(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】巡回ルート算出装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/047 20230101AFI20240624BHJP
【FI】
G06Q10/047
(21)【出願番号】P 2023077757
(22)【出願日】2023-05-10
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 哲
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-036973(JP,A)
【文献】特開2019-191891(JP,A)
【文献】特開2004-234305(JP,A)
【文献】特開2018-142080(JP,A)
【文献】特開2020-013431(JP,A)
【文献】国際公開第2018/038082(WO,A1)
【文献】土屋 哲,谷本 圭志,梶本 剛志,商品補充を考慮した移動販売車両の巡回計画に関する研究,第52回土木計画学研究発表会 講演集,Vol.52,日本,土木計画学研究委員会,2015年11月,571-572頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客の各々が使用する第1端末装置から、商品の注文を示す注文情報を受け付ける受付部と、
前記注文情報に基づいて、前記複数の顧客と、前記商品を販売する複数の販売員とをマッチングするマッチング部と、
前記商品を携帯する前記複数の販売員が、前記複数の顧客に対して、前記注文を受けた商品を受け渡すために、前記複数の顧客を巡回する最中における、各販売員が携帯する前記商品の残量を予測する予測部と、
前記予測部が予測した前記商品の残量に基づいて、前記各販売員が、前記商品の受け渡し中に、前記商品の供給場所に立ち寄る第1時点を算出する供給時点算出部と、
前記各販売員が、前記複数の顧客のうち一部の顧客に対して、前記注文を受けた商品を受け渡すために、前記一部の顧客を巡回すると共に、前記第1時点において、前記供給場所に立ち寄る最短の巡回ルートを算出するルート算出部と、
を備える巡回ルート算出装置。
【請求項2】
前記各販売員が、前記巡回ルートを巡回している最中に、前記受付部が、新たな顧客が使用する第1端末装置から新たな商品の注文を示す注文情報を受け付けた場合、前記一部の顧客と、前記新たな顧客とを巡回する形式で、前記巡回ルートを更新する更新部を、更に備える、
請求項1に記載の巡回ルート算出装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記第1端末装置から、前記注文情報として、前記顧客が購入を希望する商品の銘柄を示す情報、前記顧客が購入先として希望する販売員を示す情報、及び、最も近距離に位置する販売員からの購入の希望を示す情報のうちいずれかの情報を受け付け、
前記マッチング部は、前記受付部が受け付けた注文情報に基づいて、前記複数の顧客と、前記複数の販売員とをマッチングする、
請求項1に記載の巡回ルート算出装置。
【請求項4】
前記各販売員が使用する第2端末装置に、前記巡回ルートを表示させる表示制御部を更に備える、
請求項1に記載の巡回ルート算出装置。
【請求項5】
前記巡回ルートに基づいて、複数の顧客の各々に対する前記商品の受け渡し時点を算出する受渡時点算出部と、
前記受け渡し時点を前記第1端末装置に表示させる表示制御部と、を更に備える、
請求項1に記載の巡回ルート算出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巡回ルート算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を複数の顧客に配達する場合、最短の巡回ルートで当該複数の顧客を巡回するために、いわゆる「巡回セールスマン問題」の解法を用いて巡回ルートを算出することがある。
【0003】
例えば、特許文献1は、配達先の受け取り可否の確認を行いながら、荷物の運搬等の業務を行うことを可能とするために、「巡回セールスマン問題」の解法を用いて配送計画を生成する情報処理装置に係る技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば野球場におけるビールの売り子のように、商品を配達する途中で、配達している商品が無くなるために、商品の供給場所に商品を受け取りに行く場合がある。
しかし、従来の技術は、複数の配達先に荷物を届けるための配送計画を策定するに過ぎないため、商品の配達途中で商品の供給場所に立ち寄ることも含めて巡回ルートを算出することができないといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、商品を配達する途中で商品が無くなることが見込まれるために、商品の供給場所に立ち寄りながら、配達先の顧客を巡回する最短の巡回ルートを算出する巡回ルート算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な態様に係る巡回ルート算出装置は、複数の顧客の各々が使用する第1端末装置から、商品の注文を示す情報を受け付ける受付部と、前記注文情報に基づいて、前記複数の顧客と、前記商品を販売する複数の販売員とをマッチングするマッチング部と、前記商品を携帯する前記複数の販売員が、前記複数の顧客に対して、前記注文を受けた商品を受け渡すために、前記複数の顧客を巡回する最中における、各販売員が携帯する前記商品の残量を予測する予測部と、前記予測部が予測した前記商品の残量に基づいて、前記各販売員が、前記商品の受け渡し中に、前記商品の供給箇所に立ち寄る第1時点を算出する供給時点算出部と、前記各販売員が、前記複数の顧客のうち一部の顧客に対して、前記注文を受けた商品を受け渡すために、前記一部の顧客を巡回すると共に、前記第1時点において、前記供給箇所に立ち寄る最短の巡回ルートを算出するルート算出部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品を配達する途中で商品が無くなることが見込まれるために、商品の供給場所に立ち寄りながら、配達先の顧客を巡回する最短の巡回ルートを算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】巡回ルート算出システム1の全体構成を示す図。
