(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム装置、ゲームシステムの動作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20240625BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240625BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240625BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240625BHJP
G06T 13/80 20110101ALI20240625BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/54
A63F13/30
A63F13/53
G06T13/80 A
(21)【出願番号】P 2020018090
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】山根 清彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 淳史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】細川 貴由
(72)【発明者】
【氏名】東 尚吾
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-205643(JP,A)
【文献】特開2006-065683(JP,A)
【文献】特開2019-205645(JP,A)
【文献】特開2017-188833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06T 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者にゲームを提供するゲーム装置と、
前記ゲーム装置と通信可能な制御システムと
を具備するゲームシステムであって、
前記制御システムは、
操作者からの指示に応じた第1制御データを生成する指示生成部と、
前記第1制御データを前記ゲーム装置に送信する第1送信制御部とを具備し、
前記ゲーム装置は、
前記第1制御データを受信する第1受信制御部と、
仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部と、
前記第1受信制御部による前記第1制御データの受信と前記制御処理部による前記第2制御データの生成とが並列に発生可能な状態において前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させ、前記第1制御データおよび前記第2制御データに応じて前記仮想キャラクタの動作を制御する第1表示制御部とを具備する
ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム装置は、
前記第1表示装置に表示された前記仮想キャラクタの動作を表す通知データを前記制御システムに送信する第2送信制御部をさらに具備し、
前記制御システムは、
前記通知データを受信する第2受信制御部と、
前記第2受信制御部が受信した通知データが表す前記仮想キャラクタの動作を第2表示装置に表示させる第2表示制御部とをさらに具備する
請求項1のゲームシステム。
【請求項3】
前記第2表示制御部は、前記第1表示装置に表示される前記仮想キャラクタが動作する動画を前記第2表示装置に表示させる
請求項2のゲームシステム。
【請求項4】
前記制御システムは、
前記操作者による発音に対応した音声を表す音声データを生成する音声処理部をさらに具備し、
前記第1送信制御部は、前記音声データを前記ゲーム装置に送信し、
前記第1受信制御部は、前記音声データを受信し、
前記ゲーム装置は、
前記第1表示装置による前記仮想キャラクタの表示に並行して、前記音声データに応じた音声を放音装置に放音させる放音制御部をさらに具備する
請求項2または請求項3のゲームシステム。
【請求項5】
前記第1表示制御部は、前記第1表示装置に表示される前記仮想キャラクタの口の形状を、前記音声データに応じて制御する
請求項4のゲームシステム。
【請求項6】
前記第1表示制御部は、前記第1制御データに応じた動作と前記第2制御データに応じた動作とを前記仮想キャラクタに順次に実行させる
請求項1から請求項5の何れかのゲームシステム。
【請求項7】
前記第1表示制御部は、前記第1制御データに応じた動作と前記第2制御データに応じた動作とを、前記第1制御データおよび前記第2制御データについて設定された優先度の順番で実行する
請求項6のゲームシステム。
【請求項8】
前記制御処理部は、前記ゲームの状況に応じた動作を表す第2制御データを生成する
請求項1から請求項7の何れかのゲームシステム。
【請求項9】
前記制御処理部は、前記利用者からの指示に応じた動作を表す第2制御データを生成する
請求項1から請求項8の何れかのゲームシステム。
【請求項10】
操作者からの指示に応じた第1制御データを送信する制御システムと通信可能であり、利用者にゲームを提供するゲーム装置であって、
前記第1制御データを受信する第1受信制御部と、
仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部と、
前記第1受信制御部による前記第1制御データの受信と前記制御処理部による前記第2制御データの生成とが並列に発生可能な状態において前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させ、前記第1制御データおよび前記第2制御データに応じて前記仮想キャラクタの動作を制御する第1表示制御部と
を具備するゲーム装置。
【請求項11】
利用者にゲームを提供するゲーム装置と、
前記ゲーム装置と通信可能な制御システムと
を具備するシステムの動作方法であって、
前記制御システムが、
操作者からの指示に応じた第1制御データを生成し、
前記第1制御データを前記ゲーム装置に送信し、
前記ゲーム装置が、
前記第1制御データを受信し、
仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成し、
前記第1制御データの受信と
前記第2制御データの生成とが並列に発生可能な状態において前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させ、前記第1制御データおよび前記第2制御データに応じて前記仮想キャラクタの動作を制御する
ゲームシステムの動作方法。
【請求項12】
操作者からの指示に応じた第1制御データを送信する制御システムと通信可能であり、利用者にゲームを提供するゲーム装置のプロセッサを、
前記第1制御データを受信する第1受信制御部、
仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部、および、
前記第1受信制御部による前記第1制御データの受信と前記制御処理部による前記第2制御データの生成とが並列に発生可能な状態において前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させ、前記第1制御データおよび前記第2制御データに応じて前記仮想キャラクタの動作を制御する第1表示制御部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、抽選用のボールが転動するフィールドと、当該ボールが進入可能な複数のポケットが設置されたルーレット部とを具備する抽選装置が開示されている。抽選装置においては、フィールドに投入されたボールが複数のポケットのうち何れのポケットに進入するかに応じて抽選結果を決定する物理抽選が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームの状況に応じた動作を仮想キャラクタに実行させることで、利用者の支援または効果的な演出を実現することが想定される。しかし、単純にゲームの状況のみに応じて仮想キャラクタの動作を制御する構成では、仮想キャラクタの動作が単調になり易い。他方、ゲーム装置が設置された遊技施設の従業員等の操作者が仮想キャラクタの動作を指示する構成では、操作者の負荷が過大となる。以上の事情を考慮して、本発明の好適な態様は、操作者の負荷を軽減しながら仮想キャラクタの動作を多様化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係るゲームシステムは、利用者にゲームを提供するゲーム装置と、前記ゲーム装置と通信可能な制御システムとを具備するゲームシステムであって、前記制御システムは、操作者からの指示に応じた第1制御データを生成する指示生成部と、前記第1制御データを前記ゲーム装置に送信する第1送信制御部とを具備し、前記ゲーム装置は、前記第1制御データを受信する第1受信制御部と、仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部と、前記第1受信制御部が受信した第1制御データと前記制御処理部が生成した第2制御データとに応じて動作する前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させる第1表示制御部とを具備する。
【0006】
