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特許7508702絶縁油を用いた冷却構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】絶縁油を用いた冷却構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20240624BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240624BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240624BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240624BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240624BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/6555
H01M10/625
H01M10/647
H01M50/507
H01M50/204 401H
H01M10/6556
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023519543
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2021016668
(87)【国際公開番号】W WO2022103229
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0153016
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウン-ア・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-キ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・タンネンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ヤンケ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ハラストージ
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-520067(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0084522(KR,A)
【文献】特表2018-538662(JP,A)
【文献】特表2019-507469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60
H01M 50/507
H01M 50/204
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセル及び隣接したバッテリーセル同士の間に介在する冷却フィンを含むセル積層体アセンブリ、前記セル積層体アセンブリの長手方向の一側に結合される前方バスバーフレームアセンブリ、及び前記セル積層体アセンブリの長手方向の他側に結合される後方バスバーフレームアセンブリを含むサブモジュールと、
前記サブモジュールを収容するモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの長手方向の一側開口部を覆い、絶縁油インレットを備える前方シーリングプレートと、
前記モジュールハウジングの長手方向の他側開口部を覆い、絶縁油アウトレットを備える後方シーリングプレートと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記冷却フィンは、
互いに隣接したバッテリーセル同士の間に介在するボディ接触部と、
前記ボディ接触部の上端及び下端のいずれか一方から折り曲げられて前記バッテリーセルのエッジを覆うエッジカバー部と、
を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記前方バスバーフレームアセンブリ及び前記後方バスバーフレームアセンブリは、前記モジュールハウジングと前記バッテリーセルのエッジとの間及び前記エッジカバー部と前記バッテリーセルのエッジとの間に形成される絶縁油流路と対応する位置に形成される複数の絶縁油孔を備える、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記絶縁油インレットを通って前記モジュールハウジングの内部に流れ込んだ絶縁油は、前記前方バスバーフレームアセンブリに形成された絶縁油孔を通過して前記絶縁油流路に流れ込む、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記絶縁油流路を通過した絶縁油は、前記後方バスバーフレームアセンブリに形成された絶縁油孔を通過し、前記絶縁油アウトレットを通って前記モジュールハウジングの外部に排出される、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記前方バスバーフレームアセンブリ及び前記後方バスバーフレームアセンブリは、上端及び下端にそれぞれ形成され、前記セル積層体アセンブリに向かって延長されるガイドリブを備える、請求項2から5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記冷却フィンは、
