IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユーシン イタリア ソチエタ ペル アツィオーニの特許一覧

特許7508746アウターベゼル機構とインナーブラケット機構とを備えるドアハンドル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】アウターベゼル機構とインナーブラケット機構とを備えるドアハンドル
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20240625BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240625BHJP
   E05B 77/06 20140101ALI20240625BHJP
   E05B 79/06 20140101ALI20240625BHJP
【FI】
E05B85/16 D
B60J5/04 H
E05B77/06 A
E05B79/06 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021556475
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2020053799
(87)【国際公開番号】W WO2020187502
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】19164248.7
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516180070
【氏名又は名称】ミネベア アクセスソリューションズ イタリア ソチエタ ペル アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MINEBEA ACCESSSOLUTIONS ITALIA S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】アントニー ゲラン
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0228886(US,A1)
【文献】特開2005-002670(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0327252(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の開閉扉(4)用ハンドル(1)であって、前記ハンドル(1)は、
前記開閉扉(4)の内側から取り付けられたインナーブラケット機構(2)と、
前記開閉扉(4)の外側から取り付けられ、前記開閉扉(4)の隙間から前記インナーブラケット機構(2)に固定されているアウターベゼル機構(3)とを備えており、
前記アウターベゼル機構(3)は、ベゼル(30)と把持機構(31)とを備えており、前記把持機構(31)は、前記開閉扉(4)のラッチを解除するためにラッチ機構(5)と協働するようになっており、
前記ベゼル(30)は、前記把持機構(31)に手でアクセスすることができるように、隙間の内部まで延在しており、
前記把持機構(31)は、前記把持機構(31)が前記開閉扉(4)と同一面になる休止位置と、前記把持機構(31)が前記開閉扉(4)のラッチを解除するために前記ラッチ機構(5)を駆動する開位置との間で、前記アウターベゼル機構(3)に回転可能に取り付けられており、
前記アウターベゼル機構(3)は、前記把持機構(31)が前記休止位置から内側に動くことを防ぐために、前記ベゼル(30)から延在する把持保持部(32)を備えており、
前記把持保持部(32)は、保持プレート(32a)と、前記保持プレート(32a)から延在する保持桟(32b)とを備えており、前記把持機構(31)は、把持部(31a)と把持レバー(31b)とを備えており、前記把持レバー(31b)は、前記把持部(31a)を支えており、前記把持保持部(32)は、前記把持レバー(31b)に直接固定されており、前記把持レバー(31b)は、前記保持桟(32b)を取り付けるための対応する開口部を有していることを特徴とするハンドル(1)。
【請求項2】
前記把持機構(31)は、垂直の把持軸(A1)の周りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のハンドル(1)。
【請求項3】
前記把持機構(31)は、前記休止位置と前記開位置との間で、前記把持機構(31)が前記開閉扉(4)に対して外側に突出し、把持可能となる起動位置をさらに有していることを特徴とする請求項1または2に記載のハンドル(1)。
【請求項4】
前記インナーブラケット機構(2)は、前記把持機構(31)が前記休止位置と前記起動位置との間で駆動することができるように、前記把持機構(31)と協働する作動機構(20)を備えていることを特徴とする請求項に記載のハンドル(1)。
