(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】読取システム、読取システムの制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240624BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240624BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20240624BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
H04N1/00 350
H04N1/12 Z
B65H7/14
G03G15/00 107
(21)【出願番号】P 2023210835
(22)【出願日】2023-12-14
(62)【分割の表示】P 2019187545の分割
【原出願日】2019-10-11
【審査請求日】2024-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】橘 芳郎
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-184821(JP,A)
【文献】特開2012-254856(JP,A)
【文献】特開2012-101900(JP,A)
【文献】特開2006-292777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50-27/70
G03G 15/00
B65H 7/02- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段によって搬送された原稿を読取って得たデータを処理する処理手段と、
少なくとも1つのセンサーからの出力に基づき、前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知する検知手段と、
前記検知手段で斜行を検知した場合に表示される特定の画面に、前記検知手段によ
る斜行
の検知
を無効にする特定の設定状態に設定する指示を受け付ける特定の表示アイテムを表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする読取システム。
【請求項2】
前記特定の画面とは異なる設定画面に表示される特定の設定項目に対する操作に基づいて、
前記搬送手段で搬送された原稿の斜行があったとしても前記特定の画面を表示しないように設定することも可能であることを特徴とする請求項1に記載の読取システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記特定の設定状態に設定されている場合、前記特定の設定状態に設定されていなければ前記検知手段が前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知するような原稿の搬送状況であっても、前記特定の画面は表示しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の読取システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記特定の設定状態に設定されておらず、前記検知手段で斜行を検知した場合に、斜行が発生した可能性を示す表示をするように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は更に、前記特定の画面とは異なる設定画面から設定変更可能な特定の設定項目の設定状態を、
前記搬送手段で搬送された原稿の斜行があったとしても前記特定の画面を表示しない所定の設定状態に設定することを促す通知を前記特定の画面に表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項6】
搬送手段によって搬送された原稿を読取って得たデータを処理する処理手段と、
少なくとも1つのセンサーからの出力に基づき、前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知する検知手段と、
前記検知手段で斜行を検知した場合に表示される特定の画面に、前記特定の画面とは異なる設定画面から設定変更可能な特定の設定項目の設定状態を、
前記搬送手段で搬送された原稿の斜行があったとしても前記特定の画面を表示しない所定の設定状態に設定することを促す通知を表示するように制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする読取システム。
【請求項7】
前記設定画面は、複数の設定項目についての設定変更の操作を受け付け可能な画面であることを特徴とする請求項5または6に記載の読取システム。
【請求項8】
前記設定画面は、コピーに関する複数の設定項目についての設定変更の操作を受け付け可能な画面であることを特徴とする請求項7に記載の読取システム。
【請求項9】
前記設定画面は、前記読取システムが備える複数の機能を起動するためのアイコン群が選択可能に表示された機能選択画面において、前記アイコン群のうちコピー機能に対応するアイコンが操作されたことに基づいて表示される画面であることを特徴とする請求項8に記載の読取システム。
【請求項10】
前記表示制御手段は更に、前記特定の画面に、対処方法としてステープルに関する情報を表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項11】
前記搬送手段と、
前記搬送手段で搬送された原稿を読み取る読取手段と、
前記少なくとも1つのセンサーと、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項12】
前記特定の画面は、搬送エラーによって前記搬送手段による原稿の搬送を停止した場合に表示されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項13】
前記特定の画面は、前記搬送エラーがリカバリされた場合に表示されることを特徴とする請求項12に記載の読取システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサーは、前記搬送手段による原稿の搬送方向に交差する方向に沿って配置された複数のセンサーを含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項15】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された読取システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された読取システムの各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
搬送手段によって搬送された原稿を読取って得たデータを処理する処理ステップと、
少なくとも1つのセンサーからの出力に基づき、前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで斜行を検知した場合に表示される特定の画面に、前記検知ステップによ
る斜行
の検知
を無効にする特定の設定状態に設定する指示を受け付ける特定の表示アイテムを表示するように制御する表示制御ステップと
を有することを特徴とする読取システムの制御方法。
【請求項18】
搬送手段によって搬送された原稿を読取って得たデータを処理する処理ステップと、
少なくとも1つのセンサーからの出力に基づき、前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで斜行を検知した場合に表示される特定の画面に、前記特定の画面とは異なる設定画面から設定変更可能な特定の設定項目の設定状態を、
前記搬送手段で搬送された原稿の斜行があったとしても前記特定の画面を表示しない所定の設定状態に設定することを促す通知を表示するように制御する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする読取システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の斜行を検知する読取システム、読取システムの制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿の画像を読み取るために自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)によって原稿を搬送し、その原稿を読み取ることで画像データを生成する画像読取装置がある。このような画像読取装置において、原稿を斜行した状態で積載部(原稿の手差し部分)に積載されると、原稿を搬送した際にジャムが発生し、原稿が破損する可能性がある。また、ジャムを起こした原稿によって、ADF内部のローラやその周辺の搬送ガイド部材などが破損する可能性もある。これらの問題を解決する技術として特許文献1には、搬送方向に対して線対称に配置された2つのセンサによって原稿の斜行を検知し、検知した斜行量に応じて搬送ローラによる原稿の搬送速度を調整する印刷装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なる用紙幅であっても原稿の斜行を検知する方法として、原稿の搬送方向に対して線対称に、配置の幅が異なるセンサを複数種類設ける方法が考えられる。その方法を採用することによって、例えばA2の原稿であっても、A2よりも用紙幅の狭いA4の原稿であっても複数種類のセンサによって原稿の斜行を検知することが可能となる。
