(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】血圧で心臓循環事件を追跡するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/026 20060101AFI20240625BHJP
A61B 5/0215 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B5/026 110
A61B5/0215 C
(21)【出願番号】P 2022568382
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2020089285
(87)【国際公開番号】W WO2021223248
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】522435872
【氏名又は名称】深セン北芯生命科技股フン有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】林 佳燕
(72)【発明者】
【氏名】鄭 欲暁
(72)【発明者】
【氏名】邵 小虎
(72)【発明者】
【氏名】李 連波
(72)【発明者】
【氏名】宋 亮
(72)【発明者】
【氏名】陳 麗麗
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-531534(JP,A)
【文献】特開2019-076750(JP,A)
【文献】特表2014-511114(JP,A)
【文献】特表2014-504923(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107148239(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0387981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0073972(US,A1)
【文献】国際公開第2019/195323(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように配置される圧力測定装置と、
前記圧力測定装置に接続され、前記第1の圧力信号及び前記第2の圧力信号を受信するホストと、を含み、
前記ホストが、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別し、前記第2の圧力信号の圧力値と、前記第2の圧力信号の圧力値に対応する前記第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を生成し、前記目標圧力波形に基づいて、時間に対する前記圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、前記目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における前記目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、前記目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することを特徴とする、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項2】
前記ホストは、前記第1の圧力信号に基づいて、完全な心周期を少なくとも1つ含む第1の圧力波形を取得し、前記第2の圧力信号に基づいて、完全な心周期を少なくとも1つ含む第2の圧力波形を取得し、前記第1の圧力波形及び/又は第2の圧力波形に基づいて各心周期を区別することを特徴とする、請求項1に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項3】
前記ホストは、前記第1の圧力波形と前記第2の圧力波形を同期させることにより前記心周期内に前記第1の圧力波形にピークが現れる時刻と前記第2の圧力波形にピークが現れる時刻を同期させるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項4】
前記ホストは、前記目標圧力波形に基づいて複数の心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得し、各心周期の目標期間内における圧力比の値の平均値を算出して、取得した複数の平均値の平均を求めて目標平均値を取得することを特徴とする、請求項1に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項5】
前記心周期には、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期とが含まれ、前記目標期間が前記拡張期にあることを特徴とする、請求項1に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項6】
前記ホストは、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対して予備処理を行って前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における無効信号を取り除くとともに、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対してフィルタリング処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項7】
前記無効信号は、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分にかかる信号とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項8】
前記目標期間は連続しているものであり、その時間の長さが予定の時間値よりも長いことを特徴とする、請求項1に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム。
【請求項9】
圧力測定装置と、前記圧力測定装置に接続されるホストと、を含むシステムの作動方法であって、
前記圧力測定装置が、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得する
工程と、
前記ホストが、前記第1の圧力信号及び前記第2の圧力信号を受信し、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別し、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号を同期させることにより、前記心周期内において前記第1の圧力信号にピークが現れる時刻と前記第2の圧力信号にピークが現れる時刻を同期させ、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における無効信号を取り除き、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて、前記第2の圧力信号の圧力値と、前記第2の圧力信号の圧力値に対応する前記第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を取得し、前記目標圧力波形に基づいて、時間に対する前記圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、前記目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における前記目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、前記目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得する
工程と、を含み、
前記無効信号は、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分にかかる信号とを含むこと
を特徴とする、血圧で心臓循環事件を追跡する
システムの作動方法。
【請求項10】
前記ホストの作動において、前記心周期には、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期とが含まれ、前記目標期間は連続しているものであり、前記拡張期にあり、その時間の長さが予定の時間値よりも長く、前記目標圧力波形に基づいて複数の心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得し、各心周期の目標期間内における圧力比の値の平均値を算出して、取得した複数の平均値の平均を求めて目標平均値を取得することを特徴とする、請求項9に記載の、血圧で心臓循環事件を追跡する
システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具体的に、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患は、世界の主要な死因の1つであり、冠動脈疾患をより確実に診断、監視、及び治療する能力は、命を救うことができる。冠動脈造影は冠動脈狭窄を評価するために使用される一般的な技術であるが、冠動脈造影は冠動脈の血管機能の実際の状況を反映できないため、一般的には、狭窄症にかかる冠動脈が患者の心筋虚血に関係しているかどうかを判断するのは不可能である。現在、冠動脈狭窄症を判断するために臨床的に使用されている方法としては、主にプレッシャーガイドワイヤによる検査によって得られるフラクショナルフローリザーブ(FractionalFlowReserve。FFRと略する)という技術がある。
【0003】
しかしながら、FFRを取得するプロセスには以下の欠点がある。FFRを測定する前に、冠動脈が最大充血の状態になるように冠動脈に最大充血誘発薬(例えばアデノシン、アデノシン三リン酸ATPなど)を注入する必要があり、このプロセスでは、臨床手術の時間が長くなり、患者に不快感をもたらすとともに、医療費が大幅に増加し、そして患者にアレルギー反応を引き起こす恐れがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記の状況にかんがみて提案されるものであり、最大充血誘発薬を注射することを要せず、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
