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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】バイアル・アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092025
(22)【出願日】2023-06-05
(62)【分割の表示】P 2022001863の分割
【原出願日】2017-01-05
(65)【公開番号】P2023120228
(43)【公開日】2023-08-29
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】15/002,184
(32)【優先日】2016-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】パク、スン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-521491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルに結合するためのバイアル・アダプタであって、
医療用コネクタに結合するための医療用コネクタ・インターフェースと、
バイアルに結合するためのバイアル・インターフェースと、
膨張可能な第1のタンクと、
膨張可能な第2のタンクと、
前記医療用コネクタ・インターフェースから、前記バイアル・インターフェースを通って延びる第1の通路と、を備え、
前記第1のタンクは、前記バイアル・インターフェースと第1のバルブを通って延びる第2の通路を備え、
前記バイアル・アダプタが直立配向のとき、前記第1のバルブは、前記第1のタンクへの流体の移動を可能にし、前記バイアル・アダプタが倒立配向とき、前記第1のタンクの中への流体の移動を妨げ、前記第2のタンクは、前記バイアル・インターフェースを通って延びる第3の通路を備え、前記バイアル・アダプタが前記直立配向にあるとき、及び前記倒立配向にあるとき、前記第3の通路は、前記第2のタンクの内に流体を移動することを可能にする、バイアル・アダプタ。
【請求項2】
前記第3の通路は、前記第1の通路から流体的に分離されている、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項3】
前記第2のタンクから外に流体を導くために、前記第2のタンクに対して係合するように構成される可動部材をさらに備える、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項4】
前記第2の通路は、第2のバルブを備える、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項5】
前記膨張可能な第1のタンクと前記バイアル・インターフェースとの間で、前記第2の通路に配置される疎水性フィルタをさらに備える、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項6】
前記バイアル・アダプタが前記倒立配向にあるとき、前記第3の通路は、前記第2のタンク内流体を移動することを可能にする、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項7】
バイアル・アダプタを通して流体を連通させるための方法であって、
医療コネクタ・インターフェースを医療用コネクタと結合し、バイアル・インターフェースをバイアルと結合することにより請求項1に記載のバイアル・アダプタを使用して医療用コネクタをバイアルに結合するステップと、
前記バイアル・アダプタが、前記バイアル・アダプタが前記バイアル内の気体と流体連通している前記直立配向にあるとき、流体を医療用コネクタから前記バイアル内に導き、前記バイアルから変位された前記気体が前記第1のタンクに入ることを可能にし、前記バイアルから変位された流体が前記第2のタンクに入ることを可能にするステップと、
前記バイアル・アダプタが前記バイアル内の流体と流体連通し、前記バイアルから変位された流体が、前記第2のタンク内に入ることを可能とするように、前記バイアル・アダプタを前記直立配向から倒立配向に向かって移動するステップと、
前記バイアル・アダプタが倒立配向にあるとき、流体を前記バイアルから前記医療用コネクタ内に引き込むステップとを含む、方法。
【請求項8】
記バイアルから変位された流体が、前記第2のタンクに入ることができように、前記バイアル・アダプタが前記倒立配向にあるとき、前記医療コネクタから流体が前記バイアル内に導かれるステップと、ステップとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記バイアル・アダプタが前記倒立配向にあるとき、前記流体を前記第2のタンクから前記バイアル内に導くステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記流体を前記第2のタンクから前記バイアル内に導くステップは、前記第2のタンクを圧縮するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記バイアル・アダプタが前記倒立配向にあるとき、前記第1のタンクと前記バイアルとの間の流体流を遮蔽するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記バイアル・アダプタが前記倒立配向にあるとき、前記バイアルから空気通路への流体流を遮蔽するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記バイアルから変位された前記気体が前記第1のタンクに入ることを可能にするステップは、可塑性フィルタを使用して、前記バイアルから前記第1のタンクに移動する流体を濾過するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
気体が、周囲環境から前記バイアル・アダプタの空気通路を通って前記バイアル内に引き込まれることを可能にするステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