本発明のひとつの態様に係るゲーム装置は、操作者からの指示に応じた第1制御データを送信する制御システムと通信可能であり、利用者にゲームを提供するゲーム装置であって、前記第1制御データを受信する第1受信制御部と、仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部と、前記第1受信制御部が受信した第1制御データと前記制御処理部が生成した第2制御データとに応じて動作する前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させる第1表示制御部とを具備する。
【0007】
本発明のひとつの態様に係るゲームシステムの動作方法は、利用者にゲームを提供するゲーム装置と、前記ゲーム装置と通信可能な制御システムとを具備するシステムの動作方法であって、前記制御システムが、操作者からの指示に応じた第1制御データを生成し、前記第1制御データを前記ゲーム装置に送信し、前記ゲーム装置が、前記第1制御データを受信し、仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成し、前記受信された第1制御データと前記生成された第2制御データとに応じて動作する前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させる。
【0008】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、操作者からの指示に応じた第1制御データを送信する制御システムと通信可能であり、利用者にゲームを提供するゲーム装置のプロセッサを、前記第1制御データを受信する第1受信制御部、仮想キャラクタの動作を制御するための第2制御データを生成する制御処理部、および、前記第1受信制御部が受信した第1制御データと前記制御処理部が生成した第2制御データとに応じて動作する前記仮想キャラクタを第1表示装置に表示させる第1表示制御部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
【
図4】ゲーム装置および制御システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図6】制御システムの構成を例示するブロック図である。
【
図8】指示受付処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図9】再生制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図10】再生制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、制御システム10とゲーム装置20とを具備する。制御システム10とゲーム装置20とは、例えばインターネット等の通信網2を介して相互に通信可能である。制御システム10またはゲーム装置20と通信網2との間の通信は、有線通信および無線通信の何れでもよい。なお、実際のゲームシステム1においては複数のゲーム装置20の各々が制御システム10と通信可能であるが、以下の説明では便宜的に1個のゲーム装置20に着目する。
【0012】
ゲーム装置20は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲーム装置20は、遊技施設内の利用者Ha(すなわちプレイヤ)にゲームを提供するコンピュータシステムである。なお、カジノにおいて使用されるゲーム装置20は、ゲーミングマシンとも称呼される。制御システム10は、ゲーム装置20の動作を制御するためのコンピュータシステムである。例えば遊技施設の外側に設置されたサーバシステムが制御システム10として利用される。制御システム10は、当該制御システム10を運営する企業の従業員等の操作者Hbにより操作される。
【0013】
図2は、ゲーム装置20の構成を例示するブロック図である。
図2に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と収録システム24と再生システム25と抽選機構26と複数のステーション27とを具備する。なお、ゲーム装置20は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0014】
抽選機構26は、複数の抽選要素の何れかを無作為に選択する物理抽選を実行する機構である。物理抽選の結果に応じて利用者Haの当選/落選が決定される。例えば、複数の抽選孔の何れかに球体等の抽選体を進入させる回転盤(ルーレット)、または複数の抽選体の何れかを1個以上の抽選孔に進入させる抽選器が、抽選機構26として例示される。なお、制御装置21による演算で利用者Haの当選/落選を決定する電子抽選を物理抽選に代えて採用してもよい。電子抽選が実行される構成では抽選機構26を省略してもよい。
【0015】
図2における1個のステーション27について代表的に図示される通り、複数のステーション27の各々は、抽選機構26を利用した抽選ゲームをプレイするために利用者Haが使用するユニットである。相異なるステーション27を使用して1以上の利用者Haが抽選ゲームをプレイする。
【0016】
複数のステーション27の各々は、表示装置271と操作装置272とを具備する。表示装置271は映像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置271として利用される。表示装置271には、例えば抽選ゲームの進行を表すゲーム画面Ga(
図5)が表示される。操作装置272は、利用者Haによる操作を受付ける。例えば複数の操作子またはタッチパネルが操作装置272として利用される。
【0017】
制御装置21は、例えばゲーム装置20の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0018】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として利用される。通信装置23は、制御装置21による制御のもとで通信網2を介して制御システム10と通信する。
【0019】
収録システム24は、ゲーム装置20の状況を収録する画像入力システムである。具体的には、収録システム24は、映像を撮像する撮像装置241と、音声を収音する収音装置242とを具備する。撮像装置241は、例えば撮影レンズ等の光学系と、光学系からの入射光を電気信号に変換する撮像素子とを具備する。第1実施形態の撮像装置241は、ゲーム装置20の状況を撮像する。具体的には、撮像装置241は、抽選機構26が実行する物理抽選の状況と、各ステーション27の利用者Haの状況とを撮像する。収音装置242は、周囲の音波に応じた電気信号を生成するマイクロホンである。第1実施形態の収音装置242は、各利用者Haが発音する音声を収音する。
【0020】
再生システム25は、映像と音声とを含む動画を再生する。具体的には、再生システム25は、映像を表示する表示装置251(第1表示装置の一例)と、音声を放音する放音装置252とを具備する。表示装置251は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルである。放音装置252は、例えばスピーカである。相異なるステーション27を利用する複数の利用者Haは、表示装置251が表示する映像と放音装置252が放音する音声とを視聴できる。以上の説明から理解される通り、表示装置271が各ステーション27の利用者Haに個別に利用されるのに対し、再生システム25は複数の利用者Haにより共用される。
【0021】
第1実施形態の再生システム25は、抽選ゲームの進行に並行して仮想キャラクタCaの動画を再生する。
図3は、仮想キャラクタCaの説明図である。仮想キャラクタCaは、各利用者Haによる抽選ゲームのプレイを支援するための仮想空間内のオブジェクトであり、複数種の動作を実行する。第1実施形態の仮想キャラクタCaは、音声を発音する口を有する仮想的な生物を表す。例えば、仮想キャラクタCaは、抽選ゲームを進行させる仮想的な進行者(ディーラー)を表す。表示装置251は、仮想キャラクタCaの映像を表示し、放音装置252は、仮想キャラクタCaの音声を放音する。
【0022】
図4は、ゲーム装置20および制御システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。
図4に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置20における制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(ゲーム制御部31,制御処理部32,再生制御部33,収録処理部34,受信制御部35,および送信制御部36)を実現する。なお、相異なるステーション27に搭載された複数の制御ユニットと、複数のステーション27を統括する制御ユニットとにより制御装置21を構成してもよい。すなわち、
図3に例示されたゲーム装置20の複数の機能は、単体の装置により実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0023】
受信制御部35(第1受信制御部の一例)は、制御システム10から送信されたデータを通信装置23により受信する。第1実施形態の受信制御部35は、制御データDa(Da1,Da2)および音声データVを制御システム10から通信装置23により受信する。制御データDa(第1制御データの一例)は、制御システム10の操作者Hbからの指示に応じたデータである。具体的には、制御データDaは、仮想キャラクタCaの動作を指示するデータであり、制御システム10に対する操作者Hbからの指示に応じて生成される。音声データVは、操作者Hbによる発音に対応した音声を表すデータである。第1実施形態の音声データVは、操作者Hbが発音した音声を加工した音声の波形を表す波形データである。
