(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ボイラ及び水素ガスのパージ方法
(51)【国際特許分類】
F23C 1/00 20060101AFI20240624BHJP
F22B 35/00 20060101ALI20240624BHJP
F23K 5/18 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
F23C1/00 301
F22B35/00 H
F23K5/18 Z
(21)【出願番号】P 2024040442
(22)【出願日】2024-03-14
【審査請求日】2024-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203118
【氏名又は名称】株式会社IHI汎用ボイラ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】山口 栄二
(72)【発明者】
【氏名】河岡 幸伸
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-204912(JP,A)
【文献】特開2018-200166(JP,A)
【文献】特開2024-033480(JP,A)
【文献】特開2024-021897(JP,A)
【文献】特開2024-003430(JP,A)
【文献】特開2023-174146(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第4163481(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 1/00
F22B 35/00
F23K 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化石燃料ガスラインから供給された化石燃料ガスと水素ガスラインから供給された水素ガスとを燃焼室に噴射して燃焼させるボイラであって、
バイパス遮断弁が設けられ、前記化石燃料ガスラインと前記水素ガスラインとを接続する化石燃料ガスバイパスラインを備え、
前記バイパス遮断弁は、通常運転では閉状態に設定され、前記水素ガスラインに残留する前記水素ガスをパージする場合に開状態に設定されて前記化石燃料ガスを前記水素ガスラインに送り込むボイラ。
【請求項2】
低負荷燃焼運転する際に前記化石燃料ガスのみを前記燃焼室に噴射して燃焼させ、通常運転において蒸気圧力が前記低負荷燃焼運転への運転切換圧力設定値に到達したら前記バイパス遮断弁が予め設定された所定時間だけ開状態に設定される請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
不活性ガス遮断弁が設けられ、前記水素ガスラインに接続された不活性ガスラインをさらに備え、
前記不活性ガス遮断弁は、異常停止又は/及びメンテナンス開始前において開状態に設定されて不活性ガスを前記水素ガスラインに送り込む請求項1又は2に記載のボイラ。
【請求項4】
前記バイパス遮断弁を制御する制御装置をさらに備える請求項1又は2に記載のボイラ。
【請求項5】
化石燃料ガスラインから供給された化石燃料ガスと水素ガスラインから供給された水素ガスとを燃焼室に噴射して燃焼させる場合における前記水素ガスのパージ方法であって、
バイパス遮断弁が設けられた化石燃料ガスバイパスラインで前記化石燃料ガスラインと前記水素ガスラインとを接続し、
通常運転では前記バイパス遮断弁を閉状態に設定し、前記水素ガスラインに残留する前記水素ガスをパージする場合には前記バイパス遮断弁を開状態に設定し前記化石燃料ガスを前記水素ガスラインに送り込む水素ガスのパージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ及び水素ガスのパージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、水素供給ラインをより効率よくパージできる水素燃焼ボイラが開示されている。この水素燃焼ボイラは、水素を燃焼させるバーナを有し、負荷側の必要蒸気量の変動に応じた蒸気を生成するためにボイラ燃焼の発停を含む燃焼制御を行う小型貫流ボイラ又は小規模貫流ボイラであって、缶体と、送風機と、バーナに接続され、バーナに水素ガスを供給する水素供給ラインと、水素供給ラインに配置され、該水素供給ラインの流路を開閉する遮断弁と、遮断弁の下流側における該遮断弁の近傍に接続され、水素供給ラインに不活性ガスを供給するパージラインと、パージラインに配置され、不活性ガスの供給量を調整する第1供給弁と、遮断弁及び第1供給弁の開閉を制御する制御部とを備える。
【0003】
