または化学療法を用いる場合、同時にATRを阻害すると、がんに対する治療効果を大きく高めることができる。
【0005】
これまでのところ、ATR阻害剤はまだ市場になく、そこでより効果的でより安全なATR阻害剤を見出す必要が今なお存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ATRキナーゼが介在する疾患、例えば、がんなどの増殖性疾患の治療に用いることができる、一般式(I)の化合物を提供する。
【0007】
1の態様では、本開示は、一般式(I):
【化1】
[式中:
XはCRまたはNであり;
YはCRまたはNであり;
、R、R、RおよびRは、H、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、またはRとR、RとRとは一緒になって結合手、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはC2-6アルキニレンを形成し、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SRまたはC1-6アルキルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
YがCRである場合、RとRとは、それらが結合する原子と一緒になって、C3-5シクロアルキルまたは3ないし5員のヘテロシクリルを形成し、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
環Aはフェニルまたは5ないし6員のヘテロアリールであり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
mは0、1、2、3、4または5であり;
環Bは5ないし10員のヘテロアリールであり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3、4または5であり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであって、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0008】
もう一つ別の態様では、本開示は、本明細書にて開示される化合物と、任意に医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
もう一つ別の態様では、本開示は、本明細書にて開示される化合物と、医薬的に許容される賦形剤とを含み、他の治療剤をさらに含む、医薬組成物を提供する。
もう一つ別の態様では、本開示は、本明細書にて開示される化合物と、他の治療剤と、医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む、キットを提供する。
【0009】
もう一つ別の態様では、本開示は、ATRキナーゼが介在する疾患を治療および/または予防するための医薬の製造における、本明細書にて開示される化合物の使用を提供する。
もう一つ別の態様では、本開示は、対象におけるATRキナーゼが介在する疾患を治療および/または予防する方法であって、該対象に本明細書にて開示される化合物または本明細書にて開示される組成物を投与することを含む、方法を提供する。
もう一つ別の態様では、本開示は、ATRキナーゼが介在する疾患を治療および/または予防するために使用する、本明細書にて開示される化合物または本明細書にて開示される組成物を提供する。
【0010】
特定の実施態様では、該疾患には、増殖性疾患(がんなど)、特に充実性腫瘍(がん腫および肉腫など)、白血病およびリンパ腫、特に、例えば、乳がん、大腸がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、および気管支肺胞がんを含む)、前立腺がんおよび胆管がん、骨がん、膀胱がん、頭頚部がん、腎臓がん、肝臓がん、胃腸がん、食道がん、卵巣がん、膵臓がん、皮膚がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮がん、子宮頸がん、および外陰がん、ならびに白血病[急性リンパ性白血病(ALL)および慢性骨髄性白血病(CML)を含む]、多発性骨髄腫およびリンパ腫が含まれる。
本開示の他の目的および利点は、本明細書にて開示される特定の実施態様、実施例および特許請求の範囲から当業者には明らかであろう。
【0011】
定義
化学的な定義
特定の官能基および化学用語の定義を下記にてより詳細に説明する。
値が範囲で記載されている場合、そのことは各値およびその範囲内にある下位群を包含するものとする。例えば、「C1-6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5およびC5-6アルキルを包含するものとする。
【0012】
「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基をいう。いくつかの実施態様では、C1-4アルキルが代替となる。C1-6アルキルの例として、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、イソブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンチル(C)、ペンチル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブチル(C)、tert-ペンチル(C)およびn-ヘキシル(C)が含まれる。「C1-6アルキル」なる語はまた、1または複数の(例えば、1、2、3または4個の)炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されている、ヘテロアルキルを包含する。アルキル基は、所望により、1または複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。アルキルの慣用的な略語には、Me(-CH)、Et(-CHCH)、iPr(-CH(CH)、nPr(-CHCHCH)、n-Bu(-CHCHCHCH)またはi-Bu(-CHCH(CH)が含まれる。
【0013】
「C2-6アルケニル」は、2~6個の炭素原子、および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。いくつかの実施態様では、C2-4アルケニルが代替となる。C2-6アルケニルの例として、ビニル(C)、1-プロぺニル(C)、2-プロぺニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)、ペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)等が含まれる。「C2-6アルケニル」なる語はまた、1または複数の(例えば、1、2、3または4個の)炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されている、ヘテロアルケニルを包含する。アルケニル基は、所望により、1または複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0014】
「C2-6アルキニル」は、2~6個の炭素原子、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合、および所望により1または複数の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。いくつかの実施態様では、C2-4アルキニルが代替となる。C2-6アルキニルの例として、限定されないが、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)、ペンチニル(C)、ヘキシニル(C)等が含まれる。「C2-6アルキニル」なる語はまた、1または複数の(例えば、1、2、3または4個の)炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されている、ヘテロアルキニルを包含する。アルキニル基は、1または複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0015】
「C1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはC2-6アルキニレン」は、上記にて定義した「C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニル」の二価の基をいう。
【0016】
「C1-6アルキレン」は、C1-6アルキルのもう一つ別の水素を除去することによって形成される二価の基をいい、置換または非置換アルキレンとすることができる。いくつかの実施態様では、C1-4アルキレンがさらに代替となる。非置換アルキレン基には、限定されないが、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、プロピレン(-CHCHCH-)、ブチレン(-CHCHCHCH-)、ペンチレン(-CHCHCHCHCH-)、ヘキシレン(-CHCHCHCHCHCH-)等が含まれる。1または複数のアルキル(メチル)基で置換される基などの置換アルキレン基の例には、限定されないが、置換メチレン(-CH(CH)-、-C(CH-)、置換エチレン(-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-C(CHCH-、-CHC(CH-)、置換プロピレン(-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-、-CHCHCH(CH)-、-C(CHCHCH-、-CHC(CHCH-、-CHCHC(CH-)等が含まれる。
【0017】
「C2-6アルケニレン」は、もう一つ別の水素が除去され、アルケニレンの二価の基を提供する、C2-6アルケニル基をいい、置換または非置換アルケニレンであってもよい。いくつかの実施態様では、C2-4アルケニレンがさらに代替となる。非置換アルケニレン基の例には、限定されないが、エテニレン(-CH=CH-)およびプロぺニレン(例えば、-CH=CHCH-、-CH-CH=CH-)が含まれる。例示としての置換アルケニレン基、例えば、1または複数のアルキル(メチル)基で置換されている基には、限定されないが、置換エチレン(-C(CH)=CH-、-CH=C(CH)-)、置換プロピレン(例えば、-C(CH)=CHCH-、-CH=C(CH)CH-、-CH=CHCH(CH)-、-CH=CHC(CH-、-CH(CH)-CH=CH-、-C(CH-CH=CH-、-CH-C(CH)=CH-、-CH-CH=C(CH)-)等が含まれる。
【0018】
「C2-6アルキニレン」は、もう一つ別の水素が除去され、アルキニレンの二価の基を提供する、C2-6アルキニル基をいい、置換または非置換アルキニレンであってもよい。いくつかの実施態様では、C2-4アルキニレンがさらに代替となる。例示としてのアルキニレン基には、限定されないが、エチニレン(-C≡C-)、置換または非置換プロピニレン(-C≡CCH-)等が含まれる。
【0019】
「C1-6アルコキシ」は、Rが置換または非置換C1-6アルキルである、基-ORをいう。いくつかの実施態様では、C1-4アルコキシ基がさらに代替となる。特定のアルコキシ基には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシおよび1,2-ジメチルブトキシが含まれる。アルコキシは、所望により、1または複数の置換基で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)をいう。
【0020】
かくして、「C1-6ハロアルキル」および「C1-6ハロアルコキシ」は、1または複数のハロゲンで置換されている、上記の「C1-6アルキル」および「C1-6アルコキシ」をいう。いくつかの実施態様では、C1-4ハロアルキルがさらなる代替となり、さらに代替となるのがC1-2ハロアルキルである。いくつかの実施態様では、C1-4ハロアルコキシ基がさらなる代替となり、さらに代替となるのがC1-2ハロアルコキシ基である。例示としてのハロアルキル基には、限定されないが、-CF、-CHF、-CHF、-CHFCHF、-CHCHF、-CFCF、-CCl、-CHCl、-CHCl、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル等が含まれる。例示としてのハロアルコキシ基には、限定されないが、-OCHF、-OCHF、-OCF等が含まれる。ハロアルキルおよびハロアルコキシは、任意の利用可能な結合点で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0021】
「C3-7シクロアルキル」は、3~7個の環炭素原子を有し、ヘテロ原子が0個である、非芳香族環状炭化水素基をいう。いくつかの実施態様では、C3-5シクロアルキルが代替となる。他の実施態様では、C3-6シクロアルキルが代替となる。他の実施態様では、C5-6シクロアルキルが代替となる。シクロアルキルはまた、本明細書に記載のシクロアルキルが1または複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合し、ここでその結合点がシクロアルキル環上にある、環系を包含し、そのような場合には、炭素原子の数は引き続きシクロアルキル系にある炭素原子の数を表す。例示としてのシクロアルキル基には、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロぺニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)、シクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)等が含まれる。シクロアルキルは、1または複数の置換基で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0022】
「3ないし11員のヘテロシクリル」は、環炭素原子と、1~5個の環ヘテロ原子とを有する3ないし11員の非芳香族環系の基をいい、ここでヘテロ原子の各々は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素より独立して選択される。1または複数の窒素原子を含有するヘテロシクリルでは、結合点は原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。いくつかの実施態様では、環炭素原子と1~5個の環ヘテロ原子を有する3ないし9員の非芳香族環系の基である、3ないし9員のヘテロシクリルが代替となる。いくつかの実施態様では、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子を有する3ないし8員の非芳香族環系の基である、3ないし8員のヘテロシクリルが代替となる。環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する3ないし6員の非芳香族環系の基である、3ないし6員のヘテロシクリルが代替となる。環炭素原子と1~2個の環ヘテロ原子を有する3ないし5員の非芳香族環系の基である、3ないし5員のヘテロシクリルが代替となる。環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4ないし8員の非芳香族環系の基である、4ないし8員のヘテロシクリルが代替となる。環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する5ないし6員の非芳香族環系の基である、5ないし6員のヘテロシクリルがより代替的である。ヘテロシクリルはまた、上記したヘテロシクリルが1または複数のシクロアルキル基と縮合しており、ここでその結合点がシクロアルキル環上にある環系、または上記したヘテロシクリルが1または複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、ここでその結合点がヘテロシクリル環上にある環系を包含し、そのような場合には、環部材の数は引き続きヘテロシクリル環系にある環部材の数を表す。1個のヘテロ原子を含有する例示としての3員のヘテロシクリル基には、限定されないが、アジリジニル、オキシラニルおよびチイラニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示としての4-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示としての5-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示としての5-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン-2-オンが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示としての5-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示としての6-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジルおよびチアニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示としての6-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示としての6-員のヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアジナニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示としての7員のヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが含まれる。Cアリールと縮合した例示としての5員のヘテロシクリル基(本明細書にて5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)は、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリノニル等を包含する。Cアリールと縮合した例示としての6員のヘテロシクリル基(本明細書にて6,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)は、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を包含する。該ヘテロシクリルは1または複数の置換基で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0023】
「C6-10アリール」は、6~10個の環炭素原子と、0個のヘテロ原子とを有する単環式または多環式の(例えば、二環式の)4n+2芳香族環系(例えば、環状アレイにて6または10個の共有したπ電子を有する)の基をいう。いくつかの実施態様では、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施態様では、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、ナフチル、例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチル)。アリール基はまた、上記のアリール環が1または複数のシクロアルキルまたはヘテロシクリル基と縮合してその結合点がアリール環上にある、環系も包含し、その場合には炭素原子の数は引き続きアリール環系にある炭素原子の数を表す。該アリールは1または複数の置換基で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0024】
「5ないし10員のヘテロアリール」は、環炭素原子と、1~4個の環ヘテロ原子とを有する5ないし10員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系(例えば、環状アレイにて6または10個の共有したπ電子を有する)の基をいい、ここで各ヘテロ原子は窒素、酸素および硫黄より独立して選択される。1または複数の窒素原子を含有するヘテロアリール基では、結合点は原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリールの二環系は、1または2個の環に1または複数のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリールはまた、上記のヘテロアリール環が1または複数のシクロアルキルまたはヘテロシクリル基と縮合し、その結合点がヘテロアリール環上にある、環系も包含する。その場合、炭素原子の数は引き続きそのヘテロアリール環系にある炭素原子の数を表す。いくつかの実施態様では、環炭素原子と、1~4個の環ヘテロ原子とを有する5ないし6員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系の基である、5ないし6員のヘテロアリール基がさらなる代替となる。ヘテロ原子を1個含有する例示としての5員のヘテロアリール基には、限定されないが、ピロリル、フリルおよびチエニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示としての5員のヘテロアリール基には、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示としての5員のヘテロアリール基には、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル(1,2,4-オキサジアゾリルなど)、およびチアジアゾリルが含まれる。4個のヘテロ原子を含有する例示としての5員のヘテロアリール基には、限定されないが、テトラゾリルが含まれる。ヘテロ原子を1個含有する例示としての6員のヘテロアリール基は、限定されないが、ピリジルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示としての6員のヘテロアリール基は、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示としての6員のヘテロアリール基は、限定されないが、個々にトリアジニルおよびテトラジニルを包含する。ヘテロ原子を1個含有する例示としての7員のヘテロアリール基は、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示としての5,6-二環式ヘテロアリール基は、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルを包含する。例示としての6,6-二環式ヘテロアリール基は、限定されないが、ナフチリジニル、フテリジニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルを包含する。ヘテロアリールは、1または複数の置換基で、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換され得る。
