(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】二次電池用シール工程およびそれを含む二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20240625BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/126 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/197 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/198 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/191 20210101ALI20240625BHJP
H01M 50/184 20210101ALN20240625BHJP
B23K 20/10 20060101ALN20240625BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/133
H01M50/126
H01M50/197
H01M50/198
H01M50/119
H01M50/191
H01M50/184 C
B23K20/10
(21)【出願番号】P 2022564673
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(86)【国際出願番号】 KR2021010663
(87)【国際公開番号】W WO2022035225
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100764
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ジョー ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ウォン ピル
(72)【発明者】
【氏名】ベ、サン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ス テク
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-184373(JP,A)
【文献】特開2000-182577(JP,A)
【文献】特開2010-114041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10-50/198
B23K20/00-20/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケースの縁面に沿って延長形成されるシール部を熱融着してシールする二次電池用シール工程であって、
前記電池ケースのシール部をアンビルとホーンとの間に配置する配置作業と、
前記アンビルと前記ホーンを介して前記シール部の第1地点を圧着して固定する第1地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第1地点を熱融着する第1地点の一次シール作業と、
を含
み、
前記ホーンは、ブースタを含むコンバータに前記シール部に向かって左または右に回転可能に設けられ、前記シール部の第1地点全体を同一の加圧力で圧着する、二次電池用シール工程。
【請求項2】
前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、
前記設定振幅は5μm~50μmであり、
前記設定時間は0.1秒~2.0秒である、請求項1に記載の二次電池用シール工程。
【請求項3】
前記シール部は、電池ケースの内側から外側方向にコーティング層、金属層、および絶縁層を含む積層構造を有し、
前記コーティング層の厚さは、30~85μmを有する、請求項2に記載の二次電池用シール工程。
【請求項4】
前記第1地点の一次シール作業後、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に二次的に超音波を加え、前記シール部の第1地点を二次的に熱融着する第1地点の二次シール作業をさらに行い、
前記第1地点の二次シール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%に減少させた状態で行う、請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池用シール工程。
【請求項5】
前記第1地点の一次シール作業後、前記第1地点から離れた前記シール部の第2地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第2地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第2地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第2地点を熱融着する第2地点のシール作業と、をさらに含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の二次電池用シール工程。
【請求項6】
前記第2地点のシール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間と同一に設定する、請求項
5に記載の二次電池用シール工程。
【請求項7】
前記第2地点のシール作業後、前記第1地点と前記第2地点との間に位置したシール部の第3地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第3地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第3地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第3地点を熱融着する第3地点のシール作業と、をさらに含む、請求項
5または
6に記載の二次電池用シール工程。
【請求項8】
前記第3地点のシール作業の超音波振動数、振幅、および時間は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間と異なるように設定する、請求項
7に記載の二次電池用シール工程。
【請求項9】
前記第3地点の
シール作業の超音波振動数
および振幅
は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数
および振幅よりも
大きく設定
し、
前記第3地点のシール作業の時間は、前記第1地点の一次シール作業の時間よりも長く設定する、請求項
8に記載の二次電池用シール工程。
