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特許7508724高純度の炭酸リチウム、及び他の高純度のリチウム含有化合物を調製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】高純度の炭酸リチウム、及び他の高純度のリチウム含有化合物を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C01D 15/08 20060101AFI20240625BHJP
   B01J 39/07 20170101ALI20240625BHJP
   B01J 49/53 20170101ALI20240625BHJP
   B01J 49/60 20170101ALI20240625BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20240625BHJP
   B01J 39/20 20060101ALI20240625BHJP
   B01J 45/00 20060101ALI20240625BHJP
   B01J 49/06 20170101ALI20240625BHJP
   B01J 47/02 20170101ALI20240625BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20240625BHJP
   B01D 65/06 20060101ALI20240625BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20240625BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C01D15/08
B01J39/07
B01J49/53
B01J49/60
C02F1/44 Z
B01J39/20
B01J45/00
B01J49/06
B01J47/02
B01D61/14 500
B01D65/06
B01D61/02 500
B01D61/58
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021171651
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2019206719の分割
【原出願日】2011-02-17
(65)【公開番号】P2022036933
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】61/305,213
(32)【優先日】2010-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523411547
【氏名又は名称】テラリチウム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェット、ロバート
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-525313(JP,A)
【文献】特開2005-144315(JP,A)
【文献】特開平03-245824(JP,A)
【文献】特開2020-055741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01D
B01J
B01D
C02F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業グレードLiCOを含む第1水溶液とCOとを反応させることで、溶解LiHCOを含む第2水溶液を形成するステップ、
気体-液体-固体分離器を使用して、未反応CO及び不溶性の化合物を該第2水溶液から分離することで、第3水溶液を製造するステップ、
該第3水溶液とイオン交換媒体とを接触させることによって溶解不純物を該第3水溶液から除去することで、第4水溶液を製造するステップ、であって該イオン交換媒体がイオン交換樹脂を含むステップ、
少なくとも99.99%の純度を有するLiCOを該第4水溶液から析出させるステップ、並びに
該第3水溶液の一部を該イオン交換媒体にリサイクルすることで該イオン交換樹脂を再生するステップ
を含む、高純度炭酸リチウムを製造する方法。
【請求項2】
前記イオン交換樹脂が、弱酸性のアミノホスホン酸又はイミド酢酸の活性基で置換されているジビニルベンゼン(DVB)で架橋されているポリスチレンマトリックスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再生するステップが、
前記イオン交換樹脂を、混合を防止するために低流量で脱イオン水と接触させることによって、前記第3溶液を該イオン交換樹脂から排出すること、
所望により、水の流動化する逆洗に樹脂を流すことによって、固体及び任意の割れたイオン交換樹脂を除去すること、
塩酸で処理することによって、該イオン交換樹脂から2価のイオンを除去すること、
5のpHに達するまで、脱イオン水で該イオン交換樹脂を濯ぐことで、塩酸を排出し、希釈すること、
所望により、該イオン交換樹脂をNaOHで処理することで該イオン交換樹脂を再活性化させること、並びに
該イオン交換樹脂を弱液で濯ぐことで、NaOHを排出し、希釈すること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イオン交換樹脂が、30分の間塩酸に浸漬される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記再生するステップが、
前記イオン交換樹脂を、混合を防止するために低流量で脱イオン水と接触させることによって、前記第3溶液を該イオン交換樹脂から排出すること、
所望により、水の流動化する逆洗に樹脂を流すことによって、固体及び任意の割れた樹脂を除去すること、
塩酸で処理することによって、該イオン交換樹脂から2価のイオンを除去すること、
5のpHに達するまで、脱イオン水で該イオン交換樹脂を濯ぐことで、塩酸を排出し、希釈すること、
炭酸リチウム及び重炭酸リチウムの最大14g/Lの濃度を有する弱液の流出と接触させることによって、該イオン交換媒体を再生させること、並びに
脱イオン水で該イオン交換樹脂を濯ぐことで、カラムを排出し、希釈すること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2水溶液から分離された前記不溶性化合物が前記第1水溶液にリサイクルされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
LiCOを析出させる前に前記第3水溶液を50℃の温度に予備加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
COを溶液から除去し、LiCOを析出させる操作が可能な逆浸透装置に前記第3水溶液を供給することでLiCOを濃縮するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年2月17日に出願された米国仮特許出願第61/305,213号の優先権を主張するものであり、これを参照することによりその全体を本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、一般に、高純度の炭酸リチウム及び様々な他の高純度のリチウムの含有化合物を選択的に調製する分野に関する。
【背景技術】
【0003】
炭酸リチウム(LiCO)は、通常、2種の供給源である(1)伝統的採鉱を介して得ることができるスポジュメン、リシオフィライト又はレピドライなどのペグマタイト鉱物供給源からの抽出、及び(2)チリのSalar de Atacama、Silver Peak Nevada、ボリビアのSalar de Uyuni又はアルゼンチンのSalar de Hombre Muerteで見つけ出されるものなどのリチウム含有ブライン(brine)からの抽出から商業的に製造される。地熱、油田、Smackover及び残存熱水のブラインなど代替ブライン供給源がある。これらのブラインは、しかし、これまでは商業的に開発されていなかった。
【0004】
アルミニウム精錬(溶融塩電解)における;エナメル及びガラス;躁うつ病(そのより純粋な形態で使用される場合)を制御するための;及びニオブ酸リチウム、リチウムタンタライト及びフッ化リチウムの電子グレード結晶の製造における添加剤としての使用を含めて、炭酸リチウムには多くの商業的適用がある。高純度炭酸リチウムは、カソード材料及び電解質塩などのリチウムイオン電池における、及びさらに、高純度のリチウム金属を必要とするより先駆的な二次電池における、いくつかの材料の二次加工のために必要とされる。
【0005】
リチウムイオン電池の場合、精製炭酸リチウムは、カソードの二次加工のために、並びに限定なく酸化コバルトリチウム、酸化マンガンリチウム又はリン酸鉄リチウム並びにマンガンニッケルコバルトリチウムの酸化物などの混合金属酸化物など、カソードのための活性材料において必要とされ得る。
【0006】