この水素燃焼ボイラにおいて、上記制御部は、バーナにおける水素ガスの燃焼を停止する場合に先ず遮断弁を閉止し、送風機により缶体内の換気が行われている状態で遮断弁が閉止された状態においてのみ第1供給弁を開くことでバーナの吹き出し口から遮断弁までの間の水素供給ラインに残留する水素ガスを希釈させる。このような水素燃焼ボイラによれば、遮断弁の直近から不活性ガスを供給するので、バーナから遮断弁までの水素供給ラインに残存する水素ガスを効率よくパージすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記背景技術は、水素ガスをパージ(除去)するための置換ガスとして不活性ガスを用いる。したがって、不活性ガスを使い切ると、水素ガスのパージ(除去)ができなくなるので、例えば水素燃焼ボイラの稼働を停止させざるを得ないという問題がある。例えば水素燃焼ボイラの起動/停止が頻繁な運転状態では、不活性ガスの消費量が増加するので問題が深刻である。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、水素ガスをパージするための不活性ガスを別途用意する必要がない、又は水素ガスをパージするための不活性ガスの消費量を抑制することが可能なボイラ及び水素ガスのパージ方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、ボイラに係る第1の解決手段として、化石燃料ガスラインから供給された化石燃料ガスと水素ガスラインから供給された水素ガスとを燃焼室に噴射して燃焼させるボイラであって、バイパス遮断弁が設けられ、前記化石燃料ガスラインと前記水素ガスラインとを接続する化石燃料ガスバイパスラインを備え、前記バイパス遮断弁は、通常運転では閉状態に設定され、前記水素ガスラインに残留する前記水素ガスをパージする場合に開状態に設定されて前記化石燃料ガスを前記水素ガスラインに送り込む、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、ボイラに係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、低負荷燃焼運転する際に前記化石燃料ガスのみを前記燃焼室に噴射して燃焼させ、通常運転において蒸気圧力が前記低負荷燃焼運転への運転切換圧力設定値に到達したら前記バイパス遮断弁が予め設定された所定時間だけ開状態に設定される、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、ボイラに係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、不活性ガス遮断弁が設けられ、前記水素ガスラインに接続された不活性ガスラインをさらに備え、前記不活性ガス遮断弁は、異常停止又は/及びメンテナンス開始前において開状態に設定されて不活性ガスを前記水素ガスラインに送り込む、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、ボイラに係る第4の解決手段として、上記第1~第3のいずれかの解決手段において、前記バイパス遮断弁を制御する制御装置をさらに備える、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、可燃ガス供給管のパージ方法に係る解決手段として、化石燃料ガスラインから供給された化石燃料ガスと水素ガスラインから供給された水素ガスとを燃焼室に噴射して燃焼させる場合における前記水素ガスのパージ方法であって、バイパス遮断弁が設けられた化石燃料ガスバイパスラインで前記化石燃料ガスラインと前記水素ガスラインとを接続し、通常運転では前記バイパス遮断弁を閉状態に設定し、前記水素ガスラインに残留する前記水素ガスをパージする場合には前記バイパス遮断弁を開状態に設定し前記化石燃料ガスを前記水素ガスラインに送り込む、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水素ガスをパージするための置換ガスを別途用意する必要がない、又は水素ガスをパージするための不活性ガスの消費量を抑制することが可能なボイラ及び水素ガスのパージ方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るボイラの要部構成を示す系統図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るボイラAの動作を示す第1のフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係るボイラAの動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るボイラAは、厚生労働省の「ボイラーおよび圧力容器安全規則」に定められたボイラーであり、小規模ボイラ、簡易ボイラ及び小型ボイラを含むものである。このボイラAは、