前記ガイドリブに対応する形状を有し、前記エッジカバー部の長手方向の両側端部に形成されて前記ガイドリブと結合される一対の固定部をさらに含む、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記バッテリーモジュールは、
前記前方シーリングプレートの外側に位置する外部端子と、前記前方シーリングプレートを貫通して前記外部端子と前記バッテリーセルとの間を電気的に接続するスタッドと、を含む一対の端子アセンブリをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記前方バスバーフレームアセンブリは、
バスバーフレームと、
前記バスバーフレーム上に固定され、前記バッテリーセルの電極リードと連結される複数のバスバーと、
前記バスバーフレーム上に固定され、前記セル積層体アセンブリに設けられたバッテリーセルのうち最外郭に位置したバッテリーセルの電極リードと連結される一対の内部端子と、
を含む、請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記端子アセンブリは、前記前方シーリングプレートに形成された端子孔に挿入される端子スペーサをさらに含み、
前記スタッドは、前記内部端子に固定されて前記端子スペーサを貫通する、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記端子アセンブリは、
前記端子スペーサ及び前記外部端子を貫通した前記スタッドに締結され、前記外部端子を前記端子スペーサに密着固定させる締結ナットをさらに含む、請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記端子アセンブリは、
前記端子スペーサの外周面を覆い、前記前方シーリングプレートの内側面と前記内部端子との間に介在する第1のOリングをさらに含む、請求項11に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記スタッドは、前記内部端子を貫通して押し込まれ、
前記端子アセンブリは、前記スタッドの周りに位置して、前記内部端子と前記バスバーフレームとの間に介在する第2のOリングをさらに含む、請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁油を用いた冷却構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より具体的には、モジュールハウジング内に流れ込む絶縁油がバッテリーセルのエッジとモジュールハウジングとの間の空間を通って流れながらバッテリーセルを冷却させる構造を有するバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年11月16日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0153016号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
冷却水を用いた間接水冷方式を採用するバッテリーモジュールの場合、冷却水がバッテリーセルと直接接触せず、バッテリーセルを収容するモジュールハウジングを通じて間接的に接触するため、その冷却性能に限界がある。また、冷却のための流路を形成するため、別途のヒートシンクなどの冷却装置をモジュールハウジングの外側に備えなければならず、バッテリーモジュールの全体体積が大きくなってエネルギー密度の損失が発生する。
【0004】
このような間接水冷方式の問題を解決するため、冷却のための絶縁油がモジュールハウジング内に直接流れ込んでバッテリーセルと直接接触可能な冷却構造を有するバッテリーモジュールの開発が求められている。
【0005】
絶縁油を用いた直接冷却構造を有するバッテリーモジュールの場合、効率的な冷却のための流路構造を確保すること、そして絶縁油がモジュールハウジング及びエンドプレートの外側に漏れないように気密性を維持することが非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、モジュールハウジングの内部に流れ込んだ絶縁油がバスバーフレームアセンブリを通過してセル積層体アセンブリ側へと円滑に移動し、またバッテリーモジュールの長手方向に沿って円滑に流れるための経路を確保することを目的とする。
