(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】骨の骨折を治療するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A61B17/80
(21)【出願番号】P 2023006094
(22)【出願日】2023-01-18
【審査請求日】2023-01-18
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デビッド,マカメル
(72)【発明者】
【氏名】ジョナン フィリップ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515554(JP,A)
【文献】特開2021-440(JP,A)
【文献】特開2020-127742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/000509(US,A1)
【文献】国際公開第2005/096977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/17
A61B 17/80
A61B 17/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨における骨折を治療するためのシステムであって、前記システムが、
1つ以上の安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上の釘開口部を含む髄内釘であって、前記骨の髄管内に移植可能である、髄内釘と、
前記骨の外面と係合するように構成された骨プレートであって、前記骨プレートが、前記1つ以上の安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上のプレート開口部を含み、前記1つ以上のプレート開口部が、前記骨プレートの周りに離隔されており、そのため、前記骨プレートは、前記髄内釘が前記骨の前記髄管内に移植されるときに、前記1つ以上のプレート開口部を前記1つ以上の釘開口部と軸方向に整列させるように位置決め可能である、骨プレートと、
前記1つ以上の安定化締結具を受容するための1つ以上の標的開口部を含む照準ガイドであって、前記1つ以上の標的開口部が、前記照準ガイドの周りに離隔されており、そのため、前記照準ガイドは、前記髄内釘が前記骨の前記髄管内に移植されるときに、内部を通して前記1つ以上の安定化締結具を延在させるために、前記1つ以上の標的開口部を前記1つ以上のプレート開口部及び前記1つ以上の釘開口部と軸方向に整列させるように位置決め可能であ
り、前記照準ガイドは、第1の脚部と第2の脚部とを含むウィッシュボーン形状構成を有し、各脚部は、標的開口部が前記骨の両側に位置決めされ得るように1つ以上の標的開口部を含み、照準ガイドの各脚部が、複数の標的開口部を含む、照準ガイドと、を備える、システム。
【請求項2】
前記髄内釘及び前記照準ガイドに結合可能な挿入ツールを更に備え、前記照準ガイドは、前記挿入ツールが前記髄内釘及び前記照準ガイドに結合されたときに、前記1つ以上の標的開口部が前記1つ以上の釘開口部と軸方向に整列するように位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記挿入ツールが、ハンドルと、前記ハンドルから延在する挿入シャフトと、を含み、前記挿入シャフトが、
前記髄内釘が前記挿入シャフトに結合されるときに前記髄内釘が正確に配向されることを確実にするのを支援するために、前記挿入シャフトの遠位端に1つ以上の配向タブを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記挿入ツールが、ハンドルと、前記ハンドルから延在する挿入シャフトと、を含み、前記挿入シャフトが、
ユーザが前記髄内釘の近位端を位置特定することを可能にするために、前記挿入シャフトの遠位部分に画定された1つ以上の溝を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記挿入ツールが、ハンドルと、前記ハンドルを通って少なくとも部分的に延在する挿入シャフトと、を含み、前記挿入シャフトが、前記挿入シャフトの近位部分に、
前記ハンドルと前記挿入シャフトとの間の適切な接続を確実にするように、前記ハンドルの近位面内に画定された溝内に着座
