(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240624BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240624BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240624BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
G09G5/00 530T
G06F3/0484
G06F3/14 310C
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/373
(21)【出願番号】P 2023009192
(22)【出願日】2023-01-25
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼根 悠一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉則
(72)【発明者】
【氏名】佐野 賢吾
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-16519(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107770440(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G06F 3/0484, 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、
外部ディスプレイとの接続を検出する外部接続検出処理と、
を行
い、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記外部ディスプレイと接続されているか否かに基づいて前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の
ユーザによって設定された前記表示倍率の設定と、前記外部ディスプレイと接続されているか否かとに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、
を行
い、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後のユーザによって設定された前記表示倍率の設定のユーザ毎の履歴に基づいて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の
ユーザによって設定された前記表示倍率の設定のユーザ毎の履歴に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、
を行
い、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定と時間帯とに基づいて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の
ユーザによって設定された前記表示倍率の設定の時間帯毎の履歴に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、
を行
い、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、使用中のアプリケーションの種類に基づいて前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の
ユーザによって設定された前記表示倍率の設定と、使用中のアプリケーションの種類とに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理において、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、
前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、
を行
い、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替処理において、前記載置検出処理による検出結果に基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える、
情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記表示モード切替処理において、前記載置検出処理により前記キーボードの載置が検出されない場合には前記第1表示モードに制御し、前記キーボードの載置が検出された場合には前記第2表示モードに制御し、
前記第2表示モードは、前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域とする、
請求項
9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、
外部ディスプレイとの接続を検出する外部接続検出ステップと、
を含
み、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記外部ディスプレイと接続されているか否かに基づいて前記表示制御ステップにより前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
制御方法。
【請求項12】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、
を含
み、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後のユーザによって設定された前記表示倍率の設定のユーザ毎の履歴に基づいて、前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御ステップにより前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
制御方法。
【請求項13】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、
を含
み、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定と時間帯とに基づいて、前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御ステップにより前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
制御方法。
【請求項14】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、
を含
み、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、使用中のアプリケーションの種類に基づいて前記表示制御ステップにより前記表示倍率の変更を行うか否かを決定する、
制御方法。
【請求項15】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、
前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出ステップと、
を含
み、
前記第2表示モードに設定されている表示倍率が前記第1表示モードに設定されている表示倍率より低い表示倍率に設定されており、
前記表示モード切替ステップにおいて、前記載置検出ステップによる検出結果に基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、折り畳み可能なフレキシブルディスプレイ(表示部)が第1筐体と第2筐体との回動に応じて屈曲可能に第1筐体と第2筐体に亘って設けられている情報処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このように第1筐体と第2筐体に亘って1つのディスプレイが設けられている場合、1つのディスプレイで1画面モードとして使用するだけでなく、1つのディスプレイを第1筐体側の画面領域と第2筐体側の画面領域とに分けて疑似的に2画面モードとして使用することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような情報処理装置は、第1筐体と第2筐体に亘って1つのディスプレイが設けられているため、物理的なキーボードを搭載せずに、ディスプレイの画面に対する操作を受け付ける構成であることが一般的であるが、第2筐体側の画面領域の上に外付けのキーボードを載置し、第1筐体側の画面領域のみに表示を行うことによって、物理的なキーボードを搭載しているノート型のPC(Personal Computer)と同様の使用形態とすることが可能なものがある。この場合、2画面モードにおいて外付けのキーボードが載置された側の画面領域を黒表示などに制御し、他方の側の画面領域を1画面モード時の半分の大きさの画面領域として表示を制御する画面モードに自動で切り替えることでユーザの利便性が向上する。しかしながら、半分の大きさの画面領域になると画面に表示される情報量が半分になってしまう。画面に表示される情報量を増加させるには表示倍率(拡大縮小)をユーザが手動で変更する必要があった。
【0005】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、ディスプレイの画面領域の大きさが変化したときの表示を適切に制御する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、を行う。
【0007】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれの前記表示倍率をユーザが設定可能な設定画面を前記ディスプレイに表示させ、前記設定画面に対するユーザの操作に基づいて前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれの前記表示倍率を設定してもよい。