【0005】
しかし、複数種類のセンサを設けることによって以下のような課題が発生する。すなわち、用紙幅の互いに異なる原稿が混載した状態で積載部に積載した場合、センサが用紙幅の違いを原稿の斜行として誤検知し、原稿の読み取り処理を中断する。読み取り処理が中断された際にユーザーに対して適切な通知を行わなければ、原稿が斜行しないように原稿位置等をユーザーがいくら調整しても、読み取り処理が中断された原因である原稿の混載状態が解消されず、読み取り処理を継続できない。
【0006】
本願発明は、原稿の斜行が検知された場合、対処方法に関するより適切な表示を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明の読取システムは、
搬送手段によって搬送された原稿を読取って得たデータを処理する処理手段と、
少なくとも1つのセンサーからの出力に基づき、前記搬送手段で搬送された原稿の斜行を検知する検知手段と、
前記検知手段で斜行を検知した場合に表示される特定の画面に、前記検知手段による斜行の検知を無効にする特定の設定状態に設定する指示を受け付ける特定の表示アイテムを表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原稿の斜行が検知された場合、対処方法に関するより適切な表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】読取部の原稿給紙トレイ付近を上方から見た場合の平面図である。
【
図6】読取部の原稿給紙トレイ付近を上方から見た場合の平面図である。
【
図7】読取部の原稿給紙トレイ付近を上方から見た場合の平面図である。
【
図8】パネル401に表示される操作画面を示す図である。
【
図9】パネル401に表示される操作画面を示す図である。
【
図10】パネル401に表示される操作画面を示す図である。
【
図11】コピーの実行を制御する制御方法を示すフローチャートである。
【
図12】コピーの実行を制御する制御方法を示すフローチャートである。
【
図13】コピーの実行を制御する制御方法を示すフローチャートである。
【
図14】PC102の操作部に表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、原稿を読み取るジョブを実行する。ジョブの実行中に、斜行検知センサによって原稿の斜行を検知したことに従ってスキャンを中断する。また、原稿の斜行を検知したことに従って、斜行した場合の対処方法や綴じ原稿或いは異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法をユーザに通知するように制御することについて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像読取システムを示すブロック図である。本実施形態では画像読取装置の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)101を、情報処理装置の一例としてPC102を説明する。MFP101とPC102はネットワーク100を介して通信可能に接続されている。
【0013】
なお、
図1では、1つの情報処理装置が画像読取システムに設けられた場合を例示しているが、MFP101と複数の情報処理装置がネットワーク100を介して通信可能に接続されていてもよい。また、本実施形態の画像読取システムは、MFP101とPC102を含む場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、MFP101のみを画像読取システムと呼んでもよい。
【0014】
まずPC102について説明する。PC102は、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することができる。また、PC102には、PC102からMFP101の読取機能を利用するためのスキャナドライバや、スキャンした画像を加工、整理するためのスキャンアプリケーションがインストールされている。PC102からMFP101に対してスキャン指示を出すことで、MFP101が備える読取機能を利用することができる。
【0015】
次に、MFP101について説明する。MFP101はシート上の画像を読み取る読取機能、シートに画像を印刷する印刷機能を有する。また、他にもMFP101は、画像データを外部装置に送信するファイル送信機能などを有している。
【0016】
なお、本実施形態では画像読取装置の一例としてMFP101を説明するが、これに限定されるものではない。原稿の画像を読み取るために原稿を搬送する構成の画像読取装置であれば本実施形態を適用することができる。例えば、印刷機能を備えない単機能のスキャナなどであってもよい。また、画像読取装置は、生成した画像データを内部の保存領域に保存するものであってもよい。また、USB(Universal Serial Bus)などの外部バスを介して画像読取装置に着脱可能な外部メモリ(例えば、USBフラッシュドライブ)に保存するスキャナなどであってもよい。本実施例では、一例として画像読取装置が以下に説明する各種構成要件を備えるものとする。
【0017】
CPU(Central Processing Unit)111を含む制御部110は、MFP101全体の動作を制御する。CPU111は、ROM(Read Only Memory)112又はストレージ114に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)113は、CPU111の主記憶メモリであり、ワークエリア、ROM112及びストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、印刷データ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。本実施形態ではストレージ114としてHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置を想定しているが、HDDの代わりにSSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを用いるようにしても良い。
【0018】
なお、本実施形態のMFP101では、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0019】
操作部インタフェース(I/F)115は、操作部116と制御部110を接続する。ここで、
図2は、操作部116を示す外観図である。操作部116は、後述する操作画面を表示するパネル401及びハードキー入力部402からなる。パネル401は例えばタッチパネルディスプレイである。ハードキー入力部402は、スタートキー412などの各種のハードキーを有する。ユーザはパネル401に表示されているキーをタッチするか、ハードキー入力部402に備えられたハードキーを押下することによって指示を入力する。なお、パネル401は、タッチパネル機能を有さないディスプレイであってもよい。この場合、ディスプレイに表示されるキーを選択するためのスクロールキー及び当該キーを決定するための決定キーをハードキーとして有していればよい。操作部116は、パネル401及びハードキー入力部402を介したユーザからの指示を受け付ける受付部として機能し、又、必要に応じてパネル401に操作画面を表示する表示部として機能する。
【0020】
図1において、読取部I/F117は、読取部118と制御部110を接続する。読取部118はシート上の画像を読み取って、画像データを生成する。読取部118によって生成された画像データは外部装置に送信されたり、シート上に印刷されたりする。読取部118の具体的な構成については
図3及び
図4を用いて後述する。
【0021】
印刷部I/F119は、印刷部120と制御部110を接続する。印刷すべき画像データは印刷部I/F119を介して制御部110から印刷部120に転送される。印刷部120は制御部110を介して制御コマンド及び印刷すべき画像データを受信し、当該画像データに基づいた画像をシート上に印刷する。印刷部120の印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。画像をシートに印刷することができる方法であれば、その他の方法(例えば、熱転写方式等)であってもよい。