図1に示すように、化石燃料ガスタンクT1、水素ガスタンクT2及び不活性ガスタンクT3を備えている。
【0015】
また、この貫流ボイラAは、化石燃料ガスラインL1、水素ガスラインL2、不活性ガスラインL3、化石燃料ガスバイパスラインL4、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41、第2バイパス遮断弁V42及びフレームアレスタFを備えている。
【0016】
また、この貫流ボイラAは、送風機S、空気供給風道L5、ボイラ本体BH及び制御装置Cを備えている。さらに、上述した各構成要素のうち、ボイラ本体BHは、図示するようにバーナB、缶体CB及び蒸気圧力センサPSを少なくとも備えている。
【0017】
化石燃料ガスタンクT1は、一方の燃料である化石燃料ガスG1を貯留する所定容量の容器であり、ガス供給口を備えている。この化石燃料ガス供給口には、化石燃料ガスラインL1の一端(後端)が接続されている。このような化石燃料ガスタンクT1は、化石燃料ガス供給口から化石燃料ガスラインL1の一端(後端)に化石燃料ガスG1を供給する。
【0018】
水素ガスタンクT2は、他方の燃料である水素ガスG2を貯留する所定容量の容器であり、水素ガス供給口を備えている。この水素ガス供給口には、水素ガスラインL2の一端(後端)が接続されている。このような水素ガスタンクT2は、水素ガス供給口から水素ガスラインL2の一端(後端)に水素ガスG2を供給する。
【0019】
不活性ガスタンクT3は、不活性ガスG3を貯留する所定容量の容器であり、不活性ガス供給口を備えている。この不活性ガス供給口には、不活性ガスラインL3の一端(後端)が接続されている。このような不活性ガスタンクT3は、不活性ガス供給口から不活性ガスラインL3の一端(後端)に不活性ガスG3を供給する。
【0020】
化石燃料ガスG1は、地下から掘削される化石燃料由来のガス燃料である。この化石燃料ガスG1は、例えばLNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)又は都市ガスである。この化石燃料ガスG1は、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)又は都市ガスに限定されるものではなく、広義には化石燃料由来かつ水素ガスG2よりも火炎伝搬速度が遅いガス燃料である。
【0021】
水素ガスG2は、水素(H2)を主成分とするガス燃料である。この水素ガスG2は、温室効果ガスとして認知されている炭素(C)を成分としないとともに、周知のガス燃料の中で燃焼速度が極めて速いものである。不活性ガスG3は、化学的に安定で他の元素又は化合物と容易に反応しない気体として周知のものであり、例えば窒素ガス等である。
【0022】
化石燃料ガスラインL1は、化石燃料ガスタンクT1とボイラ本体BHとを接続するガス供給配管である。すなわち、化石燃料ガスラインL1は、一端(後端)が化石燃料ガスタンクT1のガス供給口に接続され、他端(先端)がボイラ本体BHの第1燃料受入口に接続されている。このような化石燃料ガスラインL1は、化石燃料ガスタンクT1から流入する化石燃料ガスG1をボイラ本体BHに供給する。
【0023】
水素ガスラインL2は、水素ガスタンクT2とボイラ本体BHとを接続するガス配管である。すなわち、水素ガスラインL2は、一端(後端)が水素ガスタンクT2のガス供給口に接続され、他端(先端)がボイラ本体BHの第2燃料受入口に接続されている。このような水素ガスラインL2は、水素ガスタンクT2から流入する水素ガスG2をボイラ本体BHに供給する。
【0024】
不活性ガスラインL3は、不活性ガスタンクT3と水素ガスラインL2の途中部位とを接続するガス配管である。すなわち、不活性ガスラインL3は、一端(後端)が不活性ガスタンクT3のガス供給口に接続され、他端(先端)が水素ガスラインL2の第1接続点Pに接続されている。このような不活性ガスラインL3は、不活性ガスタンクT3から流入する不活性ガスG3を水素ガスラインL2に供給する。
【0025】
化石燃料ガスバイパスラインL4は、化石燃料ガスラインL1の途中部位と水素ガスラインL2の途中部位とを接続するガス配管である。すなわち、化石燃料ガスバイパスラインL4は、一端(後端)が化石燃料ガスラインL1の第2接続点Qに接続され、他端(先端)が水素ガスラインL2の第3接続点Rに接続されている。このような化石燃料ガスバイパスラインL4は、化石燃料ガスラインL1から流入する化石燃料ガスG1を水素ガスラインL2に供給する。
【0026】
