(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/30 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
H01H50/30 B
(21)【出願番号】P 2019229089
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】針持 裕之
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-199087(JP,A)
【文献】実開昭57-036649(JP,U)
【文献】特開2013-191480(JP,A)
【文献】実開平02-070335(JP,U)
【文献】特開平09-082196(JP,A)
【文献】特開平09-017306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00-50/92
H01H 45/00-45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と、
固定接点を含み、前記駆動軸と交差する方向に延びる板状の固定端子と、
前記固定接点に対向して配置された可動接点を含み、前記駆動軸に連結された可動接触片と、
前記駆動軸を介して前記可動接点が前記固定接点に接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記固定端子に接触して設けられ、前記可動接点が前記固定接点に接触するときの振動を減衰させる減衰部材と、
前記固定接点及び前記可動接触片が収容される接点ケースと、
を備え、
前記減衰部材は、
前記可動接触片の移動方向において前記固定端子を支持する支持部を含み、前記接点ケースの内側に配置され、
前記固定端子は、前記可動接触片の移動方向と交差する方向に前記減衰部材を貫通する、
電磁継電器。
【請求項2】
駆動軸と、
固定接点を含み、前記駆動軸と交差する方向に延びる板状の固定端子と、
前記固定接点に対向して配置された可動接点を含み、前記駆動軸に連結された可動接触片と、
前記駆動軸を介して前記可動接点が前記固定接点に接触する方向及び開離する方向に前記可動接触片を移動させる駆動装置と、
前記固定端子に接触して設けられ、前記可動接点が前記固定接点に接触するときの振動を減衰させる減衰部材と、
前記固定接点及び前記可動接触片が収容される接点ケースと、
を備え、
前記減衰部材は、前記接点ケースの内側に配置され、
前記固定端子は、前記可動接触片の移動方向と交差する方向に前記減衰部材を貫通し、
前記接点ケースは、樹脂製であり、
前記減衰部材は、前記接点ケースと一体であり、前記接点ケースの内側から前記固定端子に向かって延びている、
電磁継電器。
【請求項3】
前記減衰部材は、前記可動接触片の移動方向において前記固定端子を支持する支持部を含む、
請求項2に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気回路を開閉する電磁継電器が知られている。特許文献1に記載された電磁継電器は、固定接点を含む固定端子と、可動接点を含む可動接触片と、駆動軸と、駆動装置とを備えている。駆動装置は、駆動軸を介して可動接点が固定接点に接触する方向と開離する方向とに可動接触片を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電磁継電器では、可動接点が固定接点に接触するときにおいて、可動接点と固定接点との衝突による衝突音が発生するといった問題がある。
【0005】
本発明の課題は、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、駆動軸と、固定端子と、可動接触片と、駆動装置と、減衰部材と、を備える。固定端子は、固定接点を含む。固定端子は、板状であり、駆動軸と交差する方向に延びている。可動接触片は、駆動軸に連結される。可動接触片は、固定接点に対向して配置された可動接点を含む。駆動装置は、駆動軸を介して可動接点が固定接点に接触する方向及び開離する方向に可動接触片を移動させる。減衰部材は、固定接点に接触して設けられ、可動接点が固定接点に接触するときの振動を減衰させる。
【0007】
この電磁継電器では、減衰部材が固定端子に接触して設けられているので、可動接点が固定接点に接触するときの振動が減衰部材によって減衰される。これにより、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音を抑制することができる。
【0008】
固定端子は、固定接点が配置される第1面と、第1面と反対側の第2面とを含んでもよい。減衰部材は、第1面及び第2面の少なくとも一方に設けられてもよい。この場合は、減衰部材によって可動接点が固定接点に接触するときの振動を効果的に減衰させることができる。
【0009】
電磁継電器は、接点ケースをさらに備えてもよい。接点ケースは、可動接触片の移動方向に貫通する孔部を含んでもよい。固定接点及び可動接触片は、接点ケースに収容されてもよい。固定端子の第2面は、可動接触片の移動方向から見て孔部と重なる位置で接点ケースに接触して配置されてもよい。減衰部材は、孔部に充填されてもよい。この場合は、簡単な構成で可動接点が固定接点に接触するときの振動を減衰させることができる。
【0010】
減衰部材は樹脂製であってもよい。
【0011】
減衰部材は、第2面側において可動接触片の移動方向に伸縮可能に配置される圧縮バネであってもよい。