このため、本発明の第一方面は、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように配置される圧力測定装置と、前記圧力測定装置に接続され、前記第1の圧力信号及び前記第2の圧力信号を受信するホストと、を含み、前記ホストが、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別し、前記第2の圧力信号の圧力値と、前記第2の圧力信号の圧力値に対応する前記第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を生成し、前記目標圧力波形に基づいて、時間に対する前記圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、前記目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における前記目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、前記目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することを特徴とする、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムを提供する。
【0006】
本発明において、圧力測定装置は、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように配置され、ホストは、圧力測定装置に接続され、第1の圧力信号及び第2の圧力信号を受信することができる。ホストは、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を生成し、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得する。この場合、本発明は、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管異常の病変状況を判断することができる。
【0007】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記ホストは、前記第1の圧力信号に基づいて、完全な心周期を少なくとも1つ含む第1の圧力波形を取得し、前記第2の圧力信号に基づいて、完全な心周期を少なくとも1つ含む第2の圧力波形を取得し、前記第1の圧力波形及び/又は第2の圧力波形に基づいて各心周期を区別する。これにより、第1の圧力波形と第2の圧力波形を得ることができ、ホストは、第1の圧力波形及び/又は第2の圧力波形に基づいて各心周期を区別することができる。
【0008】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記ホストは、前記第1の圧力波形と前記第2の圧力波形を同期させることにより前記心周期内に前記第1の圧力波形にピークが現れる時刻と前記第2の圧力波形にピークが現れる時刻を同期させるように構成される。これにより、第1の圧力波形と第2の圧力波形を同期させることができ、その後に正確な圧力比の値を取得することが容易になる。
【0009】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記ホストは、前記目標圧力波形に基づいて複数の心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得し、各心周期の目標期間に対応する圧力比の値の平均値を算出して、取得した複数の平均値の平均を求めて目標平均値を取得する。これにより、目標平均値を取得することができる。
【0010】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記心周期には、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期とが含まれ、前記目標期間が前記拡張期にある。これにより、拡張期にある目標期間を得ることができる。
【0011】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記ホストは、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対して予備処理を行って前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における無効信号を取り除くとともに、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対してフィルタリング処理を行う。これにより、その後により正確な目標時期を得ることが容易になる。
【0012】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記無効信号は、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分にかかる信号とを含む。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くことができる。
【0013】
本発明の第一方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムにおいて、選択可能に、前記目標期間は連続しているものであり、その時間の長さが予定の時間値よりも長い。これによって、より効果的な目標期間を得ることができる。
【0014】
本発明の第二方面は、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得すること、及び、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別し、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号を同期させることにより、前記心周期内において前記第1の圧力信号にピークが現れる時刻と前記第2の圧力信号にピークが現れる時刻を同期させるとともに、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における無効信号を取り除き、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に基づいて、前記第2の圧力信号の圧力値と、前記第2の圧力信号の圧力値に対応する前記第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を取得し、前記目標圧力波形に基づいて、時間に対する前記圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、前記目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における前記目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、前記目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することを含み、前記無効信号は、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分に係る信号と、前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分に係る信号とを含むこと特徴とする、血圧で心臓循環事件を追跡する方法を提供する。
【0015】
本発明において、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得し、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別し、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させるとともに、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除き、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を取得し、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得し、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、前記目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得する。この場合、本発明は、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管異常の病変状況を判断することができる。
【0016】
本発明の第二方面に係る、血圧で心臓循環事件を追跡する方法において、選択可能に、前記心周期には、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期とが含まれ、前記目標期間は連続しているものであり、前記拡張期にあり、その時間の長さが予定の時間値よりも長く、前記目標圧力波形に基づいて複数の心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得し、各心周期の目標期間内における圧力比の値の平均値を算出して、取得した複数の平均値の平均を求めて目標平均値を取得する。この場合、より効果的な目標期間を得ることができる。
【0017】
本発明によれば、最大充血誘発薬を注射することを要せず、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムの構造を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムを示す概略図である。
【
図3】本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステムの人体への挿入を示す概略図である。
【
図4】本発明の例に係る予定部位の血管を示す画像である。
【
図5】本発明の例に係るシステムの血管への適用を示す断面図である。
【
図6】本発明の例に係る複数の心周期の圧力波形を示す図である。
【
図7】本発明の例に係る複数の心周期の圧力波形を示す図である。
【
図8】本発明の別の例に係る複数の心周期の圧力波形を示す図である。