するフランジを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記挿入ツールが、ハンドルと、挿入シャフトと、接続ボルトと、を含み、前記接続ボルトが、前記挿入シャフトを通って軸方向に延在し、そのため、前記接続ボルトが、所定の距離だけ軸方向に並進可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記挿入ツールが、ハンドルと、挿入シャフトと、接続ボルトと、を含み、前記接続ボルトが、前記挿入シャフトを通って軸方向に延在し、前記挿入シャフトが、1つ以上の内ねじ山を含み、前記接続ボルトが、前記挿入シャフトの前記1つ以上の内ねじ山に係合するか又は前記内ねじ山と協働するように構成された1つ以上の外ねじ山を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記挿入ツールが、ハンドルと、挿入シャフトと、接続ボルトと、を含み、前記接続ボルトが、前記挿入シャフトを通って軸方向に延在し、前記接続ボルトが、前記挿入シャフトによって画定された空洞内に位置決め可能な1つ以上の外ねじ山を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記挿入ツールが、ハンドルと、挿入シャフトと、アセンブリシャフトであって、
前記髄内釘が前記挿入ツールに結合される際に、前記髄内釘を前記挿入シャフトおよび/または接続ボルトと整列させるために、前記アセンブリシャフトの遠位端が前記挿入シャフトの遠位端を越えて延在するように、前記挿入シャフトを通って軸方向に延在する、アセンブリシャフトと、を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記挿入ツールが、ハンドルと、アンダーカット溝を画定する接続ボルトと、前記接続ボルト内の前記アンダーカット溝と整合するラッチ特徴部を含むアセンブリシャフトと、を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記挿入ツールが、ハンドルと、1つ以上の内ねじ山を含む接続ボルトと、
前記髄内釘を後退させる際に支援するために、前記1つ以上の内ねじ山と係合するように構成された1つ以上の外ねじ山を含むバックスラップシャフトと、を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記照準ガイドが、1つ以上の位置特定ピンを含み、前記挿入ツールが、前記1つ以上の位置特定ピンを受容するために内部に画定された1つ以上の位置特定ピン開口部を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記照準ガイドが、ねじ山付きノブを含み、前記挿入ツールが、前記ねじ山付きノブを受容するために内部に画定されたねじ山付きインサートを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項14】
前記照準ガイドが、
前記安定化締結具を整列させ、かつ/又は配向するために、前記1つ以上の標的開口部を通して延在される1つ以上のドライバスリーブ
と、
前記1つ以上のドライバスリーブの外側に保持力を加えて、前記1つ以上のドライバスリーブの移動を
防止するように構成された1つ以上の保持機構
と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、骨の骨折の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
大腿骨又は脛骨の骨折など、長骨の損傷後に、1つ以上の固定デバイスを使用して、骨折片を固定化し、かつ長骨を安定化することができる。髄内釘を、例えば、骨の髄内管に挿入し、適切な近位及び/又は遠位固定を提供することができる。しかしながら、既知の髄内デバイスは、いくつかの欠点に悩まされる場合がある。例えば、移植が失敗しやすく、髄内釘に対する固定ねじの整列が困難である場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、固定ねじが髄内釘を通って少なくとも部分的に延在することを可能にする。一態様では、骨における骨折を治療するためのシステムが提供される。システムは、1つ以上の安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上の釘開口部を含む髄内釘を含む。髄内釘は、骨の髄管内に移植可能である。骨プレートは、骨の外面と係合するように構成されている。