【0008】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、外部ディスプレイとの接続を検出する外部接続検出処理を行い、前記外部ディスプレイと接続されていることを検出した場合、前記表示制御処理において、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えに応じて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている前記表示倍率で前記外部ディスプレイの表示を制御してもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記情報処理装置が備える前記ディスプレイと前記外部ディスプレイとのそれぞれについて前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれの前記表示倍率をユーザが設定可能な設定画面を前記ディスプレイに表示させ、前記設定画面に対するユーザの操作に基づいて、前記情報処理装置が備える前記ディスプレイと前記外部ディスプレイとのそれぞれについて前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれの前記表示倍率を設定してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記設定画面において、さらに前記外部ディスプレイの仕様ごとに前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれの前記表示倍率を設定可能であってもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理において、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示倍率の切り替えを行うか否かをユーザが選択可能な選択画面を前記ディスプレイに表示させ、前記選択画面に対するユーザの操作に基づいて前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、外部ディスプレイとの接続を検出する外部接続検出処理を行い、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記外部ディスプレイと接続されているか否かに基づいて前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定と、前記外部ディスプレイと接続されているか否かとに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定のユーザ毎の履歴に基づいて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定のユーザ毎の履歴に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0016】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定と時間帯とに基づいて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0017】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定の時間帯毎の履歴に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0018】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、使用中のアプリケーションの種類に基づいて前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0019】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理により前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えた後の前記表示倍率の設定と、使用中のアプリケーションの種類とに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、前記表示モード切替処理において、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える際に、前記表示制御処理により前記表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0020】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理を行い、前記表示モード切替処理において、前記載置検出処理による検出結果に基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替えてもよい。
【0021】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード切替処理において、前記載置検出処理により前記キーボードの載置が検出されない場合には前記第1表示モードに制御し、前記キーボードの載置が検出された場合には前記第2表示モードに制御し、前記第2表示モードは、前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域としてもよい。
【0022】
上記情報処理装置において、前記ディスプレイは、折り畳み可能な1つのディスプレイであり、前記第2表示モードは、前記ディスプレイを折り畳む際の折り目の部分に応じて分けられた複数の画面領域のうちの一つを表示領域としてもよい。
【0023】
また、本発明の第2態様に係る、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替ステップと、前記表示モード切替ステップにより前記第1表示モードと前記第2表示モードとを切り替える場合、前記第1表示モードと前記第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の上記態様によれば、ディスプレイの画面領域の大きさが変化したときの表示を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態に係る折れ曲がった状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態に係る平面の状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置の各種の表示モードの具体例を示す図。
【
図5】第1の実施形態に係る画面モード切り替え時の表示倍率の変更例を示す図。
【
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図7】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図8】第1の実施形態に係る表示倍率設定画面の一例を示す図。
【
図9】第1の実施形態に係る表示倍率設定画面の別の例を示す図。
【
図10】第1の実施形態に係る表示倍率制御処理の第1例を示すフローチャート。
【
図11】第1の実施形態に係る表示倍率制御処理の第2例を示すフローチャート。
【
図12】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図13】第2の実施形態に係る外部ディスプレイの表示倍率制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図14】第3の実施形態に係る表示倍率設定画面の一例を示す図。
【
図15】第4の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の外観を示す斜視図である。本実施形態に係る情報処理装置10は、クラムシェル型(ノート型)のPC(パーソナルコンピュータ)である。情報処理装置10は、第1筐体101、第2筐体102、及びヒンジ機構103を備える。第1筐体101及び第2筐体102は、略四角形の板状(例えば、平板状)の筐体である。第1筐体101の側面の一つと第2筐体102の側面の一つとがヒンジ機構103を介して結合(連結)されており、ヒンジ機構103がなす回転軸の周りに第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動可能である。第1筐体101と第2筐体102との回転軸の周りの開き角θが略0度の状態が、第1筐体101と第2筐体102とが重なり合って閉じた状態である。第1筐体101と第2筐体102とが閉じた状態のことを「閉状態」(closed)と称する。閉状態において第1筐体101と第2筐体102との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と称する。開き角θとは、第1筐体101の内面と第2筐体102の内面とがなす角とも言うことができる。閉状態に対して第1筐体101と第2筐体102とが開いた状態のことを「開状態」と称する。開状態とは、開き角θが予め設定された閾値(例えば、10度)より大きくなるまで、第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動された状態である。
【0027】
また、情報処理装置10は、カメラ16と、ディスプレイ150とを備える。カメラ16は、第1筐体101の内面に設けられている。ディスプレイ150は、第1筐体101の内面から第2筐体102の内面に亘って設けられている。カメラ16は、例えば第1筐体101の内面のディスプレイ150の画面領域の外側の部分に設けられ、ディスプレイ150に対面する側に存在するユーザなどを撮像することが可能である。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである(
図2、3参照)。フレキシブルディスプレイとしては、有機ELディスプレイ等が用いられる。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして1画面構成として表示を制御することも、ディスプレイ150の画面領域の全体を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて2画面構成として表示を制御することも可能である。ここで、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とは、互いに重ならない画面領域である。ここでは、ディスプレイ150の画面領域のうち第1筐体101の内面側に対応する画面領域が第1画面領域DA1、第2筐体102の内面側に対応する画面領域が第2画面領域DA2であるとする。以下では、1画面構成で表示を制御する表示モードのことを「1画面モード」、2画面構成で表示を制御する表示モードのことを「2画面モード」と称する。
【0028】
なお、ディスプレイ150の画面領域の上にはタッチセンサが設けられている。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域に対するタッチ操作を検出することが可能である。ユーザは、情報処理装置10を開状態(一般的には、開き角θ=90度~180度程度)にすることにより、第1筐体101と第2筐体102のそれぞれの内面に設けられたディスプレイ150の表示を視認することやディスプレイ150へのタッチ操作が可能となり、情報処理装置10の使用が可能となる。
【0029】
次に、情報処理装置10の使用形態と画面モードについて詳しく説明する。まず、情報処理装置10の使用形態としては、第1筐体101と第2筐体102との開き角θによって、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)と、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)とに分けられる。以下では、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)のことを単に「折れ曲がった状態(Bent form)」、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)のことを単に「平面の状態(Flat form)」と称する。折れ曲がった状態(Bent form)では、第1筐体101と第2筐体102とに亘って設けられているディスプレイ150も折れ曲がった状態になる。平面の状態(Flat form)では、ディスプレイ150も平面の状態になる。
【0030】
図2は、折れ曲がった状態(Bent form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。ディスプレイ150が第1筐体101と第2筐体102とに亘って(またがって)配置されている。ディスプレイ150の画面領域(