【請求項10】
電極およびセパレータを積層して電極組立体を製造する製造工程と、
前記電極組立体をパウチ型電池ケースの内部に収納する収納工程と、
前記パウチ型電池ケースの縁に延長形成されるシール部を熱融着してシールするシール工程と、
を含み、
前記シール工程は、
前記パウチ型電池ケースの縁面に沿って延長形成されるシール部をアンビルとホーンとの間に配置する配置作業と、
前記アンビルと前記ホーンを介して前記シール部の第1地点を圧着して固定する第1地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第1地点を熱融着する第1地点の一次シール作業と、
を含
み、
前記ホーンは、ブースタを含むコンバータに前記シール部に向かって左または右に回転可能に設けられ、前記シール部の第1地点全体を同一の加圧力で圧着する、二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、
前記設定振幅は5μm~50μmであり、
前記設定時間は0.1秒~2.0秒である、請求項
10に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記シール工程は、
前記第1地点の一次シール作業後、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に二次的に超音波を加える第1地点の二次シール作業をさらに含み、
前記第1地点の二次シール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%に減少させた状態で行われる、請求項
10または
11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記シール工程は、
前記第1地点の一次シール作業後、前記第1地点から離れた前記シール部の第2地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第2地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第2地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第2地点を熱融着する第2地点のシール作業と、をさらに含む、請求項
10から
12のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記シール工程は、
前記第2地点のシール作業後、前記第1地点と前記第2地点との間に位置したシール部の第3地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第3地点の固定作業と、
前記ホーンを介して前記シール部の第3地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第3地点を熱融着する第3地点のシール作業と、をさらに含む、請求項
13に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年08月11日付けの韓国特許出願第10-2020-0100764号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、パウチのシール部のシール力を改善した二次電池用シール工程およびそれを含む二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池をいい、このような二次電池は、携帯電話、ノートブックコンピュータ、およびカムコーダなどの先端電子機器分野で広く用いられている。
【0004】
前記二次電池は、電極組立体が金属缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池に分類される、そして、前記パウチ型二次電池は、電極タブを備えた電極組立体と、前記電極タブに結合される電極リードと、前記電極リードの先端が外部に引き出された状態で電極組立体を収容する電池ケースと、を含む。そして、前記電池ケースは、電極組立体を収容する収容部と、前記収容部の縁面に沿って形成されるシール部と、を含む。
【0005】
一方、前記二次電池において、電池ケースのシール部は、二次電池用シール装置を用いてシールされ、前記二次電池用シール装置は、超音波を用いて前記電池ケースのシール部をシールする。
【0006】
しかしながら、従来の二次電池用シール装置は、前記電池ケースのシール部を均一にシールするのに限界があった。すなわち、従来の二次電池用シール装置は、前記電池ケースのシール部に熱が不均一に加えられることにより不良溶接が発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するために発明されたものであり、本発明は、前記電池ケースのシール部をシールする際に最適の溶接条件を設定することで、前記電池ケースのシール部に加えられる熱を均一化することができ、その結果、溶接不良を防止することができる二次電池用シール工程およびそれを含む二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するための本発明の二次電池用シール工程は、電池ケースの縁面に沿って延長形成されるシール部を熱融着してシールするためのものであって、前記電池ケースのシール部をアンビルとホーンとの間に配置する配置作業と、前記アンビルと前記ホーンを介して前記シール部の第1地点を圧着して固定する第1地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第1地点を熱融着する第1地点の一次シール作業と、を含むことができる。
【0009】
前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、前記設定振幅は5μm~50μmであり、前記設定時間は0.1秒~2.0秒であってもよい。
前記シール部は、電池ケースの内側から外側方向にコーティング層、金属層、および絶縁層を含む積層構造を有し、前記コーティング層の厚さは、30~85μmを有することができる。
【0010】
前記第1地点の一次シール作業後、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に二次的に超音波を加え、前記シール部の第1地点を二次的に熱融着する第1地点の二次シール作業をさらに行い、前記第1地点の二次シール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%に減少させた状態で行うことができる。
【0011】
前記ホーンは、ブースタを含むコンバータに前記シール部に向かって左または右に回転可能に設けられ、前記シール部の第1地点全体を同一の加圧力で圧着することができる。