【請求項5】
前記インナーブラケット機構(2)は、前記把持機構(31)が前記起動位置と前記開位置との間で第2作動機構(5)を駆動することができるように前記把持機構(31)と協働する、前記作動機構(20)すなわち第1作動機構(20)と第2作動機構(5)とを備えていることを特徴とする請求項に記載のハンドル(1)。
【請求項6】
前記第2作動機構(5)は、ラッチ機構(5)であることを特徴とする請求項に記載のハンドル(1)。
【請求項7】
前記第1作動機構(20)および前記第2作動機構(5)は、互いに機械的に独立していることを特徴とする請求項またはに記載のハンドル(1)。
【請求項8】
前記休止位置では、前記把持機構(31)は、前記第1作動機構(20)から機械的に独立していることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のハンドル(1)。
【請求項9】
前記休止位置では、前記把持機構(31)は、前記第2作動機構(5)から機械的に独立していることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のハンドル(1)。
【請求項10】
前記起動位置では、前記把持機構(31)は、前記第1作動機構(20)と機械的に接触していることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のハンドル(1)。
【請求項11】
前記把持機構(31)は、前記起動位置または前記開位置でのみ前記ラッチ機構(5)と協働するようになっていることを特徴とする請求項から10のいずれか1項に記載のハンドル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、自動車のドアハンドル、より具体的には、ユーザが車両にアクセスできるように選択的に開けることができる開閉扉を備える自動車のドアハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のドアハンドルは一般によく知られており、従来の最も一般的なものは、ドアの外面から外側に突出しているハンドルを備えている。通常、これらのハンドルは、ドアの内側に配置されたラッチ機構に機械的に連結されており、ドアが閉まった状態で、しっかりとドアを保持するように作動する。ユーザがハンドルを操作すると、ラッチ機構が解除され、ドアを開けることができるようになる。
【0003】
最近では、リモートコントロール信号により、電動機構によって、ユーザがハンドルを操作してラッチを解除し、車両ドアを開けることができる展開位置へハンドルを移動させるまで、ユーザが操作可能なハンドルが、車両ドアの外面とほぼ同一面となるようになっているフラッシュタイプのハンドルが導入されている。
【0004】
フラッシュタイプのハンドルは、このハンドルを備えている車両のスタイルに大きな影響を与える構成要素である。そのため、ハンドルがドアと同一面となるように(これはフラッシュ配置と呼ばれている)、より一般的には、ハンドルができるだけ見えなくなるように、自動車メーカーは、往々にして、ドアの面にハンドルを配置しようとする。またこのようなフラッシュタイプのドアハンドルには、車両の運転中に、空気との衝突によって引き起こされる空力的騒音を低減させることができるという利点も有している。
【0005】
フラッシュタイプのハンドルのメカニズムは、その構造がやや複雑であり、また寒い気候条件下においては、氷の蓄積による閉塞の影響を受けやすく、さらに、規定された強度要件を満たすことが必要である。
【0006】
可動ハンドルにアクセスするための開口部が自動車の開閉扉に設けられており、この可動ハンドルが、作動時に水平軸まわりに回転するようになっている別のドアハンドルも知られている。この種のドアハンドルは、ユーザがハンドルを簡単に操作することができるように、ユーザが手を挿入することができる開口部を備えている。このようなハンドルは、従前のものよりは人間工学的であるが、自動車の開閉扉に可動ハンドルおよびラッチ機構の両方を取り付けるようになっているため、その取り付けは、はるかに困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、人間工学的であり、比較的目に見えず、しかも取り付けが容易なドアハンドルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、車両の開閉扉用のハンドルであって、
開閉扉の内側から取り付けられたインナーブラケット機構と、
開閉扉の外側から取り付けられ、開閉扉の隙間からインナーブラケット機構に固定されているアウターベゼル機構とを備えており、
このアウターベゼル機構は、ベゼルと把持機構とを備えており、この把持機構は、開閉扉のラッチを解除するためにラッチ機構と協働するようになっており、