バイアルに結合するためのバイアル・アダプタであって、
医療用コネクタに結合するための医療用コネクタ・インターフェースと、
バイアルに結合するためのバイアル・インターフェースと、
膨張可能な第1のタンクと、
膨張可能な第2のタンクと、
前記医療用コネクタ・インターフェースと前記バイアル・インターフェースとの間に延びる第1の通路と、
前記バイアル・インターフェースと前記膨張可能な第1のタンクとの間に延びる第2の通路と
前記バイアル・インテ―フェースと前記膨張可能な第2のタンクとの間に延びる第3の通路とを備え、
前記バイアル・アダプタが直立配向のとき、前記第2の通路のバルブは、前記バイアル・インターフェースと前記第1のタンクとの間の流体の移動を可能にし、前記第3の通路は、前記膨張可能な第2のタンク内の流体の移動を可能にし、
前記バイアル・アダプタが倒立配向とき、前記バルブは、前記第1のタンク内への流体の移動を妨げ、前記第3の通路は、前記膨張可能な第2のタンク内の流体の移動を可能にする、バイアル・アダプタ。
【請求項16】
前記第3の通路は、前記第1の通路から流体的に分離される、請求項に記載のバイアル・アダプタ。
【請求項17】
前記膨張可能な第1のタンクと前記バイアル・インターフェースとの間で、前記第2の通路に配置される疎水性フィルタをさらに備える、請求項1に記載のバイアル・アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、流体転送用途に使用される医療用コネクタに関する。より詳しくは、本開示は、流体を周囲雰囲気にさらすことなく医療現場において流体を転送するためのバイアル・アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用コネクタは、医療用流体を伝送し、調合し、送達するのに広く使用されている。医療用流体の調合は、バイアルなどの容器による医療用流体又はその成分の送達、希釈,再調整、及び回収を含むことがある。
【0003】
化学療法治療を用いるなど、いくつかの場合において、医療用流体は危険である。特に、医療関係者によってなど、医療用流体に繰り返しさらされることは危険である。医療用流体転送の事例は、薬剤の再調整である。再調整は、任意の物質の状態で、医療用流体又はその構成物質を含有する密封されたバイアル内でしばしば行われる。このプロセスは、希釈剤をバイアル内に送達することを必要とする。しかし、密封されたバイアル内への希釈剤の送達により、バイアル内の気体の置換が起きる。気体が周囲雰囲気に入ることが可能になった場合、周囲雰囲気内の人々は、気体にさらされる可能性がある。いくつかの場合において、医療用流体自体が、再調整中に周囲雰囲気内に伝送される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器とバイアルとの間の医療用流体の転送中に、バイアル・アダプタが、バイアルから変位された流体を捕捉するのに使用される。再調整など、転送手順中に、ステップのシーケンスは、バイアルの配向を1回又は複数回変更すること(例えば、直立及び倒立)を必要とする。再調整中の変位された流体の補足及び返却は、バイアルの配向の追加の変更を必要とし、それによって、シーケンスにおける必要なステップの数が増加する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様が、バイアルに結合するためのバイアル・アダプタを提供し、バイアル・アダプタは、医療用コネクタ・インターフェースと、バイアル・アダプタをバイアルに結合し次第バイアル内に延びるように構成された細長部材と、膨張可能な第1のタンクと、膨張可能な第2のタンクと、医療用コネクタ・インターフェースと細長部材との間の第1の通路と、チャンバと細長部材との間の第2の通路と、チャンバから第1のタンク内への流れを可能にする第1の一方向弁を通してチャンバに結合された第1のタンクと、空気通路からチャンバ内への流れを可能にする第2の一方向弁を通してチャンバに結合された空気通路と、第2のタンクと細長部材との間の第3の通路とを備える。
【0006】
いくつかの場合において、第2の通路は弁を備える。いくつかの場合において、弁は配向依存である。いくつかの場合は、チャンバと弁との間のフィルタを提供する。いくつかの実施例において、フィルタは疎水性である。いくつかの実施において、第2のタンクは弾性である。いくつかの実施例は、流体を第2のタンクから向けるように構成された可動部材を提供する。
【0007】
本開示のいくつかの場合は、筐体を提供する。いくつかの場合は、筐体の内側部分を周囲環境に結合するように構成された筐体通気口を提供する。いくつかの実施例において、空気通路は、筐体通気口を備える筐体の内側部分に流体結合される。
【0008】
本開示のある実装形態は、バイアル・アダプタを通して流体を連通させるための方法を提供し、方法は、膨張可能な第1のタンク及び膨張可能な第2のタンクを有するバイアル・アダプタを使用して医療用コネクタをバイアルに結合するステップと、バイアル・アダプタが、バイアル・アダプタがバイアル内の気体と流体連通している第1の配向にあるとき、流体を医療用コネクタからバイアルに向け、バイアルから変位された気体が第1のタンクに入ることを可能にし、バイアルから変位された液体が第2のタンクに入ることを可能にするステップと、バイアル・アダプタが、バイアル・アダプタがバイアル内の液体と流体連通している、第1の配向に対向する第2の配向にあるとき、液体をバイアルから医療用コネクタ内に引き込み、気体が周囲環境からバイアル・アダプタの空気通路を通ってバイアル内に引き込まれることを可能にするステップと、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、液体を医療用コネクタからバイアル内に向け、バイアルから変位された液体が第2のタンクに入ることを可能にするステップとを含む。
【0009】