【0012】
減衰部材は、可動接触片の移動方向から見て固定接点と重なる位置に配置されてもよい。この場合は、振動の発生源に近い位置に減衰部材が配置されるので、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音をより効果的に抑制することができる。
【0013】
電磁継電器は、固定接点及び可動接触片が収容される樹脂製の接点ケースをさらに備えてもよい。減衰部材は、前記接点ケースと一体であってもよい。固定端子の第1面及び第2面の少なくとも一方は、接点ケースに接触して配置されてもよい。この場合は、接点ケースが減衰部材を兼ねるので、部品点数を削減できる。
【0014】
固定端子の第1面及び第2面は、接点ケースに接触して配置されてもよい。この場合においても、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音をより効果的に抑制することができる。
【0015】
接点ケースは、波打ち状に形成され固定端子の第2面に接触する接触部を含んでもよい。この場合は、接触部によって可動接点が固定接点に接触するときの衝突音をより効果的に抑制することができる。
【0016】
本発明によれば、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】電磁継電器が開状態のときの電磁継電器の断面模式図である。
【
図2】電磁継電器が閉状態のときの電磁継電器の断面模式図である。
【
図3】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図4】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図5】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図6】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図7】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図8】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図9】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【
図10】他の実施形態に係る接点ケース周辺の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器100の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、説明を分かり易くするために
図1における上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、
図1の紙面に直交する方向を前後方向として説明する。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器100の配置方向を限定するものではない。
【0019】
図1は電磁継電器100の断面模式図である。
図1に示すように、電磁継電器100は、接点ケース2、接点装置3と、駆動装置4と、減衰部材5a,5bと、を備えている。
【0020】
接点ケース2は、略四角形の箱型であり、絶縁性を有する材料で形成されている。本実施形態では、接点ケース2は樹脂製である。接点ケース2内には、接点装置3が収容されている。詳細には、接点装置3は、後述する固定接点6c,7c及び可動接触片10が収容される。
【0021】
接点ケース2は、上面部2aと、側壁部2bと端子支持部2c,2dとを含む。上面部2aは、上面視において略矩形状であり、前後方向及び左右方向に延びている。側壁部2bは、上面部2aの外端から接点装置3の側方を囲むように上下方向に延びている。端子支持部2c,2dは、側壁部2bを左右方向に貫通する貫通孔によって構成される。
【0022】
接点装置3は、固定端子6,7と、可動接触片10と、可動機構11と、を含む。固定端子6,7は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。固定端子6,7は、後述する駆動軸21と交差する方向に延びている。詳細には、固定端子6,7は、左右方向に延びており、接点ケース2を左右方向に貫通している。固定端子6と固定端子7とは、左右方向に間隔を隔てて配置されている。固定端子6は、端子支持部2cに支持されている。固定端子7は、端子支持部2dに支持されている。
【0023】
固定端子6は、第1面6aと、第2面6bと、固定接点6cと、外部接続部6dとを含む。第1面6aは、下方を向く面である。第1面6aは、端子支持部2cに接触している。第2面6bは、第1面6aと反対側の面であり、上方を向く面である。
【0024】
固定接点6cは、第1面6aに配置されている。固定接点6cは、導電性を有する材料で形成されている。固定接点6cは、固定端子6と別体である。なお、固定接点6cは、固定端子6と一体であってもよい。外部接続部6dは、接点ケース2から左方に突出して外部に露出している。
【0025】
固定端子7は、第1面7aと、第2面7bと、固定接点7cと、外部接続部7dとを含む。第1面7aは、下方を向く面である。第1面7aは、端子支持部2dに接触している。第2面7bは、第1面7aと反対側の面であり、上方を向く面である。
【0026】