【
図9】本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡する方法のプロセスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。以下の説明において、同様な部品に同様な記号を付与し、重複する説明を省略する。また、図面は概略的なものに過ぎず、部品の寸法や比例関係、又は部品の形状などは実際と異なってもよい。
【0020】
また、本発明に関する次の説明には、副題はあれば、本発明の内容や範囲を制限することを意図するものではなく、閲読にヒントを与えるためのものに過ぎない。このような副題を、明細書の内容を分割するために使用されると理解してはならず、副題が付けられた内容を副題の範囲のみに制限してはならない。
【0021】
本発明は、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム及び方法を提供し、本発明によれば、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管異常の病変状況を判断することができる。
【0022】
図1は、本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム1の構造を示すブロック図である。
図2は、本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム1を示す概略図である。
図3は、本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム1の人体への挿入を示す概略図である。
【0023】
一部の例において、
図1と
図2に示されるように、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム1(「システム1」と略す)は、圧力測定装置10とホスト20を含み得る。圧力測定装置10はホスト20に接続され得る。圧力測定装置10は、血管内の圧力(「血管内圧力」ともいう)を測定して圧力信号を生成してから、圧力信号を処理するためにホスト20へ送信することができる。
【0024】
一部の例において、
図1と
図2に示されるように、ホスト20(後述)に近い側を近位側20aとし、ホスト20(後述)から遠い側を遠位側20bとすることができる。
【0025】
本発明にかかる、血圧で心臓循環事件を追跡するシステム1は、例えば狭窄病変421などの患者の血管の病変状況を判断するために、インターベンションカテーテル技術を使用することによって血管内に圧力を測定することができる(
図5参照)。システム1は、患者の血管内圧力を測定して処理する(例えば、後述する圧力比の値を取得し、さらに目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得する。)ことにより、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管異常の病変状況を判断することができる。
【0026】
一部の例において、圧力測定装置10は、血管内圧力を測定して圧力信号を生成することができる。
【0027】
一部の例において、
図2に示されるように、圧力測定装置10は、第1の圧力測定装置と第2の圧力測定装置を含み得る。一部の例において、第1の圧力測定装置は、血管内圧力を測定して圧力信号(例えば後述の第1の圧力信号)を生成する第1の圧力センサーを備え得る。一部の例において、第2の圧力測定装置は、血管内圧力を測定して圧力信号(例えば後述の第2の圧力信号)を生成する第2の圧力センサーを備え得る。しかしながら、本発明の例はこれらに限られない。別の例において、圧力測定装置は、血管内圧力を同時に測定して圧力信号(例えば後述の第1の圧力信号と第2の圧力信号など)をそれぞれ生成する2つの圧力センサーを備え得る第3の圧力測定装置を含み得る。
【0028】
一部の例において、第1の圧力測定装置は、血管内圧力を測定して圧力信号を生成することができる。一部の例において、
図2に示されるように、第1の圧力装置は、血管内圧力を測定するための圧力センサー112を備え得るガイドカテーテル110であってもよい。一部の例において、ガイドカテーテル110は、圧力センサー112を通して血管内圧力(例えば血管内の近位側20aに近い箇所における圧力)を測定して圧力信号を生成することができる。なお、本発明の例はこれに限られず、第1の圧力測定装置は、血管内圧力を測定可能なその他の装置であってもよい。
【0029】
一部の例において、
図2に示すように、第1の圧力測定装置は、ガイドカテーテル110であってもよく、ガイドカテーテル110は細長いパイプ状を呈してもよく、内部チェンバー111を備え得る。一部の例において、ガイドカテーテル110は、ホスト20に近い近位側110aと、ホスト20から遠い遠位側110bとを備える。
【0030】
一部の例において、ガイドカテーテル110には、圧力センサー112が設けられている。一部の例において、
図2に示されるように、圧力センサー112は、ガイドカテーテル110の近位側110aのポートに直接接続されてガイドカテーテル110に設けられる侵襲性血圧センサーであってもよい。例えば、圧力センサー112には、ガイドカテーテル110と接続するための、ガイドカテーテル110の管状構造に一致した円形ポートが設けられ得る。これにより、ガイドカテーテル110と圧力センサー112とのより良好なマッチングを実現することができ、血管内圧力をより効果的に測定することができる。一部の例において、圧力センサー112は、液体が遠位側110からガイドカテーテル110内のチェンバー111に流れ込むことによって生じる圧力を感知することができる。
【0031】
具体的には、ガイドカテーテル110は、人体の血管内に配置され、且つその遠位側110bのポートが血管内の第1の予定位置(例えば、血管内の近位側20aに近い側)に位置することができ、圧力センサー112は、体外に配置され、且つガイドカテーテル110の近位側110aのポートに接続されることができ、血管内の近位側における血液はガイドカテーテル110に流れ込んで、ガイドカテーテル110の遠位側110bからガイドカテーテル110の近位側110aに流れ、圧力センサー112によって感知されることができ、これによって、圧力センサー112は、ガイドカテーテル120の内部チェンバー121内の圧力、即ち、血管内の第1の予定位置における圧力を取得することができる。
【0032】
しかしながら、本発明の例はこれらに限られない。一部の別の例において、圧力センサー112は、容量性圧力センサー、抵抗性圧力センサー、光ファイバ圧力センサーなどであってもよく、圧力センサー112は、ガイドカテーテル110の遠位側110bに配置されてもよく、例えば、圧力センサー112は、ガイドカテーテル110の、遠位側110bに近い外壁に配置されてもよい。例えば、システム1が作動している時、ガイドカテーテル110を人体の血管内に配置し、圧力センサー112を血管内の第1の予定位置に配置することができる。この場合、圧力センサー112は、血管内の第1の予定位置での圧力を直接感知することができる。
【0033】
一部の例において、第1の予定位置は、血管内の近位側20aに近い側であってもよく、これにより、ガイドカテーテル110は、圧力センサー112を通して一定のサンプリング速度で、血管内の近位側20aの近くの、血管内の心周期に従って変化する圧力を取得して圧力波形を生成することができる。
【0034】
一部の例において、第1の圧力測定装置はホスト20に接続され、第1の圧力測定装置によって取得される圧力信号をホスト20に送信することができる。例えば、
図2に示されるように、ガイドカテーテル110は、伝送ワイヤを介してホスト20に接続されることができる。この場合、圧力センサー112によって測定された圧力信号は、伝送ワイヤを介してホスト20に送信される。
【0035】
一部の例において、第2の圧力測定装置は、血管内圧力を測定して圧力波形を生成することができる。一部の例において、
図2に示されるように、第2の圧力測定装置は、血管内圧力を測定するための圧力センサー122を備え得る血圧測定カテーテル120であってもよい。一部の例において、血圧測定カテーテル120は、圧力センサー122を通して血管内圧力(例えば血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力)を測定して圧力信号を生成することができる。しかしながら、本発明はこれに限られず、第2の圧力測定装置は、血管内圧力を測定するためのその他の装置、例えば圧力センサー付き医療用ガイドワイヤであってもよい。
【0036】
一部の例において、
図2に示されるように、第2の圧力測定装置は、血圧測定カテーテル120であってもよく、血圧測定カテーテル120は細長いパイプ状を呈してもよい。一部の例において、血圧測定カテーテル120は、ホスト20に近い近位側120aと、ホスト20から遠い遠位側120bとを備え得、血圧測定カテーテル120は、内部チェンバー121を備え得る。
【0037】
一部の例において、血圧測定カテーテル120には、圧力センサー122が設けられており、圧力センサー122は、血圧測定カテーテル120の遠位側120bに設けられ得る。一部の例において、圧力センサー122は、血圧測定カテーテル120の外壁に設置され得、一部の例において、圧力センサー122は、血圧測定カテーテル120の内部チェンバー121内に設置され得、内部チェンバー121は、圧力センサー122に接続される窓を備え得る。一部の例において、システム1が作動しているとき、血圧測定カテーテル120は人体の血管内に設置され得、圧力センサー122は、血管内の第2の予定位置に設置され得る。この場合、圧力センサー122は、血管内の第2の予定位置における圧力を測定することができる。
【0038】
一部の例において、第2の予定位置は、血管内の近位側20aから遠い側であってもよく、これにより、血圧測定カテーテル120は、圧力センサー122を通して一定のサンプリング速度で、血管内の近位側20aから遠い箇所の、心周期に従って変化する圧力を取得して圧力波形を生成することができる。
【0039】
一部の例において、第2の圧力測定装置はホスト20に接続され得る。例えば、
図2に示されるように、血圧測定カテーテル120は、ホスト20に接続され得る。血圧測定カテーテル120には信号経路123が設けられ得、信号経路123は、血圧測定カテーテル120の内部チェンバー121内に設けられ得、圧力センサー122とホスト20を接続することができる。この場合、圧力センサー122によって測定された圧力信号は、信号経路123を介してホスト20に送信される。