【
図5】第1端末装置20-jの構成例を示すブロック図。
【
図6】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図7】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図8】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図9】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図10】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図11】表示装置24に表示される画面の例を示す図。
【
図12】第2端末装置30-kの構成例を示すブロック図。
【
図13】表示装置34に表示される画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1:実施形態
以下、図面を参照しつつ、巡回ルート算出システム1について説明する。
【0011】
1-1:実施形態の構成
1-1-1:全体構成
図1は、実施形態に係る巡回ルート算出システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、巡回ルート算出システム1は、サーバ10、第1端末装置20-1、20-2、…20-j、…20-m、及び第2端末装置30-1、30-2、…30-k、…30-nを備える。jは1以上m以下の任意の整数である。kは1以上n未満の任意の整数である。第1端末装置20-1、20-2、…20-j、…20-mは、顧客C1、C2、…Cj、…Cmによって使用される。第2端末装置30-1、30-2、…30-k、…30-nは、販売員L1、L2、…Lk、…Lnによって使用される。サーバ10は、通信網NWを介して、第1端末装置20-1、20-2、…20-j、…20-mと互いに通信可能に接続される。また、サーバ10は、通信網NWを介して、第2端末装置30-1、30-2、…30-k、…30-nと互いに通信可能に接続される。サーバ10は、「巡回ルート算出装置」の一例である。以下の説明では、第1端末装置20-1、20-2、…20-mを代表して第1端末装置20-jを用いて説明することがある。また、以下の説明では、第2端末装置30-1、30-2、…30-nを代表して第2端末装置30-kを用いて説明することがある。また、顧客C1、C2、…Cmを代表して顧客Cjを用いて説明することがある。また、販売員L1、L2、…Lnを代表して販売員Lkを用いて説明することがある。
【0012】
図1において、第1端末装置20-jは、顧客Cjが使用する装置である。顧客Cjは、第1端末装置20-jを用いて、商品を注文する。一例として、顧客Cjが商品を注文する方法は、以下の3通りである。
第1の注文方法は、顧客Cjが注文したい商品の銘柄を指定する方法である。この場合、顧客Cjは、第1端末装置20-jを用いて、商品の銘柄を指定する。
第2の注文方法は、顧客Cjが商品の販売員Lを指定する方法である。この場合、顧客Cjは、第1端末装置20-jを用いて、販売員L1~Lnの中から1人の販売員Lを指定する。
第3の注文方法は、顧客Cjが、顧客Cj自身から最も近距離に位置する販売員Lからの購入を指定する方法である。この場合、顧客Cjは、第1の注文方法及び第2の注文方法のように銘柄又は販売員Lを具体的に指定するのではなく、第1端末装置20-jから、「最も近距離に位置する販売員からの購入」自体を指定する。
【0013】
第2端末装置30-kは、販売員Lkが使用する装置である。販売員Lkは、第2端末装置30-kを所持しながら、顧客C1、C2、…Cnのうち一部の顧客に対して商品を販売しながら、これら一部の顧客を巡回する。第2端末装置30-kには、サーバ10によって算出される巡回ルートが表示される。
【0014】
図2は、商品の販売例を示した図である。
図2に示される例において、販売員L1~Lnは、野球場BGの観客である顧客C1、C2、…Cmに対して、自身が携帯するビールサーバに格納されるビールを販売する。野球場BGの観客席は、一例としてエリアAR1~AR6の6つのエリアから構成される。
図2に示されるように、これら6つのエリアAR1~AR6の各々は、その一部が他のエリアARと重なっていてもよい。販売員L1~Lnが販売するビールの銘柄は、一例として銘柄P~銘柄Rの3銘柄であるとする。1人の販売員Lkは、1つの銘柄のビールのみを販売する。また、6つのエリアAR1~AR6の各々に対して、銘柄P~銘柄Rの各々の銘柄のビールを販売する販売員Lのチームが編成される。
図2に示される例においては、エリアAR2において、銘柄Pのビールを販売する3人の販売員Lのチーム、銘柄Qのビールを販売する3人の販売員Lのチーム、及び銘柄Rのビールを販売する3人の販売員Lのチームが編成される。これら9人の販売員Lは、各々が所持する第2端末装置30に表示される巡回ルートに従って、各々が担当する銘柄のビールを販売しながら、エリアAR2の中を巡回する。他のエリアAR1、及びAR3~AR6についても同様である。
【0015】