【0024】
ゲーム制御部31は、抽選ゲームの進行を制御する。第1実施形態のゲーム制御部31は、抽選機構26による物理抽選を制御し、当該物理抽選の結果に応じて各利用者Haの当選/落選を決定する。抽選機構26による物理抽選の結果を利用する抽選ゲームが、複数のステーション27において並列に進行する。なお、ゲーム制御部31の機能の一部または全部を複数のステーション27に分散してもよい。
【0025】
第1実施形態のゲーム制御部31は、抽選ゲームの進行を表すゲーム画面Gaを各表示装置271に表示させる処理と、抽選ゲームの進行に並行して各操作装置272に対する利用者Haからの操作を受付ける処理とを実行する。
【0026】
図5は、表示装置271に表示されるゲーム画面Gaの模式図である。
図5に例示される通り、第1実施形態のゲーム画面Gaは、遊技領域Ga1と操作領域Ga2とを含む画像である。遊技領域Ga1は、抽選ゲームの進行の状況が表示される領域である。第1実施形態では、複数の抽選要素(番号)を行列状に配列した抽選カードが利用者Ha毎に設定されるビンゴゲームを抽選ゲームとして例示する。遊技領域Ga1には抽選カードが表示される。ゲーム制御部31は、抽選カードの複数の抽選要素のうち物理抽選により順次に選択される抽選要素が1列(縦/横/斜め)に配列する場合に、利用者Haが当選したと判定する。ただし、ゲーム装置20で実行されるゲームの種類は以上の例示に限定されない。
【0027】
操作領域Ga2は、仮想キャラクタCaに関する操作を利用者Haから受付ける領域である。具体的には、仮想キャラクタCaの動作を表す複数の選択肢が操作領域Ga2に配置される。例えば、仮想キャラクタCaが右方向に回転する動作を表す選択肢(右回転)と、仮想キャラクタCaが左方向に回転する動作を表す選択肢(左回転)とが、操作領域Ga2に配置される。利用者Haは、操作装置272を操作することで、仮想キャラクタCaに実行させたい動作に対応する選択肢を操作領域Ga2から選択する。
【0028】
図4の制御処理部32は、仮想キャラクタCaの動作を指示する制御データDb(Db1,Db2)を生成する。第1実施形態の制御データDb(第2制御データの一例)は、仮想キャラクタCaが実行可能な複数の動作の何れかを識別するための識別情報(モーションID)である。
【0029】
制御データDb1は、抽選ゲームの状況に応じたデータである。すなわち、制御処理部32は、抽選ゲームの状況に応じた動作を表す制御データDb1を生成する。例えば、抽選ゲームの開始、物理抽選の開始および終了、各利用者Haの当選/落選の決定等の各種の状況(例えばゲームイベント)が抽選ゲームにおいて発生した場合に、当該状況に応じた動作を表す制御データDb1が生成される。例えば、抽選ゲームに関する複数の状況の各々について仮想キャラクタCaの動作が登録されたデータテーブルを参照することで、制御処理部32は、現在の抽選ゲームの状況に対応する動作を表す制御データDb1を生成する。抽選ゲームの状況の変化毎に制御データDb1が生成される。
【0030】
制御データDb2は、各利用者Haからの指示に応じたデータである。第1実施形態の制御処理部32は、操作装置272に対する利用者Haからの操作に応じた制御データDb2を生成する。具体的には、制御処理部32は、操作領域Ga2に配置された複数の選択肢のうち、利用者Haが選択した選択肢に対応する動作を表す制御データDb2を生成する。利用者Haによる動作の選択毎に制御データDb2が生成される。なお、制御データDb2が表す動作を仮想キャラクタCaが実行している途中で利用者Haが操作装置272を操作した場合、当該操作に対応する制御データDb2は生成されない。すなわち、短時間での連続的な指示はキャンセルされる。
【0031】
なお、複数のステーション27のうち所定の条件を充足する1個のステーション27に対する利用者Haからの指示のみを選択的に制御データDb2に反映させてもよい。例えば、制御処理部32は、複数のステーション27から1個のステーション27を無作為に選択し、当該ステーション27の操作装置272に対する利用者Haからの操作に応じて制御データDb2を生成する。また、制御処理部32は、複数のステーション27のうち所定期間におけるクレジットの使用量(ベット数)が最大である1個のステーション27を選択し、当該ステーション27の操作装置272に対する利用者Haからの操作に応じて制御データDb2を生成する。非選択のステーション27の操作装置272に対する利用者Haからの操作は制御データDb2に反映されない。
【0032】
再生制御部33は、
図3に例示される通り、抽選ゲームの進行に並行して仮想キャラクタCaの動画を再生システム25に再生させる。第1実施形態の再生制御部33は、表示制御部331(第1表示制御部の一例)と放音制御部332とを具備する。表示制御部331は、抽選ゲームの進行に並行して仮想キャラクタCaの映像を表示装置251に表示させる。具体的には、表示制御部331は、例えばレンダリング等の各種の画像処理を実行することで仮想キャラクタCaの画像データを生成し、当該画像データを表示装置251に送信することで仮想キャラクタCaを表示させる。放音制御部332は、表示装置251による仮想キャラクタCaの表示に並行して当該仮想キャラクタの音声を放音装置252に放音させる。具体的には、放音制御部332は、受信制御部35が受信した音声データVが表す音声を、仮想キャラクタCaの音声として放音装置252に放音させる。すなわち、第1実施形態においては、
図3の例示の通り、表示装置251による仮想キャラクタCaの表示に並行して、操作者Hbによる発音に対応した音声(例えば「ゲームスタート」という音声)が放音装置252から放音される。したがって、操作者Hbが発音した内容を仮想キャラクタCaが発音しているような演出が実現される。
【0033】
第1実施形態の表示制御部331は、受信制御部35が受信した制御データDaと制御処理部32が生成した制御データDb(Db1,Db2)とに応じて動作する仮想キャラクタCaの映像を表示装置251に表示させる。すなわち、表示制御部331は、制御データDaまたは制御データDbにより指示される動作を仮想キャラクタCaに実行させる。例えば、仮想キャラクタCaが実行可能な複数の動作の各々について当該動作を表す動作データが記憶装置22に記憶される。動作データは、例えば身体における関節等の各部位の位置の変化を表す時系列データである。表示制御部331は、記憶装置22に記憶される複数の動作データのうち制御データDaまたは制御データDbにより指示される動作の動作データを利用して仮想キャラクタCaの動作を制御する。
【0034】
また、表示制御部331は、表示装置251に表示される仮想キャラクタCaの口の形状を、受信制御部35が受信した音声データVに応じて制御する。具体的には、表示制御部331は、音声データVが表す音声の音量が大きいほど仮想キャラクタCaの口が大きく開くように、表示装置251に表示される仮想キャラクタCaの映像を制御する。音声データVが表す音声の音量がゼロである状態では、仮想キャラクタCaの口は閉じた形状に維持される。例えば、表示制御部331は、仮想キャラクタCaの口の形状を表す制御データDcを音声データVに応じて生成し、当該制御データDcを利用して仮想キャラクタCaの口の形状を制御する。なお、例えば音声データVが表す音声について音素の時系列を音声認識処理により解析し、仮想キャラクタCaの口の形状を各音素に対応した形状に制御してもよい。以下の説明においては、制御データDaと制御データDbと制御データDcとを「制御データD」と包括的に表現する。制御データDは、仮想キャラクタCaを制御するためのデータである。
【0035】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、音声データVに応じた音声の放音に並行して仮想キャラクタCaの口の形状が音声データVに応じて制御される。したがって、操作者Hbが発音した内容を仮想キャラクタCaが実際に発音しているような効果的な演出が実現される。
【0036】
図4の収録処理部34は、収録システム24が収録した動画を表す収録データRを生成する。収録データRは、撮像装置241が撮像した映像と収音装置242が収音した音声とを表す。すなわち、収録処理部34は、抽選機構26および各利用者Haの状況を表す映像と、各利用者Haが発音する音声とを表す収録データRを生成する。
【0037】
送信制御部36(第2送信制御部の一例)は、通信装置23から制御システム10に対してデータを送信する。第1実施形態の送信制御部36は、通知データBと収録データRとを通信装置23から制御システム10に送信する。通知データBは、表示装置251に表示された仮想キャラクタCaの動作を表すデータである。例えば、通知データBは、表示制御部331が仮想キャラクタCaの動作の制御に利用した制御データD(Da,Db,Dc)を含む。仮想キャラクタCaの動作毎に当該動作を表す通知データBが送信制御部36から制御システム10に送信される。
【0038】
図6は、制御システム10の構成を例示するブロック図である。
図6に例示される通り、第1実施形態の制御システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と収録システム14と再生システム15と操作装置16とを具備する。なお、制御システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0039】