【0040】
一部の例において、圧力センサー122は、容量性圧力センサー、抵抗性圧力センサーなどであってもよく、また、圧力センサー122は、MEMS圧力センサーであってもよい。例えば、圧力センサー122の測定範囲は、約-50mmHg~約+300mmHgである。圧力センサー122のタイプに応じて、信号経路123は、ワイヤなどの導電性媒質であってもよい。さらに、一部の実施例において、信号経路123は、無線通信回線、赤外線通信回線、又は超音波通信回線であってもよい。
【0041】
一部の例において、
図2に示されるように、第1の圧力測定装置がガイドカテーテル110であり、第2の圧力測定装置が血圧測定カテーテル120であれば、ガイドカテーテル110の内部チェンバー111の直径は、血圧測定カテーテル120の外径よりも大きくてもよい。一部の例において、血圧測定カテーテル120は、ガイドカテーテル110の近位側110aから内部チェンバー111に入ることができる(
図2及び3参照)。この場合、システム1が作動しているとき、血圧測定カテーテル120を内部チェンバー111内に配置することができ、ガイドカテーテル110に対する血圧測定カテーテル120の相対移動が容易になり、ガイドカテーテル110を静止するように保持することができる。
【0042】
一部の例において、ガイドカテーテル110及び血圧測定カテーテル120は、それぞれ別個の装置として患者に出入りすることができる。この場合、医療スタッフは、血圧測定カテーテル120及びガイドカテーテル110を別々に制御することができる。例えば、システム1が作動しているとき、医療スタッフは、ガイドカテーテル110に対して移動する(例えば、患者の血管の奥深くに前進したり後退したりする)ように血圧測定カテーテル120を独立に制御し、ガイドカテーテル120を静止するように保持することができる。
【0043】
一部の例において、第2の圧力測定装置は、第1の圧力測定装置に対して患者の体内により深く入ることができ(
図5参照)、第2の圧力センサー(例えば、圧力センサー122)は、第1の圧力センサー(例えば、圧力センサー112)と比べ、人体のより奥(例えば、血管内の近位側20aから遠い側)の血管内圧力を測定することができる。
【0044】
具体的に言うと、
図2及び
図3に示されるように、第1の圧力測定装置がガイドカテーテル110であり、第2の圧力測定装置が血圧測定カテーテル120であれば、インターベンション治療中に、医療スタッフなどのオペレータは、最初に患者の体のある部位(例えば太ももの動脈)から、ガイドワイヤを血管に沿って血管内のある位置(例えば、第1の予定位置)に押し進め、その後、ガイドカテーテル110によって第1の予定位置における圧力を測定できるようにガイドカテーテル110をガイドワイヤに沿って第1の予定位置に押し進め、次いで、ガイドワイヤを引き出し、例えば造影剤による造影によって、医療用ガイドワイヤ(図示せず)をガイドカテーテル110に沿って更に血管の第2の予定位置に押し進める。この場合、血圧測定カテーテル120は、カテーテルチェンバー121が医療用ガイドワイヤ上を摺動できるように当該ガイドワイヤに沿って配置され、且つ、患者体外にある血圧測定カテーテル120の近位側120a(又は血圧測定カテーテル120の近位側120aに接続される操作装置(図示せず))を押したり引いたりする操作によって移動され、圧力センサー122も、予定位置(例えば、第2の予定位置)に達するまで、血圧測定カテーテル120と共に移動できる。
【0045】
一部の例において、圧力センサー112及び圧力センサー122は、血管内の圧力を同時に測定することができ、例えば、圧力センサー112は第1の予定位置における圧力を測定して圧力信号を生成するとともに、圧力センサー122は、第2の予定位置における圧力を測定して圧力信号を生成することができる。
【0046】
一部の例において、圧力測定装置10には、X線不透過性の現像リングが設けられ得、それにより、圧力測定装置10による測定によって血管内の予定位置(例えば、第1の予定位置及び第2の予定位置)における圧力を取得することができる。一部の例において、圧力測定装置10として、異なるタイプの、血管内圧力を測定するための装置が使用され、現像リングの設置位置が異なる可能性もある。例えば、第1の圧力測定装置がガイドカテーテル110であり、圧力センサー112が侵襲性血圧センサーであれば、現像リングはガイドカテーテル110の遠位側110bのポートに設置されるべきであり、圧力センサー112が容量性圧力センサーなどであれば、現像リングは、圧力センサー112側のガイドカテーテル110上に設置されるべきであるか、又は圧力センサー112が直接現像リングに設けられる。一部の例において、第2の圧力測定装置が血圧測定カテーテル120であれば、画像リングが圧力センサー122側の血圧測定カテーテル120上に配置されるべきであるか、又は圧力センサー122が直接現像リングに配置される。この場合、医療スタッフは、X線装置(図示せず)の造影に合わせて圧力測定装置10を操作することができ、これによって、圧力測定装置10により予定位置(例えば、第1の予定位置及び第2の予定位置)における血管内圧力を取得することができる。
【0047】
一部の例において、血管内の近位側20aに近い側は、大動脈ポートに近い冠動脈の側(即ち、冠動脈の近位側)であってもよく、血管内の近位側20aから遠い側は、大動脈ポートから遠い冠動脈の側(即ち、冠動脈の遠位側)であってもよい。これにより、冠動脈の両側における血管内圧力を得て、冠動脈の病変状況を判断することができる。しかしながら、本発明の例はそれに限られず、一部の例において、圧力測定装置10で測定する血管(「目標血管」ともいう)は、医療スタッフが自ら決定してもよい。
【0048】
図4は、本発明の例に係る予定部位の血管を示す画像である。そのうち、
図4(a)は、血管410、血管420、血管430、血管440、血管450及びその他の微小血管を示している。本発明の例において、他の微小血管の処理方法は、血管410、血管420、血管430、血管440、及び血管450の処理方法と同じであってもよい。分かりやすい説明として、
図4(b)は、その他の微小血管を含まない予定部位の血管を示しており、そのうち、点A、B、C、D、E、及びFはそれぞれかかる血管における関連位置である。例えば、血管410は大動脈、血管420は右冠動脈、血管430は左主幹部、血管440は前下行枝、血管450は回旋枝であり得る。
図5は、本発明の例に係るシステム1の血管への適用を示す断面図である。
図5における血管は、
図4の血管420である。
【0049】
一部の例において、予定部位の血管画像は、造影剤による造影によって取得し得る。
【0050】
一部の例において、医療スタッフは、予定部位における複数本の血管に対して血管内圧力を測定することにより、予定部位全体の病変状況を判断することができる。一部の例において、医療スタッフは、予定部位における一本の血管に対して血管内圧力を測定することにより、当該血管の病変状況を判断することができる。
【0051】
本実施形態において、圧力測定装置10は、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側20aに近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成するとともに、血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように構成され得る。
【0052】
一部の例において、圧力測定装置10が測定する目標血管の具体的な位置、即ち第1の予定位置及び第2の予定位置は、医療スタッフによって決定され得る。
【0053】
一部の例において、
図5に示されるように、血管420を例とすると、血管420内の点Eを第1の予定位置(即ち、血管内の近位側20aに近い側)とし、血管420内の点Fを第2の予定位置(つまり、血管内の近位側20aから遠い側)とすることができる。これにより、圧力測定装置10は、一定のサンプリング速度で、血管420内の点Eにおける圧力を測定して第1の圧力信号を生成し、血管420内の点Fにおける圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように配置され得る。一部の例において、医療スタッフは、他の血管、例えば血管440を選択して測定し、血管440内の点Bを第1の予定位置とし、血管440内の点Cを第2の予定位置とすることができ、そして、例えば血管450を選択し、血管450内の点Aを第1の予定位置として、血管450内の点Cを第2の予定位置とすることもできる。
【0054】
一部の例において、圧力測定装置10のサンプリング速度は、約30Hz~1.5KHzの範囲にある。例えば、圧力センサー122と圧力センサー112は、30Hz、50Hz、100Hz、200Hz、250Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、1000Hz、1100Hz、1200Hz、1300Hz、1400Hz、1500Hzのサンプリング速度で血管内圧力を測定することができる。これにより、血管内圧力をより正確に測定することができる。
【0055】
一部の例において、圧力測定装置10は、血管内の異なる位置における圧力を同時に測定し、複数の圧力信号を生成することができる。例えば、圧力測定装置10は、第1の予定位置における圧力を測定して圧力信号を生成し得る第1の圧力測定装置と、第2の予定位置における圧力を測定して圧力信号を生成し得る第2の圧力測定装置を含み得る。又は、圧力測定装置10は、異なる位置に配置された複数の圧力センサーを含み得る第3の圧力測定装置を含み得、それにより、圧力測定装置10は、血管内の異なる位置における圧力を同時に測定して、複数の圧力信号を生成することができる。
【0056】
一部の例において、第1の圧力信号及び第2の圧力信号は、圧力測定装置10によって同時に測定して取得することができる。例えば、第1の圧力測定装置は、血管内の近位側20aに近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成し得、第2の圧力測定装置は、血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成し得る。
【0057】