サーバ10は、顧客C1~Cmからの注文を示す注文情報に基づいて、顧客C1~Cmと、販売員L1~Lnとをマッチングさせる。また、サーバ10は、マッチング結果に基づいて、販売員L1~Lnの各々が、顧客C1~Cmのうち、商品の販売を担当する顧客Cを巡回する巡回ルートを算出する。当該巡回ルートの算出時には、サーバ10は、販売員L1~Lnの巡回中に、販売員L1~Lnの各々が携帯する商品が尽きた場合、商品の供給場所に立ち寄ることも組み入れて、巡回ルートを算出する。
【0016】
1-1-2:サーバ10の構成
図3は、サーバ10の構成例を示すブロック図である。
図3に示されるようにサーバ10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、表示装置14及び入力装置15を備える。サーバ10が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
【0017】
処理装置11は、サーバ10の全体を制御するプロセッサである。処理装置11は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。また、処理装置11は、例えば、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成される。なお、処理装置11が有する機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0018】
記憶装置12は、処理装置11による読取及び書込が可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。また、記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムPR1を記憶する。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0019】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。また、通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクター及び無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、及びUSBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0020】
表示装置14は、画像を表示するデバイスである。表示装置14は、処理装置11の制御のもとで各種の画像を表示する。
【0021】
入力装置15は、サーバ10の管理者の操作を受け付ける装置である。入力装置15は、管理者の操作に応じた操作信号を処理装置11に出力する。入力装置15は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによって構成される。
【0022】
以上の構成において、処理装置11は、制御プログラムPR1を記憶装置12から読み出す。処理装置11は、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、受付部111、マッチング部112、予測部113、供給時点算出部114、ルート算出部115、更新部116、受渡時点算出部117、通信制御部118、及び表示制御部119として、機能する。
【0023】
受付部111は、複数の顧客C1~Cmの各々が使用する第1端末装置20-1~20-mから、商品の注文を示す注文情報を受け付ける。当該注文情報は、顧客C1~Cmの各々が購入を希望する商品の銘柄のいずれかを示す情報、顧客C1~Cmの各々が購入先として希望する販売員L1~Lnのいずれかを示す情報、及び顧客C1~Cmの各々から最も近距離に位置する販売員Lからの購入の希望を示す情報のうちいずれかである。
【0024】
マッチング部112は、受付部111が受け付けた注文情報に基づいて、複数の顧客C1~Cmと、複数の販売員L1~Lnとをマッチングする。
図4は、マッチング部112の動作例の説明図である。
図4において、顧客C1は、銘柄Qの商品の購入を希望しているとする。顧客Cjは、販売員Lnからの商品の購入を希望しているとする。顧客Cmは、顧客Cm自身から最も近距離に位置する販売員からの商品の購入を希望しているとする。また、販売員L1は、顧客Cmに対して最も近距離に位置する販売員であるとする。販売員Lkは、銘柄Qの商品を販売する販売員であるとする。販売員Lnは、銘柄Rの商品の販売員であるとする。この場合、マッチング部112は、顧客C1と販売員Lk、顧客Cjと販売員Ln、及び顧客Cmと販売員L1とをマッチングする。
【0025】
なお、
図4に示される例において、マッチング部112は、1人の販売員Lに対して1人の顧客Cをマッチングしている。しかし、
図4に示される例においては、説明の簡略化のため、1人の販売員Lに対して1人の顧客Cをマッチングしているにすぎない。マッチング部112は、1人の販売員Lに対して複数人の顧客Cをマッチングしてもよい。
【0026】
図3において、予測部113は、商品を携帯する複数の販売員L1~Lnの各々が、複数の顧客C1~Cmに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、各販売員Lが販売を担当する顧客Cを巡回する最中における、各販売員Lが携帯する商品の残量Dを予測する。
【0027】
例えば、
図2に示される例と同様に、複数の販売員L1~Lnの各々が、複数の顧客C1~Cmに対して、ビールを販売するとする。また、マッチング部112がマッチングした結果、販売員Lkがビールの販売を担当する顧客Cの人数が、15人であったとする。1人の顧客Cに対して販売するビールの量が500(ml)であり、販売員Lkが携帯するビールサーバの容量が5(L)であると共に、1人目の顧客Cへのビールの販売前の時点で、ビールサーバにはビールが5(L)格納されていたとする。この場合、予測部113は、販売員Lkが1人目の顧客Cにビール1杯を販売した時点でのビールの残量Dは、4.5(L)であると予測する。また、予測部113は、販売員Lkが2人目の顧客にビール1杯を販売した時点でのビールの残量Dは、4(L)であると予測する。以下同様に、予測部113は、販売員Lkがt人目の顧客Cにビール1杯を販売した時点での、ビールサーバ内のビールの残量Dは、D=5-0.5×t(L)であると予測する。