制御装置11は、例えば制御システム10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0040】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。
【0041】
通信装置13は、制御装置11による制御のもとで通信網2を介してゲーム装置20と通信する。操作装置16は、操作者Hbによる操作を受付ける。例えば複数の操作子またはタッチパネルが操作装置16として利用される。
【0042】
収録システム14は、映像と音声とを含む動画を収録する画像入力システムである。具体的には、収録システム14は、映像を撮像する撮像装置141と、音声を収音する収音装置142とを具備する。撮像装置141は、例えば撮影レンズ等の光学系と、光学系からの入射光を電気信号に変換する撮像素子とを具備する。第1実施形態の撮像装置141は、操作者Hbの状況を撮像する。収音装置142は、周囲の音波に応じた電気信号を生成するマイクロホンである。第1実施形態の収音装置142は、操作者Hbが発音する音声を収音する。
【0043】
再生システム15は、映像と音声とを含む動画を再生する。具体的には、再生システム15は、映像を表示する表示装置151(第2表示装置の一例)と、音声を放音する放音装置152とを具備する。表示装置151は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルである。放音装置152は、例えばスピーカである。操作者Hbは、表示装置151が表示する映像と放音装置152が放音する音声とを視聴する。
【0044】
図4に例示される通り、第1実施形態の制御システム10における制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(再生制御部41,音声処理部42,指示生成部43,送信制御部44,受信制御部45)を実現する。
【0045】
受信制御部45(第2受信制御部の一例)は、ゲーム装置20から送信されたデータを通信装置13により受信する。第1実施形態の受信制御部45は、ゲーム装置20から送信された通知データBおよび収録データRを通信装置13により受信する。
【0046】
再生制御部41は、現在のゲーム装置20の状況を表す動画を再生システム15に再生させる。第1実施形態の再生制御部41は、表示制御部411(第2表示制御部の一例)と放音制御部412とを具備する。表示制御部411は、現在のゲーム装置20の状況を表す映像(以下「確認画面」という)Gbを表示装置151に表示させる。放音制御部412は、表示装置151による確認画面Gbの表示に並行して、収録データRが表す音声を放音装置152に放音させる。すなわち、各利用者Haが発音する音声が放音装置152から放音される。
【0047】
図7は、確認画面Gbの模式図である。
図7に例示される通り、確認画面Gbは、参照領域Gb1と参照領域Gb2と操作領域Gb3とを含む画像である。参照領域Gb1は、収録データRが表す映像が表示される領域である。具体的には、抽選機構26および各利用者Haの状況を表す映像が、抽選ゲームの進行に並行して参照領域Gb1に表示される。操作者Hbは、参照領域Gb1に表示される映像と放音装置152から放音される音声とを視聴することで、各利用者Haの状況を実時間的に確認できる。
【0048】
表示制御部411は、抽選ゲームの進行に並行して仮想キャラクタCbの映像を表示装置151の参照領域Gb2に表示させる。仮想キャラクタCbは、仮想キャラクタCaと実質的に同一のオブジェクトである。したがって、表示制御部411は、仮想キャラクタCaの動画を表示装置151に表示させる要素とも換言される。具体的には、表示制御部411は、例えばレンダリング等の各種の画像処理を実行することで仮想キャラクタCbの画像データを生成し、当該画像データを表示装置151に送信することで仮想キャラクタCbを参照領域Gb2に表示させる。すなわち、表示制御部411は、ゲーム装置20の表示装置251に表示される仮想キャラクタCaが動作する画像を表示装置151に表示させる。
【0049】
第1実施形態の表示制御部411は、仮想キャラクタCaと同様の動作を実行する仮想キャラクタCbの映像を表示装置151に表示させる。具体的には、表示制御部411は、受信制御部45が受信した通知データBに応じて動作する仮想キャラクタCbの映像を表示装置151に表示させる。すなわち、表示制御部411は、表示制御部331と同様の処理により、通知データBに含まれる制御データDaまたは制御データDbにより指示される動作を仮想キャラクタCbに実行させる。また、表示制御部411は、通知データBに含まれる制御データDcに応じて仮想キャラクタCbの口の形状を制御する。以上の説明から理解される通り、操作者Hbは、表示装置151に表示された仮想キャラクタCbを視認することで、ゲーム装置20の表示装置251に表示されている仮想キャラクタCaの動作を実時間的に確認することが可能である。
【0050】
操作領域Gb3は、仮想キャラクタCaに関する操作を操作者Hbから受付ける領域である。具体的には、仮想キャラクタCaの動作を表す複数の選択肢が操作領域Gb3に配置される。例えば、仮想キャラクタCaが微笑む動作を表す選択肢(微笑む)と、仮想キャラクタCaが手を振る動作を表す選択肢(手を振る)と、仮想キャラクタCbが拍手する動作を表す選択肢(拍手)と、仮想キャラクタCbが喜ぶ動作を表す選択肢(喜ぶ)とが、操作領域Gb3に配置される。操作領域Gb3には、各ステーション27の表示装置271に表示される操作領域Ga2と比較して多数の選択肢が表示される。操作者Hbは、操作装置16を操作することで、仮想キャラクタCaに実行させたい動作に対応する選択肢を操作領域Gb3から選択する。
【0051】
図4の指示生成部43は、操作者Hbからの指示に応じた制御データDa(Da1,Da2)を生成する。第1実施形態の指示生成部43は、制御データDa1および制御データDa2を生成する。制御データDa1は、操作装置16に対する操作で操作者Hbが選択した動作を表すデータである。具体的には、指示生成部43は、操作領域Gb3に配置された複数の選択肢のうち、操作者Hbが選択した選択肢に対応する動作を表す制御データDa1を生成する。制御データDa1は、前述の制御データDbと同様に、例えば仮想キャラクタCaが実行可能な複数の動作の何れかを識別するための識別情報である。操作者Hbによる動作の選択毎に制御データDa1が生成される。
【0052】
制御データDa2は、撮像装置141が撮像した操作者Hbの動作を表すデータである。具体的には、指示生成部43は、撮像装置141が撮像した操作者Hbの映像の解析(例えばモーションキャプチャ)により、操作者Hbの身体における関節等の各部位について位置の変化を表す動作データを制御データDa2として生成する。例えば、操作者Hbの四肢の移動または顔表情の変化等を表す制御データDa2が生成される。操作者Hbは、操作装置16に対する操作で撮像装置141に撮像を指示することが可能である。撮像装置141による操作者Hbの撮像毎に制御データDa2が生成される。撮像装置141により撮像される操作者Hbの動作は、仮想キャラクタCaの動作の指示に相当する。制御システム10の動作中に撮像装置141が操作者Hbの撮像を継続してもよい。すなわち、指示生成部43が常時的に制御データDa2を生成してもよい。
【0053】
以上の説明から理解される通り、制御データDaおよび制御データDbは何れもゲーム装置20における仮想キャラクタCaの動作の指示に利用されるが、制御データDa2は操作者Hbによる指示に応じて生成されるのに対して、制御データDbは操作者Hbの指示とは無関係にゲーム装置20において生成されるという相違がある。
【0054】
図4の音声処理部42は、操作者Hbによる発音に対応した音声を表す音声データVを生成する。具体的には、音声処理部42は、収音装置142が収音した操作者Hbの音声を加工することで音声データVを生成する。例えば、音声処理部42は、操作者Hbの音声に対して声質変換を実行することで音声データVを生成する。声質変換は、例えば、男声および女声の一方を他方に変換する処理、または、音声の声質を変化させる処理である。以上の通り、第1実施形態においては、操作者Hbが発音した音声とは声質が相違する音声の音声データVが生成される。操作者Hbによる発音毎に音声データVが生成される。操作者Hbは、表示装置151に表示される仮想キャラクタCbの動作を確認しながら、仮想キャラクタCaが発音すべき内容を決定し、当該内容の音声を収音装置142に対して発音する。なお、音声処理部42による処理後の音声データVに応じた音声を、放音制御部412が放音装置152に放音させてもよい。
【0055】
操作者Hbは、参照領域Gb1に表示されたゲーム装置20の状況と、参照領域Gb2に表示された仮想キャラクタCbの動作と、放音装置152から放音される各利用者Haの音声とを視聴しながら、仮想キャラクタCaの動作および音声を決定する。そして、仮想キャラクタCaに実行させたい動作を操作領域Gb3に対する操作または自身の運動により指示し、仮想キャラクタCaに発音させたい内容を発音する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、仮想キャラクタCaの動作として、操作者Hb自身が指示した動作(制御データDa)に加えて、抽選ゲームの状況に応じた動作(制御データDb)が、ゲーム装置20から制御システム10に対してフィードバックされる。したがって、操作者Hbは、仮想キャラクタCaの実際の動作を確認しながら、仮想キャラクタCaの動作を指示できる。第1実施形態においては特に、ゲーム装置20における仮想キャラクタCaと同等の仮想キャラクタCbが動作する動画が表示装置151に表示される。したがって、仮想キャラクタCaの動作を操作者Hbが視覚的および直観的に把握できるという利点がある。
