(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】治療器
(51)【国際特許分類】
A61N 5/04 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
A61N5/04
(21)【出願番号】P 2018195079
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】591032518
【氏名又は名称】伊藤超短波株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】西田 裕二
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-290472(JP,A)
【文献】特開2005-028084(JP,A)
【文献】特開2001-046522(JP,A)
【文献】特開平01-170477(JP,A)
【文献】特開平07-008566(JP,A)
【文献】国際公開第2018/089690(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/04
A61N 5/02
A61N 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超短波を、肘または膝あるいは手首もしくは足首であって治療する部位である患部に与えるために使用される治療器であって、
前記超短波を前記患部に出射し、弾性を有するとともに、力を与えない状態で中心に空間部を有するらせん形状
のコイル部であって、
人力により前記コイル部を曲げたり引っ張ることで前記コイル部に加えた力に応じて変形
して多様な部位への適用が可能であり前記
人力を解放するともとのらせん形状にもどる
前記コイル部を有する導子と
、
前記導子に電力を供給するための回路を有する本体部と、
前記回路を制御する制御部を備え、
前記導子は、前記コイル部のらせんの中心の空間部に前記患部を通して、前記コイル部がコイル形状を維持しようと前記患部に巻き付いて前記患部と密着するように前記患部に巻き付ける形で前記患部に装着されて前記超短波を前記患部に与えるものであり、前記患部によって前記コイル部の巻き数や半径が変化することを特徴とする治療器。
【請求項2】
前記治療器はさらに、設定された前記超短波の出力Psと前記患部から反射されて戻ってきた電力Prの差分である前記患部に吸収される電力Piを監視してその電力値を制御部に送る電力監視回路を有し、前記制御部が行う前記超短波の出力の制御は、前記電力Piが前記電力Piの上限値Plimを超えないように前記超短波の前記出力Psを制御することを特徴とする請求項1に記載の治療器。
【請求項3】
前記制御部が行う前記超短波の出力の制御は、前記超短波の出力最大値Pmaxよりも小さな値であって前記超短波の出力として設定できる最大値Pslimを、前記上限値Plimとして設定し、前記設定された前記上限値Plimを超えないように前記超短波の前記出力Psを制限することを特徴とする請求項2に記載の治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用、施術用、検査用、マッサージ用、及び美容用に使用される機器に関する。
【背景技術】
【0002】
超短波やマイクロ波などの電磁波を使用する治療、低周波や高周波のパルスによる治療、電位治療、微弱電流による治療、あるいは超音波による治療などの物理的なエネルギーを外部から患部に与えて治療や施術を施す所謂物理療法が注目されており、これらを実現する治療器が数多く実用化されている。当該物理療法の特徴の一つは、使用する物理エネルギーが人間にとって認識できない、あるいは認識しづらいことである。超短波、マイクロ波、赤外レーザーや超音波は、視覚、聴覚や触覚などで直接感じることができず、温感等によって辛うじて間接的に知覚できるにとどまる。微弱電流については、ほとんどの人はこれを直接及び間接的に知覚することができない。上記の各治療器に関しては、機器を使用して治療を施す者、または、治療を受ける患者が、機器から人体に出射される物理的なエネルギーを、的確に認識できない。例えば、超短波やマイクロ波、超音波を人体に出射して治療を行う治療器を使用する場合、患者は、患部が次第に温かくなること(以後、温感という)によって、超短波やマイクロ波、超音波が出射されていることを認識できるが、その出射電力については認識できない。理由は、患者が受ける温感は、当該超短波やマイクロ波の出射部に対する距離や角度、または超短波やマイクロ波を適用する部位等によって容易に変わるからである。また、患部に物理エネルギーを供給する導子と患部との接触状況によっても、人体に吸収されるエネルギーは変わり、患者の温感は継時的に大きく変わるため、出射電力を正確に認識することは困難である。
【0003】
さらに上記の超短波やマイクロ波などの電磁波を使用する治療、低周波や高周波のパルスによる治療、電位治療、微弱電流による治療、あるいは超音波による治療などの物理的なエネルギーを診断や美容に適用することも可能であってこれら物理エネルギーを使用する診断器や美容器も商品化されている。しかし、上記と同様に物理エネルギーを人体に供給する導子の接触状況で人体に吸収されるエネルギー量が変わり、患部に供給される物理エネルギーを正確に把握することはできない。
【0004】
以後、本明細書において、物理エネルギーを人体に供給する装置として、治療器や診断器や美容器等があげられるが、これを単に治療器という。治療器を使用して治療や診断や、美容器を使用して美容の施術を行うことを単に治療するという。治療器を使用した治療や診断機器を使用した診断、あるいは美容機器を使用して施術を行う者を使用者という。これらの治療や診断や美容の施術を受ける者を単に患者という。従って、特に明示が無い限り、治療器の記載は診断器や美容器を排除するものではないし、患者と記載していても怪我や疾患を持つ者のみを意味しているのではなく、検査を受ける者や美容施術を受ける者も意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-339888号公報
【文献】特開2000-189526号公報
【文献】実公平3-021254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の各治療器においては、まだまだ発展途上の段階であり、様々な理由によりその治療の効率を上げられない課題がある。その理由の一つに、上記の如く、使用する物理エネルギー、例えば超短波やマイクロ波、超音波が使用者によって直接認識しにくい点にある。上記のような治療器では、使用者が所望の強さの出力を機器に設定しても、実際に当該所望の強さの出力が患者に作用しているとは限らない。例えば、治療器の老朽化による出力の低下や、装置の故障により使用者の設定どおりの強さでの出力がされない、または出力自体がされていない等の事態が容易に発生しうる。あるいは、機器から設定どおりの出力で出射された場合であっても、患者が関節を曲げる、伸ばす等の動作、押し付ける際の圧力、あるいは導子を患部である患者の体表面に沿って動かす等によって、導子と患部との接触状況でインピーダンスが常に変化し、超短波やマイクロ波が人体によって反射され、実効的に超短波やマイクロ波が患者に十分に作用しない場合の治療効率の低下、あるいは反射波が急に小さくなることで人体へ必要以上の物理エネルギーが供給されることにより患部への作用が大きくなりすぎ、不快感を感じさせる、さらには火傷などの事故も頻繁に発生する。
【0007】
このような問題を解決するために、マイクロ波の出力部にアンテナを設け、マイクロ波電力を受信して表示するマイクロ波治療器が提案されている(特許文献1)。しかしこの文献に記載の技術では、次のような問題があり、治療効率を十分に上げることができない。例えば、前記アンテナによるマイクロ波がうまく検出できない場合を考えられ、次の理由が考えられる。一つ目は、マイクロ波の出力設定自体がされていない、例えば使用者の誤操作によりマイクロ波の出力がされていない場合であり、使用者が出力開始動作を忘れている場合も該当する。二つ目は、機器を正しく操作しているが、出力部や操作部の故障により、マイクロ波が正常に放射されていない場合である。特許文献1では使用者はアンテナ部でマイクロ波が検出されないことを知ることができるが、これが、前記の誤操作によるものなのか、あるいは故障によるものなのかは区別できない。従って、使用者は、受信電力が極端に小さい場合や電力が受信できないことを知ると、マイクロ波の照射部の位置や向きを変えて調整を試みるだけでなく、そのたびに機器の操作パネルを確認して、設定値がゼロでないことや、または出力開始スイッチがオンとなって出力がされているべきであることを、時には治療中にも関わらず治療を一時的に中止して、患者のもとを離れたり立ち上がったり振り向いたりするなど、治療姿勢を変えて確認する必要があった。使用者に因るこれらの確認作業が無ければ、使用者はマイクロ波の出力部の位置や角度が不適切なのか、出力自体がされていないのかを判断できなかった。すなわち特許文献1では、治療を中止して患者のもとを離れなければならない確認動作が必須であり、治療を再開しても、マイクロ波照射部の患部との接触状況が変化することによって、患部への作用も変化するため、治療効率を極端に低下させる、または施術効率が上がらない原因となっていた。
【0008】
逆に使用者が施術をしていない場合であってもアンテナによってマイクロ波が検出される場合がある。これにも次の理由が考えられる。一つ目は、マイクロ波の出力停止の設定や動作自体がされていない、例えば使用者の誤操作によりマイクロ波の出力が停止されていない場合であり、使用者が出力停止動作を忘れている場合も該当する。二つ目は、機器を正しく操作しているが、出力部の故障により、マイクロ波が正常に停止されていない場合である。特許文献1では使用者が施術後にアンテナ部でマイクロ波が検出されないことを知ることができるが、これが、前記の誤操作によるものなのか、あるいは故障によるものなのかは区別できない。従って、使用者は、受信電力が検出され続けていることを知ると、そのたびに機器の操作パネルを確認して、設定値がゼロであることや、または出力スイッチがオフとなって出力が停止されていることを、確認する必要があった。すなわち、機器の操作状態を確認しないと、使用者自身の誤操作があったのか、あるいは装置が故障しているのか確認できないわずらわしさがあり、容易に装置の安全性を確認できなかった。そのために使用している治療器の故障を発見することができず、あるいは故障の発見が遅れ、治療自体が実施できず治療の効率が下がる問題があった。
【0009】
上記の治療器、特に超短波やマイクロ波を使用する機器においては、別の特徴を持っている。上記の如く機器から出射された超短波やマイクロ波は人体によって吸収されると共に、反射されやすい特性を持っている。使用される超短波を検出する治療器については特許文献2に記載されている。特許文献2には、導子と機器本体を接続するコードにアンテナを付けて検出した超短波の強さを知ることができる。当該検出はコードの中程に取付けられたアンテナによって行われる。もし当該アンテナが患者や使用者に近接あるいは非常に接近する場合は、当該アンテナが超短波を誤検出する可能性があり、実際より大きな電力として検出する場合や、実際より小さな電力として検出する場合がある。実際より大きく検出した場合は、人体に吸収される超短波は小さく、患部に十分に作用できず、治療効果が十分でなく治療効率が低下しているにも関わらず、使用者は十分に効果があげられるものと誤解して治療を続けるため、治療の効果が得られず治療効率が上がらなかった。逆に実際より小さく検出した場合は必要以上に大きな電力の超短波が患部に供給され、過加熱の状態となり、最悪の場合はやけどや患部にダメージを与えることとなり、この場合も治療効果は低下して治療効率を上げることはできない。
【0010】
さらに上記の患部と導子の接触状況で物理エネルギーの供給状況が変化するという問題に対しては、例えば特許文献3に記載されている巻き付けるタイプの超短波治療用導子の場合、その都度、患者に合わせて導子を患部に巻き付けてらせん形状にして使用される。患者の身体の大きさに依存して患部に巻く太さ、位置、接触角度、押しつけ具合も変化するため、装着するたびにインピーダンスはその都度異なる。従って、装着するたびにインピーダンスマッチング調整が必要であり、超短波出力の設定値も変える必要があり、治療効果が損なわれる。
【0011】
本発明は上記の課題を解決して、治療の効率を向上させることが可能な、あるいは容易に安全性を確保した治療器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の目的を達成するため、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、超短波を、肘または膝あるいは手首もしくは足首であって治療する部位である患部に与えるために使用される治療器であって、前記超短波を前記患部に出射し、弾性を有するとともに、力を与えない状態で中心に空間部を有するらせん形状のコイル部であって、人力により前記コイル部を曲げたり引っ張ることで前記コイル部導子に加えた力に応じて変形して多様な部位への適用が可能であり前記人力を解放するともとのらせん形状にもどる前記コイル部を有する導子と、前記導子に電力を供給するための回路を有する本体部と、前記回路を制御する制御部を備え、前記導子は、前記コイル部のらせんの中心の空間部に前記患部を通して、前記コイル部がコイル形状を維持しようと前記患部に巻き付いて前記患部と密着するように前記患部に巻き付ける形で前記患部に装着されて前記超短波を前記患部に与えるものであり、前記患部によって前記コイル部の巻き数や半径が変化することを特徴としている。
【0013】
(2)さらに、本発明の治療器においては、前記治療器はさらに、設定された前記超短波の出力Psと前記患部から反射されて戻ってきた電力Prの差分である前記患部に吸収される電力Piを監視してその電力値を制御部に送る電力監視回路を有し、前記制御部が行う前記超短波の出力の制御は、前記電力Piが前記電力Piの上限値Plimを超えないように前記超短波の前記出力Psを制御することを特徴としている。
【0014】
(3)さらに、本発明の治療器においては、前記制御部が行う前記超短波の出力の制御は、前記超短波の出力最大値Pmaxよりも小さな値であって前記超短波の出力として設定できる最大値Pslimを、前記上限値Plimとして設定し、前記設定された前記上限値Plimを超えないように前記超短波の前記出力Psを制限することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、治療効率の低下を防ぎ、治療効率を向上させることが可能となる。さらに、コイル形状導子の場合、らせん形状の内部に超短波の電磁界が集中することから、導子表面に対しては電磁界は弱く且つ、接触面積も小さいため、患者に火傷を負わせる危険性を下げ、安全に長時間使用可能であって、且つ安定した治療効果を得ることができる。