このベゼルは、把持機構に手でアクセスすることができるように、隙間の内部まで延在しており、
この把持機構は、当該把持機構が開閉扉と同一面になる休止位置と、把持機構が開閉扉のラッチを解除するためにラッチ機構を駆動する開位置との間で、アウターベゼル機構に回転可能に取り付けられているものを提供するものである。
【0009】
このようなハンドルは、把持機構と開閉扉との間に、いかなる直接的な機械的依存性なしに、開閉扉に取り付けることができる。
【0010】
アウターベゼル機構とインナーブラケット機構とは、インナーブラケット機構のブラケットとアウターベゼル機構との間で相互に動かないように固定されていると有利である。アウターベゼル機構とは異なり、把持機構は、インナーブラケット機構に対して、したがってアウターベゼル機構に対して移動可能である。
【0011】
本発明によるドアハンドルは、以下の改善項目のうちの少なくとも1つを含んでいると有利であり、これらの改善項目を形成する技術的特徴は、単独で、または組み合わせて実施することができる。これらは、次の通りである。
把持機構は、垂直の把持軸の周りに回転可能に取り付けられている。
把持機構は、把持部と把持レバーとを備えており、把持レバーは、把持部を支えている。
把持部と把持レバーとは、互いに区別されている。
把持レバーは、垂直の把持軸を支えている。
把持機構は、休止位置と開位置との間で、把持機構が開閉扉に対して外側に突出し、把持可能となる起動位置をさらに有している。
把持機構は、把持レバーを休止位置に駆動するようになっている把持弾性戻り要素を備えている。
把持機構は、把持部が開位置を超えて外側に移動するのを防ぐようになっている把持停止部を備えている。
把持機構は、把持レバーを起動位置または開位置から休止位置に駆動するようになっている把持弾性戻り要素を備えている。
把持機構は、少なくとも1つのラジアルプレートを備えている。
把持機構は、把持部を把持レバーにしっかりと維持するためのクリップを備えている。
アウターベゼル機構は、把持機構が休止位置から内側に動かないようにするために、ベゼルから延在する把持保持部を備えている。
把持保持部は、垂直の把持軸に対して直角に延在している。
把持保持部は、把持機構と共に移動可能である。
把持保持部は、保持プレートと、保持プレートから延在する保持桟とを備えている。
把持保持部は、把持レバーに直接固定されている。
把持保持部は、把持部の反対側に延在している。
アウターベゼル機構は、把持部の端部がベゼルと接触するのを防ぐために、ベゼルに固定されている弾性こまを備えている。
インナーブラケット機構は、把持機構が休止位置と起動位置との間で駆動することができるように、把持機構と協働する作動機構を備えている。
作動機構は、アクチュエータレバーを備えている。
アクチュエータレバーは、アクチュエータ軸の周りに回転可能に取り付けられており、アクチュエータ軸と把持軸とは、互いに平行である。
インナーブラケット機構は、把持機構が起動位置と開位置との間で、第2作動機構を駆動することができるように、把持機構と協働する作動機構すなわち第1作動機構と第2作動機構とを備えている。
第2作動機構は、ラッチ機構である。
第1作動機構および第2作動機構は、互いに機械的に独立している。
第2作動機構は、アクチュエータレバー、いわゆる第2アクチュエータレバーを備えている。
第2作動機構は、第2アクチュエータレバーを支えるボディを備えている。
把持機構は、起動位置または開位置でのみ、ラッチ機構と協働するようになっている。
ラッチ機構は、ボーデンケーブルを備えている。
ラッチ機構は、ボーデンケーブルを引っ張って、ラッチを解除し、開閉扉を開けることができるようになっている。
第2作動機構は、第2アクチュエータレバーをラッチ解除位置からラッチ位置に駆動するようになっているレバー弾性戻り要素を備えている。
ラッチ位置では、把持機構は、休止位置または起動位置にある。
ラッチ解除位置では、把持機構は、開位置にある。
休止位置では、把持機構は、第1作動機構とは機械的に独立している。
休止位置では、把持機構は、第2作動機構とは機械的に独立している。
起動位置では、把持機構は、第1作動機構と機械的に接触している。
アウターベゼル機構は、把持機構を休止位置から起動位置に動かすために、第1作動機構を起動させるようになっている起動スイッチを備えている。
起動スイッチは、把持部によって支えられている。
アウターベゼル機構は、発行体を備えている。
発行体は、把持部によって支えられている。
【0012】
本発明は、別の態様として、車両の開閉扉のラッチ機構のロックを解除する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】把持機構を備える本発明の一実施形態によるアウターベゼル機構の分解斜視図である。
図2図1に示すアウターベゼル機構を組立てた状態の正面図である。