塩化リチウムに富むブライン又は他のリチウム含有液体からリチウムを除去するため、現在いくつかのプロセスが存在し、しかし、現在採用されている方法のいずれもが、低濃度のマグネシウム及びカルシウムを含有する炭酸リチウムの製造に適当でなく、したがって、さらなる精製を最初に受けることなく電池グレードのリチウム製品として使用されるべき炭酸リチウムの能力を限定している。スポジュメン又はケイ酸アルミニウムリチウムの鉱石(LiAlSi)などの鉱物供給源から炭酸リチウムを抽出する方法は、同様に、電池における使用に対して十分な純度が不足している材料を製造する。これらのプロセスを使用して生じる材料の純度は、電池グレードのリチウム金属製造にとって、又は医薬品グレードの炭酸リチウムにとって十分に純粋というわけではない。したがって、リチウム含有ブラインからリチウムを抽出するため、及び高純度リチウム金属を製造するのに十分な純度の塩化物及び炭酸塩などのリチウム塩を製造するための方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本発明は、高純度炭酸リチウムを製造する方法を対象とする。該方法は、工業グレード(technical grade)のLiCOを含める第1水溶液とCOとを反応させることで、溶解LiHCOを含む第2水溶液を形成するステップを含める。未反応CO及び不溶性化合物は、気体-液体-固体分離器を使用して第2水溶液から分離させることで、第3水溶液を製造する。溶解不純物は、第3水溶液とイオン選択性媒体とを接触させることによって第3水溶液から除去することで、第4水溶液を製造する。最終ステップにおいて、LiCOは第4水溶液から析出させ、ここで、析出LiCOは、少なくとも約99.99%の純度を有する。
【0008】
特定の実施形態において、工業グレードの水酸化リチウムは、約99%以下の純度を有する。代替実施形態において、工業グレードの水酸化リチウムは、約99.9%純度以下の純度を有する。特定の実施形態において、第2水溶液から分離された不溶性化合物は、第1水溶液にリサイクルされる。特定の実施形態において、該方法は、LiCOを析出させる前に第3水溶液を約50℃の温度に予備加熱するステップを含める。特定の実施形態において、該方法は、第3水溶液を逆浸透装置に供給することで、LiCOを濃縮するステップを含めており、ここで、逆浸透装置は、COを溶液から除去し、LiCOを析出させるための操作が可能である。特定の実施形態において、析出LiCOは、少なくとも約99.999%の純度を有する。代替実施形態において、析出LiCOは、少なくとも約99.9999%の純度を有する。
【0009】
別の態様において、本発明は、高純度炭酸リチウムを製造する方法を対象とする。該方法は、約99%未満の純度を有するLiHCOを含有するブライン水溶液とCOとを大気温度(ambient temperature)で接触させることで、LiHCO及び溶解イオンを含む第2水溶液を形成するステップを含める。該方法は、気体-液体-固体反応器を使用して不溶性化合物を第2水溶液から分離させることで、第3水溶液を形成するステップを含めており、第3水溶液は、LiHCO及び溶解イオンを含む。該方法は次いで、イオン選択性媒体を用いて該溶解イオンの少なくとも一分量を前記第3水溶液から抽出することで、溶解LiHCOを含有し、第3水溶液に対して低減された濃度の溶解イオンを有する第4水溶液を形成するステップを含める。該方法は、分離ステップ及び抽出ステップを実施しながら、定圧を維持するステップを含める。最終的に、該方法は、第4水溶液を加熱することで、固体LiHCO、気体CO及び溶解不純物を形成するステップを含める。
【0010】
特定の実施形態において、第2水溶液から分離された不溶性化合物は、第1水溶液にリサイクルされる。特定の実施形態において、該方法は、第2水溶液を逆浸透装置に供給するステップを含めており、ここで、逆浸透装置は高圧で操作するように構成されており、それによってLiCOを濃縮する。
【0011】
別の態様において、高純度LiPFを製造するための方法が提供される。該方法は、高純度LiCOとHFとを反応させることでフッ化リチウム溶液を製造するステップ、及び次いで、生じる溶液とPFとを反応させることでLiPFを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。特定の実施形態において、HFは脱イオン水に分散される。
【0012】
別の態様において、高純度のLiFを製造する方法が提供される。該方法は、高純度炭酸リチウムとHFガスとを流動床反応器内で反応させるステップを含めており、ここで、LiFは高純度であり、乾燥している。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0013】
別の態様において、高純度のLiMnOを製造する方法が提供される。該方法は、高純度炭酸リチウムと電解質MnOとを反応させることで高純度LiMnOを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0014】
別の態様において、高純度の酸化コバルトリチウムを製造する方法が提供される。該方法は、高純度炭酸リチウムと酸化コバルトとを反応させることで高純度酸化コバルトリチウムを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0015】
別の態様において、高純度のリン酸鉄リチウムを製造する方法が提供される。該方法は、高純度炭酸リチウムと高純度リン酸第二鉄とを反応させることで高純度リン酸鉄リチウムを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0016】
別の態様において、高純度のLiHPOを製造する方法が提供される。該方法は、高純度炭酸リチウムとリン酸とを反応させることで高純度のLiHPOを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。特定の実施形態において、該方法は、LiHPOと酸化鉄とを反応させることでリン酸鉄リチウムを製造することをさらに含める。
【0017】
別の態様において、高純度の塩化リチウムを製造する方法が提供される。該方法は、脱イオン水及び高純度炭酸リチウムを含める溶液とガス状塩酸とを反応させることで高純度の塩化リチウムを製造するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0018】
別の態様において、高純度の水酸化リチウムを製造する方法が提供される。該方法は、高純度の重炭酸リチウムを含む溶液を電解するステップを含める。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムは、本明細書に記載されている方法に従って製造される。
【0019】
別の態様において、高純度の炭酸リチウムを製造するための方法が提供される。該方法は、精製塩化リチウム流を含める第1水溶液を、膜又は分離器が備えられている電解槽に給送するステップを含めており、ここで、第1水溶液は、少なくとも10重量%塩化リチウムを含む第2水溶液を形成するために最大約40重量%までの塩化リチウム濃度を有する。該方法は、電流を電解槽に供給することで、カソード区画内において4wt%を超える水酸化リチウムを含む第3水溶液を製造するステップを含める。所望により、該方法は、第3水溶液を冷却すること、並びに第3水溶液及び二酸化炭素を炭素化反応器に供給することで重炭酸リチウムを含む第4水溶液を製造することを含める。第4水溶液を、気体-液体-固体反応器を使用して形成された二酸化炭素及び炭酸リチウムの固体から分離し、及び濾過することで、微量の不純物を除去する。最終的に、該方法は、濾過された第4水溶液を、少なくとも約95℃の温度で維持された析出反応器に給送することで高純度の炭酸リチウムを析出するステップを含める。
【0020】
特定の実施形態において、該方法は、濾過ステップに続いて第4水溶液をイオン交換カラムに供給することで2価のイオンを除去するステップを含める。
【0021】
別の態様において、リチウムの製造に使用されたイオン交換樹脂を再生する方法が提供される。該方法は、樹脂からのリチウムを含む第1水溶液を、低流量で供給される水で排出するステップ、対向流の水を使用して排出された固体を樹脂から除去するステップ、樹脂と希酸とを接触させることによって2価のイオンを除去するステップ、樹脂を洗浄することで樹脂上の酸を排出し、希釈するステップ、希釈水酸化ナトリウムと接触させることで樹脂を再活性化させるステップ、及び樹脂を水で洗浄するステップを含める。
【0022】
本発明の特有な新規特徴は、添付の請求項で明記されている。本発明の特徴、利点及び目的、並びに他のものが明らかになり得る方法が、より詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約されている本発明を、この明細書の一部を形成する添付の図面において例示されているその実施形態を参照することにより、より詳しく記載することができる。しかし、図面は本発明の実施形態を例示するだけであり、したがって、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではなく、というのもそれが他の同等に有効な実施形態に適合し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の図式的例示である。
【0024】
図2】本発明の一実施形態の図式的例示である。
【0025】
図3】重炭酸リチウムの製造のための例示的反応器の断面である。
【0026】
図4】樹脂再生のための方法の図式的例示である。
【0027】
図5】カートリッジを再生する方法の図式的例示である。
【0028】
図6】4つの実験作業中の水酸化リチウム濃度における変動を示すグラフである。
【0029】
図7】LiClをLiOHに変換させるための電解セルの操作中のセル電圧を示すグラフである。
【0030】
図8】異なるLiOH流出口濃度で観察された電流効率の低減を示すグラフである。
【0031】
図9】様々な流出口濃度のLiOHでLiOHを製造するためのエネルギー消費を示すグラフである。
【0032】