【0016】
本発明により、治療効率を向上させることが可能な治療器を提供できる効果がある。その一つとして、力を付与しない自然な状態(以下、自然状態と称する)でらせん型の形状を有するコイル導子によって使用者の患部に対して物理エネルギーを供給することで、導子の接触状態によるインピーダンスの大きな変化がなく、患部への安定したエネルギー供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の治療器の本体部を説明する説明図である。
【
図2】本発明の治療器の本体部の操作部を説明する説明図である。
【
図3】本発明の治療器の接続部と通知部を示す説明図である。
【
図4】本発明の治療器に使用する導子を説明する説明図である。
【
図5】本発明における導子を説明する説明図である。
【
図6】本発明における導子を説明する説明図である。
【
図7】本発明における検出部の回路を説明する説明図である。
【
図8】本発明における検出表示部の点灯状態と検出した超短波の電力の関係を示す説明図である。
【
図9】本発明における検出部の点灯状態と検出した超短波の電力の他の関係を示す説明図である。
【
図10】本発明における検出部の回路を説明する説明図である。
【
図11】本発明における導子の他の様態を示す説明図である。
【
図12】本発明における導子の他の様態を示す説明図である。
【
図13】本発明における導子の他の様態を示す説明図である。
【
図14】本発明における導子の他の様態を示す説明図である。
【
図15】本発明における導子の使用方法を説明する説明図である。
【
図16】本発明における通知部の通知方法を示す説明図である。
【
図17】本発明における超短波治療器の構成を示すブロック図
【
図18】本発明における出力検出と制御を説明する説明図である。
【
図19】本発明における出力制限と制御を説明する説明図である。
【
図20】本発明の治療器の本体部の操作部を説明する説明図である。
【
図21】本発明における通知部の通知方法の他の様態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態においてはエネルギーの供給装置として、超短波を使用して治療を行う治療器を例に挙げて説明するが、個々の物理エネルギーに固有の場合を除いて、超短波に限らずマイクロ波を使用する治療器であっても、超音波を使用する機器であっても、電位治療器であっても、レーザー治療器であっても、これらを組み合わせて使用する治療器であってもよい。さらには、超短波やマイクロ波等の電磁波と、超音波や低周波を使用する治療機器であってもよい。
【0019】
図1は本発明によるエネルギー供給装置としての治療器1の本体部11の斜視図である。治療器1の本体部11は機器の操作を行う操作部12と別途記載の導子を収納する収納部13と当該導子と本体部11を電気的に接続する接続部14、及び超短波の出力開始操作が行われたことを通知する第1の通知部である通知部A15を有する。この他に本体部11には電源に接続する電源コードや移動用のキャスターや、その他の治療に必要な部分があるが、本発明の本質的な部分ではないので説明を省略する。
【0020】
図1の治療器1は同時に複数個所の患部、または複数の患者を治療できるように、複数のチャネルを持ち、例えば3チャネルの出力を備える。チャネル数はこれに限定されない。1チャネルのみの構成でもよいし、複数のチャネルを有する構成でもよい。例えば2チャネルの構成でもよく、あるいは4チャネル以上の構成であってもよい。
【0021】
図2は操作部12の拡大図であり、3チャネルを個別に設定するために設定部A211、設定部B212及び設定部C213を有する。本実施の形態では、設定部A211によってチャネル1を、設定部B212によってチャネル2を、設定部C213によってチャネル3を制御する。
【0022】
図2の操作部12には、メインスイッチ25を有する。メインスイッチ25を一回押すと本体が起動して本体部11の電源がオンされ、再度押すと総てのチャネルの出力が停止され、本体部11がシャットダウンされて電源がオフとなる。すなわちメインスイッチ25は緊急停止ボタンとしても機能する。
【0023】
操作部12には当該3つのチャネルを、別々に出力開始制御ができるように、出力開始ボタンA221、出力開始ボタンB222、出力開始ボタンC223を持つ。超短波の出力がオフの状態でこれらの出力開始ボタンを押せば、一定時間、例えば20分間、超短波が出力されて治療が可能となる。本実施の形態では、3つのチャネルに相当するように3つの出力開始ボタンが配置されているがこれに限定されず、1チャネルなら出力開始ボタンは一つでよく、チャネル数に相当するように設けられていればよい。さらに出力開始ボタンA221他を押して治療ができる時間は20分に限定されず、15分とすることや、30分としてもよく、適宜時間を設定するような構成でもよい。さらにチャネルごとに時間を変更してもよいし、時間を制限しないで連続的に治療できる構成でもよい。
【0024】
さらに当該3チャネルを別々に出力停止ができるように、出力停止ボタンA231、出力停止ボタンB232、出力停止ボタンC233を持つ。超短波の出力がオンの状態でこれらの出力停止ボタンを押せば、すなわち、出力停止ボタンA231のみを押せばチャネル1の超短波出力のみが、出力停止ボタンB232のみを押せばチャネル2の超短波出力のみが、出力停止ボタンC233のみを押せばチャネル3の超短波出力のみがそれぞれ個別に停止される。さらに、出力停止ボタンA231とB232を押せばチャネル1と2の超短波出力が、出力停止ボタンB232と出力停止ボタンC233を押せばチャネル2と3の超短波出力が、出力停止ボタンC233と出力停止ボタンA231を押せばチャネル3と1の超短波出力がそれぞれ停止される。本実施の形態は、3チャネルに相当するように3つの出力停止ボタンを有しているがこれに限定されず、1チャネルなら出力停止ボタンは一つでよく、チャネル数に相当するように設けられていればよい。これら個別の出力停止ボタンとは別に全チャネル出力がすべて停止される緊急停止ボタン(不図示)をメインスイッチ25とは別に配置してもよい。
【0025】
また、上記各設定部は出力調整を行う調整部A241、調整部B242及び調整部C243を有する。これら調整部により各チャネルの出力値が調整される。これら調整部は本実施の形態ではスライド式の調整手段を使用しているが、ダイヤル式やエンコーダを使用することも可能であり、例えば無段階式のボリュームであってもよく、各チャネルの出力が個別に設定できれば、特に限定されない。後述されるが、この設定値に基づく出力から人体に吸収されず、反射される出力を除いた、実際に人体に供給される出力について上限値が設けられており反射波が急に小さな値になったとしても、患部に供給される出力は火傷を起こすような事故にならない程度の出力となるように抑制されている。
【0026】
本実施の形態では、出力の開始と停止を行うために、別々のボタンを使用して、出力の開始と停止を制御しているがこれに限定されず、例えばトグルスイッチを、当該出力開始や停止のスイッチの代わりに使用する構成でもよい。あるいは調整部A241から調整部C243を使用して、出力をゼロに設定すると出力が停止し、ゼロ以外に設定すると、これに連動して自動的に出力が開始される構成でもよく特に限定されない。この場合、調整部A241等は各チャネルの出力の設定を行う調整部であって、出力開始ボタンでもあり、出力停止ボタンとしても機能する。
【0027】
上記においては、出力の設定や調整、あるいは出力開始や停止について個別にスイッチや調整器を使用しているがこれに限定されない。例えば出力の調整については、ボリュームやエンコーダを使用する代わりに、操作パネルやキーボードを使用してソフトウェアによって設定や調整を行うこともできる。あるいは、出力の開始や停止についても同様に操作パネルやキーボードを使用してソフトウェアによって出力開始や停止を行うこともできる。さらにはこれらすべての操作を操作パネルやキーボードを使用してソフトウェアによって行うことでもよい。
【0028】
図3は接続部14と通知部A15を示している。接続部14に3チャネル分のコネクタ接続部A311、コネクタ接続部B312及びコネクタ接続部C313がある。各コネクタ接続部には、本実施の形態の治療器1専用の形状のコネクタを差し込むことができるようになっている。
【0029】
通知部A15には、視覚を利用して通知する視覚通知手段として、各チャネルの個別通知手段である、LED部A321、LED部B322及びLED部C323が設けられている。これらは、上記コネクタ接続部A311からコネクタ接続部C313に接続された導子に対して、出力が開始される操作をした場合、すなわち、前記出力開始ボタンA221から出力開始ボタンC223が押された場合にLEDが点灯する。より具体的には、出力開始ボタンA221が押されればLED部A321が、出力開始ボタンB222が押されればLED部B322が、出力開始ボタンC223が押されればLED部C323が点灯する。また、複数の出力開始ボタンが押されれば、当該出力開始ボタンに対応した複数のLED部がする。たとえば、出力開始ボタンA221と出力開始ボタンB222が押されればLED部A321とLED部B322が点灯する。出力開始ボタンB222と出力開始ボタンC223が押されればLED部B322とLED部C323が点灯する。出力開始ボタンA221と出力開始ボタンC223が押されればLED部A321とLED部C323が点灯する。全出力開始ボタンが押されれば、全LED部A321からLED部C323が点灯する。
【0030】
逆に、出力停止ボタンA231が押されてチャネル1の超短波の出力が停止された場合は対応したLED部A321が消灯する。また、出力開始ボタンA221が押されて超短波の出力が開始されて20分後に超短波出力が停止した場合にもLED部A321は消灯する。この動作は他のチャネルについても同様である。すなわち、出力停止ボタンB232が押されてチャネル2の超短波の出力が停止された場合は対応したLED部B322が消灯する。また、出力開始ボタンB222が押されてチャネル2の超短波の出力が開始されて20分後にチャネル2の超短波出力が停止した場合にもLED部B322は消灯する。同様に、出力停止ボタンC233が押されてチャネル3の超短波の出力が停止された場合は対応したLED部C323が消灯する。また、出力開始ボタンC223が押されてチャネル3の超短波の出力が開始されて20分後にチャネル3の超短波出力が停止した場合にもLED部C323は消灯する。
【0031】
本実施の形態は、3チャネルに相当するように3つのLED部を有しているがこれに限定されず、1チャネルならLED部は一つでよく、チャネル数に相当するように設けられていればよい。または、上記通知部A15には、本実施の形態では各チャネルについてそれぞれのLED部が設けられているが、これに限定されず、各チャネルに共通の通知手段として、LED部D324(不図示)が配置されていてもよい。すなわち、出力開始ボタンA221または出力開始ボタンB222あるいは出力開始ボタンC223のいずれかが押された場合に当該共通の通知手段であるLED部D324が点灯する構成でもよい。この場合は、出力開始ボタンA221と出力開始ボタンB222と出力開始ボタンC223のいずれか2つ、または総てが押された場合であってもLED部D324が点灯する。逆に、総ての出力が停止されている場合に限りこのLED部D324は消灯する。当該共通の通知手段は、各個別の通知手段の代わりに、すなわちLED部A321からLED部C323の代わりに配置されて使用されてもよいし、上記のように各チャネルに相当するLED部A321からLED部C323の他にLED部D324を設けてもよい。あるいは、1つ目のチャネルについては、個別のLED部A321を配置し、2つ目のチャネルと3つ目のチャネルについては共通のLED部E325(不図示)を配置するような構成でもよい。
【0032】
上記において、通知手段はLEDを使用した視覚通知手段の構成であるが、これに限定されない。出力の際、使用者に出力されていることを報知する、音発生手段を備え、前記音発生手段は、出力の際に音を発生させ、前記音の出力間隔、高さ、大きさによって出力状態を明確にする通知手段でもよい。例えば、ビープ音、チャイムの音、鈴の音、鐘の音、ベルの音、電子的な音、あるいはその他の音による音響的な通知であって聴覚を利用して通知を行う聴覚通知手段であってもよい。例えば動物の鳴き声や、人の声、音楽や歌、あるいは水の流れる音、波の音や風の音のように自然の音でもよく、これらをデータとして保存して通知の際に通知音として使用してもよい。
図3では本体部11の前面に聴覚通知手段として、通知音である鈴音を発する発音部33を通知部A15に配置している、すなわち本体部11の前面に配置している。聴覚通知手段が設けられる場所は特に限定されないが、本体部11の前面や上面が望ましく、側面や裏面であってもよい。また発音部33は通知部A15に設けられていてもよいが、通知部A15以外に設けられていてもよい。
【0033】
図3では当該発音部33は、いずれか一つのチャネルから出力された場合に通知音として鈴音が定期的に、例えば10秒間隔で発せられる。例えば、前記出力開始ボタンA221が押された場合に発音部33から鈴音が10秒おきに発せられる。同様に、出力開始ボタンA221ではなく、出力開始ボタンB222や出力開始ボタンC223が押された場合にも発音部33から鈴音が発せられる。逆に、チャネル1のみから超短波が出力されている場合に、出力停止ボタンA231等が押されて超短波の出力が停止された場合は当該鈴音も停止する。すなわち、総ての出力が停止された場合に限り発音部33からの音が停止する。また、出力開始ボタンA221が押されて超短波の出力が開始されて20分後に超短波出力が停止した場合にも総ての出力が停止されていれば、発音部33は発音を停止し鈴音が停止する。
【0034】
尚、発音部33は一つの音を発するような構成でもよいし、各チャネルに対応した、それぞれ異なる音を発するようにしてもよい。音を発する間隔も10秒でなくても、7秒や15秒、あるいはそれ以上でも以下でもよく、連続して音を発していてもよい。通知音として音楽を使用する場合は連続の方がよい。さらに、発音部33の音はあらかじめ設定された音に限定されず、音データを変更することによって切り替えてもよく、複数のデータを本体部11に保持しておき、自由にそのデータの一つを読み出して発音部33からの音を変更できるような構成でもよい。または自由に音データを入れ替えて使用するような構成でもよい。例えば患者が子供の場合は、子供をリラックスさせるために犬や猫のなき声、あるいは小鳥のさえずりを鈴音の代わりに使用してもよい。さらには、複数の音データを自由にあるいはランダムに変更して発音部から音を発してもよい。さまざまな音は患者が飽きることが無いので比較的長い治療時間の場合でも、子供に限らず患者がじっとして治療を受けることができやすいので治療効率が向上する。