【0028】
なお、上述した例においては、説明の簡略化のため、複数の顧客Cの各々が1杯分のビールを注文するとした。しかし、複数の顧客Cの各々は、任意の杯数のビールを注文してよい。
【0029】
供給時点算出部114は、予測部113が予測した商品の残量Dに基づいて、各販売員Lが、商品の受け渡し中に、商品の供給場所に立ち寄る時点を算出する。当該時点は、「第1時点」の一例である。なお、ここで、「商品の供給場所に立ち寄る時点」とは、具体的には、「何人の顧客Cに対して商品を販売した時点であるか」を意味する。
【0030】
例えば、上述のように、販売員Lkがt人目の顧客Cの各々にビール1杯を販売した時点における、ビールサーバ内のビールの残量Dが、D=5-0.5×t(L)であると予測した場合、供給時点算出部114は、D=0となる、t=10人目にビール1杯の販売を終えた時点を、販売員Lkが、ビールの供給場所に立ち寄る時点であると予測してもよい。あるいは、供給時点算出部114は、Dが、事前に設定された所定量となるt=v人目にビール1杯の販売を終えた時点を、販売員Lkが、ビールの供給場所に立ち寄る時点であると予測してもよい。ここで、vは10以下の整数である。
【0031】
ルート算出部115は、販売員L1~Lnの各々が、複数の顧客C1~Cmのうち、商品の販売を担当する一部の顧客Cに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、当該一部の顧客Cを巡回すると共に、上記の第1時点において、商品の供給場所に立ち寄る最短の巡回ルートを算出する。
【0032】
上述のように、一例として、販売員Lkがビールの販売を担当する顧客Cの人数が、15人であったとする。また、販売員Lkが、ビールの供給場所に立ち寄る第1時点を、10人目の顧客Cにビール1杯の販売を終えた時点であるとする。この場合、ルート算出部115は、販売員Lkが、ビールの販売を担当する15人の顧客Cのうち、10人の顧客Cの各々にビール1杯を販売した後、ビールの供給場所に立ち寄って、ビールサーバにビールを補充し、残り5人の顧客Cの各々にビール1杯を販売する最短の巡回ルートを算出する。
【0033】
なお、販売員Lkがビールの販売を担当する15人の顧客Cの中に、受付部111が、ビールの注文を示す注文情報として、「自身から最も近距離に位置する販売員L1~Lnからの購入の希望を示す情報」を受け付けた顧客Cが含まれる場合、ルート算出部115は、当該希望を示す情報を受け付けた顧客Cから優先的に巡回する形式で、巡回ルートを算出してもよい。
【0034】
ここで、販売員L1~Lnの各々が、巡回ルートを巡回している最中に、受付部111が、巡回ルートにおいて巡回先とはされていない新たな顧客Cが使用する第1端末装置20から新たな商品の注文を示す注文情報を受け付ける場合がある。マッチング部112が、当該新たな顧客Cを販売員Lkにマッチングさせた場合、更新部116は、ルート算出部115が算出していた販売員Lkの巡回ルートにおいて、新たな商品の注文を示す注文情報を受け付けた時点以降の巡回先とされていた顧客Cと、新たな顧客Cとを巡回する形式で、販売員Lkの巡回ルートを更新する。
【0035】
一例として、更新部116は、ルート算出部115が算出した巡回ルートの末尾に、新たな顧客Cを加える形式で、販売員Lkの巡回ルートを更新してもよい。あるいは、販売員Lkが、巡回ルートを巡回している最中に、マッチング部112が、販売員Lkから所定距離以内に位置する顧客Cを販売員Lkに対してマッチングさせた場合、マッチングさせた時点における、次の販売先として当該顧客Cを割り込ませる形式で、販売員Lkの巡回ルートを更新してもよい。
これらの場合、供給時点算出部114が、販売員Lkが商品の供給場所に立ち寄る時点を算出し直し、更新部116は、再度算出された時点において、販売員Lkが商品の供給場所に立ち寄る形式で、販売員Lkの巡回ルートを更新してもよい。
【0036】
受渡時点算出部117は、ルート算出部115が算出した巡回ルートに基づいて、販売員Lkが、商品の販売を担当する顧客Cの各々に対して商品を受け渡す受け渡し時点を算出する。なお、更新部116が巡回ルートを更新した場合、受渡時点算出部117は、更新部116が更新した巡回ルートに基づいて、上記の受け渡し時点を算出する。具体的には、受渡時点算出部117は、販売員Lkが、各顧客Cの面前において商品を販売するための所要時間と、巡回ルートに基づいて、複数の顧客Cの間を移動する移動時間とに基づいて、顧客Cの各々に対して商品を受け渡す受け渡し時点を算出する。
【0037】
通信制御部118は、通信装置13に、第1端末装置20-jとの間で各種の情報の送受信をさせる。また、通信制御部118は、第2端末装置30-kとの間で各種の情報の送受信をさせる。例えば、通信制御部118は、通信装置13に、第1端末装置20-jから、注文情報を受信させる。
【0038】
表示制御部119は、第2端末装置30-kに対して、ルート算出部115が算出した巡回ルート、又は更新部116が更新した巡回ルートを表示させる。第2端末装置30-kに表示される巡回ルートを示す画面例については、
図6を参照しながら後述する。
【0039】
また、表示制御部119は、第1端末装置20-jに対して、受渡時点算出部117が算出した受け渡し時点を表示させる。具体的には、表示制御部119は、第1端末装置20-jに対して、販売員Lkが顧客Cjに商品を受け渡す予定時刻を表示させてもよい。あるいは、表示制御部119は、第1端末装置20-jに対して、顧客Cjに商品が到着するまでの残り時間を表示させてもよい。
【0040】
1-1-3:第1端末装置20-jの構成