図10】全水酸化リチウムが炭酸リチウムに変換されるまで、LiOH溶液のpHが多かれ少なかれ一定のままでいることを例示するグラフである。pHにおける突然の低下が、重炭酸リチウムの形成及び炭素化反応の完了に伴う。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義。本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0034】
「高純度リチウム」又は「高純度のリチウム」という用語は、99.9%純度を上回るリチウムを意味する。
【0035】
「超高純度リチウム」という用語は、99.999%純度を上回るリチウムを意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「総炭酸リチウム濃度」という用語は、溶解炭酸リチウム(LiCO)及び重炭酸リチウム(LiHCO)の両方を含める。
【0037】
本明細書で使用される場合、「弱液」という用語は、炭酸リチウム回収物からの濾液溶液を意味し、これは、操作モード(加熱、冷却及び流量)、操作条件及びシステム設計パラメータに依存して約0.5wt%から約0.15wt%の間の総炭酸リチウム濃度を有する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「強液」という用語は、操作モード(例えば、加熱、冷却、流量)、操作条件、及びシステム設計パラメータに依存して通例には約4.0重量%から5.0重量%の間、通常には約4.4重量%である通常の総炭酸リチウム濃度を有する炭素化反応器からの溶液を意味する。
【0039】
高純度炭酸リチウムを調製
【0040】
本明細書に広く記載されているのは、高純度炭酸リチウム(LiCO)を製造する方法である。第1実施形態において、該プロセスは、工業グレードのLiCO(化学供給者、例えば、Chemetal、FMC、SQM、又は他のこうした供給者から購入することができるLiCOなど)を含める水溶液と二酸化炭素(CO)とを、溶液の凝固点より上の温度、通常約-5℃から45℃の間、さらに特にほぼ室温前後で反応させることで、そこに溶解されている重炭酸リチウム(LiHCO)及び炭酸リチウム(LiCO)を含める水溶液を製造することを含める。炭酸リチウムと二酸化炭素とを接触させるステップは、好ましくは、可能な限り低い温度である。特定の実施形態において、温度の変化を達成するための外部エネルギーを使用することなく、可能な最低温度を、例えば室温で採用する。別法として、リチウムを含める浸出可能な鉱液を二酸化炭素を用いて約-5℃から45℃の間の温度で処理することで、同様に、重炭酸リチウム及び炭酸リチウムの両方を含める溶液を発生させることができる。こうした重炭酸リチウム/炭酸リチウムの溶液は、本明細書に記載されている通りの方法において使用することができる。この溶液は、しばしば強溶液と称され、例えば、最大約45g/Lまでのリチウム化合物の濃度を有することがあり、通常、約45℃の温度で少なくとも約35g/Lの濃度を有する。該反応は単一の反応器内で行うことができるが、好ましくは、所望により溶液の凝固点より高い温度、好ましくは約20℃で反応温度を維持するための冷却システムを含める、一列に配置された2個の撹拌反応器内、又は一連の反応器内で行われる。最後の反応器からの混合物を分離槽に給送することができ、ここで、溶解しなかった炭酸リチウム、固体不純物、重炭酸リチウム含有溶液、及び二酸化炭素を互いに分離することができる。撹拌槽反応器を使用することで該混合物を調製することができるが、他の気体-液体-固体を接触させる反応器も使用することができる。該固体は、好ましくは、第1炭素化反応器、又は存在するならば所望により第2炭素化反応器にリサイクルすることができ、ここで、気体を回収し、炭素化反応器にリサイクルバックすることができる。1つより多い炭素化反応器が採用される実施形態において、回収された二酸化炭素は、1つ又は複数の炭素化反応器にリサイクルすることができる。該液体流は次いで、シリカ、鉄、マグネシウム及びカルシウムなどの化合物など、存在し得る任意の不溶性不純物を除去するように構成することができる濾過システムに給送することができる。特定の実施形態において、該濾過は、例えば10μm、1μm、0.2μm、0.3μmの直径を有する粒子を除去するように設計されているフィルターなど、より微細な粒子を漸次除去するように設計されている一連のフィルターを利用することができ、又は代替実施形態において、コロイド鉄(III)が後続のステップにおいてイオン交換媒体に接触するのを防止するのに適当である精密濾過システムを採用することができる。こうした精密濾過システムは接線(精密濾過による流動としても知られている)又は垂直(精密濾過を介する流動としても知られている)であってよい。
【0041】
濾過ステップに続いて、2価の選択性イオン交換樹脂を使用することで、マグネシウム、カルシウム及び鉄などの可溶性2価又は3価のイオンを、選択性イオン交換又は他の同様の方法によって吸収する。選択性イオン交換による可溶性2価又は3価のイオンの除去に続いて、溶液の温度を次いで上昇させるか、又はそれ以外では、COを抽出若しくは部分的に抽出することで、第2ゾーンにおける純粋なLiCOを析出することができ、好ましくは、経済的理由により、溶液の少なくとも一部を炭素化反応ゾーンに戻す(図1における項目40、45及び50)。これは、例えば、真空を作り出し、窒素、空気又はアルゴンなどの不活性ガスを該溶液に通し泡立てることによって行うことができる。二酸化炭素は回収し、炭素化ステップにリサイクルすることができる。存在する望ましくない一価のカチオン不純物が溶解したままであり、該溶液のおよそ85%を該プロセスの開始時において炭酸リチウム分散ステップにリサイクルバックすることができ、リサイクルされなかった溶液は回収されてイオン交換媒体の再生に使用する。該プロセスの濾過ステップ中、炭酸リチウムは、回転濾過又は帯域濾過などの適当な方法によって回収することができる。回収された固体炭酸リチウムは次いで、対向流洗浄などの洗浄にかけることができ、濾液(弱液)及び洗浄用溶液の回収用の分離した濾過ゾーンを含めることができる。洗浄用溶液のおよそ15%を除去し、リサイクルされた炭酸リチウム溶液と合わせ、炭酸リチウムの最初の分散ステップに戻し供給することができる。
【0042】
イオン交換樹脂は、カルシウム及びマグネシウムなど主に2価のイオンを捕獲するが、存在する他の2価のイオンもイオン交換樹脂によって捕獲されることがある。濾過の最終ステップは、鉄(III)選択的濾過システムを含めており、これは、イオン交換媒体と接触する鉄(III)を阻止することができる。これが有意であるのは、鉄(III)がイオン交換樹脂に接触する前に除去されず、イオン交換樹脂によって捕獲される場合、イオン交換樹脂の再生標準的方法によってイオン交換樹脂からそれらを排出することが困難であるからである。イオン交換樹脂容量が一度枯渇すると、該溶液は第2イオン交換カラムに移行されて、溶液の濾過及び2価のイオンの捕獲を継続することができる。
【0043】
炭酸リチウムの純度
【0044】
特定の実施形態において、炭酸リチウムの純度は、弱液の流出に対するリサイクルの割合(即ち、引き出される、炭酸リチウムの分離からの濾液の量)によって制御することができる。特定の実施形態において、弱液は、約15g/Lの炭酸リチウム濃度を有することがある。流出率が約100%から0%の間で異なり、可溶性の一価のカチオン及び一部のアニオンの含量はリサイクル溶液中に蓄積する。したがって、流出速度が大きいほど、高い純度の炭酸リチウム製品を得ることができる。例えば、約15%の流出率で、99.999%純粋な炭酸リチウムを得ることができることがわかった。同様に、約5%未満の流出率は、通常、約99.9%純度の炭酸リチウムの生成をもたらし、これは、電気化学/電池グレードの製造炭酸リチウムに十分である。さらに、洗浄の程度は、炭酸リチウム製品の純度及びその最終純度に大きく影響を及ぼす。生成物スループットに対して異なる洗浄割合を使用することで、異なるグレードの製品純度を生じさせることができる。
【0045】
イオン交換システムの操作は、イオン交換を通じて強溶液の速度によって大いに影響され、強溶液の速度を変動させることによって、異なる純度の炭酸リチウムを得ることができる。
【0046】
特定の実施形態において、炭酸リチウムの粒度分布及び形態は、撹拌の程度及び析出容器における滞留時間を増加させることによって管理することができる。本明細書で使用される場合、粒度分布は一般に粒径を指し、形態は一般に炭酸リチウム化合物の形状を指す。一般に、十分な撹拌は、不溶性粒子が溶液に懸濁されることを確実にするために必要であるが、しかし過度の撹拌は、特定の実施形態において、平均粒径における減少をもたらすことがある。撹拌の増加は、再循環速度を増加させることによって達成することができる。別法として、それは、機械的撹拌器を析出容器に加えることによって増加させることもできる。特定の実施形態において、滞留時間は、容器に含有されている液体の容量によって、又は流量を変化させることのいずれかによって増加又は減少させることができる。特定の実施形態において、容器は固定サイズを有することができるが、しかし液体を該槽に添加する量又は速度を使用することで、液体の滞留時間を制御することができ、それによって、炭酸リチウム粒子の粒度分布、及びそれほどではないが炭酸リチウム粒子の形態を間接的に制御する。さらに、特定の実施形態において、炭酸リチウムの形態は、結晶成長の変化を招く混合物に様々な金属イオンを添加することによって変更することができる。特定の実施形態において、炭酸リチウム粒子は、約100μm未満、別法として約50μm未満、別法として約10μm未満の平均直径を有することができる。
【0047】