骨プレートは、安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上のプレート開口部を含む。プレート開口部は、骨プレートの周りに離隔されており、そのため、骨プレートは、髄内釘が骨の髄管内に移植されるときに、プレート開口部を釘開口部と軸方向に整列させるように位置決め可能である。照準ガイドは、安定化締結具を受容するための1つ以上の標的開口部を含む。標的開口部は、照準ガイドの周りに離隔されており、そのため、照準ガイドは、髄内釘が骨の髄管内に移植されるときに、内部を通して安定化締結具を延在させるために、標的開口部をプレート開口部及び釘開口部と軸方向に整列させるように位置決め可能である。
【0004】
別の態様では、骨における骨折を治療するための照準ガイドが提供される。照準ガイドは、本体と、本体から延在する一対の脚部と、を含む。一対の脚部の各脚部は、内部を通って1つ以上の安定化締結具を受容するための1つ以上の標的開口部を含む。標的開口部は、一対の脚部の周りに離隔されており、そのため、照準ガイドは、標的開口部を、骨の髄管内に移植された髄内釘の1つ以上の開口部と軸方向に整列させるように位置決め可能である。
【0005】
更に別の態様では、骨における骨折を治療するための方法が提供される。方法は、髄内釘を挿入ツールに結合することを含む。髄内釘は、1つ以上の安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上の釘開口部を含む。照準ガイドは、挿入ツールに結合される。照準ガイドは、安定化締結具を受容するための1つ以上の標的開口部を含む。髄内釘は、骨の髄管内に移植される。骨プレートは、内部を通って延在する1つ以上のプレート開口部を含み、そのため、プレート開口部は、標的開口部と軸方向に整列する。安定化締結具は、標的開口部を使用して、プレート開口部及び釘開口部を通して延在される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】挿入ツールと、照準ガイドと、骨プレートと、を含む、骨の骨折を治療するための例示的なシステムの斜視図である。
【
図2】ハンドルと、ハンドルに結合された髄内釘と、を含む、骨の骨折を治療するための例示的な挿入ツールの斜視図である。
【
図4】例示的なアセンブリシャフトを有する、
図2に示される挿入ツールの詳細な断面図である。
【
図5】例示的なアセンブリシャフトを有する、
図2に示される挿入ツールの詳細な断面図である。
【
図6】例示的なバックスラップシャフトを有する、
図2に示される挿入ツールの側面図である。
【
図7】長骨に結合された、
図1に示される骨プレートの側面図である。
【
図8】長骨に結合された、
図1に示される骨プレートの上面図である。
【
図9】ドライバスリーブを含む、
図1に示されるシステムの斜視図である。
【
図10】挿入ツールと、照準ガイドと、別の骨プレートと、を含む、骨の骨折を治療するための別の例示的システムの斜視図である。
【
図11】長骨に結合された、
図10に示される骨プレートの側面図である。
【
図12】長骨に結合された、
図10に示される骨プレートの上面図である。
【
図13】ドライバスリーブを含む、
図6に示されるシステムの代替的な斜視図である。
【
図14】
図1に示される照準ガイドの側面図である。
【
図15】
図1に示される照準ガイドの正面図である。
【
図18】骨の骨折を治療するための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【0008】
図1は、骨Bにおける骨折を治療するためのシステム10を示す。システム10は、髄内釘11と、挿入ツール12と、骨プレート14(例えば、ワッシャプレート)及び/又は照準ガイド16と、を含み得る。
図2~
図6を参照すると、例示的な挿入ツール12は、髄内釘11を取り扱うか又は移動させる際に使用するために、髄内釘11に結合され得る。挿入ツール12は、例えば、髄内釘11を前進、後退、及び/又は回転させるために使用され得る。いくつかの実施例では、挿入ツール12は、(例えば、リーミング後に)髄内釘11を長骨に挿入するために使用される。
【0009】
髄内釘11は、遠位端と近位端との間に延在する細長い本体を含む。いくつかの実施例では、髄内釘11は、内部を通って軸方向に延在する中空チャネルを画定する。あるいは、髄内釘11は、その長さに沿って中実であってもよい。髄内釘11は、骨の髄内管内で軸方向に延在するように構成される。いくつかの実施例では、髄内釘11は実質的に直線状であってもよい。あるいは、髄内釘11は、髄内管の解剖学的形状に適合する1つ以上の湾曲又は屈曲を含んでもよい。