本開示のいくつかの実施例は、バイアル・アダプタが第1の配向にあるとき、流体を第2のタンクからバイアル内に向けるステップを提供する。いくつかの実施例において、流体を第2のタンクからバイアル内に向けるステップは、第2のタンクを圧縮するステップを含む。本開示のいくつかの場合は、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、第1のタンクとバイアルとの間の流体流を妨げるステップを提供する。いくつかの場合は、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、バイアルから空気通路への流体流を妨げるステップを提供する。本開示のある実施例は、空気通路を通して引き込まれた気体をろ過するステップを提供する。いくつかの場合は、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、流体が第2のタンクからバイアル内に引き込まれることを可能にするステップを提供する。
【0010】
本開示の態様が、バイアルに結合するためのバイアル・アダプタを提供し、バイアル・アダプタは、バイアル・アダプタが第1の配向にあるとき、膨張可能な第1のタンク、及び流体が第1のタンクに入ることを可能にする第1の一方向弁と、バイアル・アダプタが第1の配向に対向する第2の配向にあるとき、流体が第1のタンク内に入ることを可能にする膨張可能な第2のタンクであって、バイアル・アダプタが第1の配向及び第2の配向にあるとき、バイアル・アダプタが、流体を第2のタンクから向けるように構成される、第2のタンクとを備える。
【0011】
主題技術の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載し、説明から部分的に明らかであり、又は主題技術の実践によって学習することができる。主題技術の利点は、本明細書の書面による説明及び特許請求の範囲並びに添付の図面に特に指摘された構造によって実現され、達成される。
【0012】
前述の概略的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的及び解説的であり、特許請求されるような主題技術の一層の説明を行うことが意図されていることを理解されたい。
【0013】
添付の図面は、主題技術の一層の理解をもたらすために含まれ、この説明に組み込まれ、この説明の一部を構成し、主題技術の態様を示し、本明細書とともに、主題技術の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す斜視側面図である。
図2図1に示すバイアル・アダプタの底面図である。
図3】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す断面平面図である。
図4】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す断面斜視図である。
図5】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す断面斜視図である。
図6図5に示すバイアル・アダプタの詳細平面図である。
図7】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す断面斜視図である。
図8】本開示の態様によるバイアル・アダプタを示す詳細平面図である。
図9】本開示の態様によるバイアル・アダプタを使用する方法実例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明において、主題技術の理解をもたらすために具体的な詳細を記載する。しかし、これらの具体的な詳細の一部がなくても主題技術を実践することができることは当業者には明らかであろう。他の場合において、よく知られた構造及び技法は、主題技術をあいまいにしないように、詳細には示していない。
【0016】
「態様(an aspect)」などの語句は、そのような態様が主題技術に不可欠であること、又はそのような態様が主題技術のすべての構成に適用されることを暗示しない。態様に関連した開示は、すべての構成、又は1つ又は複数の構成に適用することができる。態様は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することができる。「態様(an aspect)」などの語句は、1つ又は複数の態様を表すことができ、逆も同様である。「実施例(an embodiment)」などの語句は、そのような実施例が主題技術に不可欠であること、又はそのような実施例が主題技術のすべての構成に適用されることを暗示しない。実施例に関連した開示は、すべての実施例、又は1つ又は複数の実施例に適用することができる。実施例は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することができる。そのような「実施例(an embodiment)」という語句は、1つ又は複数の実施例を表すことができ、逆も同様である。「構成(a configuration)」などの語句は、そのような構成が主題技術に不可欠であること、又はそのような構成が主題技術のすべての構成に適用されることを暗示しない。構成に関連した開示は、すべての構成、又は1つ又は複数の構成に適用することができる。構成は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することができる。「構成(a configuration)」などの語句は、1つ又は複数の構成を表すことができ、逆も同様である。
【0017】
図1~8は、容器、例えば、密封されたバイアルから変位された医療用流体を捕捉し、保持し、返却するように構成されたバイアル・アダプタの実施例を示す。バイアル・アダプタは、バイアル及び医療用コネクタに結合し、流体がバイアル・アダプタを通して転送され、捕捉され、又はバイアル・アダプタから向けられることを可能にすることができる。具体的には、流体は、バイアル・アダプタの1つ又は複数のタンク又は通路を通して捕捉し、又は向けることができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、「バイアル(vial)」という用語は、流体を中に保持することができる任意の容器を表す。本明細書では「流体(fluid)」という用語は、任意の液体、気体、又はその組合せを表す。