第1化石燃料ガス遮断弁V11は、化石燃料ガスラインL1に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。第1化石燃料ガス遮断弁V11は、図示するように、化石燃料ガスラインL1において一端(後端)と第2接続点Qとの間に設けられている。このような第1化石燃料ガス遮断弁V11は、制御装置Cによって開状態に設定されると化石燃料ガスラインL1における化石燃料ガスG1の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると化石燃料ガスラインL1における化石燃料ガスG1の流通を遮断する。
【0027】
第2化石燃料ガス遮断弁V12は、上記第1化石燃料ガス遮断弁V11と同様に化石燃料ガスラインL1に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。第2化石燃料ガス遮断弁V12は、図示するように、化石燃料ガスラインL1において第1化石燃料ガス遮断弁V11とと第2接続点Qとの間に設けられている。
【0028】
このような第2化石燃料ガス遮断弁V12は、上述した第1化石燃料ガス遮断弁V11と同様に、制御装置Cによって開状態に設定されると化石燃料ガスラインL1における化石燃料ガスG1の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると化石燃料ガスラインL1における化石燃料ガスG1の流通を遮断する。
【0029】
第1水素ガス遮断弁V21は、水素ガスラインL2に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。第1水素ガス遮断弁V21は、図示するように、水素ガスラインL2において一端(後端)と第1接続点Pとの間に設けられている。このような第1水素ガス遮断弁V21は、制御装置Cによって開状態に設定されると水素ガスラインL2における水素ガスG2の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると水素ガスラインL2における水素ガスG2の流通を遮断する。
【0030】
第2水素ガス遮断弁V22は、上記第1水素ガス遮断弁V21と同様に水素ガスラインL2に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。この第2水素ガス遮断弁V22は、図示するように、水素ガスラインL2において第1接続点Pと第3接続点Rとの間に設けられている。このような制御装置Cによって開状態に設定されると第1接続点Pと第3接続点Rとの間における水素ガスG2の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると第1接続点Pと第3接続点Rとの間における水素ガスG2の流通を遮断する。
【0031】
不活性ガス遮断弁V31は、不活性ガスラインL3に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。この不活性ガス遮断弁V31は、制御装置Cによって開状態に設定されると不活性ガスラインL3における不活性ガスG3の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると不活性ガスラインL3における不活性ガスG3の流通を遮断する。
【0032】
第1バイパス遮断弁V41は、化石燃料ガスバイパスラインL4に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。この第1バイパス遮断弁V41は、化石燃料ガスバイパスラインL4において第2バイパス遮断弁V42の上流側つまり第2接続点Q側に設けられている。
【0033】
このような第1バイパス遮断弁V41は、制御装置Cによって開状態に設定されると化石燃料ガスバイパスラインL4における化石燃料ガスG1の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると化石燃料ガスバイパスラインL4における化石燃料ガスG1の流通を遮断する。
【0034】
第2バイパス遮断弁V42は、上記第1バイパス遮断弁V41と同様に化石燃料ガスバイパスラインL4に設けられ、制御装置Cによって制御される制御弁である。この第2バイパス遮断弁V42は、化石燃料ガスバイパスラインL4において上記第1バイパス遮断弁V41の下流側つまり第3接続点R側に設けられている。
【0035】
このような第2バイパス遮断弁V42は、制御装置Cによって開状態に設定されると化石燃料ガスバイパスラインL4における化石燃料ガスG1の流通を許容し、制御装置Cによって閉状態に設定されると化石燃料ガスバイパスラインL4における化石燃料ガスG1の流通を遮断する。
【0036】
フレームアレスタFは、図示するように水素ガスラインL2に設けられた逆火防止装置である。このフレームアレスタFは、図示するように、水素ガスラインL2において第3接続点Rとボイラ本体BHとの間に設けられている。このようなフレームアレスタFは、ボイラ本体BH内で発生した火炎が水素ガスラインL2内を第3接続点Rに伝搬することを防止する。