【0035】
当該発音部33は、いずれか一つのチャネルから出力された場合に一つの音を発するような構成でもよいし、各チャネルに対応した、それぞれ異なる音を発するようにしてもよい。例えば、チャネル1から出力されている場合は鈴音1、チャネル2から出力されている場合は鈴音2、チャネル3の出力がされている場合は鈴音3が発せられるような構成でもよい。もちろんこれらのチャネルの出力が停止されると、対応する鈴音も停止される。さらに、
図3は、発音部33は一つだけが配置されている例であるが、例えば個々のチャネルにそれぞれ発音部A331(不図示)、発音部B332(不図示)、発音部C333(不図示)を設けてもよい。この場合、前記出力開始ボタンA221が押された場合に発音部A331から鈴音が10秒おきに発せられる。同様に、出力開始ボタンB222や出力開始ボタンC223が押された場合にも各々当該発音部B332、発音部C333から鈴音が発せられる。このとき、音の区別ができるように音程を変える、あるいは鈴音1の代わりに別の鈴音2、または別の音、例えばチャイム音等が各々設定されることが望ましい。チャネル1のみから超短波が出力されている場合に、出力停止ボタンA231等が押されて超短波の出力が停止された場合は当該鈴音も停止する。同様に、チャネル2、3から各々超短波が出力されている場合に、対応する出力停止ボタンB232、出力停止ボタンC233が押されて超短波の出力が停止された場合は当該音も各々停止する。また、出力開始ボタンA221が押されて超短波の出力が開始されて20分後に超短波出力が停止した場合にも、発音部A331は発音を停止し鈴音が停止する。チャネル2、3に対する出力開始ボタンB222、出力開始ボタンC223の動作も同様である。
【0036】
以上のように、超短波の出力に合わせて音を発生させ、音の出力間隔、高さ、大きさ等で治療姿勢を変えることなく使用者に報知することができる。従って、適切な治療を患者に安全に長時間施すことが可能で、治療効率のよい治療器を提供できる。
【0037】
図4は治療器1で使用可能な3つのタイプの導子を示している。本実施の形態においては、3つのタイプの導子、および後述の
図6で示すコイル導子を使用することとして説明しているが本発明はこれに限定されない。これら導子のうちの一つのタイプのみを複数使用してもよいし、2種類の導子を使用する構成でもよい。または、これらのタイプの導子のいずれとも異なるタイプの導子を使用してもよい。
【0038】
図4(a)は比較的大きな患部、例えば腰や背中に使用される導子であるコイルタイプの導子A41である。導子A41は、超短波を出射するコイルが内蔵されている導子部A411とケーブルA413及びコネクタA414によって構成され、コネクタA414によって本体部11のコネクタ接続部A311からコネクタ接続部C313のいずれかに接続される。本発明の導子においては、前記導子に、押している間だけスイッチがオフになる自己復帰型の押ボタンスイッチを設け、導子を装着した状態で例えば患者が横になった姿勢の際、あるいは椅子に座った際に、患部によって当該スイッチが押されている間だけスイッチオフになり、導子からの出力を止めて、長時間の物理エネルギーを受けることを抑止することを特徴としている。導子部A411には押されている間だけスイッチがオフになる自己復帰型の押ボタンスイッチA412が設けられている。押ボタンスイッチA412は押されると、導子部A411への電力供給が止まる。押ボタンスイッチA412を押す力がなくなると、押ボタンスイッチA412はオンになり、導子部A411は通電し、超短波の出力が再開される。患者が導子を装着したまま横になって寝る姿勢をとり、そのまま実際に寝てしまった場合に、あるいは椅子に座って背もたれと患部との間に導子が挟まれた状態となった場合に、超短波出力が変わらず持続すると長時間の超短波照射を受けることになって火傷の危険性が生じるが、押ボタンスイッチA412があることで、患者の自重によって押ボタンスイッチA412が押されスイッチがオフとなり、導子部A411への電力供給が絶たれることで超短波出力が0にされるため、寝ている間に超短波の出力が継続して患部の温度が上がり過ぎて火傷を起こすことを防ぐことができる。患者が体を起こす姿勢に戻ると押ボタンスイッチA412は押す力がなくなることから自動的にオンに戻るため再び超短波出力が導子部A411より行われる。なお、
図4(a)では導子部A411の右上隅付近に押ボタンスイッチA412が設けられているが、患者の自重で押ボタンスイッチA412が押される位置にあればどの位置にあってもよい。この特徴により、適切な治療を患者に安全に長時間施すことが可能で、治療効率のよい治療器を提供できる。
【0039】
図4(b)は比較的小さな患部に使用される導子であってコンデンサタイプの導子B42である。導子B42は、2個で対となるように導子部B421と導子部C422、導子部B421に接続されたケーブルB423、導子部C422に接続されたケーブルC424、及びコネクタB425によって構成され、コネクタB425は本体部11のコネクタ接続部A311からコネクタ接続部C313のいずれかと接続される。導子B42を使用する場合は、2個の導子部によって患部、例えば膝を挟んで治療を行う。挟むときは不図示のベルト等を使用してもよく、患部に対して所望の位置に所望の角度で導子を維持できれば特にその固定方法については限定しない。
【0040】
尚、図ではコイルタイプの導子A41がコンデンサタイプの導子B42より大きいが、これに限定されず、コンデンサタイプの導子がコイルタイプの導子より大きくてもよい。あるいはコイルタイプの導子A41とコンデンサタイプの導子B42は同じ大きさであってもよい。そして使用する部位についてはこれらタイプの導子部の大きさによって決定すればよい。さらに導子A41同様に導子B42においても各々の導子部B421、導子部C422に自己復帰型の押ボタンスイッチB426(不図示)、押ボタンスイッチC427(不図示)を設けてもよい。導子A41同様に患者の自重による超短波出力オフ動作を可能とすることで、寝た姿勢を続けてしまい、長時間超短波照射を受けることによる火傷を防ぐことができる。火傷が発生すると超短波による治療が困難となるので治療効率が低下するが、上記のような構成では火傷が回避できるので火傷による治療停止を回避でき、従って、同様に、適切な治療を患者に安全に長時間施すことが可能で、治療効率のよい治療器を提供できる。
【0041】
図4(c)はさらに小さい患部をピンポイントで治療する場合に使用するプローブタイプの導子C43を示している。導子C43も対となる2つの導子部によって構成され、本実施の形態では、導子部D431とプローブタイプの導子部E432、導子部D431に接続されたケーブルD433、導子部E432に接続されたケーブルE434、及びコネクタC435によって構成され、コネクタC435は本体部11のコネクタ接続部A311からコネクタ接続部C313のいずれかに接続される。導子C43の使用方法は、患者が、例えば診察台に仰向けに横たわり、背中と診察台の間に導子部D431を挟む。使用者、例えば医師が導子部E432を患者の腹部表面を移動させ、超短波を患者に照射しながら治療を行う。使用方法はこれに限定されない。例えば椅子の座面に導子部D431を置き、その上に患者が座り、医師等の使用者が導子部E432を患者の腹部や背中などの体表面を滑らせて移動させながら、超短波を患者に照射して治療を行う。導子C43によって治療を行う患部は、腹部や背中に限らず、肩、上肢、下肢あるいは腰などであってもよく、患者の状態に合わせて適宜決定してよい。
【0042】
上記導子C43のようなプローブタイプの導子は、使用者が当該プローブタイプの導子を移動させながら使用するので、導子を患者に対して押し付ける角度や強さによって超短波の反射度合いが変化しうる。導子を移動させた場合であっても超短波の反射を抑えて常に超短波が効率よく患部に適用されるように、使用者は導子の位置や角度、押し付け度合いを調整するのが好適である。ところが超短波は使用者が認識することができず、超短波が効率よく患部に適用されているか判断できず、導子の角度、位置や患部への押し付け程度が不適切なまま、すなわち、超短波のほとんどが患部に適用されない状態で使用される場合があり、この場合は治療の効率が著しく低下していた。これに対して本実施の形態の導子C43には超短波を検出する検出部51と検出した超短波の状態を使用者に通知する通知部A15を配置している。
【0043】
図5は導子部E432の詳細な図である。(a)は左側面図を示し、(b)は矢印Aの方向から見た場合の外観図、(c)は断面図である。
【0044】
図5において検出部51は、超短波を受信する検出手段であるアンテナ部52と、回路部53で構成され、アンテナ部52と回路部53は導子部E432の内部に、
図5(a)では点線の位置に配置されている。すなわち、導子部E432に内蔵されていて、外部から見ることはできない。尚、アンテナ部52と回路部53は
図5のように別体として構成されてもよいし、一体として構成されてもよい。さらに、アンテナ部52や回路部53は
図5のように円筒状の筒部59の内部に配置されていてもよいし、把持部56の内部であってもよいし、さらにはケーブルE434を保護するためのジョイント保護部513の内部であってもよいし、ケーブルE434に配置されていてもよく、超短波の的確な検出が行えればよい。
【0045】
筒部59は樹脂製であって、把持部56の前方から上方に伸びるように把持部56と一体成型によって構成されている。筒部59は図のように直線状に伸びる筒状であってよいし、手前にカーブする形状であってもよいし、あるいは後述するように筒部の途中で折れ曲がる形状でもよい。さらに、
図5では筒部59は把持部56の付け根部分から同じ太さで構成されているがこれに限定されない。すなわち、使用者が持ちやすく、治療がしやすい、あるいは導子部E432の患部に対する位置を維持しやすいように、太さや位置や長さ、あるいは材質や角度や重さを適宜調整すればよい。
【0046】
さらに、
図5では、超短波を検出したことを通知する第2の通知部として通知部B55を有し、通知部B55は検出表示部A541、検出表示部B542及び検出表示部C543で構成されている。ここで、検出表示部は3個に限定されず、2個でもよいし、1個でもよく、4つ以上でもよい。さらに通知部B55は視覚によって通知を行うが、これに限定されず、音によって通知を行う構成でもよく、さらには表示と音によって通知を行う構成でもよい。また、
図5ではアンテナ部52と回路部53と通知部B55は導子C43に配置されているが、これに限定されず、導子A41や導子B42に配置されていてもよい。
【0047】
図6はコイル導子61の詳細な図である。コイル導子61はコイル導子部611、ケーブルF612、コネクタD613で構成され、コネクタD613によって本体部11のコネクタ接続部A311からコネクタ接続部C313のいずれかに接続される。コイル導子部611はらせん形状を有し、患部、例えば、患者の腕、脚をらせんの中心に通して、巻き付ける形で使用し、らせんの中心の空間部614に患部が配置される。すなわち、腕あるいは足、胴体といった体の部位を空間部614に挿入してこれら部位の表面に巻き付ける形で装着される。コイル導子部611は弾性を有する金属コイルであり、表面は柔軟性のある樹脂で被覆される。コイル導子部611は、例えば電話機の本体と受話器をつなぐスパイラル状のコード又はスプリング状のコード或いはカール状のコードのように、力を加えない自然な状態(自然状態)ではらせん形状やスパイラル形状であるが、加えた力に応じて変形する、例えば折り曲げれば曲がり、引っ張ればスパイラルが伸びで全体が長くなるものの、加えた力を解放すると元のらせん状やスパイラル状に戻るように構成されている。らせん形状は例えば太い金属棒等に巻いて作る、いわゆる塑性加工成形技術で実現し、比較的に容易且つ安価に製造可能である。コイル導子部611は金属コイルに限らず、導電性をもった弾性部材であればよい。従って弾性樹脂の周りを導電性部材、例えば導電性ゴムで被覆することで、コイル導子部611としてもよい。
図5のプローブタイプ導子同様に、超短波を検出する検出手段であるアンテナ部52、回路部53、検出を通知する通知部B55を備えていてもよいし、導電性はあるが弾性はほとんどない単なる銅線等のケーブルの周りに弾性を有する被覆材料、例えばエラストマーを使用して弾性のあるらせん状のコイル導子部611としてもよい。または、コイル導子部611に着脱可能部を設けて分割できる構成でもよい。例えば、
図6(b)はコイル導子部611を紙面上方から見た場合の模式図であるが、コイル導子部611の両側に着脱可能な開閉部を設けて
図6(c)のように2つに分割可能な構成として患者への装着を容易としてもよく、あるいは
図6(d)のようにコイル導子部611の一方のみに開閉部を設けて、当該一方のみを開閉して患者への装着等を行ってもよい。その配置については、コイル導子部611とケーブルF612の間に配置されてもよいし、ケーブルF612に配置されてもよく、超短波の的確な検出が行えればよい。
【0048】
図7は上記検出部51の回路部53の回路図である。回路部53はアンテナ部52で受信した超短波電力を使用して、検出表示部A541、検出表示部B542及び検出表示部C543を点灯させる。検出表示部A541はLED-A741を使用して点灯させる。同様に、検出表示部B542はLED-B742で、検出表示部C543はLED-C743で点灯する。LED-A741、LED-B742及びLED-C743は青色LEDを使用している。
【0049】
図では検出表示部A541から検出表示部C543のそれぞれに一つのLEDを使用しているが、LEDの数はこれらに限定されず、検出表示部が異なる数のLEDで構成されていてもよい。例えば、検出表示部A541はLED-A741が1つ、検出表示部B542はLED-B742が2つ、検出表示部C543はLED-C743が3つ使用される構成でもよい。さらに、各検出表示部に使用されるLEDは検出表示部A541から検出表示部C543で異なるLEDを使用してもよいし、同じLEDを使用してもよい。例えば使用するLEDの個数を増やす代わりに輝度の高いLEDを使用するような構成でもよいし、輝度を変えると共に個数を変えて各検出表示部が構成されていてもよい。
【0050】