【0056】
図4の送信制御部44(第1送信制御部の一例)は、通信装置13からゲーム装置20に対してデータを送信する。第1実施形態の送信制御部44は、指示生成部43が生成した制御データDaと音声処理部42が生成した音声データVとを通信装置13からゲーム装置20に送信する。制御データDaの生成毎に当該制御データDaがゲーム装置20に送信され、音声データVの生成毎に当該音声データVがゲーム装置20に送信される。なお、所定の期間内における操作者Hbからの指示に応じた制御データDaを当該期間毎に纏めてゲーム装置20に送信してもよい。
【0057】
図8は、制御システム10の制御装置11が操作者Hbからの指示を受付ける処理(以下「指示受付処理Sa」という)の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば所定の周期で発生する割込を契機として指示受付処理Saが開始される。
【0058】
指示受付処理Saを開始すると、指示生成部43は、操作領域Gb3内の複数の選択肢の何れかを選択する操作を操作装置16が受付けたか否かを判定する(Sa1)。すなわち、仮想キャラクタCaの動作の指示を操作者Hbから受付けたか否かが判定される。動作の指示を受付けた場合(Sa1:YES)、指示生成部43は、操作者Hbが指示した動作を表す制御データDa1を生成する(Sa2)。送信制御部44は、指示生成部43が生成した制御データDa1を通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sa3)。動作の指示を受付けない場合(Sa1:NO)、制御データDa1の生成(Sa2)および送信(Sa3)は実行されない。
【0059】
また、指示生成部43は、撮像装置141による撮像の指示を操作装置16が受付けたか否かを判定する(Sa4)。撮像の指示を受付けた場合(Sa4:YES)、指示生成部43は、撮像装置141に操作者Hbを撮像させることで、当該操作者Hbの動作を表す制御データDa2を生成する(Sa5)。送信制御部44は、指示生成部43が生成した制御データDa2を通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sa6)。撮像の指示を受付けない場合(Sa4:NO)、制御データDa2の生成(Sa5)および送信(Sa6)は実行されない。
【0060】
音声処理部42は、操作者Hbが音声を発音したか否かを判定する(Sa7)。操作者Hbが発音した場合(Sa7:YES)、音声処理部42は、収音装置142が収音した操作者Hbの音声を加工することで音声データVを生成する(Sa8)。送信制御部44は、音声処理部42が生成した音声データVを通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sa9)。操作者Hbが発音しない場合(Sa7:NO)、音声データVの生成(Sa8)および送信(Sa9)は実行されない。
【0061】
図9は、ゲーム装置20の制御装置21が仮想キャラクタCaを制御する処理(以下「再生制御処理Sb」という)の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば所定の周期で発生する割込を契機として再生制御処理Sbが開始される。再生制御処理Sbに並行して、受信制御部35は、制御システム10から送信された音声データVを通信装置23により順次に受信する。
【0062】
再生制御処理Sbを開始すると、再生制御部33は、受信制御部35が通信装置23により制御データDa(Da1,Da2)を受信したか否かを判定する(Sb1)。受信制御部35が制御データDaを受信した場合(Sb1:YES)、表示制御部331は、制御データDaが表す動作を仮想キャラクタCaに実行させる(Sb2)。具体的には、受信制御部35が制御データDa1を受信した場合、表示制御部331は、当該制御データDa1が表す識別情報で識別される動作を仮想キャラクタCaに実行させる。他方、受信制御部35が制御データDa2を受信した場合、表示制御部331は、当該制御データDa2が表す操作者Hbの動作を仮想キャラクタCaに実行させる。
【0063】
また、表示制御部331は、制御データDaに応じた仮想キャラクタCaの制御に並行して、受信制御部35が受信した音声データVに応じて仮想キャラクタCaの口の形状を制御する。具体的には、表示制御部331は、音声データVに応じた制御データDcを生成し、当該制御データDcを利用して仮想キャラクタCaの口の形状を制御する。
【0064】
以上の手順により仮想キャラクタCaを制御すると、送信制御部36は、仮想キャラクタCaの制御に適用した制御データD(Da,Dc)を含む通知データBを通信装置23から制御システム10に送信する(Sb3)。また、放音制御部332は、音声データVが表す音声を放音装置252に放音させる(Sb4)。
【0065】
他方、制御データDaを受信しない場合(Sb1:NO)、制御処理部32は、抽選ゲームに関する状況が変化したか否かを判定する(Sb5)。抽選ゲームの状況が変化した場合(Sb5:YES)、制御処理部32は、変化後の状況に対応する動作を表す制御データDb1を生成する(Sb6)。表示制御部331は、制御データDb1が表す動作を仮想キャラクタCaに実行させる処理と、音声データVに応じて仮想キャラクタCaの口の形状を制御する処理とを実行する(Sb2)。送信制御部36は、仮想キャラクタCaの制御に適用した制御データD(Db1,Dc)を含む通知データBを通信装置23から制御システム10に送信し(Sb3)、放音制御部332は、音声データVが表す音声を放音装置252に放音させる(Sb4)。
【0066】
抽選ゲームの状況が変化しない場合(Sb5:NO)、制御処理部32は、仮想キャラクタCaの動作の指示を操作装置272が利用者Haから受付けたか否かを判定する(Sb7)。動作の指示を受付けた場合(Sb7:YES)、制御処理部32は、利用者Haが指示した動作を表す制御データDb2を生成する(Sb8)。表示制御部331は、制御データDb2が表す動作を仮想キャラクタCaに実行させる処理と、音声データVに応じて仮想キャラクタCaの口の形状を制御する処理とを実行する(Sb2)。送信制御部36は、仮想キャラクタCaの制御に適用した制御データD(Db2,Dc)を含む通知データBを通信装置23から制御システム10に送信し(Sb3)、放音制御部332は、音声データVが表す音声を放音装置252に放音させる(Sb4)。
【0067】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態の表示制御部331は、制御データDa(Da1,Da2)に応じた動作と制御データDb(Db1,Db2)に応じた動作とを仮想キャラクタCaに順次に実行させる。すなわち、仮想キャラクタCaは、操作者Hbからの指示に応じた動作と制御処理部32が決定した動作との各々を個別に実行する。
【0068】
利用者Haから動作の指示を受付けない場合(Sb7:NO)、表示制御部331は、音声データVに応じて仮想キャラクタCaの口の形状を制御する処理を実行する(Sb2)。また、送信制御部36は、制御データDcを含む通知データBを通信装置23から制御システム10に送信し(Sb3)、放音制御部332は、音声データVが表す音声を放音装置252に放音させる(Sb4)。
【0069】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、制御システム10が操作者Hbから受付けた動作を表す制御データDaと、ゲーム装置20の制御処理部32が生成した制御データDbと、に応じて仮想キャラクタCaの動作が制御される。したがって、制御システム10の操作者Hbによる指示のみに応じて仮想キャラクタCaが動作する構成と比較して、操作者Hbの負荷を軽減しながら、仮想キャラクタCaの動作を多様化できる。
【0070】
第1実施形態においては、抽選ゲームの状況に応じた動作を表す制御データDb1が生成されるから、抽選ゲームの状況に応じた動作を仮想キャラクタCaに実行させることが可能である。また、第1実施形態においては、利用者Haによる操作に応じた動作を表す制御データDb2が生成されるから、利用者Haの意図または嗜好を反映した動作を仮想キャラクタCaに実行させることが可能である。
【0071】
なお、
図9に例示した再生制御処理Sbにおいて、制御データDaに関連する動作(Sb1)と、制御データDb1に関連する動作(Sb5-Sb6)と、制御データDb2に関連する動作(Sb7-Sb8)との順序は、以上の例示に限定されず任意に変更される。
【0072】
図10は、制御システム10の制御装置11が確認画面Gbの表示のために実行する処理(以下「再生制御処理Sc」という)の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば所定の周期で発生する割込を契機として再生制御処理Scが開始される。
【0073】
再生制御処理Scを開始すると、表示制御部411は、受信制御部45が通信装置13により通知データBを受信したか否かを判定する(Sc1)。受信制御部45が通知データBを受信した場合(Sc1:YES)、表示制御部411は、通知データBに含まれる制御データD(Da,Db,Dc)が表す動作を、表示装置151が表示する仮想キャラクタCbに実行させる(Sc2)。受信制御部45が通知データBを受信しない場合(Sc1:NO)、仮想キャラクタCbの動作の制御(Sc2)は実行されない。