一部の例において、圧力測定装置10による測定によって取得される圧力信号は心周期に従って変化することができ、心周期には、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期とが含まれ得る。
【0058】
一部の例において、圧力測定装置10は、血管内の近位側20aに近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成するとともに、血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように配置され得る。例えば、圧力測定装置10は、血管内の近位側20aに近い箇所(即ち第1の予定位置)における圧力を測定して第1の圧力信号を生成し得る第1の圧力測定装置と、血管内の近位側20aから遠い箇所(即ち第2の予定位置)における圧力を測定して第2の圧力信号を生成し得る第2の圧力測定装置とを含み得、ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号を受信し得る。
【0059】
一部の例において、第2の圧力センサーは、第2の予定位置における圧力を測定して第2の圧力信号を取得する前に、先ず第1の予定位置における圧力を測定し、即ち、第1の圧力センサーと同時に第1の予定位置における圧力を測定して圧力信号を生成することができる。これより、修正を行うことができる。具体的に言うと、第2の圧力センサーで第2の予定位置(例えば、血管420の点F)における圧力を測定する前に、先ず圧力センサーに対して修正を行うことができる。第2の圧力センサーは、先ず第1の予定位置(例えば、血管420の点E)に配置され、即ち、第1の予定位置における圧力を測定することができる。この場合、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーが同時に第1の予定位置における血管内圧力を測定して圧力信号を生成し、取得された圧力信号に基づいて第2の圧力センサーを修正することができる。一部の例において、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーによって得られた圧力信号をホスト20に送信することができ、ホスト20は、受信した圧力信号に基づいて、第2の圧力センサーによって得られる信号と第1の圧力センサーによって得られる信号とは有意差がなくなるまで、第2の圧力センサー又は第1の圧力センサーに対して修正を行うこと(第2の圧力センサー又は第1の圧力センサーに対して調整を行うこと)ができる。一部の例において、ホスト20は、例えばディスプレイに、受信した圧力信号を波形(後述)の形で表示することができ、医療スタッフは、得られた波形に基づいて、第1の圧力センサーと第1の圧力センサーによって得られる圧力信号に有意差がなくなり、つまり、ホスト20に表示される、変化している二本のカーブが重なるようになるまで、第2の圧力センサー又は第1の圧力センサーに対して修正を行うことができる。
【0060】
一部の例において、圧力センサーに対して修正を行ったら、医療スタッフは、例えば、患者体外の血圧測定カテーテル120の近位側120aを押すように第2の圧力測定装置又は他の装置を操作することによって第2の圧力センサーを移動して、第2の圧力センサーで第2の予定位置における圧力を測定することを実現することができる。この場合、第1の圧力センサーは、第1の予定位置における圧力を測定して第1の圧力信号を生成し、第2の圧力センサーは、第2の予定位置における圧力を測定して第2の圧力信号を生成することができる。
【0061】
一部の例において、第2の圧力センサーが測定して第2の圧力信号を取得したら、第1の予定位置における圧力を測定できるように第2の圧力センサーを移動して、第2の圧力センサーに対して検証を行う。具体的に言うと、第2の圧力センサーによって第2の圧力信号を取得したら、医療スタッフは、例えば、患者体外の血圧測定カテーテル120の近位側120aを引くように第2の圧力測定装置又は他の装置を操作することによって、第2の圧力センサーで第1の予定位置における圧力を測定するように第2の圧力センサーを移動する。この場合、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーが同時に第1の予定位置における血管内圧力を測定して圧力信号を生成し、得られた圧力信号に基づいて第2の圧力センサーを検証し、第2の圧力センサーで得られた第2の圧力信号の正確さを判断することができる。第2の圧力センサーは、例えば、移動中にドリフトが発生することがあるため、第2の圧力センサーによる測定によって取得する第2の圧力信号に誤差が生じる。
【0062】
一部の例において、検証時に、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーとによって得られた圧力信号をホスト20に送信することができ、ホスト20は、受信した圧力信号に基づいて第2の圧力センサーを検証することができる。例えば、検証時に、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーとによって得られた圧力信号に有意差がなければ、その前に第2の圧力センサーによって得られた第2の圧力信号は正常に使用できると判断し得、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーとによって得られた圧力信号に有意差があれば、その前に第2の圧力センサーによって得られた第2の圧力信号は正常に使用できず、第1の血圧値の正確さは確認できない、と判断し得る。一部の例において、検証時に、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーとによって得られた圧力信号をホスト20に送信することができ、ホスト20は、例えばディスプレイに、受信した圧力信号を波形(後述)の形で表示することができ、医療スタッフは、得られた波形に基づいて第2の圧力センサーに対して検証を行い、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーによって得られる圧力信号に有意差があるか否かを判断し、つまり、ホスト20に表示される、対応する二本の変化しているカーブが重なるか否かを判断することができ、これにより、第2の圧力センサーによって得られる第2の圧力信号はより正しくなって、第1の圧力信号と一致するようになり、その後に測定対象である血管の病変状況をより確実に判断することが容易になる。
【0063】
図6は、本発明の例に係る複数の心周期の圧力波形を示す図である。
図6中のカーブAは第1の圧力波形であり、即ち第1の圧力信号に対応する圧力値が時間に従って変化するカーブであり、カーブBは第2の圧力波形であり、即ち第2の圧力信号に対応する圧力値が時間に従って変化するカーブであり、区間a、区間bはそれぞれ1つの心周期である。図面において、縦軸は圧力の大きさ(即ち圧力値)であり得、横軸は時間軸であり得る。
【0064】
図7は、本発明の例に係る、
図6における複数の心周期の圧力波形を示す図である。
図7中のカーブCは目標圧力波形であり、カーブDは目標微分波形であり、カーブCに示される圧力比の値は、実際的な圧力比の値の百倍であり、カーブDは、時間に対するカーブCの微分によって形成されるカーブである。カーブCにかかる縦座標は、
図7中の左側の縦軸に相当し、カーブDにかかる縦座標は、
図7中の右側の縦軸に相当する。圧力比の値は、第2の圧力信号(
図6参照)の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号(
図6参照)の圧力値との比であり得、区間a、区間bは1つの心周期であり、区間cは区間aにおける目標期間であり、区間dは区間bにおける目標期間である。
【0065】
図8は、本発明の別の例に係る
図6における複数の心周期の圧力波形を示す図である。
図8中のカーブAは第1の圧力波形であり、即ち第1の圧力信号に対応する圧力値が時間に従って変化するカーブであり、カーブBは第2の圧力波形であり、即ち第2の圧力信号に対応する圧力値が時間に従って変化するカーブであり、カーブCは目標圧力波形であり、目標圧力波形は、圧力比の値が時間に従って変化するカーブであり(カーブCに示される圧力比の値は、実際的に算出される圧力比の値の百倍である。)、圧力比の値は、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比であり得、区間a、区間bは1つの心周期であり、区間mは区間aにおける目標期間(後述)であり、区間nは区間bにおける目標期間である。図面において、縦軸は圧力値又は数値の大きさであり得、横軸は時間軸であり得る。
【0066】
一部の例において、システム1が作動する時に、圧力測定装置10は、血管内圧力を測定して圧力信号を取得してホスト20に送信し、ホスト20は、例えばディスプレイに、受信した圧力信号を波形の形で表示することができ、これは即ち、圧力信号に対応する圧力が時間に従って変化するカーブである(
図6~
図8参照)。
【0067】
一部の例において、ホスト20は、受信した圧力信号を処理することができる。
【0068】
一部の例において、ホスト20は、受信した圧力信号に対してフィルタリング処理を行うことができる。
【0069】
一部の例において、ホスト20が受信する圧力波形には、少なくとも1つの完全な心周期が含まれる。一部の例において、ホスト20は、取得した圧力波形に基づいて圧力波形における各心周期を区別することができる。
【0070】
一部の例において、ホスト20は第1の圧力信号と第2の圧力信号を受信し、第1の圧力信号に基づいて第1の圧力波形(例えば
図6におけるカーブA)を取得し、第2の圧力信号に基づいて第2の圧力波形(例えば
図6におけるカーブB)を取得することができる。一部の例において、第1の圧力波形には少なくとも1つの完全な心周期が含まれ、一部の例において、第2の圧力波形には少なくとも1つの完全な心周期が含まれる。一部の例において、ホスト20は、第1の圧力波形及び/又は第2の圧力波形に基づいて各心周期を区別することができる。これにより、第1の圧力波形及び第2の圧力波形を取得することができ、ホスト20は、第1の圧力波形及び/又は第2の圧力波形に基づいて各心周期を区別することができる。
【0071】