検出表示部A541から検出表示部C543は、検出された超短波の強度に対応して点灯するように設定されている。本実施の形態においては、検出された超短波が比較的弱い場合は検出表示部A541のみが、すなわちLED-A741のみが点灯する。中程度の場合は検出表示部A541と検出表示部B542が、すなわちLED-A741とLED-B742が点灯する。比較的強い場合は検出表示部A541から検出表示部C543の総てが、すなわちLED-A741、LED-B742及びLED-C743の総てが点灯するように設定されている。LED-A741の点灯には、ダイオードA721、抵抗A731、ツェナーダイオードA751、コンデンサA761及び抵抗D771を使用した回路(以後、第1段目の回路という)が使用され、アンテナ部52で受信した電力を利用してLED-A741により検出表示部A541が点灯する。LED-B742の点灯には、ダイオードB722、抵抗B732、ツェナーダイオードB752、コンデンサB762及び抵抗E772を使用した回路(以後、第2段目の回路という)が使用され、アンテナ部52で受信した電力を利用してLED-B742により検出表示部B542が点灯する。同様に、LED-C743の点灯には、ダイオードC723、抵抗C733、ツェナーダイオードC753、コンデンサC763及び抵抗F773を使用した回路(以後、第3段目の回路という)が使用され、アンテナ部52で受信した電力を利用してLED-C743が点灯して検出表示部C543が点灯する。このような設定は
図7の回路における、抵抗、コンデンサ、ダイオード等の仕様やパラメータを調整することによって自由に設定可能である。
【0051】
図8に検出表示部A541から検出表示部C543の点灯状態と検出した超短波の電力の関係を示している。横軸はアンテナ部52で検出した超短波の電力であり、縦軸は各表示部に使用されるLEDの輝度を示している。実線は検出表示部A541のLED-A741の発光特性、点線は検出表示部B542のLED-B742の発光特性、そして一点破線は検出表示部C543のLED-C743の発光特性を示している。まず、受信電力がP1で検出表示部A541が点灯を始める。但し、P1での輝度はそれほど大きくない。さらに受信電力が大きくなると、検出表示部A541が徐々に明るくなる。受信電力がP2において、検出表示部B542が点灯を開始する。受信電力がP1からP2の間は、受信電力に応じて検出表示部A541の明るさが上昇する。受信電力P3になった時点でさらに検出表示部C543が点灯を開始して明るくなり始める。電力がP2からP3の間は、検出表示部A541の明るさは変わらないが、検出表示部B542の明るさは受信電力によって徐々に明るくなる。以下、同様に受信電力の強度によって検出表示部B542や検出表示部C543の明るさが変わる。
【0052】
図8は一つの例であって、検出表示部の点灯状態は、上記抵抗やダイオードの設定、あるいはLEDの選択によって
図8の代わりにいろいろな設定が可能である。例えば
図8では検出表示部A541が最大輝度になる前に第2段目の検出表示部B542が点灯を開始し、第2段目の検出表示部B542が最大輝度に達する前に第3段目の検出表示部C543が点灯を開始するが、これに限らず、検出表示部A541が最大輝度かほぼ最大輝度になった後に検出表示部B542が点灯を開始し、検出表示部B542が最大輝度またはほぼ最大輝度になった後に検出表示部C543が点灯を開始するような構成でよい。
【0053】
図9は、この場合の検出表示部A541から検出表示部C543の点灯状態と超短波の検出電力の関係を示している。検出電力P1で検出表示部A541が点灯を開始し、P5で検出表示部B542が点灯を開始する。P5では検出表示部A541は最大輝度あるいはほぼ最大輝度になっている。さらにP6で検出表示部C543が点灯を開始する。既にP6では検出表示部B542は最大輝度あるいはほぼ最大輝度になっている。
【0054】
図8及び
図9では各検出表示部の最大輝度、すなわち各LEDの最大輝度は変えてあるが、これに限定されず、総ての検出表示部の最大輝度を一定にしてもよく、一部の検出表示部のLEDの最大輝度を一定にして他を変更してもよい。例えば検出表示部A541と検出表示部B542の最大輝度を同じとし、検出表示部C543の輝度を検出表示部A541や検出表示部B542より大きく設定するような構成でもよい。
【0055】
本実施の形態においては検出表示部に使用するLEDである、LED-A741、LED-B742及びLED-C743は同じ色、例えば青色としているがこれに限定されず、白色でも赤色でもよい。さらに、全LEDを同じ色とせずに、異なる色としてもよい。例えば最も弱い電力を検出した場合に点灯する検出表示部A541に使用されるLED-A741は白色、次に点灯するLEDであって本実施の形態ではLED-B742は青色、そして最も高い電力を示すLEDであって本実施の形態ではLED-C743は黄色のLEDであってもよい。このように検出した電力によってLEDの色を変えることでもよく、使用者がより容易に受信した電力を認識できるのでより望ましい。
【0056】
また、上記のように本実施の形態では、検出した超短波の電力に応じて、検出した電力が比較的弱い場合は検出表示部A541、中程度の場合は検出表示部B542、比較的強い場合は検出表示部C543が点灯するようになっており、すなわち、検出した電力を、ゼロまたは非常に弱い場合を含めて4段階に分けて表示している。しかし本発明はこれに限定されない。例えば検出した電力の有無を示す2段階、すなわち検出表示部A541と第1段目の回路のみを配置し、超短波が検出できた場合は検出表示部A541を点灯させ、検出できないあるいは検出した電力がゼロに近く非常に弱い場合は検出表示部を点灯させないとすることでもよい。
【0057】
あるいは、検出した電力が強い、弱い、または検出できないかゼロに非常に近い、の3段階でもよい。あるいは5段階以上としてもよい。この他に、検出した電力を表示するために電力メータを配置してもよく、または検出した電力を数値化してデジタル表示を行ってよい。さらには、電力を使用して上記のようにLEDを点灯させるのではなく、音を鳴らすことでもよい。例えば検出した電力が小さい場合は低い音として、電力が大きくなるにしたがって高くなるような音を鳴らすことでもよい。
【0058】
上記の実施の形態においては、本体部11が故障した場合を想定していないが、機器の老朽化や誤操作、その他の理由により、装置が故障する、または一時的に誤動作することは避けることができない。故障や一時的な誤動作が発生したら、想定を超える非常に強い超短波が患者に照射されることもあるために、直ちに装置の電源を落とす、あるいは導子を患者から引き離す等の措置を一刻も早く取らなければ、患者がやけどを負うなどの事故に発展しうる。本発明はこれについても対応可能である。
【0059】
図10は回路部53の他の例を示している。この図では、第3段目の回路の他に、第4段目の回路を配置し、第4段目の回路には警告手段としての警告用回路と警告部としてのブザー91が接続されている。すなわち、第2の通知手段として、警告手段を使用している。当該第4段目の回路は、ダイオードD924、抵抗G934、ツェナーダイオードD954、コンデンサD964、抵抗H974を使用して警告用回路を構成する。この例では、比較的弱い超短波が検出された場合に、第1段目の回路によってLED-A741が発光して検出表示部A541が点灯し、検出電力が大きくなると第2段目の回路によってLED-B742が発光して検出表示部B542が点灯し、さらに超短波の電力が大きくなると第3段目の回路によってLED-C743が発光して検出表示部C543が点灯する。ところが、装置の誤動作や故障によって想定を超えた非常に強い電力が検出された場合は、第4段目の回路によってブザー91が発音して警告が通知される。警告手段はブザーに限らず、スピーカを使用して警報を出すような構成でもよい。または発音による警報でなくても、非常に明るいLEDを使用して、あるいは赤色のLEDを使用してもよく、あるいはこれらLEDと音による警告、例えばブザー91の併用であってもよい。
【0060】
さらに
図10では3段階の検出表示と警告が行える構成であるが、これに限定されず、第1段目の回路と警告用回路を使用する構成でもよいし、第1段目の回路の他に第2段目の回路を使用し、さらに警告用回路を使用してもよい。あるいは、第2の通知手段として視覚による通知部B55を配置せずに、
図9を一例とする警告用回路と警告手段であるブザー91のみを配置するような構成でもよい。
【0061】
続いて導子C43のさらなる詳細な構成について説明する。
図5(a)において導子部E432には、導子部E432を把持するドーム状の把持部56と導子部E432が人体表面に接触する接触平面57及び、接触平面57に設けられた小型ドーム状の凸部58が設けられている。
【0062】
図5(c)は導子部E432の断面である。このように凸部58の内部に電気エネルギー出射部である超短波出射部512が設けられており、ケーブルE434は筒部59の内部に設けられたアンテナ部52及び回路部53の中を通って、つまり検出部51の内部を通って超短波出射部512に接続されている。回路部53はドーナツ状の基盤に上記の第1段目の回路等が設けられており、当該ドーナツ状の基盤の中央の穴をケーブルE434が通っている。回路部53の基盤は、一枚の基板に上記の第1段目の回路、第2段目及び第3段目の回路が設けられてもよいし、例えば3枚の基板にそれぞれに第1段目の回路、第2段目及び第3段目の回路が設けられて構成されてもよい。本実施の形態では、ケーブルE434は検出部51の内部のドーナツ状基板の中央の穴を通って超短波出射部512に接続されているがこれに限定されず、ケーブルE434の両側、若しくはその一方に検出部が配置されるような構成でもよい。
【0063】
また通知部B55は筒部59の表面に設けられている。通知部B55の検出表示部A541、検出表示部B542及び検出表示部C543は、当該導子部E432を右手で持った場合に見やすいように
図5(b)の紙面左側の筒部59に配置されているがこれに限定されず、紙面右側の筒部59表面に配置されていてもよく、右側と左側の両方でもよく、あるいは120度の中心角をもって3方向に配置されていてもよく、さらには筒部59の全周にわたって環状に設けられていてもよい。全周に配置する場合は、例えば
図5に例示された回路部53を複数、例えば3つまたはあるいは4つ以上使用する構成でもよい。この場合はこれら複数の回路にそれぞれアンテナ部52を配置してもよく、あるいはアンテナ部52をこれら複数の回路に共通としてもよい。または、回路部53は一つだけ配置し、LED-A741、LED-B742及びLED-C743を複数使用して筒部59の全周にわたって配置してもよい。例えば、3個のLED-A741を筒部59の全周に均等に配置し、さらに6個のLED-B742を筒部59の全周に配置し、9個のLED-C743も筒部59の全周に配置してもよい。
【0064】
導子部E432には
図5のように凸部58がある。凸部58と接触平面57はプローブタイプの導子にとっては、例えば導子部E432のような導子にとっては非常に有益である。このようなプローブタイプの導子は既述したように人体の表面を滑らせるように移動させて使用する。例えばコリの強い患部(以後、コリ部という)を探しながら移動させる場合に、凸部58がなく接触平面57だけを使用してコリ部を探し出すことは難しく、コリ部を効率よく確実に発見できず、コリ部に治療が施せず、治療効率が上げられなかった。ところが、凸部58があることによって例えば背中や肩のコリに凸部58が近づくことによって、使用者が導子部E432を滑らせる力が、コリの部分だけ大きくなり、あるいは滑らせる時の手に伝わる感覚が、コリの有無によって異なるので、容易にコリ部を、すなわち治療すべき患部を発見することができる。よって、本来スムーズに導子部E432が滑るべき所であるにも関わらず導子がスムーズに滑らないことにより、患部を容易に発見してコリ部に的確に治療を施すことにより、治療効率を上げることができる。
【0065】
ペンタイプの導子、すなわち上記導子部E432のように患者表面に接触する表面がなく、患者に接触させる部分としては凸部のみで構成される導子を患者に表面に当接させて患者の表面を滑らせて使用すると、ペンタイプの導子の先端の凸部を押し当てる力や滑らせるための微妙な力の調節が必要で未経験者や未修練者にはペンタイプの導子を患者の体表面を滑らせてコリ部を発見することは容易ではなく、患部の発見に経験を有し、治療効率が十分に上げられなかった。例えばペンタイプの導子に加える力が強くなると、先端の凸部が人体により強く押し付けられ、ペンタイプの導子がうまく滑らなくなったり、ペンタイプの導子を滑らせるために強い力が必要となったり、コリがあっても見つけにくくなる場合がある。さらに強く押し付けられることにより患者が痛みを感じたり、患部に意図せず強い力でペンタイプの導子先端の凸部を押し付けるなどにより患部がよりダメージを受けたり、ペンタイプの導子先端が必要以上に強い力で押し付けられることにより正常な筋肉や腱などにもダメージを与えるなどのトラブルが発生していた。逆にペンタイプの導子を押し当てる力が弱すぎるとペンタイプの導子を滑らせ易くなる半面、コリに気付かない場合が多く超短波による治療が施されない問題もあった。または炎症部に気付くことができずに超短波を照射して炎症を悪化させるなどの問題があった。これらの問題のためにペンタイプの導子の使用は治療効率が上げられず、治療効率が低下する場合が多かった。
【0066】
本実施においては、上記のように人体表面に接触する接触平面57と凸部58を両方備える。接触平面57と凸部58が両方あることにより、必要以上に強めの力が導子部E432に与えられた場合であっても、接触平面57によって凸部58が必要以上に人体に押し付けられることが無く、すなわち凸部58に加わる力が適切に制限されるので、スムーズに導子部E432を滑らせることができると共に容易にコリを発見することができる。従って容易にコリ部を発見できて、適切な治療がすぐに行えるので、治療効率の低下を招かず、治療効率を向上させることができる。
【0067】
さらに、当該接触平面57と凸部58は次のような課題も解決する。例えば治療すべき患部の近傍に炎症部が存在する場合がある。この実施の形態における治療器は超短波による温熱効果により治療を行うため、当該炎症部については超短波を当てることはできない。この場合に導子A41や導子B42を使用すると比較的広い面に超短波が放出され、当該炎症部にも超短波が作用して温熱効果を及ぼし、温熱効果によって当該炎症が悪化してしまい、治療効果が下がってしまう問題があった。これに対して導子C43を使用して導子部E432を、人体表面を滑らせるようにして移動させた場合には、凸部58が炎症部に差し掛かった時に、導子部E432を滑らせるために必要な力や、滑らせるときに手に伝わる感覚が、炎症の有無によって異なるので、容易に炎症部を、すなわち超短波を照射してはいけない患部を発見することができる。すなわち、超短波による治療をしてはいけない患部を容易に発見して、治療すべき部位だけに治療を施すことにより、炎症を悪化させることがなく、治療効果が低下せず、患部のみを的確に治療できるので治療効率を上げることができる。
【0068】
図5(a)及び
図5(b)における把持抑止手段について説明する。