【0022】
また、制御部110は、通信部I/F123を介してネットワーク100に接続される。通信部I/F123は、ネットワーク100上の外部装置に画像データや情報を送信したり、ネットワーク100上の情報処理装置から印刷データや情報を受信したりする。
【0023】
<読取部の構成>
次に、読取部118のハードウェア構成について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、読取部118の制御に関わる構成を示すブロック図である。CPU131は、読取部118の動作を制御する。CPU131は、ROM132に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や制御部110とのやりとりなどの各種制御を行う。ROM132は、CPU131で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM133は、CPU131の主記憶メモリであり、ワークエリアや、ROM132に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。なお、CPU131、ROM132及び、RAM133は、同機能をひとつの集積回路に組み込んだマイクロコントローラで実現されてもよい。
【0024】
読取部118は、更に、画像処理部142、CCDセンサ部144、モータ制御部147、モータ148、原稿検知センサ145、斜行検知センサ151,152,153,154、及びその他の搬送センサ146を有する。また、読取部118は、読取部I/F117を介して制御部110に接続されている。
【0025】
原稿検知センサ145は、原稿給紙トレイ202上に原稿203が積載されていることを検知する。なお、原稿検知センサ145による検知信号は、読取部I/F117を介して、CPU111に伝達される。
【0026】
モータ148は、読取部118の後述するピックアップローラ243、分離駆動ローラ244、分離従動ローラ245、搬送ローラ対206、リードローラ対210,211、プラテンガイドローラ208、排出ローラ対207等の回転を行うために駆動される。また、モータ148は、読取部118の後述する露光部213、及びミラーユニット214の移動を行うために駆動される。
【0027】
なお、本実施形態では、CPU111がモータ制御部147を制御することで、モータ148の駆動を制御するようにしているが、これに限定されるものではない。読取部118のCPU131がモータ制御部147を制御することで、モータ148の駆動を制御するようにしてもよい。
【0028】
斜行検知センサ151,152,153,154は、原稿の斜行が発生したことを検知する。斜行の検知においては、原稿の搬送方向と交差する直線上に配置された斜行検知センサにおいて、それぞれの原稿検知時間の時間差が閾値以上であった場合に原稿の斜行が発生していると判断する。なお、ストレージ114には斜行検知センサ組151,152及び斜行検知センサ組153,154によって原稿の斜行を検知するための時間差の閾値が保存されている。斜行検知センサ151,152,153,154による検知信号は、読取部I/F117を介して、CPU111に伝達される。斜行検知センサ151,152,153,154の詳細については、
図5で後述する。
【0029】
搬送センサ146は、原稿の搬送経路の要所ごとに設けられた複数のセンサであり、原稿詰まりなどの搬送エラーの発生や搬送経路内の原稿の有無を検知する。搬送センサ146で搬送エラーの発生が検知されると、後述するメンテナンス画面がパネル401に表示される。
【0030】
CCD(Charge Coupled Device)センサ部144で読み取られたデータは、A/D変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。その後、デジタル信号は画像処理部142によって画像データに変換され、読取部I/F117を介して、RAM113に一時格納される。そして、CPU111の制御により、画像データはストレージ114に保存される。
【0031】
次に、読取部118の断面図を用いてADFによって原稿203の画像の読み取り動作(以降、スキャンと呼ぶ)を行う場合について
図4を用いて説明する。
図4は、読取部118の断面図を示している。
【0032】
読取部118は、原稿給紙トレイ202と、原稿給紙トレイ202上の原稿両端部に配置されて原稿両端部に接するように可動される規制板231,232と、原稿給紙トレイ202に積載された原稿203を搬送し排出する排出トレイ222とを有している。
【0033】
また、読取部118は、給送手段としてのピックアップローラ243と、分離駆動ローラ244と、分離従動ローラ245と、搬送ローラ対206と、リードローラ対210,211と、プラテンガイドローラ208と、排出ローラ対207とを有している。
【0034】
そして、読取部118は、原稿給紙トレイ202上の原稿203を検知する原稿検知センサ145と、原稿の搬送方向において分離駆動ローラ244の下流に配置され、原稿203を検知する分離後センサ143とを有する。
【0035】
また、同じく分離駆動ローラ244の下流に配置され、原稿の幅方向に原稿203の斜行を検知する斜行検知センサ151,152,153,154と、原稿詰まりなどの搬送エラーの発生や搬送経路内の原稿の有無を検知する搬送センサ146とを有している。
【0036】
さらに、読取部118は、プラテンガラス212と、ジャンプ台217と、基準白板218と、原稿台ガラス221と、露光部213と、ミラーユニット214と、レンズ215およびCCDセンサ部144とを有している。露光部213及びミラーユニット214は、不図示のワイヤ及び駆動モータによって図内の左右方向である副走査方向に移動可能に構成されている。
【0037】
図4において、原稿検知センサ145によって原稿給紙トレイ202上に原稿203が積載されていることが検知されている場合に、スキャンの実行指示をユーザから受け付けたことに従って、スキャンが開始される。
【0038】
スキャンが開始されると、不図示のアームに支持されたピックアップローラ243が下降し、原稿給紙トレイ202上の最上位の原稿203に当接する。そして、原稿203は、ピックアップローラ243によって給送され、分離駆動ローラ244及び分離従動ローラ245によって形成される分離手段としての分離ニップにおいて1枚ずつに分離される。分離駆動ローラ244は、分離従動ローラ245より僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されている。分離従動ローラ245への駆動伝達経路にはトルクリミッタが配置されており、分離従動ローラ245は、給送された原稿が1枚の時には分離駆動ローラ244に連れ回り、給送された原稿が2枚以上の時には回転しない。このため、原稿を1枚ずつ分離することができる。なお、分離従動ローラ245に原稿の搬送方向とは反対方向の駆動を入力してもよい。分離ニップを通過した原稿の先端及び後端は、分離後センサ143によって検知され、ピックアップローラ243の昇降タイミングや駆動開始及び駆動停止タイミング、並びに搬送ローラ対206の駆動開始及び駆動停止タイミングの基準となる。分離駆動ローラ244及び分離従動ローラ245によって1枚ずつ搬送された原稿203は、斜行検知センサ151,152,153,154を通過し、搬送センサ146の一つである原稿通過検知センサによって検出される。そして、検出時間に基づいて1枚目の原稿203の通過が終了したか否かを判定する。搬送ローラ対206で装置内に送られた原稿203は、リードローラ対210によってプラテンガラス212に向けて搬送される。プラテンガラス212に対向してプラテンガイドローラ208が配置されており、プラテンガイドローラ208は、プラテンガラス212を通過する原稿203がプラテンガラス212から浮かないように案内している。原稿203がプラテンガラス212上を通過する際に、プラテンガラス212に接している面が露光部213によって露光されて、原稿203の画像が主走査方向及び副走査方向に対して読み取られる。結果として得られる原稿203からの反射光が複数のミラーを介して、ミラーユニット214に伝達される。そして、伝達された反射光はレンズ215を通過し、集光されて、CCDセンサ部144によって電気信号のデータに変換される。CCDセンサ部144から出力されるデータは、前述した画像処理部142により画像データに変換され、制御部110へ転送される。なお、基準白板218は、原稿203の読取輝度の基準となる。プラテンガラス212を通過した原稿203は、ジャンプ台217によってリードローラ対211に導かれ、排出ローラ対207によって排出トレイ222に排出される。なお、CPU111は、各ローラをモータ148による駆動によってそれぞれ回転させ、原稿203を搬送するものとする。また、搬送センサ146の一つである排出センサは、排出トレイ222に原稿203が排出されることを検出する。