【0012】
前記第1地点の一次シール作業後、前記第1地点から離れた前記シール部の第2地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第2地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第2地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第2地点を熱融着する第2地点のシール作業と、をさらに含むことができる。
【0013】
前記第2地点のシール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間と同一に設定することができる。
前記第2地点のシール作業後、前記第1地点と前記第2地点との間に位置したシール部の第3地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第3地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第3地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第3地点を熱融着する第3地点のシール作業と、をさらに含むことができる。
【0014】
前記第3地点のシール作業の超音波振動数、振幅、および時間は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間と異なるように設定することができる。
前記第3地点の超音波振動数、振幅、および時間は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間よりも高く設定することができる。
【0015】
一方、本発明の二次電池の製造方法は、電極およびセパレータを積層して電極組立体を製造する製造工程と、前記電極組立体をパウチ型電池ケースの内部に収納する収納工程と、前記電池ケースの縁に延長形成されるシール部を熱融着してシールするシール工程と、を含み、前記シール工程は、前記電池ケースの縁面に沿って延長形成されるシール部をアンビルとホーンとの間に配置する配置作業と、前記アンビルと前記ホーンを介して前記シール部の第1地点を圧着して固定する第1地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第1地点を熱融着する第1地点の一次シール作業と、を含むことができる。
【0016】
前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、前記設定振幅は5μm~50μmであり、前記設定時間は0.1秒~2.0秒であってもよい。
前記シール工程は、前記第1地点の一次シール作業後、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に二次的に超音波を加える第1地点の二次シール作業をさらに含み、前記第1地点の二次シール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%に減少させた状態で行われることができる。
【0017】
前記シール工程は、前記第1地点の一次シール作業後、前記第1地点から離れた前記シール部の第2地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第2地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第2地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第2地点を熱融着する第2地点のシール作業と、をさらに含むことができる。
【0018】
前記シール工程は、前記第2地点のシール作業後、前記第1地点と前記第2地点との間に位置したシール部の第3地点を、前記アンビルと前記ホーンを介して圧着して固定する第3地点の固定作業と、前記ホーンを介して前記シール部の第3地点に超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部の第3地点を熱融着する第3地点のシール作業と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の二次電池用シール工程は、配置作業、第1地点の固定作業、および第1地点の一次シール作業を含み、前記第1地点の一次シール作業は、電池ケースに備えられたシール部の第1地点に超音波を設定振動数、設定振幅、および設定時間加えることにより、前記シール部の第1地点を熱融着することを特徴とする。この際、前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、前記設定振幅は5μm~50μmであり、前記設定時間は0.1秒~2.0秒であってもよい。このような特徴により、電池ケースに含まれたシール部の第1地点をシールする際に最適のシール条件を設定することができ、これにより、シール部の第1地点における熱伝達均一性を向上させることができ、その結果、シール部の第1地点を不良なしにシールすることができる。
【0020】
また、本発明の二次電池用シール工程は、第1地点の二次シール作業をさらに行い、前記第1地点の二次シール作業は、第1地点の一次シール作業と同一のシール条件を有するが、振幅だけ50%に減少させた状態で行われることを特徴とする。このような特徴により、第1地点の一次シール作業における電池ケースのシール部に発生した気泡を効果的に排出させて除去することができ、これにより、不良の発生を大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池を示した断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置を示した斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置を示した断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程の配置作業を示した斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程の第1地点の固定作業を示した側面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程の第1地点のシール作業を示した側面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程におけるシール部での気泡発生状態を示した断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程におけるシール部での気泡除去状態を示した断面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法を示したフローチャートである。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程を示した平面図である。