一部の例において、ホスト20は、受信する圧力信号(例えば、第1の圧力測定装置及び第2の圧力測定装置が伝送する圧力信号)を同期させることにより、同一の心周期内にホスト20が受信する各圧力波形にピークが現れる時刻を同期させるように構成され得る。例えば、第2の圧力センサーに対して修正及び検証を行う時に、ホスト20は、受信した、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーによって測定された圧力信号を同期させることができる。
【0072】
一部の例において、ホスト20は、第1の圧力波形と第2の圧力波形を同期させることにより、この心周期内に第1の圧力波形にピークが現れる時刻と、第2の圧力波形にピークが現れる時刻を同期させるように構成され得る。これにより、その後に正確な圧力比の値を取得することが容易になる。一部の例において、ホスト20は、共分散で第1の圧力波形と第2の圧力波形の変化傾向の近似度を決定することにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号が同期しているか否かを判断することができる。一部の例において、ホスト20は、共分散と相互関連関数を利用して第1の圧力波形と第2の圧力波形を同期させることができる。
【0073】
一部の例において、ホスト20は、受信する圧力信号に対して予備処理を行うことができ、圧力信号における無効の部分を取り除くことができる。一部の例において、ホスト20は、受信する圧力信号と参考指標に基づいて圧力信号に対して予備処理を行うことができる。一部の例において、参考指標は、圧力信号に対応する予定数値範囲、又は対応する心周期の予定頻度範囲、又は圧力信号に対応する各心周期の予定ピーク値範囲などを含み得る。
【0074】
一部の例において、ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対して予備処理を行うことができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効の信号を取り除くことができる。これによって、より効果的な圧力信号を取得することができる。一部の例において、ホスト20は、第1の圧力信号及び第2の圧力信号に基づいて参考指標と比べることにより、第1の圧力信号及び第2の圧力信号に対して予備処理を行うことができる。一部の例において、無効信号は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分にかかる信号、及び第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分にかかる信号を含み得る。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くことができる。
【0075】
一部の例において、参考指標によって、ホスト20が取り除く無効信号の区間は異なることがある。一部の例において、ホスト20が取り除く無効信号の最小単位は、1つの心周期であり得る。
【0076】
一部の例において、参考指標は、圧力信号に対応する予定数値範囲を含み得る。一部の例において、圧力信号の数値は当該予定数値範囲に現れなければ、この部分にかかる心周期全体を取り除くことができる。例えば、予定数値範囲は30~200mmHgであり得、即ち、参考指標に含まれ得る第1の圧力信号と第2の圧力信号の数値は全て30~200mmHgの範囲内にあるべきである。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、数値が30~200mmHgの範囲外にある部分の信号を取り除くことができる。一部の例において、ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、数値が30~200mmHgの範囲外にある部分にかかる心周期全体を取り除くことができる。
【0077】
一部の例において、参考指標は、圧力信号に対応する数値のピーク値の予定ピーク値範囲を含み得る。一部の例において、圧力信号のピーク値は当該予定ピーク値範囲を超えれば、当該ピーク値が位置する心周期全体を取り除くことができる。例えば、予定ピーク値範囲は、第1の圧力信号のピーク値の第1の百分率が第2の圧力信号のピーク値より大きくあるべきものであり得、第1の百分率の数値範囲は105%~130%であり得、例えば第1の百分率は105%、110%、115%、120%、125%又は130%であり得る。つまり、参考指標は、第1の圧力信号のピーク値の第1の百分率が第2の圧力信号のピーク値よりも大きくあるべきことを含み得る。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、第1の圧力信号のピーク値の第1の百分率が第2の圧力信号のピーク値より小さくないものを確定することができ、且つ当該ピーク値に対応する心周期全体を取り除くことができ、例えば、第1の圧力信号、及び第2の圧力信号における、第2の圧力信号のピーク値が第1の圧力信号のピーク値の110%より大きいものを決定すると、当該ピーク値に対応する心周期全体を取り除くことができる。
【0078】
一部の例において、参考指標は、単位時間あたりの圧力信号に対応する心周期の頻度範囲を含み得る。一部の例において、ある単位時間内に圧力信号に対応する心周期の現れる回数(即ち頻度)が当該頻度範囲内に存在しなければ、当該単位時間の信号を取り除く。例えば、参考指標は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対応する心周期の頻度が40~120/minであるべきであることを含み得、これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、1minあたりの心周期の回数が40~120/minではない期間内の信号を取り除くことができる。
【0079】
一部の例において、ホスト20は複数の対応する圧力信号(例えば第1の圧力信号と第2の圧力信号)を受信し、いかなる圧力信号に、参考指標を満足しないことものが存在すれば、ホスト20は、当該圧力信号における、満足しない部分(例えば、当該満足しない部分に対応する心周期)を取り除くことができ、その他の圧力信号における、当該圧力信号の取り除かれた部分に対応する部分を取り除くこともできる。例えば、第1の圧力信号に、参考指標を満足しないものが存在すれば、ホスト20は、当該満足しない部分(例えば、当該満足しない部分に対応する心周期)を取り除くことができ、第2の圧力信号における、第1の信号の取り除かれた部分に対応する部分を取り除くこともできる。
【0080】
一部の例において、ホスト20は、圧力信号における、参考指標を満足しない部分を取り除くことができ、当該圧力信号のその他の部分は、正常に使用することができる。ホスト20は、複数の連続している心周期を選択する場合、取り除いた部分前後の心周期を連続的な心周期として取り扱うことができる。一部の例において、ホスト20は、当該信号における、満足しない部分を取り除き、残りの部分を連続する波形に形成することができる。例えば、当該信号における2番目と6番目の心周期に、参考指標を満足しないものが存在すれば、ホスト20は、当該信号における2番目と6番目の心周期を取り除き、当該信号の残りの部分を連続的な波形に形成することができ、ホスト20は、複数の連続している心周期を選択する時に、元の1番目の心周期と3番目の心周期を連続的なものとして選択することができる。
【0081】
しかしながら、本発明の例はこれらに限られない。一部の例において、ホスト20は、圧力信号における、参考指標を満足しない部分を取り除くことができ、複数の連続している心周期を選択する時に、参考指標を満足しない部分に触れる場合、ホスト20は、当該部分の次の心周期から改めて複数の連続している心周期を選択するか、又は当該信号の他の部分から改めて選択することができる。
【0082】
本実施形態において、血管(例えば冠動脈)の目標領域が正常である時に測定される最小定経心筋的抵抗力(minimum constant transmyocardial resistance)と、当該血管の目標領域に狭窄が存在する時に測定される最小定経心筋的抵抗力との比で当該血管の病変状況を評価することができる。具体的に言うと、流体力学の公式に基づくと、血管(例えば冠動脈)内の血流量Q、圧力差Δp及び血流抵抗力Rは、式(1)を満たし得る。式(1)に基づき、式(2)を満たす血管における血流量を得ることができる。
【0083】
【数1】
(式中、Paは、血管内の近位側20aに近い箇所における圧力を示し、Pdは、血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力を示し、Pvは中心静脈圧を示し、Raは血管抵抗力を示し、Rbは微循環抵抗力を示す。)
【0084】
生理学的条件下では、中心静脈圧は0に等しいかほぼ等しい。式(2)に基づき、式(3)が得られる。
【0085】
【0086】
これで分かるように、血管内の近位側20aから遠い箇所における圧力と、血管内の近位側20aに近い箇所における圧力との比で血管の病変状況を評価することができる。
【0087】
一部の例において、ホスト20は、受信した第1の圧力信号と第2の圧力信号に対して処理を行うことができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を得て圧力比の値を取得することができる。一部の例において、ホスト20は、取得した圧力比の値に基づいて目標圧力波形(
図7中のカーブC参照)を生成することができる。
【0088】
一部の例において、ホスト20は、目標圧力波形に基づいて目標微分波形(
図7中のカーブD参照)を取得することができる。具体的に言うと、ホスト20は、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て、微分値が時間に従って変化する目標微分波形を取得することができる。
【0089】
本実施形態において、目標圧力波形を通してPd/Pa信号の安定期間、又はd(Pd/Pa)/dtにおける0に近づく期間を探すことにより、血流に対する抵抗力が最も低くて、最も安定している期間(つまり、後で説明する目標期間)を取得することができる。つまり、目標期間は、当該心周期において目標圧力波形の変化が穏やかになりがちな期間(即ち安定期間)であり、つまり、目標圧力波形は、当該期間に振幅の変化が比較的小さい。
【0090】