図5は、第1端末装置20-jの構成例を示すブロック図である。
図5に示されるように第1端末装置20-jは、処理装置21、記憶装置22、通信装置23、表示装置24及び入力装置25を備える。第1端末装置20-jが有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。
【0041】
処理装置21は、第1端末装置20-jの全体を制御するプロセッサである。処理装置21は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。また、処理装置21は、例えば、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置21が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0042】
記憶装置22は、処理装置21による読取及び書込が可能な記録媒体である。記憶装置22は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM、EPROM及びEEPROMである。揮発性メモリーは、例えば、RAMである。また、記憶装置22は、処理装置21が実行する制御プログラムPR2を記憶する。また、記憶装置22は、処理装置21のワークエリアとして機能する。
【0043】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。また、通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクター及び無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、及びUSBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0044】
表示装置24は、画像を表示するデバイスである。表示装置24は、処理装置21の制御のもとで各種の画像を表示する。
【0045】
入力装置25は、顧客Cjの操作を受け付ける装置である。入力装置25は、顧客Cjの操作に応じた操作信号を処理装置21に出力する。入力装置25は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによって構成される。
【0046】
以上の構成において、処理装置21は、制御プログラムPR2を記憶装置22から読み出す。処理装置21は、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、顧客Cjが、入力装置25を用いて、商品の注文を示す注文情報を入力するための画面を、表示装置24に表示させる。また、処理装置21は、顧客Cjによって入力された商品の注文を示す注文情報を取得し、サーバ10に対して、通信装置23に送信させる。また、処理装置21は、通信装置23に、サーバ10から、顧客Cjに商品が受け渡される受け渡し時点を示す情報を取得する。更に、処理装置21は、サーバ10から取得した受け渡し時点を示す画面を、表示装置24に表示させる。
【0047】
図6~
図11は、表示装置24に表示される画面の例を示す図である。
図6は、顧客Cjが、一例としてビールの注文をする場合に、最初に表示される画面DP1を示す図である。画面DP1は、領域DR11~DR16を含む。領域DR11には、顧客Cjの座席の位置が表示される。領域DR12は、顧客Cjがビールの銘柄を指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR13は、顧客Cjが販売員Lを指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR14は、顧客Cjが、顧客Cj自身から最も近距離に位置する販売員からの購入を指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR15は、顧客Cjの注文履歴を表示する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR16は、顧客Cjが前回の注文時と同じ注文方法を用いて注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。
【0048】
図7は、顧客Cjが、
図6に示される画面DP1の領域DR12にタッチした場合に表示される画面DP2を示す図である。画面DP2は、領域DR21~DR23を含む。領域DR21は、顧客Cjが銘柄Pを指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR22は、顧客Cjが銘柄Qを指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。領域DR23は、顧客Cjが銘柄Rを指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。
【0049】
図8は、顧客Cjが、
図6に示される画面DP1の領域DR13にタッチした場合に表示される画面DP3を示す図である。画面DP3は、領域DR31~DR38を含む。領域DR31~DR38の各々には、販売員L1~L8を示すアイコンが表示される。領域DR31~DR38と、販売員L1~L8とは、互いに一対一に対応する。領域DR31~DR38の各々は、顧客Cjが、販売員L1~L8の各々を指定して注文する場合に、顧客Cjがタッチする領域である。
【0050】
図9は、顧客Cjが、