ホスフェート及びボレートの両方が通常炭酸リチウムとともに析出するが、上に記載されているプロセスは、炭酸リチウム製品からホスフェート又はボレートを除去しない。したがって、特定の実施形態において、ホスフェート及びボレートは強力な重炭酸リチウム液から、アルミナなどのホスフェート吸収媒体に該液を通過させることによって、又はAMBERLITE(商標)IRA743など適当なイオン交換媒体を利用することによって、又は別法として溶媒抽出によって除去できることが予想される。
【0048】
ブラインから得られる工業グレードの炭酸リチウムの当初のサルフェート含有量は、通常約100ppmである。特定の実施形態において、高純度炭酸リチウムにおけるサルフェート濃度は、単一回の通過で10ppmしか低減することができず、弱液のリサイクル率は約85%だと想定される。炭酸リチウムのサルフェート濃度は、プロセス全体を通して炭酸リチウムの追加リサイクルをすることによって、さらに低減することができる。例えば、特定の実施形態において、上で2回記載されているプロセスを2回繰り返した製品炭酸リチウム流は、約1ppm未満のサルフェート濃度を有することができる。
【0049】
特定の実施形態において、サルフェート濃度を低減する代替手法は、該流出率を、より最適なプロセスの10%から35%よりむしろ、約50%から100%の間まで増加させることである。
【0050】
炭酸リチウムの濾過
【0051】
炭酸リチウムは、帯域フィルターを用いて約90℃から100℃の間、別法として約92℃から95℃の間の温度にて、特別に設計された分配器を有するフィルター上で濾過することができる。該フィルターケーキを対向流式で洗浄することで、最も純粋な炭酸リチウムを新しい脱イオン水と接触させることが確実になり得る。洗浄水は回収され、より低純度炭酸リチウムを洗浄するために使用することができる。この水を使用して炭酸リチウムを複数回洗浄することで、該水における炭酸リチウムの溶解を最小限にすることができる。水リサイクルステップは、純水が乏しい場合、特に重要であり得る。固体炭酸リチウムの最終洗浄は、1つ又は複数のスプレーノズルを介して約80℃から95℃間の温度で、別法として約90℃の温度で供給することができる熱脱イオン水を用いる。特定の実施形態において、水を用いて約95℃を超える温度で炭酸リチウム製品を洗浄することは水が水蒸気に変わることになり、洗浄することが効果がないことが確認された。特定の実施形態において、第1洗浄はリサイクル方式で完了され、最終洗浄からの洗浄水は、洗浄水リサイクルシステムに添加され、それによって、使用されるが消費されない水のはるかに大きい体積を可能にさせる。洗浄水をリサイクルする結果として洗浄水の流出があり、洗浄水の一部は、炭酸リチウム分散容器への弱液リサイクルに添加することができる。特定の実施形態において、第一洗浄水を、炭酸リチウム固体に50℃から90℃で接触する。
【0052】
高純度炭酸リチウムを発生するための直接経路
【0053】
本発明の一実施形態において、最大約1重量%リチウムを含有する塩化リチウム溶液から高純度塩化リチウムを製造するためのプロセスが提供される。特定の実施形態において、塩化リチウム含有溶液は、地熱ブライン若しくは他のブラインの溶液、又は他の塩化物含有溶液であってよい。該プロセスの第1ステップは、塩化リチウム溶液を処理してpHを約8から12の間、別法として約10から12の間、別法として約10から11の間に、例えば、石灰、水酸化ナトリウム又はアンモニアなど塩基を用いて調節することで、カルシウム、マンガン又は亜鉛の塩を析出させることを含める。該溶液は次いで、所望により、炭酸ナトリウム溶液、又は弱液溶液の流出から得られた弱液で処理される。塩化リチウム溶液は、次いで、痕跡微量(通常、10億分の1、つまりppbの桁)の2価のイオンを除去するための操作が可能なイオン交換媒体に、及び次いで、存在し得るボレート化合物を除去するための操作が可能な二次カラムに供給される。塩化リチウムを次いで、蒸発によって、又は逆浸透及び熱蒸発(蒸発池からの自然蒸発を含める)の組合せのいずれかによって濃縮することで、最大約42重量%塩化リチウムの塩化リチウム溶液(抽出濃度は温度依存性である)を有する高濃縮塩化リチウム溶液を製造する。該プロセス中において、該溶液中の塩化ナトリウム濃度は、10,000ppm超から1000ppm未満まで低減することができる。
【0054】
生じた塩化リチウム溶液は、好ましくは1000ppm未満の塩化リチウム濃度を有し、次いで、低温でアンモニア及び二酸化炭素のガス状混合物と反応させることで、高純度炭酸リチウムを製造することができる。溶液の温度を次いで増加させることで溶液を脱気することができ、それによって、アンモニア及び塩酸のガスを発生させる。これらのガスは、公知の方法又は膜によって分離される。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、高純度リチウム化合物を製造する方法を対象とし、ここで、該方法は、以下のステップを含める。
(1)40重量%のおよその塩化リチウム濃度を有する精製塩化リチウム流を、膜又は分離器のいずれかが備えられている電解槽に給送することで、ナトリウム、リチウム及びカリウムなどのカチオンの移動、並びに塩化物などのアニオンが陰極の方向に移動するのを阻止するステップ、
(2)最大約8,000A/mの電流密度を電解槽に供給し、ここで、塩素がアノードで発生され、水素がカソードで発生され、水酸化リチウムを含める溶液がカソード区画内において製造される(ここで、水酸化リチウム溶液は約4重量%の濃度を有する)ステップ、
(3)水酸化リチウム溶液を冷却し、該溶液を二酸化炭素と一緒に炭素化反応器に給送し、ここで、水酸化リチウムが直接重炭酸リチウムに変換されるステップ、
(4)重炭酸リチウム含有溶液を、形成されるガス及び/又は任意の炭酸リチウム固体から分離させるステップ、
(5)重炭酸リチウム溶液を濾過することで、例えば、鉄、シリカ、マグネシウム、マンガン、カルシウム及びストロンチウムなどの不純物の微量を除去するステップ、
(6)所望により、イオン交換カラムに該溶液を通過させることで、存在し得る2価のイオンを除去するステップ、並びに
(7)該溶液を析出反応器に給送し、ここで、該溶液を最大約95℃の温度に加熱することで、高純度の炭酸リチウムを析出させるステップ。
【0056】
特定の実施形態において、濾液溶液の少なくとも一分量は、電解槽のカソード区画にリサイクルバックすることができる。
【0057】
電池用の高純度化学薬品を調製する方法
【0058】
上に記載されている方法のいずれかによって得られる高純度炭酸リチウムを用いて、高純度化学薬品を、この高純度炭酸リチウムと特異的化学薬品とを反応させることによって作製することができる。前述されている通り、「高純度炭酸リチウム」は、少なくとも約99.9%の純度を有する任意の炭酸リチウムを指す。例示的な反応は以下のことを含める。
(1)高純度炭酸リチウムとHFとを反応させることでフッ化リチウム溶液を製造し、続いて、PFとの反応によってLiPFを製造すること、
(2)高純度炭酸リチウムとHFガスとを流動床反応器内で反応させることで、高純度及び高乾燥のLiFを製造すること、
(3)高純度LiCOと電解質MnOとを反応させることで、高純度LiMnOを製造すること、
(4)高純度炭酸リチウムと酸化コバルト(CoO)とを反応させることで、高純度酸化コバルトリチウムを製造すること、
(5)高純度炭酸リチウムとリン酸第二鉄とを反応させることで、リン酸鉄リチウムを製造すること、
(6)高純度炭酸リチウムとリン酸とを反応させることで、LiHPOなどの電池前駆体を製造すること、これは順じて、酸化鉄と反応させることでリン酸鉄リチウムカソード粉末を与えること、
(7)脱イオン水中に分散されている高純度炭酸リチウムとガス状塩酸とを反応させることで、超高純度塩化リチウムを製造すること、
(8)高純度の電解質塩を製造するためのプロセス:(a)トリフル酸塩、(b)過塩素酸塩、(c)LiASF、(d)LiBF及び任意の他のもの、並びに(e)リチウムビス(オキサレート)ボレート、
(9)高純度の水酸化リチウムの製造:(a)水中に高純度炭酸リチウムを分散すること及びそれと二酸化炭素とを反応させることによる重炭酸リチウム溶液の電解、(b)高純度炭酸リチウム及び塩酸を反応させることによって製造される高純度塩化リチウム溶液の電解、及び(c)高純度炭酸リチウム及び硫酸から製造される硫酸リチウムの電解で、高純度の水酸化リチウム溶液を製造。
【0059】
特定の実施形態において、高純度水酸化リチウムの調製は、ハロゲン化リチウムを電気化学セルに供給することを含めており、ここで、高純度水酸化リチウムが電解によって製造される一方、塩素及び水素ガスも製造される。
【0060】
他の実施形態において、リチウム塩、例えば重炭酸リチウム又は硝酸リチウムは電気化学セルに供給され、ここで、それを水中で電気分解することで、高純度水酸化リチウム、水素ガス、及びHCO又はHNOのいずれかをそれぞれ製造することができる。
【0061】
別法として、硫酸リチウムは電気化学セルに供給され、水中で電気分解されることで、高純度水酸化リチウム、HSO及び水素ガスを製造することができる。
【0062】
一実施形態において、高純度LiCOをHFと反応させることで、2モルの高純度フッ化リチウム及び二酸化炭素を製造する。高純度のフッ化リチウムを次いで、PFと反応させることで、高純度LiPF製品を製造する。
【0063】
別の実施形態において、高純度LiCOを2モル当量のHBFと反応させることで、2モルの高純度LiBF、並びにCO及び水を製造する。
【0064】
代替実施形態において、高純度LiCOを2モル当量のCFSOHと反応させることで、2モルの高純度Li(CFSO)、並びにCO及びHOを製造する。
【0065】