【0074】
表示制御部411は、受信制御部45が通信装置13により収録データRを受信したか否かを判定する(Sc3)。受信制御部45が収録データRを受信した場合(Sc3:YES)、再生制御部41は、収録データRが表す動画を再生システム15に再生させる(Sc4)。具体的には、表示制御部411は、収録データRが表す映像を確認画面Gbの参照領域Gb1に表示させ、放音制御部412は、収録データRが表す音声を放音装置152に放音させる。受信制御部45が収録データRを受信しない場合(Sc3:NO)、収録データRの再生(Sc4)は実行されない。
【0075】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0076】
第1実施形態においては、制御データD(Da1,Da2,Db1,Db2)が表す動作を各制御データDの発生の順番で仮想キャラクタCaに実行させた。第2実施形態における表示制御部331は、事前に設定された優先度の順番で、各制御データDが表す動作を仮想キャラクタCaに実行させる。
【0077】
具体的には、仮想キャラクタCaが1種類の動作を実行している途中の時点で制御データDが発生した場合、表示制御部331は、当該制御データDを記憶装置22に順次に蓄積(キューイング)する。記憶装置22においては、仮想キャラクタCaの制御に現時点で適用されている制御データD以外の複数の制御データDが所定の優先度の順番で配列される。表示制御部331は、記憶装置22における配列の順番で、各制御データDが表す動作を仮想キャラクタCaに実行させる。
【0078】
各制御データDの優先度は、例えば以下の通りである。
Db2>Db1>Da1=Da2
すなわち、利用者Haからの指示に応じた動作(制御データDb2)が最優先で実行され、抽選ゲームの状況に応じた動作(制御データDb1)は次位の優先度で実行される。操作者Hbからの指示に応じた動作(制御データDa)の優先度は、制御データDbが表す動作の優先度を下回る。したがって、例えば現時点で実行されている動作の直後に実行されるべき第1動作を表す制御データDaが記憶装置22に蓄積された状態で、第2動作を表す制御データDbが制御処理部32により生成された場合、制御データDbが制御データDaの前方に割込まれ、結果的に第1動作に先行して第2動作が実行される。なお、仮想キャラクタCaの口の形状を制御データDcに応じて制御する処理は、他の制御データDの有無に関わらず、音声データVが表す音声の放音に並行して実行される。
【0079】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、事前に設定された優先度の順番で、複数の制御データDに応じた動作を仮想キャラクタCaが実行する。複数の制御データDが蓄積された状況において、本来的には優先すべき動作の実行が大幅に遅延する可能性が低減される。
【0080】
なお、第1実施形態においては、各制御データ(Da,Db)の発生毎に仮想キャラクタCaの動作を制御する構成を便宜的に例示したが、第2実施形態と同様に、複数の制御データDを記憶装置22に順次に蓄積(キューイング)してもよい。表示制御部311は、複数の制御データDの各々の蓄積の順番で(すなわち優先度に応じた入替を実行せずに)、仮想キャラクタCaの制御を実行する。
【0081】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0082】
(1)前述の各形態においては、操作者Hbからの指示に応じた制御データDa1が動作の識別情報である場合を例示したが、制御データDa1の形式は以上の例示に限定されない。例えば、仮想キャラクタCaの身体における関節等の各部位の位置の変化を表す動作データを制御データDa1として利用してもよい。また、仮想キャラクタCaの動作を指示する動作コマンド、または、仮想キャラクタCaの動作に関する指令が記述された動作プログラム(モーションスクリプト)を、制御データDa1として利用してもよい。制御データDb(Db1,Db2)および制御データDcについても同様に、識別情報,動作データ,動作コマンドおよび動作プログラムの何れでもよい。通知データBに含まれる制御データD(Da,Db,Dc)についても同様に、識別情報,動作データ,動作コマンドおよび動作プログラムの何れでもよい。なお、例えば操作装置272を構成する操作子に対する操作により利用者Haが操作領域Ga2から選択した動作については、当該操作子を識別するための識別情報を制御データDb2として利用してもよい。
【0083】
(2)前述の各形態においては、ゲーム装置20から制御システム10に送信される通知データB内の制御データDaおよび制御データDbを利用して表示制御部411が仮想キャラクタCbの動作を制御したが、操作装置16に対する操作者Hbからの操作に応じて表示制御部411が仮想キャラクタCbの動作を制御してもよい。例えば、表示制御部411は、指示生成部43が生成する制御データDa(Da1,Da2)と、通知データBに含まれる制御データDb(Db1,Db2)とに応じて、仮想キャラクタCbの動作を制御する。したがって、通知データBに制御データDaを含める必要はない。以上のように指示生成部43が生成する制御データDaが仮想キャラクタCbの動作に直接的に反映される構成によれば、通信網2を介した通知データBの授受に遅延が発生し易い環境においても、操作者Hbからの指示を仮想キャラクタCbの動作に迅速に反映させることが可能である。
【0084】
また、前述の各形態においては、ゲーム装置20の表示制御部331が音声データVに応じて生成した制御データDcを通知データBに含める構成を例示したが、制御データDcを制御システム10において生成してもよい。例えば、制御システム10の表示制御部411は、音声処理部42が生成した音声データVに応じて制御データDcを生成し、当該制御データDcに応じて仮想キャラクタCbの口の形状を制御する。したがって、通知データBに制御データDcを含める必要はない。以上のように制御システム10において生成される制御データDcが仮想キャラクタCbの動作に直接的に反映される構成によれば、通信網2を介した通知データBの授受に遅延が発生し易い環境においても、操作者Hbによる発音に対して迅速に仮想キャラクタCbの口の形状を制御できる。
【0085】
(3)前述の各形態においては、制御データDを含む通知データBをゲーム装置20から制御システム10に送信したが、通知データBの形式は以上の例示に限定されない。すなわち、仮想キャラクタCaの動作を操作者Hbに提示できるデータであれば、通知データBの形式は任意である。例えば、仮想キャラクタCaの動画を表す動画データを通知データBとしてゲーム装置20から制御システム10に送信してもよい。表示制御部411は、通知データBが表す動画を表示装置151に表示させる。以上の説明から理解される通り、通知データBが制御データDを含む構成は必須ではない。
【0086】
(4)前述の各形態においては、仮想キャラクタCaと同等の仮想キャラクタCbを制御システム10の表示装置151に表示したが、仮想キャラクタCaの動作を表示装置151に表示するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、表示装置151に表示される仮想キャラクタCbは、仮想キャラクタCaに完全に一致する必要はない。例えば、仮想キャラクタCaとは外見または動作を簡略化した仮想キャラクタCbを表示装置151に表示してもよい。例えば、仮想キャラクタCaの状況を操作者Hbが把握するために口の形状の変化までは重要でなければ、仮想キャラクタCbについて口の形状の制御を省略してもよい。同様に、仮想キャラクタCaの状況を操作者Hbが把握するために当該仮想キャラクタCaの下半身の動作までは重要でなければ、仮想キャラクタCbについて下半身の動作の制御を省略してもよい。以上の構成によれば、表示制御部411の処理負荷が軽減される。また、仮想キャラクタCaの一部の動作を仮想キャラクタCbにおいて省略する以上の構成のほか、例えば、仮想キャラクタCbの動作の制御に利用される制御データDを、仮想キャラクタCaの動作の制御に利用される制御データDと比較して簡略化した構成も想定される。例えば、操作者Hbが仮想キャラクタCaの動作を適切に把握できる限度内で、ゲーム装置20から制御システム10に送信される制御データD(通知データB)のデータ量が削減される。以上の構成によれば、仮想キャラクタCbの動作の精度が低下する反面、制御データDの授受のための通信量または表示制御部411の処理負荷が軽減されるという利点がある。
【0087】
また、例えば、仮想キャラクタCaが実行している動作を表す文字列または画像(例えばアイコン)を表示装置151に表示してもよい。仮想キャラクタCaが順次に実行する動作の文字列を時系列に表示してもよい。以上の例示から理解される通り、表示制御部411は、仮想キャラクタCaの動作を表示装置151に表示させる要素として包括的に表現される。すなわち、仮想キャラクタCaの動作が操作者Hbに認識され得る方法で当該操作者Hbに情報が提示されれば充分であり、仮想キャラクタCaと同等の仮想キャラクタCbを表示装置151に表示させる構成は必須ではない。
【0088】