【0025】
代替のヘテロアリール基の具体例には、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(4H-12,4-トリアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、ピラニル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル(1,2,4-オキサゾリル、1,3,4-オキサゾリル、1,2,5-オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル(1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル)が含まれる。
【0026】
「カルボニル」は、単独で、または他の語と組み合わせて(例えば、アミノカルボニルで)使用されるかのいずれかで、-C(O)-で表される。
「オキソ」は=Oを表す。
「チオキソ」は=Sを表す。
本明細書にて定義されるようなアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されてもよい基である。
【0027】
炭素原子上の例示としての置換基は、限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa、-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)aa、-OP(=O)aa、-P(=O)(Raa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)N(Rbb、-OP(=O)N(Rbb、-P(=O)(NRbb、-OP(=O)(NRbb、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(NRbb、-P(Rcc、-P(Rcc、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールを包含し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、各々独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されるか;
あるいは、炭素原子に結合するジェミナルな水素が=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORcc基と置き換えられ;
【0028】
aaの各々が、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールより独立して選択されるか、あるいは2個のRaa基が合わさってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、0、1、2、3、4または5個のRdd基で独立して置換され;
【0029】
bbの各々が、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールより独立して選択されるか、あるいは2個のRbb基が合わさってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRdd基で独立して置換され;
【0030】
ccの各々が、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールより独立して選択されるか、あるいは2個のRcc基が合わさってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRdd基で独立して置換され;
【0031】
ddの各々が、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)ee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールより独立して選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRgg基で独立して置換されるか、または2個のジェミナルなRdd置換基は合わさって=Oまたは=Sを形成し得;
【0032】
eeの各々が、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールより独立して選択され、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRgg基で独立して置換され;
ffの各々が、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールより独立して選択されるか、あるいは2個のRff基が合わさってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRgg基で独立して置換され;
【0033】
ggの各々が、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1-6アルキル、-ON(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル) 、-NH(C1-6アルキル) 、-NH(C1-6アルキル)、-NH 、-N(OC1-6アルキル)(C1-6アルキル)、-N(OH)(C1-6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル、-SS(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、-COH、-CO(C1-6アルキル)、-OC(=O)(C1-6アルキル)、-OCO(C1-6アルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1-6アルキル)、-OC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)C(=O)(C1-6アルキル)、-NHCO(C1-6アルキル)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル)、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1-6アルキル)、-OC(=NH)(C1-6アルキル)、-OC(=NH)OC1-6アルキル、-C(=NH)N(C1-6アルキル)、-C(=NH)NH(C1-6アルキル)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1-6アルキル)、-OC(NH)NH(C1-6アルキル)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1-6アルキル)、-SON(C1-6アルキル)、-SONH(C1-6アルキル)、-SONH、-SO1-6アルキル、-SOOC1-6アルキル、-OSO1-6アルキル、-SOC1-6アルキル、-Si(C1-6アルキル)、-OSi(C1-6アルキル)、-C(=S)N(C1-6アルキル)、C(=S)NH(C1-6アルキル)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1-6アルキル)、-C(=S)SC1-6アルキル、-SC(=S)SC1-6アルキル、-P(=O)(C1-6アルキル)、-P(=O)(C1-6アルキル)、-OP(=O)(C1-6アルキル)、-OP(=O)(OC1-6アルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cカルボシクリル、C-C10アリール、C-Cヘテロシクリル、C-C10ヘテロアリールより独立して選択されるか;あるいは2個のジェミナルなRgg置換基が合わさって=Oまたは=Sを形成し;ここでXは対イオンである。
【0034】
窒素原子上の例示としての置換基には、限定されないが、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールが含まれるか、あるいは窒素原子と結合する2個のRcc基が合わさってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、ここで該アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールの各々は0、1、2、3、4または5個のRdd基で独立して置換され、ここでRaa、Rbb、RccおよびRddは本明細書にて記載されるとおりである。
【0035】
他の定義
【0036】
「がん」なる語は、限定されないが、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、食道、胃、皮膚、肺、骨、結腸、膵臓、甲状腺、胆管、頬側口腔および咽頭(口)、唇、舌、口腔、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、および直腸のがん、脳および中枢神経系のがん、グリオブラストーマ、神経ブラストーマ、ケラトアカントーマ、表皮がん、大細胞がん、腺がん、腺腫、濾胞状腺がん、未分化がん、乳頭がん、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱がん、肝臓がん、腎臓がん、骨髄障害、リンパ障害、ホジキン病、ヘアリー細胞がん、および白血病を包含する。
【0037】
本明細書で使用されるような「治療する」なる語は、該用語が適用される障害または症状、またはかかる障害または症状の1または複数の徴候の進行を退行させ、緩和させ、または阻害すること、あるいは予防することに関する。本明細書で使用される場合の「治療」なる名詞は、動詞である「治療する」の作用に関するものであり、それは今まさに定義したとおりである。
【0038】
本明細書で使用されるような「医薬的に許容される塩」なる語は、本開示の化合物のそれらのカルボン酸塩およびアミノ酸付加塩であって、信頼できる医学的判断の範囲内で患者の組織と接触するのに適しており、不適切な毒性、刺激、アレルギー等を生じさせないものに関する。該塩は合理的な利益/リスクの割合に見合ったものであり、その意図する使用に効果的である。該用語は、可能であるならば、本開示の化合物の双性イオン形態を包含する。
【0039】
医薬的に許容される塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。カチオンとして使用される金属の例には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等が含まれる。適切なアミンの例は、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、痔エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミンおよびプロカインである。
【0040】
酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸の形態を、従来の方法にて塩を形成するのに十分な量の必要とされる塩基と接触させることにより製造され得る。遊離酸は、その塩の形態を酸と従来の方法で接触させ、ついで該遊離酸を単離することによって再生され得る。遊離酸の形態は、極性溶媒での溶解度などのその物理的特性において、その個々の塩の形態と多少異なる。しかしながら、本開示の目的では、塩はその個々の遊離酸となおも均等である。
【0041】
硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリド、ブロミドおよびヨーダイドを含む、塩は無機酸より製造され得る。酸の例には、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸等が含まれる。その代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフタル酸塩、メタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、イセチオン酸塩等が含まれる。該塩はまた、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオ酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等を含む、有機酸より製造され得る。その代表的な塩には、酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ナフトエ酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が含まれる。その医薬的に許容される塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属に基づくカチオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含むが、これらに限定されない、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンのカチオンを包含し得る。また、アルギニン塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩等などのアミノ酸の塩も含まれる(例えば、参考のためのBerge S. M.ら.、「Pharmaceutical Salts,」 J. Pharm. Sci., 1977;66:1-19を参照のこと)
【0042】
本開示の化合物の医薬的に許容される非毒性のアミドの例には、C-Cアルキルエステルが含まれ、ここでそのアルキル基は直鎖または分岐鎖である。許容されるエステルにはまた、C-Cシクロアルキルエステル、ならびにベンジルエステルなどのアリールアルキルエステルが含まれる。C-C4アルキルエステルが代替となる。本開示の化合物のエステルは、従来の方法、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry, 5 Edition, M. B. Smith & J. March, John Wiley & Sons, 2001に従って製造され得る。
【0043】
本開示の化合物の医薬的に許容される非毒性のアミドの例には、アンモニア、第一C-Cアルキルアミンおよび第二C-Cジアルキルアミンより誘導されるアミドが含まれ、ここで該アルキル基は直鎖または分岐鎖である。第二アミンの場合、該アミンは、1個の窒素原子を含有する5または6員のヘテロサイクルの形態であってもよい。アンモニア、C-Cアルキル第一アミンおよびC-Cジアルキル第二アミンから誘導されるアミドが代替となる。本開示の化合物のアミドは、従来の方法、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry, 5 Edition, M. B. Smith & J. March, John Wiley & Sons, 2001に従って製造され得る。
【0044】
投与が企図される「対象」には、限定されないが、ヒト(例えば、任意の年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、子供、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)および/または哺乳動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、齧歯類、ネコおよび/またはイヌなどのヒト以外の動物が含まれる。いくつかの実施態様では、該対象はヒトである。いくつかの実施態様では、該対象はヒト以外動物である。「ヒト」、「患者」および「対象」なる語は、本明細書にて互換的に使用され得る。
【0045】
「疾患」、「障害」、および「症状」は、本明細書にて互換的に使用され得る。
【0046】
特記されない限り、本明細書で使用されるような「治療」なる語は、特定の疾患、障害、または症状を患っている対象に対する効果であって、該疾患、障害、または症状の重篤度を軽減するか、または疾患、障害、または症状の進行を遅延させ、または遅くさせる効果(「治療的処理」)を含む。該用語は対象が特定の疾患、障害、または症状に罹患し始める前に生じる効果(「予防的処置」)も包含する。
【0047】
一般に、化合物の「効果的な量」は、標的となる生物学的応答を惹起するのに十分な量をいう。当業者によって理解されるように、本開示の化合物の効果的な量は、次の因子、例えば、所望する生物学的エンドポイント、該化合物の薬物動態、治療される疾患、投与形式、対象の年齢、健康状態および徴候に応じて変化し得る。効果的な量には、治療的に効果的な量および予防的に効果的な量が含まれる。
【0048】
特記されない限り、本明細書で使用されるような化合物の「治療的に効果的な量」は、疾患、障害、または症状を治療する過程で治療的利益を提供するか、または該疾患、障害、または症状に付随する1または複数の徴候を遅らせるか、または最小限とするのに十分な量である。化合物の治療的に効果的な量は、単独で、または他の療法と組み合わせて使用した場合に、疾患、障害、または症状の治療において治療的利点を提供する、治療剤の量をいう。「治療的に効果的な量」なる語は、治療全般を改善するか、該疾患または症状の徴候または原因を軽減または回避するか、あるいは他の治療剤の治療効果を強化する、量を包含し得る。
【0049】
特記されない限り、本明細書で使用されるような化合物の「予防的に効果的な量」は、疾患、障害、または症状を防止するのに十分な量、疾患、障害、または症状に付随する1または複数の徴候を防止するのに十分な量、または疾患、障害、または症状の再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防的に効果的な量は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて使用した場合に、疾患、障害、または症状の防止において予防的利点を提供する、治療剤の量をいう。「予防的に効果的な量」なる語は、予防全般を改善する量、または他の予防剤の予防効果を強化する量を包含し得る。
【0050】
「組み合わせ」および関連用語は、本開示の化合物と、他の治療剤との同時または逐次投与をいう。例えば、本開示の化合物は、他の治療剤と同時にまたは逐次的に別個の単位用量で、または他の治療剤との単一の単位用量で同時に投与され得る。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本明細書で使用される場合、「本明細書で開示される化合物」または「本開示の化合物」なる語は、次の式(I)ないし(VI)(下位式を含む)の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物をいう。
【0052】
本開示において、化合物は標準的な命名法を用いて命名される。不斉中心を有する化合物では、特記されない限り、すべての光学異性体およびその混合物が包含されると理解すべきである。さらには、特記されない限り、本開示に含まれるすべての異性体化合物および炭素-炭素二重結合は、ZおよびEの形態で発生してもよい。異なる互変異性形態で存在する化合物では、その化合物の一つは任意の特定の互変異性体に限定されず、すべての互変異性形態を網羅するものとする。一般式は、その記載および可変基を含め、特定の化合物に使用される。特記されない限り、そのような式中の各可変基は、任意の他の可変基とも、各出現において任意の1の可変基を独立して定義する複数の可変基とも独立して定義される。
【0053】
1の実施態様において、本開示は、一般式(I):
【化2】
[式中:
XはCRまたはNであり;
YはCRまたはNであり;
、R、R、RおよびRは、H、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとRとが、RとRとが一緒になって結合手、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはC2-6アルキニレンを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SRまたはC1-6アルキルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
YがCRである場合、RとRとは、それらが結合する原子と一緒になって、C3-5シクロアルキルまたは3ないし5員のヘテロシクリルを形成し、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
環Aは、フェニルまたは5ないし6員のヘテロアリールであり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
mは0、1、2、3、4または5であり;
環Bは5ないし10員のヘテロアリールであり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3、4または5であり;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物に関する。
【0054】
XおよびY
特定の実施態様では、XがCRでり;もう一つ別の特定の実施態様では、XがCHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、XがNである。