図1に示す画面領域DA)は、ヒンジ機構103に対応する部分を折り目として折り曲げ(屈曲)が可能であり、この折り目の部分に応じて2つの画面領域に分けられている。ここでは、折り目の部分を境に第1筐体101側の画面領域を第1画面領域DA1、第2筐体102側の画面領域を第2画面領域DA2として示している。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との回動(開き角θ)に応じて屈曲する。情報処理装置10は、開き角θに応じて折れ曲がった状態(Bent form)であるか否かを判別する。一例として10度<θ<170度である場合に、情報処理装置10は、折れ曲がった状態(Bent form)であると判別する。この状態は、所謂クラムシェルモードやブックモードという使用形態に相当する。
【0031】
図3は、平面の状態(Flat form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。情報処理装置10は、典型的には開き角θが180度である場合に平面の状態(Flat form)であると判別するが、一例として、170度≦θ≦180度である場合に平面の状態(Flat form)であると判別してもよい。例えば、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが180度の場合、ディスプレイ150も平面の状態となる。この状態は、所謂タブレットモードという使用形態に相当する。
【0032】
次に、
図4を参照して、情報処理装置10の各種の使用形態による表示モードについて詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10の各種の表示モードの具体例を示す図である。情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θ、情報処理装置10の姿勢(向き)、1画面モードであるか2画面モードであるかなどによって分類される使用形態で表示モードが異なる。なお、1画面のことはシングルスクリーン、2画面のことはスプリットスクリーンまたはデュアルスクリーンなどともいわれる。
【0033】
表示モード(a)は、使用形態として第1筐体101と第2筐体102とが閉状態(Closed)であるときの表示モードである。例えば、この閉状態では、情報処理装置10は、例えばスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態となり、ディスプレイ150が表示オフの状態である。このスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態は、例えばACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているシステムの電源状態のS3またはS4に相当する。
【0034】
表示モード(b)は、使用形態としては折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードである。また、情報処理装置10の向きは、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが縦向きで左右に横に並ぶ向きである。画面領域が縦向きとは、長方形の画面領域の4辺のうちの長辺が縦方向、短辺が横方向になる向きである。画面領域が縦向きの場合は表示の向きも縦向きであり、長辺に沿う方向が上下方向に対応し短辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態は、本を開いたときの左右の頁が左右の画面に相当するような使用形態であり、所謂ブックモードに相当する。この使用形態は、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが横並びで2つを合わせた画面領域が横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。
【0035】
この表示モード(b)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、左側の第1画面領域DA1がプライマリ画面として、右側の第2画面領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(b)において、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0036】
表示モード(c-1)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードであるが、情報処理装置10の向きが異なる使用形態である。情報処理装置10の向きは、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが横向きで上下に縦に並ぶ向きである。画面領域が横向きとは、長方形の画面領域の4辺のうちの長辺が横方向、短辺が縦方向になる向きである。画面領域が横向きの場合は表示の向きも横向きであり、短辺に沿う方向が上下方向に対応し長辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態はクラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態の一つである。
【0037】
この表示モード(c-1)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、第1画面領域DA1がプライマリ画面として、第2画面領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(c-1)において、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0038】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(b)から表示モード(c-1)または表示モード(c-1)から表示モード(b)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(b)に対して表示モード(c-1)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(b)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(c-1)へ切り替える。また、表示モード(c-1)に対して表示モード(b)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(b)へ切り替える。
【0039】
表示モード(c-2)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で情報処理装置10の向きも同じであるが、情報処理装置10に載置可能な外付けのキーボード30(Dockable mini KBD:KeyBord)が所定位置に載置されていることが異なる。この使用形態は、クラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態に物理的なキーボード30が接続されている状態である。例えば、本実施形態ではキーボード30は、第2画面領域DA2のサイズとほぼ同等であり、第2画面領域DA2の上に載置可能に構成されている。なお、キーボード30は、第2画面領域DA2よりも小さい面積を占有するキーボードであっても構わない。一例として、キーボード30は、底面の内部(端部)にはマグネットが設けられており、第2画面領域DA2の上に載置すると、第2筐体102の内面端部のベゼル部分と吸着されて固定される。これにより、元々物理的なキーボードが設けられている旧来からのクラムシェル型のPCと同様の使用形態となる。また、情報処理装置10とキーボード30とは、例えば、Bluetooth(登録商標)で接続される。この表示モード(c-2)では、情報処理装置10は、第2画面領域DA2はキーボード30で視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2)は、ディスプレイ150の画面領域DAのうち表示に有効なのは半分の画面領域となる表示モード(以下、「ハーフ画面モード」と称する)であり、第1画面領域DA1のみが表示領域となる。即ち、ハーフ画面モードは、ディスプレイ150の画面領域(画面領域DA)のうちキーボード30が載置される側の画面領域(第2画面領域DA2)を除く一部の画面領域(第1画面領域DA1)を表示領域として表示を制御する表示モードである。
【0040】
例えば、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態で、外付けのキーボード30との接続を検出すると、表示モード(c-1)から表示モード(c-2)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。
【0041】
表示モード(d)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(b)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ画面領域DAが横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。画面領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0042】
ここで、折れ曲がった状態(Bent form)における1画面モードと2画面モードとの切り替えは、例えば、ユーザの操作により行われる。例えば、情報処理装置10は、1画面モードと2画面モードとを切り替え可能なUI(User Interface)としての操作子を画面上のいずれかの場所に表示させ、当該操作子に対する操作に基づいて、表示モード(b)から表示モード(d)へ切り替える(Switch by UI)。この表示モードの切り替え操作の具体例については後述する。
【0043】
表示モード(e)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(c-1)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)と情報処理装置10の向きから、クラムシェル(Clamshell)型のPCの使用形態に相当する。画面領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0044】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d)から表示モード(e)へ、または表示モード(e)から表示モード(d)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d)に対して表示モード(e)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e)へ切り替える。また、表示モード(e)に対して表示モード(d)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d)へ切り替える。