(5)前述の各形態においては、各制御データDに応じた動作を仮想キャラクタCaが順番に実行したが、例えば相前後して生成された複数の制御データDを合成してもよい。すなわち、表示制御部331は、相異なる制御データDが表す複数の動作を合成(モーションブレンド)し、合成後の動作を仮想キャラクタCaに実行させてもよい。以上の構成によれば、複数の動作を合成した多様な動作を仮想キャラクタCaに実行させることが可能である。なお、第2実施形態のように各制御データDの優先度が設定された構成では、相異なる制御データDが表す複数の動作を、優先度に応じた混合比率で合成してもよい。以上のように複数の動作を合成する構成によれば、仮想キャラクタCaの動作に制御データDを迅速に反映させることが可能である。なお、前述の各形態のように制御データDaを含む複数の制御データDが表す動作を仮想キャラクタCaが順番に実行する前述の各形態の構成によれば、操作者Hbの意図を直接的に反映した動作を仮想キャラクタCaに確実に実行させることが可能である。
【0089】
(6)前述の各形態においては、制御システム10の音声処理部42が操作者Hbの音声を加工(例えば声質変換)したが、ゲーム装置20において音声の加工を実行してもよい。例えば、放音制御部332は、受信制御部35が受信した音声データVに対して声質変換等の音声処理を実行し、処理後の音声を放音装置252に放音させる。
【0090】
(7)前述の各形態においては、複数の利用者Haにより共用される表示装置251が仮想キャラクタCaを表示したが、利用者Ha毎に設置された表示装置271に仮想キャラクタCaを表示してもよい。複数のステーション27の各々の表示装置271に共通の仮想キャラクタCaを表示してもよいし、ステーション27毎に別個の仮想キャラクタCaを表示装置271に表示してもよい。各ステーション27の表示装置271に表示された仮想キャラクタCaに、当該ステーション27の操作装置272に対する利用者Haから操作に応じた動作を実行させてもよい。また、複数のステーション27から選択された特定のステーション27の表示装置271のみに仮想キャラクタCaを表示してもよい。
【0091】
(8)前述の各形態においては、仮想キャラクタCaの口の形状を表す制御データDcを、ゲーム装置20の表示制御部331が音声データVに応じて生成したが、制御データDcを制御システム10において生成してもよい。例えば、制御システム10の音声処理部42は、音声データVが表す音声の音量に応じて制御データDcを生成する。送信制御部44は、音声データVとともに制御データDcを通信装置13からゲーム装置20に送信する。以上の構成によれば、ゲーム装置20の処理負荷が軽減される。
【0092】
(9)前述の各形態においては、表示装置251に表示された仮想キャラクタCaの動作に並行して実時間的に当該動作を制御システム10の表示装置151に表示した。しかし、表示装置251に表示される仮想キャラクタCaによる動作の実行前に、制御システム10の表示装置151に当該動作を表示してもよい。例えば、表示制御部331が仮想キャラクタCaに実際に動作を実行させる直前に、当該動作を表す通知データBが送信制御部36から制御システム10に送信される。以上の構成によれば、仮想キャラクタCaの動作に対して遅延なく(または当該動作に先行して)、操作者Hbが当該仮想キャラクタCaの動作を指示できるという利点がある。以上の例示から理解される通り、通知データBが表す「仮想キャラクタCaの動作」には、仮想キャラクタCaが過去に実行した動作または現時点で実行している動作のほか、仮想キャラクタCaが将来に実行すべき動作も包含される。
【0093】
(10)前述の各形態においては、抽選処理(物理抽選または電子抽選)による抽選の結果に応じて利用者Haの当選/落選が決定される抽選ゲームを例示したが、本発明におけるゲームの種類は以上の例示に限定されない。例えば、複数のキャラクタが格闘する格闘ゲーム,複数の利用者Haが例えばスポーツまたはボードゲームで対戦する競技ゲーム,キャラクタが洞窟または建造物等の探索場所を探索する探索ゲーム等の任意のゲームに本発明は適用される。
【0094】
(11)前述の各形態に係る制御システム10の機能は、制御装置11を構成する1以上のプロセッサと記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。同様に、前述の各形態に係るゲーム装置20の機能は、制御装置21を構成する1以上のプロセッサと記憶装置22に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0095】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0096】
[付記1]
本発明のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、利用者(Ha)にゲームを提供するゲーム装置(20)と、前記ゲーム装置(20)と通信可能な制御システム(10)とを具備するゲームシステム(1)であって、前記制御システム(10)は、操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)を生成する指示生成部(43)と、前記第1制御データ(Da)を前記ゲーム装置(20)に送信する第1送信制御部(44)とを具備し、前記ゲーム装置(20)は、前記第1制御データ(Da)を受信する第1受信制御部(35)と、仮想キャラクタ(Ca)の動作を制御するための第2制御データ(Db)を生成する制御処理部(32)と、前記第1受信制御部(35)が受信した第1制御データ(Da)と前記制御処理部(32)が生成した第2制御データ(Db)とに応じて動作する前記仮想キャラクタ(Ca)を第1表示装置(251)に表示させる第1表示制御部(331)とを具備する。
【0097】
以上の態様によれば、操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)と、ゲーム装置(20)の制御処理部(32)が生成した第2制御データ(Db)と、に応じて仮想キャラクタ(Ca)の動作が制御される。したがって、制御システム(10)の操作者(Hb)からの指示のみに応じて仮想キャラクタ(Ca)が動作する構成と比較して、操作者(Hb)の負荷を軽減しながら、仮想キャラクタ(Ca)の動作を多様化できる。
【0098】
「ゲーム」の種類は任意である。例えば、抽選処理での当選により遊技価値の使用量に応じた数量の報酬が利用者(Ha)に付与される抽選ゲーム、複数の利用者(Ha)が相互に対戦する対戦ゲーム等、内容の如何を問わない任意の種類のゲームが、本発明の「ゲーム」の概念には包含される。
【0099】
「操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)」の内容および形式は任意である。例えば、仮想キャラクタ(Ca)が実行可能な複数の動作から操作者(Hb)が選択した動作を指定する識別情報、または、撮像装置(141)により撮像された操作者(Hb)の動作を表す動作データが、第1制御データ(Da)の具体例である。
【0100】
「第2制御データ(Db)」は、仮想キャラクタ(Ca)の動作を制御するための任意の形式のデータである。制御処理部(32)は、例えばゲームの状況に応じた第2制御データ(Db)、または、ゲーム装置(20)に対する利用者(Ha)からの指示(例えば仮想キャラクタ(Ca)を操作する指示)に応じた第2制御データ(Db)を生成する。
【0101】
「仮想キャラクタ(Ca)」は、各種の動作を実行する視認可能なオブジェクトである。例えばゲームのプレイに並行して表示されることで利用者(Ha)によるゲームのプレイを支援するキャラクタが「仮想キャラクタ(Ca)」の一例である。
【0102】
仮想キャラクタ(Ca)が「第1制御データ(Da)と第2制御データ(Db)とに応じて動作する」構成は、第1制御データ(Da)に応じた動作と第2制御データ(Db)に応じた動作とを仮想キャラクタ(Ca)が順次に実行する構成と、第1制御データ(Da)および第2制御データ(Db)の双方に応じた動作を仮想キャラクタ(Ca)が実行する構成とを包含する。
【0103】
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記ゲーム装置(20)は、前記第1表示装置(251)に表示された前記仮想キャラクタ(Ca)の動作を表す通知データ(B)を前記制御システム(10)に送信する第2送信制御部(36)をさらに具備し、前記制御システム(10)は、前記通知データ(B)を受信する第2受信制御部(45)と、前記第2受信制御部(45)が受信した通知データ(B)が表す前記仮想キャラクタ(Ca)の動作を第2表示装置(151)に表示させる第2表示制御部(411)とをさらに具備する。以上の態様においては、第1表示装置(251)により表示される仮想キャラクタ(Ca)の動作が第2表示装置(151)に表示される。したがって、操作者(Hb)は、第1表示装置(251)に表示される仮想キャラクタ(Ca)の実際の動作を確認しながら、当該仮想キャラクタ(Ca)の動作を指示できる。
【0104】
「通知データ(B)」の内容および形式は任意である。例えば、仮想キャラクタ(Ca)の動作を表すデータ(例えば動作の識別情報または動作データ)、または第1表示装置(251)により表示される仮想キャラクタ(Ca)の動画を表すデータが、通知データ(B)の具体例である。また、仮想キャラクタ(Ca)が実行する全部の動作を表す通知データ(B)が制御システム(10)に送信される必要はない。例えば、制御システム(10)の指示生成部(43)が生成した第1制御データ(Da)を直接的に利用して、第2表示制御部(411)が仮想キャラクタ(Ca)の動作を表示させる構成においては、第1制御データ(Da)が表す動作は通知データ(B)から省略される。