固定接点7cは、第1面7aに配置されている。固定接点7cは、導電性を有する材料で形成されている。固定接点7cは、固定端子7と別体である。なお、固定接点7cは、固定端子7と一体であってもよい。外部接続部7dは、接点ケース2から右方に突出して外部に露出している。
【0027】
可動接触片10は、一方向に長い板状部材であり、接点ケース2内で左右方向に延びている。本実施形態では、可動接触片10の長手方向は、左右方向と一致する。また、可動接触片10の短手方向は、前後方向と一致する。可動接触片10は、導電性を有する材料で形成されている。
【0028】
可動接触片10は、可動接点10a,10bを含む。可動接点10a,10bは、可動接点10aは、固定接点6cと対向する位置に配置されており、固定接点6cに接触可能である。可動接点10bは、可動接点10aと左右方向に間隔を隔てて配置されている。可動接点10bは、固定接点7cと対向する位置に配置されており、固定接点7cに接触可能である。可動接点10a,10bは、導電性を有する材料で形成されている。可動接点10a,10bは、可動接触片10と別体である。なお、可動接点10a,10bは、可動接触片10と一体であってもよい。
【0029】
可動接触片10は、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触する接触方向Z1および開離する開離方向Z2に移動可能に設けられる。接触方向Z1は、
図1における上方である。開離方向Z2は、
図1における下方である。したがって、接触方向Z1および開離方向Z2は、上下方向に対して平行である。接触方向Z1および開離方向Z2は、可動接触片10の移動方向の一例である。
【0030】
可動機構11は、可動接触片10を支持する。可動機構11は、固定接点6c,7cと可動接点10a,10bとが接触する閉位置と、固定接点6c,7cと可動接点10a,10bとが開離する開位置とに移動可能に設けられる。すなわち、可動機構11は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能に設けられる。
【0031】
可動機構11は、駆動軸21と、第1保持部材22と、第2保持部材23と、接点バネ24とを含む。駆動軸21は、可動接触片10に連結される。駆動軸21は、上下方向に延びており、可動接触片10を上下方向に貫通している。駆動軸21は、接触方向Z1と開離方向Z2とに移動可能に設けられる。
【0032】
第1保持部材22は、可動接触片10よりも上方で駆動軸21に固定されている。第2保持部材23は、可動接触片10よりも下方で駆動軸21に固定されている。接点バネ24は、可動接触片10と第2保持部材23の間に配置されている。接点バネ24は、第2保持部材23を介して可動接触片10を接触方向Z1に付勢する。
【0033】
駆動装置4は、電磁力によって可動機構11を閉位置と開位置とに移動させる。駆動装置4は、駆動軸21を介して可動接触片10を接触方向Z1および開離方向Z2に移動させる。駆動装置4は、コイル31と、可動鉄心32と、固定鉄心33と、ヨーク34と、復帰バネ35と、を含む。
【0034】
コイル31は、電圧が印加されて励磁されると、可動鉄心32を接触方向Z1に移動させる電磁力を発生させる。可動鉄心32は、駆動軸21に一体移動可能に連結されている。固定鉄心33は、可動鉄心32と対向する位置に配置されている。ヨーク34は、コイル31を囲むように配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32と固定鉄心33の間に配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32を開離方向Z2に付勢する。
【0035】
図1は、駆動装置4が励磁されていない状態を示している。駆動装置4が励磁されていないときは、可動機構11が開位置にある。このため、可動接点10a,10bは、固定接点6c,7cから開離している。駆動装置4が励磁されていないときは、可動接触片10が可動機構11を介して開離方向Z2に押圧されている。
【0036】
図2は、駆動装置4が励磁されて、可動機構11が閉位置に移動したときの状態を示している。駆動装置4が励磁されると、可動鉄心32が駆動軸21とともに接触方向Z1に移動する。駆動軸21の接触方向Z1の移動に伴い、第2保持部材23によって接点バネ24が圧縮される。これにより、可動接触片10を接触方向Z1に押圧する力が大きくなり、可動接触片10が接触方向Z1に移動して、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触する。
【0037】
減衰部材5a,5bは、樹脂製であり、PBT樹脂、LCP樹脂、或いはウレタン樹脂などの材料で形成されている。減衰部材5a,5bは、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの振動を減衰させる。
【0038】
減衰部材5aは、固定端子6に接触して設けられる。減衰部材5aは、接点ケース2の上面部2aと固定端子6の間に配置されている。詳細には、減衰部材5aは、上面部2aと第2面6bに接触して配置されている。減衰部材5aは、可動接触片10の移動方向から見て固定接点6cと重なる位置に配置されている。すなわち、減衰部材5aは、固定接点6cと上下方向に重なる。
【0039】