代替実施形態において、高純度LiCOを2モル当量のHClOと反応させることで、2モルのLiClO、並びに二酸化炭素及び水を製造する。
【0066】
イオン交換樹脂を再生
【0067】
本発明の別の態様において、イオン交換樹脂を再生するための方法が提供される。
【0068】
本明細書で使用される場合、「樹脂」という用語は、Amberlite(いずれかの国における登録商標)IRC-746/747/748、Purolite(いずれかの国における登録商標)S930、Purolite(いずれかの国における登録商標)S940、Purolite(いずれかの国における登録商標)S950、LEWATIT(いずれかの国における登録商標)TP-260、及びIONAC(いずれかの国における登録商標)SR-5など様々な商品名によって知られている、弱酸性のアミノホスホン酸又はイミド酢酸の活性基で置換されているジビニルベンゼン(DVB)で架橋されているポリスチレンマトリックスを指す。
【0069】
図4に示されている通りのイオン交換再生方法の一実施形態400は以下の通りである。
(1)ステップ400において、混合を防止するために低流量で脱イオン水と接触させることによって、強溶液を樹脂から排出し、
(2)所望により、水の流動化する逆洗(即ち、逆流においておよそ1.5総体積)に樹脂を流すことによって、固体及び任意の割れた樹脂を除去し(これらはカラムの出口で濾過によって回収される)、
(3)ステップ420において、酸で処理することによって、例えば希釈塩酸(即ち、10%未満の濃度)を添加することによって、樹脂から2価のイオンを除去し、
(4)ステップ430において、約30分の間カラムを酸に浸漬し、
(5)ステップ440において、5のpHに達するまで、脱イオン水で樹脂を濯ぐことで、酸をカラムから排出し、希釈し、
(6)所望により、ステップ450において、希釈NaOHをカラムに添加することによって、カラムを塩基で処理することで樹脂を再活性化させ、
(7)樹脂を弱液で濯ぐことで、カラムからNaOHを排出し、希釈し、
(8)給送は、下降流式において強液溶液を装填することに戻すことができ、
(9)濯ぎ溶液を合わせ、再利用のために逆浸透を介して溶液をリサイクルし、並びに
(10)所望により、ステップ(3)及び(5)からの洗浄溶液をリサイクルすることができる。
【0070】
本発明の代替実施形態において、以下の通りの方法が提供される。
(1)低流量で脱イオン水を添加することによって、強溶液を樹脂から排出し、
(2)所望により、逆洗を流すことによって、排出された固体及び任意の割れた樹脂を該樹脂から除去し、
(3)希釈塩酸(例えば、約10%未満の濃度を有するHCl)を添加することによって、カラムを酸で処理することで2価のイオンを除去し、
(4)約5のpHに達するまで樹脂を洗浄することで、カラム上の酸を排出し、希釈し、
(5)弱液(炭酸リチウム及び重炭酸リチウムの最大約14g/Lの濃度を有する)の流出と接触させることによって、イオン交換媒体を再生させ、
(6)脱イオン水で樹脂を濯ぐことで、カラムを排出し、希釈し、
(7)所望により、濯ぎ溶液を合わせ、再利用のために逆浸透を介してリサイクルすることができ、並びに
(8)所望により、ステップ(3)及び(5)からの溶液をリサイクルすることができる。
【0071】
精密フィルターのリサイクル
【0072】
精密フィルターは高価であり、不純物で頻繁に遮断される。したがって、それらをリサイクルすることが必要である。フィルターのリサイクルをするいくつかの方法が開発されてきた。リサイクルする好ましい方法は、鉄を溶解するためにクエン酸を使用することであり、これは、鉄選択性フィルターがリサイクルされることを可能にする。ナトリウムEDTAなど他の化合物を使用することで、同じ結果を達成することができる。しかし、硝酸(約1%から10%溶液の濃度を有する)などの強酸溶液を使用することでフィルターをリサイクルするほうが、より有効である。汚染を防止するため、フィルターは次いで、作業に戻す前に徹底的に濯がれる。
【0073】
実施例
【実施例
【0074】
(例1)炭酸リチウムの製造
【0075】
ここで図1及び図2を参照すると、40は分散液であり、45は第1反応器であり、50は第2反応器であり、55はCO槽であり、60は気体/固体/液体分離槽(デガッサー)であり、65はフィルターバッグであり、70はフィルターカートリッジであり、75は樹脂カラムであり、80は集塵器であり、85はフェルトフィルターであり、90は乾燥機であり、1は不純なカーボネート流であり、2は第1反応器給送流であり、3は第1炭素化反応器であり、4は第2炭素化反応器であり、5は第2反応器給送流であり、6はデカンターへの移送流であり、7は第1反応器へのカーボネート返送流であり、8は第1二酸化炭素リサイクルであり、9は粗濾過フィルターバッグ(Eaton-GAFによって提供される液体濾過バッグなど)に供給されるビカーボネート流であり、10は微細濾過カートリッジフィルター(ミリポアから利用可能な滅菌グレードAerventカートリッジフィルターなど)に供給されるビカーボネート流であり、11は樹脂に供給されるビカーボネート流であり、14は集塵器へのビカーボネートであり、15は交換体再循環流であり、16は集塵器に供給される再循環流プラスビカーボネート流を含める混合流であり、17はCO蒸発流であり、18は槽55へのCO返送ラインであり、19はフィルターに供給されるカーボネート流(カーボネート、ビカーボネート又はそれらの組合せが含まれ得る)であり、20は乾燥機に供給されるカーボネート流であり、21は分散液にリサイクルされる弱液であり、22は分散液にリサイクルされるリサイクル洗浄水であり、23は洗浄水流出である。
【0076】
ここで図2を参照すると、95はリサイクル流126が給送流124と混合される混合槽であり、100は膜又は隔壁膜で達成することができるカソード区画とアノード区画との間の仕切り壁105を含める電解槽であり、125は塩化リチウム溶液であり、126は電解槽の溶出物である塩化リチウム溶液であり、127は塩素ガス給送であり、128は水給送であり、129は水素ガス給送であり、130は水酸化リチウムリサイクル流であり、131は電解水酸化リチウム生成物流である。
【0077】
図1及び図2において示されているプロセスは以下の通りである。
【0078】
該プロセスは、3回の投入量を含めることができる分散液槽40中で出発する。給送のおよそ85%が、熱交換器などの公知手段を介して所望の温度に冷却することができる弱液としてライン21を介して入る。給送ライン21は、約15g/Lの炭酸リチウム/重炭酸リチウム濃度を有することができる。槽40へのライン21の質量流量は約1428kg/時である。給送のおよそ15%は、所望の温度に公知手段によって冷却することができるリサイクルされた洗浄水としてライン22を介して槽40に供給される。ライン22中のこの溶液は、約7g/Lの炭酸リチウム/重炭酸リチウム濃度を有することができ、約252kg/時の質量流量で供給することができる。未加工の炭酸リチウムは、スクリューフィーダー1を介して約30g/Lの速度及び約1680kg/時の質量流量にて正常の操作条件下で供給することができる。槽40への3回の投入は、槽全体において均一分散固体として不溶性炭酸リチウムを維持するため十分に撹拌して混合される。例示的な滞留時間は11分である。該溶液は次いで、槽40からライン2を介して第1反応器45中にポンプで送られ、ここで、COガスはライン3を介して供給され、重炭酸リチウムに形質転換され、したがってリチウムを可溶性にさせる。
【0079】
図3を参照すると、重炭酸リチウムへのこうした形質転換が発生し得る、第1及び第2反応器45及び50と同様又は同じであってよい例示的な反応器200が提供される。特定の実施形態において、炭酸リチウム溶液は反応器200にライン202を介して供給され、炭酸ガスは該反応器にライン204を介して供給される。反応器200は、様々な区分、例えば第1区分206、第2区分208、第3区分210、第4区分212及び第5区分214に分離することができる。反応器200は、第1及び第2区分を分離させるプレート222、第2及び第3区分を分離させるプレート224、第3及び第4区分を分離させるプレート226、並びに第4及び第5区分を分離させるプレート228など、様々な区分を分離させる様々なプレートを含めることができる。反応器200は、反応槽内に位置される撹拌器228を含めることもできるので、撹拌器は、炭酸リチウム及び二酸化炭素の十分な混合を提供することが可能である。撹拌器228は、徹底的な混合を提供できるように設計された様々な翼又は突起229を含めることができる。反応器200は、バッフル220を含めることもできる。過剰の二酸化炭素はライン230を介して反応器200を出て、該溶液は232を介して除去することができる。
【0080】