【0045】
表示モード(d´)は、表示モード(d)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも画面領域DAが横長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。平面の状態(Flat form)とは、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが略180度の状態である。この使用形態は、
図3を参照して説明した所謂タブレットモードに対応するものであり、平面の状態(Flat form)で、且つ画面領域DAが横長であることから、「Flat Landscape」とも称する。この表示モード(d´)は、表示モード(d)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(d)と同様に、画面領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0046】
表示モード(e´)は、表示モード(e)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも画面領域DAが縦長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。この使用形態は、平面の状態(Flat form)で、且つ画面領域DAが縦長であることから、「Flat Portrait」とも称する。この表示モード(e´)は、表示モード(e)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(e)と同様に、画面領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0047】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d´)から表示モード(e´)へ、または表示モード(e´)から表示モード(d´)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d´)に対して表示モード(e´)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d´)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e´)へ切り替える。また、表示モード(e´)に対して表示モード(d´)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d´)へ切り替える。
【0048】
なお、表示モード(d´)及び表示モード(e´)において、前述した表示モード切替アイコンに対してユーザが操作を行うことにより、平面の状態(Flat form)のまま2画面モードに切り替えることも可能である。例えば、表示モード(d´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(b)と同様になる。また、表示モード(e´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(c-1)と同様になる。
【0049】
また、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態でキーボード30との接続を検出すると、表示モード(e´)から表示モード(c-2´)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。表示モード(c-2´)は、平面の状態(Flat form)であり、表示モード(c-2)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。この表示モード(c-2´)では、情報処理装置10は、第2画面領域DA2はキーボード30で視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2´)は、表示モード(c-2)と同様に、ディスプレイ150の画面領域DAのうち表示に有効なのは半分の画面領域(第1画面領域DA1)のみとなるハーフ画面モードである。
【0050】
また、情報処理装置10は、平面の状態(Flat form)から折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、1画面モードから2画面モードに切り替えるようにすることもできる。例えば、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(d´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(d´)から表示モード(b)へ自動的に切り替える。また、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(e´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(e´)から表示モード(c-1)へ自動的に切り替える。
【0051】
ここで、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えた場合、半分の大きさの画面領域になるため、表示倍率が同一であると画面に表示される情報量が半分になってしまう。そのため、本実施形態に係る情報処理装置10は、1画面モードとハーフ画面モードとの切り替えの際に表示倍率を変更する。表示倍率とは、表示データをディスプレイ150に表示させる際の拡大率または縮小率を示しており、表示データの1画素がディスプレイ150の1画素として表示(即ち、等倍表示)させるときが100%である。表示倍率が100%を超える場合には拡大表示、100%未満の場合には縮小表示となる。
【0052】
図5は、本実施形態に係る画面モード切り替え時の表示倍率の変更例を示す図である。
図5の(A)は、1画面モードで表示倍率が300%に設定されている例を示している。画面領域DAには、表示倍率300%でコンテンツの表示データが表示されている。
図5の(B)は、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに、表示倍率を変更しない従来の例を示している。表示倍率を変更しない場合、第1画面領域DA1には、表示倍率300%でコンテンツの表示データが表示されるため、画面に表示される情報量は、1画面モードのときの約半分となる。
【0053】
図5の(C)は、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに、表示倍率を300%から100%に変更した例を示している。第1画面領域DA1には、表示倍率100%でコンテンツの表示データが表示されるため、1画面モードのときに比較して縮小表示となる。そのため、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに、
図5の(B)に示す表示倍率を変更しない場合に比較して、画面に表示される情報量が増加する。
【0054】
情報処理装置10は、
図5の(C)に示すように、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに表示倍率を変更する。例えば、情報処理装置10は、
図5の(C)に示すように、表示倍率を300%から100%に変更する。これにより、情報処理装置10は、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに、画面に表示される情報量の減少を抑制することができる。
【0055】
なお、ここでは、1画面モードのときの表示倍率を300%、ハーフ画面モードのときの表示倍率を100%とした例を示しているが、一例であってこれに限られるものではない。1画面モードの表示倍率に対してハーフ画面モードの表示倍率を低く設定することで、1画面モードからハーフ画面モードに切り替えたときに、画面に表示される情報量の減少を抑制することができる。また、1画面モードの表示倍率とハーフ画面モードの表示倍率とは、予め設定されていてもよいし、ユーザが設定可能であっても良い。
【0056】
また、情報処理装置10は、ハーフ画面モードから1画面モードに切り替えたときには、1画面モードの表示倍率に戻す。
【0057】
(情報処理装置10の構成)
以下、情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、通信部11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、スピーカ14と、表示部15と、カメラ16と、第1加速度センサ161と、第2加速度センサ162と、ホールセンサ17と、制御部18とを備えている。これらの各部は、バスなどを介して通信可能に接続されている。
【0058】
通信部11は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線通信を行う通信デバイス等を含んで構成される。例えば、通信部11は、Bluetooth(登録商標)を用いて、前述の外付けのキーボード30などと通信することが可能である。
【0059】
RAM12には、制御部18により実行される処理のプログラムやデータが展開され、適宜、各種データの保存または消去が行われる。例えば、RAM12は、ディスプレイ150に表示させる表示データを一時的に記憶するビデオメモリ(V-RAM)としても機能する。一例として、RAM12は、ディスプレイ150を1画面モードで制御する際の画面領域DAに表示されるデータのビデオメモリとして機能する。また、RAM12は、ディスプレイ150を2画面モードで制御する際の第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2に表示されるデータのビデオメモリとして機能する。また、RAM12は、ディスプレイ150をハーフ画面モードで制御する際の第1画面領域DA1に表示されるデータのビデオメモリとして機能する。なお、RAM12は、揮発性メモリであるため、RAM12への給電が停止されるとデータを保持しない。RAM12への給電が停止される際に保持が必要なデータは、記憶部13に移される。
【0060】
記憶部13は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Resad Only Memory)、Flash-ROMなどのいずれか一つ又は複数を含んで構成される。例えば、記憶部13には、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムや設定データ、OS(Operating System)やOS上で動作するアプリのプログラム、及びアプリで使用される各種のデータなどが保存される。
スピーカ14は、電子音や音声などを出力する。
【0061】
表示部15は、ディスプレイ150とタッチセンサ155とを備えている。ディスプレイ150は、前述したように、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである。ディスプレイ150は、制御部18の制御に応じて、