【0010】
髄内釘11は、髄内釘が骨を固定及び保持するのに十分な強度を有することを可能にする1つ以上の生体適合性材料から構成されてもよい。例えば、髄内釘11は、チタン、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ステンレス鋼、炭化タングステン、炭素複合材、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(ultra-high molecular weight polyethylene、UHMWPE)、吸収性ポリ乳酸(resorbable polylactic acid、PLA)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)、及び/又はそのような材料の合金のうちの1つ以上を含む。
【0011】
図2に示されるように、髄内釘11は、内部を通って延在する1つ以上のスロット及び/又は釘開口部18を含み得る。釘開口部18は、髄内釘11の周りに開口部パターンを形成するように配置又は離隔されている。釘開口部18は、内部を通って1つ以上の安定化締結具(例えば、釘、ねじ、ボルト)を受容及び誘導するように構成され得る。いくつかの実施例では、1つ以上の釘開口部18は、安定化締結具の1つ以上のねじ山と係合するように構成された1つ以上のねじ山を含み得る。各釘開口部18は、髄内釘11の長手方向軸に対する角度を画定する軌道を有するように配向され得る。例えば、釘開口部18は、前後(anterior-posterior、AP)方向及び/又は内外(medio-lateral、ML)方向に略半径方向に延在するように画定されてもよい。あるいは、釘開口部18は、髄内釘11が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の軌道を有するように配向されてもよい。
【0012】
挿入ツール12は、ハンドル20と、ハンドル20から遠位方向に延在する挿入シャフト22と、を含む。挿入シャフト22は、髄内釘11が挿入ツール12に対して所望のように位置決め及び/又は配向されることを可能にする1つ以上の配向タブ24を含み得る。現在の例に示されるように、挿入シャフト22は、髄内釘が挿入シャフトに結合されるときに、髄内釘11が正確に配向されることを確実にするのを支援する、その遠位端から遠位に延在する3つの配向タブ24を有する。例えば、髄内釘11は、釘開口部18がAP及び/又はML方向に略半径方向に延在するように配向されてもよい。いくつかの実施例では、挿入シャフト22は、ユーザ(例えば、外科医)が髄内釘11の近位端を(例えば、蛍光透視法下で)位置特定することを可能にするために、その遠位部分に1つ以上の溝26を含んでもよい。溝26は、約0.2インチ(約5.0ミリメートル)軸方向に離隔され得、かつ/又は挿入シャフト22の外面の周りに円周方向に延在し得る。
【0013】
図4及び
図5に示されるように、挿入シャフト22は、ハンドル20を通って少なくとも部分的に延在し得、かつ/又は挿入シャフト22の近位部分に、ハンドル20の近位面に画定された溝に着座するフランジを含み得る。いくつかの実施例では、ハンドル20は、複合材料から加工され、かつ/又は挿入シャフト22は、ステンレス鋼材料から加工される。あるいは、ハンドル20及び/又は挿入シャフト22は、挿入ツール12が本明細書に説明されるように機能することを可能にする、材料の任意の組み合わせから加工されてもよい。
【0014】
図4及び
図5に示されるように、挿入シャフト22は、内部を通って軸方向に延在するカニューレ又はチャネル28を画定し得る。接続ボルト30は、挿入ツール12への髄内釘11の迅速かつ簡単な組み立てを容易にするために、挿入シャフト22のチャネル28を通って軸方向に延在し得る。例えば、接続ボルト30は、接続ボルト30の遠位端が挿入シャフト22の遠位端を越えて、髄内釘11の近位端内に選択的に延在するように、軸方向に並進し得る。接続ボルト30の遠位端を選択的に後退させるために、接続ボルト30が軸方向に並進するとき、挿入シャフト22の遠位端は、接続ボルト30の遠位端が髄内釘11の近位端から引き抜かれ得るように、髄内釘11のための止め具として作用する。
【0015】