図5では、把持抑止手段として把持抑止部A511が配置されている。把持抑止部A511が無い場合は、本来把持しなければならない把持部56ではなく、使用者は筒部59を、例えば筒部59の中間あたりを握って導子部E432を持ったり、筒部59の下の方を握ったり、あるいは把持部56を持った場合でも正しく把持せずに筒部59に指を掛けるなど、適切な把持をしない場合もある。本実施の形態のようなプローブタイプの導子は、把持すべき位置を適切に把持することによって、無駄なく、無理なく導子を使用できるように設計されている。従って本来把持すべきではない位置を把持したり不適切な把持を行ったりした場合は、適切に導子を滑らせて使用することができず、すなわち、導子部E432を人体の表面を滑らせて治療する場合に十分な力が加わらず、導子部E432が滑らせることができない。導子部E432の握り方が適切でない場合は、プローブタイプの導子部E432の使用に余分な負荷がかかり、必要以上の力を要し、あるいは疲れやすくなって導子部E432が適切な位置からずれてしまうなど、患部に対して適切な位置に導子部E432を長時間維持できなくなり、治療効率が低下していた。さらに、導子部E432の握り方が適切でない場合は、導子部E432をうまく人体表面を滑らせることができないので、患部を見つけることができず、あるいは患部を見つけることが難しくなり、患部を発見するために時間を要し、患部を十分に治療できず、治療効率が低下していた。さらには、上記にように炎症部、特に患部の周囲に炎症部がある場合は、当該炎症部を発見できずに見逃してしまい、超短波を照射して当該炎症部を加熱して悪化させる問題を誘発する。
【0069】
ところが本発明の導子では導子部E432のように把持抑止部A511を有しているので、使用者は筒部59を持つことができず、あるいは筒部59に指を掛けて持つこともできず、把持部56を必然的に適切に把持するようになる。例えばパーソナルコンピューターに使用するマウスを持つように把持部56に手を添えて導子部E432を把持する。よって把持部56を適切に使用者が握るので、導子部E432を適切に使用することができ、効率的に患部を見つけて治療することが可能で治療効率が向上する。把持部56を適切に使用者が握るので、使用者に余分な負荷がかかることもなく、疲れやすくなることもなく導子部E432を効率的に操作でき、長時間患部に適切に当接させることができる。さらに治療に使用する電気エネルギー、本実施の形態では超短波を、照射すべきでない部分、例えば炎症部を容易に発見できるようになるので、誤って炎症部に超短波を照射することが無く、炎症部に温熱効果を与えることがなく、炎症を悪化させることが無く適切な治療が可能で治療効果を向上させることができる。この意味で把持抑止部A511は把持抑止手段であると共に導子部E432を適切に把持させるために機能する把持誘導部でもある。
【0070】
把持抑止部A511はさらに次の課題も解決している。導子部E432は
図5のようにアンテナ部52が筒部59内部に配置されている。当該アンテナ部52によってケーブルE434を伝わる電力を、当該ケーブルE434から漏れ出した電力を受信することによって検出し、超短波の出力として検出表示部A541から検出表示部C543を使用して表示している。ところが、当該アンテナ部52の近傍を把持した場合や指がかけられた場合は、アンテナ部52で受信できる電力が影響をうけ、超短波を誤検出してしまう。実際の電力よりも大きく誤検出した場合は、通知部B55で表示された電力より小さな電力の超短波が患者に適用されていることになるので超短波の電力が不十分で十分な治療効果が得られず治療効果が上がらない問題がある。逆に実際の電力よりも小さく誤検出した場合は、必要以上の超短波が患部に照射されていることになり、患部に熱さを感じて患者に不快感を与えたり、場合によってはやけどが発生したりする場合もある。これらの誤検出は、アンテナ部52に対する使用者の手や指の角度、位置、距離その他の要因により一定せず、最も確実な対策としては、筒部59に配置されたアンテナ部52の位置、またはこの周りに手や指を近づけないことである。
【0071】
本発明においては、アンテナ部52の近傍に把持抑止部A511を配置している。換言すると、検出手段であるアンテナ部52と使用者が把持する把持部56の間に把持抑制手段である把持抑止部A511を配置している。このために使用者はアンテナ部52の位置で導子部E432を持つこともアンテナ部52の近傍に指をあてることもなく、使用者に導子部E432の適切な把持を促すと共に、アンテナ部の把持を抑止可能となる。
【0072】
尚、アンテナ部52を、
図5のように筒部59の中央部ではなく筒部59の先端であってジョイント保護部513の近傍、あるいはジョイント保護部513の内部や外側、またはケーブルE434に配置して、アンテナ部52を使用者の手や指からできるだけ遠ざけるのが誤検出の観点から望ましいと思われがちであるが、本実施の形態ではアンテナ部52や回路部53を、筒部59の中央付近に配置している。この理由としては、アンテナ部52や回路部53が筒部59の先端部に配置された場合はこれらの重みによって、導子部E432の重心が取りにくく、使用者の使い勝手が悪くなることを回避するためである。アンテナ部52や回路部53の重みを考慮する限りにおいてはこれらの位置はできるだけ下の方、すなわち、把持部56に近い方がよいが、使用者が把持部56を把持することにより、アンテナ部52による検出が、使用者の手や指の影響を受けやすくなる問題がある。そこで、アンテナ部を筒部59の中央付近としている。このようにアンテナ部52を筒部59の中央部に配置することで導子部E432の重心が取りづらいことに由来する上記問題と、使用者の手や指によるアンテナ部52の誤検出の両方を改善することが可能となっている。
【0073】
さらに把持抑止部A511を配置しているので、導子部E432を把持した場合に把持抑止部A511によって確実にアンテナ部52を使用者の手や指から離間されることが可能であると共に、アンテナ部52や回路部53や導子部E432の重みによる導子部E432全体の重心を考慮して、使用者が導子部E432を操作し易いように重心をできるだけ下げた
図5の位置に配置可能となる。以上から
図5のように本実施の形態では筒部59の中央部にアンテナ部52や回路部53を配置し、さらに把持抑止部A511を配置しているので、これらの問題を防止でき、患部や炎症部の発見が容易で、長時間にわたって導子部E432を適切な位置に維持可能となり、治療効率の向上をより確実なものとしている。
【0074】
把持抑止手段は
図5のような把持抑止部A511に限定されない。通知部B55である検出表示部A541等に関しても、この部分を握ってしまうと検出表示部A541他が見えなくなるので使用者はこの部分を把持しない。よって筒部59の内部であって通知部B55の位置にアンテナ部52や、アンテナ部52と回路部53を配置してもよい。
【0075】
図11はこの状態の例である。このような場合は通知部B55や検出表示部A541から検出表示部C543を握ると、これら検出表示部A541等を使用者が見ることができないので、使用者は検出表示部A541等を避けて把持する。よってこれら通知部B55である検出表示部A541他は把持抑止手段にも該当する。また、この場合も、アンテナ部52と回路部53と通知部B55を一体として構成して配置してもよい。
【0076】
本実施の形態における把持抑止部の形状は半円盤状であって
図5(b)においては半円形状で示されているが、これに限らず、長方形、正方形、三角形などのその他の多角形、またはピン状などの突起であってもよい。
【0077】
図12(a)のように、筒部59の一部が飛び出したような形状の把持抑止部B514であってもよい。この場合は、使用者は把持抑止部B514と把持部56の間に手や指をいれてパーソナルコンピューターに使用するマウスを持つように把持部56を把持する。
【0078】
把持抑止部はこの他に
図12(b)のように筒部59を取り巻くように環状の把持抑止部C515を配置してもよい。この図では、筒部59に対して把持抑止部C515は導子の手前方向、この図では右側に偏心しているがこれに限定されず、筒部59に対して、把持抑止部は同心円として形成されていてもよいし、さらには楕円としてもよい。
【0079】
さらに
図5(b)では把持抑止手段は把持抑止部A511が2個設けられているがこれに限定されない。例えば3つ以上の把持抑止部が筒部59の周面に取付けられていてもよいし、一つであってもよい。さらには、
図12に記載の2種類の把持抑止手段に代表される把持抑止手段と併用してもよい。
【0080】
把持抑止手段は次のような構成であってもよい。例えば上記のように筒部59の全体を円筒状として、別途把持抑止部を配置するまたは筒部59と一体に形成するのではなく、把持抑止部の代わりに把持抑止部として筒部59の断面を円ではなく例えば三角形や四角形にしてもよい。
【0081】
図13(a)は、把持抑止手段として導子部E432の形状、例えば筒部59の形状を変更した例を示している。この図において、検出表示部等は簡単のために省略している。図のように筒部59は、アンテナ部52の若干下側の部分を筒下部591とし、筒下部591より上側をアンテナ部52が含まれる筒上部592としている。このように筒部を二つの部分にわけて把持抑止手段を構成してもよい。
【0082】
この
図13の例では、筒下部591の断面(矢印のBの断面)の形状は
図13(b)のように円形とし、筒上部592の断面(矢印のCの断面)の形状は
図13(c)のように正方形としているがこれに限定されず、例えば筒上部592の断面を四角形ではなく三角形としてもよい。尚、この例のように把持を抑止するために、筒部の径や断面の大きさを変えてさらに形状を把持しにくいように断面が正方形になるようにしてもよいが、径を変えずに断面形状だけを変更してもよい。逆に断面形状を変更せず、径だけを変更する構成でもよい。例えば、筒部の断面形状を円としたまま、アンテナ部52の位置やその近傍で筒部の径を大きくすることでもよいし、逆にアンテナ部52の位置やその近傍で筒部を細くすることで、使用者が把持しにくいようにしてもよい。または、アンテナ部52が配置された部分のみについて上記のように径や断面形状を変えてもよい。例えば
図13(a)では、筒部59を2つの部分に分けているがこれに限定されず、3つ以上に分けてもよい。
【0083】
あるいは
図13(d)のように、把持抑止手段として湾曲部593を設けてもよい。通常、使用者は把持しようとするものが筒状であって、さらに湾曲している部分があれば、当該湾曲部分を避けて把持する傾向が強い。よって
図13(d)のように湾曲部593を設けて湾曲させ、当該湾曲部593あるいはその近傍にアンテナ部52を配置することにより、使用者が当該湾曲部593やその近傍を把持せず、アンテナ部52の近傍に使用者は手や指を置かない。よって湾曲部593がアンテナ部52に対する把持抑制手段である把持抑制部となる。
【0084】
上記においては、例えば
図5や、
図12では物理的な突起物が把持抑止手段として記載されている。一方、
図13(d)においては湾曲部593が、
図11においては通知部B55である検出表示部A541他が把持抑止手段とし機能する。このように把持抑制手段は物理的な突起物であることに限定されず突起物とは異なる物(非突起物)であってもよく、
図5では検出表示部A541他は使用者が当該検出表示部A541から検出表示部C543を目視する必要から、当該検出表示部A541から検出表示部C543は把持されないことにより検出表示部A541から検出表示部C543は非突起物である把持抑止手段として利用される。同様に
図12(d)では非突起物として筒部59の形状が把持抑止手段として使用されている。すなわち、把持抑制手段は使用者の把持が抑制されればよく、物理的な突起等に限定されない。
【0085】
上記の把持抑止手段は、単独で使用されるべきであると断定されるものではない。例えば複数の把持抑止手段を併用することも可能である。例えば
図13(e)のように把持抑止手段として、非突起物である湾曲部593と突起物である把持抑止部D516を配置してもよい。より確実に使用者がアンテナ部52の近傍に手や指を近づけないようにするために、複数の把持抑止手段を組み合わせてもよく、その組合せは特に限定はない。
【0086】
また、当該導子C43は次のような課題も解決できる。導子A41や導子B42は既述のようにベルト等によって患部に固定することができるが、プローブタイプの導子は、導子を固定することができない。導子部E432を使用者が常に手に持って患部に当接させる。もし凸部58がなく、接触平面57の場合では、すぐに導子部が患部からずれてしまう傾向が強い。特に患者が子供等の場合に、長時間にわたってじっとしていることは容易ではない。不意に子供が動いた場合に、導子も動いてしまうので、患部から導子がずれてしまい、同じ位置に導子部を当てていることはなかなか難しい。ところが凸部58があれば、凸部58が無い場合に比較すると凸部58によって導子部E432が滑ににくく移動しにくくなるので、患者が子供の場合であっても導子部E432を比較的長い時間にわたって同じ位置に維持しやすくなる。よって導子部が患部からずれてしまうことに由来する治療効率の低下を防止して、治療効率を上げることができる。
【0087】
さらに、凸部58により、コリのある部分やツボが刺激されて指圧効果が作用し、超短波による治療効果との相乗効果によって治療効果が向上する。この指圧効果は、接触平面57によって凸部58が押し付けられる力が適度に制限され、押し付けすぎによって発生する不具合、例えば痛み等の発生を防ぐこともでき、導子を押し付けすぎたことに由来する既述した治療効率の低下を防止して、治療効率を上げることができる。
【0088】
また、上記の導子部E432のように接触平面57と凸部58を持つ構成において、凸部58を接触平面57の先端に配置している。すなわち把持部56を把持した場合に指の先端に近い方に凸部58を配置することで、より凸部58を押しやすくなる効果がある。これにより、導子部E432を患部に押し付けることによる使用者の疲労が軽減され、長時間にわたって適切な位置に導子部E432を当接させることが可能となる。よって、指圧効果も使用して治療する場合に効率的に凸部58に力を加えることができるのでより確実な治療が長時間にわたって実施できて治療効率が上げられる。
【0089】
図14は他のプローブタイプの導子部F1432の例を示している。
図5と比較すると、凸部58が無いが、把持部56や筒部59の他に、通知部B55やアンテナ部52や回路部53があるなど、ほぼ同じである。上記導子部E432は背中や腹部などの比較的広く平らな部位については上記ように効果的である。一方、肘や膝、足首等においては、十分に威力を発揮できない場合がある。これらの部分は、関節によって表面に大きな凹凸があり、この凹凸により、うまく導子部E432が表面を滑らない。あるいは、表面は比較的なめらかでも、皮膚のすぐ下は骨や筋肉により非常にごつごつしており、うまく導子部E432が表面を滑らない。例えば胸部では、肋骨により凸部58が妨げられて導子部E432をうまく胸部表面を滑らせて移動させることはできない。さらに凸部58が肋骨を必要以上に押し付けるので痛みを感じるなどのトラブルが発生する。肘や膝や足首についても同様に凸部58によって導子部E432を滑らせることができず、治療に適さない場合がある。さらにこれによって超短波による治療が開始できず、あるいは凸部58による当接により痛みが強くなって途中で治療が中止される場合があり、治療効率が低下していた。