【0039】
なお、本実施形態では、読取部118が備える光学系は、原稿203からの反射光をCCDセンサ上に結像する縮小光学系である場合について説明したが、これに限らない。読取部118が備える光学系は、原稿203からの反射光をCIS(Contact Image Sensor)上に結像する等倍光学系であってもよい。
【0040】
なお、読取部118によって実行される原稿203の画像の読み取り動作は、光学系の位置を固定し、ADFによって原稿203を搬送させながら、原稿203の画像を読み取る場合について説明したが、これに限らない。原稿を原稿台ガラス221に搬送した後、原稿の位置を固定させ、モータ148の駆動により光学系を移動させることによって原稿の画像を読み取ることもできる。
【0041】
カバー250は、ADFの搬送経路の一部分を覆うカバーである。また、カバー250は、不図示の支点軸を中心として回動し、開閉可能に構成されている。ユーザは、カバー250を開いて、搬送経路に詰まっている原稿や搬送経路で停止した状態の原稿を取り除くジャム処理などの作業を行うことができる。なお、カバー250が開いた状態であるか、閉じた状態であるかを検出する不図示の開閉センサを備えていてもよい。
【0042】
以降、搬送経路内で原稿詰まりが発生した場合や、原稿の斜行が発生した場合を合わせて、搬送エラーと呼ぶ。なお、原稿詰まりが発生した場合、ユーザはリードローラ対210に挟まれている原稿を搬送方向と逆方向に引っ張って原稿を取り除くことができる。また、ユーザは、原稿の位置が排出トレイ222に近い場合にはリードローラ対211を手動で回転させるためのノブ(不図示)を用いて原稿を搬送して取り除いたりすることもできる。
【0043】
本実施形態では、これらの原稿の取り除き方をユーザに分かりやすく提示するメンテナンス画面をパネル401に表示することができる。例えば、メンテナンス画面は、カバーを開けて原稿を取り除くことや、搬送経路内の原稿を取り除く方法について、画像や動画などを用いてユーザに提示することができる。メンテナンス画面の詳細については後述する。
【0044】
<斜行検知機構>
図5に本実施形態における斜行検知機構を示す。以下、この図を参照して、読取部118における斜行検知の動作について説明する。
図5は、読取部118の原稿給紙トレイ202付近を上方から見た場合の平面図である。なお、本実施形態では斜行検知機構は2つの斜行検知センサの組で構成されているが、これに限定されるものではない。斜行検知センサの組が複数組存在すればよいものとする。
【0045】
読取部118の斜行検知機構は、斜行検知センサ組151,152及び斜行検知センサ組153,154から構成される。ピックアップローラ243、分離駆動ローラ244及び分離後センサ143より搬送方向の下流に斜行検知センサ組151,152が配置されて、斜行検知センサ組151,152より搬送方向の下流に斜行検知センサ組153,154が配置されている。斜行検知センサ組151,152間の長さは、A4Rサイズ幅210mmよりも小さくなるように配置され、斜行検知センサ組153,154間の長さは、A3サイズ幅297mmよりも小さく、A4Rサイズ幅210mmよりも大きくなるように配置されている。原稿給紙トレイ202には原稿Dが積載されており、原稿給紙トレイ202上の規制板231及び232によって原稿の側面が揃えられる。規制板231,232は、原稿の搬送路の幅方向について中央(幅方向について分離後センサ143の位置)からそれぞれ等距離になるよう、たとえばリンク機構などで連動する。それにより規制板231,232に合わせて原稿給紙トレイ202に置かれた原稿は、搬送経路の幅方向については、その中央に位置する。原稿Dの最上部の紙はピックアップローラ243によって分離駆動ローラ244の位置へ送られ、給送される。すなわち、搬送される原稿が斜行していないとすれば、A4Rサイズの原稿は、斜行検知センサ組151,152で検知できるが、斜行検知センサ組153,154で検知できない。一方、A4サイズおよびA3サイズの原稿は、斜行検知センサ組151,152と、斜行検知センサ組153,154のいずれによっても検知できる。
【0046】
読取部118の原稿給紙トレイ202付近を上方から見た場合の平面図において、綴じ原稿を搬送した際の動作の一例を
図6に示す。
図6(a)は、原稿の前縁が歪まない、検知のために理想的な斜行の状態、
図6(b)は、実際にしばしば生じる原稿の前縁が屈曲した、斜行の起こり始めの状態、
図6(c)は、
図6(b)の状態から搬送を続けた場合の状態を示す。
【0047】
斜行検知センサ151,152,153,154、ピックアップローラ243、分離駆動ローラ244、分離後センサ143、原稿給紙トレイ202、規制板231及び232に関しては、
図5において説明した通りの構成と機能である。
【0048】
綴じ原稿を搬送した際に、検知のために理想的な斜行の状態としては、
図6(a)のように、1枚目の原稿D1はステイプルSTを中心にして回転するようにして、原稿先端はステイプルSTを中心に直線で表されるような形である。しかし、
図6(b)に示すように、実際にはステイプルSTのある部分は分離駆動ローラ244の位置で留まるが、ステイプルSTが無い側は、規制板232に沿って、搬送路に対してある程度平行を保ったまま搬送されることが多い。そのため、斜行検知センサ組151,152のある原稿内側ではあまり斜行が発生しない。よって、大きいサイズの原稿の斜行を検知するためには、斜行検知センサ組151,152だけでなく、斜行検知センサ組153,154が必要となる。そして、
図6(b)の状態から時間が経過すると、ステイプルSTが無い側は搬送方向に搬送され、
図6(c)の状態となり、外側の斜行検知センサ154をONするため、大きいサイズの綴じ原稿の斜行検知が可能となる。
【0049】
読取部118の原稿給紙トレイ202付近を上方から見た場合の平面図において、異幅混載の原稿を搬送した際の動作の一例を
図7に示す。ここで、原稿給紙トレイ202には、A4Rサイズの原稿D1と、A3サイズの原稿D2が設置されているものとする。本実施形態では、原稿の搬送方向と直交する幅方向のサイズが異なる原稿を同時に設置して搬送させ、それぞれのサイズに応じた画像形成処理を行う機能を異幅原稿サイズ混載と呼ぶ。異幅原稿サイズ混載の機能を使用するには、異幅原稿サイズ混載の設定を有効にする必要がある。この異幅原稿サイズ混載の設定は、操作部116にユーザが入力することで実現される。
【0050】
図7において、規制板231,232は、大きいサイズの原稿D2に合わせて配置されるため、ADFが検知する原稿のサイズは原稿D2の幅サイズの原稿である。よって、斜行検知センサ組151,152だけでなく、斜行検知センサ組153,154が使用される。異幅混載の原稿をセットした場合、小さいサイズの原稿D1は、規制板231,232で挟み込むことによって斜行を防止することができない。このため、どちらか一方の規制板に長辺を添えることで原稿D1の斜行を防止する。例えば、原稿給紙トレイ202の奥側、つまり図の上側である規制板232に小さいサイズの原稿D1の長辺を添える。
【0051】
図7は、異幅混載の原稿において、小さいサイズの原稿D1を搬送した場合の状態を示す。このとき、ピックアップローラ243と分離駆動ローラ244によって、原稿D1のみが図の左方向に搬送される。ここで、斜行検知センサ組151,152は、ほぼ同時に原稿D1を検知する。斜行検知センサ組153,154において、斜行検知センサ154は奥側のセンサであるため、原稿D1を検知することができるが、手前側の斜行検知センサ153は原稿D1の幅方向の長さが足りないため、原稿D1を検知することができない。よって、斜行検知センサ154で原稿D1を検知し、斜行が発生したと判断するための閾値の時間を経過した後も斜行検知センサ153で原稿D1を検知することができず、原稿の斜行が発生したと判断されてしまう。この誤検知は、例示した異幅混載の原稿を搬送する際に発生する。したがって、斜行の誤検知を回避するためには、異幅混載の原稿を搬送する場合に限り、斜行検知センサ151,152,153,154による斜行の検知を一時的に無効にする必要がある。或いは、ユーザが予め操作部116に異幅原稿サイズ混載の設定を入力した場合に限り、斜行検知センサ151,152,153,154による斜行の検知を無効にする必要がある。
【0052】
<斜行検知時の処理>
本実施形態では、原稿の斜行を検知した場合に斜行が発生した旨をユーザに通知すると共に、斜行した場合の対処方法と、綴じ原稿或いは異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法をユーザに通知する制御を行う。ここでは、原稿の画像の読み取りを再開する前に、それらの対処方法をユーザに通知し読み取りを再開させる方法について説明する。
【0053】