【0019】
図1~2は、バイアル・アダプタ100の実施例を示す。いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、上部筐体102と下部筐体104とを備える。いくつかの実施例において、下部筐体104は、上部筐体102の縁に据え付けられる。さらに別の実施例において、中板122(図3)が、上部筐体102と下部筐体104との間で、上部筐体102の縁に据え付けられる。上部筐体102は、医療用コネクタ・インターフェース106を含み、下部筐体100は、細長部材108を含む。いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、可動部材110を含む。可動部材110の一部分は、筐体から突き出て、ユーザが可動部材110に触れ、作動させることを可能にする。実施例において、可動部材110の一部分が、下部筐体104の互いに対向する側壁を貫通して突き出る。いくつかの場合において、細長部材108及び保持具112が、下部筐体104から突き出てもよい。
【0020】
図2のバイアル・アダプタ100の底面図を参照すると、細長部材108の実施例が、細長部材108中を軸方向に延びる第1の通路116と、第2の通路118と、第3の通路120とをさらに含む。実施例において、例示する保持具112は、細長部材108を囲む複数の弓形の突起を備える。実施例において、バイアル・アダプタ100は、バイアル902(図3)に結合するように構成され、したがって、流体が第1の通路116、第2の通路118、及び第3の通路120を通ってバイアル・アダプタ100とバイアルとの間を流れることができる。例示する実施例において、バイアル902が、下部筐体104に結合することができ、医療用コネクタ950(図3)が、上部筐体102に結合することができる。
【0021】
バイアル902に結合されたとき、細長部材108は、バイアル902の内側部分903内に延びる。結合中に、バイアル902のコネクタ部分904が、保持具112の間に挿入され、したがって、細長部材108は、バイアル902の開口、ポート、又は隔壁を貫通して延び、第1の通路116、第2の通路118、及び第3の通路120は、バイアル902の内側部分に流体結合される。いくつかの実施例において、保持具112は、バイアル・アダプタ100とバイアル902との間に摩擦又は締まりばめによる結合をもたらすために、断面長がバイアルの外面の断面長と等しいか又はバイアルの外面の断面長よりもわずかに短い内面を有する。他の実施例において、保持具112は、バイアル902と嵌合するように構成されたねじ山又は掛け金を含むことができる。1つ又は複数の通路が、筐体を貫通して延びて、筐体の内側部分とバイアル・アダプタ100の外側の周囲雰囲気との間の気体の交換を可能にする。例えば、いくつかの態様において、1つ又は複数の筐体通気口114が、上部筐体102を貫通して延びて、周囲雰囲気と下部筐体104との間の気体流を可能にする。例えば、いくつかの態様において、1つ又は複数の筐体通気口115が、上部筐体102を貫通して延びて、周囲雰囲気と上部筐体102との間の気体流を可能にする。
【0022】
図3の実施例を参照すると、医療用コネクタ・インターフェース106が上部筐体102から突き出ており、医療用コネクタ950に結合するように構成される。例えば、医療用コネクタ・インターフェース106は、注射器又は無針アクセス・デバイス950に結合することができる。いくつかの実施例において、医療用コネクタ・インターフェース106は、ポート124と、ポート124と空洞入口125との間の空洞とを含む。実施例において、空洞入口125は、空洞の内面から放射状に内側に延びて、第1の通路116を空洞から分離し、それによって、空洞を第1の通路116に流体接続する穴又は内腔を形成する。弾性弁部材126が、空洞入口125からポート124に向かって空洞内を延びる。空洞は、ポート124よりも広い内側断面長を備える。弾性弁部材126は、ヘッド130と、内部通路を有する蛇腹部分128とを含む。ポート124及び空洞は、ヘッド130及び蛇腹部分128の内部通路を通って空洞入口125に流体結合される。延ばされた配向において(図1及び4)、蛇腹部分128は、ヘッド130がポート124内に延びて、ヘッド130の内部通路を閉じ、ポート124を妨げるように延ばされる。いくつかの実施例において、ヘッド130の内部通路は、医療用コネクタ950の医療用コネクタ・インターフェース106との結合中に開かれる。引っ込められた構成において(図3)、蛇腹部分128及びヘッド130は、空洞入口125に向かって空洞内に付勢されて、ヘッド130及びポート124の内部通路を開く。例えば、軸方向の力がヘッド130に対して印加されて、弾性弁部材126を軸方向に圧縮し、それによって、ヘッド130を空洞部分内に付勢する。空洞内で、ヘッド130は、放射状に膨張して、ポート124と、ヘッド130及び蛇腹部分128を通して内部通路と、空洞入口125の穴とを流体結合する。
【0023】
第1の通路116は、好ましくは、細長部材108及び下部筐体104を貫通して延びて、医療用コネクタ・インターフェース106の空洞入口125に流体結合する。実施例において、第2の通路118は、第1のタンク136及び空気通路140に結合するように構成される。いくつかの実施例において、第2の通路118は、細長部材108及び下部筐体104を貫通してチャンバ132内に延びる。いくつかの実施例において、第2の通路118は、チャンバ132と細長部材108との間に弁134を含む。いくつかの態様において、チャンバ132は、弁134と中板122との間に結合される。
【0024】