接続ボルト30は、挿入シャフト22の1つ以上の内ねじ山34に係合するか又は内ねじ山34と協働するように構成された1つ以上の外ねじ山32を含み得る。
図4及び
図5に示されるように、接続ボルト30の外ねじ山32は、挿入シャフト22の内ねじ山34の遠位にあり、挿入シャフト22によって画定された空洞内にある(すなわち、接続ボルト30が挿入シャフト22内に完全にねじ込まれている)ときに、接続ボルト30及び/又は挿入シャフト22のねじ山は、接続ボルト30の外ねじ山が空洞内で自由に並進することを可能にしながら、接続ボルト30の外ねじ山が空洞から脱落することを防止するように構成される。このようにして、接続ボルト30は、所定の距離だけ軸方向に並進するように構成され得る。いくつかの実施例では、ユーザ(例えば、外科医)は、接続ボルト30の近位部分を打って、挿入ツール12を通して髄内釘11に衝撃を与え得る。
【0016】
いくつかの実施例では、髄内釘11と挿入ツール12との接続を更に支援するために、アセンブリシャフト36が使用され得る。
図4に示されるように、アセンブリシャフト36は、接続ボルト30及び/又は挿入シャフト22の中に、接続ボルト30及び/又は挿入シャフト22を通して挿入され得る。アセンブリシャフト36の遠位端は、挿入シャフト22及び/又は接続ボルト30の遠位端を越えて、髄内釘11のチャネル又はカニューレ内に選択的に延在し得る。このようにして、髄内釘11が挿入ツール12(例えば、接続ボルト30)に結合される際に、アセンブリシャフト36を使用して、髄内釘11を挿入シャフト22及び/又は接続ボルト30と整列させ得る。アセンブリシャフト36は、一旦挿入されると、アセンブリシャフト36を保持するために、接続ボルト30内のアンダーカット溝40と整合するラッチ特徴部38を含み得る。
【0017】
図6に示すように、挿入ツール12は、髄内釘11を後退させる際に使用するためのバックスラップシャフト41を含み得るか、又はバックスラップシャフト41に結合され得る。バックスラップシャフト41は、挿入シャフト22及び/又は接続ボルト30に結合されてもよい。例えば、
図4及び
図5に示すように、接続ボルト30は、バックスラップシャフト41を接続する際に使用するための1つ以上の内ねじ山43を含み得る。このようにして、ユーザ(例えば、外科医)は、バックスラップシャフト41の近位部分を(例えば、近位方向に)打ち、挿入ツール12を通して髄内釘11に衝撃を与え得る。
【0018】
図7及び
図8に示すように、骨プレート14は、骨Bの長手方向軸LAに概ね沿って、又は平行に延在するように配向され、骨Bの顆及び/又は骨幹の少なくとも一部分と係合するように、骨Bの内側及び/又は外側に位置決めされ得る。いくつかの実施例では、骨プレート14は、骨Bの骨端領域、骨幹端領域、及び/又は骨幹領域などの特定の外側骨表面に一致するか、又は実質的に平行に位置するように構成及び/又は輪郭形成される。このようにして、骨プレート14は、独立型整復デバイス、仮固定デバイス、及び/又は最終固定デバイスとして、遠位大腿骨骨折及び遠位大腿骨関節骨折を安定化させるために使用され得る。
【0019】
いくつかの実施例では、骨プレート14は、1つ以上の安定化締結具(例えば、釘、ねじ、ボルト)と共に使用されて、構造体の耐荷重能力を増加させ得る。例えば、骨プレート14は、締め付けられたときに骨Bの顆を圧縮し、かつ/又は関節ブロック及び大腿骨幹に支持を提供する、標準的な係止ねじと共に、及び/又は専用のワッシャボルトと共に使用され得る。いくつかの実施例では、安定化締結具は、髄内釘11の1つ以上の釘開口部18を通して延在され得る。
【0020】
図7及び
図8に示すように、骨プレート14は、内部を通って延在する1つ以上のプレート開口部44を含み得るか、又は画定し得、1つ以上のプレート開口部44は、内部を通って1つ以上の安定化締結具を受容するようにサイズ決めされ、成形され、かつ/又は構成される。プレート開口部44は、安定化締結具が1つ以上の所望の安定化締結具パターンで配置又は位置決めされることを可能にする開口部パターンを形成するように、骨プレート14の周りに配置されるか、又はされ得る離隔。安定化締結具は、例えば、1つ以上の骨折片を固定化し、骨Bを安定化し、かつ/又は他の方法で骨の骨折を治療する安定化締結具パターンになるように、プレート開口部44を通して延在され得る。いくつかの実施例では、