図4を参照して説明した各表示モードに対応する表示を行う。タッチセンサ155は、ディスプレイ150の画面上に設けられており、画面に対するタッチ操作を検出する。例えば、タッチセンサ155は、1画面モードの際には、画面領域DAに対するタッチ操作を検出する。また、タッチセンサ155は、2画面モードの際には、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2の一方または両方に対するタッチ操作を検出する。また、タッチセンサ155は、ハーフ画面モードの際には、第1画面領域DA1に対するタッチ操作を検出する。タッチ操作には、タップ操作、スライド操作、フリック操作、スワイプ操作、ピンチ操作などが含まれる。タッチセンサ155は、タッチ操作を検出し、検出した操作に基づく操作情報を制御部18へ出力する。
【0062】
カメラ16は、レンズ及び撮像素子などを含んで構成されている。カメラ16は、制御部18の制御に応じて、画像(静止画や動画)を撮像し、撮像した画像のデータを出力する。
【0063】
第1加速度センサ161は、第1筐体101の内部に設けられており、第1筐体101の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第1画面領域DA1の長手方向に平行な方向をX1方向、短手方向に平行な方向をY1方向、X1方向及びY1方向に垂直な方向をZ1方向とすると、第1加速度センサ161は、X1方向、Y1方向、及びZ1方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0064】
第2加速度センサ162は、第2筐体102の内部に設けられており、第2筐体102の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第2画面領域DA2の長手方向に平行な方向をX2方向、短手方向に平行な方向をY2方向、X2方向及びY2方向に垂直な方向をZ2方向とすると、第2加速度センサ162は、X2方向、Y2方向、及びZ2方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0065】
ホールセンサ17は、キーボード30が載置されているか否かを検出するために設けられている。例えば、第2筐体102の第2画面領域DA2の上にキーボード30が載置されると、キーボード30の底面の内部に設けられたマグネットが接近することにより磁界が変化し、ホールセンサ17の検出値(出力値)が変化する。つまり、ホールセンサ17は、キーボード30が載置されているか否かによって異なる検出結果を出力する。
【0066】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロコンピュータ(Microcomputer)等のプロセッサ等を含んで構成されており、それらが記憶部13等に記憶されたプログラム(BIOSや、OS、OS上で動作するアプリなどの各種プログラム)を実行することにより各種の機能を実現する。例えば、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、情報処理装置10の姿勢(向き)を検出する。また、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、開状態であるか又は閉状態であるか、及び開状態の場合に折れ曲がった状態(Bent form)であるか又は平面の状態(Flat form)であるかなどを検出する。また、制御部18は、第2画面領域DA2の上にキーボード30が載置されているか否かを検出する。そして、制御部18は、検出した情報処理装置10の姿勢(向き)及び状態、キーボード30の接続の有無等に基づいて、
図4に示す表示モードの切り替えを制御する。また、制御部18は、
図5を参照して説明したように、1画面モードとハーフ画面モードとの切り替えの際に表示倍率を変更する。
【0067】
ここで、1画面モードは、ディスプレイ150の画面領域DAの全体を表示領域とする表示モードである。そのため、以下では、1画面モードのことを、ハーフ画面モードに対して「フルスクリーンモード」と称する。
【0068】
(機能構成)
次に、情報処理装置10において、制御部18がフルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えの際に表示倍率を変更する表示倍率制御処理についての機能構成について詳しく説明する。
【0069】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。制御部18は、載置検出部181と、表示モード制御部182と、表示倍率設定部183と、表示制御部184とを備えている。
【0070】
載置検出部181は、ホールセンサ17による検出結果に基づいて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出する。例えば、載置検出部181は、ホールセンサ17の検出値(出力値)に基づいて、第2画面領域DA2の上にキーボード30が載置されているか否かを検出する。
【0071】
表示モード制御部182は、
図4に示す各表示モードの切り替えを制御する表示モード切替処理を行う。例えば、表示モード制御部182は、載置検出部181による検出結果に基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える。例えば、表示モード制御部182は、載置検出部181による検出結果に基づいて、フルスクリーンモードからハーフ画面モードに切り替えるか、或いはハーフ画面モードからフルスクリーンモードに切り替えるかを制御する。具体的には、表示モード制御部182は、載置検出部181によりキーボード30の載置が検出されていない場合にはフルスクリーンモードに制御し、キーボード30の載置が検出された場合にはハーフ画面モードに制御する。
【0072】
なお、表示モード制御部182は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、ハーフ画面モードに切り替えずに、フルスクリーンモードを維持してもよい。
【0073】
表示倍率設定部183は、フルスクリーンモードの表示倍率及びハーフ画面モードの表示倍率を設定する。例えば、フルスクリーンモードの表示倍率とハーフ画面モードの表示倍率とは、それぞれ個別に設定されており、この表示モードの切り替えを行うプログラムにおいて予め設定されていてもよい。
【0074】
また、フルスクリーンモードの表示倍率とハーフ画面モードの表示倍率とのそれぞれは、ユーザが個別に設定可能であってもよい。例えば、表示倍率設定部183は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率をユーザが設定可能な設定画面をディスプレイ150に表示させる。
【0075】
図8は、本実施形態に係る表示倍率設定画面の一例を示す図である。図示する表示倍率設定画面の例では、フルスクリーンモード(Full)の表示倍率とハーフ画面モード(Half)の表示倍率とのそれぞれについて、100%、150%、200%、250%、及び300%の5つの選択肢がラジオボタンと共に表示されている。ユーザは、フルスクリーンモード(Full)の表示倍率の選択肢のうちのいずれか1つのラジオボタンを選択する操作を行うことにより、フルスクリーンモード(Full)の表示倍率を、選択できる。また、ユーザは、ハーフ画面モード(Half)の表示倍率の選択肢のうちのいずれか1つのラジオボタンを選択する操作を行うことにより、ハーフ画面モード(Half)の表示倍率を選択できる。ユーザがラジオボタンで表示倍率を選択した後、「保存」に対して操作を行うと、表示倍率設定部183は、選択されたフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定する。
【0076】
図9は、本実施形態に係る表示倍率設定画面の別の例を示す図である。図示する表示倍率設定画面の例は、
図8に示すラジオボタンで表示倍率を選択する例に代えて、プルダウン(ドロップダウン)で表示倍率を選択する例である。ユーザは、フルスクリーンモード(Full)の表示倍率の選択肢のうちのいずれか1つをプルダウンで選択する操作を行うことにより、フルスクリーンモード(Full)の表示倍率を選択できる。また、ユーザは、ハーフ画面モード(Half)の表示倍率の選択肢のうちのいずれか1つをプルダウンで選択する操作を行うことにより、ハーフ画面モード(Half)の表示倍率を選択できる。ユーザがプルダウンで表示倍率を選択した後、「保存」に対して操作を行うと、表示倍率設定部183は、選択されたフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定する。
【0077】
なお、
図8、9に示す表示倍率設定画面において、フルスクリーンモードの表示倍率に対してハーフ画面モードの表示倍率の方が大きく設定できないように規制がされてもよい。例えば、フルスクリーンモードの表示倍率が300%に設定された場合にはハーフ画面モードの表示倍率は100%、150%、200%、250%、及び300%の5つの選択肢のいずれも選択可能であるが、フルスクリーンモードの表示倍率が200%に設定された場合にはハーフ画面モードの表示倍率は100%、150%、200%の3つの選択肢のみ選択可能としてもよい。
【0078】
図7に戻り、表示倍率設定部183は、表示倍率設定画面(例えば、
図8、9参照)に対するユーザの操作に基づいてフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定する際に、それぞれの表示倍率を設定情報記憶部131に記憶させる。設定情報記憶部131は、例えば記憶部13に含まれる。
【0079】
表示制御部184は、表示モード制御部182による表示モードの切り替えに応じて、ディスプレイ150の表示を制御する表示制御処理を行う。例えば、表示制御部184は、表示モード制御部182によりフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する。一例として、表示制御部184は、表示モード制御部182によりフルスクリーンモードからハーフ画面モードに切り替える場合、表示倍率を300%から100%に変更する。また、表示制御部184は、表示モード制御部182によりハーフ画面モードからフルスクリーンモードに切り替える場合、表示倍率を100%から300%に変更する。
【0080】
なお、表示モード制御部182は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、表示倍率の切り替えを行うか否かをユーザが選択可能な選択画面をディスプレイ150に表示させてもよい。この選択画面に対するユーザの操作に基づいて表示制御部184は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際の表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。
【0081】
(表示倍率制御処理の動作)
次に、制御部18がフルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えの際に表示倍率を変更する表示倍率制御処理の動作について説明する。
【0082】
図10は、本実施形態に係る表示倍率制御処理の第1例を示すフローチャートである。ここでは、フルスクリーンモードからハーフ画面モードに切り替える際に表示倍率を変更する表示倍率制御処理の動作について説明する。
【0083】