まず、原稿が斜行した場合の対処方法としては、原稿給紙トレイ上の規制板で原稿を挟み込むことが最も効果的な手段である。したがって、斜行の再発を抑制するための情報の一例としては、原稿に規制板の幅を合わせる旨の情報が考えられる。
【0054】
次に、大量の原稿束が原稿給紙トレイに積載される場合、ステイプルで綴じられた原稿がユーザによって誤ってセットされる可能性がある。したがって、ユーザが原稿に規制板の幅を合わせたとしても、斜行の発生を解消できない恐れがある。これを鑑みて、綴じ原稿をセットした場合、斜行の再発を抑制するための情報の一例として、ステイプルで綴じられた原稿を原稿束から除去する旨の情報を通知することもできる。
【0055】
さらに、異幅混載の原稿をセットした場合、前述した斜行の誤検知を回避するための情報の一例として、異幅原稿サイズ混載の設定を入力する旨の情報や、斜行検知センサによる斜行の検知を一時的に無効にする入力を受け付ける旨の情報が考えられる。
【0056】
ところで、斜行が検知された場合には、ユーザは読取部のカバーを開いて、原稿を取り除かなければならないことがある。例えば、斜行検知によって原稿の読取処理が中断され、中断したタイミングが5枚目の原稿を搬送している最中であれば、読取部のカバーを開いて4枚目以前の原稿を取り除かなければならない。また、斜行の検知と、搬送経路内での原稿詰まりが同じタイミングで発生することも考えられる。
【0057】
したがって、本実施形態においては、斜行が検知された場合に、斜行の再発を抑制するための情報だけでなく、搬送経路に詰まっている原稿や搬送経路で停止した状態の原稿を取り除く方法についてもユーザに提示する。例えば、本実施形態では、原稿を取り除く方法をユーザに分かりやすく提示するメンテナンス画面と斜行の再発を抑制するための情報を表示する画面の両方を表示する。具体的な画面の表示方法の一例について、
図8を用いて説明する。
【0058】
図8は、
図3に示した読取部118の斜行検知センサ151,152,153,154で斜行が検知された場合にパネル401に表示される画面の一例を示す図である。
【0059】
図8(a)は、斜行が検知された際に初期画面として表示されるメンテナンス画面の一例を示すものである。この初期画面を便宜上、「簡易メンテナンス画面」と称する。また、
図8(b)、(c)は原稿詰まりの解除方法に慣れていないユーザに対して、原稿を取り除くための作業手順として表示されるメンテナンス画面の一例を示すものである。これらの画面を便宜上、「詳細メンテナンス画面」と称する。さらに、
図8(d)は、斜行が検知された場合において、原稿詰まりが解除された際に表示される原稿の再読み取りを待機する画面の一例を示す図である。
【0060】
CPU111は、コピー機能やファイル送信機能などで原稿が読み取られている際に、斜行検知センサ151,152,153,154で斜行の発生を検知すると、原稿の搬送を中断する。また、CPU111は、
図8(a)に示す簡易メンテナンス画面801をパネル401に表示する。
【0061】
情報802は、原稿の取り除き方をユーザにイラストで説明する情報である。ここでは、カバーを開けて原稿を取り出す場合を例示している。
【0062】
情報803は、原稿の斜行が発生したことをユーザに通知するための情報である。また、情報803では、「詳細手順へ」に進むことで原稿を取り除くための作業手順の説明に進めることを例示している。
【0063】
また、「詳細手順へ」キー804は、原稿を取り除くための作業手順を表示する詳細メンテナンス画面に遷移するためのキーである。
【0064】
「詳細手順へ」キー804が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は
図8(b)に示す詳細メンテナンス画面805をパネル401に表示する。画面805では、搬送路に滞留した原稿を除去するための作業内容の一例として、読取部118のカバー250を開ける旨のメッセージが表示されている。領域806は、メンテナンス方法を表示する領域である。CPU111は、この領域にカバー250を開閉するアニメーションや動画などを領域806に表示することで、原稿を取り除く方法をユーザに提示する。また、キー807は、次の作業手順を表示する画面に遷移するためのキーである。
【0065】
画面805が表示された状態で、キー807が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は
図8(c)に示す詳細メンテナンス画面808をパネル401に表示する。なお、カバー250が開けられたことを開閉センサ(不図示)によって検知し、画面808を表示するようにしてもよい。
【0066】
画面808では、搬送路に滞留した原稿を除去するための作業内容を提示している。領域809は、原稿を取り除く方法を表示する領域である。CPU111は、原稿を取り除く方法を図示したイラストを表示したり、原稿の取り除き方を説明する動画などを領域809に表示したりして、原稿を取り除く方法をユーザに提示する。また、原稿を取り除いた後にカバーを閉じる旨のイラストや動画なども領域809に表示される。
【0067】
CPU111は、搬送センサ146及び開閉センサ(不図示)などに基づいて、エラー解除できる状態であると判断すると、
図8(d)に示す再読取待機画面810をパネル401に表示する。情報811は、原稿を原稿給紙トレイ202に再セットしてスタートキー412を押下することで、処理を再開できることをユーザに通知するための情報である。すなわち、ユーザはスタートキー412を押下して、原稿の読み取りを再開することができる。スタートキー412が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、斜行を検知する前に表示されていたコピー機能やファイル送信機能などの画面を表示する。
【0068】
再読取待機画面810には、上述したような、読取処理が中断する複数の要因と、それぞれの要因に対する対処方法が複数表示される。
【0069】
情報812は、原稿の斜行が発生したことをユーザに通知するための情報である。また、情報812は、原稿が斜行した場合の対処方法として、斜行の再発を抑制するために原稿に規制板(図中の「原稿ガイド」)の幅を合わせる必要があることをユーザに通知するための情報である。また、情報812は、綴じ原稿をADFにセットした場合の対処方法として、斜行の再発を抑制するためにステイプルで綴じられた原稿を原稿束から取り除く必要があることをユーザに通知するための情報である。さらに、情報812は、異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法として、斜行の誤検知を回避するために原稿の再読み取りを中止し、異幅原稿サイズ混載の設定を入力する必要があることをユーザに通知するための情報である。
【0070】
情報813は、異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法として、斜行の誤検知を回避するために斜行検知センサによる斜行の検知を一時的に無効にすることで異幅混載の原稿を読み取ることができることをユーザに通知するための情報である。
【0071】
キー814は、原稿の再読み取り時に斜行検知センサ151,152,153,154による斜行の検知を一時的に無効にするためのキーである。CPU111は、キー814が押下された状態でスタートキー412が押下されたことを検出すると、原稿の再読み取り時に斜行検知センサ151,152,153,154による斜行の検知を一時的に無効にする。ユーザはキー814を押下することで、原稿の再読み取り時に、斜行の検知により搬送動作を停止することなく、異幅混載の原稿を読み取ることができる。キー814を選択したことによって斜行検知センサが無効になる期間は問わないが、例えば実行中の印刷ジョブが完了するまでの期間であるものとする。
【0072】
中止キー815は、実行中のコピー機能や、ファイル送信機能などを中止する際に使用するキーである。ユーザは中止キー815を押下することで、これまで読み取った原稿を破棄して、実行中の処理を中止することができる。中止キー815が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、斜行を検知する前に表示されていたコピー機能やファイル送信機能などの画面を表示する。中止キー815を押下し、そのような画面を表示することによって、新たな設定を行ったうえでコピー機能またはファイル送信機能等の機能を実行することができる。
【0073】
情報812に従い原稿サイズ混載キー1002で「原稿サイズ混載」を設定する、または情報814に従い斜行検知センサーを無効にして、混載状態の原稿でスキャン処理を実行すると、再読取待機画面810は表示されなくなる。その代わりに、S1313に示される通り、画面906が表示される。一方、
図9は、
図3に示した読取部118の斜行検知センサ151,152,153,154で斜行が検知されず、搬送センサ146で原稿詰まりが検知された場合にパネル401に表示される画面の一例を示す図である。