特定の実施態様では、YがCRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、YがNである。
【0055】
、R、R、RおよびR
特定の実施態様では、RがHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rがハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rが(R)-C1-6ハロアルキルなどのC1-6ハロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルキニルである。
【0056】
特定の実施態様では、RがHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rがハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rが(R)-C1-6ハロアルキルなどのC1-6ハロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルキニルである。
【0057】
特定の実施態様では、RがHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rがハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rが(R)-C1-6ハロアルキルなどのC1-6ハロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルキニルである。
【0058】
特定の実施態様では、RがHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rがハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rが(R)-C1-6ハロアルキルなどのC1-6ハロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルキニルである。
【0059】
特定の実施態様では、RがHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rがハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rが(R)-C1-6ハロアルキルなどのC1-6ハロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RがC2-6アルキニルである。
【0060】
もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびRのうちの少なくとも1個はC1-6アルキル、例えば、(R)-メチルなどの(R)-C1-6アルキルである。
【0061】
もう一つ別の特定の実施態様では、RとRとが、またはRとRとが一緒になって結合手を形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、RとRとが、またはRとRとが一緒になってメチレン、エチレンまたはプロピレンなどのC1-6アルキレンを形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、RとRとが、またはRとRとが一緒になってC2-6アルケニレンを形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、RとRとが、またはRとRとが一緒になってC2-6アルキニレンを形成する。
【0062】
もう一つ別の特定の実施態様では、上記の基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0063】
もう一つ別の特定の実施態様では、YがCRである場合、RとRとは、それらが結合する原子と一緒になって、C3-5シクロアルキルを形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、C3-5シクロアルキルがシクロプロピルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、C3-5シクロアルキルがシクロブチルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、C3-5シクロアルキルがシクロペンチルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、YがCRである場合、RとRとは、それらが結合する原子と一緒になって、3ないし5員のヘテロシクリルを形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、3ないし5員のヘテロシクリルが、オキシラニル、アジリジニルまたはチイラニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、3ないし5員のヘテロシクリルが、オキセタニル、アゼチジニルまたはチエタニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、3ないし5員のヘテロシクリルがテトラヒドロフラニル、ピロリジニルまたはチオラニルである。もう一つ別の特定の実施態様では、C3-5シクロアルキルおよび3ないし5員のヘテロシクリルは、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0064】
環A
特定の実施態様では、環Aがフェニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、環Aが5ないし6員のヘテロアリールである。
【0065】
もう一つ別の特定の実施態様では、環Aが
【化3】
より選択され、ここで、AはCRa1またはNであり;AはCRa2またはNであり;AはCRa3またはNであり;AはCRa4またはNであり;AはCRa5またはNであって;Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5はRについて上記されるとおりである。もう一つ別の特定の実施態様では、環Aが
【化4】
より選択される。
【0066】

特定の実施態様では、Rが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-CNであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-SRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-C(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-C(O)ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-C(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-OC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-NRC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-OC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-NRC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは-S(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはC1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはC2-6アルキニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つはC3-7シクロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは3ないし8員のヘテロシクリルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rの1つは1、2または3個のRで置換されており;もう一つ別の特定の実施態様では、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0067】
もう一つ別の特定の実施態様では、Rは、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい。
【0068】

特定の実施態様では、mは0であり;もう一つ別の特定の実施態様では、mは1であり;もう一つ別の特定の実施態様では、mは2であり;もう一つ別の特定の実施態様では、mは3であり;もう一つ別の特定の実施態様では、mは4であり;もう一つ別の特定の実施態様では、mは5である。
【0069】
環B
特定の実施態様では、環Bは、二環式9ないし10員のヘテロアリールなどの5ないし10員のヘテロアリールであり;もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化5】
より選択され、ここでB-B12のうちの0、1、2または3個は、化学的に許容される限りできるだけ多く、O、SおよびNより選択されるヘテロ原子であり;B-B12は、所望により、酸化されて=O基を形成してもよく;あるいはまた、B-B12のうちの少なくとも1個は化学的に許容される限りできるだけ多く、O、SおよびNより選択されるヘテロ原子であり;
あるいはまた、B-B12のうちの0、1、2または3個はN原子であり;あるいはまた、B-B12のうちの少なくとも1個はN原子であり;あるいはまた、B-Bのうちの少なくとも1個はN原子であり;あるいはまた、B-Bのうちの少なくとも2個はN原子であり;あるいはまた、BはN原子である。
【0070】
もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化6】
より選択され、ここで
はCRb1またはNであり;BはCRb2またはNであり;BはCRb3またはNであり;BはCRb4またはNであり;BはCRb5またはNであり;BはCRb6またはNであり;BはCRb7またはNであり;BはCRb8またはNであり;BはCRb9またはNであり;B10はCRb10またはNであり;B11はCRb11またはNであって;B12はCRb12またはNであり;
b1ないしRb12およびRは、Rについて上記されるとおりであり;
nは0、1、2、3または4であり;
およびRは、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はr個のR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
ここで、Rは、H、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
rは0、1、2、3、4または5であるか;
あるいはまた、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である。
【0071】
もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化7】
より選択されるか、あるいはまた、環Bは
【化8】
より選択され;もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化9】
であり;もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化10】
であり;もう一つ別の特定の実施態様では、環Bは
【化11】
である。
【0072】

特定の実施態様では、Rは、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-CNであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-SRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-C(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-C(O)ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-C(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-OC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-NRC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-OC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-NRC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は-S(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はC1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はC2-6アルキニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個はC3-7シクロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は3ないし8員のヘテロシクリルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rのうちの1個は1、2または3個のRで置換されており;もう一つ別の特定の実施態様では、これらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0073】
もう一つ別の特定の実施態様では、Rは、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよい。
【0074】

特定の実施態様では、nは0であり;もう一つ別の特定の実施態様では、nは1であり;もう一つ別の特定の実施態様では、nは2であり;もう一つ別の特定の実施態様では、nは3であり;もう一つ別の特定の実施態様では、nは4であり;もう一つ別の特定の実施態様では、nは5である。
【0075】

特定の実施態様では、RはHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rはハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-CNであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-SRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC2-6アルキニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0076】

特定の実施態様では、RはHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはDであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rはハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-CNであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-SRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC2-6アルキニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0077】

特定の実施態様では、RはHであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rはハロゲンであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-CNであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-SRであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-C(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-C(O)ORであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-C(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-OC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-NRC(O)R’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-OC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-NRC(O)NRR’であり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは-S(O)Rであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC3-7シクロアルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは3ないし8員のヘテロシクリルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RはC6-10アリールであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは5ないし10員のヘテロアリールであり;もう一つ別の特定の実施態様では、Rは、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0078】
RおよびR’
特定の実施態様では、RおよびR’ は、独立して、Hであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびR’は、独立して、C1-6アルキルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびR’は、独立して、C2-6アルケニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびR’は、独立して、C2-6アルキニルであり;もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびR’は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;もう一つ別の特定の実施態様では、RおよびR’は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい。
【0079】

特定の実施態様では、pは1であり;もう一つ別の特定の実施態様では、pは2である。
【0080】
上記した特定の実施態様のいずれか1の任意の技術的解決手段、またはその任意の組み合わせは、他の特定の実施態様における任意の技術的解決手段、またはその任意の組み合わせと組み合わされてもよい。例えば、Xの任意の技術的解決手段、またはその任意の組み合わせは、Y、R-R、環A、環B、R、R、R、m、n、p、RおよびR’の任意の技術的解決手段、またはそれらの組み合わせと組み合わされてもよい。本開示は、そのような技術的解決手段のすべての組み合わせを包含するものであり、それらはスペースの関係から徹底的には列挙されない。
【0081】
さらに具体的な実施態様では、本開示は、次の一般構造を有する一般式(I):
【化12】
[式中、各基は上記において定義されるとおりである]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0082】
さらに具体的な実施態様では、本開示は、一般式(V-1)または(VI-1):
【化13】
[式中:
はCRa1またはNであり;
はCRa2またはNであり;
はCRa3またはNであり;
はCRa4またはNであり;
はCRa5またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
およびRは、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、その各々はr個のR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
rは0、1、2、3、4または5であるか;
あるいはまた、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0083】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい、上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0084】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-1)または(VI-1)で示され、
がCRa1であり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5であり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-NRR’または-OHより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
nが0、1、2、3または4であり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、その各々はr個のR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
rが0、1、2、3、4または5であるか;