(ステップS101)制御部18は、ホールセンサ17の検出結果に基づいて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出し、キーボード30が載置されているか否かを判定する。制御部18は、キーボード30が載置されていると判定した場合(YES)、ステップS103の処理へ進む。一方、制御部18は、キーボード30が載置されていないと判定した場合(NO)、再びステップS101の処理を行う。
【0084】
(ステップS103)制御部18は、フルスクリーンモードからハーフ画面モードに切り替え、ステップS107の処理へ進む。
【0085】
(ステップS107)制御部18は、表示倍率を300%から100%に変更する。なお、表示倍率をユーザが設定している場合には、制御部18は、設定情報記憶部131を参照して、ユーザにより設定されたハーフ画面モードの表示倍率に変更する。
【0086】
図11は、本実施形態に係る表示倍率制御処理の第2例を示すフローチャートである。ここでは、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードに切り替える際に表示倍率を変更する表示倍率制御処理の動作について説明する。
【0087】
(ステップS151)制御部18は、ホールセンサ17の検出結果に基づいて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出し、キーボード30が載置されているか否かを判定する。制御部18は、キーボード30が載置されていると判定した場合(YES)、再びステップS151の処理を行う。一方、制御部18は、キーボード30が載置されていないと判定した場合(NO)、ステップS153の処理へ進む。
【0088】
(ステップS153)制御部18は、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードに切り替え、ステップS157の処理へ進む。
【0089】
(ステップS157)制御部18は、表示倍率を100%から300%に変更する。なお、表示倍率をユーザが設定している場合には、制御部18は、設定情報記憶部131を参照して、ユーザにより設定されたフルスクリーンモードの表示倍率に変更する。
【0090】
(第1の実施形態のまとめ)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、ディスプレイ150と、ディスプレイ150に表示させる表示データを一時的に記憶するRAM12(メモリの一例)と、RAM12に記憶された表示データをディスプレイ150に表示させる際の制御を行う制御部18(例えば、CPU、GPU、マイクロコンピュータ等のプロセッサのいずれかを含む構成の一例)と、を備える。制御部18は、ディスプレイ150の画面領域DAの全体を表示領域として表示を制御するフルスクリーンモード(第1表示モードの一例)と、画面領域DAのうちの一部(例えば、第1画面領域DA1)を表示領域として表示を制御するハーフ画面モード(第2表示モードの一例)とを切り替える表示モード切替処理を行う。また、制御部18は、表示モード切替処理によりフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理を行う。
【0091】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合、それぞれの画面モードに応じた適切な表示倍率で表示させることができる。例えば、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合に、表示される情報量を適切に制御することができる。よって、情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域の大きさが変化したときの表示を適切に制御することができる。
【0092】
また、制御部18は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率をユーザが設定可能な表示倍率設定画面(設定画面の一例、
図8,9参照)をディスプレイ150に表示させ、表示倍率設定画面に対するユーザの操作に基づいてフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定してもよい。
【0093】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を、ユーザの要望に合わせた表示倍率で制御することができる。
【0094】
また、制御部18は、上記表示モード切替処理において、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、表示倍率の切り替えを行うか否かをユーザが選択可能な選択画面をディスプレイに表示させてもよい。この場合、制御部18は、この選択画面に対するユーザの操作に基づいて、上記表示制御処理により表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0095】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、ユーザの要望に合わせて制御することができる。
【0096】
また、制御部18は、ディスプレイ150の画面領域DAのうち所定の画面領域(例えば、第2画面領域DA2)への外付けのキーボード30の載置を検出する載置検出処理を行う。そして、制御部18は、上記表示モード切替処理において、載置検出処理による検出結果に基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える。
【0097】
これにより、情報処理装置10は、キーボード30が載置されたか否かによって、自動でフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを適切に切り替えることができる。
【0098】
例えば、制御部18は、上記表示モード切替処理において、載置検出処理によりキーボード30の載置が検出されない場合にはフルスクリーンモードに制御し、キーボード30の載置が検出された場合にはハーフ画面モードに制御する。ここで、ハーフ画面モードは、所定の画面領域(例えば、第2画面領域DA2)を除く一部の画面領域(例えば、第1画面領域DA1)を表示領域とする。
【0099】
これにより、情報処理装置10は、キーボード30が載置されたか否かによって、自動でフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを適切に切り替えることができる。
【0100】
また、ディスプレイ150は、折り畳み可能な1つのディスプレイである。ハーフ画面モードは、ディスプレイ150を折り畳む際の折り目の部分に応じて分けられた複数の画面領域のうちの一つ(例えば、第1画面領域DA1)を表示領域とする。
【0101】
これにより、情報処理装置10は、ハーフ画面モードでは、折り畳み可能な1つのディスプレイ150の折り目の部分に応じた適切な画面領域を表示領域とすることができる。
【0102】
また、本実施形態に係る情報処理装置10における制御方法は、制御部18が、ディスプレイ150の画面領域DAの全体を表示領域として表示を制御するフルスクリーンモード(第1表示モードの一例)と、画面領域DAのうちの一部(例えば、第1画面領域DA1)を表示領域として表示を制御するハーフ画面モード(第2表示モードの一例)とを切り替える表示モード切替ステップと、表示モード切替ステップによりフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御ステップと、を含む。
【0103】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合、それぞれの画面モードに応じた適切な表示倍率で表示させることができる。例えば、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える場合に、表示される情報量を適切に制御することができる。よって、情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域の大きさが変化したときの表示を適切に制御することができる。
【0104】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施形態において
図1~6を参照して説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。本実施形態では、外部ディスプレイを接続して使用する場合の制御例について説明する。例えば、情報処理装置10は、ディスプレイポートやHDMI(登録商標)などの接続端子(不図示)を介して外部ディスプレイと接続される。なお、情報処理装置10は、無線LANなどの無線通信を利用して、通信部11を介して外部ディスプレイと接続されてもよい。
【0105】
例えば、情報処理装置10は、外部ディスプレイが接続された場合、外部ディスプレイの表示倍率を、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えによって変更する表示倍率と連動させてもよい。
【0106】
図12は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。この図において、
図7の各部に対応する構成には同一の符号を付している。制御部18Aは、載置検出部181と、表示モード制御部182と、表示倍率設定部183と、表示制御部184と、外部接続検出部185とを備えており、外部ディスプレイ50との接続を検出する外部接続検出部185を備えている点が、
図7の制御部18の構成と異なる。
【0107】
外部接続検出部185は、外部ディスプレイ50との接続を検出する外部接続検出処理を行う。例えば、外部接続検出部185は、外部ディスプレイ50との接続を検出した場合、外部ディスプレイ50の仕様(画面サイズ、解像度など)などの情報を外部ディスプレイ50から取得する。
【0108】
表示制御部184は、外部接続検出部185により外部ディスプレイ50と接続されていることを検出した場合、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えに応じて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率で外部ディスプレイ50の表示を制御する。即ち、表示制御部184は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えに応じて、ディスプレイ150と同様の表示倍率で外部ディスプレイ50の表示も制御する。
【0109】
ここで、制御部18Aがフルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えの際に外部ディスプレイ50の表示倍率を変更する表示倍率制御処理の動作について説明する。
図13は、本実施形態に係る外部ディスプレイ50の表示倍率制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0110】
(ステップS201)制御部18Aは、外部ディスプレイ50との接続を検出することにより、外部ディスプレイ50と接続されているか否かを判定する。制御部18Aは、外部ディスプレイ50と接続されていないと判定した場合(NO)、再びステップS201の処理を行う。一方、制御部18Aは、外部ディスプレイ50と接続されていると判定した場合(YES)、ステップS203の処理へ進む。