【
図12】本発明の二次電池用シール装置の実験例を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の他の形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面上、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体をわたって類似した部分に対しては類似した図面符号を付した。
【0023】
[本発明の第1実施形態に係る二次電池]
本発明の第1実施形態に係る二次電池は、
図1に示されているように、電極タブを備えた電極組立体10と、前記電極タブに結合される電極リード20と、前記電極リード20の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体10を収容する電池ケース30と、を含む。
【0024】
そして、前記電池ケース30は、上部ケースおよび下部ケースを含み、前記上部ケースの収容溝と下部ケースの収容溝が連結されることで電極組立体10を収容する収容部31を形成し、前記上部ケースのシール面と下部ケースのシール面が連結されることで前記収容部31を密封するシール部32を形成する。
【0025】
すなわち、前記電池ケース30は、電極組立体10を収容する収容部31と、前記収容部31の縁面に沿って延長形成され、前記収容部31を密封するシール部32と、を含む。
【0026】
そして、上部ケースおよび前記下部ケースは、
図8を参照すると、電池ケースの内側から外側にコーティング層30a、金属層30b、および絶縁層30cが順次積層される積層構造を有する。
【0027】
ここで、前記電池ケースのシール部は、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置を介してシールされる。特に、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置は、超音波を用いて、電池ケースのシール部を熱融着してシールする。この際、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置は、超音波の発生時に最適のシール条件を設定することで、電池ケースのシール部を不良なしにシールすることができる。
【0028】
以下、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置について添付図面を参照して詳しく説明する。
【0029】
[本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置]
本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100は、
図2および
図3に示されているように、電池ケース30のシール部32が配置されるアンビル110と、前記アンビル110に配置されたシール部32を加圧した状態で熱を加えてシールするホーン120と、を含む。
【0030】
すなわち、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100は、電池ケース30のシール部32をアンビル110とホーン120との間に配置した後、前記アンビル110とホーン120を介して前記シール部32を加圧して固定する。次に、ホーン120を介して前記シール部32に超音波を加えると、シール部32に含まれたコーティング層の一部が熱融着し、これにより、シール部をシールすることができる。
【0031】
一例として、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100は、前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aに超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることになり、これにより、前記シール部32の第1地点Aに発生する熱の均一性を高めることができ、その結果、シール部32の第1地点Aを不良なしにシールすることができる。
【0032】
ここで、シール部32に備えられたコーティング層30aの厚さが30~85μmである際に、前記設定振動数は10kHz~40kHzであり、前記設定振幅は5μm~50μmであり、前記設定時間は0.1秒~2.0秒であってもよい。
【0033】
このように、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100は、シール部32に含まれたコーティング層をシールする際に超音波溶接条件を設定することで、不良なしにコーティング層をシールすることができる。
【0034】
一方、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100は、前記ホーン120に熱エネルギーを伝達するブースタ131が備えられたコンバータ130を含む。ここで、前記ホーン120は、中央が前記ブースタ131に回転可能にヒンジ121結合され、これにより、ホーン120の両端部が前記ヒンジ121を中心に回転することになる。すなわち、アンビル110とホーン120を介して前記シール部32の加圧時にホーン120が回転することにより、アンビル110とホーン120を介して前記シール部32全体を均一に加圧することができ、その結果、シール部全体に均一な超音波を加えることができるためシール力を高めることができる。
【0035】
以下、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール装置100を用いたシール工程について説明する。
【0036】
[本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程]
本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、
図4~
図9に示されているように、電池ケース30の縁面に沿って延長形成されるシール部32を熱融着して密封するためのものであり、配置作業(S31)、第1地点の固定作業(S32)、第1地点の一次シール作業(S33)、および第1地点の二次シール作業(S34)を含む。
【0037】
配置作業