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、他の課題は下記の発明の説明から通常の技術者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセル及び隣接したバッテリーセル同士の間に介在する冷却フィンを含むセル積層体アセンブリ、前記セル積層体アセンブリの長手方向の一側に結合される前方バスバーフレームアセンブリ、及び前記セル積層体アセンブリの長手方向の他側に結合される後方バスバーフレームアセンブリを含むサブモジュールと、前記サブモジュールを収容するモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングの長手方向の一側開口部を覆い、絶縁油インレットを備える前方シーリングプレートと、前記モジュールハウジングの長手方向の他側開口部を覆い、絶縁油アウトレットを備える後方シーリングプレートと、を含む。
【0009】
前記冷却フィンは、互いに隣接したバッテリーセル同士の間に介在するボディ接触部と、前記ボディ接触部の上端及び下端のいずれか一方から折り曲げられて前記バッテリーセルのエッジを覆うエッジカバー部と、を含み得る。
【0010】
前記前方バスバーフレームアセンブリ及び前記後方バスバーフレームアセンブリは、前記モジュールハウジングと前記バッテリーセルのエッジとの間及び前記エッジカバー部と前記バッテリーセルのエッジとの間に形成される絶縁油流路と対応する位置に形成される複数の絶縁油孔を備え得る。
【0011】
前記絶縁油インレットを通って前記モジュールハウジングの内部に流れ込んだ絶縁油は、前記前方バスバーフレームアセンブリに形成された絶縁油孔を通過して前記絶縁油流路に流れ込み得る。
【0012】
前記絶縁油流路を通過した絶縁油は、前記後方バスバーフレームアセンブリに形成された絶縁油孔を通過し、前記絶縁油アウトレットを通って前記モジュールハウジングの外部に排出され得る。
【0013】
前記前方バスバーフレームアセンブリ及び前記後方バスバーフレームアセンブリは、上端及び下端にそれぞれ形成され、前記セル積層体アセンブリに向かって延長されるガイドリブを備え得る。
【0014】
前記冷却フィンは、前記ガイドリブに対応する形状を有し、前記エッジカバー部の長手方向の両側端部に形成されて前記ガイドリブと結合される一対の固定部をさらに含み得る。
【0015】
前記バッテリーモジュールは、前記前方シーリングプレートの外側に位置する外部端子と、前記前方シーリングプレートを貫通して前記外部端子と前記バッテリーセルとの間を電気的に接続するスタッドと、を含む一対の端子アセンブリをさらに含み得る。
【0016】
前記前方バスバーフレームアセンブリは、バスバーフレームと、前記バスバーフレーム上に固定され、前記バッテリーセルの電極リードと連結される複数のバスバーと、前記バスバーフレーム上に固定され、前記セル積層体アセンブリに設けられたバッテリーセルのうち最外郭に位置したバッテリーセルの電極リードと連結される一対の内部端子と、を含み得る。
【0017】
前記端子アセンブリは、前記前方シーリングプレートに形成された端子孔に挿入される端子スペーサをさらに含み、前記スタッドは、前記内部端子に固定されて前記端子スペーサを貫通し得る。
【0018】
前記端子アセンブリは、前記端子スペーサ及び前記外部端子を貫通した前記スタッドに締結され、前記外部端子を前記端子スペーサに密着固定させる締結ナットをさらに含み得る。
【0019】
前記端子アセンブリは、前記端子スペーサの外周面を覆い、前記前方シーリングプレートの内側面と前記内部端子との間に介在する第1のOリングをさらに含み得る。
【0020】
前記スタッドは、前記内部端子を貫通して押し込まれ、前記端子アセンブリは、前記スタッドの周りに位置して、前記内部端子と前記バスバーフレームとの間に介在する第2のOリングをさらに含み得る。
【0021】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーパック及び自動車は、本発明によるバッテリーモジュールを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、モジュールハウジングの内部に流れ込んだ絶縁油がバスバーフレームアセンブリを通過してセル積層体アセンブリ側へと円滑に移動することができ、モジュールハウジング内で絶縁油がバッテリーモジュールの長手方向に沿って円滑に流れることができる。また、本発明の一態様によれば、モジュールハウジングの内部で流れる絶縁油の漏れを効果的に防止することができる。
【0023】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した分解斜視図である。
図3図1のA-A’線に沿った断面図である。
図4図1に示されたバッテリーモジュールにおいて、前方エンドプレート及び前方シーリングプレートを除去した状態を示した図である。
図5】冷却のための絶縁油の流れを示した図である。
図6】冷却のための絶縁油の流れを示した図である。
図7】本発明による冷却フィンとバッテリーセルとの結合関係を示した図である。
図8】本発明による冷却フィンとバッテリーセルとの結合関係を示した図である。
図9】本発明による冷却フィンを示した斜視図である。
図10】本発明によるバスバーフレームアセンブリと冷却フィンとの結合構造を示した図である。
図11】本発明による端子アセンブリの具体的な構造を示した図である。