図3図2に示すアウターベゼル機構の背面図である。
図4図1から図3に示すアウターベゼル機構と共に取り付けられているインナーブラケット機構の分解斜視図である。
図5図4に示すインナーブラケット機構を組立てた状態の正面図である。
図6図5に示すインナーブラケット機構の背面図である。
図7a】把持機構が休止位置にある状態のハンドルの正面図である。
図7b図1から図6に示すアウターベゼル機構およびインナーブラケット機構を備え、把持機構が休止位置にあるハンドルの背面図である。
図7c図7bに示すハンドルの平面図である。
図8a図7aに示す把持機構が起動位置にあるハンドルの正面図である。
図8b図7bに示す把持機構が起動位置にあるハンドルの背面図である。
図8c図7cに示す把持機構が起動位置にあるハンドルの平面図である。
図9a図7aに示す把持機構が開位置にあるハンドルの正面図である。
図9b図7bに示す把持機構が開位置にあるハンドルの背面図である。
図9c図7cに示す把持機構が開位置にあるハンドルの平面図である。
図10】把持機構の把持部を示す図である。
図11】開位置にある把持部を示す図である。
図12】アウターベゼル機構の起動スイッチを示す図である。
図13】起動スイッチのロック解除方法を示す図である。
【0014】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して行う、非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになると思う。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図11に示すように、本発明の第1の実施形態によるハンドル1は、インナーブラケット機構2およびアウターベゼル機構3を備えている。ユーザは、ハンドル1により、開閉扉4を備える車両ドアを開けることができる。
【0016】
インナーブラケット機構2は、開閉扉4の内側から取り付けられ、アウターベゼル機構3は、開閉扉4の外側から取り付けられている。
【0017】
アウターベゼル機構3は、開閉扉4の隙間(図示せず)から、インナーブラケット機構2に固定されている。
【0018】
アウターベゼル機構3は、ベゼル30および把持機構31を備えており、把持機構31は、開閉扉4のラッチを解除するように、ラッチ機構5と協働するようになっている。
【0019】
手で把持機構31にアクセスすることができるように、ベゼル30は、把持機構31の内部まで延在している。
【0020】
把持機構31は、把持機構31が開閉扉4と同一面になる休止位置と、把持機構31によりラッチ機構5を駆動して、開閉扉4のラッチを解除する開位置との間で、アウターベゼル機構3に回転可能に取り付けられている。
【0021】
把持機構31は、休止位置と開位置との間に起動位置をさらに有しており、起動位置では、把持機構31は、開閉扉4より外側に突出するので、これを把持することができる。
【0022】
把持機構31は、把持部31aと把持レバー31bとを備えており、把持レバー31bは、把持部31aを支えている。
【0023】
把持部31aおよび把持レバー31bは、2つの部品である。
【0024】
把持機構31は、垂直の把持軸A1の周りに回転可能に取り付けられており、把持レバー31bは、垂直の把持軸A1を支えている。
【0025】
把持機構31は、把持レバー31bを開位置または起動位置から休止位置に駆動するようになっている把持弾性戻り要素31cを備えている。
【0026】
把持機構31は、把持部31aが開位置を超えて外側に動くことを阻止する把持停止部31dを備えている。
【0027】
把持機構31は、それを強化するために、少なくとも1枚のラジアスプレート31eを備えている。
【0028】
アウターベゼル機構3は、把持機構31が休止位置から内側に動くことを阻止するために、ベゼル30から延在する把持保持部32を備えている。
【0029】
把持保持部32は、垂直の把持軸A1に対して直角に延在している。把持保持部32は、把持機構31と共に移動可能である。把持保持部32は、保持プレート32aと、保持プレート32aから延在する保持桟32bとを備えている。把持保持部32は、把持レバー31bに直接固定されており、把持レバー31bは、保持桟32bを取り付けるための対応する開口部を有している。保持桟32bは、ハンドル1の組み立て中に、必要に応じて、保持プレート32aを把持レバー31bから延在させることができる。
【0030】
把持保持部32は、把持部31aの反対側に延在している。
【0031】
保持プレート32aは、その質量が把持部31aの慣性質量となるように調整することができ、衝突時にラッチ機構が望ましくない状況になることを防止する。
【0032】
アウターベゼル機構3は、把持部31aの端部がベゼル30と接触するのを防ぐために、ベゼル30に固定されている弾性こま33を備えており、この弾性こま33は、ベゼル30の開口部に取り付けられている。