【0074】
図9(a)は、斜行が検知されず、原稿詰まりが検知された際に初期画面として表示される詳細メンテナンス画面の一例を示すものである。また、
図9(a)、(b)は、
図8(b)、(c)と同様、原稿を取り除くための作業手順として表示される詳細メンテナンス画面の一例を示すものである。さらに、
図9(c)は、原稿詰まりが解除された際に表示される原稿の再読み取りを待機する画面の一例を示す図である。
【0075】
CPU111は、コピー機能やファイル送信機能などで原稿が読み取られている際に、搬送センサ146で原稿詰まりの発生を検知すると、原稿の搬送を中断する。また、CPU111は、
図9(a)に示す詳細メンテナンス画面901をパネル401に表示する。
【0076】
画面901では、搬送路に滞留した原稿を除去するための作業内容の一例として、読取部118のカバー250を開ける旨のメッセージが表示されている。領域902は、メンテナンス方法を表示する領域である。CPU111は、この領域にカバー250を開閉するアニメーションや動画などを領域902に表示することで、原稿を取り除く方法をユーザに提示する。また、キー903は、次の作業手順を表示する画面に遷移するためのキーである。
【0077】
画面901が表示された状態で、キー903が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は
図9(b)に示す詳細メンテナンス画面904をパネル401に表示する。なお、カバー250が開けられたことを開閉センサ(不図示)によって検知し、詳細メンテナンス画面904を表示するようにしてもよい。
【0078】
画面904では、搬送路に滞留した原稿を除去するための作業内容を提示している。領域905は、原稿を取り除く方法を表示する領域である。CPU111は、原稿を取り除く方法を図示したイラストを表示したり、原稿の取り除き方を説明する動画などを領域905に表示したりして、原稿を取り除く方法をユーザに提示する。また、原稿を取り除いた後にカバーを閉じる旨のイラストや動画なども領域905に表示される。
【0079】
CPU111は、搬送センサ146及び開閉センサ(不図示)などに基づいて、エラー解除できる状態であると判断すると、
図9(c)に示す再読取待機画面906をパネル401に表示する。情報907は、原稿を原稿給紙トレイ202に再セットしてスタートキー412を押下することで、処理を再開できることをユーザに通知するための情報である。すなわち、ユーザはスタートキー412を押下して、原稿の読み取りを再開することができる。スタートキー412が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、原稿詰まりを検知する前に表示されていたコピー機能やファイル送信機能などの画面を表示する。その画面とは、例えば
図10(c)に示されるような該当の機能の実行中を示す画面であるものとする。
【0080】
中止キー908は、実行中のコピー機能や、ファイル送信機能などを中止する際に使用するキーである。ユーザは中止キー908を押下することで、これまで読み取った原稿を破棄して、実行中の処理を中止することができる。中止キー908が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、原稿詰まりを検知する前に表示されていたコピー機能やファイル送信機能などの画面を表示する。
【0081】
次に、斜行の再発を抑制するための情報を表示する具体的な制御について、MFP101が備えるコピー機能を例示して説明する。
【0082】
まず、コピーの設定について説明する。
図10は、パネル401に表示されるコピー画面の一例を示すものである。
図10(a)、(b)は、設定画面の一例を示している。また、
図10(c)は、コピー処理を実行中に表示される実行画面の一例を示している。
【0083】
MFP101のユーザは、パネル401に表示される不図示のメイン画面から、コピー機能を選択することができる。メイン画面にはMFP101が備える各種機能(例えば、コピー機能、ファイル送信機能、ファイル保存機能など)を起動するためのボタン(アイコン)が選択可能に表示されているものとする。
【0084】
CPU111は、メイン画面が表示された状態で、コピー機能のボタンがユーザによって押下されたことに従って、
図10(a)に示す設定画面1001を表示する。
【0085】
ユーザは、設定画面1001を介して様々なコピー設定を行うことができる。例えば、ユーザは部数の設定や、モノクロ又はカラーの切り替え、両面印刷の設定など様々な設定を行うことができる。なお、コピージョブの設定は、ここに例示していない多数の設定項目がある。そのため同一画面内で全ての設定を行うことは困難である。従って設定項目ごとに個別の設定画面に遷移して、複数の機能の設定を行うものとする。
【0086】
原稿サイズ混載キー1002は、異幅原稿サイズ混載の設定を有効とするか無効とするかを選択するためのキーである。ユーザは、原稿サイズ混載キー1002を用いて異幅原稿サイズ混載の設定を有効にするか無効にするかを切り替えることができる。設定画面1001では異幅原稿サイズ混載の設定が行われていない状態を例示している。
【0087】
設定画面1001が表示された状態で、原稿サイズ混載キー1002が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、設定画面1003をパネル401に表示する。設定画面1003では、原稿サイズ混載キー1004に示すように、異幅原稿サイズ混載の設定が行われている状態を例示している。原稿サイズ混載キー1004は、原稿サイズ混載キー1002とは異なる態様で表示されているものとする。原稿サイズ混載キー1002と原稿サイズ混載キー1004の態様の違いは
図10に示された例に限定されない。例えば、原稿サイズ混載キー1004の形を原稿サイズ混載キー1002の形とは異なる形で表示してもよいし、原稿サイズ混載キー1002を点滅させないように表示し、原稿サイズ混載キー1004を点滅させるよう表示してもよい。
【0088】
設定画面1001,1003が表示された状態で、スタートキー412が押下されたことをCPU111が検出すると、CPU111は、コピー処理を開始する。CPU111は、読取部118による原稿の読取動作を開始すると共に、
図10(c)に示すコピーの実行画面1005をパネル401に表示する。
【0089】
次に、コピー処理を例として、斜行の再発を抑制するための情報(
図8)を表示する具体的な制御方法について、
図11乃至
図13に示したフローチャートを用いて説明する。
【0090】
図11乃至
図13に示すフローチャートの各動作(ステップ)は、CPU111がROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムをRAM113に読み出し、実行することにより実現される。なお、各動作を実現する制御プログラムの一部は、別のCPU(例えば、読取部118のCPU131など)などで実行され、制御プログラム同士が協働することで実現されてもよい。
【0091】
S1101では、CPU111は、コピージョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。CPU111は、受け付けたと判定した場合(S1101でYES)、S1102に処理を進める。一方、CPU111は、S1101でNOと判定した場合、受け付けたと判定するまでS1101の処理を繰り返す。具体的には、
図10(a)に示す設定画面1001がパネル401に表示されている状態で、スタートキー412がユーザによって押下されたことに従って、コピージョブの実行指示が受け付けられたと判断される。また、CPU111は、コピージョブの実行指示が受け付けられた場合に、パネル401にコピーの実行画面1005を表示する。
【0092】
S1102では、CPU111は、原稿の画像の読み取り(スキャン)に係る一連の処理が正常に終了したか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン終了フラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定(初期化)する。なお、スキャン終了フラグの値はRAM113に一時的に記憶される。
【0093】
なお、スキャン終了フラグが「TRUE」の場合は、スキャンが正常に終了したことを表す。一方、スキャン終了フラグが「FALSE」の場合は、スキャンが正常に終了しなかったことを表す。例えば、スキャンの中止指示を受け付けた場合や、コピージョブの実行がキャンセルされた場合等において、CPU111は、スキャンが正常に終了しなかったと判断し、スキャン終了フラグの値を「FALSE」に書き換える。CPU111は、S1102の処理を実行した後、S1200のスキャン処理に進む。S1200では、CPU111は、スキャンに係る一連の処理を実行する。