図7に示される画面DP2の領域DR22にタッチした場合に表示される画面DP4を示す図である。画面DP4は、領域DR41~DR44を含む。領域DR41には、顧客Cjが指定した銘柄Qのビールの銘柄名と、銘柄Qのビールの映像が表示される。領域DR42には、顧客Cjが注文する銘柄Qのビールの個数が表示される。顧客Cjが入力装置25を用いて、注文する個数を入力すると、入力した個数が、領域DR42に表示される。領域DR43には、顧客Cjの座席の位置が表示される。領域DR44には、顧客Cjが、銘柄Qのビールを、領域DR42に表示される個数だけ注文する場合に、顧客Cjがタッチする購入ボタンが表示される。顧客Cjが購入ボタンにタッチすると、第1端末装置20-jから、サーバ10に対して、銘柄Qのビールの注文を示す注文情報が送信される。
【0051】
図10は、顧客Cjが、
図8に示される画面DP3の領域DR34にタッチした場合に表示される画面DP5を示す図である。画面DP5は、領域DR51~DR55を含む。領域DR51には、販売員L4を示すアイコンが表示される。領域DR52には、顧客Cjが販売員L4に注文するビールの個数が表示される。顧客Cjが入力装置25を用いて注文する個数を入力すると、入力した個数が、領域DR52に表示される。領域DR53には、顧客Cjの座席の位置が表示される。領域DR54には、顧客Cjが、販売員L4に対して、領域DR52に表示される個数だけビールを注文する場合に、顧客Cjがタッチする購入ボタンが表示される。顧客Cjが購入ボタンにタッチすると、第1端末装置20-jから、サーバ10に対して、販売員L4からの購入希望を示す注文情報が送信される。
【0052】
なお、顧客Cjが、
図6に示される画面DP1の領域DR14にタッチした場合も、
図10に示される画面DP5と同様の画面が表示される。ただし、この場合、画面DP5に含まれる領域DR51において、顧客Cjが指定する販売員L4の代わりに、顧客Cjから最も近距離に位置する販売員Lを示すアイコンが表示される。
【0053】
図11は、顧客Cjが、
図9に示される画面DP4、又は
図10に示される画面DP5に含まれる購入ボタンにタッチすることで、ビールの注文をした後に表示される画面DP6を示す図である。画面DP6は、領域DR61~DR64を含む。領域DR61には、顧客Cjの座席の位置が表示される。領域DR62には、顧客Cjに注文したビールが到着するまでの残り時間が表示される。領域DR63には、顧客Cjが注文した内容が表示される。領域DR64には、顧客Cj付近の観客席を示す地図が表示される。当該地図には、販売員Lkと顧客Cjの現在位置が表示される。
【0054】
1-1-4:第2端末装置30-kの構成
図12は、第2端末装置30-kの構成例を示すブロック図である。
図12に示されるように第2端末装置30-kは、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、表示装置34及び入力装置35を備える。第2端末装置30-kが有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。
【0055】
処理装置31は、第2端末装置30-jの全体を制御するプロセッサである。処理装置31は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。また、処理装置31は、例えば、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置31が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0056】
記憶装置32は、処理装置31による読取及び書込が可能な記録媒体である。記憶装置32は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM、EPROM及びEEPROMである。揮発性メモリーは、例えば、RAMである。また、記憶装置32は、処理装置31が実行する制御プログラムPR2を記憶する。また、記憶装置32は、処理装置31のワークエリアとして機能する。
【0057】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。また、通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクター及び無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、及びUSBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0058】
表示装置34は、画像を表示するデバイスである。表示装置34は、処理装置31の制御のもとで各種の画像を表示する。
【0059】
入力装置35は、販売員Lkの操作を受け付ける装置である。入力装置35は、販売員Lkの操作に応じた操作信号を処理装置31に出力する。入力装置35は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスによって構成される。
【0060】
以上の構成において、処理装置31は、制御プログラムPR3を記憶装置32から読み出す。処理装置31は、読み出した制御プログラムPR3を実行することによって、表示装置34に対して巡回ルートを示す地図を表示させる。
【0061】
図13は、表示装置34に表示される画面の例を示す図である。
図13に例示される画面DP7には、野球場BGの地
図BMが表示される。地
図BMには、販売員Lkが販売を担当する顧客C1、C3、及びC6の位置と、ビールの供給場所PLの位置が示される。画面DP7には、販売員Lkが、顧客C1にビールを販売した後、顧客C6にビールを販売し、ビールの供給場所PLでビールサーバにビールを格納してから、顧客C3にビールを販売する巡回ルートが、販売員Lkの巡回順を示す矢印を用いて示される。なお、
図13には図示されないが、販売員Lkが、各々の顧客Cに販売するビールの個数も合わせて表示されてもよい。
【0062】
1-2:サーバ10の動作
図14は、サーバ10の動作を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS1において、処理装置11は、複数の顧客Cの各々が使用する第1端末装置20から、商品の注文を示す注文情報を受け付ける。