【0111】
(ステップS203)制御部18Aは、フルスクリーンモードからハーフ画面モードへの切り替えを行うか否かを判定する。制御部18Aは、フルスクリーンモードからハーフ画面モードへの切り替えを行うと判定した場合(YES)、ステップS205の処理へ進む。一方、制御部18Aは、フルスクリーンモードからハーフ画面モードへの切り替えを行わないと判定した場合(NO)、ステップS207の処理へ進む。
【0112】
(ステップS205)制御部18Aは、フルスクリーンモードからハーフ画面モードに切り替える際に、外部ディスプレイ50の表示倍率を300%から100%に変更する。なお、表示倍率をユーザが設定している場合には、制御部18Aは、設定情報記憶部131を参照して、ユーザにより設定されたハーフ画面モードの表示倍率に変更する。
【0113】
(ステップS207)制御部18Aは、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードへの切り替えを行うか否かを判定する。制御部18Aは、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードへの切り替えを行うと判定した場合(YES)、ステップS209の処理へ進む。一方、制御部18Aは、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードへの切り替えを行わないと判定した場合(NO)、ステップS201の処理へ戻る。
【0114】
(ステップS209)制御部18Aは、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードに切り替える際に、外部ディスプレイ50の表示倍率を100%から300%に変更する。なお、表示倍率をユーザが設定している場合には、制御部18Aは、設定情報記憶部131を参照して、ユーザにより設定されたフルスクリーンモードの表示倍率に変更する。
【0115】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10において、制御部18Aは、外部ディスプレイ50との接続を検出する外部接続検出処理を行い、外部ディスプレイ50と接続されていることを検出した場合、表示制御処理において、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えに応じて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率で外部ディスプレイ50の表示を制御する。
【0116】
これにより、情報処理装置10は、外部ディスプレイ50の表示倍率を本体側のディスプレイ150の表示倍率と連動させることができる。
【0117】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施形態において
図1~6を参照して説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。また、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成は、
図12に示す構成と同様である。本実施形態では、第2の実施形態と同様に、外部ディスプレイ50を接続して使用する場合の制御例であるが、ディスプレイ150の表示倍率とは別に、外部ディスプレイ50用の表示倍率の設定が可能な構成を説明する。
【0118】
図14は、本実施形態に係る表示倍率設定画面の一例を示す図である。図示する表示倍率設定画面の例は、
図8に示す例に対して、ディスプレイ150用の表示倍率の選択肢に加えて外部ディスプレイ50用の表示倍率の選択肢が含まれる点が異なる。ユーザは、フルスクリーンモード(Full)とハーフ画面モード(Half)とのそれぞれについて、ディスプレイ150の表示倍率とは別に外部ディスプレイ50用の表示倍率を選択することができる。なお、
図14に示す例は、ラジオボタンで表示倍率を選択する例であるが、プルダウン(ドロップダウン)で表示倍率を選択する画面としてもよい。
【0119】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10において、制御部18Aは、情報処理装置10が備えるディスプレイ150と外部ディスプレイとのそれぞれについてフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率をユーザが設定可能な表示倍率設定画面をディスプレイ150に表示させる。そして、制御部18Aは、表示倍率設定画面に対するユーザの操作に基づいて、情報処理装置10が備えるディスプレイ150と外部ディスプレイ50とのそれぞれについてフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定する。
【0120】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、ディスプレイ150の表示倍率と外部ディスプレイ50の表示倍率とのそれぞれをユーザの要望に合わせて個別に制御することができる。
【0121】
なお、表示倍率設定画面において、さらに外部ディスプレイ50の仕様(画面サイズ、解像度)ごとにフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率を設定可能であってもよい。例えば、外部ディスプレイ50のフルスクリーンモードとハーフ画面モードとのそれぞれの表示倍率の選択肢を、解像度ごと(例えば、「HD」、「4K」など)に選択可能に表示されてもよい。
【0122】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、外部ディスプレイ50の表示倍率をより適切に制御することができる。
【0123】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施形態において
図1~6を参照して説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。本実施形態では、第1~3の実施形態で説明したフルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えの際に表示倍率を変更する表示倍率制御処理を実行するか否かを、所定の条件に基づいて決定する構成について説明する。所定の条件について以下に説明する。
【0124】
(1)外部ディスプレイ50との接続の有無を条件とする例
例えば、
図12に示す情報処理装置10の機能構成において、制御部18Aが備える外部接続検出部185は、外部ディスプレイ50との接続を検出する外部接続検出処理を行う。そして、表示モード制御部182によりフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、表示制御部184は、外部ディスプレイ50と接続されているか否かに基づいて、表示倍率の変更する表示倍率制御処理を実行するか否かを決定してもよい。
【0125】
例えば、表示制御部184は、外部ディスプレイ50と接続されていない場合には表示倍率制御処理を実行する。一方、表示制御部184は、外部ディスプレイ50と接続されている場合には表示倍率制御処理を実行しない。つまり、表示制御部184は、外部ディスプレイ50と接続されている場合には、主に外部ディスプレイ50がユーザによって見られていると推定できるため、ディスプレイ150の画面領域に対して比較的に画面領域が大きい外部ディスプレイ50の表示倍率を変更しない。
【0126】
このように、制御部18Aは、外部ディスプレイ50との接続を検出する外部接続検出処理を行い、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、外部ディスプレイ50と接続されているか否かに基づいて表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0127】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、外部ディスプレイ50との接続の有無によって適切に制御することができる。
【0128】
なお、情報処理装置10は、外部ディスプレイ50と接続されている場合と接続されていない場合とのそれぞれにおいて実際にユーザによって設定された表示倍率を機械学習することにより、外部ディスプレイ50と接続されている場合と接続されていない場合とのそれぞれで表示倍率制御処理を実行するか否かを決定してもよい。
【0129】
図15は、本実施形態に係る情報処理装置10の機械学習を行う機能構成の一例を示す概略ブロック図である。この図において、
図7及び
図12の各部に対応する構成には同一の符号を付している。制御部18Bは、載置検出部181と、表示モード制御部182と、表示倍率設定部183と、表示制御部184と、外部接続検出部185と、学習部186とを備えており、学習部186を備えている点が、
図12の制御部18Aの構成と異なる。
【0130】
学習部186は、入力データに基づいて機械学習を行って学習済みモデルを生成する。例えば、学習部186は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と外部ディスプレイ50と接続されているか否かとを入力のデータセットとして機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。
【0131】
制御部18Bは、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と外部ディスプレイ50と接続されているか否かとに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0132】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、外部ディスプレイ50との接続の有無によって適切に制御することができる。
【0133】
(2)ユーザ毎の表示倍率の設定プロファイルを条件とする例
例えば、
図7または
図12に示す情報処理装置10の機能構成において、過去にフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後にユーザによって設定された表示倍率の設定プロファイル(履歴)をユーザ毎(ユーザの識別情報毎)に関連付けて保存しておき、当該設定プロファイルに基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定してもよい。なお、設定プロファイルには、ユーザによって設定された表示倍率の設定値、ユーザが表示倍率を変更したか否かの情報などが含まれる。
【0134】
例えば、制御部18(または制御部18A)は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定のユーザ毎の設定プロファイル(履歴)に基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0135】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、ユーザ毎に適切に制御することができる。
【0136】
なお、情報処理装置10は、ユーザ毎(ユーザの識別情報毎)の表示倍率の設定プロファイル(履歴)を機械学習することにより、ユーザ毎に表示倍率制御処理を実行するか否かを決定してもよい。