図12】本発明による端子アセンブリの具体的な構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールは、サブモジュール100、モジュールハウジング200、前方シーリングプレート300、後方シーリングプレート400、及び一対の端子アセンブリ700を含み、追加的に前方エンドプレート500及び後方エンドプレート600をさらに含み得る。
【0027】
図2図9を参照すると、前記サブモジュール100は、セル積層体アセンブリ110、前方バスバーフレームアセンブリ120A、及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bを含む。
【0028】
前記セル積層体アセンブリ110は、複数のバッテリーセル111、及び隣接したバッテリーセル111同士の間に介在する複数の冷却フィン112を含み、隣接したバッテリーセル111同士の間に介在する少なくとも一つの緩衝パッド113をさらに含み得る。前記バッテリーセル111、冷却フィン112及び緩衝パッド113は、地面(X-Y平面に平行な面)に垂直に起立した形態で積層されて一つのセル積層体アセンブリ110を形成する。
【0029】
前記バッテリーセル111としては、長手方向(X軸に平行な方向)に沿って反対方向に引き出される一対の電極リード111aを備えるパウチ型のバッテリーセルが用いられ得る。
【0030】
図7図9を参照すると、前記冷却フィン112は、互いに隣接したバッテリーセル111同士の間に介在するボディ接触部112a、及びボディ接触部112aの上端及び下端のいずれか一方から折り曲げられてバッテリーセル111のエッジを覆うエッジカバー部112bを含む。ここで、前記バッテリーセル111のエッジとは、バッテリーセル111のボディのうち幅方向、すなわちバッテリーモジュールの高さ方向(Z軸に平行な方向)の両側面を称する。また、前記冷却フィン112は、エッジカバー部112bの長手方向(X軸に平行な方向)の両側端部に形成される一対の固定部112cをさらに含み得る。
【0031】
前記ボディ接触部112aは、隣接した一対のバッテリーセル111のボディの間に介在し、バッテリーセル111のボディと直接接触する。前記ボディ接触部112aは、バッテリーセル111のボディ、すなわち電極組立体(図示せず)が収容される領域から発生する熱を冷却フィン112の幅方向、すなわちバッテリーモジュールの高さ方向(Z軸に平行な方向)に沿って素早く伝導してエッジカバー部112b側へと移動させる。このようにエッジカバー部112b側に伝導された熱は、バッテリーセル111のエッジとエッジカバー部112bとの間に形成された絶縁油流路Pを通って流れる絶縁油によってバッテリーモジュールの長手方向(X軸に平行な方向)に沿って移動し、バッテリーモジュールの外部へと排出される。
【0032】
前記エッジカバー部112bは、上述したような絶縁油流路Pを形成することの他にも、外部衝撃が加えられてセル積層体アセンブリ110がモジュールハウジング200内で上下方向(Z軸に平行な方向)に動くとき、衝撃を吸収する機能も果たすことができる。
【0033】
前記固定部112cは、後述するガイドリブ121bに対応する形状を有する。前記固定部112cは、ガイドリブ121bと結合されることで、冷却フィン112を含むセル積層体アセンブリ110とバスバーフレームアセンブリ120A、120Bとの間の締結をガイドする。
【0034】
前記緩衝パッド113は、隣接したバッテリーセル111同士の間に介在し、バッテリーセル111のスウェリングによる体積膨張を吸収することができる。
【0035】
前記前方バスバーフレームアセンブリ120A及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bは、それぞれセル積層体アセンブリ110の長手方向(X軸に平行な方向)の一側及び他側に結合され、複数のバッテリーセル111同士を電気的に接続する。前記前方バスバーフレームアセンブリ120A及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bは、前方バスバーフレームアセンブリ120Aは内部端子123を備える一方、後方バスバーフレームアセンブリ120Bは内部端子123を備えないという点を除けば、実質的に同じ構造を有する。したがって、前記後方バスバーフレームアセンブリ120Bの具体的な構造についての詳しい説明は省略し、前方バスバーフレームアセンブリ120Aの具体的な構造を主に説明する。
【0036】
図4図10を参照すると、前記前方バスバーフレームアセンブリ120Aは、バスバーフレーム121、複数のバスバー122、及び一対の内部端子123を含む。前記バスバーフレーム121は、セル積層体アセンブリ110の長手方向(X軸に平行な方向)の一側を覆う。
【0037】
前記バスバーフレーム121は、複数の絶縁油孔121aを備える。前記絶縁油孔121aは、前方シーリングプレート300に設けられたインレットP1からモジュールハウジング200の内部に流れ込んだ絶縁油がバスバーフレーム121を通過してセル積層体アセンブリ110側へと流れる通路として機能する。
【0038】
図7及び図8に示されたように、絶縁油流路Pは、モジュールハウジング200とバッテリーセル111のエッジとの間、そして冷却フィン112のエッジカバー部112bとバッテリーセル111のエッジとの間にそれぞれ形成される。したがって、前記絶縁油孔121aは、モジュールハウジング200とバッテリーセル111のエッジとの間、そして冷却フィン112のエッジカバー部112bとバッテリーセルのエッジとの間に形成される絶縁油流路Pと対応する位置に形成される。