図9に示すように、骨プレート14は、1つ以上のプレート開口部44の軌道が髄内釘11の1つ以上の釘開口部18と実質的に一致するか又は同軸であるように位置決め及び/又は配向することができ、その結果、骨プレート14及び髄内釘11を一緒にインターロックすることができる。骨プレート14は、フリーハンド技法を使用して、又は照準ガイド(例えば、照準ガイド16)を使用して、係止又は非係止ねじで取り付けられ得る。
【0021】
図10~
図12は、骨Bにおける骨折を治療するためのシステム10において使用され得る別の例示的な骨プレート15を示す。
図7~
図9に示される骨プレート14と同様に、骨プレート15は、骨Bの長手方向軸LAに概ね沿って、又は平行に延在するように配向され、骨Bの顆及び/又は骨幹の少なくとも一部分と係合するように、骨Bの内側及び/又は外側に位置決められ得る。骨プレート15は、骨プレート14の形状及び/又は構成とは異なる形状及び/又は構成を有するが、骨プレート15は、1つ以上の安定化締結具、髄内釘11、挿入ツール12、及び照準ガイド16と共に、同じ又は実質的に同様の方式で使用され得る。
【0022】
図1、
図9、並びに
図13及び
図14を参照すると、照準ガイド16は、内部を通って延在する1つ以上の照準開口部46を含み得るか、又は画定し得、1つ以上の照準開口部46は、内部を通って1つ以上の安定化締結具を受容するようにサイズ決めされ、成形され、かつ/又は構成される。照準ガイド16は、ユーザ(例えば、外科医)が、蛍光透視法を用いずに安定化締結具を挿入するために髄内釘11の1つ以上の釘開口部18を標的とするか又は位置特定することを可能にするように構成される。例えば、標的開口部46は、安定化締結具が1つ以上の所望の安定化締結具パターンで配置又は位置決めされることを可能にする開口部パターンを形成するように、照準ガイド16の周りに配置されるか、又は離隔され得る。安定化締結具は、例えば、1つ以上の骨折片を固定化し、骨Bを安定化し、かつ/又は他の方法で骨の骨折を治療する安定化締結具パターンになるように、標的開口部46を通して延在され得る。いくつかの実施例では、1つ以上の標的開口部46は、プレート釘標的化、ワッシャ釘標的化、及び/又はねじ挿入のブロックのために使用され得る。例えば、ブロッキングねじを、1つ以上の標的開口部46を通して延在させて、安定化締結具の軌道を誘導し、最終固定の前に解剖学的整復を得ることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、照準ガイド16は、本体と、本体から延在する一対の脚部と、を含み得る。
図1、
図9、
図13、及び
図15に示されるように、照準ガイド16は、ウィッシュボーン形状構成を有するか、又は含んでもよい。各脚部は、標的開口部46が、内側及び外側などの骨Bの両側に位置決めされ得るように、1つ以上の標的開口部46を含み得る。いくつかの実施例では、照準ガイド16は、1つ以上の複合放射線透過性材料から加工されてもよい。このようにして、照準ガイド16は、そのウィッシュボーン形状構成及び/又は放射線透過性材料に起因して、蛍光透視法を使用するときに、髄内釘11及び/又は骨Bの視界を妨げない。
【0024】
図14及び
図15に示されるように、照準ガイド16の本体は、照準ガイド16が挿入ツール12に対して所望に位置決め及び/又は配向されることを可能にする、1つ以上の位置特定ピン48及び/又はねじ山付きノブ50を含み得る。いくつかの実施例では、位置特定ピン48は、ハンドル20の上部分に画定された1つ以上の位置特定ピン開口部52(
図3及び
図4に示す)に受容されるようにサイズ決めされ、成形され、かつ/若しくは構成され、かつ/又はねじ山付きノブ50は、ハンドル20の上部分に画定されたねじ山付きインサート54(
図3及び
図4に示す)に受容されるようにサイズ決めされ、成形され、かつ/若しくは構成される。ねじ山付きノブ50は、照準ガイド16を挿入ツール12に確実に結合するために使用され得る。加えて、又はあるいは、挿入ツール12は、1つ以上の位置特定ピン48及び/若しくはねじ山付きノブ50を含んでもよく、かつ/又は照準ガイド16は、その中に画定された1つ以上の位置特定ピン開口部52及び/若しくはねじ山付きインサート54を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施例では、
図9及び
図13に示すように、1つ以上のドライバスリーブ56を、安定化締結具を整列させ、かつ/又は配向するために、標的開口部46を通して延在させることができる。
図16及び