反応器への二酸化炭素の流量は、少なくとも約200L/分、別法として少なくとも約250L/分であってよい。一般に、少なくともモル当量の二酸化炭素が提供され、より好ましくはモル当量をわずかに超える(即ち、少なくとも約1.05モルの)二酸化炭素が提供され、別法として約1.1モル当量を超える二酸化炭素が提供される。固体炭酸リチウムは、デガッサー60の底部からポンプ7を介して反応器45の底部にリサイクルすることができる。該反応のこの段階中、温度は、一部には、行われる発熱性化学反応により約5℃増加させることができる。第1反応器45からの溶液は、次いで、ライン5を介して、所望により熱交換器を通して、第2反応器50に約1600kg/時から約1700kg/時の間の流量で給送することができる。特定の実施形態において、流量は少なくとも約1500kg/時である。熱交換器を使用することで、該流体をほぼ室温の温度に冷却することができる。ライン4は、COを第2反応器45に少なくとも約100L/分、別法として少なくとも約120L/分、別法として約135L/分の流量で供給する。特定の実施形態において、この供給は、大気圧をわずかに上回る圧力で行われるが、より大きいスループットにて上昇圧力で行うこともできる。第1及び第2反応器の操作体積はそれぞれ約500リットルであり得るが、異なる操作体積を有する反応器を使用してもよい。該溶液は、約20℃の温度に冷却し、第2反応器50にポンプ5を介して供給することができる。第2反応器50内で発生する反応の発熱は、温度を約1℃から2℃上昇させる。ライン4は、COガスを反応器50に約135L/分の流れの流量で供給する。第2反応器50は、第1反応器45と同様の段階反応器であってよい。反応器50内の温度は、化学反応の結果として約1℃上昇することがある。第2反応器50を約20℃を下回る温度で操作することで、より高い溶解性の炭酸リチウムを溶液中へ添加することを可能にし、これは順じて、より大きな生産力(即ち、より大きなスループット及びより高い収率)をもたらすことができる。ビカーボネート含有溶液は、6を介して第2反応器45からデガッサー槽60に移される。デガッサー槽60内で、気体、固体及び液体が分離される。固体は、スラリーとしてライン7を介して第1反応器45にポンプで送ることができる。COを含めることができる気体は分離され、気体をCO槽55にリサイクルすることができるライン8を介して供給し、第1又は第2反応器45又は50のいずれかに再供給することができる。液体ビカーボネートは、ライン9を介して、少なくとも1個及び好ましくは2個の機械的フィルター65に通してポンプで送られる。機械的フィルターは、10μmのフィルターバッグを含む第1フィルター、1μmのフィルターバッグを含む第2フィルターを含めて、異なる大きさの複数の個々のフィルターを含める。濾過された重炭酸リチウム溶液は、1個又は複数のフィルターカートリッジ、例えば0.2μmのフィルターを含む第1カートリッジ及び0.3μmのカートリッジを含む第2カートリッジを含むことができる第2機械的フィルター70に供給することができる。第2カートリッジは、イオン交換システム70に給送される鉄を防止するように構成することができる。カートリッジ再生プロセスは下記において考察する。重炭酸リチウム含有溶液は、ライン11を介してイオン交換樹脂カラム70にポンプで送ることができる。イオン交換樹脂は、フィルターバッグ65及びフィルターカートリッジ70を通過する可溶性金属2価のイオンを除去することができる。特定の実施形態において、イオン交換75は、2個のカラム、操作中である1個のカラム及び再生されつつある第2カラムを含めることができる。イオン交換カラムは、操作する媒体が飽和した場合、操作と再生の間で移行することができる。イオン交換システムからの濾過溶液は、ライン14を介して集塵器80に給送される。集塵器80は、所望により、熱交換器を含めることができる再循環システムによって加熱することができる。集塵器80からの溶液は、槽の底部から給送することができ、ライン15を介して返送ライン16にポンプで送られる。イオン交換カラム75からの溶液は、ライン16中でライン15からの加熱溶液と合わせ、集塵器80に供給することができる。集塵器80は、ライン16の流動によって撹拌することができる。所望により、集塵器80は、撹拌器を含めることができる。集塵器80中の溶液は約95℃の温度で維持することができ、これは、ビカーボネートからのCOの分離を容易にする。固体カーボネートはオーバーフローによって集塵器80を出て、COはライン17を介して冷却し、回収することができる。炭酸ガスは、ライン18を介して2個の反応器45又は50にリサイクルすることができる。重量により約90%の炭酸リチウムを含める生成物流は、ライン19を介してフィルター帯域85にポンプで送ることができる。該弱液は、真空釜システム中で回収することができ、冷却し、ライン21を介して分散液槽40にポンプで送ることができる。この液の一部を、樹脂の再生用に貯蔵することができる。第1洗浄は、同じ洗浄リサイクル水で行うことができる。第2洗浄は、脱イオン水を用いて約92℃の温度で行うことができる。各洗浄からの水は、再利用のために同じ槽中で合わせることができる。この水は、冷却し、分散液槽40にポンプで送ることができる。この水の流出ライン23がある。
【0081】
図2を参照すると、約10%から40%の間の濃度を有する塩化リチウム給送流124は、槽95に供給することができる。塩化リチウムは、地熱ブライン又は他のブラインを含めて、抽出プロセスから調達することができる。槽95からの塩化リチウムは、ライン125を介して電解槽100に供給することができる。溶出塩化リチウム溶液電解槽100は槽95にライン126を介してリサイクルバックすることができる一方、塩素ガス及び水素ガスが、それぞれ流出口127及び129を通って電解槽から出る。水は、ライン128を介して電解槽100に供給される。水酸化リチウムはライン130を介して電解槽100にリサイクルすることができ、水酸化リチウム生成物流131は回収することができる。電解槽100において、リチウムイオンは、遊走力及び拡散力を手段としてアノード区画からカソード区画に移動する。
【0082】
(例2)樹脂をカラムに装填
【0083】
樹脂をカラムに、以下の通りに装填する。最初に、208Lのバレル中でPurolite(いずれかの国における登録商標)S940樹脂が脱イオン水と混合される。約1,060Lの体積を有するカラムに、約1/2体積の脱イオン水を添加した。漏斗を使用し、樹脂及び脱イオン水が手動でカラムに添加される。必要とされる場合、カラムの底部のバルブを開くことで少しの水を抜き出す。およそ440Lの樹脂がカラムに導入されるまで、該ステップを反復する。
【0084】
(例3)樹脂再生
【0085】
本発明の一実施形態において、イオン交換樹脂の再生のための方法が以下の通りに提供される。
(1)強液を該排出溶液から除去し、保持槽中に置き、強液をカラムの上部に約2から4総体積/時間の速度でポンプで送られる約1総体積の脱イオン水と置き換え、
(2)樹脂を脱イオン水から取り出し、カラムをカラムの底部から約1.5総体積の水を用いて1.2総体積/時間の速度で満たし、
(3)カラム中の溶液のpHを低下させることで保有金属元素を放出させ、カラムを、約1~8%の間、好ましくは4%の濃度を有する2総体積のHCl溶液を用いて約2.4総体積/時間の速度で充填し、
(4)該酸を適所に約30分間放置し、
(5)ステップ(3)及び(4)を反復し、
(6)カラムのpHが中性のpHに近づくまで、カラムを約2.1総体積の脱イオン水を用いて約2.4総体積/時の速度で濯ぎ、
(7)カラムを、約2%から4%の間の濃度を有する約2.4総体積の苛性ソーダ溶液を用いて約2.4総体積/時の速度で濯ぐことで、多価のイオンの捕獲を可能にする活性形態に樹脂を変換して戻し、
(9)約2.4総体積の弱液LiHCOを約2.4総体積/時の速度でカラムに通して循環させることで、NaイオンをLiと置き換え、
(10)排出ステップ中の保持槽に一時的に移された強液を、カラムに約1.2総体積/時間の速度で返送する。
(例4)
【0086】
カートリッジフィルターは非常に高価であり、フィルターの周りのプラスチック及びカートリッジの接続部は脆弱であるので置換えの前に1回使用するだけにすべきである。本発明の別の態様において、カートリッジのその場再生のための方法が提供される。全てのステップは逆流において行われる。図5を参照して、方法500を示す。
(1)第1濯ぎステップ510において、約200Lの脱イオン水を、例えば約2インチ×40インチの寸法を有する精密濾過カートリッジに通して循環させることで、固体粒子を除去し、
(2)酸処理ステップ520において、HNOの20%溶液およそ5Lを約200Lの脱イオン水に添加し、カートリッジに通して循環させ、
(3)第2濯ぎステップ530において、約200Lの脱イオン水をカートリッジに通して循環させることで、酸を除去し、
(4)塩基処理ステップ540において、水酸化ナトリウム又は弱液など強塩基の50%溶液約290mlを約200Lの脱イオン水に添加し、カートリッジに通してポンプで送り、
(5)第3濯ぎステップ550において、約200Lの脱イオン水をカートリッジに通して再循環させることで、苛性ソーダを除去する。
【0087】
本発明の別の実施形態において、最初に塩化リチウムを固体炭酸リチウムに変換することなく、高純度炭酸リチウムを作成するためのプロセスが以下の通りに提供される。
(1)およその塩化リチウム濃度40wt%の精製塩化リチウム流を、膜又は分離器のいずれかが備えられている電解槽に供給し、
(2)電流を電解槽に供給し、塩素をアノードで発生させ、水素をカソードで発生させ、4重量%を超える水酸化リチウムの溶液をカソード区画内において製造し、
(3)水酸化リチウム溶液を冷却し、二酸化炭素と一緒に炭素化反応器に給送し、ここで、それを直接重炭酸リチウムに変換し、
(4)該溶液をガスから分離し、任意の炭酸リチウム固体を形成し、
(5)重炭酸リチウム溶液を濾過することで、鉄、シリカ及び他の不純物などを含める微量の不純物を除去し、
(6)所望により、該溶液をイオン交換カラムに通過させることで、2価のイオンを除去し、
(7)該溶液を析出反応器に給送し、約95℃の温度に加熱することで、高純度の炭酸リチウムを析出させ、並びに
(8)該溶液を、電解槽のためのカソード区画にリサイクルバックする。
【0088】
(例5)電流の効果
【0089】
試験番号1
試験条件を表1下記に示す。
【表1】
【0090】