【0039】
前記前方バスバーフレームアセンブリ120Aに形成された絶縁油孔121aを通ってセル積層体アセンブリ110側へと流れ込んだ絶縁油は、矢印(図5及び図6を参照)に沿って絶縁油流路Pを通して後方バスバーフレームアセンブリ120B側に移動する。前記後方バスバーフレームアセンブリ120B側に移動した絶縁油は、後方バスバーフレームアセンブリ120Bに形成された絶縁油孔121aを通って後方シーリングプレート400側へと流れ、後方シーリングプレート400に設けられたアウトレットP2からバッテリーモジュールの外部に排出される。この過程で前記絶縁油は、バッテリーセル111の電極リード111aと直接接触し、バッテリーセル111のボディとは間接接触してバッテリーセル111を冷却させる。
【0040】
前記バスバー122は、バスバーフレーム121上に固定され、バスバーフレーム121に形成されたリードスリットを通って引き出された電極リード111aと結合されて複数のバッテリーセル111を電気的に接続させる。
【0041】
前記内部端子123は、バスバーフレーム121上に固定され、セル積層体アセンブリ110に設けられたバッテリーセル111のうち最外郭に位置したバッテリーセル111の電極リード111aと結合される。前記内部端子123は高電位端子として機能する。前記バスバーフレーム121の長手方向(Y軸に平行な方向)の一側に位置する内部端子123は正極高電位端子として機能し、バスバーフレーム121の長手方向の他側に位置する内部端子123は負極高電位端子として機能する。前記内部端子123は、後述する外部端子710(図11及び図12を参照)と電気的に接続される。
【0042】
一方、図5図10を参照すると、前記前方バスバーフレームアセンブリ120Aのバスバーフレーム121及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bのバスバーフレーム121は、上端及び下端に長手方向(Y軸に平行な方向)に沿って形成された複数のガイドリブ121bを備える。前記ガイドリブ121bは、セル積層体アセンブリ110に向かう方向に延長された形態を有する。前記ガイドリブ121bは、冷却フィン112の固定部112cと対応する位置に形成される。
【0043】
上述したように、前記冷却フィン112のエッジカバー部112bの長手方向(X軸に平行な方向)の両側端部には、ガイドリブ121bに対応する形状を有する固定部112cが形成される。前記ガイドリブ121b及び固定部112cによって、冷却フィン112は上下方向(Z軸に平行な方向)及び長手方向(X軸に平行な方向)への動きが制限される。これにより、セル積層体アセンブリ110に前方バスバーフレームアセンブリ120A及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bを結合するときの結合位置をガイドできるため、組み立ての便宜性が増大される。
【0044】
図1図6を参照すると、前記モジュールハウジング200は、セル積層体アセンブリ110、前方バスバーフレームアセンブリ120A及び後方バスバーフレームアセンブリ120Bを含むサブモジュール100を収容する。前記モジュールハウジング200は、長手方向(X軸に平行な方向)の一側及び他側が開放された形態を有する。
【0045】
図5図6図11及び図12を参照すると、前記前方シーリングプレート300は、モジュールハウジング200の長手方向(X軸に平行な方向)の一側に形成された開口部を覆う。前記前方シーリングプレート300は、絶縁油の流入のための絶縁油インレットP1を備える。絶縁油の漏れを防止するため、前方シーリングプレート300の周縁面とモジュールハウジング200の内側面との間にはガスケットGが介在し得る(図12を参照)。
【0046】
前記前方シーリングプレート300は、前方バスバーフレームアセンブリ120Aに設けられた内部端子123と後述する外部端子710との間の電気的接続のための部品が通過する一対の端子孔300aを備える。前記端子孔300aは、内部端子123と対応する位置に形成される。
【0047】
図6を参照すると、前記後方シーリングプレート400は、モジュールハウジング200の長手方向(X軸に平行な方向)の他側開口部を覆い、絶縁油の排出のための絶縁油アウトレットP2を備える。前記前方シーリングプレート300の場合と同様に、絶縁油の漏れを防止するため、前方シーリングプレート300の周縁面とモジュールハウジング200の内側面との間にはガスケットGが介在し得る。
【0048】
前記前方シーリングプレート300及び後方シーリングプレート400は、電気的絶縁のために絶縁性樹脂からなり得る。
【0049】
図11及び図12を参照すると、前記端子アセンブリ700は、前方シーリングプレート300の外側に位置する外部端子710、及び外部端子710とバッテリーセル111との間を電気的に接続するスタッド720を含む。前記スタッド720は内部端子123に固定される。前記スタッド720は、内部端子123を貫通して押込み方式によって内部端子123に固定され得る。前記内部端子123に固定されたスタッド720は、前方シーリングプレート300に形成された端子孔300aを通って外部に引き出されて外部端子710と結合される。