【0033】
把持機構31は、把持部31aを把持レバー31bにしっかりと保持するための、クリップ34を備えている。
【0034】
さらに、アウターベゼル機構3は、ベゼル30に取り付けられるフレーム35およびガスケット36を備えている。
【0035】
アウターベゼル機構3は、把持機構31を休止位置から起動位置に動かすために、電気的作動機構すなわち第1作動機構を起動させるようになっている起動スイッチ37を備えている。把持部31aは、起動スイッチ37を保持しているカバー38を備えている。
【0036】
ベゼル30は、把持部31aの受容部30aと、ベゼルを開閉扉4に固定するための固定部30bとを有している。
【0037】
固定部30bは、開閉扉4にベゼル30を固定するための、固定孔30b’を有している。
【0038】
アウターベゼル機構3は、発行体39を備えており、発行体39は、把持部31aによって支えられている。発行体39は、カバー39aを備えている。
【0039】
インナーブラケット機構2は、ブラケット2aを備えている。
【0040】
ブラケット2aは、電気的作動機構いわゆる第1作動機構20と、第2作動機構とを支えている。
【0041】
第2作動機構とは、ラッチ機構5のことである。
【0042】
第1作動機構20は、把持機構31が休止位置と起動位置との間で駆動することができるように、把持機構31と協働する。
【0043】
より正確には、第1作動機構20は、把持部31aと協働する。
【0044】
第1作動機構20は、アクチュエータレバー20aを備えている。このアクチュエータレバー20a、すなわち第1アクチュエータレバー20aは、アクチュエータ軸A2の周りに回転可能に取り付けられている。アクチュエータ軸A2と把持軸A1とは、互いに平行である。
【0045】
第1アクチュエータレバー20aは、把持部31aと係合することができるように配置されている。
【0046】
ラッチ機構5は、把持機構31が起動位置と開位置との間でラッチ機構5を駆動することができるように、把持機構31と協働する。
【0047】
第1作動機構20とラッチ機構5とは、互いに機械的に独立していることに留意されたい。
【0048】
より正確には、第1作動機構20とラッチ機構5とは、互いに直接的な機械的依存性を有していない。
【0049】
ラッチ機構5は、アクチュエータレバー5a、すなわち第2アクチュエータレバー5a、および第2アクチュエータレバー5aを支えるボディ50を備えている。
【0050】
ラッチ機構5は、ボーデンケーブル(図示せず)を備えている。
【0051】
ラッチ機構5は、ボーデンケーブルを引っ張って、ラッチを解除し、開閉扉4を開けることができるようにする。
【0052】
ラッチ機構5は、第2アクチュエータレバー5aをラッチ解除位置からラッチ位置に駆動するようになっているレバー弾性戻り要素5bを備えている。
【0053】
図7a~図7cでは、把持機構31は休止位置にある。この休止位置では、把持部31aは、第1作動機構20にも第2作動機構5にも接触していない。
【0054】
より正確には、この休止位置では、把持部31aは、第1アクチュエータレバー20aに接触しておらず、把持レバー31bは、第2アクチュエータレバー5aに接触していない。
【0055】
第1作動機構20は休止位置にあり、第2作動機構5はラッチ位置にある。
【0056】
図8a~図8cでは、把持機構31は起動位置にある。この起動位置では、把持部31aは、第1作動機構20および第2作動機構5の両方に接触している。
【0057】
より正確には、この起動位置では、把持部31aは、第1アクチュエータレバー20aに接触しており、把持レバー31bは、第2アクチュエータレバー5aに接触している。
【0058】
第1アクチュエータレバー20aは、把持部31aを休止位置から起動位置に押し出す。
【0059】
その時、第1作動機構20は作動位置にあり、第2作動機構5はラッチ位置にある。
【0060】
この起動位置において、ユーザの手は、把持部31aをつかむことができる。
【0061】
図9a~図9cでは、把持機構31は開位置にある。この開位置では、把持部31aは、第1作動機構20に接触せず、第2作動機構5と係合する。
【0062】
開位置では、ユーザの手が把持部31aを作動位置から開位置に引張っている。
【0063】
より正確には、この起動位置では、把持部31aは、第1アクチュエータレバー20aともはや接触せず、把持レバー31bは、第2アクチュエータレバー5aと係合している。
【0064】
把持レバー31bは、第2アクチュエータレバー5aを押し、ラッチ機構5は、ラッチ位置からラッチ解除位置に移動する。
【0065】
第1作動機構20は依然として作動位置にあり、第2作動機構5はラッチ解除位置にある。
【0066】
