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  • 特許-津波防災ウエア 図1
  • 特許-津波防災ウエア 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】津波防災ウエア
(51)【国際特許分類】
   B63C 9/13 20060101AFI20240624BHJP
   A42B 1/04 20210101ALI20240624BHJP
   A42B 1/046 20210101ALI20240624BHJP
   A42B 1/203 20210101ALI20240624BHJP
   A62B 18/02 20060101ALN20240624BHJP
   A41D 13/015 20060101ALN20240624BHJP
【FI】
B63C9/13 200
A42B1/04 B
A42B1/046
A42B1/203
A62B18/02 Z
A41D13/015 105
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024015302
(22)【出願日】2024-02-03
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512108717
【氏名又は名称】▲濱▼田 英外
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 英外
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-097779(JP,A)
【文献】特開2013-241165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 9/13 - 9/15
A42B 1/04
A42B 1/046
A42B 1/203
A41D 13/015
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の頭部全体をすっぽりと覆いかぶせるマスク形状で、両目を覆う箇所には透明なゴーグル形状の可視部を設け、口と鼻を覆う箇所には呼吸用スペースを内部に保持し、全体を覆う布地は気密性の材料を使い、布地内に空気を取り込むことができる袋構造部を設け、首の周りを覆う箇所は伸縮性の材料を使うか、外から留めて首に密着させてあるもので、通常時個人が携帯することによって、突然に水害に遭った時に取り出して着用し、その個人が手動空気ポンプを使ってか、呼気を吹き込むことによって、袋構造部と呼吸用スペースに空気を送り込んで、全体が浮体となるようにし、溺水防止に利用する津波防災頭部全体マスク。
【請求項2】
請求項1に記載の津波防災頭部全体マスクと、
個人の首から肩部、胴体、腰部を腹部側と背中側の両面から覆いかぶせるジャケットのような形状で、体を覆う布地として気密性材料を使い、布地内に空気を取り込むことができる袋構造部を設けてあるもので、通常時個人がそれを携帯もしくは着用することによって、突然に水害に遭った時に着用状態にし、その個人が手動空気ポンプを使ってか、呼気を吹き込むことによって、袋構造部に空気を送り込んで、全体が浮体となるようにし、溺水防止に利用する津波防災ジャケットを、
組み合わせた津波防災ウエア
【請求項3】
請求項1に記載の津波防災頭部全体マスクと、
個人の腰部から足首までを覆うズボン、スカート、もしくはつなぎの形状で、布地として気密性材料を使い、布地内に空気を間に取り込むことができる袋構造部を設けてあるもので、通常時個人がそれを着用することによって、突然に水害に遭った時に、その個人が手動空気ポンプを使って、袋構造部に空気を送り込んで、全体が浮体となるようにし、溺水防止に利用する津波防災ズボン、津波防災スカート、及び津波防災つなぎを、
組み合わせた津波防災ウエア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
個人が通常生活時に津波などの水害に突然遭った時に使用する、個人の命を溺水から守る防災道具で、携帯もしくは着用できる衣料品形式の防災道具の技術分野。
【背景技術】
【0002】
津波災害に対する個人防御の道具で、今までに当発明者が開発した津波防災機能付きライフジャケットは、軽質の膨脹材を使うか小型ボンベガスで膨らませる浮体を使って、個人の命を津波災害時の溺水から守る方式であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5943403号
【文献】特開平9-108373号
【文献】実全昭62-130654号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今までに当発明者が開発した津波防災機能付きライフジャケットは、呼吸に関連する口や鼻を守ることと、津波の洪水の中で衝撃を受けやすい頭部、首、肩、胴体、腰を守ることを考えていて、個人の体を軽質の膨脹材で覆うか、浮体を膨らませるために小型ボンベガスを使っているため、嵩張るか、重くなっていて、特に津波浸水想定地域にある小中学校や幼稚園などの学校に通う低学年の通学生には負担が大きく、常時携帯し、緊急の津波災害に備えることが難しかった。
又、今までに開発されて来た防災マスクは頭部を覆って、呼吸用の空気や酸素をそのマスク内に送る工夫はされているものの、住民が被災して津波の浸水中に入った時に溺水を防止するための浮力を提供することは考慮されておらず、津波防災には適していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当発明では、津波防災器具として一般のライフジャケット形式ではなく、手動空気ポンプや各人の呼気で浮体を膨らませる浮き輪形式を採用し、嵩張ることなく、携帯することを容易にした。更に、津波防災ウエアとして、「頭部を守る頭部全体マスク」と「首から腰までを守る胴体ジャケット」、「腰から足首まで守るズボン、スカート、つなぎ」の3形式を考案し、別々に利用することもできるし、併せてより安全に津波防災できるように利用することも可能にした。特に津波浸水想定地域を通学・通勤する住民が携帯しやすく、少ない負担で津波防災に備えることができるものとした。