あるいはまた、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、それは完全に重水素化されるまで1または複数のDで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
pが1または2である
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0085】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、
a1、Ra4およびRa5が、独立して、HまたはDであり;
a2およびRa3が、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-NRR’または-OHであり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、その各々はr個のR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’または-NRC(O)NRR’であり;
rが0、1、2、3、4または5であるか;
あるいはまた、RおよびRは、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、それは完全に重水素化されるまで1または複数のDで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい
上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0086】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-1)または(VI-1)で示され、
がCRa1であり;
がCRa2であり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5であり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して、H、D、ハロゲン、-C(O)OH、-C(O)NHまたは-OHであり;
がH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
nが0、1、2、3または4であり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、その各々はr個のR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’または-ORであり;
rが0、1、2、3、4または5であるか;
あるいはまた、RおよびRが、それらの結合するN原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0087】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、
a1、Ra4およびRa5がHまたはDであり;
a2およびRa3がH、D、ハロゲン、-C(O)NHまたは-OHであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまた、メチルであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまた、メチルまたは-CFであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル;あるいはまた、メチルまたは-CFであり;
およびRが、独立して、H、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成する
上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0088】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2):
【化14】
[式中:
はCRa1またはNであり;
はCRa2であり;
はCRa3またはNであり;
はNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2であり;
はCRb3であり;
a1、Ra2、Ra3およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2およびRb3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキルまたは3ないし8員のヘテロシクリルより選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0089】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2)で示され、
がCRa1またはNであり;
がCRa2であり;
がCRa3またはNであり;
がNであり;
がCRa5またはNであり;
がCRb2であり;
がCRb3であり;
a1、Ra2、Ra3およびRa5が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2およびRb3が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nが0、1、2、3または4であり;
がハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pが1または2である
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0090】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2)で示され、
がCRa1またはNであり;
がCRa2であり;
がCRa3またはNであり;
がNであり;
がCRa5またはNであり;
がCRb2であり;
がCRb3であり;
a1がH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
a2がH、D、ハロゲン、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
a3がH、D、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-SH、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
a5がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b3がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲンまたは-CNであり;
nが0、1、2、3または4であり;
がハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’であり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’が、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0091】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2):
がCRa1またはNであり;
がCRa2であり;
がCRa3またはNであり;
がNであり;
がCRa5またはNであり;
がCRb2であり;
がCRb3であり;
a1がHまたはDであり;
a2が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)ORまたは-C(O)NRR’より選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
a3が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SRより選択され;
a5が、H、D、ハロゲン、-CNまたはC1-6アルキルより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
b2が、H、D、ハロゲン、-CNまたはC1-6アルキルより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
b3が、HまたはDより選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
がHまたはDであり;
nが0、1、2、3または4であり;
が、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
が、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
が、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
が、H、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’が、HまたはC1-6アルキルより独立して選択される
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0092】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2)または(VI-2):
【化15】
[式中:
はCRa1またはNであり;
はCRa2またはNであり;
はCRa3またはNであり;
はCRa4またはNであり;
はCRa5またはNであり;
はCRb2またはNであり;
はCRb3またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキルまたは3ないし6員のヘテロシクリルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2、Rb3およびRは、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
nは0、1、2、3または4であり;
はH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
はH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-OC(O)R’、-NRC(O)R’、-OC(O)NRR’、-NRC(O)NRR’、-S(O)R、C3-7シクロアルキル、3ないし8員のヘテロシクリル、C6-10アリールまたは5ないし10員のヘテロアリールであり、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
RおよびR’は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
pは1または2である]
で示される化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0093】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、-C(O)OR、-C(O)NRR’、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよく;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここでこれらの基は、完全に置換されるまで、1または複数のDまたはハロゲンで置換されてもよい
上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0094】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2)または(VI-2)で示され、
がCRa1またはNであり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5またはNであるか;
あるいはまた、A、AおよびAのうちの少なくとも1個がNであり;
がCRb2またはNであり;
がCRb3またはNであり;
a1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5がH、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OR、-C(O)NRR’、-NRR’または-OHであり;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
nが0、1、2、3または4であり;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OR、-SR、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0095】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OH、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい
上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0096】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、一般式(V-2)または(VI-2)で示され、
がCRa1またはNであり;
がCRa2またはNであり;
がCRa3またはNであり;
がCRa4またはNであり;
がCRa5またはNであるか;
あるいはまた、A、AおよびAのうちの少なくとも1個はNであり;
がCRb2またはNであり;
がCRb3またはNであり;
a1およびRa5がHまたはDであり;
a3がH、DまたはOHであり;
a2およびRa4がH、D、ハロゲン、-NRR’または-OHであり;
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、-NRR’、-OH、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
nが0、1、2、3または4であり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであって、ここで該基は完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよく;
がH、ハロゲン、-CN、-NRR’、-ORまたは-SRであり;
RおよびR’が、H、C1-6アルキルおよびC1-6ハロアルキルより独立して選択されるか、あるいはRとR’とが、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4ないし8員のヘテロシクリルを形成し;ここでこれらの基は、完全に重水素化されるまで、1または複数のDで置換されてもよい
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0097】
さらに具体的な実施態様において、本開示は、
b2、Rb3およびRが、H、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルより独立して選択され、その各々はR基で所望により置換されてもよく;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであるか;あるいはまた、メチルであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであるか;あるいはまた、メチルまたは-CFであり;
がC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであるか;あるいはまた、メチルまたは-CFである、
上記の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物を提供する。
【0098】
本開示の別の化合物には、限定されないが、下記に示される化合物
【化16】
【化17】
【化18】
あるいはその医薬的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグ、もしくは同位体変種、またはそれらの混合物が含まれる。
【0099】
本開示の化合物は1または複数の不斉中心を含んでもよく、かくして種々の立体異性体の形態、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーにて存在してもよい。例えば、本開示の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体(例えば、シスまたはトランス異性体)の形態であってもよく、ラセミ混合物および1または複数の立体異性体に富む混合物を含む、立体異性体の混合物の形態であってもよい。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に公知の方法により、その混合物より分離され得るか、あるいは別法として、異性体を不斉合成により製造することがもできる。
【0100】
当業者であれば、有機化合物が、それらが反応する溶媒中にて、またはそれらが沈殿または結晶化する溶媒から、該溶媒と複合体を形成し得ることを理解するであろう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られている。溶媒が水である場合、その複合体は「水和物」として知られる。本開示は、本開示の化合物のすべての溶媒和物を包含する。
【0101】
「溶媒和物」なる語は、通常は、加溶媒分解反応によって、溶媒と会合している化合物またはその塩の形態をいう。この物理的結合は水素結合を包含し得る。慣用的溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等が含まれる。本明細書に記載される化合物は、例えば、結晶の形態にて製造することができ、溶媒和され得る。適切な溶媒和物には、医薬的に許容される溶媒和物が含まれ、さらには化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方を包含する。場合によっては、例えば、1または複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に取り込まれる場合、その溶媒和物は単離能を有するであろう。「溶媒和物」は溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノール和物およびメタノール和物が含まれる。
【0102】
「水和物」なる語は、水と会合している化合物をいう。一般に、化合物の水和物中に含まれる水分子の数は、その水和物中の化合物の分子の数に対して一定の割合にある。従って、化合物の水和物は、例えば、一般式:R・xHO(式中、Rは化合物であり、xは0よりも大きな数である)で表され得る。所定の化合物は、例えば、一水和物(x=1)、低級水和物(xは0よりも大きく、1よりも小さな数である;例えば、ヘミ水和物(R・0.5HO))およびポリ水和物(xは1よりも大きな数である;例えば、二水和物(R・2HO)およびヘキサ水和物(R・6HO))を含め、2以上の型の水和物を形成し得る。
【0103】
本開示の化合物は非晶質または結晶形態(多形体)であってもよい。さらには、本開示の化合物は1または複数の結晶形態で存在してもよい。従って、本開示は、本開示の化合物のすべての非晶質または結晶形態をその範囲内に含む。「多形体」なる語は、特定の結晶充填配置での化合物(またはその塩、水和物または溶媒和物)の結晶形態をいう。すべての多形体は元素の組成が同じである。異なる結晶形態は、一般に、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶の形、光学および電気特性、安定性および溶解性を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の因子はある結晶形態を支配的とする可能性がある。化合物の様々な多形体が異なる条件下で結晶化することで製造され得る。
【0104】
本開示はまた、式(I)で示される化合物と同等であるが、1または複数原子が、自然界で一般的である原子の原子量または質量数と異なる原子量等を有する原子と置き換えられている、同位体で標識されている化合物も含む。本開示の化合物に導入され得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えば、個々にH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが含まれる。上記した同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本開示の化合物、そのプロドラッグ、および該化合物またはプロドラッグの医薬的に許容される塩はすべて、本開示の範囲内にある。本開示の特定の同位体標識の化合物、例えば、放射性同位体(例えば、Hおよび14C)を組み込んだ化合物は、組織中での薬物および/または基質の分布を測定するのに使用され得る。Hであるトリチウム、および14C同位体である炭素-14がさらに代替となる。というのも、それらは製造および検出が容易だからである。さらには、Hである、重水素のような重い同位体で置き換えられると、インビボでの半減期が延びるか、または必要な投与量が減少するなどの代謝安定性が高くなるため、治療的利益が得られる可能性があり、かくしてある場合には代替となり得る。本開示の式(I)の同位体標識の化合物およびそのプロドラッグは、以下のスキームおよび/または実施例および調製例にて開示される操作において、非同位体標識の試薬の代わりに容易に利用可能な同位体標識の試薬を用いることにより、一般に製造され得る。
【0105】
加えて、プロドラッグもまた、本開示の文脈内に含まれる。本明細書で使用されるような「プロドラッグ」なる語は、例えば、血中での加水分解によりインビボにて医療効果を有する活性な形態に変換される化合物をいう。医薬的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella、Prodrugs as Novel Delivery Systems, A.C.S. Symposium Series, Vol. 14, Edward B. Roche編, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、およびD. Fleisher、S. RamonおよびH. Barbra 「Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs」、Advanced Drug Delivery Reviews(1996) 19 (2) 115-130(その各々が出典明示により本明細書の一部とされる)に記載される。