Nafion(いずれかの国における登録商標)350膜を2%LiOHの溶液で調整した。生産量を3つの異なる様式:カソード液の滴定によるLiOH、アノード液の滴定によるHSO、及びアノード液のイオン結合プラズマ原子発光分光法を用いる分析又はイオン結合プラズマ質量分析のいずれかによるLiSOによって算出した。水酸化リチウム、硫酸及び硫酸リチウムの3つの濃度を、それぞれ59%、61%及び61%で測定することによって、電流効率を測定した。平均の電流効率は60%であった。
【0091】
試験番号2
電流密度を4000A/m(51.2A)に低下し、持続期間を135分に増加させることで、上記試験番号1における通り、400,000クーロン超の総負荷を可能にした。得られた電流効率は、LiOH=71%、HS0=59%、及びLiS0=55%で、平均62%であった。
【0092】
試験番号3
電流密度を3000A/m(38.4A)に、持続期間を180分に固定した。電流効率は、LiOH=53%、HSO=62%、及びLiSO=67%で、平均62%であった。
【0093】
試験番号4
電流密度を3500A/m(44.8A)に、持続期間を154分に固定した。電流効率は、LiOH=59%、HSO=62%、及びLiSO=74%で、平均62%であった。
【0094】
(例6)
【0095】
電解プロセスの目的は、精製された濃縮LiClを、重炭酸リチウムの変換のための濃縮LiOH溶液に変換した後、気体-液体-固体分離ステップで図10に記載されているプロセス・ステップに、及び図10に記載されているプロセス・ステップに重炭酸リチウム溶液を通過させることで、炭酸リチウムを製造することである。セルの効率を決定する制限因子は、膜を横切る水酸化物の逆移動により、カソード液における水酸化リチウムの濃度である。実験プログラムは、4つの異なる水酸化物濃度でセルを操作することで、その効果を位置づけ、調製することができる最大濃度を決定するように設計した。
【0096】
該実験で、水酸化物濃度に応じて透析プロセスの電流効率及びエネルギー利用を測定した。上記の化学的性質区分に記載されている通り、Liイオンは印加された電場下をアノード液からカソード液に移動する一方、水はカソードでH及びOHに電気分解される。理論上、外部回路内を通過した各電子は、カソード液中の1個のLiOH分子の増加に対応し、時間の経過によるLiOHの濃度における増加をもたらす。しかし、プロセスの主な非効率であるカソード液からアノード液へのOHイオンの逆移動は、カソード液のOH濃度に依存性である。本明細書において報告されている実験は、水を公知速度で添加することによってカソード液のOH濃度を一定に維持するという意図を持って行った。該反応の効率は、水添加の添加実速度と理論に基づき予測されたものとを比較することによって測定した。
【0097】
実験の設定
【0098】
電解システムは、電解セル、並びにアノード液及びカソード液の流れシステムで構成した。LiCl溶液の電解は、ICIによって製造されたFM01電解槽(クロル-アルカリ工業において商業的に使用されているFM21電解槽のスケールモデル)を使用して実施した。電解槽はランタンブレード型の電極を含めており、酸化ルテニウム被膜チタンをアノードとして使用し、ニッケルをカソードとして使用した。Nafion(いずれかの国における登録商標)982を膜として使用した。活性表面積は64cm(4×16cm)であり、セルギャップは約12~13mmであった。FM01電解槽を16cm方向に並行な流れ方向で操作したので、これが電極から展開されたガス(塩素及び水素)の管理を改善した。さらに、アノード液及びカソード液の流れは通例セルの反対側から給送されるが、これらの試験においては、それらを同じ側から給送することで、再びガス遮蔽の効果を制限した。
【0099】
アノード液流れシステムには、給送槽、ポンプ、脱ガス槽、塩素スクラバー及び回収槽が含まれていた。約21重量%の濃度を有する塩化リチウム溶液をアノード液給送槽内に置き、約90℃に加熱した。該溶液を、単一回通過方式にて、0.13cm/秒の面速度に対応する約20cm/分の流量で、セルのアノード室にポンプで通した。セルから出て直ちに、LiCl溶液及び同伴Clガス(アノードで生成)を、塩素スクラバーが備えられている脱ガス槽に直ぐに通すことで、塩素を除去した。該溶液を次いで、貯蔵用の回収槽内にポンプで送った。
【0100】
カソード液流れシステムには、槽、ポンプ及び水給送のシステムが含まれていた。水酸化リチウムを槽内に置き、約95℃に加熱し、再循環方式にて、0.33cm/秒の面速度に対応する約50mL/分の流量でセルのカソード室に給送した。水を該システムに、ぜん動ポンプを使用して連続的に添加することで、一定のLiOH濃度を維持しようとした。添加の速度は、水槽の重量損失によってモニタリングした。窒素をカソード液再循環槽を通して気泡にすることで、LiOHと空気からのCOとの反応を最小にした。
【0101】
4つの実験に使用された実験条件を下記表2に要約する。これらの条件は、全ての実験に関して同じであった。カソード液中の水酸化物の濃度は、4つの実験間で2.5Mから0.7Mで変化させた。
【表2】
【0102】
該試料を、セルの操作中にカソード液の流入口及び流出口、並びにアノード液流出口で30分毎に回収した。セル電圧を、ハンドヘルド・マルチメーターを使用してセル末端でモニタリングした。流入口及び流出口のカソード液水酸化物濃度の間の差異並びにセル電圧を使用して、セルの効率及びエネルギー消費を算出した。
【0103】
結果
【0104】
ここで図6から図9及び表3を参照すると、4つの実験の結果が要約されている。図6は、水酸化物濃度の実時間測定がない場合、水添加の速度を調節することだけに基づく一定のLiOH濃度を維持することの難しさを示している。これは、水が消費され得るか、又は電解、蒸発、及びLiカチオンとともに膜を横切る移動を含めて様々な機序によってカソード液に添加され得るからであると考えられる。一般に、該データは、LiOHの初濃度が高いほど、水添加を介して濃度を一定に維持するという作業が困難であることを示唆している。
【0105】
セル電圧は全ての実験作業に関しておよそ4.3~4.4Vであり(図7に示されている)、電圧が水酸化物濃度と比較的無関係であることを示している。それは、エネルギー消費が電極及び膜の反応の電気効率によって大きく動かされることを暗示している。該研究に使用されているFM01電解槽のセルギャップ(12~13mm)は、市販のセル(2~3mm)と比較して大きいので、市販のセルは、本明細書において測定されたものより低いセル電圧を有すると予想される。
【0106】
電流効率は、図8に示されている通り、増加するLiOH濃度とともに減少する。これは、LiOH濃度が増加するにつれて、カソード液からアノード液に膜を横切るOH-アニオンの逆移動が増加することによる可能性が高い。図9に示されている通り、全実験が約同じ電流密度で行われ、セル電圧が本質的に一定であったので、この現象はエネルギー消費の増加ももたらした。該データは、異なる結果を達成する操作条件の範囲又は他の膜を同定することが可能であり得るが、LiOHの実用限界濃度は約1~2Mであることを示唆している。
【0107】
表3はこの研究の知見を要約しており、LiOHの濃度が減少するとLiOH製造の効率が増加し、約1M(2.4wt%)LiOHの濃度に関して約80~88%の間の効率に届くことを示している。セル電圧はLiOH濃度と比較的無関係であるので、効率はエネルギー必要量も削り、これは、約1Mの濃度で製造されるLiOHの1kg当たり約5kWhまで減少する。LiOH製造速度も、2.4wt%LiOH濃度で最大(2.1~2.4kg/m2/時)である。
【表3】
【0108】
(例7)固体水酸化リチウムから出発する精製LiCO
【0109】
分散
【0110】
固体水酸化リチウム一水和物を、およそ43.3kg/時で分散液槽40にライン1を介して給送した。リサイクルされる洗浄水及び弱液は、それぞれライン21及び22を介してリサイクルする。槽への総流量は約22kg/分であり、流動物の約80%が弱液であり、残留している流動物は洗浄水である。生じた混合物は、炭酸リチウム及び水酸化物の溶液であった。溶液温度は、およそ20℃であった。
【0111】
反応
【0112】
水酸化リチウムから炭酸リチウム及び重炭酸リチウムへ変換するための反応の速度を、第1反応器45の流出口側で約8.5にpHを維持することによって制御した。第1反応器45へのCO流動を調節することで、このpHを維持した。CO流量は約300L/分であり、反応器を出る溶液の温度が、反応の発熱によりおよそ30℃に上昇した。溶液温度を、第1及び第2の2つの反応器45及び50の間の熱交換器を手段として、20℃に冷却した
【0113】
COを第2反応器に275L/分の流量で給送すると、第2反応器は、残留している未変換LiCOを重炭酸リチウムに変換し、反応器の流出口側の温度が反応の発熱により約23℃に上昇した。
【0114】
重炭酸リチウム溶液を次いで、例1における場合と同じプロセスに同条件下で通過させた。最初に溶液は気体/固体/液体分離器60を通過し、次いで濾過65及び70、イオン交換75を通過し、集塵器80に進み、濾過85及び乾燥90まで進む。
【0115】
樹脂
【0116】
水酸化リチウム一水和物は、炭酸リチウムより有意に低いカルシウム及びマグネシウムの濃度を有していた。したがって、60から90の間の強液総体積までの再生間の時間を増加することができた。
【0117】
フィルター帯域
【0118】
第2洗浄の流量を、92℃に加熱された脱イオン水3L/分まで調節した。第1洗浄の流量は、例1における場合と同じであった。
【0119】
ドライヤー
【0120】
乾燥機を、例1に記載されている通りに操作し、およそ35.83kg/時の精製炭酸リチウムを製造した。化学的収率は93%前後であった。
【0121】
(例8)炭酸リチウムの製造
【0122】