【発明の効果】
【0006】
津波浸水想定地域にある幼稚園や学校などに通う生徒やその地域を通行する通勤者や通行人は、当発明の津波防災頭部全体マスクや津波防災ジャケット、津波防災ズボン、スカート、つなぎを常時携帯する、もしくは着用することにより、緊急の津波災害に備えることができるようになり、溺水防止により非常時の被災の程度を大きく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、津波防災頭部全体マスクの構造図である。
図2図2は、津波防災ジャケット・ズボンの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
津波防災頭部全体マスク(略称:ツボマスク)は、個人の頭部をすっぽりと覆いかぶせるマスク形状で、両目を覆う箇所には透明なゴーグル形状の可視部を設け、口と鼻を覆う箇所には口鼻プロテクターを設置して呼吸用スペースとし、頭全体を覆う布地は気密性材料で作成して、布地内に空気を取り込むことができる袋構造部を設け、首の周りを覆う箇所は伸縮性の材料を使うか、マスク着用後に面ファスナーなどで外部から留めることによって、マスク内部の空気が外部に漏れ難いように、かつ水がマスク内部に入り難いように、首に密着させる。この布地は空気式血圧計で使われる腕に巻くカフという布と同様の仕様であり、それを大きく広げたものを、当発明の各ウエアで使う布地とする。実際にはマスク及び各ウエアに合った形で、内部に袋構造を持った布地を準備し、マスクや各ウエアを作成する。
通常時、個人はこの津波防災頭部全体マスクを携帯し、突然に津波が浸水してきた時とか津波の浸水が予想された時に短時間で取り出して着用し、手動空気ポンプを使ってか、呼気を吹き込むことによって、この袋構造部内と呼吸用スペースに空気を送り込み、マスク全体を浮体とさせて、津波浸水時の溺水防止に役立たせる。なお、マスクが頭部から外れてしまうのを防止するために、マスク下部の両肩側に両腕を通すための輪になったゴムベルトを付設しておき、当マスクをバランス良く当マスクを個人の頭部から離れないような工夫も加える。
【0009】
津波防災頭部全体マスクは、気密性の高い頭部全体マスクであるので、着用すると通常には呼吸が適正に行えない危険性がある。この危険性を避けるために、マスク内部か周辺に小型の酸素ボンベもしくは空気ボンベを併設し、当ボンベの吹き出し口を手動か、水を感知した自動で開けることによって、一定量の酸素・空気をマスク内の呼吸スペースの口鼻プロテクター内に送り、マスク内での呼吸を補助する。
【0010】
津波防災ジャケット(略称:ツボジャケット)は、個人の首から肩部、胴体、腰部を腹部側と背中側の両面から覆いかぶせるようなジャケット形状で、体を覆う布地部分は、気密性材料で作成して、布地内に空気を取り込むことができる袋構造部を設け、この中に、手動空気ポンプを使ってか、各人の呼気で、空気を送り込み、ジャケット全体を浮体とさせて、津波浸水時に溺水防止に役立たせる。
【0011】
津波防災ズボン、津波防災スカートもしくは津波防災つなぎは、個人の腰部から足首まで覆うズボン、スカート、つなぎの形状で、布地として気密性の材料を使い、布地内に空気を取り込むことができる袋構造部を設けて、手動空気ポンプで、その袋構造部に空気を送り込み、これらのズボン、スカート、つなぎをそれぞれ浮体とさせて、津波浸水時に溺水防止に役立たせる。
津波防災スカートは、ジャンパースカート形式を基本とするが、一般のスカート形式にすることも可能で、その場合、被災時にスカートが広がって上部にめくれ上がる心配がある。この時、浮体の重心が上がって、防災性能が安定しやすいと思われるが、配慮として、ショートパンツを内蔵させるか、スカート先を足首側に繋ぎとめる工夫を加える。
【0012】
津波災害想定地域で生活する幼児から学校の通学生、社会人及びその地域を訪れる一般人は、津波防災頭部全体マスクや津波防災ジャケットを携帯するカバンに入れたり、内部に津波防災頭部全体マスクを入れた帽子を着用したり、津波防災ジャケットを寒冷時期などにコート代わりに着用したりすることにより、津波警報がなったり大きな地震が起きて短時間に津波の襲来が起きると予想された時に、携帯している場合は取り出して、手動の空気ポンプを使うか、各人の呼気を吹き込むことにより、これらのウエア内の袋構造部に空気を送り込み、それらを浮体として、津波浸水の中で、災害防止に役立てる。一般のライフジャケットだと、浮体が大きく嵩張って重かったり、ある程度の大きさの空気ボンベを持ち歩かないといけなくて不便であるが、当発明では、そのような嵩張るものや、重さのあるものを携帯する必要がなく、常時津波災害に備えることができる。
2024年元日に起きた能登半島地震の際の津波は、地震が起きるのと津波襲来がほぼ同時とか、それらの間の時間が殆どなく、すぐに対応する必要があった。このような場合に寒冷地積雪時の防寒対応も兼ねて、津波防災ジャケットやズボンなどを準備して常時着用しておくと、すぐに津波防災に役立てることができるものであり、極めて効果的である。
【符号の説明】
【0013】
1.津波防災頭部全体マスク、 2.袋構造部、 3.ゴーグル形状可視部、
4.口鼻プロテクター、 5.手動空気ポンプ、 6. 酸素ボンベ、
7.津波防災ジャケット、 8.津波防災ズボン
【要約】
【課題】
今までの津波防災機能付きライフジャケットは、軽質の膨脹材を使うか、小型ボンベガスを使っているため携帯し難かった。
今までに開発されて来た防災マスクは被災者が津波の浸水中に入った時に溺水を防止するための浮力を提供することは考慮されていなかった。

【解決手段】
津波防災器具として一般のライフジャケット形式ではなく、手動空気ポンプや各人の呼気で浮体を膨らませる浮き輪形式を採用し、嵩張ることなく、携帯することを容易にした。

【選択図】図1
図1
図2