【0106】
プロドラッグは、該プロドラッグが患者に投与されると、インビボにて親化合物を放出する、本開示の任意に共有結合した化合物である。プロドラッグは、典型的には、修飾がルーチン操作によって切断されるか、またはインビボにて親化合物を生成するように分解され得るかのいずれかであるように、官能基を修飾することで製造される。プロドラッグには、例えば、ヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基が任意の基に結合しており、患者に投与された場合に切断されて、そのヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を形成する、本開示の化合物が含まれる。かくして、プロドラッグの代表例には、(限定されないが)式(I)の化合物のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル官能基のアセテート/アセトアミド、ホルメート/ホルムアミドおよびベンゾエート/ベンズアミド誘導体が含まれる。さらには、カルボン酸(-COOH)の場合、メチルエステルおよびエチルエステル等などのエステルが利用され得る。エステル自体がそれ自体活性であってもよく、および/または体内のインビボの条件下で加水分解可能であってもよい。適切な医薬的に許容されるインビボにて加水分解可能なエステル基には、人体で容易に分解して親化合物またはその塩を放出し得るそれらの基が含まれる。
【0107】
本開示はまた、治療的に効果的な量の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体、希釈体または賦形剤を含む、医薬製剤を提供する。これらの形態はすべて本開示に属する。
【0108】
医薬組成物、製剤およびキット
もう一つ別の態様では、本開示は、本開示の化合物(また「活性成分」とも称される)および医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。特定の実施では、医薬組成物は効果的な量の本開示の化合物を含む。特定の実施では、医薬組成物は治療的に効果的な量の本開示の化合物を含む。特定の実施では、医薬組成物は予防的に効果的な量の本開示の化合物を含む。
【0109】
本開示にて用いるための医薬的に許容される賦形剤とは、一緒に配合される化合物の薬理活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバントまたはビヒクルをいう。本開示の組成物に使用され得る医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(リン酸塩など)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリドの混合物、水、塩または電解質(硫酸プロタミンなど)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリカゲル、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系材料、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよびラノリンが含まれる。
【0110】
本開示はまた、キット(例えば、医薬パック)を包含する。提供されるキットは、本明細書に開示の化合物、他の治療剤、ならびに本明細書に開示の化合物または他の治療剤を含有する第1および第2容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散性パッケージまたは他の材料)を含んでもよい。いくつかの実施態様では、提供されるキットはまた、本明細書に開示の化合物および/または他の治療剤を希釈するか、または懸濁させるための医薬的に許容される賦形剤を含有する第3容器を所望により含み得る。いくつかの実施態様では、第1容器にて提供される本明細書に開示の化合物および第2容器にて提供される他の治療剤を組み合わせて単位剤形を形成する。
【0111】
投与
本開示によって提供される医薬組成物は、限定されないが、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、経直腸投与、経鼻腔投与、口腔投与、経膣投与、インプラントによる投与または他の投与手段を含む、種々の経路によって投与され得る。例えば、本明細書で使用される非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、関節滑液嚢内投与、胸骨内投与、脳室内投与、病巣内投与、および頭蓋内注射または注入技法が含まれる。
【0112】
一般に、本明細書で提供される化合物は効果的な量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的には、治療すべき症状、選択した投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の徴候の重篤度等を含む関連する状況を考慮して、医者が決めるであろう。
【0113】
本明細書に開示の障害を予防するのに使用する場合、本明細書にて提供される化合物は、その症状を発症する危険のある対象に、典型的には医者の助言および監督下で、上記した投与量のレベルで投与されるであろう。特定の症状を発症する危険のある対象には、一般に、その症状の家族歴のある者、または遺伝的検査またはスクリーニングによって該症状を特に発症し易いと同定された者が含まれる。
【0114】
本明細書にて提供される医薬組成物はまた、慢性的に投与(「慢性投与」)され得る。慢性投与は、化合物またはその医薬組成物を長期間にわたって、例えば、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、5年等にわたって投与することをいい、あるいは、例えば、患者の残りの人生にわたって制限なく続けられてもよい。特定の実施態様では、慢性投与は、化合物の一定の血中レベルを、例えば、長期間にわたって治療濃度域の範囲内で提供するものとする。
【0115】
本開示の医薬組成物は種々の投与方法を用いてさらに送達されてもよい。例えば、特定の実施態様では、医薬組成物は、例えば、化合物の血中濃度を効果的なレベルまで高めるために、ボーラスで投与されてもよい。ボーラス投与の配置は体全体を通して望まれる活性成分の全身レベルに依存しており、例えば、筋肉内または皮下ボーラス投与は活性成分の遅い放出を可能とし、一方で静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV点滴を介するボーラス)は、活性成分の血中濃度を効果的なレベルまで迅速に高める、はるかに速い送達を可能とする。他の実施態様では、医薬組成物は、活性成分の対象の体内における濃度を定常状態に維持するために、連続注入で、例えば、IV点滴により投与されてもよい。さらには、さらに別の実施態様において、医薬組成物は、最初にボーラス投与で投与され、つづいて連続注入で投与されてもよい。
【0116】
経口投与用の組成物は、バルク液体溶液または懸濁液、あるいはバルク散剤の形態を取ることができる。しかしながら、より一般的には、該組成物は、正確な用量を投与することを促進するのに単位剤形にて提示される。「単位剤形」なる語は、ヒト対象および他の哺乳動物の単位投与量として適する物理的に別々の単位をいい、各単位は、適切な医薬賦形剤と合わさって、所望の治療効果を生じさせるように計算された所定の量の活性材料を含有する。典型的な単位剤形には、液体組成物の予め充填された、予め決定されたアンプルまたはシリンジ、あるいは固体組成物ではピル、錠剤、カプセル等が含まれる。かかる組成物において、該化合物は、通常、マイナーな成分(約0.1~約50重量%、あるいはまた約1~約40重量%)であり、残りは所望の剤形を形成するのに役立つ、様々なビヒクルまたは賦形剤および加工助剤である。
【0117】
経口投与では、1日に付き1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与が代表的な投与計画である。これらの投与パターンを用いると、各投与で約0.01~約20mg/kgの本明細書で提供される化合物を付与し、代替となる投与では、各々、約0.1~約10mg/kg、特に約1~約5mg/kgの化合物が付与される。
【0118】
経皮の用量は、一般に、注射による投与を用いて達成されるのと同等またはそれよりも低い血中濃度を提供するように選択され、一般に、約0.01~約20重量%、あるいはまた約0.1~約20重量%、あるいはまた約0.1~約10重量%、さらにあるいはまた約0.5~約15重量%の範囲にある量である。
【0119】
注射の用量レベルは、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲にあり、その投与時間はすべて約1~約120時間、特に24~96時間である。また、約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の予めローディングされたボーラスを投与し、適切な定常状態のレベルを達成してもよい。総用量の最大値は40~80kgの患者で約2g/日を超えないものと考えられる。
【0120】
経口投与に適する液体形態には、バッファー、沈殿防止剤および分注剤、着色剤、香料等を含む水性または非水性ビヒクルが含まれ得る。固体形態には、例えば、以下の成分:微結晶セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなどの結合剤;澱粉またはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲル、トウモロコシ澱粉などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;コロイド性二酸化ケイ素などの滑剤;シュークロースまたはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの香味剤のいずれか、または同様の特性を有する化合物が含まれ得る。
【0121】
注射用組成物は、典型的には、注射用滅菌セイラインまたはリン酸緩衝セイラインあるいは当該分野にて公知の他の注射用賦形剤に基づく。上記されるように、かかる組成物中の活性な化合物は、典型的には、マイナーな成分であり、しばしば、約0.05~10重量%であり、残りは注射用賦形剤等である。
【0122】
経皮組成物は、典型的には、活性成分を含有する局所軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化される場合、活性成分は、典型的には、パラフィン系または水混和性軟膏基剤のいずれかと組み合わされるであろう。別法として、活性成分は、例えば水中油型クリーム基剤を用いてクリームに製剤化されてもよい。かかる経皮用製剤は当該分野にて周知であり、一般に、活性成分または製剤の安定性の経皮浸透性を高めるために添加成分を含む。そのような既知の経皮製剤および成分はすべて、本明細書にて提供される範囲に含まれる。
【0123】
本明細書で提供される化合物は経皮装置によっても投与され得る。従って、経皮投与は、リザバーまたは多孔性膜型の、または種々の固体マトリックスのいずれかのパッチを用いて達成され得る。
【0124】
経口投与可能な、注射可能な、または局所投与可能な組成物のための上記される成分は、代表的なものに過ぎない。他の材料ならびに加工技術等は、Remington’s Pharmaceutical SciencesのPart 8, 第17版, 1985、Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaに記載されており、それを出典明示により本明細書の一部とする。
【0125】
本開示の化合物はまた、徐放性形態にて、または徐放性薬物送達システムから投与され得る。代表的な徐放性材料の記載は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesにて見出すことができる。
【0126】
本開示はまた、本開示の化合物の医薬的に許容される製剤に関する。1の実施態様において、該製剤は水を含む。もう一つ別の実施態様において、該製剤はシクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、各々、6、7および8α-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンであり、所望により、結合した糖部分に1または複数の置換基を含んでもよく、これには、限定されないが、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化、およびスルホアルキルエーテル置換が含まれる。特定の実施態様では、シクロデキストリンはスルホアルキルエーテル β-シクロデキストリン、例えば、スルホブチルエーテル β-シクロデキストリン(カプチソールとしても知られる)である。例えば、米国特許第5,376,645号を参照のこと。特定の実施態様では、該製剤はヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水中10-50%)を含む。
【0127】
治療
本明細書で説明されるように、ATRキナーゼが腫瘍形成ならびに他の多くの疾患にて役割を有することが知られている。本発明者らは式(I)の化合物が、ATRキナーゼを阻害することによって得られると考えられる強力な抗腫瘍活性を有することを見出した。
【0128】
本開示の化合物は、抗腫瘍剤としての価値がある。特に、本開示の化合物は、固体および/または液体腫瘍疾患を封じ込め、および/または治療する際の抗増殖剤、アポトーシス剤および/または抗侵襲剤としての価値がある。特に、本開示の化合物は、ATRの阻害に感受的である、それらの腫瘍の予防または治療において有用であると考えられる。さらには、本開示の化合物は、ATRが単独でまたは一部で介在する、それらの腫瘍の予防または治療において有用であると考えられる。かくして、該化合物は、そのような治療を必要とする温血動物においてATR酵素阻害作用を惹起するために使用されてもよい。
【0129】
本明細書で示されるように、ATRキナーゼの阻害剤は、がんなどの増殖性疾患、特にがん腫および肉腫などの充実性腫瘍、および白血病およびリンパ性悪性腫瘍の治療に、特に乳房、結腸直腸、肺(小細胞肺がん、非小細胞肺がんおよび気管支肺胞がんを含む)および前立腺のがん、および胆管、骨、膀胱、頭頚部、腎臓、肝臓、胃腸組織、食道、卵巣、膵臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、子宮頸および外陰のがん、ならびに白血病[急性リンパ性白血病(ALL)および慢性骨髄性白血病(CML)を含む]、多発性骨髄腫およびリンパ腫を治療するための治療価値があるはずである。
【0130】
従って、患者のがんを治療するのに有用である抗がん作用には、限定されないが、抗腫瘍作用、奏効率、疾患進行までの時間、生存率の向上が含まれる。本開示の治療方法の抗腫瘍作用には、限定されないが、腫瘍増殖の阻害、腫瘍増殖の遅れ、腫瘍の退行、腫瘍の縮小、治療を中止した際に腫瘍が再増殖するまでの時間の増加、疾患進行の遅さが含まれる。抗がん作用は、予防的治療ならびに現存する疾患の治療を包含する。
【0131】
ATRキナーゼ阻害剤またはその医薬的に許容される塩はまた、限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病などのリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(マントル細胞リンパ腫を含む)、および骨髄異形成症候群などの血液悪性腫瘍、ならびにまた、乳がん、肺がん(非小細胞肺がん(NSCL)、小細胞肺がん(SCLC)、扁平上皮がん)、子宮内膜がん、神経膠腫、異形成神経上皮腫瘍、多形膠芽腫、混合神経膠腫、髄芽腫、網膜芽腫、神経芽腫、胚腫および奇形腫などの中枢神経系の腫瘍、胃がん、食道がん、肝細胞(肝臓)がん、胆管がん、結腸直腸がん、小腸がんなどの消化管のがん、膵臓がん、メラノーマ(特に転移性メラノーマ)などの皮膚がん、甲状腺がん、頭頚部がん、および唾液腺、前立腺、精巣、卵巣、子宮頸部、子宮、陰核部、膀胱、腎臓(腎細胞がん、淡明細胞がんおよび腎膨大細胞腫を含む)、扁平上皮がん、骨肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、軟組織肉腫、ユーイング肉腫、消化管間質肉腫(GIST)、カポジ肉腫、ならびに横紋筋肉腫および神経芽腫などの小児がん等の充実性腫瘍およびその転移を含む、がんの患者を治療するのにも有用であり得る。
【0132】
本開示の化合物、およびATRキナーゼ阻害剤またはその医薬的に許容される塩の投与または使用を含む治療方法は、肺がん、前立腺がん、メラノーマ、卵巣がん、乳がん、子宮内膜がん、腎臓がん、胃がん、肉腫、頭頚部がん、中枢神経系腫瘍、およびそれらの転移の患者の治療に、また急性骨髄性白血病の患者の治療にも、特に有用であると考えられる。
【0133】
本開示の化合物の効果的な用量は、通常、単回または複数回の投与にて、患者の体重1kgに付き、0.01mg~50mgの化合物での、あるいはまた患者の体重1kgに付き、0.1mg~25mgの化合物での平均日用量である。一般に、本開示の化合物は、この治療を必要とする患者に、患者当たり約1mg~約3500mgの範囲、あるいはまた10mg~1000mgの範囲の日用量で投与され得る。例えば、患者当たりの日用量は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900または1000mgであり得る。それは、1日に1回または複数回、毎週(または数日間隔で)、あるいは間欠スケジュールで投与され得る。例えば、週単位で(例えば、月曜毎に)、該化合物は、1日に1回または複数回、変動的には数週間、例えば4~10週間にわたって投与され得る。あるいは、該化合物を、数日間(例えば、2~10日間)にわたって毎日投与し、ついで数日間(例えば、1~30日間)は該化合物を投与せず、そのサイクルを恣意的に繰り返すか、または所定の回数、例えば、4~10サイクル繰り返す。例えば、本開示の化合物は、5日間毎日投与され、ついで9日間中断し、次に5日間投与され、ついで9日間中断するなどで投与され、そのサイクルを恣意的に繰り返すか、または合計で4~10回繰り返すことができる。
【0134】
併用療法
本明細書で定義される治療は単独療法として適用されてもよく、または本開示の化合物に加えて、従来の手術または放射線療法もしくは化学療法を含んでもよい。従って、本開示の化合物はまた、がんの治療用の既存する治療剤と組み合わせて使用され得る。
【0135】
組み合わせて使用されるのに適する薬剤には、
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソ尿素)などの腫瘍内科にて使用されるような、抗増殖/抗腫瘍薬およびその組み合わせ;抗代謝薬(例えば、5-フルオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素およびゲムシタビンなどの抗葉酸剤;抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシンおよびミスラマイシンのようなアントラサイクリン剤);抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイド、ならびにパクリタキセルおよびタキソテールのようなタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アンサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン);
【0136】
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)、およびフィナステリドなどの5α-レダクターゼ阻害剤;
【0137】
(iii) 抗浸潤剤(例えば、AZD0530およびダサチニブのようなc-Srcキナーゼファミリー阻害剤)、およびマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体の機能の阻害剤;
【0138】
(iv)成長因子の機能の阻害剤:例えば、そのような阻害剤には、成長因子抗体および成長因子受容体抗体(例えば、抗-erbB2抗体 トラスツズマブ[ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)]および抗-erbBl抗体 セツキシマブ[C225])が含まれる;かかる阻害剤はまた、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびCI 1033などのEGFRファミリー チロシンキナーゼ阻害剤;およびラパチニブなどのerbB2 チロシンキナーゼ阻害剤)、肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤;イマチニブなどの血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などのRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えば、ソラフェニブ(BAY 43-9006))およびMEKおよび/またはAktキナーゼを介する細胞シグナル伝達の阻害剤を包含する;
【0139】
(v)血管内皮成長因子の作用を阻害する剤、例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体 ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(登録商標))およびZD6474、AZD2171、バタラニブおよびスニチニブなどのVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、ならびに他の作用機序によって働く化合物(例えば、リノミド、インテグラルαvβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン)などの抗血管形成剤;