図17に示すように、照準ガイド16は、1つ以上のドライバスリーブ56を標的開口部46内に保持するように構成された1つ以上の保持機構58を含み得るか、又は画定し得る。保持機構58は、例えば、ドライバスリーブ56の移動を制御するように構成されたピークロッドを含み得る。ピークロッドは、照準ガイド16の標的開口部46を少なくとも部分的に横断して延在し得、ピークロッドの材料特性による偏向を使用して、1つ以上の安定化締結具の移動を制御し得る。いくつかの実施例では、照準ガイド16の保持機構58は、ドライバスリーブ56が標的開口部46から移動又は脱落することを防止するばね保持システムを含む。
図16及び
図17に示すように、ばね保持システムは、ドライバスリーブ56を保持するように構成された少なくとも1つのばねを含み得る。ばねは、標的開口部46に対して中心から外れたポケット内に保持され得、ドライバスリーブ56が標的開口部46内に挿入されたときに撓み、ドライバスリーブ56の外径に保持力を加えて、ドライバスリーブ56が定位置から脱落するか、又は抜け出ることを防止するように構成され得る。ドライバスリーブ56が標的開口部46に挿入されたときに、ばねが撓み、ドライバスリーブ56の外側に保持力を加えて、移動を防止する。
【0026】
図18を参照すると、骨Bにおける骨折を治療するための方法110は、動作112で髄内釘11を挿入ツール12に結合することを含む。髄内釘11は、1つ以上の安定化締結具を受容するために内部を通って延在する1つ以上の釘開口部18を含む。
【0027】
照準ガイド16は、動作114で挿入ツールに結合される。照準ガイド16は、安定化締結具を受容するための1つ以上の照準開口46を含む。
【0028】
髄内釘11は、動作116で骨Bの髄管内に移植される。照準ガイド16が挿入ツール12に結合された状態で、照準ガイド16は、1つ以上の標的開口部46の軌道が髄内釘11の1つ以上の釘開口部18と実質的に一致するか又は同軸であるように、位置決め及び/又は配向される。
【0029】
骨プレート(例えば、骨プレート14、骨プレート15)は、動作118で位置決めされる。骨プレートは、内部を通って延在する1つ以上のプレート開口部44を含む。骨プレートは、プレート開口部44が標的開口部46と軸方向に整列するように位置決めされ得る。このように骨プレートを位置決めすることによって、プレート開口部44の軌道は、1つ以上の釘開口18と実質的に一致するか、又は同軸である。
【0030】
1つ以上の安定化締結具は、動作120で、標的開口部46を使用して、プレート開口部44及び釘開口部18を通して延在される。挿入ツール12は、髄内釘11の位置決めを容易にして、安定化締結具がプレート開口部44及び/又は釘開口部18内に誘導されている間に、骨Bを固定することを支援する。安定化締結具を使用して、骨Bの顆を圧縮するように髄内釘11及び骨プレートをインターロックすることができる。このようにして、荷重の少なくとも一部を、骨B及び/又は髄内釘11に集中させる代わりに、骨プレートに沿って分散させ、骨への外傷を軽減し、かつ/又は回復時間を低下させることができる。
【0031】
本明細書に説明される実施例は、1つ以上の骨折を治療するために使用され得る。挿入ツールが照準ガイドに結合されたときに、ユーザ(例えば、外科医)は、照準ガイドの標的開口部を通して安定化締結具を延在させることによって、裸眼で(例えば、蛍光透視法を用いずに)、1つ以上の安定化締結具を、骨の髄管内に移植された髄内釘を通して少なくとも部分的に延在させ得る。いくつかの実施例では、骨プレートは、骨プレートのプレート開口部を照準ガイドの標的開口部と整列させることによって位置決めされ得る。このようにして、ユーザは、1つ以上の安定化締結具を、照準ガイドの標的開口部を通して延在させて、裸眼で(例えば、蛍光透視法を用いずに)、安定化締結具を、骨プレートのプレート開口部及び髄内釘の釘開口部を通して延在させ得る。
【0032】
本開示の要素又はその1つ以上の実施形態を紹介するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図され、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0033】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の装置、システム、及び方法で様々な変更を行うことができるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての事柄は、例示として解釈されるものとする。