一部の例において、ホスト20は、目標微分波形に基づいて任意の心周期の目標周期を決定することができ、そのうち、目標期間は、当該心周期において前記目標微分波形の微分値が予定数値範囲に変化する期間であり得る。言い換えると、ホスト20は、任意の心周期から、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲に変化する期間を目標期間として決定することができる。しかしながら、本発明の例はこれに限られず、一部の他の例において、目標圧力波形を通して任意の心周期の目標期間を決定することもできる(後で詳細に説明する)。
【0091】
一部の例において、目標期間は連続しているものであり得る。一部の例において、目標期間は、当該心周期において目標微分波形の微分値が予定数値範囲に変化する期間であり得る。即ち、当該心周期の目標期間における微分値は予定数値範囲に存在し得る。
【0092】
一部の例において、ホスト20は、目標微分波形から、微分値が0に近づく期間を目標期間として取得することができる。一部の例において、目標期間は、目標微分波形における微分値が予定数値範囲に存在する期間(
図7における区間cと区間d参照)であり得る。一部の例において、予定数値範囲は、医療スタッフ自らによって設定することができる。本実施形態に係る例において、時間軸の単位はミリ秒に調整され、予定数値範囲は-0.2/ms~0.2/msであり得る(
図7参照)。本発明の例はこれに限られず、予定数値範囲は、-0.01/ms~0.01/ms、-0.02/ms~0.02/ms、-0.03/ms~0.03/ms、-0.04/ms~0.04/ms、-0.05/ms~0.05/ms、-0.06/ms~0.06/ms、-0.07/ms~0.07/ms、-0.08/ms~0.08/ms、-0.09/ms~0.09/ms、-0.10/ms~0.10/ms、-0.12/ms~0.12/ms、-0.15/ms~0.15/ms、-0.16/ms~0.16/ms又は-0.18/ms~0.18/msであってもよい。
【0093】
一部の例において、目標期間が連続している時間の長さは、予定時間値より大きいことができる。例えば、目標微分波形の目標期間に対応する時間の長さにおける目標微分波形の微分値は、予定数値範囲(例えば-0.2/ms~0.2/ms)に存在し得る。一部の例において、予定時間値に対して選択される範囲は0.1~0.5Sであり得、例えば、目標期間が連続している時間の長さは、0.1S、0.2S、0.25S、0.3S、0.4S又は0.5Sなどより大きいことができる。これによって、より効果的な目標期間を得ることができる。
【0094】
一部の例において、目標期間は、かかる心周期の拡張期に位置し、これにより、拡張期に位置する目標期間を得ることができる。
【0095】
一部の例において、ホスト20は、目標微分波形に対してフィルタリング処理を行うこともできる。即ち、目標期間を決定する前に、ホスト20は、目標微分波形に対してフィルタリング処理を行うことができる。これによって、より正確な目標期間を得ることができる。
【0096】
一部の別の例において、目標期間は、当該心周期の目標圧力波形の当該期間における全体的な幅の変化が予定百分率(例えば、10%)より小さい期間であり得る。即ち、目標期間における当該心周期の目標圧力波形の最大値と最小値の差は、最小値の予定百分率(例えば10%)より小さくてもよく、又は目標期間における当該心周期の目標圧力波形の最大値と最小値の差は、最大値の予定百分率(例えば10%)より小さくてもよい。
【0097】
一部の例において、目標期間は、当該目標期間内における心周期の目標圧力波形の全体的な変化が予定百分率よりも小さい期間(
図8中の区間m又は区間n)であり得る。予定百分率は、医療スタッフ自らが設定でき、0~20%の範囲内の1つであってもよく、例えば、1%、2%、2.5%、2.6%、3%、4%、5%、5.5%、6%、7%、7.5%、8%、9%、10%、11%、11.5%、12%、13%、14%、15%、15.5%、16%、17%、18%、18.5%、19%又は20%などであってもよい。
【0098】
一部の例において、目標期間が連続している時間の長さは、予定時間値より大きいことができる。例えば、目標圧力波形は、目標期間に対応する時間の長さにおいて、圧力比の全体的な幅の変化が予定百分率(例えば、10%)より小さいことができる。例えば、一部の例において、予定時間値に対して選択される範囲は0.1~0.5Sであり得、例えば、目標期間が連続している時間の長さは、0.1S、0.2S、0.25S、0.3S、0.4S又は0.5Sなどより大きくてもよい。これによって、より効果的な目標時期が得られる。
【0099】
一部の例において、ホスト20は、第1の圧力信号及び第2の圧力信号により得られる目標圧力波形に対してフィルタリング処理を行うこともできる。即ち、目標期間を決定する前に、ホスト20は、目標圧力波形に対してフィルタリング処理を行うことができる。これによって、より正確な目標期間を得ることができる。
【0100】
一部の例において、目標圧力波形における平坦な期間は、フィルタリングによって影響されることがある。例えば、フィルタリングの強度によって、目標圧力波形の全体的な変化に差異が存在することがある。この場合では、予定数値範囲や予定百分率は、フィルタリングによって影響される可能性があり、医療スタッフが実際のフィルタリング状況に応じて適当に調整することができる。例えば、目標微分波形が40次FIRフィルターに基づいてフィルター処理される場合、予定数値範囲は-0.2/ms~0.2/msであってもよい(
図7参照)。
【0101】
一部の例において、ホスト20は、当該心周期の目標期間に対応する圧力比の値の平均値を算出することができる。一部の例において、ホスト20又は医療スタッフは、取得した平均値と予定閾値とを比較して患者の血管の病変状況を判断することができ、これにより、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管の病変状況を判断することができる。
【0102】
一部の例において、予定閾値は、健常者の血管内圧力を収集して処理することによって取得され得る。一部の例において、予定閾値は、過去の経験に基づいて取得され、医療スタッフによって設定されることもできる。
【0103】
一部の例において、ホスト20は、目標微分波形又は目標圧力波形に基づいて、複数の心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得し、各心周期の目標期間に対応する圧力比の値の平均値を算出して、取得した複数の平均値の平均を求めて目標平均値を取得することができる。これにより、目標平均値を取得することができる。一部の例において、複数の心周期は連続しているものであってもよく、例えば、ホスト20は、目標微分波形又は目標圧力波形に基づいて、連続している5つの心周期のそれぞれに対応する目標期間を取得することができる。
【0104】
一部の例において、ホスト20又は医療スタッフは、取得した目標平均値と予定閾値とを比較して患者の血管の病変状況を判断することができ、これにより、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管の病変状況を判断することができる。
【0105】
本実施形態に係る例において、圧力測定装置10は、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を生成し、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を生成するように構成されることができ、ホスト20は、圧力測定装置に接続され、第1の圧力信号及び第2の圧力信号を受信することができる。ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出して圧力比の値を取得し、目標圧力波形を生成することができ、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得することができ、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することにより、目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することができる。この場合、本実施形態では、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管の病変状況を判断することができる。
【0106】
図9は、本発明の例に係る、血圧で心臓循環事件を追跡する方法のプロセスを示す概略図である。
【0107】
本実施形態において、
図9に示されるように、血圧で心臓循環事件を追跡する方法は以下のステップ、即ち、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得するステップ(ステップS10)と、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別するステップ(ステップS20)と、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させることにより、心周期内において第1の圧力信号にピークが現れる時刻と第2の圧力信号にピークが現れる時刻を同期させ、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くステップ(ステップ30)と、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を取得し、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得するステップ(ステップS40)と、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定するステップ(ステップS50)と、目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得するステップ(ステップS60)と、を含む。
【0108】