(vi)コンブレタスタチンなどの血管損傷剤;
(vii)アンチセンス治療剤、例えば、ISIS 2503などの上記に列挙した標的に向けられる治療剤;
【0140】
(viii)異常p53または異常BRCAlまたはBRCA2などの異常遺伝子を置き換える方法、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いる方法などのGDEPT方法(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)、および多剤耐性遺伝子療法などの化学療法または放射線療法に対して患者の耐性を高める方法を含む、遺伝子療法;および
【0141】
(ix)インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインを用いるトランスフェクションなどの、患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるエクスビボおよびインビボでの方法、T細胞アネルギーを減らす方法、サイトカイン導入性樹状細胞などのトランスフェクト免疫細胞を用いる方法、サイトカイン導入性腫瘍細胞株を用いる方法、および抗イディオ型抗体を用いる方法が含まれる。
【0142】
実施例
本明細書にて使用される材料または試剤は、商業的に利用可能であるか、当該分野において一般的に知られている合成方法により製造される。次の反応経路は、本開示の化合物の特定の合成方法を実例を挙げて示す。
【0143】
詳細は次の通りである:
重要な中間体 a1-a27の製造:
【化19】
【0144】
反応フラスコに、2,4,6-トリクロロピリミジン(13.74ミリモル、2.5g)、(R)-2-メチルモルホリン(13.8ミリモル、1.4g)およびDIPEA(30ミリモル、3.87g)を添加した。混合物を50mLのアセトニトリルを添加することで溶かした。該混合物を90℃で2時間反応させた。反応を停止させ、該反応溶液をロータリーエバポレーションに付して溶媒を除去した。50mLの水を加え、該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a1(2.3g、収率:68%)を得た。LC-MS:[M+H]:248
【化20】
【0145】
反応フラスコに、4-ブロモ-7-アザインドール a2-1(25.5ミリモル、5g)およびp-トルエンスルホニルクロリド(38.25ミリモル、7.27g)を氷浴下にて添加した。混合物を100mLの無水テトラヒドロフランを添加することで溶かし、60%NaH(30ミリモル、1.2g)をゆっくりと添加した。該混合物を室温で6時間反応させた。反応を停止させ、50mLの水をゆっくりと添加した。該混合物をロータリーエバポレーションに付し、有機溶媒を除去し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a2-2(9.0g、定量的収率)を得た。LC-MS:[M+H]:350
【0146】
窒素保護の下で、中間体 a2-2(25.5ミリモル、9.0g)およびビス(ピナコラト)ジボロン(30.6ミリモル、7.77g)を1,4-ジオキサンに溶かし、酢酸カリウム(51ミリモル、5g)およびPd(dppf)Cl(2.5ミリモル、1.83g)を添加した。該混合物を90℃で12時間反応させた。反応を停止させた。該混合物を濾過し、ロータリーエバポレーションに付し、有機溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a2(10.0g、収率:98%)を得た。LC-MS:[M+H]:399
【0147】
次の中間体を中間体 a2を参考にして合成した:
【表1】
【化21】
【0148】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジメチル-4-ブロモ-1H-ピラゾール a4-2(2.85ミリモル、500mg)、3-ブロモピリジン a4-1(3.42ミリモル、541mg)、リン酸カリウム(5.7ミリモル、1.24g)およびCuI(1.42ミリモル、211mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次に(1S,2S)-トランス-シクロヘキサンジアミン(2.85ミリモル、325mg)をゆっくりと加えた。該混合物をマイクロ波で処理して150℃に加熱し、1時間反応させ、ついで反応を停止させた。40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a4-3(400mg、収率:56%)を得た。LC-MS:[M+H]:253
【0149】
中間体 a4-3(1.38ミリモル、350mg)およびイソプロポキシボロン酸ピナコール環状エステル(4.14ミリモル、0.8mL)を、窒素保護の下で-78℃にて15mLの無水THFに溶かした。ブチルリチウム(1.38mL、2.5M)を滴下して加え、該混合物を別に2時間撹拌した。該反応混合物を50mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、粗中間体 a4を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:300
【0150】
次の中間体を中間体 a4を参考にして合成した:
【表2】
【表3】
【化22】
【0151】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジメチル-4-ブロモ-1H-ピラゾール a4-2(1.71ミリモル、300mg)、3-フルオロ-4-ブロモ-ピリジン a16-1(2.05ミリモル、361mg)、炭酸セシウム(3.42ミリモル、1.11g)およびCuI(0.86ミリモル、164mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にN,N-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.86ミリモル、123mg)をゆっくりと加えた。該混合物をマイクロ波で処理して140℃に加熱し、50分間反応させ、次に反応を停止させた。40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a16-2(60mg、収率:13%)を得た。LC-MS:[M+H]:271
【0152】
中間体 a16-2(0.22ミリモル、60mg)およびイソプロポキシボロン酸ピナコール環状エステル(0.66ミリモル、0.14mL)を窒素保護の下で-78℃にて8mLの無水THFに溶かした。ブチルリチウム(0.18mL、2.5M)を滴下して加え、該混合物を別に2時間撹拌した。該反応混合物を20mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、150mgの粗中間体 a16を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:318
【0153】
次の中間体を中間体 a16を参考にして合成した:
【表4】
【化23】
【0154】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジメチル-4-ブロモ-1H-ピラゾール a4-2(2ミリモル、350mg)、3-クロロ-ピリダジン a18-1(2.4ミリモル、178mg)、リン酸カリウム(4ミリモル、873mg)およびCuI(1ミリモル、190mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にN,N-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(1ミリモル、142mg)をゆっくりと加えた。該混合物をマイクロ波で処理して140℃に加熱し、1時間反応させ、ついで反応を停止させた。40mLの水を添加した。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a18-2(150mg、収率:30%)を得た。LC-MS:[M+H]:254
【0155】
窒素保護の下で、中間体 a18-2(0.9ミリモル、230mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.08ミリモル、274mg)、DIEA(1.8ミリモル、232mg)およびPd(Amphos)Cl(0.09ミリモル、64mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLの2-Me-THFとMeOHとの混合液(1/1、v/v)に溶かした。該混合物をマイクロ波で処理して100℃に加熱し、1時間反応させ、ついで反応を停止させた。該混合物を濾過した。30mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、粗中間体 a18を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:301
【0156】
次の中間体を中間体 a18を参考にして合成した:
【表5】
【化24】
【0157】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジブロモピリジン a20-1(6.33ミリモル、1.5g)、1-(トリメチルシリル)プロピン a20-2(6.65ミリモル、0.98mL)、Pd(PPh(0.33ミリモル、384mg)およびCuI(1.89ミリモル、362mg)を反応フラスコに加え、13mLのテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合液(v/v、3/1)に溶かした。該混合物を10分間撹拌し、次にTBAF(6.64ミリモル、1.82mL)を添加した。該混合物を60℃に加熱し、2時間反応させ、次に反応を停止させた。60mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a20-3(900mg、収率:73%)を得た。LC-MS:[M+H]:197を得た
【0158】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジメチル-4-ブロモ-1H-ピラゾール a4-2(1.14ミリモル、200mg)、中間体 a20-3(1.37ミリモル、269mg)、リン酸カリウム(2.28ミリモル、498mg)およびCuI(0.57ミリモル、109mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にN,N-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.92ミリモル、130mg)をゆっくりと加えた。該混合物をマイクロ波で処理して100℃に加熱し、12時間反応させ、次に反応を停止させた。40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a20-4(150mg、収率:45%)を得た。LC-MS:[M+H]:291
【0159】
中間体 a20-4(0.52ミリモル、150mg)およびイソプロポキシボロン酸ピナコール環状エステル(1.29ミリモル、0.27mL)を窒素保護の下で-78℃にて12mLの無水THFに溶かした。ブチルリチウム(0.63mL、2.5M)を滴下して加え、該混合物を別に2時間撹拌した。該反応混合物を30mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、粗中間体 a20を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:338
【化25】
【0160】
窒素保護の下で、原材料の5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-4-ブロモ-1H-ピラゾール a24-1(2.62ミリモル、600mg)、3-フルオロ-5-ブロモ-ピリジン a12-1(3.14ミリモル、553mg)、リン酸カリウム(5.24ミリモル、1.14g)およびCuI(1.31ミリモル、250mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、15mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にN,N-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(2.1ミリモル、298mg)をゆっくりと加えた。該混合物を100℃に加熱し、12時間反応させ、次に反応を停止させた。該混合物を濾過した。50mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a24-2(900mg、定量的収率)を得た。LC-MS:[M+H]:325
【0161】
中間体 a24-2(1.38ミリモル、450mg)およびイソプロポキシボロン酸ピナコール環状エステル(3.46ミリモル、0.73mL)を窒素保護の下で-78℃にて15mLの無水THFに溶かした。ブチルリチウム(1.67mL、2.5M)を滴下して加え、該混合物を別に1時間撹拌した。該反応混合物を30mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、粗中間体 a24を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:372
【化26】
【0162】
窒素保護の下で、原材料の5-ブロモピリジン-3-カルボキシアルデヒド(2.69ミリモル、500mg)を8mLのジクロロメタンに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にEt2NSF(3.2ミリモル、0.429mL)をゆっくりと加えた。反応を室温で5時間実施させ、ついで停止させた。系を氷浴下に置き、30mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加えた。該混合物をジクロロメタンで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a25-1(150mg、収率:27%)を得た。LC-MS:[M+H]:209
【0163】
窒素保護の下で、原材料の3,5-ジメチル-4-ブロモ-1H-ピラゾール a4-2(2.9ミリモル、500mg)、中間体 a25-1(2.4ミリモル、500mg)、リン酸カリウム(4.8ミリモル、1g)およびCuI(0.48ミリモル、91mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。該混合物を5分間撹拌し、次にN,N-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(1ミリモル、142mg)をゆっくりと加えた。該混合物をマイクロ波で処理して110℃に加熱し、1時間反応させ、ついで反応を停止させた。40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水NaSO上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 a25-2(180mg、収率:25%)を得た。LC-MS:[M+H]:303
【0164】
中間体 a25-2(0.6ミリモル、180mg)およびイソプロポキシボロン酸ピナコール環状エステル(0.9ミリモル、166mg)を窒素保護の下で-78℃にて6mLの無水THFに溶かした。ブチルリチウム(0.48mL、2.5M)を滴下して加え、該混合物を別に2時間撹拌した。該反応混合物を20mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、210mgの粗中間体 a25を得、それを次の反応工程に直接使用した。LC-MS:[M+H]:350
【0165】
重要な中間体 b1-b8の合成:
【化27】
【0166】
窒素保護の下で、中間体 a1(4ミリモル、1.0g)および中間体 a2(6ミリモル、2.4g)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸ナトリウム(8ミリモル、848mg)およびPd(dppf)Cl(0.4ミリモル、293mg)を添加し、該混合物を加熱して還流させ、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過し、ロータリーエバポレーションに付し、有機溶媒を除去した。水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b1(700mg)を得た。収率:36%、LC-MS:[M+H]:484
【0167】
次の化合物を中間体 b1を参考にして合成した:
【表6】
【化28】
【0168】
中間体 a1(2.02ミリモル、500mg)および原材料の2-アミノベンズイミダゾール b2-1(2.11ミリモル、282mg)をマイクロ波反応フラスコに加え、10mLのDMFに溶かした。炭酸セシウム(4.03ミリモル、1.3g)を加え、該混合物を100℃でマイクロ波にて1.5時間反応させた。反応を停止させ、40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b2(600mg、収率:86%)を得た。LC-MS:[M+H]:345
【化29】
【0169】
中間体 a1(40.3ミリモル、10g)および原材料 2-ニトロ-アニリン b3-1(48.4ミリモル、6.68g)を反応フラスコに加え、100mLのDMAに溶かした。ナトリウムtert-ブトキシド(81ミリモル、7.74g)を加え、該混合物を90℃で12時間反応させた。反応を停止させ、300mLの水を加えた。該混合物を濾過し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、中間体 b3-2(16g、粗製物)を得た。LC-MS:[M+H]:350
【0170】
粗中間体 b3-2(16g)、還元鉄粉末(228.7ミリモル、12.8g)および塩化アンモニウム(228.7ミリモル、12.2g)を該反応フラスコに加え、該混合物を200mLのエタノールおよび20mLの水に溶かした。該混合物を80℃で1.5時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を吸引濾過に付した。濾液を減圧下で蒸発させて溶媒を除去し、200mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、中間体 b3-3(12.5g、粗製物)を得た。LC-MS:[M+H]:320
【0171】
中間体 b3-3(6.25ミリモル、2.0g)を反応フラスコに加え、20mLのピリジンに溶かした。メチル イソチオシアネート(7.5ミリモル、548mg)をゆっくりと加え、該混合物を90℃で0.5時間反応させた。該混合物を室温に冷却し、EDCI(9.38ミリモル、1.8g)を加えた。該混合物を90℃に加熱し、一夜反応させた。次に反応を停止させた。100mLの水を系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b3(1.2g、収率:54%)を得た。LC-MS:[M+H]:359
【化30】
【0172】
窒素保護の下で、中間体 a1(0.8ミリモル、200mg)および原材料のインドール-4-イルボロン酸ピナコール環状エステル b5-1(0.88ミリモル、214mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かし、炭酸カリウム(1.6ミリモル、221mg)およびPd(dppf)Cl(0.08ミリモル、59mg)を加えた。該混合物を110℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b5(50mg)を得た。収率:19%、LC-MS:[M+H]:329
【0173】
以下の化合物を中間体 b5を参考にして合成した:
【表7】
【化31】
【0174】
中間体 b3-3(39.4ミリモル、12.6g)、トリエチルアミン(197ミリモル、19.9g)およびカルボニルジイミダゾール(197ミリモル、31.9g)を反応フラスコに加え、80mLのテトラヒドロフランに溶かした。該混合物を60℃に加熱し、2時間反応させ、ついで反応を停止させた。200mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を該系に添加した。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b7-1(8.0g、収率:59%)を得た。LC-MS:[M+H]:346
【0175】
酸化リン・トリブロミド(17.35ミリモル、4.97g)を50mLの酢酸エチルに溶かし、中間体 b7-1(5.78ミリモル、2.0g)およびトリエチルアミン(17.35ミリモル、1.75g)をゆっくりと添加した。該反応溶液を90℃に加熱し、20時間反応させた。反応を停止させた。該系を氷浴下に置き、100mLの氷水をゆっくりと該系に添加し、反応をクエンチさせた。そのpHを炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で約8.0に調整した後、該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b7-2(1.2g、収率:51%)を得た。LC-MS:[M+H]:409
【0176】
中間体 b7-2(1.47ミリモル、600mg)、トリエチルアミン(2.94ミリモル、298mg)および2-アミノエタノール(2.20ミリモル、134mg)を反応フラスコに加え、10mLのテトラヒドロフランに溶かした。該混合物を60℃に加熱し、6時間反応させた。反応を停止させた。50mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 b7(420mg、収率:74%)を得た。LC-MS:[M+H]:389