【0090】
そこで、胸部や肘や膝や足首などでは、あえて導子部E432を使用せず、導子部F1432を使用するのが望ましい。このような部位に治療を施す場合には、凸部58を有する導子部E432では、ペンタイプの導子と同様に凸部58がこれら部位に必要以上に強く当接されることによる上記トラブルが発生する。ところが
図14の導子部F1432は凸部58が無いので、たとえ皮膚直下に骨がある場合であっても接触平面57によってスムーズに導子部F1432を滑らせることができ、関節部等においても超短波による治療が容易で治療効率が向上する。これらの関節部分等では、導子B42等をベルトで固定して使用する場合もあるが、この場合は導子B42の角度を適切に維持できるとは限らず、適切な角度を維持するために使用者や患者が当該導子B42を手で持って使用しなければならなかった。導子B42等は手で持って使用するように設計されておらず、長時間導子B42を適切な位置や角度に維持することができず、治療効率が上げられなかった。これに対して導子部F1432は使用者が手に持って使用することができるので、使用者が長時間にわたって導子部F1432を患部に対して適切な位置と角度で維持でき、治療効率の向上が可能である。
【0091】
図14(b)は導子部F1432の断面である。導子部E432との違いは、凸部58がないことに加えて、超短波出射部512が接触平面57の中央に配置されている点である。尚、電気エネルギー出射部である超短波出射部512はこの位置に限らず、接触平面57の前方、すなわち
図5(c)と同様な位置である図面に向かって左に、配置してもよい。または、逆に接触平面57の後方、すなわち図面に向かって右に、
図14(b)内の点線で示した位置のように導子部F1432の後方に配置してもよい。
【0092】
コイル導子61を患者のひじ付近に装着した場合の使用例について説明する。
図15(a)のようにコイル導子61のコイル導子部611のらせん形状を保持したまま、巻き付けるように、或いは空間部614に腕等を挿入するように装着する。同図(a)のようにコイル導子61と人体、例えば腕7との間に空隙があるような構成でもよいが、同図(b)のように腕7とコイル導子61が密着するような構成でもよい。コイル導子部611から超短波が放射されるが、らせん形状の内部に対しても超短波は放射される。従って患者のひじや腕に対して超短波照射が行われ、渦電流によるジュール熱の作用によって治療効果を得る。この場合らせん形状の内部に超短波の電磁界が集中するため、患部内部へ直接作用する。導子表面に対しては電磁界は弱く且つ、接触面積も小さいため、導子表面に接触する皮膚表面での火傷の危険性はない。ひじのような可動部位の場合、導子A41や導子B42のようなある程度の面積を有する導子では、正確に患部に対して治療を行うことは困難である。またプローブタイプの導子部E432、導子部F1432では治療者が手で保持して患部表面を滑らせることで使用するため、ひじのような角度をもった狭い表面に対しては、移動させるにつれて接触角度や押しつけ具合が変化することで、患部内部に吸収される電力は常に変化し安定した超短波照射による治療を行うことは困難である。この点においてコイル導子61は巻き付ける使用形態のため、位置、接触角度や押しつけ具合が大きく変化することはなく、安定して超短波照射および治療を行うことができる。ひじは可動するため、患者が動かしてしまうこともあり得るがその場合でもらせん形状であるのでコイル導子部611がひじの曲げ伸ばしに連動して変形して位置、接触角度、押しつけ具合は大きく変わらず、即ちコイルを構成している状態が大きく変化しないのでインピーダンスが大きく変化することは無く超短波の出射も安定しており安定した治療効果が得られる。この点で、同図(b)の方が常にコイル導子部611と腕7は常に密着しているので望ましい。また、従来技術である巻き付けるタイプの超短波治療用導子(特許文献3:実公平3-21264)と異なり、本発明のコイル導子61ではその場合でも、あらかじめ、らせん形状を維持しており、全体の長さは一定で変わらないので、ほぼ同じ位置、接触角度、押しつけ具合で患部に接することになるためインピーダンスの変化はなく安定した超短波照射が可能である。以上ひじに適用した場合について説明したが、手首、脚のひざ部分、足首等、コイル導子を巻き付けることが可能な部位であれば同様の効果が期待できる。なお、図ではコイル間に隙間のある形状で記載しているが、治療効果や目的に適するのであればコイル間の隙間のない構造でもよく、コイル導子の形状として限定するものではない。
【0093】
コイルを形成しているコイル導子部611は腕用、足用など、部位に応じてそれぞれ用意して使用するような構成でもよいが、本発明のコイル導子としては一つのコイル導子を腕にも足にも使用することができる。腕に使用する場合と足に使用する場合は太さがそれぞれ異なるので装着した場合にコイルの巻き数が異なる場合がある。例えばコイル導子部611の長さが2mの場合、小柄の患者が腕に巻いた場合は10ターンほどのコイルとなるが、大柄の患者が大腿部に装着した場合は4ターン程度となる場合がある。これは、コイルの線材長をm、半径をr、コイルの巻数をNとすると、m=2πr×Nと近似でき、ここでmは一定である。また、ソレノイドコイルのインダクタンスはL=k×μ×S×N2/lで求められる。k:長岡係数、μ:透磁率、S:コイル断面積、N:コイル巻数、l:コイル長である。ここでコイルの半径をrとするとS=πr2であることから、L=k×μ×πr2×N2/l=k×μ×π×m2/(4π2×l)=k×μ×m2/(4π×l)となる。例えば、腕から大腿部に装着した場合、前述のように、コイル半径rは大きくなり、巻数Nは小さくなる。コイル導子の場合、らせん形状をあらかじめ形成しているため、導子部のコイル長lも短くなる。一方、長岡係数kは2r/lの関数であり、2r/lが大きくなるほど係数は小さくなる、すなわち半径rが大きくなる、コイル長lが短くなるほど係数は小さくなることを示す。従って、インダクタンスLは線材長mが2乗で最も支配的に効くとともに、長岡係数kと分母のコイル長lは互いの変化を打ち消すように働く。すなわち、線材長一定のコイル導子のインダクタンスは適用部位で大きく変化することはなく、つまりインピーダンスも大きく変化しない。例えば、μ=1、r=5cm、N=10ターン、l=100cmとしたとき、線材長m≒314cmであり、上記式からインダクタンスL=946.3nHである。ここで、r=10cm、m=314cmとすると、N=5ターンとなり、インダクタンスL=908.1nH(l=100cm)、951.8nH(l=95cm)となる。このように巻き数が異なる場合でもインピーダンスはコイルを形成するコイル導子部611の、使用する部位や患者によってコイル導子の長さを調整したり出力インピーダンスを調整したりすることは不要または、わずかな調整量で済む。すなわち、上記のようなコイル導子部611、すなわち事前に所定の長さでコイル部が構成されているので、コイル導子部611を患部に巻き付けるだけで、異なる部位や患者に使用した場合でも、出力インピーダンスを調整する必要がなく、回路構成の変更や調整をすることもなく、一つの導子を異なる患部に、あるいは異なる患者に適用できる。本発明のコイル導子61はコイル導子部611を構成する部分の長さがあらかじめ決まっており、さらにコイル形状を維持しようと患部に巻き付くので、患者によらず一定の巻き方により患部に装着される効果があり、良好な超短波の供給が可能で患者によらず良好な治療が可能となって治療効率を上げることができる。さらに患者が動いた場合や患部に対するコイル導子の接触状態が変化した場合でもコイル導子のインダクタンス(インピーダンス)の変化は非常にわずかであり、他のタイプの導子、例えば導子A41や導子B42あるいは導子C43のように導子のインピーダンスが容易に大きく変動することはなく、患者か動くあるいは導子の装着状態が変わった場合であっても良好な超短波の供給が可能で良好な治療が可能となって治療効率を上げることができる。さらに導子接触状態等によりインピーダンスが大きく変化することはないので、導子の位置や傾き等を微調整することがなく、治療効率の向上が可能となる。
【0094】
次に、本実施の形態において、第1の通知部である通知部A15と第2の通知部である通知部B55について説明する。ここでは導子C43を使用して治療を行う場合を例に挙げて説明する。導子C43のコネクタC435をコネクタ接続部A311に接続して使用する、すなわちチャネル1を使用することとする。チャネル1の出力を開始する出力開始ボタンA221を押すと、調整部A241で設定した出力(仮にPsとする)が導子部E432に内蔵された、超短波出射部512に供給されて超短波が出射される。ところが実際は、超短波の一部は患者によって吸収されると共に、一部は反射される。患者に吸収される電力をPiとし、反射される電力をPrとすると、Ps=Pi+Prと近似できる。Prは患者によって反射されてそのままケーブルE434を戻るので、本体部11から供給される電力と打ち消し合って、結果的にケーブルを伝わる超短波電力は、Ps-Prとなり、これがPiとなる。注目すべきはこのPrは導子部E432の患部に対する、位置、角度、押し付け具合によって容易に変化しうることである。導子部E432の患部への押し当て方や位置や角度を調整することによってPrを最小限にして、Piを最大限に大きくすることにより、超短波を患者に効率よく適用でき、治療効率を向上させられる。尚、アンテナ部52で検出される電力Pdは、Pd=f(Pi)となり、Piの関数となる。ここでPiと検出される電力Pdの関係は、使用するアンテナ部52の特性や、アンテナ部52とケーブルE434との距離等によって変わる上に、本発明の本質的な問題ではないので説明は省略する。重要なのは、検出する電力は患者に適用される電力を間接的に表す指標となることと、反射された電力Prによって容易に変化することと、当該Prを小さくすることによって患者に吸収される電力が増加し、より治療効率が向上することである。
【0095】
ところが、既述したように当該Prは導子部E432の角度や距離、患部への押し当て方を変えることによって容易に変動する。よって使用者は当該導子部E432を常に適切な向きや位置に調整し、その適切な位置や向きを維持して治療を行う。ところが、使用者が治療を開始した時に、導子部E432の当て方や位置を変えても、第2の通知部である通知部B55を構成する検出表示部A541等の点灯が、使用者が想定した点灯と異なる場合がある。例えば、検出表示部A541が全く反応しない場合がある。この場合は、次の2つの原因が考えられる。原因その1:本体部11の出力開始ボタンA221が押されておらず、出力がされていない。原因その2:出力開始ボタンA221が押されているが、何らかの原因により電力がケーブルE434を通って導子部E432に供給されていない。
【0096】
導子部E432にのみ通知部が設けられているが、本体部11に通知部が設けられていない場合は、超短波が出力されていないことに使用者が容易に気付くことができない。この場合、使用者は検出表示部A541他が点灯しないのは導子部E432の当て方が不適切であると誤解して、超短波の出力自体がされていないにも関わらず導子部E432の当て方を調整することに固執して、実質的な治療がなかなか開始できず、治療効率が下がる問題を引き起こしていた。
【0097】
本実施の形態における治療器1では、導子部E432に第2の通知部として通知部B55と本体部11に第1の通知部として通知部A15を有し、LED部A321からLED部C323を有しているので、次のように、これらの原因を容易に特定して早急に対処することができる。まず、使用者は本体部11の通知部A15のLED部A321を確認する。出力開始ボタンA221が押されていればLED部A321は点灯するので、LED部A321の点灯の有無によって原因その1か否かを瞬時に判断できる。LED部A321が消灯していれば出力開始ボタンA221が押されていないことが容易に且つ瞬時に判断できるので、使用者は出力開始ボタンA221を押し忘れたことにすぐに気づいて速やかに出力開始ボタンA221を押して治療を開始できる。よって使用者が、出力開始の操作を忘れた場合であっても、出力されていると誤認して治療を続けることがなく、問題の原因を瞬時に特定して直ちに対処できるので治療効率の向上が見込まれる。逆にLED部A321が点灯している場合は、原因その2であることが分かる。すなわち、使用者が患者のもとを離れて本体部11まで移動して確認しなくてもどちらの原因であるかを容易に判断でき、出力されていると誤認して治療を続けることがなく、治療の実質的な開始を速やかに行うことができ、治療効率の向上が見込まれる。
【0098】
本発明を施した治療器1には、第1の通知部として発音部33が設けられている。この発音部33によっても同様に上記原因を判断できる。上記のように検出表示部A541等の点灯が、使用者が想定した点灯と異なる場合、例えば、検出表示部A541が全く反応しない場合に、発音部33からの音を次のように使用する。まず、使用者は発音部33からの音が聞こえるか否かを確認する。出力開始ボタンA221が押されていれば発音部33からの音、本実施の形態では鈴音が聞こえるので、当該音の有無によって原因その1か否かを瞬時に判断できる。発音部33からの音が聞こえなければ出力開始ボタンA221が押されていないことが容易に、且つ瞬時に判断できるので、使用者は速やかに出力開始ボタンA221を押して治療を開始できる。よって使用者が、検出表示部が点灯しない理由の判断に困ることがなく、超短波が出力されていないにも関わらず、出力されていると誤認して治療を続けることがなく、治療の開始を速やかに行うことができ、治療効率の向上が見込まれる。逆に鈴音が聞こえている場合は、原因その2であることが分かる。さらに、発音部を発音部A331、発音部B332、発音部C333とした場合は、鈴音の種類を各々別にすることで、正しい出力開始ボタンが押されているかどうかを瞬時に判断できる。
【0099】