実施例において、弁134は、細長部材108と弁134との間に第1のポート148、及びチャンバ132と弁134との間に第2のポート149を含む。いくつかの態様において、弁134は、第2のポート149を遮蔽するように構成された可動部を含む。実施例において、弁134は、可動部が球状ボールであるボール逆止弁である。第1のポート148は、ボール逆止弁が第1のポート148に対して係合されたとき、弁134から第1のポート148を通って第2の通路118への流体流を可能にする特徴を含む。いくつかの態様において、第1のポートは、第2のポート149に向かって延びる1つ又は複数の突起を含む(図6)。1つ又は複数の突起は、ボール逆止弁が第1のポート148に対して係合されたとき、流体流が妨げられないように離隔され、又は開口を含む。したがって、バイアル・アダプタ100が図3に示す第1の配向にあるとき、球状ボールは、第1のポート148の台座に対して係合し、チャンバ132から細長部材108までの流体流が可能となる。後で論じるように、バイアル・アダプタ100が図5に示す第2の配向にあるとき、球状ボールは、第2のポートの台座にあり、それによって、細長部材108からチャンバ132への流体流が遮蔽される。
【0025】
バイアル・アダプタ100は、1つ又は複数の流体タンクを含む。いくつかの場合において、流体タンクは硬質であり、又は流体タンクは、タンクが流体を受けたとき、それに対処し、又は膨張する可撓性材料を備える。タンクは、ひだ、蛇腹、波形、又はタンクが膨張することを可能にする他の特徴を含むことができる。実施例において、流体タンクは、タンクが流体を受けたとき膨張し、流体が流体タンクから回収され、又は向けられたとき収縮して中立状態に戻る弾性材料を備える。バイアル・アダプタ100は、流体流を単一方向に限定する、1つ又は複数の一方向弁を備えることもできる。いくつかの場合において、一方向弁は、ダックビル形、傘形、又は同様の種類の弁である。
【0026】
いくつかの実施例において、第1のタンク136は、チャンバ132を通して第2の通路118に流体結合される。実施例において、第1のタンク136は、筐体内にあり、いくつかの態様において、上部筐体102の内側部分を向いた表面上の中板122に結合される。したがって、第1のタンク136は、チャンバ132から流体を受け次第、上部筐体102内に膨張することが可能になる。いくつかの実施例において、第1のタンク136は、環状であり、上部筐体102内の医療用コネクタ・インターフェース106の周りに延びる。第1の一方向弁138により、第1のタンク136内への流体流が可能になる。いくつかの実施例において、第1の一方向弁138は、チャンバ132と第1のタンク136との間に結合される。実施例において、第1の一方向弁138は、流体がチャンバ132から第1の一方向弁138及び中板122を通って第1のタンク136内に流れるように、チャンバ132と中板122との間に結合される。第1のタンク136が弾性でない、いくつかの場合において、第1のタンク136は、弁なしでチャンバ132又は第2の通路118に流体結合される。
【0027】
チャンバ132は、好ましくは、空気通路140も含む。いくつかの実施例において、空気通路140は、チャンバ132の側壁を貫通して延び、第2の一方向弁142を含む。第2の一方向弁142は、流体が空気通路140を通ってチャンバ132内に入ることを可能にするように構成される。実施例において、流体が筐体の内側部分からチャンバ132内に流れることが可能である。いくつかの態様において、流体は、筐体通気口114を通って下部筐体104に入ることが可能である、周囲雰囲気からの気体である。いくつかの態様において、気体は、窓111を通って下部筐体104に入ることが可能である。
【0028】
いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、バイアル・アダプタ100を通って周囲雰囲気からバイアルに入る気体をろ過するように構成されたフィルタ144を含むことができる。いくつかの態様において、フィルタ144は、第2の通路118に入る気体から微粒子を分離するように構成される。実施例において、フィルタ144は、チャンバ132の空気通路140に結合される。いくつかの実施例において、フィルタ144は、第1のタンク136及び空気通路140と、弁134との間にある。いくつかの実施例において、フィルタ144は、第1の一方向弁138及び第2の一方向弁140と、弁134との間のチャンバ132内にある。実施例において、フィルタ144は、第2の一方向弁142と弁134との間のチャンバ132内にある(図6)。いくつかの態様において、フィルタ144は、疎水性のタイプのフィルタである。
【0029】
第3の通路120は、第2のタンク146に結合するように構成される。いくつかの実施例において、第3の通路120は、細長部材108及び下部筐体104を貫通して延びて、第2のタンク146に流体結合する。いくつかの実施例において、第2のタンク146は、筐体内にあり、いくつかの態様において、下部筐体104の内面に結合される。したがって、第2のタンク146は、第3の通路120から流体を受け次第、上部筐体102に向かって膨張することが可能となる。いくつかの実施例において、第2のタンク146は、環状であり、下部筐体104における第1の通路116の周りに延びる。
【0030】
第2のタンク146が膨張し、又は圧縮されたとき、気体が、下部筐体104から置換され、又は下部筐体104内に引き込まれる。通気口114により、周囲雰囲気と下部筐体104との間の気体流が可能となる。いくつかの実施例において、中板122が、上部筐体102から離隔されて、上部筐体102と下部筐体104との間の気体流を可能にし、それによって、通気口114を通る気体流が可能となる。いくつかの実施例において、窓111を通る、周囲雰囲気と下部筐体104との間の気体流が可能である。
【0031】
バイアル・アダプタ100は、いくつかの実施例において、流体を第2のタンク146から向けるように構成された可動部材110を含む。実施例において、可動部材110は、バイアル・アダプタ100内に保持され、第2のタンク146を圧縮するように構成される。例えば、環状可動部材110が、可動部材110と下部筐体104の内面との間に第2のタンク146を有する下部筐体104に結合される。可動部材110のいくつかの態様は、筐体の外側に突き出るフィンガ又はタブを含む。いくつかの実施例において、フィンガ又はタブは、下部筐体104の窓111(図1)を貫通して延びる。いくつかの点において、可動部材110は、可動部材110を移動させるようにタブを付勢することによって作動され、それによって、第2のタンク146が圧縮される。他の実施例において、可動部材110は、可動部材100を回転式に及び/又は軸方向に旋回又は移動させるためにラチェット機構、ばね、又はねじ部分を備えることができる。いくつかの実施例において、可動部材110は、医療用コネクタ950をバイアル・アダプタ100から減結合し次第、作動される。