【0037】
送風機Sは、空気吐出口を備えており、制御装置Cによって制御されることによって燃焼用空気Gをボイラ本体BHの送風する機器である。上記空気吐出口には、空気供給風道L5の一端(後端)が接続されている。このような送風機Sは、制御装置Cによる制御の下で空気供給風道L5に燃焼用空気G4を送り出す。
【0038】
空気供給風道L5は、送風機Sとボイラ本体BHとを接続する空気流通路である。この空気供給風道L5は、一端(後端)が化送風機Sの空気吐出口に接続され、他端(先端)がボイラ本体BHの空気受入口に接続されている。このような空気供給風道L5は、送風機Sから流入する燃焼用空気G4をボイラ本体BHに供給する。
【0039】
ボイラ本体BHは、ボイラAの本体部であり、上述した第1燃料受入口、第2燃料受入口及び空気受入口を備えている。このボイラ本体BHは、第1燃料受入口に流入する化石燃料ガスG1及び第2燃料受入口に流入する水素ガスG2を空気受入口に流入する燃焼用空気G4を用いて燃焼させることによって水蒸気を発生させる。
【0040】
このボイラ本体BHは、図示するように缶体CB、バーナB及び蒸気圧力センサPSを備えている。缶体CBは、内部に燃焼室が設けられた略円筒状の中空体である。この燃焼室には、燃焼ガス流路B1が設けられるとともに、ボイラ水が流通する複数の水管(図示略)が設けられている。このような缶体CBでは、化石燃料ガスG1又は/及び水素ガスG2が燃焼することによって火炎が発生する。水管内を流通するボイラ水は、火炎の熱によって加熱されて水蒸気となる。
【0041】
バーナBは、缶体CBの燃焼室に化石燃料ガスG1又は/及び水素ガスG2を噴射するとともに燃焼用空気G4を噴射して燃焼させる機器である。すなわち、このバーナBは、燃焼室に化石燃料ガスG1を燃焼室に噴射する第1燃料ノズル、水素ガスG2を燃焼室に噴射する第2燃料ノズル、燃焼用空気G4を噴射する空気噴射ノズル及び着火装置を備えている。
【0042】
蒸気圧力センサPSは、ボイラA(本体BH)から需要先に供給される水蒸気の圧力(蒸気圧)を検出する圧力センサである。この蒸気圧力センサPSは、蒸気圧検出値を圧力検出信号として制御装置Cに出力する。
【0043】
制御装置Cは、蒸気圧力センサPSから入力される圧力検出信号等に基づいて、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41、第2バイパス遮断弁V42、送風機S及びバーナBを制御する制御機器である。
【0044】
この制御装置Cは、操作盤を備えており、上述した圧力検出信号に加えて操作盤に入力される操作指示に基づいて第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41、第2バイパス遮断弁V42、送風機S及びバーナBを予め設定された手順で制御することによって、水蒸気需要量及び操作指示に応じてボイラAを運転制御する。
【0045】
次に、本実施形態に係るボイラAの動作つまり本実施形態に係る水素ガスのパージ方法について、
図2及び
図3に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0046】
図2のフローチャートに示すように、制御装置Cは、最初にボイラAを起動させる(ステップS1)。すなわち、制御装置Cは、作業者が操作盤の起動スイッチを操作するとボイラAを起動させる。制御装置Cは、このボイラAの起動に際して、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を閉状態に設定する。
【0047】
そして、制御装置Cは、ボイラAを起動させるとプリパージを行う(ステップS2)。すなわち、制御装置Cは、全ての遮断弁、つまり第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を閉状態に設定する。
【0048】
そして、制御装置Cは、上記各遮断弁の設定に加えて送風機Sを作動させることによって、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1に燃焼用空気G4を供給させる。このような燃焼用空気G4の燃焼室及び燃焼ガス通路B1への供給によって、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1の在留ガスが燃焼用空気G4によってプリパージされる。
【0049】
このようにしてプリパージが完了すると、制御装置Cは、ボイラAを低負荷燃焼運転させる(ステップS3)。すなわち、制御装置Cは、第1化石燃料ガス遮断弁V11及び第2化石燃料ガス遮断弁V12を開状態に設定するとともに送風機S及びバーナBの着火装置を作動させることにより、バーナBから化石燃料ガスG1のみを燃焼室に噴射させて燃焼させる。