【0094】
<スキャン処理>
続いて、スキャンに係る一連の処理(S1200)の詳細について、
図12に示したフローチャートを用いて説明する。
【0095】
S1201で、CPU111は、読取部118を制御して、原稿給紙トレイ202上に積載された原稿203を搬送させる。
【0096】
S1202では、CPU111は、S1201で搬送された原稿の搬送エラーが発生したか否かを判断する。CPU111は、読取部118を制御して、複数の搬送センサ146の出力値や、駆動モータの回転数などを取得する。次にCPU111は、取得した値に基づいて原稿詰まりが発生しているか否かを判断する。原稿詰まりが発生している場合は、搬送エラーが発生したと判断して、S1209に進む。
【0097】
更に、CPU111は、斜行検知センサ151,152,153,154の出力値を取得する。コピー設定で異幅原稿サイズ混載の設定が行われていない場合且つ斜行検知センサ151,152,153,154が斜行を検知している場合にも、搬送エラーが発生したと判断して、S1209に進む。
【0098】
一方、原稿詰まりが発生していない場合は、搬送エラーが発生していないと判断し、S1203に進む。なお、CPU111は、異幅原稿サイズ混載の設定が行われている場合、又は、斜行の検知を一時的に無効にしている場合、斜行検知センサ151,152,153,154が原稿の斜行を検知していたとしても搬送エラーが発生していないものとして、S1203に進む。
【0099】
S1203では、CPU111は、読取部118を制御して、S1201で搬送された原稿203がプラテンガラス212上を通過する際に、原稿を読み取ってデータを生成させる。次に、S1204では、CPU111は、読取部118を制御して、S1203で読み取られたデータを画像処理部142で画像データに変換させる。CPU111は、読取部118を制御して、変換された画像データをRAM113に一時的に格納する。
【0100】
S1205では、CPU111は、読取部118を制御して、原稿の読み取りが完了したか否かを判断する。具体的には、CPU111は、搬送センサ146により原稿の後端が検知され、読み取り処理及び画像データへ変換処理が完了した場合に、原稿の読み取りが完了したと判断し、S1206に進む。一方、原稿の搬送中や、画像データへの変換処理中であれば、原稿の読み取りが完了していないと判断し、S1202に戻る。
【0101】
S1206では、CPU111は、S1204でRAM113に一時格納された画像データをストレージ114に保存する。S1207では、CPU111は、原稿給紙トレイ上に原稿が載置されているか否かを判断する。具体的には、CPU111は、読取部118を制御して、原稿検知センサ145の出力値を取得する。取得した値に基づいて、原稿給紙トレイ202上に原稿203が積載されているか否かを判断する。CPU111は、原稿給紙トレイ上に原稿が載置されていると判断した場合は、S1201に戻り、次の原稿203の搬送を行う。原稿給紙トレイ上に原稿が積載されていないと判断した場合は、S1208に進む。S1208では、CPU111は、RAM113に記憶されているスキャン終了フラグの値を「TRUE」に書き換え、S1200の処理を終了してS1103に処理を進める。
【0102】
次に、搬送エラーが発生した場合の処理(S1202でYES)について説明する。S1209では、CPU111は、読取部118を制御し、スキャンを中断する。CPU111は、スキャンの中断に伴い、原稿の搬送や、原稿の画像の読み取りを停止させて、S1210に進む。
【0103】
S1210では、CPU111は、S1204でRAM113に一時格納された画像データを削除して、S1300に進む。S1300では、CPU111は、搬送エラーに対するリカバリ処理を実行する。S1300の処理では、搬送エラーのリカバリが行われ、また、スキャンを再開するか否かのフラグが設定される。リカバリ処理の一連の流れについては、
図13のフローチャートを用いて後述する。
【0104】
S1211では、CPU111は、S1300の一連のリカバリ処理で設定されたスキャン再開フラグの値を参照し、「FALSE」であれば、S1200の処理を終了し、
図11のS1103に進む。また、この際にCPU111は、リカバリに関する画面を閉じて、パネル401に表示する画面をコピーの実行画面(画面1005)に切り替える。
【0105】
一方、「TRUE」であれば(「FALSE」でなければ)、S1201に戻り、ユーザによって再度、原稿給紙トレイ202に載置された原稿203の搬送処理を行う。その際CPU111は、リカバリに関する画面を閉じて、パネル401に表示する画面をコピーの実行画面(画面1005)に切り替える。
【0106】
なお、S1211の処理では、S1300のリカバリ処理でスキャンを中止する指示がなされた場合に、スキャン終了フラグを「FALSE」のままスキャン処理を終了することになる。従って、後述する処理で、コピーを中止することができる。
【0107】
<搬送エラーに対するリカバリ処理>
次に、搬送エラーに対するリカバリ処理(S1300)の詳細について、
図13に示したフローチャートを用いて説明する。
【0108】
S1301では、CPU111は、原稿の斜行が発生した旨をユーザに通知するか否かを判断する。具体的には、CPU111は、斜行検知センサ151,152,153,154の出力値を取得する。コピー設定で異幅原稿サイズ混載の設定が行われていない場合且つ斜行検知センサ151,152,153,154が斜行を検知し搬送エラーが発生している場合は、斜行が発生した旨をユーザに通知すると判断して、S1302に進む。一方、コピー設定で異幅原稿サイズ混載の設定が行われている場合や斜行検知センサ151,152,153,154による斜行の検知を一時的に無効にしている(斜行を検知していても搬送エラーが発生していない)場合、又は、斜行を検知していない場合は、S1311に進む。
【0109】
なお、S1301の処理は、斜行を検知していない場合や異幅原稿サイズ混載の設定が行われている場合、又は、斜行検知センサによる斜行の検知を一時的に無効にしている場合に、斜行の再発を抑制するための情報が表示されないように制御するための処理である。
【0110】
S1302では、CPU111は、原稿の斜行が発生したことをユーザに通知するための情報を含む画面をパネル401に表示する。具体的には、CPU111は、パネル401に簡易メンテナンス画面801を表示し、S1303に進む。
【0111】
S1303では、CPU111は、詳細メンテナンス画面805に表示を切り替える事象が発生したか否かを判断する。具体的には、CPU111は、画面801の「詳細手順へ」キー804が押下された場合にS1304に進み、キー804が押下されない場合はS1305に進む。
【0112】
S1304では、CPU111は、詳細メンテナンス画面805をパネル401に表示し、S1305に進む。また、CPU111は、領域806にアニメーションや動画などを表示する場合は、パネル401に表示される領域806を所定時間ごとに更新する(例えば30FPS(Frame Per Second)など)。なお、S1304で表示する情報は、適宜変更することもできる。例えば、CPU111は、原稿検知センサ145、搬送センサ146などの各種センサの出力値を取得する。また、取得した出力値に応じて、原稿詰まりが起こっている箇所を推定する。次に、推定された箇所に基づいた原稿を取り除く方法を表示するようにすればよい。
【0113】
S1305では、CPU111は、搬送エラーのリカバリが完了したか否かを判断する。具体的には、CPU111は、読取部118を制御して、複数の搬送センサ146の出力値を取得する。取得した値に基づいて全ての搬送センサ146で原稿を検知していないと判断すると、リカバリが完了したと判断し、S1306に進む。一方、いずれかの搬送センサ146で原稿が検知されていると判断すると、S1303に戻り、必要に応じてパネル401に表示される画面を更新する。
【0114】
なお、S1305において、更に不図示の開閉センサに基づいてカバー250が閉じられたことを検出した場合に、リカバリが完了したと判断するようにしてもよい。この場合、CPU111は、搬送センサ146で原稿を検知していない場合、且つ開閉センサによってカバー250が閉じられていることを検知した場合に、S1306に進むようにする。
【0115】
S1306では、CPU111は、原稿の斜行が発生したことをユーザに通知するための情報と、斜行の再発を抑制するための情報とを含む再読取待機画面(画面810)をパネル401に表示し、S1307に進む。S1307では、CPU111は、中止キー815が押下された場合は、S1309に進み、中止キー815が押下されない場合は、S1308に進む。
【0116】