バッテリーが使えない場合、把持部31aにアクセスするために、ユーザは、ベゼルに手を挿入する。ボウル型のベゼルは、把持部31aをつかもうとするユーザの手をガイドする。このように、把持機構31をユーザが操作して、ラッチ機構のラッチを解除し、ドアを開けることができる。
【0067】
図12に示すように、起動スイッチ37は、電気的作動機構すなわち第1作動機構20を起動させるようになっている。
【0068】
起動スイッチ37は、弾性要素37cがハウジング37bの外側のボタンケース37aを押し付けている休止位置と、ボタンケース37aがハウジング37bの内側に押し込まれるように、ユーザが弾性要素37cを押し込む作動位置との間で動くことができるように、ハウジング37bに取り付けられたボタンケース37aを有している。
【0069】
起動スイッチ37は、ボタンケース37aが作動位置にあるときに押すことができるように、ハウジング37bに固定されたスイッチ37dをさらに備えている。
【0070】
ボタンケース37aは、プリント回路基板37a1と、プリント回路基板37a1に接続しているセンサ37a2とを備えている。
【0071】
プリント回路基板37a1は、第1処理ユニット40に接続され、スイッチ37dは、第2処理ユニット41に接続されている。
【0072】
第1処理ユニット40および第2処理ユニット41は、互いに接続されており、第1処理ユニット40は、少なくとも1つの衝突センサ42に接続されており、第2処理ユニット41は、電気的作動機構すなわち第1作動機構20に接続されている。
【0073】
ボタンケースセンサ37a2は、ユーザの手または指がボタンケース37aに触れているかどうかにかかわらず、これを検出することができる存在センサである。
【0074】
別の態様として、図13は、以下に説明する少なくとも1つのステップを含む、車両の開閉扉4のラッチ機構5のロックを解除する方法を示している。
【0075】
ボタンケースセンサ37a2がユーザの手または指を検出すると、第1開放信号100が第1処理ユニット40に送信され、第1処理ユニット40は、第1開放信号100を第2処理ユニット41に伝達し、第2処理ユニット41は、最終的に、電気的作動機構すなわち第1作動機構20を起動させる。
【0076】
ボタンケース37aが作動位置にあるときに、スイッチ37dの押下が検出されると、第2開放信号200が第2処理ユニット41に送信され、次に、第2処理ユニット41は、第1処理ユニット40からの第1開放信号100を待つ。
第1処理ユニット40からの第1開放信号100を受信すると、第2処理ユニット41は、最終的に、電気的作動機構すなわち第1作動機構を起動させる。
第1処理ユニット40からの開放信号を受信しない場合、第1処理ユニット40は、衝突センサ42からの衝突信号300を受信したか否かをチェックする。
第1処理ユニット40が衝突信号300を受信していない場合、第2処理ユニット41は、衝突信号300が検出されていないという情報を受信し、第2処理ユニット41は、最終的に、電気的作動機構すなわち第1作動機構20を起動させる。
第1処理ユニット40が衝突信号300を受信していた場合、第2処理ユニット41は、衝突信号300が検出されたという情報を受信し、第2処理ユニット41は、電気的作動機構すなわち第1作動機構20を起動させることはない。
いずれにせよ、ボタンケースセンサ37a2がユーザの手または指を検出せず、事故の際にスイッチ37dの押下を検出した場合、第2処理ユニット41は、電気的作動機構すなわち第1作動機構20を起動させることはない。
【0077】
「接触」という表現は、2つの部品の直接接触を意味する。
【0078】
「独立した」という表現は、直接的な機械的関係を有しない2つの部品を意味する。
【符号の説明】
【0079】
1 ハンドル
2 インナーブラケット機構
2a ブラケット
3 アウターベゼル機構
4 開閉扉
5 ラッチ機構(第2作動機構)
5a 第2アクチュエータレバー
5b レバー弾性戻り要素
20 第1作動機構
20a 第1アクチュエータレバー
30 ベゼル
30a 受容部
30b 固定部
30b’ 固定孔
31 把持機構
31a 把持部
31b 把持レバー
31c 把持弾性戻り要素
31d 把持停止部
31e ラジアスプレート
32 把持保持部
32a 保持プレート
32b 保持桟
33 弾性こま
34 クリップ
35 フレーム
36 ガスケット
37 起動スイッチ
37a ボタンケース
37a1 プリント回路基板
37a2 ボタンケースセンサ
37b ハウジング
37c 弾性要素
37d スイッチ
38 カバー
39 発行体
39a カバー
40 第1処理ユニット
41 第2処理ユニット
42 衝突センサ
50 ボディ
100 第1開放信号
200 第2開放信号
300 衝突信号
A1 把持軸
A2 アクチュエータ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12
図13