減衰部材5bは、固定端子7に接触して設けられる。減衰部材5bは、接点ケース2の上面部2aと固定端子7の間に配置されている。詳細には、減衰部材5bは、上面部2aと第2面7bに接触して配置されている。減衰部材5bは、可動接触片10の移動方向から見て固定接点7cと重なる位置に配置されている。すなわち、減衰部材5bは、固定接点7cと上下方向に重なる。
【0040】
上記構成の電磁継電器100では、減衰部材5a,5bが固定端子6,7に接触して設けられているので、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの振動が減衰部材5a,5bによって減衰される。これにより、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの衝突音を抑制することができる。また、減衰部材5a,5bは、可動接触片10の移動方向から見て固定接点6c,7cと重なる位置に配置されているので、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの振動を減衰部材5a,5bによって効果的に減衰させることができる。
【0041】
また、接点ケース2が樹脂製であり、さらに固定端子6,7が接点ケース2端子支持部2c,2dに支持されているので、接点ケース2によっても可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの衝突音を抑制することができる。すなわち、この場合は、接点ケース2が減衰部材としても機能する。
【0042】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、接点ケース2、接点装置3、駆動装置4或いは減衰部材5a,5bの形状、或いは配置が変更されてもよい。
【0043】
前記実施形態では、接点ケース2が樹脂製であったが、接点ケース2は金属、或いはセラミック製であってもよい。
【0044】
減衰部材5a,5bの材質は、前記実施形態に限定されるものではない。吸音材や弾性変形可能なゴム材料で形成されてもよい。例えば、
図3に示すように、減衰部材5a,5bは、固定端子6,7の第2面6b,7b側において可動接触片10の移動方向に伸縮可能に配置される圧縮バネであってもよい。また、減衰部材5a,5bは、空気よりも熱伝導率が高い部材であってもよい。この場合は、減衰部材5a,5bによって放熱性が向上する。
【0045】
減衰部材5a,5bは、
図4に示すように、必ずしも可動接触片10の移動方向から見て固定接点6c,7cと重なる位置に配置されていなくてもよい。また、減衰部材5a,5bの一部が接点ケース2から露出していてもよい。この場合は、通電時における固定端子6,7の発熱を接点ケース2の外部に効果的に逃がすことができる。
【0046】
図5に示すように、接点ケース2は、可動接触片10の移動方向に貫通する孔部2e,2fを含んでもよい。この場合、固定端子6,7の第2面6b,7bを可動接触片10の移動方向から見て孔部2e,2fと重なる位置で接点ケース2の上面部2aに接触して配置し、孔部2e,2fにウレタンや接着剤等の減衰部材5a,5bを充填してもよい。或いは、
図6に示すように、固定端子6,7が減衰部材5a,5bによってコーティングされていてもよい。
【0047】
前記実施形態では、減衰部材5a,5bが接点ケース2と別体であったが、減衰部材5a,5bは、接点ケース2と一体であってもよい。すなわち、
図6に示すように、固定端子6,7の第1面6a,7a及び第2面6b,7bの少なくとも一方が接点ケース2に接触して配置されてもよい。例えば、固定端子6,7の第2面6b,7bが上面部2aの内面に接触して配置させてもよい。この場合は、上面部2aが減衰部材5a,5bとして機能する。なお、固定端子6,7の第1面6a,7a及び第2面6b,7bの両面が接点ケース2に接触して配置されることがより好ましい。また、
図7に示すように、接点ケース2は、波打ち状に形成され固定端子6,7に接触する接触部12を含んでもよい。この場合は、接触部12が減衰部材5a,5bとして機能する。
【0048】
前記実施形態では、固定端子6,7が端子支持部2c,2dに支持されていたが、固定端子6,7は、他の部材で支持されてもよい。或いは、
図9に示すように、樹脂製の接点ケース2内において、固定端子6,7を支持する支持部41,42を設けてもよい。例えば、上面部2aから固定端子6,7に向かう方向に支持部41,42を突出させて、固定端子6,7が支持部41,42を貫通することで、固定端子6,7が支持されてもよい。この場合、支持部41,42が減衰部材5a,5bとして機能する。
【0049】
固定端子6,7の形状は前記実施形態に限定されるものではない。固定端子6,7は、屈曲した形状であってもよい。例えば、
図10に示すように、固定端子6,7は、断面がL字状の端子であってもよい。この場合は、固定端子6,7において、上下方向に延びる屈曲部6e,6fを接点ケース2で支持することで、可動接点10a,10bが固定接点6c,7cに接触するときの振動を接点ケース2によって効果的に減衰させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、本発明によれば、可動接点が固定接点に接触するときの衝突音を抑制することができる。
【符号の説明】
【0051】
2 接点ケース
2e,2f 孔部
4 駆動装置
5a,5b 減衰部材
6,7 固定端子
6a,7a 第1面
6b,7b 第1面
6c,7c 固定接点
10 可動接触片
10a,10b 可動接点
12 接触部
21 駆動軸
100 電磁継電器