【0050】
制御装置Cは、ボイラAを予め設定された所定時間だけ低負荷燃焼運転させると、ボイラAを低負荷燃焼運転から通常運転に切替える(ステップS4)。すなわち、制御装置Cは、水蒸気需要量の増加つまり負荷増加に伴って第1水素ガス遮断弁V21及び第2水素ガス遮断弁V22を閉状態から開状態に設定変更する。
【0051】
この結果、バーナBは、化石燃料ガスG1に加えて水素ガスG2を缶体CBの燃焼室に噴射する。ボイラAは、缶体CBの燃焼室において化石燃料ガスG1と水素ガスG2とが混焼することにより、低負荷燃焼運転から通常運転に切替わる。この通常運転は、低負荷燃焼運転よりも高い出力負荷に対応することが可能な高負荷燃焼運転である。
【0052】
ここで、ボイラA(ボイラ本体BH)から需要先に供給する水蒸気の蒸気圧には、運転切替圧力設定値Xbが予め設定されている。この運転切替圧力設定値Xbは、通常運転(高負荷燃焼運転)を低負荷燃焼運転に切替えるための圧力しきい値である。
【0053】
制御装置Cは、蒸気圧力センサPSから入力される圧力検出信号を取り込むことにより、水蒸気の蒸気圧が運転切替圧力設定値Xbまで上昇したか否かを判断する(ステップS5)。制御装置Cは、このステップS5の判断が「No」の場合、ステップS4の通常運転を継続する。
【0054】
一方、制御装置Cは、上記ステップS5の判断が「Yes」の場合には、ボイラAを通常運転(高負荷燃焼運転)から低負荷燃焼運転に切替えて、ボイラAを低負荷燃焼運転させる(ステップS6)。
【0055】
すなわち、制御装置Cは、第1化石燃料ガス遮断弁V11及び第2化石燃料ガス遮断弁V12を開状態に維持し、また第1水素ガス遮断弁V21及び第2水素ガス遮断弁V22を閉状態に設定変更することにより、ボイラAを通常運転(高負荷燃焼運転)から低負荷燃焼運転に切替える。
【0056】
そして、制御装置Cは、この低負荷燃焼運転において、化石燃料ガスG1を用いた水素ガスラインL2のパージ(水素パージ)を行わせる(ステップS7)。すなわち、制御装置Cは、予め設定された所定時間(水素パージ時間)だけ第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を閉状態から開状態に設定変更する。この結果、化石燃料ガスG1は、水素パージ時間だけ水素ガスラインL2に流れ込む。その後、制御装置Cは、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を閉状態にする。
【0057】
化石燃料ガスG1は、第2接続点Qから化石燃料ガスバイパスラインL4に流入し、また第3接続点Rを経由して水素ガスラインL2に流入する。水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2は、このようにして水素ガスラインL2に流入する化石燃料ガスG1によってパージされ、水素ガスラインL2の他端(先端)からバーナBの第2燃料ノズルから缶体CBの燃焼室に噴射される。
【0058】
このようにして水素ガスラインL2からパージされた水素ガスG2は、缶体CBの燃焼室において第2燃料ノズルから缶体CBの燃焼室に噴射される化石燃料ガスG1とともに燃焼する。そして、缶体CBで生成される水蒸気の蒸気圧が供給負荷の減少とともに徐々に上昇する。
【0059】
制御装置Cは、蒸気圧力センサPSから入力される圧力検出信号に基づいて水蒸気の蒸気圧が予め設定された燃焼停止圧力Xaまで上昇したか否かを判断する(ステップS8)。制御装置Cは、ステップS8の判断が「No」の場合には、ボイラAを低負荷燃焼運転させる(ステップS9)。
【0060】
このステップS9の低負荷燃焼運転は、上述したステップS3の低負荷燃焼運転と同等である。制御装置Cは、ステップS9の低負荷燃焼運転の継続状態において、上述したステップS8の判断処理を繰り返すことにより、水蒸気の蒸気圧が燃焼停止圧力Xaまで上昇したか否かを判断する。
【0061】
一方、制御装置Cは、上記ステップS8の判断が「Yes」の場合、ボイラAを燃焼停止させる(ステップS10)。すなわち、制御装置Cは、第1化石燃料ガス遮断弁V11及び第2化石燃料ガス遮断弁V12を開状態から閉状態に設定変更することにより、バーナBへの燃料供給を停止させる。この結果、ボイラAは燃焼停止状態となる。
【0062】
このようにしてボイラAを燃焼停止させると、制御装置Cは、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1のポストパージを行わせる(ステップS11)。すなわち、制御装置Cは、送風機Sの送風量を増加させることによって、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1の残留ガスを燃焼用空気G4を用いてポストパージさせる。