【0064】
ステップS2において、処理装置11は、ステップS1において受け付けた注文情報に基づいて、複数の顧客C1~Cmと、複数の販売員L1~Lnとをマッチングする。
【0065】
ステップS3において、処理装置11は、商品を携帯する複数の販売員L1~Lnが、複数の顧客C1~Cmに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、複数の顧客C1~Cmを巡回する最中に、各販売員Lが携帯する商品の残量Dを予測する。
【0066】
ステップS4において、処理装置11は、ステップS3において予測した商品の残量Dに基づいて、各販売員Lが、商品の受け渡し中に、商品の供給場所PLに立ち寄る第1時点を算出する。
【0067】
ステップS5において、処理装置11は、各販売員Lが、複数の顧客Cのうち一部の顧客Cに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、一部の顧客Cを巡回すると共に、第1時点において、商品の供給場所PLに立ち寄る最短の巡回ルートを算出する。
【0068】
以上の処理において、処理装置11は、ステップS1において受付部111として機能する。また、処理装置11は、ステップS2においてマッチング部112として機能する。また、処理装置11は、ステップS3において予測部113として機能する。また、処理装置11は、ステップS4において供給時点算出部114として機能する。また、処理装置11は、ステップS5においてルート算出部115として機能する。
【0069】
1-3:実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、巡回ルート算出装置としてのサーバ10は、受付部111と、マッチング部112と、予測部113と、供給時点算出部114と、ルート算出部115と、を備える。受付部111は、複数の顧客C1~Cmの各々が使用する第1端末装置20から、商品の注文を示す注文情報を受け付ける。マッチング部112は、注文情報に基づいて、複数の顧客C1~Cmと、商品を販売する複数の販売員L1~Lnとをマッチングする。予測部113は、商品を携帯する複数の販売員L1~Lnが、複数の顧客C1~Cmに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、複数の顧客C1~Cmを巡回する最中における、各販売員Lが携帯する商品の残量Dを予測する。供給時点算出部114は、予測部113が予測した商品の残量Dに基づいて、各販売員Lが、商品の受け渡し中に、商品の供給場所PLに立ち寄る第1時点を算出する。ルート算出部115は、各販売員Lが、複数の顧客Cのうち一部の顧客Cに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、一部の顧客Cを巡回すると共に、第1時点において、供給場所PLに立ち寄る最短の巡回ルートを算出する。
【0070】
サーバ10は、上記の構成を備えるので、商品を配達する途中で商品が無くなることが見込まれるために、商品の供給場所PLに立ち寄りながら、配達先の顧客Cを巡回する最短の巡回ルートを算出できる。商品の供給場所PLに立ち寄ることを考慮せずに巡回ルートを算出したものの、商品の供給場所PLに立ち寄る必要が発生する場合、算出された巡回ルート通りに巡回していては、実際の巡回ルートは最短の巡回ルートとならない場合が発生する。サーバ10は、商品の供給場所PLに立ち寄ることを考慮して最短の巡回ルートを算出することで、販売員Lkは、算出した巡回ルート通りに巡回しさえすれば、商品の供給場所PLに立ち寄りながら、最短の巡回ルートで巡回できる。
【0071】
また、サーバ10は、更新部116を更に備える。更新部116は、各販売員Lが、巡回ルートを巡回している最中に、受付部111が、新たな顧客Cが使用する第1端末装置20から新たな商品の注文を示す注文情報を受け付けた場合、一部の顧客Cと、新たな顧客Cとを巡回する形式で、巡回ルートを更新する。
【0072】
サーバ10は、上記の構成を備えるので、販売員Lkは、算出された巡回ルート通りに巡回している最中に、新たな注文をした新たな顧客Cjへの販売を担当することとなっても、臨機応変に対応できる。
【0073】
また、サーバ10において、受付部111は、第1端末装置20から、注文情報として、顧客Cが購入を希望する商品の銘柄を示す情報、顧客Cが購入先として希望する販売員Lを示す情報、及び、最も近距離に位置する販売員Lからの購入の希望を示す情報のうちいずれかの情報を受け付ける。マッチング部112は、受付部111が受け付けた情報に基づいて、複数の顧客C1~Cmと、商品を販売する複数の販売員L1~Lnとをマッチングする。
【0074】
サーバ10は、上記の構成を備えるので、複数の顧客C1~Cmの各々のニーズに、きめ細かく対応した商品の販売方法を実現可能な巡回ルートを算出できる。
【0075】
また、サーバ10は、表示制御部119を更に備える。表示制御部119は、各販売員Lが使用する第2端末装置30に、巡回ルートを表示させる。
【0076】
サーバ10は、上記の構成を備えるので、販売員Lkは、販売員Lk自身が携帯する第2端末装置30-kで最短の巡回ルートを確認しながら、複数の顧客C1~Cmを巡回できる。
【0077】
また、サーバ10は、受渡時点算出部117を更に備える。受渡時点算出部117は、巡回ルートに基づいて、複数の顧客C1~Cmの各々に対する商品の受け渡し時点を算出する。表示制御部119は、受渡時点算出部117が算出した受け渡し時点を、第1端末装置20に表示させる。
【0078】
サーバ10は、上記の構成を備えるので、複数の顧客C1~Cmの各々は、商品の受け渡し時点を確認しながら、商品の到着を待機できる。
【0079】