【0032】
以下の説明は、医療用流体の再調整、回収、及び返却に関するバイアル・アダプタ100の実施例を対象とする。しかし、本開示は、医療用流体の回収、希釈、再調整、送達、又は転送を含むがそれらに限定されない、前述のプロセスの一部又は全部を使用して実行することができる。例えば、バイアル・アダプタ100は、医療用流体の一部分を回収し、次いで返却するのに使用することができる。
【0033】
図3~4を参照すると、いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100が第1の配向に配置されたとき、流体が、医療用コネクタ・インターフェース106から細長部材108に向けられる。実施例において、密封されたバイアル902(図3)が、細長部材108に結合され、医療用コネクタ950(図3)が、医療用コネクタ・インターフェース106に結合される。第1の配向において、細長部材108は、バイアルの気体内容物と流体連通している。弾性弁部材126は、図3に示すように、医療用コネクタによって付勢され、希釈剤又は他の液体が、矢印Aで示すように、医療用コネクタから医療用コネクタ・インターフェース106内に向けられる。希釈剤は、矢印Bで示すように、第1の通路116を通って細長部材108からバイアルに伝送される、いくつかの実施例において、希釈剤は、第1の通路116からバイアルの内側部分に入り、バイアル内の圧力が増加する。バイアル内の圧力の増加により、それぞれ矢印C及びDで示すように、細長部材108と連通したバイアルの流体内容物が第2の通路118及び第3の通路120内に向けられる。いくつかの態様において、バイアル・アダプタ100が第1の配向にあるとき、第2の通路118及び第3の通路120に向けられた流体は、気体である。
【0034】
実施例において、弁134の球状ボールは、第1の配向において、第1のポート148に係合する。第1の配向において、弁134を通って細長部材108の方に向けられた流体は、第1のポート148を通ることが可能である。いくつかの態様において、細長部材108から弁134の方に向けられた流体は、球状ボールを第1のポート148から変位させ、それによって、流体が弁134を通り抜けることが可能となる。いくつかの実施例において、流体は弁134を通り抜けてチャンバ132内に入る。
【0035】
第1の配向において、バイアルから変位させられた流体は、第2の通路118及び弁134を通ってチャンバ132内に入ることが可能である。いくつかの態様において、バイアル・アダプタ100が第1の配向にあるとき、流体は気体である。チャンバ132内で、気体は、第1の一方向弁138を通り抜け、第1のタンク136内に入り、第1のタンク136を膨張させることが可能である。第1のタンク136が膨張し、又は圧縮されたとき、気体は、上部筐体102から変位させられ、又は上部筐体102内に引き込まれる。通気口115により、周囲雰囲気と上部筐体102との間の気体流が可能となる。いくつかの実施例において、中板122は、上部筐体102から離隔されて、上部筐体102と下部筐体104との間の気体流を可能とし、それによって、通気口114又は窓111を通る気体流が可能となる。空気通路140に結合された第2の一方向弁142により、気体を含む流体が周囲雰囲気に入ることが可能にならない。バイアルから変位された流体は、第3の通路120を通って第2のタンク146内に入ることも可能であり、第2のタンク146の膨張が起きる。いくつかの場合において、可動部材110は、流体を第2のタンク146からバイアル内に向けるように作動させることができる。
【0036】
図5~6を参照すると、いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、第2の配向に配置されて、流体を細長部材108から医療用コネクタ・インターフェース106に向ける。実施例において、密封されたバイアル902(図3)が、細長部材108に結合され、医療用コネクタ950(図3)が、医療用コネクタ・インターフェース106に結合される。いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、希釈剤が、薬剤を再調整するために第1の配向においてバイアル内に向けられた後、第2の配向に配置される。例えば、再調整が行われていない、いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100は、第2の配向に配置されて、流体をバイアルから回収する。第2の配向において、細長部材108は、バイアルの液体内容物と流体連通している。弾性弁部材126は、医療用コネクタによって付勢され、液体が、矢印Eで示すように、バイアルから第1の通路116を通って医療用コネクタ・インターフェース106に回収される。流体は、医療用コネクタ・インターフェース106を通って医療用コネクタ内に伝送される。流体がバイアルから回収されたとき、真空又は負圧がバイアル内に生み出される。負圧により、流体は、それぞれ、矢印F及びGで示すように、第2の通路118及び第3の通路120からバイアル内に引き込まれる。
【0037】
実施例において、弁134の球状ボールは、バイアル・アダプタ100が第2の配向にあるとき、第2のポート149に係合する。第2の配向において、弁134を通って細長部材108の方に向けられた流体は、球状ボールを第2のポート149から変位させ、それによって、流体が弁134を通り抜けることが可能となる(矢印H)。
【0038】