配置作業(S31)は、電池ケース30のシール部32に区画された第1地点Aを二次電池用シール装置100のアンビル110とホーン120との間に配置する。
【0038】
第1地点の固定作業
第1地点の固定作業(S32)は、前記アンビル110と前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aを圧着して固定する。この際、前記ホーン120は、コンバータ130にヒンジ121を中心に左右に回転可能に結合され、これにより、アンビル110の配置角度に合わせてホーン120が回転し、その結果、アンビル110とホーン120の圧着面全体の圧力を均一化することができる。これは、アンビル110とホーン120との間に固定される前記シール部32の全体表面を均一な力で圧着することができる。
【0039】
第1地点の一次シール作業
第1地点の一次シール作業(S33)は、前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aに超音波を発生させ、前記シール部32の第1地点Aを熱融着する。特に、第1地点の一次シール作業(S33)は、前記ホーン120を介して超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部32の第1地点Aを熱融着する。すなわち、ホーン120は、シール部32に含まれたコーティング層に超音波を加えて前記コーティング層の一部を溶融させた後に凝固させることによりシール部32をシールする。
【0040】
一方、前記電池ケース30は、上部ケースおよび下部ケースを含み、前記上部ケースの収容溝と下部ケースの収容溝が連結されることで電極組立体10を収容する収容部31を形成し、前記上部ケースのシール面と下部ケースのシール面が連結されることで前記収容部31を密封するシール部32を形成する。そして、上部ケースおよび下部ケースは、電池ケースの内側から外側にコーティング層30a、金属層30b、および絶縁層30cが順次積層される構造を有する。
【0041】
ここで、シール部32に含まれたコーティング層30aの厚さが30~85μmである際に、第1条件である設定振動数は10kHz~40kHzであり、第2条件である設定振幅は5~50μmであり、第3条件である設定時間は0.1~2.0秒であってもよい。ここで、5~50μmの振幅を100%と記載する。
【0042】
一方、第1条件である振動数が10kHz以下である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aを溶融させるのに多くの時間がかかる。そして、振動数が40kHz以上である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aを迅速に溶融させることができるが、コーティング層の損傷も発生し得る。
【0043】
また、第2条件である設定振幅が5μm以下である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aが溶融することができないかまたは多くの時間がかかる。そして、設定振幅が50μm以上である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aを迅速に溶融させることができるが、コーティング層の損傷も発生し得る。
【0044】
また、第3条件である設定時間が0.1秒以下である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aに超音波が加えられる時間が短いため溶融することができない。そして、設定時間が2.00秒以上である場合には、シール部32に含まれたコーティング層30aを迅速に溶融させることができるが、コーティング層の損傷も発生し得る。
【0045】
一例として、シール部32に含まれたコーティング層30aの厚さが35~80μmである際に、超音波振動数が10kHzまたは40kHz、振幅が100%、時間が0.1秒または2.0秒に設定されると、シール部のシール効果に優れる(
図14および
図15の実験写真を参照)。一方、超音波振動数が15kHz、振幅が100%、時間が0.1秒以下である場合には、シール部32のコーティング層に熱が均一に伝達されないことにより、前記コーティング層が十分に溶融することができず、これにより、シール不良が発生し得る(
図13の実験写真を参照)。一方、超音波振動数が35kHz、振幅が50%、時間が0.1秒である場合には、シール部32のコーティング層に熱が均一に伝達されないことにより、前記コーティング層が十分に溶融することができない(
図16の実験写真を参照)。
【0046】
したがって、第1地点の一次シール作業(S33)は、第1条件である設定振動数が10~40kHzであり、第2条件である設定振幅が5~50μmであり、第3条件である設定時間が0.1~2.0秒に設定することで熱伝達均一性を向上させることができ、その結果、シール部32の第1地点Aを不良なしに均一にシールすることができる。
【0047】
ここで、シール部32は、
図8に示されているように、第1地点の一次シール作業(S33)時に前記シール部32のコーティング層30aが溶融しつつ気泡Cが発生し、前記シール部32のコーティング層30aに発生した気泡Cを除去するために、第1地点の二次シール作業(S34)をさらに行うことができる。
【0048】
すなわち、第1地点の一次シール作業(S33)後、前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aに二次的に超音波を加える第1地点の二次シール作業(S34)をさらに行う。
【0049】
第1地点の二次シール作業
第1地点の二次シール作業(S34)は、
図9に示されているように、シール部を二次的にシールするとともに、第1地点の一次シール作業時に前記シール部に発生した気泡を除去するためのものである。すなわち、第1地点の二次シール作業(S34)は、前記第1地点の一次シール作業(S33)後、前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aに二次的に超音波を加え、前記シール部32の第1地点Aを二次的に熱融着する。
【0050】
この際、前記第1地点の二次シール作業(S34)は、前記第1地点の一次シール作業(S33)の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%、好ましくは50%に減少させた状態で行われる。
【0051】
すなわち、前記第1地点の二次シール作業(S34)は、第1条件である超音波振動数が10~40kHzであり、第2条件である設定振幅が第1地点の一次シール作業(S33)にて設定された振幅の40~60%であり、第3条件である設定時間が0.1~2.0秒に設定される。