S1309では、CPU111は、原稿の画像の読み取り(スキャン)を再開するか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン再開フラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定し、一連のリカバリ処理を終了する。なお、スキャン再開フラグは、RAM113に一時的に格納されるフラグである。リカバリ処理が完了すると、S1211に進む。
【0117】
一方、S1308では、CPU111は、スタートキー412が押下された場合は、S1310に進み、スタートキー412が押下されない場合は、S1307に戻り、キーの押下を待つ。S1310では、CPU111は、スキャン再開フラグの値を「TRUE」に設定し、一連のリカバリ処理を終了する。リカバリ処理が完了すると、S1211に進む。
【0118】
次に、斜行が発生した旨をユーザに通知しない場合の処理(S1301でNO)について説明する。S1311では、CPU111は、詳細メンテナンス画面901をパネル401に表示し、S1312に進む。また、CPU111は、領域902にアニメーションや動画などを表示する場合は、パネル401に表示される領域902を所定時間ごとに更新する(例えば30FPSなど)。なお、S1311で表示する情報は、適宜変更することもできる。例えば、CPU111は、原稿検知センサ145、搬送センサ146などの各種センサの出力値を取得する。また、取得した出力値に応じて、原稿詰まりが起こっている箇所を推定する。次に、推定された箇所に基づいた原稿を取り除く方法を表示するようにすればよい。
【0119】
S1312では、CPU111は、搬送エラーのリカバリが完了したか否かを判断する。具体的には、CPU111は、読取部118を制御して、複数の搬送センサ146の出力値を取得する。取得した値に基づいて全ての搬送センサ146で原稿を検知していないと判断すると、リカバリが完了したと判断し、S1313に進む。一方、いずれかの搬送センサ146で原稿が検知されていると判断すると、S1311に戻り、必要に応じてパネル401に表示される画面を更新する。
【0120】
なお、S1312において、更に不図示の開閉センサに基づいてカバー250が閉じられたことを検出した場合に、リカバリが完了したと判断するようにしてもよい。この場合、CPU111は、搬送センサ146で原稿を検知していない場合、且つ開閉センサによってカバー250が閉じられていることを検知した場合に、S1313に進むようにする。
【0121】
S1313では、CPU111は、原稿の斜行が発生したことをユーザに通知するための情報と、斜行の再発を抑制するための情報とを含まない再読取待機画面(画面906)をパネル401に表示し、S1314に進む。S1314では、CPU111は、中止キー908が押下された場合は、S1316に進み、中止キー908が押下されない場合は、S1315に進む。
【0122】
S1316では、CPU111は、スキャン再開フラグの値を「FALSE」に設定し、一連のリカバリ処理を終了する。リカバリ処理が完了すると、S1211に進む。
【0123】
一方、S1315では、CPU111は、スタートキー412が押下された場合は、S1317に進み、スタートキー412が押下されない場合は、S1314に戻り、キーの押下を待つ。S1317では、CPU111は、スキャン再開フラグの値を「TRUE」に設定し、一連のリカバリ処理を終了する。リカバリ処理が完了すると、S1211に進む。
【0124】
前述したように、一連のスキャン処理(S1200)及びスキャン処理中に搬送エラーが発生した場合のリカバリ処理(S1300)を経て、スキャン処理が完了すると、
図11のS1103に進むことになる。
【0125】
図11の説明に戻り、S1103では、CPU111は、スキャン終了フラグの値を参照し、「TRUE」であれば、S1104の印刷処理に進む。一方、スキャン終了フラグの値を参照し、「FALSE」であれば、S1104をスキップして、S1105に進む。
【0126】
S1104では、CPU111は、S1206でストレージ114に保存された画像データを印刷部120に転送する。また、印刷部120を制御して、シートに画像を印刷させる。S1206でストレージ114に保存された画像の印刷が完了すると、S1105に進む。
【0127】
S1105では、CPU111は、S1206でストレージ114に保存された画像データを削除して、コピー処理を終了する。
【0128】
以上が、第1の実施形態に係るMFP101において、コピージョブの実行指示を受け付けて、受け付けたコピージョブを実行するための一連の処理である。
【0129】
以上説明したように、本実施形態では、斜行を検知し、原稿の搬送動作を停止した際に、ユーザは斜行した場合の対処方法や綴じ原稿或いは異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法を見た上で原稿の画像の読み取りを再開することができるようになる。
【0130】
更に、本実施形態では、斜行が検知された場合に、原稿を取り除く方法についてもユーザに通知することができる。従って、斜行検知センサで原稿の斜行を検知した場合に、ユーザはカバーの開け方や、搬送経路に詰まっている原稿や搬送経路で停止した状態の原稿を取り除く方法を確認しながら、原稿を取り除くことができる。
【0131】
また、斜行が発生した旨をユーザに通知するか否かの制御を行うことができる。例えば、原稿詰まりが発生しているが、斜行を検知していない場合、即ち、搬送エラーが斜行によるものではない場合は、斜行の再発を抑制するための情報を表示することなく、原稿を取り除くためのメンテナンス画面を表示することができる。また、異幅原稿サイズ混載の設定が行われている場合や斜行検知センサによる斜行の検知を一時的に無効にしている場合にも、斜行の誤検知を回避するための情報を表示することなく、原稿を取り除くためのメンテナンス画面を表示することができる。従って、斜行の再発を抑制するための情報や斜行の誤検知を回避するための情報が必要とされる場合に当該情報を表示することができるようになる。
【0132】
<その他の実施形態>
第1の実施形態においては、コピー機能における読取制御について説明したが、本発明は、原稿を読み取る他の機能にも適用可能である。具体的には、MFP101がスキャンした原稿を外部装置に送信するファイル送信機能にも適用できる。更に、MFP101がスキャンした原稿をMFP101が読み書き可能な保存領域に格納する保存機能にも適用できる。
【0133】
更に、PC102が単機能のスキャナに対してスキャン指示を出し、スキャナに原稿を読み取らせ、スキャンした画像をPC102の保存領域に格納する場合にも適用できる。この場合、PC102の制御プログラム(例えばスキャナドライバ)と単機能のスキャナの読取制御プログラムが協働して前述した制御を行うことになる。単機能のスキャナは、
図1,
図3,
図4を説明した構成の中でも、原稿の読取やPC102とのデータのやりとりに必要な構成を備えているものとする。ただし、原稿を流し読みする搬送経路の形状や外観などは適宜変更されてもよい。
【0134】
更に単機能のスキャナに対して本実施形態を適用する場合は、斜行や原稿詰まりの通知はPC102の操作部(不図示)に対して行うようにしてもよい。例えば、PC102は、MFP101から斜行が発生した旨の情報を受信し、
図14に示すような原稿詰まり及び斜行に関する画面をPC102の操作部に表示する。
【0135】
画面1400は、PC102の操作部に表示されるウィンドウの一例を示している。情報1401は、原稿を取り除く必要があることをユーザに通知するための情報である。情報1402は、原稿が斜行した場合の対処方法として、斜行の再発を抑制するために原稿に規制板の幅を合わせる必要があることをユーザに通知するための情報である。また、情報1402は、綴じ原稿をADFにセットした場合の対処方法として、斜行の再発を抑制するためにステイプルで綴じられた原稿を原稿束から除去する必要があることをユーザに通知するための情報でもある。さらに、情報1402は、異幅混載の原稿をADFにセットした場合の対処方法として、斜行の誤検知を回避するために原稿の読み取りを中止し、異幅原稿サイズ混載の設定を入力する必要があることをユーザに通知するための情報でもある。
【0136】
このように本発明は、原稿の斜行を検知できる画像読取装置や当該画像読取装置を含むシステムに対して適用することができる。
【0137】
また、第1の実施形態では
図2で示される通り、スタートキー412やストップキー等がハードキーであることを前提に説明した。しかし、そのような形態に限定されず、例えば、
図2においてハードキーとして説明されたキーまたはその一部をソフトキーとしてパネル401に設ける形態も可能である。
【0138】
また、本発明の目的は以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0139】
101 MFP
111 CPU
110 制御部
118 読取部
151,152,153,154 斜行検知センサ
146 搬送センサ