また、本実施の形態では、治療は20分とされているので、20分後には超短波は停止する。一般的にタイマーを使用した場合、所定の時間が経過した時にブザーや警告が一度だけ鳴る場合が多い。このブザーは通常の病院等では他の患者や治療に影響しないように非常に小さな音や非常に短い音に設定されているのが普通で使用者が聞き逃すことが比較的多い。特に導子C43のようにプローブ導子を使用する場合は使用者が導子部E432に、特に検出表示部A541他に注目しているので、タイマー満了時のブザーを聞きのがすことが多く、検出表示部A541等が点灯しなくなったときに、導子部E432が適切な位置からずれた、あるいは導子部E432の当て方が不適切となったと誤認する場合が多い。ところが本実施の形態の場合は、超短波が出力している間は、発音部33によって鈴音が10秒おきに鳴り、治療時間が経過して超短波出力が停止された場合には、この鈴音も停止するので、鈴音が等間隔で鳴っているか否かを確認するだけで容易に超短波の出力が終わったのか否か確認することができる。鈴音が停止しているなら、治療時間が終了して超短波が停止したと使用者はすぐに判断できるので治療動作を終了できる。鈴音が停止していないなら、検出表示部A541が消灯していれば導子部E432がずれたことや、傾いたことが原因であることを瞬時に判断して、適切な位置や向きに導子部E432を戻すことができ、導子の位置や角度が不適切となったことによる治療効率の低下を防いで適切な治療を継続できるので治療効率が下がることがなく治療効率が向上する。このように発音部33があることにより、使用者は本体部11の通知部A15を目視するために、視線を変えたり、顔を向けたり、あるいは振り返ったり、立ち上がる必要がなく、使用者は導子部E432に注目したまま、特に通知部B55の検出表示部A541他を注視したまま、検出表示部A541他が思った通りに点灯しない理由を知ることができ、治療効率の低下を防いで治療効率の向上ができる。
【0100】
上記のよう特にプローブタイプの導子C43を使用する場合は、導子部E432の患部への当て方が重要であるので、医師等の使用者は常に導子部E432に、特に第2の通知部である通知部B55に注目して治療を行うが、導子部D431の位置や向き、特に導子部E432に対する相対位置はPrに影響する。従って使用者はできるだけ、導子部E432から目を離したくないし、導子部E432を当てた場所から導子部E432を離したくない。ところが、検出表示部A541等の点灯が想定した点灯と異なる場合には、第1の通知部が無ければ、それが、使用者が出力を開始し忘れたためなのか、あるいは導子部D431の当て方が不適切なことによるものなのか区別できず、わざわざ患者から離れて、本体部11を確認するために本体部11に戻り、導子部D431の当て方が不適切か否かを判断するしかなかった。ところが本発明では、本体部11に第1の通知部を有するので、プローブタイプの導子C43を使用する場合であっても、導子部E432を患者に当てたまま、導子部E432を患者から離すことなく、容易に使用者が出力を開始し忘れたためなのか、あるいは導子部D431の当て方が不適切なためなのかを判断できる。よって導子部D431の当て方が不適切な場合はすぐに導子部D431の位置や傾きなどを調整することによって治療効率の低下を防いで、治療効率を向上させることができる。
【0101】
第1の通知部として本実施の形態では、視覚を利用する視覚通知手段と聴覚を利用する聴覚通知手段を両方とも有している。本発明はこれに限定されず、第1の通知部としては、視覚通知手段のみであってもよいし、聴覚通知手段のみであってもよい。
【0102】
尚、第1の通知部としては聴覚通知手段が少なくとも使用されているのが望ましい。使用者は上記のようにプローブタイプの導子を使用する場合は当該導子、本実施の形態では導子部E432に注目し、視線を外したくない。特に、本実施の形態のように導子部に通知部が設けられており、例えば検出表示部A541等が配置されている場合は尚更である。このような場合に視線を本体部11に視線を向けたり、本体部11に顔を向けたり、本体部11が見えない場合は治療を中止して患者のもとを離れて本体部11に移動する必要がない聴覚による通知手段がより好適である。
【0103】
上記の実施の形態においては、次のような場合にも有効である。例えば治療が終了して本来ならば超短波が停止している筈であるにも関わらず、検出表示部A541等が点灯している場合がある。これは超短波出力が意図せず継続されていることを示すので、決して望ましくはなく、場合によっては本体部11や導子部E432の故障を招く、または漏電や発煙や発火を招き最終的には火災を発生することもある。この場合は、すぐに発音部33からの鈴音の有無や、LED部A321他が点灯しているか否か確認をすることによって、本体部11に故障があるか否を容易に判断できる。例えば、LED部A321、LED部B322やLED部C323が点灯している、あるいは鈴音が鳴っていて、さらに検出表示部A541他が点灯している場合は、出力停止ボタンA231等が適切に操作されず出力停止が設定されていない状態である。この場合はすぐに出力停止ボタンA231他を操作して出力を停止すればよい。逆にLED部A321、LED部B322やLED部C323が点灯していないあるいは、鈴音が鳴っていないにも関わらず検出表示部A541他が点灯している場合は、本体部11において超短波の出力停止の設定がされているにも関わらず出力継続されていることを示し、本体部11が一時的に暴走して、出力制御ができない状態であることを示す。このように本体部11が出力を継続している場合には本体部11の故障を招き易く、すぐにメインスイッチ25を押して本体部11の電源を落とし、本体部11を再起動する等が必要となる。これにより、装置の故障を回避して故障による治療効率の低下を防ぎ、治療効率の向上が可能となる。または装置の暴走ではなく既に故障している場合でも直ぐに故障を検知できることにより、故障によるさらなる不具合、例えば火災等の事故を防止することもできる。
【0104】
上記の実施の形態においては、第1の通知部である通知部A15に配置されている視覚通知手段も聴覚通知手段も、出力が有るか無いかの2段階で通知する。本発明はこれに限定されず、これらの第1の通知部による通知を多段とすることにより本発明の効果がより発揮されることとなる。例えば、出力を、「弱い」、「中程度」、「強い」に分け、発音部33から発せられる音を当該電力に応じて変更させることも望ましい。この際に、出力の設定が例えば、1、2、3、4、5、6、の6段階に分かれており、1が一番弱く、2、3、と数字が大きくなるに従って出力が大きくなるような場合に、出力の設定1と2が「弱い」、出力の設定が3と4の場合は「中程度」、出力の設定が5と6は「強い」に分けてもよい。あるいは、出力の設定1と2と3が「弱い」、出力の設定が4と5の場合は「中程度」、出力の設定が6は「強い」に分けてもよく、特に限定はない。さらに6段階でなくても例えば5段階以下であってもよいし、7段階以上であってもよいし、アナログボリュームによる無段階設定を行うような場合でもよい。さらには、「弱い」、「中程度」、「強い」の3段階に分けているがこれに限定されず、「弱い」と「強い」の2段階でもよく、4段階以上でもよく、特に限定されない。
【0105】
出力を例えば3段階に分けた場合、上記実施の形態では発音部33から発せられる音は鈴音であるので、出力が弱い場合は鈴音1、中程度は鈴音2、強い場合は鈴音3として、設定された超短波の電力に応じて鈴音を変更するような構成でもよい。ここでは、設定された「弱い」、「中程度」、「強い」と3段階に分けられた電力に応じてチャネル音も3段階としたが、これに限定されず、設定電力を2段、あるいは4段以上にして、これに応じて発する音を変更してもよい。
【0106】
設定された出力に応じて音を変更する場合は、設定した出力に対応した別の音を使用することでもよいが、単に音の大きさ(振幅)や音程(周波数)を変えることでもよい。例えば、音程を変える場合、設定した電力が弱い場合は鈴音1を低い音程の鈴音1-1で使用し、電力が強い場合は高い音程の鈴音1-3で使用し、中程度の場合は、その中間の音程の鈴音1-2で使用してもよい。音の大きさを変える場合も同様に、設定電力が弱い場合は音を小さく、設定電力が強い場合は大きく、設定電力が中程度なら中間の大きさとしてもよい。
【0107】
さらに、各チャネルに対応させて異なる音を使用してもよい。例えばチャネル1については鈴音1、チャネル2については鈴音2、チャネル3については鈴音3として、そして各チャネルの設定された電力に応じて鈴音の音程や音色を変えることがより望ましい。例えば、チャネル1に対して、弱い電力が設定された場合は、鈴音1-1、強い電力が設定された場合は鈴音1-1の音程を高くした鈴音1-3、中程度の場合は鈴音1-1と鈴音1-3の間の音程をもつ鈴音1-2とする。同様にチャネル2に対しては、弱い電力が設定された場合は、鈴音2-1、強い電力が設定された場合は鈴音2-1の音程を高くしたチャネル音2-3、中程度の場合は鈴音2-1と鈴音2-3の間の音程である鈴音2-2とする。さらに同様に、チャネル3に対して、弱い電力が設定された場合は、鈴音3-1、強い電力が設定された場合は鈴音3-1の音程を高くした鈴音3-3、中程度の場合は鈴音3-1と鈴音3-3の間の音程である鈴音3-2とする。音の大きさを変える場合も同様に、設定電力が弱い場合は音を小さく、設定電力が強い場合は大きく、設定電力が中程度なら中間の大きさとしてもよい。
【0108】
上記では設定した電力に応じて、発する音そのものを変更する構成について説明したがこれに限らず、設定した電力が表されており、使用者や患者がその電力を知得できればよい。例えば音色や音そのものを変更するのではなく、発する音の回数や音の長さで設定した電力を表現してもよい。例えば上記のように設定した電力を3段階で表す場合は、設定した電力が弱い場合は一定間隔で音を1回、設定電力が中程度の場合は一定間隔で2回、強い場合は一定間隔で3回とすることで超短波の設定強度を使用者に聴覚を利用して通知することができる。一定間隔は例えば10秒周期などでよい。
【0109】
さらに、各チャネルに対する音を変更してもよい。例えば上記と同じように、例えばチャネル1については鈴音1、チャネル2については鈴音2、チャネル3については鈴音3としてもよい。設定した電力を通知するために、設定した電力に応じて各音を発する回数を変更してもよい。例えば、設定した電力が弱い場合は1回、中程度の場合は2回、強い場合は3回としてもよい。そして、例えば、全チャネルを使用して治療を行う場合であって、チャネル1に対して中程度の電力が、チャネル2について強い電力が、チャネル3について弱い電力が設定された場合には発音部33は次のように音を発する。鈴音1が2回、鈴音2が3回、鈴音3が1回、これらが発音部33によって10秒周期で繰り返して発せられる。
【0110】
図16はこの様子を示している。
図21は音の大きさ、音程、間隔を変更する場合の例である。図の横軸は時間であり、縦軸は発音の「あり」か「なし」を示し、「あり」はON、「なし」はOFFで示している。さらに、縦軸の大きさは、音の大きさ(振幅)あるいは音程(周波数)を示す。前述の如く、発音は10秒間隔で行われる。まず、チャネル1に設定した電力を示すために鈴音1が2回発せられる。次に、チャネル2に設定された強い電力を表すために鈴音2が3回発せられる。そしてチャネル3に設定された弱い電力を示すために鈴音が1回発せられる、これらが10秒周期で繰り返される。
【0111】
この場合に、出力停止ボタンが押されるか、所定の時間が経過して超短波の出力が自動停止した場合は、当該停止したチャネルに対応した音のみが停止する。例えば
図16において、出力停止ボタンA231が押されて、チャネル1の超短波出力が停止された場合は、鈴音1のみが停止され、鈴音2と鈴音3が引き続き発音部33から発せられる。
【0112】
あるいは
図16および
図21において、例えばチャネル2の治療時間が経過して、チャネル2の超短波出力が自動的に停止した場合は、チャネル2に対応する鈴音2が停止され、一方出力が継続されているチャネル1とチャネル3に対応した鈴音1と鈴音3は継続して発音部33から発せられる。
【0113】
図16および
図21に代表されるような制御は次のような効果が得られる。使用者は治療に先立って患者に適用する超短波の強度を設定する。だが、仮に強い強度を設定したつもりでも実際は中程度の強度しか設定されていない場合がある。このような場合には、検出表示部A541と検出表示部B542しか点灯しない。この状態ではそもそも検出表示部B542までしか点灯しないにも関わらず、使用者は強い強度を設定したと思い込んでいるので検出表示部C543も点灯させようと導子部E432を移動させたり傾けたり患部に押し付けたりいろいろと試行錯誤を繰り返し不要な時間を浪費し、結果として治療効果が上がらず治療効率を低下させていた。ところが本発明により発音部33から発せられる音を聞くことによって実際に導子C43に設定されている超短波強度を、聴覚のみで、使用者が治療体制を変えることなく、あるいは本体部11を振り返ることなく、導子部E432にある検出表示部A541他から目を離すことなく、知ることができ、即座に自分の設定が誤っていたことに気づき、設定を変更させることができる。
【0114】
設定を看護師や助手などに指示した場合に、当該指示がうまく伝わらず、医師が例えば中程度の強度を指示しても、看護師や助手が強い強度を設定する場合もある。このように、意図せず強い強度が設定された場合には、例えば検出表示部A541や検出表示部B542が良好に点灯した場合であっても、導子部E432の角度や位置が微妙に変化しただけで検出表示部C543が点灯する。これは非常に強い超短波が患者に供給されたことを示し、望ましくなく、患者に熱さなどの不快感が与えられる、またはやけどが発生する場合もある。ところが本発明を施した本体部11の場合では、発音部33が強い強度が設定されていることを使用者に通知するので、自分が意図しない電力が設定されていることを医師は容易に知ることができ、患者に不快感を与えたりやけどを負わせたりすることがなくなり、結果的に治療効率が向上する。
【0115】
本発明は次の場合のように、装置が故障しているまたはうまく出力電力が制御できない場合にも効果を発する。仮に医師が中程度の強度をチャネル3に設定した場合を考える。本体部11が正常な場合は、例えば発音部33はチャネル3の出力が中程度の電力に設定されている時は、鈴音3が2回発せられて、検出表示部A541とB542が良好に点灯する。ところが導子部E432の位置や角度をいくら調節しても、検出表示部A541のみが点灯し、点灯すべき検出表示部B542が点灯しない場合がある。この場合は中程度の出力が設定されているにも関わらず、導子C43に対して中程度の電力が適切に出力されていない、すなわち本体部11が故障して出力の低下が発生していることを使用者は容易に且つ瞬時に知ることができる。
【0116】
逆に、検出表示部A541及びB542だけでなく、検出表示部C543も点灯する場合もあり、中程度の電力が適切に出力されていない、すなわち本体部11が故障して出力の制御ができず過剰な出力がされている可能性が高いことを容易に且つ瞬時に使用者が知ることができる。このように使用者が正しく設定を行った場合であっても、意図しない電力が供給されていることを、音を聞くことによって使用者は容易に且つ瞬時に知ることができ、患者に熱さなどの不快感を与える、またはやけどを負わせることがなくなり、結果的に治療効率が向上する。
【0117】
これらの効果は、第1の通知部による通知が電力の設定値に対応していること、または第2の通知部による通知が検出した電力値に対応していること、あるいはこれら両方によって得られるものである。すなわち、第1の通知部と第2の通知部を持つことによって得られる格別の効果である。以上のように、上記の実施の形態では、本体部11から超短波出力がされていることまたは所望の出力を通知する第1の通知部と導子によって超短波が実際に出射されていることを通知する第2の通知部を有しているので、使用者の誤操作、あるいは装置の誤作動や故障を容易に知ることができる。