図1において、高純度及び超高純度炭酸リチウムの製造のためのシステムは、粒子の懸濁液を提供するように構成されている分散液槽40、第1炭素化反応器45、第2炭素化反応器50、CO槽55、気体/固体/液体分離槽(デガッサー)60、フィルターバッグを含める第1濾過システム65、フィルターカートリッジを含める第2濾過システム70、イオン交換カラム75、集塵器80、ベルトフィルター85、及び乾燥機90を含める。給送ライン1は不純なカーボネートを反応器に供給し、第1反応器への給送はライン2を介しており、COは第1反応器にライン3を介して給送され、COは第2反応器にライン4を介して給送され、炭酸リチウムは第2反応器にライン5を介して給送され、第2反応器からの炭酸リチウムはデカンターにライン6を介して移され、カーボネートの一分量は第1反応器にライン7を介して返送され、脱気COはライン8を介して除去され、ビカーボネートはフィルターバッグにライン9を介して供給され、ビカーボネートはカートリッジにライン10を介して供給され、ビカーボネートはイオン交換樹脂にライン11を介して供給され、ビカーボネートは集塵器にライン14を介して供給され、熱交換器再循環はライン15を介しており、ライン16は再循環の混合物を集塵器から、及びビカーボネートをイオン交換樹脂から集塵器に供給し、集塵器によって分離されたCOはライン17を介してリサイクルされ、リサイクルライン17及びデガッサーライン8からのCOは保持槽にライン18を介して供給され、カーボネートはフィルターにライン19を介して供給され、濾過されたカーボネートはフィルターから乾燥機にライン20を介して供給され、フィルターからの弱液は分散液槽にライン21を介して供給され、リサイクルされた洗浄水はフィルターから分散液槽にライン22を介して供給され、及び洗浄水流出物はフィルターからライン23を介して除去される。
【0123】
当技術において理解されている通り、全ての装置又は機器が図に示されているわけではない。例えば、当分野の技術者は、様々な保持槽及び/又はポンプが本方法に採用され得ることを認識されよう。
【0124】
単数形の「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「該」は、文脈が明らかに別途指示していない限り、複数の指示対象を含める。
【0125】
所望の、又は所望により、は、引き続いて記載されている事象又は状況が起こる場合があり、又は起こらない場合もある。該記載は、事象又は状況が起こる例、及びそれが起こらない例を含める。
【0126】
範囲は、本明細書において、約1つの特定値から及び/又は約別の特定値までとして表され得る。こうした範囲が表される場合、別の実施形態は、前記範囲内における全ての組合せと一緒に1つの特定値から及び/又は他の特定値までであることが理解されるべきである。
【0127】
この明細書全体にわたり、特許又は公報が参照されている場合、これらの参照の開示は、それらの全体において、本発明が関連する最先端技術をより十分に記載するため、これらの参照が本明細書においてなされた記述と矛盾している場合を除いて、参照によりこの明細書に組み込まれることが意図される。
【0128】
本明細書で使用される場合、値の範囲に関する約及びおよそという用語の列挙は、列挙された範囲の上端及び下端の両方を含めると解釈されるべきである。
【0129】
本発明を詳細に記載したが、本発明の原理及び範囲から逸脱することなく、これより後に様々な変化、代替及び修正がなされ得ることが理解されるべきである。すなわち、本発明の範囲は、以下の請求項及びそれらの適切な法的均等物によって決定されるべきである。
なお、下記[1]から[19]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
工業グレードLi CO を含む第1水溶液とCO とを反応させることで、溶解LiHCO を含む第2水溶液を形成するステップ、
ガス-液体-固体分離器を使用して、未反応CO 及び不溶性の化合物を該第2水溶液から分離することで、第3水溶液を製造するステップ、
該第3水溶液とイオン選択性媒体とを接触させることによって溶解不純物を該第3水溶液から除去することで、第4水溶液を製造するステップ、並びに
少なくとも約99.99%の純度を有するLi CO を該第4水溶液から析出させるステップ
を含む、高純度炭酸リチウムを製造する方法。
[2]
前記第2水溶液から分離された前記不溶性化合物が前記第1水溶液にリサイクルされる、[1]に記載の方法。
[3]
Li CO を析出させる前に前記第3水溶液を約50℃の温度に予備加熱するステップをさらに含む、[1]に記載の方法。
[4]
CO を溶液から除去し、Li CO を析出させる操作が可能な逆浸透装置に前記第3水溶液を供給することでLi CO を濃縮するステップをさらに含む、[1]に記載の方法。
[5]
約99%未満の純度を有するLiHCO を含有するブライン水溶液とCO とを大気温度で接触させることで、LiHCO 及び溶解イオンを含む第2水溶液を形成するステップ、
ガラス-液体-固体反応器を使用して不溶性化合物を該第2水溶液から分離することで、LiHCO 及び溶解イオンを含む第3水溶液を形成するステップ、
イオン選択性媒体を用いて少なくとも一分量の溶解イオンを該第3水溶液から抽出することで、溶解LiHCO を含有し、該第3水溶液に対して低減濃度の溶解イオンを有する第4水溶液を形成するステップ、
該分離ステップ及び抽出ステップを実施しながら定圧を維持するステップ、並びに
該第4水溶液を加熱することで、固体LiHCO 、気体CO 及び溶解不純物を形成するステップ
を含む、高純度炭酸リチウムを製造する方法。
[6]
前記第2水溶液から分離された前記不溶性化合物が前記第1水溶液にリサイクルされる、[5]に記載の方法。
[7]
高圧で操作し、それによってLi CO を濃縮するように構成されている逆浸透装置に前記第2水溶液を供給するステップをさらに含む、[5]に記載の方法。
[8]
[1]に記載の方法に従って得られる高純度Li CO とHFとを反応させることで、フッ化リチウム溶液を製造するステップ、及び
該溶液とPF とを反応させることで、LiPF を製造するステップ
を含む、高純度のLiPF を製造する方法。
[9]
[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムとHFガスとを流動床反応器内にて反応させるステップを含む、高純度であり乾燥している高純度のLiFを製造する方法。
[10]
[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムと電解質MnO とを反応させることで高純度LiMnO を製造するステップを含む、高純度のLiMnO を製造する方法。
[11]
[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムと酸化コバルトとを反応させることで高純度酸化コバルトリチウムを製造するステップを含む、高純度の酸化コバルトリチウムを製造する方法。
[12]
[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムと高純度リン酸第二鉄とを反応させることで高純度リン酸鉄リチウムを製造するステップを含む、高純度のリン酸鉄リチウムを製造する方法。
[13]
[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムとリン酸とを反応させることで高純度のLiH PO を製造するステップを含む、高純度のLiH PO を製造する方法。
[14]
前記LiH PO と酸化鉄とを反応させることでリン酸鉄リチウムを製造することをさらに含む、[13]に記載の方法。
[15]
脱イオン水及び[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムを含む溶液とガス状塩酸とを反応させることで高純度の塩化リチウムを製造するステップを含む、高純度の塩化リチウムを製造する方法。
[16]
トリフル化又はペルクロル化のいずれかによって、及びLiASF 、LiBF 、リチウムビス(オキサレート)ボレート又はそれらの組合せを使用して、[1]に記載の方法に従って調製される高純度炭酸リチウムを反応させるステップを含む、高純度の電解質塩を製造する方法。
[17]
[1]に記載の方法に従って調製された高純度の重炭酸リチウムを含む溶液を電解することによって高純度の水酸化リチウムを製造する方法。
[18]
最大約40重量%の塩化リチウム濃度を有する、精製塩化リチウム流を含む第1水溶液を、膜又は分離器が備えられている電解槽に給送することで、少なくとも10重量%の塩化リチウムを含む第2水溶液を形成するステップ、
電流を前記電解槽に供給することで、カソード区画内において4wt%を超える水酸化リチウムを含む第3水溶液を製造するステップ、
所望により、該第3水溶液を冷却し、該第3水溶液及び二酸化炭素を炭素化反応器に供給することで、重炭酸リチウムを含む第4水溶液を製造するステップ、
ガス-液体-固体反応器を使用して形成される二酸化炭素及び炭酸リチウムの固体から該第4水溶液を分離させるステップ、
該第4水溶液を濾過することで、微量の不純物を除去するステップ、並びに
濾過された該第4水溶液を、少なくとも約95℃の温度で保持される析出反応器に給送することで、高純度の炭酸リチウムを析出するステップ
を含む、高純度の炭酸リチウムを製造する方法。
[19]
前記濾過ステップに続いて前記第4水溶液をイオン交換カラムに供給することで2価のイオンを除去することをさらに含む、[18]に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10