第2の配向において、筐体内からの流体(すなわち、周囲雰囲気からの気体)が、空気通路140、第2の一方向弁142、及び第2の通路118を通ってバイアル内に引き込まれる。いくつかの実施例において、気体は、フィルタ144を通り抜けてからバイアルに入る。いくつかの態様において、フィルタ144は、第2の一方向弁142と弁134との間のチャンバ132内に固定される。第1の一方向弁138により、流体は、第1のタンク136から第2の通路118に入ることが可能にならない。いくつかの態様において、第2のタンク146内からの流体が、やはり、第3の通路120を通ってバイアル内に引き込まれる。
【0039】
図7を参照すると、いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100が第2の配向にあるとき、流体が、医療用コネクタ・インターフェース106から細長部材108に向けられる。バイアル及び医療用コネクタがバイアル・アダプタ100に結合される実施例において、流体は、医療用コネクタからバイアルに向けられる。いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100が第2の配向にある間、バイアルから医療用コネクタ内に回収された流体(すなわち、図5~6)が、バイアルに返却されるが(図7)、バイアル・アダプタ100は、第2の配向にある。弾性弁部材126が医療用コネクタによって付勢されると、流体は、矢印Aで示すように、医療用コネクタから医療用コネクタ・インターフェース106内に向けられる。流体は、第1の通路116を通ってバイアル内に伝送される。流体が第1の通路116からバイアルに入ったとき、バイアル内の圧力が増加する。バイアル内の圧力の増加により、細長部材108と連通したバイアルの流体内容物は、矢印Iで示すように、第3の通路120に向けられる。流体は、第3の通路120を通して向けられて、第2のタンク146内に入り、第2のタンク146を膨張させる。第2の配向にある間、流体を第2のタンク146からバイアル内に向けるように可動部材110を作動させることができる。
【0040】
実施例において、弁134の球状ボールは、第2の配向において、第2のポート149に係合し、密封する。細長部材108を通して弁134に向けられた任意の流体により、球状ボールは第2のポート149に付勢され、それによって、第2の通路118から弁134を通る流体通路が妨げられる。
【0041】
図8を参照すると、いくつかの実施例において、バイアル・アダプタ100が第1の配向にあるとき、流体が第2のタンク146から細長部材108に向けられる。バイアル902(図3)がバイアル・アダプタ100に結合される実施例において、流体は、第2のタンク146からバイアルに向けられる。いくつかの場合において、第2のタンク146内の流体は、前に、バイアル・アダプタ100が第2の配向にあったとき、バイアルから第2のタンク146に向けられたものである。流体を第2のタンク146からバイアルに向け、又は返却するために、バイアル・アダプタ100は、第1の配向に配置され、したがって、細長部材108がバイアルの気体内容物と流体連通している。可動部材110は、例えば、タブをバイアルに向かって付勢することによって作動されて、可動部材110を第2のタンク146(矢印J)に対して係合させる。いくつかの実施例において、第2のタンク146は、可動部材110と下部筐体104の表面との間で圧縮される。第2のタンク146が圧縮されたとき、その中の流体は、細長部材108から第3の通路120を通ってバイアル内に向けられる(矢印K)。
【0042】
いくつかの実施例において、バイアルに入る流体は、バイアル内からの別の流体と置換される。置換された流体は、第2の通路118及び弁134を通ってチャンバ132内に入ることが可能になる。いくつかの態様において、バイアル・アダプタ100が第1の配向にあるとき、置換された流体は気体である。チャンバ132内では、気体は、第1の一方向弁138を通り抜けて第1のタンク136内に入り、第1のタンク136を膨張させることが可能である。空気通路140に結合された第2の一方向弁142により、気体を含む流体は、周囲雰囲気に入ることが可能にならない。
【0043】
図9は、バイアル・アダプタを通して流体を連通させるステップに関連した方法実例の流れ図である。方法200における動作は、本開示の他の方法及び態様と併せて使用することができることを理解されたい。方法200の態様を図1~8に提供した実例に関連して説明するが、プロセス200はそれに限定されない。
【0044】
ブロック201において、バイアル・アダプタが第1の配向にあるとき、流体が医療用コネクタからバイアル内に向けられる。例えば、図3を参照すると、希釈剤又は他の液体が、医療用コネクタから医療用コネクタ・インターフェース106内に向けられる(矢印A)。流体は、第1の通路116を通してバイアル内に伝送される(矢印B)。
【0045】
ブロック202において、バイアルから変位された流体が、バイアル・アダプタの第1のタンクに入ることが可能である。ブロック203において、バイアルから変位された流体が、バイアル・アダプタの第2のタンクに入ることが可能である。例えば、図4を参照すると、流体が、第1の一方向弁138を通り抜けて第1のタンク136内に入ることが可能であり、流体が、第3の通路120を通り抜けて第2のタンク146内に入ることが可能であり、それによって、それぞれ、各タンク136及び146が膨張する。
【0046】
ブロック204において、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、流体がバイアルから医療用コネクタに引き込まれる。例えば、図5を参照すると、液体がバイアルから第1の通路116を通って医療用コネクタ・インターフェース106に回収される(矢印E)。
【0047】
ブロック205において、気体が、周囲環境からバイアル・アダプタの空気通路を通ってバイアル内に引き込まれる。例えば、図6を参照すると、気体が、周囲雰囲気から通気口114を通って筐体内に引き込まれる。次いで、気体は、筐体内から空気通路140、第2の一方向弁142、フィルタ144、及び第2の通路118を通ってバイアル内に引き込まれる。
【0048】