【0118】
さらに第1の通知部による通知が電力の設定値に対応していること、及び第2の通知部よる通知が検出した電力値に対応していることによって、さらに細かく装置の設定値と導子の状態を知ることができる。また、少なくとも第1の通知部による通知として聴覚を利用した通知を行うので、使用者は導子や患者から目を離すことが無く患者や導子に注目したまま、導子の位置や角度を調節しなければいけないことや、装置の状態が不安定であること、または装置が故障していること、または装置の操作が適切でないことを容易に判断することができ、これらに由来する治療効果の低下を防いで、治療効率を向上させることができる。
【0119】
上記のような聴覚による通知手段では、超短波の出力が開始されたことに伴って鈴音等が発音されるのが望ましい。上記のような例では、例えば10秒おきに発音される。発音部33による発音がされた直後に出力停止ボタンA231が押されて出力が一旦停止されたあと、再度出力開始ボタンA221が押された場合など、先の発音から10秒が経過していない場合でも直ぐに出力開始ボタンA221等が押されたこと、または超短波の出力が開始されたことに基づいて通知手段による通知、すなわち聴覚通知手段による通知である発音が開始されるのが望ましい。この場合は超短波の出力の開始の操作に基づいた発音(通知)であってもよいし、超短波の出力が開始されたことに基づいた発音(通知)であってもよいし、または超短波の出力開始を制御する制御装置による超短波の出力開始制御に基づいた発音(通知)であってもよい。このような構成では超短波出力の開始操作あるいは超短波の出力開始によって出力の開始の通知がされるので、使用者が直ちに超短波の出力を知ることができて望ましい。
【0120】
上記において、第1の通知部である通知部A15は「弱い」、「中程度」、「強い」の3段階、出力がゼロや極めて低い場合を含めると4段階を示している例について記載している。さらに第2の通知部である検出表示部A541から検出表示部C543については、検出された電力がゼロまたは極めて弱い場合は、いずれも点灯せず、検出された電力が弱い場合は検出表示部A541が、中程度の場合は検出表示部A541と検出表示部B542が、強い出力の場合は検出表示部A541と検出表示部B542と検出表示部C543が点灯するとして記載しているが、本発明はこれらに限定されない。例えば、出力が弱い場合は検出表示部A541と検出表示部B542が点灯し、中程度の場合は検出表示部B542と検出表示部C543が点灯し、強い場合は検出表示部A541と検出表示部B542と検出表示部C543が点灯するような構成でもよい。あるいは第1の通知部が3段階の通知を行う場合に第2の通知部は3段階以上でも以下でもよい。例えば、出力が弱い場合は検出表示部A541と検出表示部B542が点灯し、中程度若しくは強い場合は検出表示部A541と検出表示部B542と検出表示部C543が点灯するような構成でもよい。さらに、上記の実施の形態では、第2の通知部は導子部E432や導子部F1432のみに配置されているが、これに限定されず、導子A41、導子B42、コイル導子61に配置されていてもよい。
【0121】
本実施の形態の回路構成について説明する。
図17には本体部11に導子C43を接続した場合のブロック図を示す。チャネル数が1の場合の構成であるが、複数の場合でも電源回路は共通とし、残りの構成は同様である。また、導子C43以外に導子A41、導子B42、ならびにコイル導子61を接続した場合も同様である。メインスイッチ25が押されると電源回路198から各回路に電力供給される。図において、超短波発振回路191は出力される超短波の基本周波数、例えば13.56MHzMHz、27.12MHzMHz、40.68MHzで発振を行う。操作部12は出力開始および停止、出力値を設定する機能を有し、使用者によって設定された出力値をもとにした制御回路197からの制御信号を受けて、増幅回路192は超短波発振回路191からの出力を十分な電圧に増幅し、電力増幅回路193は規定の電力までさらに増幅する。出力整合回路195は施術開始前の人体インピーダンスと本体部11の超短波が出力される伝送線路の特性インピーダンスとの整合を、調整手段196の可変容量を調整することで実現する。調整手段196には例えばバリコン等が用いられ、施術開始前に導子から患者に供給される超短波出力が最大になるように調整される。この調整方式によって、インピーダンスの異なる導子、例えばコイル導子61のようならせん形状のコイル導子の場合、腕用、脚用、胴体用などが考えられるが、それら各々の導子を接続した場合もその都度インピーダンス整合を行い、効率的な治療が可能となる。コイル導子61を使用した場合は、患部に巻き付ける長さ、すなわちコイル導子部611の長さよってインピーダンスがほぼ決まるので、コイル導子部611の全長が大幅に変わらない限りわずかな出力インピーダンスの調整で整合がとれ、調整手段196や出力整合回路195を小型化することができる。制御回路197は電力監視回路194からの電力値信号を受けて電力増幅回路193を制御し、導子C43を介して人体に供給される超短波出力の上限を制限する。この制御動作については次で説明する。また、制御回路197は出力に合わせて前述のように通知部A15からLED発光や鈴音による出力の通知を行う。
【0122】
本発明の特徴の一つとして患部に出力される物理エネルギーに上限を設けるように出力を制御する手段を有し、前記制御手段は、実際に患部に出力される物理エネルギーを検出する手段と、検出された物理エネルギーに、あらかじめ上限値を設けることで、導子と患部接触面の変化に基づくインピーダンス変化により反射波が小さくなり、患部に出力される物理エネルギーが急激に大きくなることがあっても患者が不快感を覚えたり、火傷等患部に障害を及ぼすような出力となることを防止する機構を備える。
【0123】
図18は上記出力上限を制御する動作説明図である。横軸は時間、縦軸は電力を示す。前述したように本体部11の例えば調整部A241によって設定された超短波出力Psは患者人体に吸収される電力Piと、患者人体によって反射される電力Prになる。Ps=Pi+PrすなわちPi=Ps-Prである。ここでPrは導子C43の患部に接する角度、押し当て方で、上記出力整合回路で施術開始前に出力最大に調整されていても容易に変動する。Psは設定値で一定であるから、PiもPr同様に変動する。そこで例えば、常に反射電力Prが生じていることを見越して治療効率を上げるために、設定値を治療に通常想定される値より大きく設定し、Psを大きくしていると、
図18のように治療中に反射電力Prが急激に極めて小さく、ほぼ0になった場合、破線のようにPiは逆に急激に大きくなり、患者にとっては不快感を感じ、患部に火傷を生じさせる可能性もありうる。電力監視回路194は超短波出力の伝送線路において、電力増幅回路193と出力整合回路195の間におかれ、伝送線路に流れる電力、すなわち、設定された超短波出力Psと反射されて戻ってきた電力Prの差分である患者に吸収される電力Piを監視し、その電力値を制御回路197に送っている。制御回路197は電力監視回路194からの電力値信号を受けてPiの上限を制限する。例えば上限値Plimとすると、これを超えそうになった場合、設定された超短波出力Psより下の値に下げて、PiがPlimを超えないように電力増幅回路193を制御する。反射波Prが大きくなり、患者に吸収される電力PiがPlim以下に下がったときは再び設定された値までPsを上げればよい。このように、反射波Prが急に減少したとしても、上限値Plim以上の電力は患部に照射されることはないため、不快感を生じさせる、やけどを起こすといったことを防止し、安全且つ効率的な治療を行うことが可能となる。なお, Plimは使用者によって設定されてもよいし、あらかじめ一定値に固定されていてもよいし、あるいはプログラムされて任意に設定または変更可能であってもよい。あるいは使用者の意思とは関係なく、調整部A241等で設定した出力値に応じて自動的に変更されるような構成でもよい。
【0124】
あらかじめ上限値を定める方法については
図19のように設定側の操作部12でPsの上限値の制限をかけてもよい。
図19では通常使用時は設定値として操作部では最大値Pmaxまでは設定できず、Psは所定の値であるPslim、例えばPslimとしてPlimを設定でき、Plimを上限とする値までしか出力されないことを示す。
図20においては設定値を設定する操作部においてリミッタ解除ボタンA2101、リミッタ解除ボタンB2102、リミッタ解除ボタンC2103を各々設けている。これらのボタンは各チャネルで所定の値以上の出力を設定する場合に使用する。例えばチャネル2で通常より大きな出力を設定する場合はリミッタ解除ボタンB2102を押しながら設定部B212を操作して、所定値を超える、例えば最大値Pmaxを設定する。通常の使用時にはリミッタ解除ボタンを押さずに使用する。この場合、制御回路197による電力増幅回路193の制御として、設定可能な最大値Pslimよりも小さな出力までにPsが制限されるため、患者に照射される出力はPlimを超えることはない。設定最大値に近い出力が必要な場合に限り、リミッタ解除ボタンを押す。この場合、最大設定値PmaxまでのPsとなるように制御回路197は電力増幅回路193を制御する。また、電力監視回路194はこの場合は必ずしも必要ではなく、省略して回路構成をより簡易にすることも可能である。意識的にリミッタ解除ボタンを操作するという手順を踏むことで、使用者に大きな出力であることを意識させ、徐々に出力を上げるといった慎重な操作を行うことで予想外の施術中の不快感や火傷を生じる可能性を減らすことが可能となる。あるいは、電力監視回路194は省略せずリミッタ解除ボタン操作時には
図18と同様の制御を併用してもよい。ここで、PslimとしてPlimを設定する場合を例にとって説明したがこれに限定されない。例えば、PslimとしてPmaxの例えば80%のように一定値を設定してもよいし、使用者等によって自由に変更できるような構成でもよい。以上の機能を備えることにより、患部に出力されるエネルギーに上限値を設けることで、急激に反射波が小さくなったとしても、患部に必要以上の大きさの物理エネルギーを供給することを抑止できる効果を得る。従って、患者に火傷を負わせる危険性を下げ、適切な治療を患者に安全に長時間施すことが可能で、治療効率のよい治療器を提供できる。
【0125】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な組み合わせ等をすることが可能である。
本発明の治療器は、物理エネルギーを人体に与えるために使用される治療器であって、前記物理エネルギーを患部に供給し、力を与えない状態でらせん形状を有する導子と、前記導子に電力を供給するための回路を有する本体部と、を備えることを特徴としている。さらに、本発明の治療器においては、前記本体部は、前記導子を患部に装着させた場合の前記導子のインピーダンスと前記導子に電力を供給する回路の出力インピーダンスとの整合をとる機能を有することを特徴としている。さらに、本発明の治療器においては、前記導子は、弾性を有し、力を加えることで変形可能であるとともに、前記力を解放した場合は再び元のらせん形状に戻ることを特徴としている。コイル形状の導子は弾性を有し、力を加えて、曲げたり、引っ張ることで変形させ多様な部位への適用が可能であり、脱着して力を解放した場合は再び元のらせん型のコイル形状に戻ることを特徴としている。
本発明の治療器は、超短波を、肘または膝あるいは手首もしくは足首であって治療する部位である患部に与えるために使用される治療器であって、前記超短波を患部に出射し、力を与えない状態でらせん形状のコイル部を有する導子と、前記導子に電力を供給するための回路を有する本体部と、前記回路を制御する制御部を備え、前記導子は、前記コイル部のらせんの中心の空間部に前記患部を通して前記患部と密着するように前記患部に巻き付ける形で前記患部に装着されて前記超短波を前記患部に与えるものであり、前記患部によって前記コイル部の巻き数や半径が変化することを特徴としている。さらに本発明の治療器においては、前記導子における前記コイル部の巻き数が患部に応じて4から10となることとしている。
【符号の説明】
【0126】
1 治療器
7 腕
11 本体部
12 操作部
13 収納部
14 接続部
15 通知部A
25 メインスイッチ
33 発音部
41 導子A
42 導子B
43 導子C
51 検出部
52 アンテナ部
53 回路部
55 通知部B
56 把持部
57 接触平面
58 凸部
59 筒部
61 コイル導子
91 ブザー
191 超短波発振回路
192 増幅回路
193 電力増幅回路
194 電力監視回路
195 出力整合回路
196 調整手段
197 制御回路
211 設定部A
212 設定部B
213 設定部C
221 出力開始ボタンA
222 出力開始ボタンB
223 出力開始ボタンC
231 出力停止ボタンA
232 出力停止ボタンB
233 出力停止ボタンC
241 調整部A
242 調整部B
243 調整部C
311 コネクタ接続部A
312 コネクタ接続部B
313 コネクタ接続部C
321 LED部A
322 LED部B
323 LED部C
324 LED部D
325 LED部E
331 発音部A
332 発音部B
333 発音部C
411 導子部A
412 押ボタンスイッチA
413 ケーブルA
414 コネクタA
421 導子部B
422 導子部C
423 ケーブルB
424 ケーブルC
425 コネクタB
426 押しボタンスイッチB
427 押しボタンスイッチC
431 導子部D
432 導子部E
433 ケーブルD
434 ケーブルE
435 コネクタC
511 把持抑止部A
512 超短波出射部
513 ジョイント保護部
514 把持抑止部B
515 把持抑止部C
516 把持抑止部D
541 検出表示部A
542 検出表示部B
543 検出表示部C
591 筒下部
592 筒上部
593 湾曲部
611 コイル導子部
612 ケーブルF
613 コネクタD
614 空間部
721 ダイオードA
722 ダイオードB
723 ダイオードC
731 抵抗A
732 抵抗B
733 抵抗C
741 LED-A
742 LED-B
743 LED-C
751 ツェナーダイオードA
752 ツェナーダイオードB
753 ツェナーダイオードC
761 コンデンサA
762 コンデンサB
763 コンデンサC
771 抵抗D
772 抵抗E
773 抵抗F
924 ダイオードD
934 抵抗G
954 ツェナーダイオードD
964 コンデンサD
974 抵抗H
1432 導子部F
2101 リミッタ解除ボタンA
2102 リミッタ解除ボタンB
2103 リミッタ解除ボタンC