【0177】
重要な中間体 c1の製造:
【化32】
【0178】
原材料のc1-1(5ミリモル、1.05g)を15mLのフルオロベンゼンに窒素保護の下にて-5℃で溶かした。ジエチル亜鉛(12.5mL、25ミリモル、トルエン中2N)およびクロロヨードメタンのフルオロベンゼン中溶液(4.4g/1.8mL、25ミリモル、3回に分けて)をゆっくりと添加し、その混合物を室温で12時間反応させた。該系を氷浴下に置き、該反応を40mLの塩化アンモニウム飽和水溶液を添加することでクエンチさせた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 c1-2(730mg)を得た。収率:65%
【0179】
窒素保護の下で、中間体 c1-2(3.23ミリモル、730mg)を16mLのメタノール/アセトニトリルの混合液(1/1、v/v)に溶かし、KFの水中溶液(749mg/3mL)をゆっくりと添加した。該系を10分間撹拌し、次にL-酒石酸(6.46ミリモル、968mg)およびテトラヒドロフラン(350μL)を添加した。該混合物を室温で別途1.5時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。濾液を濃縮して中間体 c1-3(600mg、粗製物)を得た。収率:90%
【0180】
窒素保護の下で、中間体 c1-3(7.4ミリモル、1.5g)、炭酸セシウム(22.2ミリモル、7.2g)および2,4,6-トリクロロピリミジン(7.4ミリモル、1.35g)を36mLのトルエン/水の混合液(5/1、v/v)に溶かし、Pd(dppf)Cl(0.74ミリモル、540mg)を加えた。該系を110℃に加熱し、一夜反応させた。反応を停止させた。該混合物を濾過し、濃縮してフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、中間体 c1を黄色の油として得た(500mg)。収率:27%、LC-MS:[M+H]:246
【0181】
実施例1:
【化33】
【0182】
窒素保護の下で、中間体 b6(0.37ミリモル、130mg)および中間体 a9(0.56ミリモル、185mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(0.75ミリモル、104mg)およびPd(dppf)Cl(0.04ミリモル、28mg)を添加した。該混合物を90℃に加熱し、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。40mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物A1(24mg、収率:13%)を得た。LC-MS:[M+H]:514
【0183】
次の化合物を実施例1の経路を参考にして合成した。
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0184】
実施例2:
【化34】
【0185】
窒素保護の下で、中間体 b3(0.23ミリモル、84mg)および中間体 a12(0.35ミリモル、粗製物)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(0.46ミリモル、64mg)およびPd(dppf)Cl(0.024ミリモル、17mg)を添加した。該混合物を90℃に加熱し、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。40mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B1(24mg、収率:21%)を得た。LC-MS:[M+H]:514
【0186】
次の化合物を実施例2の経路を参考にして合成した:
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0187】
実施例3:
【化35】
【0188】
窒素保護の下で、中間体 b5(1.36ミリモル、450mg)および中間体 a12(2.04ミリモル、粗製物)を20mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(2.72ミリモル、376mg)およびPd(dppf)Cl(0.14ミリモル、100mg)を加えた。該混合物を90℃に加熱し、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。50mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A17(183mg、収率:28%)を得た。LC-MS:[M+H]:484
【0189】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.24(s,1H)、8.77-8.75(m,1H)、8.70(dd,J=2.6、0.5Hz,1H)、8.16(dd,J=7.5、1.0Hz,1H)、8.12(ddd,J=9.8、2.6、2.1Hz,1H)、7.54(t,J=0.9Hz,1H)、7.46-7.43(m,1H)、7.36(dq,J=2.1、1.0Hz,1H)、7.20(t,J=7.8Hz,1H)、6.68(s,1H)、4.59(d,J=6.4Hz,1H)、4.25(d,J=12.8Hz,1H)、4.03(dd,J=11.4、3.6Hz,1H)、3.82(d,J=11.3Hz,1H)、3.71(dd,J=11.3、3.1Hz,1H)、3.61-3.51(m,1H)、3.31-3.25(m,1H)、2.63(s,3H)、2.49(s,3H)、1.31(d,J=6.7Hz,3H)
【0190】
実施例4:
【化36】
【0191】
窒素保護の下で、中間体 b1(0.4ミリモル、194mg)および中間体 a22(0.6ミリモル、粗製物)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(0.8ミリモル、110mg)およびPd(dppf)Cl(0.04ミリモル、30mg)を添加した。該混合物を100℃に加熱し、1時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。その有機溶媒を減圧下で蒸発させることで除去した。40mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、粗化合物 A18-1(300mg)を得た。LC-MS:[M+H]:656
【0192】
化合物 A18-1(300mg)を10mLのTHF/MeOHの混合液(v/v、1:1)に溶かし、炭酸セシウム(0.92ミリモル、299mg)を加えた。該混合物を70℃で1時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、分取性クロマトグラフィーに付して分離し、標的とする化合物 A18(71mg、2工程の全体収率:36%)を得た。LC-MS:[M+H]:501
【0193】
次の化合物を実施例4の経路を参考にして合成した:
【表20】
【表21】
【0194】
実施例5:
【化37】
【0195】
窒素保護の下で、中間体 b3(0.28ミリモル、100mg)および中間体 a23(0.34ミリモル、212mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(0.84ミリモル、116mg)およびPd(dppf)Cl(0.028ミリモル、20mg)を添加した。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B9-1(70mg、収率:43%)を得た。LC-MS:[M+H]:602
【0196】
化合物B9-1(0.25ミリモル、150mg)を8mLのメタノールに溶かし、3mLの濃塩酸を加えた。該混合物を65℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させた。該反応溶液を氷浴下に置き、NaHCO飽和水溶液を該系にゆっくりと添加した。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B9(108mg、収率:85%)を得た。LC-MS:[M+H]:512
【0197】
次の化合物を実施例5の経路を参考にして合成した:
【表22】
【0198】
実施例6:B10
【化38】
【0199】
化合物 B4(0.057ミリモル、30mg)を6mLの水とアセトニトリルとの混合液(v/v、5/1)に溶かし、二酸化マンガン(0.115ミリモル、10mg)を加えた。該混合物を90℃に加熱し、10時間反応させた。反応を停止させた。該混合物を濾過し、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物B10(20mg、収率:65%)を得た。LC-MS:[M+H]:539
【0200】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 9.11(d,J=1.8Hz,1H)、9.00(d,J=2.4Hz,1H)、8.63(q,J=4.7Hz,1H)、8.42(t,J=2.1Hz,1H)、8.33(s,1H、(C=O)NH)、8.23(d,J=7.1Hz,1H)、7.79(s,1H、(C=O)NH)、7.27(d,J=7.9Hz,1H)、7.10(t,J=8.0Hz,1H)、7.01(t,J=7.3Hz,1H)、6.72(s,1H)、4.52(s,1H)、4.13(d,J=11.2Hz,1H)、4.05(d,J=7.3Hz,1H)、3.83(d,J=12.1Hz,1H)、3.76-3.68(m,1H)、3.64-3.52(m,1H)、3.43-3.35(m,1H)、3.10(d,J=4.8Hz,3H)、2.56(s,3H)、2.46(s,3H)、1.34(d,J=6.8Hz,3H)
【0201】
実施例7:B11
【化39】
【0202】
窒素保護の下で、中間体 b7(0.38ミリモル、150mg)および中間体 a12(0.77ミリモル、247mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(1.16ミリモル、160mg)およびPd(dppf)Cl(0.077ミリモル、56mg)を添加した。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B11(94mg、収率:46%)を得た。LC-MS:[M+H]:544
【0203】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.83(t,J=5.5Hz,1H)、8.75(dd,J=1.7、1.1Hz,1H)、8.72(dd,J=2.6、0.4Hz,1H)、8.28-8.24(m,1H)、8.09(ddd,J=9.7、2.6、2.1Hz,1H)、7.27-7.24(m,1H)、7.10(td,J=7.6、1.2Hz,1H)、7.03-6.97(m,1H)、6.71(s,1H)、4.92(t,J=5.0Hz,1H)、4.51(s,1H)、4.14(d,J=13.6Hz,1H)、4.03(dd,J=11.3、3.6Hz,1H)、3.81(d,J=11.5Hz,1H)、3.74-3.63(m,3H)、3.63-3.52(m,3H)、3.37(dd,J=13.0、3.8Hz,1H)、2.58(s,3H)、2.45(s,3H)、1.32(d,J=6.7Hz,3H)
【0204】
実施例8:A22
【化40】
【0205】
窒素保護の下で、中間体 b8(0.57ミリモル、220mg)および中間体 a12(0.85ミリモル、270mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(1.71ミリモル、256mg)およびPd(dppf)Cl(0.114ミリモル、84mg)を加えた。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A22-1(260mg、収率:85%)を得た。LC-MS:[M+H]:542
【0206】
化合物 A22-1(0.29ミリモル、160mg)を、窒素保護の下で、氷浴下にて5mLの無水テトラヒドロフランに溶かした。リチウムテトラヒドロアルミニウム(0.3mL、2.5M)をゆっくりと添加し、該混合物を氷浴下にて3時間反応させた。反応を停止させ、10mLのメタノールおよび50mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A22(57mg、収率:39%)を得た。LC-MS:[M+H]:514
【0207】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.18(s,1H)、8.76(t,J=1.7Hz,1H)、8.71(d,J=2.6Hz,1H)、8.12(m,2H)、7.50(d,J=1.3Hz,1H)、7.40(t,J=2.8Hz,1H)、7.31(q,J=1.8、0.9Hz,1H)、6.68(s,1H)、5.16(t,J=5.7Hz,1H)、4.65(d,J=5.8Hz,2H)、4.58(s,1H)、4.26(d,J=13.1Hz,1H)、4.08-4.01(m,1H)、3.83(d,J=11.4Hz,1H)、3.71(dd,J=11.4、3.1Hz,1H)、3.60-3.53(m,1H)、3.28(m,1H)、2.63(s,3H)、2.49(s,3H)、1.31(d,J=6.7Hz,3H)
【0208】
実施例9:B12
【化41】
【0209】
窒素保護の下で、中間体 b3(0.58ミリモル、200mg)および中間体 a12(1.45ミリモル、460mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(1.16ミリモル、160mg)およびPd(dppf)Cl(0.058ミリモル、43mg)を加えた。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよび分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B12(71mg、収率:25%)を得た。LC-MS:[M+H]:500
【0210】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 8.76-8.74(m,1H)、8.72(d,J=2.6Hz,1H)、8.20(d,J=7.8Hz,1H)、8.14-8.09(m,1H)、7.74(br,2H)、7.19(s,1H)、7.09(td,J=7.5、1.1Hz,1H)、6.99(td,J=7.8、1.2Hz,1H)、6.71(s,1H)、4.49(s,1H)、4.12(d,J=12.2Hz,1H)、4.07-4.00(m,1H)、3.82(d,J=11.3Hz,1H)、3.71(dd,J=12.1、3.2Hz,1H)、3.61-3.52(m,1H)、3.38(dd,J=12.8、4.4Hz,1H)、2.55(s,3H)、2.43(s,3H)、1.33(d,J=6.8Hz,3H)
【0211】
実施例10:A23
【化42】
【0212】
窒素保護の下で、中間体 b5(0.46ミリモル、150mg)および中間体 a26(0.68ミリモル、277mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(1.37ミリモル、189mg)およびPd(dppf)Cl(0.09ミリモル、67mg)を添加した。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A23-1(160mg、収率:62%)を得た。LC-MS:[M+H]:572
【0213】
窒素保護の下で、化合物 A23-1(0.10ミリモル、60mg)を5mLのメタノールと酢酸エチルとの混合液(v/v、3/2)に溶かした。Pd/C(10mg)を加えた。該混合物を50℃に加熱し、1時間反応させた。反応を停止させた。該混合物を濾過し、分取性クロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A23(30mg、収率:63%)を得た。LC-MS:[M+H]:482
【0214】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.25(s,1H)、10.50(br,1H)、8.27(d,J=2.1Hz,1H)、8.21(d,J=2.5Hz,1H)、8.16(dd,J=7.6、1.0Hz,1H)、7.53(d,J=8.0Hz,1H)、7.44(t,J=2.7Hz,1H)、7.37(t,J=2.3Hz,2H)、7.20(t,J=7.8Hz,1H)、6.69(s,1H)、4.59(s,1H)、4.25(d,J=13.3Hz,1H)、4.03(dd,J=11.0、3.6Hz,1H)、3.82(d,J=11.4Hz,1H)、3.71(dd,J=11.3、3.1Hz,1H)、3.60-3.53(m,1H)、3.27(m,1H)、2.58(s,3H)、2.48(s,3H)、1.30(d,J=6.7Hz,3H)
【0215】
実施例11:C1
【化43】
【0216】
-50℃で、塩化シアヌル(110ミリモル、1.97g)およびDIPEA(210ミリモル、2.76g)を70mLのジクロロメタンに溶かし、(R)-2-メチルモルホリン(110ミリモル、1.08g)をゆっくりと滴下して加えた。該混合物を-50℃で1時間撹拌し、ついで50mLの1N HCl水溶液を添加することで該反応物をクエンチさせた。該混合物をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて濾過した。溶媒をロータリーエバポレーションに付して除去し、C1-1(2.5g、収率:92%)を得た。LC-MS:[M+H]:249
【0217】
窒素保護の下で、C1-1(0.4ミリモル、100mg)、中間体 b5-1(0.8ミリモル、195mg)、炭酸カリウム(1.2ミリモル、166mg)およびPd(PPh(0.04ミリモル、46mg)を5mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。該混合物を80℃に加熱し、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。減圧下で蒸発させることで有機溶媒を除去した。水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 C1-2(100mg、収率:76%)を得た。LC-MS:[M+H]:330
【0218】
窒素保護の下で、C1-2(0.68ミリモル、224mg)、中間体 a12(0.82ミリモル、259mg)、炭酸カリウム(2.04ミリモル、281mg)およびPd(dppf)Cl(0.068ミリモル、50mg)を5mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。20mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 C1(200mg、収率:61%)を得た。LC-MS:[M+H]:485
【0219】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.41(s,1H)、8.77(t,J=1.6Hz,1H)、8.74(d,J=2.6Hz,1H)、8.29(dd,J=7.6、1.0Hz,1H)、8.16(m,1H)、7.65(dd,J=8.0、1.0Hz,1H)、7.53(t,J=2.8Hz,1H)、7.36(m,1H)、7.26(t,J=7.8Hz,1H)、4.87(d,J=45.2Hz,1H)、4.52(d,J=38.4Hz,1H)、4.05(s,1H)、3.84(d,J=11.5Hz,1H)、3.70(d,J=11.0Hz,1H)、3.59-3.50(m,1H)、3.40(s,1H)、2.83(s,3H)、2.66(s,3H)、1.36(s,3H)
【0220】
実施例12:C2
【化44】
【0221】
窒素保護の下で、中間体 c1(1.37ミリモル、335mg)、中間体 a12(1.51ミリモル、684mg)、炭酸ナトリウム(4.11ミリモル、435mg)およびPd(dppf)Cl(0.14ミリモル、100mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。減圧下で蒸発させることで有機溶媒を除去した。水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 C2-1(500mg、収率:91%)を得た。LC-MS:[M+H]:400
【0222】
窒素保護の下で、中間体 C2-1(0.3ミリモル、120mg)、中間体 b6-1(0.36ミリモル、93mg)、炭酸カリウム(0.9ミリモル、120mg)およびPd(dppf)Cl(0.03ミリモル、21mg)を5mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。20mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 C2(30mg、収率:21%)を得た。LC-MS:[M+H]:499
【0223】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.40(s,1H)、8.78(t,J=1.6Hz,1H)、8.73(d,J=2.5Hz,1H)、8.15(dt,J=9.7、2.4Hz,1H)、8.00(dd,J=11.5、2.5Hz,1H)、7.51(t,J=2.8Hz,1H)、7.41-7.35(m,3H)、4.01(dd,J=11.4、4.6Hz,1H)、3.92(dd,J=11.4、1.6Hz,1H)、3.67-3.61(m,1H)、3.50-3.44(m,1H)、2.77(dd,J=13.9、5.2Hz,1H)、2.66(s,3H)、2.53(s,3H)、2.15-2.08(m,1H)、2.06-2.01(m,1H)、1.61(m,1H)、1.27(m,1H).