【0052】
上記のように第1地点の二次シール作業(S34)は、第1~第3条件を含む最適のシール条件を設定する。次に、超音波を用いた摩擦熱を前記シール部32に発生させる。すると、前記シール部32に発生した気泡Cが外部に順次抜け出るように誘導することができ、その結果、シール部32に発生した気泡Cを効果的に除去することができる。
【0053】
したがって、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、配置作業(S31)、第1地点の固定作業(S32)、第1地点の一次シール作業(S33)、および第1地点の二次シール作業(S34)を含むことで最適のシール条件を設定することができ、これにより、シール部に伝達される熱均一性を向上させることができ、その結果、シール部を不良なしにシールすることができる。特に、シール部に発生した気泡を効果的に除去することができるため製品性を高めることができる。
【0054】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにおいて、前述した実施形態と同一の機能を有する構成に対しては同一の構成符号を付し、重複する説明は省略する。
【0055】
[本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法]
本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法は、
図10に示されているように、電極およびセパレータを積層して電極組立体10を製造する製造工程(S10)と、前記電極組立体10の電極タブに電極リード20を結合し、前記電極リード20の先端が外部に引き出された状態で前記電極組立体10をパウチ型電池ケース30の内部に収納する収納工程(S20)と、前記電池ケース30の縁に延長形成されるシール部32を熱融着して密封するシール工程(S30)と、を含む。
【0056】
ここで、前記シール工程(S30)は、前記電池ケース30の縁面に沿って延長形成されるシール部32をアンビル110とホーン120との間に配置する配置作業(S31)と、前記アンビル110と前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aを圧着して固定する第1地点の固定作業(S32)と、前記ホーン120を介して前記シール部32の第1地点Aに超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部32の第1地点Aを熱融着する第1地点の一次シール作業(S33)と、を含む。
一方、前記設定振動数は10~40kHzであり、前記設定振幅は5~50μmであり、前記設定時間は0.1~2.0秒であってもよい。
【0057】
一方、前記第1地点の一次シール作業(S33)後、前記ホーンを介して前記シール部の第1地点に二次的に超音波を加える第1地点の二次シール作業(S34)をさらに含む。前記第1地点の二次シール作業は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%に減少させた状態で行われる。
【0058】
一方、前記シール工程(S30)は、前述した本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)と同一の工程を有するため、重複する説明は省略する。
【0059】
したがって、本発明の第2実施形態に係る二次電池の製造方法は、シール力が改善された二次電池を製造することができる。
【0060】
[本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程]
本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、前述した本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)の第1地点の一次シール作業または第1地点の二次シール作業を完了した後、電池ケース30に含まれたシール部32の第2地点Bをさらにシールする作業をさらに行い、これにより、電池ケース30に含まれたシール部32のシール力を大幅に高めることができる。
【0061】
一例として、本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、配置作業(S31)、第1地点の固定作業(S32)、第1地点の一次シール作業(S33)、第1地点の二次シール作業(S34)、第2地点の固定作業(S35)、および第2地点のシール作業(S36)を含む。
【0062】
ここで、配置作業(S31)、第1地点の固定作業(S32)、第1地点の一次シール作業(S33)、第1地点の二次シール作業(S34)は、第1実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)において詳しく説明したため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0063】
一方、本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、
図11に示されているように、電池ケース30に含まれたシール部32をシール部の幅方向に沿って3個の地点に分けてシールを行う。すなわち、シール部32の内側である第1地点Aを最初にシールし、シール部32の外側である第2地点Bを2番目にシールし、前記第1地点Aと第2地点Bとの間の第3地点Cを最後にシールする。
【0064】
この際、前記第1地点Aと第2地点Bは同一の設定でシールし、第3地点Cは、前記第1地点Aと第2地点Bよりも高い温度と長い時間でシールする。
【0065】
第2地点の固定作業
第2地点の固定作業(S35)は、前記第1地点Aから離れた前記シール部32の第2地点Bを前記アンビル110と前記ホーン120に配置した後、前記アンビル110と前記ホーン120を介して前記シール部32の第2地点Bを圧着して固定する。
【0066】
第2地点のシール作業
第2地点のシール作業(S36)は、前記ホーン120を介して前記シール部32の第2地点Bに超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部32の第2地点Bを熱融着し、これにより、前記シール部32の第2地点Bをシールすることができる。
この際、第2地点のシール作業(S36)は、第2地点の一次シール作業および第2地点の二次シール作業を含む。
【0067】
前記第2地点の一次シール作業は、前述した第1地点の一次シール作業(S33)と同一の条件でシール部の第2地点を一次的にシールする。すなわち、前記第2地点の一次シール作業のシール条件は、前記設定振動数が10~40kHzであり、前記設定振幅が5~50μmであり、前記設定時間が0.1~2.0秒である。