【0063】
このポストパージが完了すると、制御装置Cは、ボイラAを完全に停止させる(ステップS12)。なお、制御装置Cは、上述したステップS8の判断が「No」の場合にはステップS8の判断処理を繰り返す。すなわち、制御装置Cは、ステップS7の水素パージが完了すると、水蒸気の蒸気圧が燃焼停止圧力Xaまで上昇した後にボイラAを燃焼停止させる。
【0064】
続いて、ボイラAの異常発生時の動作について
図3のフローチャートに沿って説明する。ボイラAの運転中には種々の異常が発生し得る。ボイラAに異常が発生すると、制御装置Cは、不活性ガスG3を用いた水素パージを行う(ステップS1a)。
【0065】
すなわち、制御装置Cは、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12及び第1水素ガス遮断弁V21を開状態から閉状態に設定変更し、燃焼停止させる(ステップS2a)。また、制御装置Cは、第2水素ガス遮断弁V22を開状態に維持し、さらに不活性ガス遮断弁V31を閉状態から開状態に設定変更する。
【0066】
この結果、不活性ガスG3が不活性ガスラインL3及び第1接続点Pを経由して水素ガスラインL2に流入する。この不活性ガスG3は、第1接続点Pから第3接続点Rを経由し、さらに水素ガスラインL2のフレームアレスタF及び他端(先端)を経由してバーナBの第2燃料ノズルから所定の時間缶体CBの燃焼室に噴射される。
【0067】
すなわち、水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2は、このようにして水素ガスラインL2に流入する不活性ガスG3によってパージされ、水素ガスラインL2の他端(先端)からバーナBの第2燃料ノズルから缶体CBの燃焼室に噴射される。このようにして不活性ガスG3を用いた水素ガスラインL2の水素パージが完了する。
【0068】
制御装置Cは、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1をポストパージさせる(ステップS3a)。すなわち、制御装置Cは、送風機Sの送風量を増加させることによって、缶体CBの燃焼室及び燃焼ガス通路B1の残留ガスを燃焼用空気G4を用いてポストパージさせる。そして、制御装置Cは、上記ポストパージが完了すると、ボイラAを完全に停止させる(ステップS4a)。
【0069】
本実施形態に係るボイラAは、化石燃料ガスラインL1から供給された化石燃料ガスG1と水素ガスラインL2から供給された水素ガスG2とを缶体CB(燃焼室)に噴射して燃焼させるものであって、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42が設けられ、化石燃料ガスラインL1と水素ガスラインL2とを接続する化石燃料ガスバイパスラインL4を備え、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42は、通常運転では閉状態に設定され、水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2をパージ(水素パージ)する場合に開状態に設定されて化石燃料ガスG1を水素ガスラインL2に送り込む。
【0070】
このような本実施形態によれば、化石燃料ガスG1を用いて水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2をパージ(水素パージ)するので、水素ガスをパージするための不活性ガスを別途用意する必要がないボイラAを提供することが可能である。
【0071】
また、本実施形態に係るボイラAは、低負荷燃焼運転する際に化石燃料ガスG1のみを燃焼室に噴射して燃焼させ、通常運転において水蒸気の蒸気圧力が通常運転(高負荷燃焼運転)から低負荷燃焼運転への運転切替圧力設定値Xbに到達したら第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42が予め設定された水素パージ時間(所定時間)だけ開状態に設定される。
【0072】
本実施形態によれば、低負荷燃焼運転において水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2をパージ(水素パージ)するので、水素ガスG2を効果的にパージ(水素パージ)することが可能である。
【0073】
また、本実施形態に係るボイラAは、不活性ガス遮断弁V31が設けられ、水素ガスラインL2に接続された不活性ガスラインL3をさらに備え、不活性ガス遮断弁V31は、異常停止又は緊急停止の場合或いはメンテナンス開始前において開状態に設定されて不活性ガスG3を水素ガスラインL2に送り込む。