【0050】
前記端子アセンブリ700は、前方シーリングプレート300に形成された端子孔300aに挿入されるリング形状の端子スペーサ730をさらに含み得る。前記端子スペーサ730は金属材質からなり得る。前記端子スペーサ730が設けられる場合、スタッド720は端子スペーサ730を貫通する。
【0051】
前記端子アセンブリ700は、外部端子710をスタッド720に締結するための締結ナット740をさらに含み得る。前記締結ナット740は、端子スペーサ730及び外部端子710の締結部712を貫通したスタッド720に締結され、外部端子710の締結部712を端子スペーサ730に密着固定させる。これにより、前記内部端子123と外部端子710とは端子スペーサ730を通じて相互電気的に接続される。
【0052】
前記端子アセンブリ700は、端子スペーサ730の外周面を覆い、前方シーリングプレート300の内側面と内部端子123との間に介在する第1のOリング750をさらに含み得る。図11及び図12を参照すると、前記第1のOリング750は、前方シーリングプレート300とバスバーフレーム121との間の空間に流れ込んだ絶縁油が、端子孔300aの内側面と端子スペーサ730との間の空間を通じて前方シーリングプレート300の外側に漏れないようにする。
【0053】
また、前記端子アセンブリ700は、内部端子123に押し込まれ、内部端子123とバスバーフレーム121との間の空間に露出したスタッド720の周りに位置して、内部端子123とバスバーフレーム121との間に介在する第2のOリング760をさらに含み得る。前記第2のOリング760は、前方シーリングプレート300とバスバーフレーム121との間の空間に流れ込んだ絶縁油が、内部端子123とスタッド720との間の空間及び端子スペーサ730の内側面とスタッド720との間の空間を通じて前方シーリングプレート300の外側に漏れないようにする。
【0054】
図1図2図5及び図6を参照すると、前記前方エンドプレート500は、前方シーリングプレート300を覆ってモジュールハウジング200に固定される。前記後方エンドプレート600は、後方シーリングプレート400を覆ってモジュールハウジング200に固定される。
【0055】
前記前方エンドプレート500は、外部端子710の連結部711を前方エンドプレート500の外側に露出させる端子露出部500a、及び絶縁油インレットP1を前方エンドプレート500の外側に露出させるインレット露出部500bを備える。前記後方エンドプレート600は、絶縁油アウトレットP2を後方エンドプレート600の外側に露出させるアウトレット露出部600bを備える。
【0056】
本発明によるバッテリーモジュールに前方エンドプレート500及び後方エンドプレート600が適用される場合、前方エンドプレート500とモジュールハウジング200との結合部位、そして後方エンドプレート600とモジュールハウジング200との結合部位には絶縁油の漏れを防止するためのガスケットが適用され得る。
【0057】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック及び自動車は、上述したような本発明によるバッテリーモジュールを含む。前記バッテリーパックは、少なくとも一つのバッテリーモジュール、及び少なくとも一つのバッテリーモジュールを収容するパックハウジングを含む。前記バッテリーモジュールは、前方エンドプレート500及び/または後方エンドプレート600に形成された締結孔Hを通じてパックハウジングに締結され得る。すなわち、前記バッテリーモジュールとパックハウジングとの締結のためのボルトなどの締結手段が挿入される空間が提供され得る。一方、本発明によるバッテリーパックが複数のバッテリーモジュールを含む場合、複数のバッテリーモジュール同士が前方エンドプレート500及び/または後方エンドプレート600に形成された締結孔Hを通じて互いに締結され得る。
【0058】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
100 サブモジュール
110 セル積層体アセンブリ
111 バッテリーセル
112 冷却フィン
113 緩衝パッド
120A 前方バスバーフレームアセンブリ
120B 後方バスバーフレームアセンブリ
121 バスバーフレーム
122 バスバー
123 内部端子
200 モジュールハウジング
300 前方シーリングプレート
400 後方シーリングプレート
500 前方エンドプレート
600 後方エンドプレート
700 端子アセンブリ
710 外部端子
711 連結部
712 締結部
720 スタッド
730 端子スペーサ
740 締結ナット
750 第1のOリング
760 第2のOリング
図1
図2
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図5
図6
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図12