【0068】
前記第2地点の二次シール作業は、前述した第1地点の二次シール作業(S34)と同一の条件でシール部の第2地点Bを二次的にシールする。すなわち、前記第2地点の二次シール作業のシール条件は、前記第2地点の一次シール作業の超音波振動数および設定時間とは同一であり、振幅は40~60%、好ましくは50%に減少させた状態で行う。この際、シール部の第2地点Bに発生する気泡も共に除去することができ、その結果、シール部の第2地点を不良なしにシールすることができる。
【0069】
したがって、本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、シール部の第1および第2地点を不良なしにシールすることができ、その結果、二次電池のシール力を高めることができる。
【0070】
一方、本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、第3地点の固定作業(S37)および第3地点のシール作業(S38)をさらに含む。
【0071】
第3地点の固定作業
第3地点の固定作業(S37)は、前記第2地点のシール作業後、前記第1地点Aと前記第2地点Bとの間に位置したシール部の第3地点Cを、前記アンビル110と前記ホーン120を介して圧着して固定する。
【0072】
第3地点のシール作業
第3地点のシール作業(S38)は、前記ホーン120を介して前記シール部32の第3地点Cに超音波を設定振動数と設定振幅で設定時間加えることにより、前記シール部32の第3地点Cを熱融着する。
【0073】
この際、第3地点のシール作業(S38)の超音波振動数、振幅、および時間は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間と互いに異なるように設定される。
【0074】
すなわち、第3地点のシール作業(S38)の超音波振動数、振幅、および時間は、前記第1地点の一次シール作業の超音波振動数、振幅、および時間よりも高く設定され、これにより、第1地点と前記第2地点との間に位置したシール部の第3地点を効果的に溶融させてシール力を高めることができる。
【0075】
特に、第3地点のシール作業(S38)は、前記第3地点の超音波時間が1~2秒に設定され、これにより、シール部の第3地点全体を安定的に溶融させることができ、その結果、シール力を高めることができる。
【0076】
したがって、本発明の第3実施形態に係る二次電池用シール工程(S30)は、シール部の第3地点をさらにシールすることで、二次電池のシール力を大幅に高めることができる。
【0077】
[実験例]
図12に記載された表のように、電極組立体、電極リード、および電池ケースを含む二次電池を4個準備する。4個の二次電池は同一の製品である。そして、4個の二次電池は、互いに異なるシール条件で、二次電池のシール部をシールする。この際、シール部に備えられたコーティング層の厚さは30~85μmを有する。そして、振幅5~50μmを100%に設定する。
【0078】
比較例1
比較例1は、二次電池に含まれたシール部の第1地点Aに、超音波を10~40kHzの振動数と、100%の振幅で0.1秒以下発生させてシールした後、シール部の表面を撮影する。その結果、
図13のような写真を得ることができる。
【0079】
製造例1
製造例1は、二次電池に含まれたシール部の第1地点Aに、超音波を10~40kHzの振動数と、100%の振幅で0.35秒発生させてシールした後、シール部の表面を撮影する。その結果、
図14のような写真を得ることができる。
【0080】
製造例2
製造例2は、二次電池に含まれたシール部の第1地点Aに、超音波を10~40kHzの振動数と、100%の振幅で2.0秒発生させてシールした後、シール部の表面を撮影する。その結果、
図15のような写真を得ることができる。
【0081】
比較例2
比較例2は、二次電池に含まれたシール部の第1地点Aに、超音波を10~40kHzの振動数と、製造例1の振幅の50%の振幅で0.35秒発生させてシールした後、シール部の表面を撮影する。その結果、
図16のような写真を得ることができる。
【0082】
実験結果
比較例1は、
図13を参照すると、シール部にホーンまたはアンビルの突起跡がないことを確認することができる。これは、シール部の第1地点Aに超音波の振動数と加えられた時間が少ないため、シール部の第1地点Aが安定的に溶融できなかったことが分かり、その結果、シール不良が発生したことを確認することができる。この際、シール部のコーティング層の接着力を測定した結果、0.0N/mmが測定された。
【0083】
製造例1は、
図14を参照すると、シール面にホーンまたはアンビルの突起跡を明確に確認することができ、これは、シール部の第1地点Aが安定的に溶融してシールされたことが分かり、その結果、不良なしにシール部がシールされたことが分かる。この際、シール部のコーティング層の接着力を測定した結果、5.0N/mmが測定された。
【0084】
製造例2は、
図15を参照すると、シール面に一部のホーンまたはアンビルの突起跡を明確に確認することができる。ただし、過溶融により製造例1よりは接着力が劣るが、それにもかかわらず、比較例と比べて接着力を高めることができるため、シール部を不良なしにシールすることができる。一方、シール部のコーティング層の接着力を測定した結果、3.0N/mmが測定された。
【0085】
比較例2は、
図16を参照すると、シール面にホーンまたはアンビルの突起跡がないことを確認することができ、これは、超音波振幅と時間が充分ではあるものの、振幅が不足してシール部の第1地点Aが溶融できなかったことが分かり、その結果、シール不良が発生したことを確認することができる。一方、シール部のコーティング層の接着力を測定した結果、0.0N/mmが測定された。
【0086】
したがって、上記のような実験の結果、本発明の第1実施形態に係る二次電池用シール工程は、超音波を用いてシール部をシールする場合、振動数は10kHz~40kHz、振幅は50~100%、時間は0.1秒~2.0秒に設定することで、シール部を安定的にシールすることができる。
【0087】
本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出される多様な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0088】
10:電極組立体
20:電極リード
30:電池ケース
31:収容部
32:シール部
100:二次電池用シール装置
110:アンビル
120:ホーン
121:ヒンジ
130:コンバータ
131:ブースタ