2.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。
【0080】
2-1:変形例1
上記の実施形態において、供給時点算出部114は、予測部113が予測した商品の残量Dに基づいて、各販売員Lが、商品の受け渡し中に、商品の供給場所PLに立ち寄る第1時点を算出した。また、ルート算出部115は、販売員L1~Lnの各々が、複数の顧客C1~Cmのうち、商品の販売を担当する一部の顧客Cに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、当該一部の顧客Cを巡回すると共に、上記の第1時点において、商品の供給場所PLに立ち寄る最短の巡回ルートを算出した。
【0081】
しかし、ルート算出部115は、供給時点算出部114が算出した第1時点の算出結果を踏まえずに、商品の供給場所PLには立ち寄らない最短の巡回ルートをいったん算出し、当該巡回ルートにおいて、商品の供給場所PLに最も近い地点から商品の供給場所PLに寄り道をする巡回ルートを算出してもよい。本変形例1においては、販売員Lkは、自身が携帯する商品が尽きていない状態で、商品の供給場所PLに立ち寄るケースがあり得る。
【0082】
3:その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12、記憶装置22及び記憶装置32は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NWから送信されてもよい。
【0083】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上述した説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0084】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0085】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0086】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0087】
(6)
図1から
図14までに例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0088】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0089】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0090】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0091】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0092】
(10)上述した実施形態において、第1端末装置20-1~20-m、及び第2端末装置30-1~30-nは、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0093】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことが可能となる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることが可能となる。
【0094】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0095】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0096】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0097】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0098】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0099】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0100】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0101】
1…巡回ルート算出システム、10…サーバ、11…処理装置、12…記憶装置、13…通信装置、14…表示装置、15…入力装置、20…第1端末装置、21…処理装置、22…記憶装置、23…通信装置、24…表示装置、25…入力装置、30…第2端末装置、31…処理装置、32…記憶装置、33…通信装置、34…表示装置、35…入力装置、111…受付部、112…マッチング部、113…予測部、114…供給時点算出部、115…ルート算出部、116…更新部、117…受渡時点算出部、118…通信制御部、119…表示制御部、C…顧客、DP…画面、DR…領域、L…販売員、PR1,PR2,PR3…制御プログラム
【要約】
【課題】商品を配達する途中で商品が無くなることが見込まれるために、商品の供給場所に立ち寄りながら、配達先の顧客を巡回する最短の巡回ルートを算出する巡回ルート算出装置を提供する。
【解決手段】巡回ルート算出装置10は、複数の顧客Cの各々が使用する第1端末装置20から、商品の注文を示す情報を受け付ける受付部111と、販売員Lが、複数の顧客Cに対して、商品を受け渡すために複数の顧客Cを巡回する最中における、携帯する商品の残量の予測結果に基づいて、商品の受け渡し中に商品の供給箇所に立ち寄る第1時点を算出する供給時点算出部114と、販売員Lが、複数の顧客Cのうち一部の顧客Cに対して、注文を受けた商品を受け渡すために、複数の顧客Cを巡回すると共に、第1時点において、商品の供給箇所に立ち寄る最短の巡回ルートを算出するルート算出部115と、を備える。
【選択図】
図3