ブロック206において、バイアル・アダプタが第2の配向にあるとき、流体が医療用コネクタからバイアル内に向けられる。例えば、図7を参照すると、液体が医療用コネクタ・インターフェース106から細長部材108を通ってバイアル内に向けられる(矢印A)。
【0049】
ブロック207において、バイアルから変位された流体が、バイアル・アダプタの第2のタンクに入ることが可能である。例えば、図7を参照すると、液体が第3の通路120を通って、第2のタンク146内に入り、第2のタンク146を膨張させるように向けられる(矢印I)。
【0050】
ブロック208において、バイアル・アダプタが第1の配向にあるとき、流体が第2のタンクからバイアル内に向けられる。例えば、図8を参照すると、可動部材110が、可動部材110と下部筐体104の表面との間の第2のタンク146を圧縮するように変位される(矢印J)。それによって、第2のタンク146内からの液体が、第3の通路120を通って細長部材108からバイアル内に変位される(矢印K)。
【0051】
前述の説明は、当業者が本明細書に説明した様々な構成を実践することが可能になるように提供されている。主題技術を様々な図及び構成を参照して詳しく説明してきたが、これらは例示のためだけであり、主題技術の範囲を限定するものと解釈してはならないことを理解されたい。
【0052】
主題技術を実装するための多くの他のやり方があり得る。本明細書に説明した様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、図示するものと異なって区分化することができる。これらの構成への様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義した一般的原理を他の構成に適用することができる。したがって、主題技術の範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を当業者によって主題技術に加えることができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「及び(and)」又は「又は(or)」という用語が品目のうちのいずれかを分離する、一連の品目に先行する「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、リストの各要素(すなわち、各品目)ではなく、リストを全体として修飾する。「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、列挙された各品目のうちの少なくとも1つの選択を必要としない。むしろ、語句により、品目のうちのいずれか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は品目のいずれかの組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は品目のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味が可能になる。実例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ(at least one of A, B,and C)」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ(at least one of A, B,or C)」という語句は、それぞれ、Aだけ、Bだけ、又はCだけ、A、B、及びCのいずれかの組合せ、及び/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを表す。
【0054】
さらに、「含む(include)」、又は「有する(have)」などの用語が説明又は特許請求の範囲に使用されている限りにおいて、そのような用語は、「備える(comprise)」が請求項において移行語として採用されたとき解釈されるときの「備える(comprise)」という用語と同様のやり方で包含的であることが意図されている。「例示的な(exemplary)」という単語は、本明細書では「実例、事例、又は例示として働くこと(serving as an example,instance,or illustration)」を意味するのに使用されている。「例示的な(exemplary)」として本明細書に説明した任意の実施例は、必ずしも、他の実施例よりも好ましい又は有利であると解釈されない。
【0055】
単数形の要素への参照は、特に具体的に記載していない限り、「1つ及び1つだけ(one and only one)」を意味することが意図されておらず、むしろ、「1つ又は複数(one or more)」を意味することが意図されている。「いくつかの(some)」という用語は、1つ又は複数を表す。当業者に知られている又は後で知られるようになる、本開示全体を通して説明した様々な構成の要素とのすべての構造的及び機能的同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書に開示しているものは、そのような開示が上記の説明に明白に引用されているかどうかにかかわらず、公開されることは何も意図されていない。
【0056】
主題技術のある態様及び実施例を説明してきたが、これらは実例としてのみ提示されており、主題技術の範囲を限定することが意図されていない。実際、本明細書に説明した新規の方法及びシステムは、その趣旨から逸脱することなく、様々な他の形態で具現化することができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物は、主題技術の範囲及び趣旨内に含まれるように、そのような形態又は変更を包含することが意図されている。
図1
図2
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図5
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図7
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