【0224】
実施例13:C3
【化45】
【0225】
窒素保護の下で、化合物 C2-1(0.3ミリモル、120mg)、中間体 b5-1(0.36ミリモル,90mg)、炭酸カリウム(0.9ミリモル、120mg)およびPd(dppf)Cl(0.03ミリモル、21mg)を5mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。該混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。20mLの水を加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 C3(30mg、収率:22%)を得た。LC-MS:[M+H]:481
【0226】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.32(s,1H)、8.78(t,J=1.6Hz,1H)、8.73(d,J=2.6Hz,1H)、8.24(dd,J=7.6、1.0Hz,1H)、8.15(dt,J=9.7、2.4Hz,1H)、7.58(dd,J=8.0、1.0Hz,1H)、7.49(t,J=2.8Hz,1H)、7.40-7.37(m,1H)、7.32(s,1H)、7.24(t,J=7.8Hz,1H)、4.01(dd,J=11.3、4.6Hz,1H)、3.92(dd,J=11.3、1.5Hz,1H)、3.65(dd,J=11.3、5.5Hz,1H)、3.50-3.44(m,1H)、2.80-2.74(m,1H)、2.66(s,3H)、2.53(s,3H)、2.16-2.09(m,1H)、2.06-2.00(m,1H)、1.61(m,1H)、1.27-1.24(m,1H)
【0227】
実施例14:A24
【化46】
【0228】
窒素保護の下で、中間体 b5(0.43ミリモル、140mg)および中間体 a10(0.86ミリモル、粗製物)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(0.86ミリモル、119mg)およびPd(dppf)Cl(0.04ミリモル、30mg)を添加した。該混合物を90℃に加熱し、12時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 A24-1(150mg、収率:71%)を得た。LC-MS:[M+H]:491
【0229】
上記の工程での中間体 A24-1を10mLの水とアセトニトリルとの混合液(v/v=4/1)に溶かし、二酸化マンガン(0.62ミリモル、54mg)を加えた。該混合物を90℃に加熱し、10時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を室温に冷却した。該混合物を酢酸エチルで抽出し、分取性クロマトグラフィーに付して分離し、標的とする化合物 A24(10mg、収率:7%)を得た。LC-MS:[M+H]:509
【0230】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.24(s,1H)、9.10(d,J=2.0Hz,1H)、8.98(d,J=2.4Hz,1H)、8.42(t,J=2.2Hz,1H)、8.33(s,1H)、8.17(dd,J=7.6、1.0Hz,1H)、7.79(s,1H)、7.55-7.52(m,1H)、7.45(t,J=2.7Hz,1H)、7.38-7.35(m,1H)、7.20(t,J=7.7Hz,1H)、6.70(s,1H)、4.60(s,2H)、4.26(d,J=13.4Hz,1H)、4.06-4.02(m,1H)、3.82(d,J=11.4Hz,1H)、3.71(dd,J=11.3、3.1Hz,1H)、3.60-3.54(m,1H)、3.27(d,J=7.0Hz,1H)、2.63(s,3H)、1.31(d,J=6.7Hz,3H)
【0231】
実施例15:B13
【化47】
【0232】
窒素保護の下で、中間体 b7(0.38ミリモル、150mg)および中間体 a23(0.77ミリモル、312mg)を10mLの1,4-ジオキサンと水との混合液(v/v:9/1)に溶かした。炭酸カリウム(1.16ミリモル、160mg)およびPd(dppf)Cl(0.077ミリモル、56mg)を添加した。該混合物を110℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させ、該混合物を濾過した。30mLの水を該系に加えた。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーに付して分離し、化合物 B13-1(200mg、収率:84%)を得た。LC-MS:[M+H]:632
【0233】
中間体 B13-1(0.32ミリモル、200mg)を10mLのメタノールに溶かし、3.5mLの濃塩酸を加えた。該混合物を65℃に加熱し、2時間反応させた。反応を停止させた。該反応溶液を氷浴下に置き、NaHCO飽和水溶液を該系にゆっくりと添加することで、そのpHを約8に調整した。該混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、分取性クロマトグラフィーに付して分離し、標的の化合物 B13(95mg、収率:55%)を得た。LC-MS:[M+H]:542
【0234】
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 11.97(s,1H)、8.83(s,1H)、8.28-8.23(m,1H)、7.74(d,J=2.9Hz,1H)、7.61(dd,J=9.7、2.9Hz,1H)、7.25(dd,J=7.8、1.3Hz,1H)、7.10(td,J=7.6、1.2Hz,1H)、7.00(td,J=7.7、1.3Hz,1H)、6.65(s,1H)、6.48(d,J=9.7Hz,1H)、4.91(s,1H)、4.50(s,1H)、4.12(d,J=13.2Hz,1H)、4.02(dd,J=11.4、3.7Hz,1H)、3.81(d,J=11.6Hz,1H)、3.74-3.51(m,6H)、2.44(s,3H)、2.41(s,3H)、1.31(d,J=6.7Hz,3H)
【0235】
実施例16:ATRキナーゼ活性のアッセイ:
【0236】
p53から由来のビオチン化タンパク質(Eurofins、製品番号:14-952)をATRキナーゼを用いてリン酸化した。リン酸化タンパク質の量は、このアッセイでは、時間分解蛍光によって測定された。リン酸化タンパク質の量は、抗-p53-ホスホ-(セリン15)-K-特異的抗体(Cisbio、製品番号:61GSTDLA)およびd2標識の抗-GST抗体(Cisbio、製品番号:61P08KAE)によって検出した。アッセイを行う前に、以下のワーキング溶液を必要に応じて調製した:1x反応バッファー(20mM HEPES pH8.0、1%グリセロール、0.01%Brij-35)、希釈バッファー(20mM HEPES pH8.0、1%グリセロール、0.01%Brij-35、5mM DTTおよび1%BSA)、停止溶液(20mM HEPES pH8.0、1%グリセロール、0.01%Brij-35、250mM EDTA)、検出バッファー(50mM HEPES pH7.0、150mM NaCl、267mM KF、0.1%コール酸ナトリウム、0.01%ツィーン(Tween)-20、0.0125%アジ化ナトリウム)。上記で使用される試薬は、製造元が記載されているものを除き、シグマ社(Sigma)またはインビトロジェン社(Invitrogen)より購入した。
【0237】
操作は次の通りである:
【0238】
4x連続して希釈した化合物の溶液を1x反応バッファーを用いて製造し、濃度の異なる9種の化合物の溶液を得、2.5μLの4x連続して希釈した化合物の溶液を384ウェルの解析プレート(グレイナー(Greiner)、784075)に加えた。4xp53基質ワーキング溶液(40nM)を1x反応バッファーを用いて製造し、2.5μLの4xp53基質ワーキング溶液を384ウェルの解析プレートに加えた。4xATR/ATRIPワーキング溶液(12.8ng/μL)を希釈バッファーを用いて製造し、2.5μLの4xpATR/ATRIPワーキング溶液を384ウェルの解析プレートに加えた。4xATPワーキング溶液(2mM)を脱イオン水を用いて製造し、2.5μLの4xATPワーキング溶液を384ウェルの解析プレートに添加した。そのプレートを室温にて暗所で30分間にわたってインキュベートした。5μLの停止溶液を該384解析プレートに加えた。最後に、5μLのアッセイ混合物(0.084ng/μLの抗-ホスホ-p53(セリン15)-Kおよび5ng/μLの抗-GST-d2)をその384ウェルの解析プレートに添加し、室温で一夜インキュベートした。蛍光シグナルをENVISION(パーキンエルマー(Perkinelmer))装置を用いて検出した(励起波長:320nm、発光波長:665nmおよび615nm)。各ウェルでの阻害率は、各ウェルでの蛍光強度値によって算定された:ER(発光割合)=(665nmでの蛍光強度/615nmでの蛍光強度);阻害率=(陽性のER-アッセイ化合物のER)/(陽性のER-陰性のER)x100%。化合物のIC50値は、パラメータをフィッティングさせる標準的なソフトウェア(GraphPad Prism 6.0)によって算定された。
【0239】
実施例の化合物のキナーゼデータの結果:
【表23】
【0240】
実施例17:インビトロでの細胞増殖阻害のアッセイ:
【0241】
腫瘍細胞株TOV21G(卵巣がん)およびMV4-11(白血病)におけるインビトロでの細胞活性に対する化合物の作用を検出することによって、化合物の細胞増殖に対する阻害作用をこのアッセイで研究した。
【0242】
TOV21G細胞およびMV4-11細胞をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection(ATCC))より購入した。
【0243】
TOV21G細胞をMCDB105/M199培地(FBSを15%で含有する)で培養し、細胞のコンフルエンスが85%以上に達した時にアッセイに用いた。約1000個の細胞を96ウェル培養プレートの各ウェルに接種し、24時間培養した。異なる濃度(0-10μM)のアッセイ対象の化合物を加え、細胞を処理した。各群を三重重複してアッセイした。ブランクウェル(培地のみ含有)および対照ウェル(薬物で処理することなく細胞を接種)をセットした。細胞を120時間培養した。40μLの細胞タイターGlo(Cell Titer-Glo)溶液(プロメガ(Promega)、番号G7573)を各ウェルに添加し、該細胞を振盪しながら暗所にて20分間にわたってインキュベートした。100μLの溶液を各ウェルから96ウェルのブランクプレート(コーニング(Corning)、番号3917)に移し、発光値をバイオテック・シナジー(Biotek Synergy)H1多機能性マイクロプレートリーダーで読み取った。
【0244】
MV-4-11細胞をIMDM培地(FBSを20%で含有)で培養した。約10,000個の細胞を96ウェル培養プレートの各ウェルに接種し、異なる濃度(0-10μM)のアッセイ対象の化合物を加えることで処理した。各群を三重重複してアッセイした。ブランクウェル(培地のみ含有)および対照ウェル(薬物で処理することなく細胞を接種)をセットした。細胞を120時間培養した。40μLの細胞タイターGlo溶液を各ウェルに添加し、該細胞を振盪しながら暗所にて20分間にわたってインキュベートした。100μLの溶液を各ウェルから96ウェルのブランクプレートに移し、発光値をバイオテック・シナジーH1多機能性マイクロプレートリーダーで読み取った。
【0245】
阻害率(%)=100%x(対照ウェル-アッセイウェル)/(対照ウェル-ブランクウェル)
【0246】
増殖アッセイの結果は、アッセイ化合物が研究されたヒト腫瘍細胞において効果的であることを示し、このことはIC50値によって反映される(IC50は最大効果の50%での阻害濃度である)。
【0247】
細胞タイターGlo発光法による細胞活性アッセイの結果
【表24】
【0248】
NT=試験せず
【0249】
実施例18:化合物の肝ミクロソームでのインビトロ安定性アッセイ
【0250】
インビトロ活性の結果に基づいて、代表的な化合物を肝ミクロソームでの安定性に関するアッセイ研究を行うのに選択した。結果は以下の通りであった。
【表25】
【0251】
実施例19:化合物のインビボでの薬物動態のアッセイ
【0252】
インビトロ活性の結果に基づいて、代表的な化合物をインビボでの薬物動態を研究するのに選択した。結果は以下の通りであった。
【0253】
インビボ経口投与-マウスにおける薬物動態結果:
【表26】
【0254】
実施例20:化合物のATRキナーゼ選択性の研究:
【0255】
本開示の化合物を、同じファミリー(ATM、DNA-PKおよびmTOR)の阻害についてアッセイした:
【0256】
文献に報告されるアッセイ方法に従って、アッセイの対象となる化合物を、10μMから始めて、0.51nMまで連続して3倍に希釈し(合計10種の濃度)、各々、キナーゼ ATM、DNA-PKおよびmTORに対する阻害活性についてアッセイした。結果を以下に示した:
【表27】
【0257】
上記の結果は、本開示の化合物がATRに対して高い選択性を有し、そのファミリーでの他のキナーゼに対する阻害活性が低いことを示す。
参考文献:
[1]Discovery of Novel 3-Quinoline Carboxamides as Potent、Selective and Orally Bioavailable Inhibitors of Ataxia Telangiectasia Mutated (ATM) Kinase、J. Med. Chem. 2016, 56, 6281-6292;
[2]The Discovery of 7-Methyl-2-[(7-nethyl[1,2,4]triazolo[1,5-a]pyridin-6-yl)amino]-9-(tetrahydro-2H-pyran-4-yl)-7,9-dihydro-8H-purin-8-one (AZD7648)、a Potent and Selective DNA-Dependent Protein Kinase (DNA-PK) Inhibitor、J. Med. Chem. 2020, 63, 3461-3471;
[3]Discovery and SAR exploration of a novel series of imidazo[4,5-b]pyrazin-2-ones as potent and selective mTORkinase inhibitors、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2011; 21: 6793-6799
【0258】
上記は、特定の代替となる実施態様と関連して、本開示をさらに詳細に説明するものであり、本開示の特定の実施態様はその説明に限定されない。本開示の技術分野における当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、ある程度の単純な推論または置換を行うこともでき、そのすべてが本発明の保護範囲に属するとみなされるべきである。