【0105】
[付記3]
付記2の具体例(付記3)において、前記第2表示制御部(411)は、前記第1表示装置(251)に表示される前記仮想キャラクタ(Ca)が動作する動画を前記第2表示装置(151)に表示させる。以上の態様においては、ゲーム装置(20)に表示される仮想キャラクタ(Ca)が動作する動画が第2表示装置(151)に表示される。したがって、仮想キャラクタ(Ca)の動作を操作者(Hb)が視覚的および直観的に把握できる。
【0106】
ゲーム装置(20)において第1表示装置(251)に表示される仮想キャラクタ(Ca)の動画と、制御システム(10)の第2表示装置(151)に再生される仮想キャラクタ(Cb)の動画との異同は不問である。すなわち、第1表示装置(251)に表示される動画が第2表示装置(151)にも表示される構成が好適であるが、例えば第1表示装置(251)に表示される仮想キャラクタ(Ca)を簡略化した動画が第2表示装置(151)により再生される構成も想定される。
【0107】
通知データ(B)が仮想キャラクタ(Ca)の動画を表す場合、第2表示制御部(411)は、当該通知データ(B)が表す動画を第2表示装置(151)に再生させる。他方、仮想キャラクタ(Ca)の動作を指示するデータ(例えば動作を識別するための識別情報、または動作を表す動作データ)である場合、提示処理部は、仮想キャラクタ(Ca)の動画を例えばレンダリング等の画像処理により生成し、当該動画を第2表示装置(151)に再生させる。
【0108】
[付記4]
付記2または付記3の具体例(付記4)において、前記制御システム(10)は、前記操作者(Hb)による発音に対応した音声を表す音声データ(V)を生成する音声処理部(42)をさらに具備し、前記第1送信制御部(44)は、前記音声データ(V)を前記ゲーム装置(20)に送信し、前記第1受信制御部(35)は、前記音声データ(V)を受信し、前記ゲーム装置(20)は、前記第1表示装置(251)による前記仮想キャラクタ(Ca)の表示に並行して、前記音声データ(V)に応じた音声を放音装置(252)に放音させる放音制御部(332)をさらに具備する。以上の態様によれば、操作者(Hb)による発音に対応した音声を仮想キャラクタ(Ca)が発音しているような演出が実現される。
【0109】
「操作者(Hb)による発音に対応した音声」は、操作者(Hb)が発音した音声自体のほか、当該音声を加工した音声を包含する。音声の加工は、例えば声質変換(例えば男声および女声の一方から他方への変換)等の音声処理である。また、放音装置(252)が放音する「音声データ(V)に応じた音声」は、音声データ(V)が表す音声自体のほか、当該音声を加工した音声を包含する。音声の加工は、例えば声質変換(例えば男声および女声の一方から他方への変換)等の音声処理である。なお、「音声データ(V)」の典型例は、音声の波形を表す波形データであるが、音声データ(V)の形式は任意である。
【0110】
[付記5]
付記4の具体例(付記5)において、前記第1表示制御部(331)は、前記第1表示装置(251)に表示される前記仮想キャラクタ(Ca)の口の形状を、前記音声データ(V)に応じて制御する。以上の態様によれば、操作者(Hb)による発音に対応した音声を仮想キャラクタ(Ca)が実際に発音しているような効果的な演出が実現される。
【0111】
ゲーム装置(20)から制御システム(10)に送信される通知データ(B)が表す仮想キャラクタ(Ca)の動作は、口の形状の変化を含む動作でもよいし、口の形状の変化を省略した動作でもよい。また、「仮想キャラクタ(Ca)の口の形状を、音声データ(V)に応じて制御する」ためのデータは、制御システム(10)において音声データ(V)から生成されたうえでゲーム装置(20)に送信されてもよいし、制御システム(10)から受信した音声データ(V)を利用したゲーム装置(20)において生成されてもよい。
【0112】
[付記6]
付記1から付記5の何れかの具体例(付記6)において、前記第1表示制御部(331)は、前記第1制御データ(Da)に応じた動作と前記第2制御データ(Db)に応じた動作とを前記仮想キャラクタ(Ca)に順次に実行させる。以上の態様によれば、例えば第1制御データ(Da)と第2制御データ(Db)との双方に応じた単一の動作を仮想キャラクタ(Ca)が実行する構成と比較して、操作者(Hb)の意図を直接的に反映した動作を仮想キャラクタ(Ca)に実行させることが可能である。
【0113】
第1制御データ(Da)に応じた動作と第2制御データ(Db)に応じた動作とは、各データが生成された順番で実行されてもよいし、事前に設定された優先度に応じた順番で実行されてもよい。
【0114】
[付記7]
付記6の具体例(付記7)において、前記第1表示制御部(331)は、前記第1制御データ(Da)に応じた動作と前記第2制御データ(Db)に応じた動作とを、前記第1制御データ(Da)および前記第2制御データ(Db)について設定された優先度の順番で実行する。以上の態様によれば、事前に設定された優先度の順番で第1制御データ(Da)に応じた動作と第2制御データ(Db)に応じた動作とが実行される。したがって、第1制御データ(Da)および第2制御データ(Db)を含む複数の制御データが蓄積された状態において、優先すべき動作の実行が大幅に遅延する可能性が低減される。
【0115】
[付記8]
付記1から付記7の何れかの具体例(付記8)において、前記制御処理部(32)は、前記ゲームの状況に応じた動作を表す第2制御データ(Db)を生成する。以上の態様によれば、ゲームの状況に応じた動作を仮想キャラクタ(Ca)に実行させることが可能である。
【0116】
「ゲームの状況」とは、ゲームの進行に応じて刻々と変化する状態を意味する。例えば、各種のイベントの発生または終了、各種のイベントに関する経過(「10分経過」「終了」等)、ゲームの結果(対戦ゲームにおける勝敗や目標の成否)、対戦ゲームにおける相手間の優劣等が、「ゲームの状況」として例示される。
【0117】
[付記9]
付記1から付記8の何れかの具体例(付記9)において、前記制御処理部(32)は、前記利用者(Ha)からの指示に応じた動作を表す第2制御データ(Db)を生成する。以上の態様によれば、利用者(Ha)の意図または嗜好を反映した動作を仮想キャラクタ(Ca)に実行させることが可能である。
【0118】
[付記10]
本発明のひとつの態様(付記10)に係るゲーム装置(20)は、操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)を送信する制御システム(10)と通信可能であり、利用者(Ha)にゲームを提供するゲーム装置(20)であって、前記第1制御データ(Da)を受信する第1受信制御部(35)と、仮想キャラクタ(Ca)の動作を制御するための第2制御データ(Db)を生成する制御処理部(32)と、前記第1受信制御部(35)が受信した第1制御データ(Da)と前記制御処理部(32)が生成した第2制御データ(Db)とに応じて動作する前記仮想キャラクタ(Ca)を第1表示装置(251)に表示させる第1表示制御部(331)とを具備する。
【0119】
[付記11]
本発明のひとつの態様(付記11)に係るゲームシステム(1)の動作方法は、利用者(Ha)にゲームを提供するゲーム装置(20)と、前記ゲーム装置(20)と通信可能な制御システム(10)とを具備するシステムの動作方法であって、前記制御システム(10)が、操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)を生成し、前記第1制御データ(Da)を前記ゲーム装置(20)に送信し、前記ゲーム装置(20)が、前記第1制御データ(Da)を受信し、仮想キャラクタ(Ca)の動作を制御するための第2制御データ(Db)を生成し、前記受信された第1制御データ(Da)と前記生成された第2制御データ(Db)とに応じて動作する前記仮想キャラクタ(Ca)を第1表示装置(251)に表示させる。
【0120】
[付記12]
本発明のひとつの態様(付記12)に係るプログラムは、操作者(Hb)からの指示に応じた第1制御データ(Da)を送信する制御システム(10)と通信可能であり、利用者(Ha)にゲームを提供するゲーム装置(20)のプロセッサ(21)を、前記第1制御データ(Da)を受信する第1受信制御部(35)、仮想キャラクタ(Ca)の動作を制御するための第2制御データ(Db)を生成する制御処理部(32)、および、前記第1受信制御部(35)が受信した第1制御データ(Da)と前記制御処理部(32)が生成した第2制御データ(Db)とに応じて動作する前記仮想キャラクタ(Ca)を第1表示装置(251)に表示させる第1表示制御部(331)として機能させる。
【符号の説明】
【0121】
1…ゲームシステム、2…通信網、10…制御システム、11…制御装置、12…記憶装置、13…通信装置、14…収録システム、141…撮像装置、142…収音装置、15…再生システム、151…表示装置、152…放音装置、16…操作装置、20…ゲーム装置、21…制御装置、22…記憶装置、23…通信装置、24…収録システム、241…撮像装置、242…収音装置、25…再生システム、251…表示装置、252…放音装置、26…抽選機構、27…ステーション、271…表示装置、272…操作装置、31…ゲーム制御部、32…制御処理部、33…再生制御部、331…表示制御部、332…放音制御部、34…収録処理部、35…受信制御部、36…送信制御部、41…再生制御部、411…表示制御部、412…放音制御部、42…音声処理部、43…指示生成部、44…送信制御部、45…受信制御部。