【0074】
このような本実施形態によれば、異常停止又は緊急停止の場合或いはメンテナンス開始前のみに不活性ガスG3を用いた水素パージを行うので、不活性ガスG3の消費量を抑制することが可能である。
【0075】
また、本実施形態に係るボイラAは、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22及び不活性ガス遮断弁V3を制御する制御装置Cをさらに備える。
【0076】
このような本実施形態によれば、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22及び不活性ガス遮断弁V3を手動操作する場合に比較して、不水素パージを迅速に行うことが可能である。
【0077】
さらに、本実施形態に係る水素ガスG2のパージ方法は、化石燃料ガスラインL1から供給された化石燃料ガスG1と水素ガスラインL2から供給された水素ガスG2とを缶体CB(燃焼室)に噴射して燃焼させる場合における水素ガスG2のパージ方法であって、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42が設けられた化石燃料ガスバイパスラインL4で化石燃料ガスラインL1と水素ガスラインL2とを接続し、通常運転では第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を閉状態に設定し、水素ガスラインL2に残留する水素ガスG2をパージする場合には第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を開状態に設定し化石燃料ガスG1を水素ガスラインL2に送り込む
【0078】
このような水素ガスG2のパージ方法によれば、化石燃料ガスG1を用いて水素ガスラインL2の水素ガスG2をパージ(水素パージ)するので、水素ガスG2をパージ(水素パージ)するための不活性ガスG3を別途用意する必要がない水素ガスG2のパージ方法を提供することが可能である。
【0079】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。上記各実施形態では、第1接続点P、第2接続点Q及び第3接続点Rを
図1に示すように設定し、また第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を
図1に示すように配置した。
【0080】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1接続点P、第2接続点Q及び第3接続点Rの位置及び第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42の設け方については、化石燃料ガスG1を用いて水素ガスラインL2の水素ガスG2をパージ(水素パージ)することが可能であれば、他の位置や設け方であってもよい。
【0081】
また、上記各実施形態では、第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42を制御装置Cによって制御される制御弁としたが、本発明はこれに限定されない。
【0082】
第1化石燃料ガス遮断弁V11、第2化石燃料ガス遮断弁V12、第1水素ガス遮断弁V21、第2水素ガス遮断弁V22、不活性ガス遮断弁V31、第1バイパス遮断弁V41及び第2バイパス遮断弁V42の全て又は一部を手動弁としてもよい。
【符号の説明】
【0083】
A ボイラ
B バーナ
BH ボイラ本体
C 制御装置
CB 缶体(燃焼室)
F フレームアレスタ
G1 化石燃料ガス
G2 水素ガス
G3 不活性ガス
L1 化石燃料ガスライン
L2 水素ガスライン
L3 不活性ガスライン
L4 化石燃料ガスバイパスライン
L5 空気供給風道
PS 蒸気圧力センサ
S 送風機
T1 化石燃料ガスタンク
T2 水素ガスタンク
T3 不活性ガスタンク
V11 第1化石燃料ガス遮断弁
V12 第2化石燃料ガス遮断弁
V21 第1水素ガス遮断弁
V22 第2水素ガス遮断弁
V31 不活性ガス遮断弁
V41 第1バイパス遮断弁
V42 第2バイパス遮断弁
【要約】
【課題】水素ガスをパージするための不活性ガスの消費量を抑制することが可能なボイラ及び水素ガスのパージ方法を提供する。
【解決手段】化石燃料ガスラインから供給された化石燃料ガスと水素ガスラインから供給された水素ガスとを燃焼室に噴射して燃焼させるボイラであって、バイパス遮断弁が設けられ、化石燃料ガスラインと水素ガスラインとを接続する化石燃料ガスバイパスラインを備え、上記バイパス遮断弁は、通常運転では閉状態に設定され、水素ガスラインに残留する水素ガスをパージする場合に開状態に設定されて化石燃料ガスを水素ガスラインに送り込む。
【選択図】
図1