【0137】
例えば、
図15に示す情報処理装置10の機能構成において、制御部18Bが備える学習部186は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定とユーザの識別情報とが含まれるユーザ毎の設定プロファイルを入力のデータセットとして機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。
【0138】
制御部18Bは、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定のユーザ毎の設定プロファイル(履歴)に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0139】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、ユーザ毎に適切に制御することができる。
【0140】
(3)時間帯を条件とする例
例えば、
図7または
図12に示す情報処理装置10の機能構成において、過去にフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後にユーザによって設定された表示倍率の設定値またはユーザが表示倍率を変更したか否かの情報などを時間帯に関連付けて保存しておき、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを時間帯によって決定してもよい。
【0141】
例えば、制御部18(または制御部18A)は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と時間帯とに基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0142】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、時間帯によって適切に制御することができる。
【0143】
なお、情報処理装置10は、時間帯毎の表示倍率の設定を機械学習することにより、ユーザ毎に表示倍率制御処理を実行するか否かを決定してもよい。
【0144】
例えば、
図15に示す情報処理装置10の機能構成において、制御部18Bが備える学習部186は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と時間帯とが含まれる時間帯毎の設定プロファイル(履歴)を入力のデータセットとして機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。
【0145】
制御部18Bは、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定の時間帯毎の設定プロファイル(履歴)に基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0146】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、時間帯によって適切に制御することができる。
【0147】
(4)使用しているアプリケーションを条件とする例
例えば、
図7または
図12に示す情報処理装置10の機能構成において、過去にフルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後にユーザによって設定された表示倍率の設定値またはユーザが表示倍率を変更したか否かの情報などを使用中のアプリケーションの種類に関連付けて保存しておき、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、使用中のアプリケーションの種類によって決定してもよい。
【0148】
ここで、使用中のアプリケーションの種類とは、アプリケーションのタイトル、バージョン、ジャンルなどのいずれであってもよい。
【0149】
例えば、制御部18(または制御部18A)は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に、使用中のアプリケーションの種類に基づいて表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0150】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、使用中のアプリケーションの種類によって適切に制御することができる。
【0151】
なお、情報処理装置10は、使用中のアプリケーションの種類毎の表示倍率の設定を機械学習することにより、使用中のアプリケーションの種類毎に表示倍率制御処理を実行するか否かを決定してもよい。
【0152】
例えば、
図15に示す情報処理装置10の機能構成において、制御部18Bが備える学習部186は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と使用中のアプリケーションの種類とを入力のデータセットとして機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。
【0153】
制御部18Bは、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替えた後の表示倍率の設定と、使用中のアプリケーションの種類とに基づいて機械学習された学習済みモデルを用いて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを決定する。
【0154】
これにより、情報処理装置10は、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとを切り替える際に表示倍率の変更を行うか否かを、使用中のアプリケーションの種類によって適切に制御することができる。
【0155】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態で説明した構成は、任意に組み合わせてもよい。
【0156】
また、上述した実施形態では、ディスプレイ150の画面領域を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モード(フルスクリーンモード)と、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御する2画面モードと、2つの画面領域に分けた一方の第1画面領域DA1のみを表示領域として表示を制御するハーフ画面モードの例を説明したが、ディスプレイ150の画面領域を分ける場合、2つの画面領域に限られるものではなく、3つ以上の画面領域に分けてもよい。例えば、ディスプレイ150の画面領域を3つの画面領域に分けて表示を制御する3画面モードとして場合、3つの画面領域のうちの2つの画面領域を表示領域とし、他の1つの画面領域の上に外付けのキーボード30が載置される構成としてもよい。この場合も、3つの画面領域を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モード(フルスクリーンモード)と2つの画面領域を表示領域とする画面モードとを切り替える際に、表示倍率を変更してもよい。
【0157】
さらに、ハーフ画面モードにおいてディスプレイ150の画面上に載置できる外付けのキーボード30は、第2画面領域DA2のサイズとほぼ一致しているものに限定されることはなく、例えば第2画面領域DA2のサイズよりも小さいサイズとしてもよい。また、キーボード30が載置される位置は、キーボード30の下辺が第2画面領域DA2の下辺と一致する位置に限らず、キーボード30の上辺が第2画面領域DA2の上辺と一致する位置になるようにしてもよいし、それらの中間的な位置になるようにしてもよい。
【0158】
また、上述した実施形態では、情報処理装置10が折り畳み可能な1つのディスプレイ150を備える例を説明したが、複数のディスプレイを備えてもよい。例えば、情報処理装置10は、第1筐体101の内面と第2筐体102の内面とのそれぞれに1つずつ合計2つのディスプレイを備えた構成としてもよい。2つのディスプレイを備えた構成の場合、フルスクリーンモードでは、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域を1つにまとめた画面領域を画面領域DAとして(表示領域として)表示を制御し、ハーフ画面モードでは、2つのディスプレイの一方のみの画面領域を第1画面領域DA1として(表示領域として)表示を制御する構成としてもよい。また、2画面モードでは、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2として表示を制御する構成としてもよい。
【0159】
また、上述した実施形態では、入力部(タッチセンサ)と表示部とが一体となって構成されている複数のタッチパネル式のディスプレイに対するタッチ操作の例を説明したが、タッチ操作に限定されるものではなく、マウスによるクリック操作、ジェスチャーによる操作などとしてもよい。
【0160】
なお、上述した情報処理装置10は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置10が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置10が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0161】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置10が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0162】
また、上述した実施形態における情報処理装置10が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0163】
10 情報処理装置、101 第1筐体、102 第2筐体、103 ヒンジ機構、11 通信部、12 RAM、13 記憶部、14 スピーカ、15 表示部、16 カメラ、150 ディスプレイ、155 タッチセンサ、161 第1加速度センサ、162 第2加速度センサ、17 ホールセンサ、18 制御部、181 載置検出部、182 表示モード制御部、183 表示倍率設定部、184 表示制御部、185 外部接続検出部、186 学習部、30 キーボード、50 外部ディスプレイ
【要約】
【課題】ディスプレイの画面領域の大きさが変化したときの表示を適切に制御すること。
【解決手段】情報処理装置は、ディスプレイと、ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、メモリに記憶された表示データをディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備える。プロセッサは、ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、画面領域のうちの一部を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを切り替える表示モード切替処理と、表示モード切替処理により第1表示モードと第2表示モードとを切り替える場合、第1表示モードと第2表示モードとのそれぞれに個別に設定されている表示倍率に変更する表示制御処理と、を行う。
【選択図】
図5