実施形態に係る例おいて、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得することができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別することができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させることができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くことができ、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を得ることができ、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得することができ、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することができ、目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することができる。この場合、本実施形態では、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管の病変状況を判断することができる。
【0109】
本実施形態において、方法における第1の圧力信号、第2の圧力信号、目標圧力波形、目標微分波形及び目標期間の取り扱い及び取得については、前述した第1の圧力信号、第2の圧力信号、目標圧力波形、目標微分波形及び目標期間を参照できる。一部の例において、ステップS10は、インターベンションカテーテル技術、例えば圧力測定装置10を利用して実行することができる。一部の例において、ステップS20~ステップS60は、ホスト20を利用して実行することができる。
【0110】
ステップS10において、前述した通り、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側に近い箇所における圧力を測定して第1の圧力信号を取得するとともに、血管内の近位側から遠い箇所における圧力を測定して第2の圧力信号を取得することができる。
【0111】
一部の例において、インターベンションカテーテル技術、例えば圧力測定装置10を利用して、一定のサンプリング速度で、血管内の近位側20aに近い箇所及び近位側20aから遠い箇所のそれぞれに圧力を測定して第1の圧力信号と第2の圧力信号を生成することができる。一部の例において、第1の圧力信号と第2の圧力信号は、圧力測定装置10によって同時に測定されて取得され得る。
【0112】
一部の例において、血管内の近位側20aに近い側は、大動脈ポートに近い冠動脈の側であってもよく、血管内の近位側20aから遠い側は、大動脈ポートから遠い冠動脈の側であってもよい。これにより、冠動脈の両側における血管内圧力を得て、冠動脈の病変状況を判断することができる。
【0113】
一部の例において、圧力測定装置10は第1の圧力測定装置と第2の圧力測定装置を含めば、第2の圧力装置に対して修正と検証を行うことができる。
【0114】
一部の例において、サンプリング速度の範囲は約30Hz~1.5KHzである。例えば、第1の圧力センサーと第2の圧力センサーは、30Hz、50Hz、100Hz、200Hz、250Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、1000Hz、1100Hz、1200Hz、1300Hz、1400Hz、1500Hzのサンプリング速度で血管内の圧力を測定することができる。これにより、血管内の圧力をより正しく測定することができる。
【0115】
ステップS20において、前述した通り、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別することができる。
【0116】
一部の例において、ホスト20を利用して第1の圧力信号と第2の圧力信号を受信することができ、ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて各心周期を区別することができる(具体的なプロセスについては、上記関連説明を参照できる)。
【0117】
ステップS30において、前述した通り、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させることにより、心周期内において第1の圧力信号にピークが現れる時刻と第2の圧力信号にピークが現れる時刻を同期させ、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くことができる。
【0118】
一部の例において、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対して所定の処理を行うことができる。一部の例において、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対してフィルタリング処理を行うことにより、その後により正確な目標波形を取得することが容易になる。
【0119】
一部の例において、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させることにより、心周期内において第1の圧力信号にピークが現れる時刻と第2の圧力信号にピークが現れる時刻を同期させることができる。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号を同期させることができ、その後により正確な目標波形を取得することが容易になる。一部の例において、ホスト20は、共分散で第1の圧力波形と第2の圧力波形の変化傾向の近似度を決定することにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号が同期しているか否かを判断することができる。一部の例において、ホスト20は、共分散と相互関連関数を利用して第1の圧力波形と第2の圧力波形を同期させることができる。
【0120】
一部の例において、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効の信号を取り除くことができる。これによって、より効果的な信号を取得することができる。一部の例において、無効信号は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に対応する圧力値が予定数値範囲を超えた部分にかかる信号、第1の圧力信号と第2の圧力信号における、心周期の現れる頻度が予定頻度範囲を超えた部分にかかる信号、及び第1の圧力信号と前記第2の圧力信号に対応する各心周期の圧力値のピーク値が予定ピーク値範囲を超えた部分にかかる信号を含み得る。これにより、第1の圧力信号と第2の圧力信号における無効信号を取り除くことができる。
【0121】
ステップS40において、前述した通り、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することにより圧力比の値を取得して、目標圧力波形を取得することができ、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て目標微分波形を取得することができる。
【0122】
一部の例において、ホスト20は、第1の圧力信号と第2の圧力信号に基づいて、第2の圧力信号の圧力値と、第2の圧力信号の圧力値に対応する第1の圧力信号の圧力値との比を算出することができる。一部の例において、ホスト20は、取得した圧力比の値に基づいて目標圧力波形を取得することができる。一部の例において、ホスト20は、目標圧力波形に基づいて目標微分波形を取得することができる。具体的に言うと、ホスト20は、目標圧力波形に基づいて、時間に対する圧力比の値の微分値を得て、微分値が時間に従って変化する目標微分波形を取得することができる。
【0123】
ステップS50において、前述した通り、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間である目標期間を決定することができる。
【0124】
一部の例において、ホスト20は、目標微分波形に基づいて、任意の心周期に対して、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲(例えば-0.2/ms~0.2ms)内で変化する期間である目標期間(
図7中の区間c参照)を決定することができる。言い換えると、ホスト20は、任意の心周期から、当該心周期における目標微分波形の微分値が予定数値範囲内で変化する期間を目標期間として選び出すことができる。
【0125】
一部の例において、目標微分波形に対してフィルタリング処理を行うことができる。これにより、その後により正確な目標期間を得ることが容易になる。
【0126】
しかしながら、本発明の例はこれらに限られない。別の例において、ホスト20は、目標圧力波形に基づいて、任意の心周期に対して目標期間を決定することができ、そのうち、目標期間は、当該心周期における目標圧力波形の変化が予定百分率(例えば10%)よりも小さい期間(
図8中の区間m又は区間n)であり得る。言い換えると、ホスト20は、任意の心周期から、当該心周期に対応する目標圧力波形の連続的な変化が予定百分率(例えば10%)よりも小さい期間を目標期間として選び出すことができる。
【0127】
一部の例において、目標期間は連続しているものであってもよい。一部の例において、目標期間が連続している時間の長さは、予定時間値より大きいことができる。例えば、目標期間が連続している時間の長さは、0.2sより長いことができる。一部の例において、予定時間値に対して選択される範囲は0.1~0.5Sであり得る。これによって、より効果的な目標期間を取得することができる。
【0128】
一部の例において、心周期は、心臓が収縮する収縮期と、心臓が拡張する拡張期を含み得、目標期間は、対応する心周期の拡張期に位置し得る。これにより、拡張期にある目標期間を得ることができる。
【0129】
ステップS60において、前述した通り、目標期間に対応する圧力比の値の平均値を取得することができる。
【0130】
一部の例において、ホスト20は、当該心周期の目標期間における圧力比の値の平均値を算出することができる。一部の例において、複数の心周期の目標期間を取得することができ、複数の心周期のそれぞれに対応する圧力比の値の平均値を算出することができ、複数の当該平均値の平均を求めて目標平均値を取得することができる。一部の例において、ホスト20又は医療スタッフは、取得した平均値又は目標平均値を予定閾値と比較して患者の血管の病変状況を判断することができ、これにより、最大充血誘発薬を注射することを要せず、患者の血管の病変状況を判断することができる。
【0131】
以上は、添付図及び実施例を参照して本発明を具体的に説明したが、上記の説明は、いかなる形態で本発明を限定するものではないと理解されたい。当業者は、本発明の本質的な精神及び範囲から逸脱しない限り、必要に応じて本発明に対して変形及び変更を行うことができ、これらの変形及び変更はすべて本発明の範囲内に含まれる。