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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】電子機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20240625BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240625BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240625BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240625BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240625BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240625BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H02J1/00 308C
H02J7/34 F
H02J7/00 302D
G03B21/14 C
G03B21/00 F
H04N5/74 Z
G06F3/02 510
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020053752
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021158705
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾田 潔
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-063959(JP,A)
【文献】特開2010-226697(JP,A)
【文献】特開平06-149437(JP,A)
【文献】特開2007-166041(JP,A)
【文献】特開2010-226683(JP,A)
【文献】特開平11-065741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
H02J 7/34
H02J 7/00
G03B 21/14
G03B 21/00
H04N 5/74
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器であって、
前記電子機器の動きに基づく動き情報を検知する検知手段と、
前記電子機器への電源電力の元電源二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする、前記電子機器の所定の動きを含む所定条件を満たす、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記電源キーを含む複数のキーを有する操作手段を備え、
前記所定条件は、少なくとも一つの前記キーの入力又は入力後の解放を含む請求項に記載の電子機器。
【請求項3】
前記所定条件は、所定順の複数の前記キーの入力又は入力後の解放を含む請求項に記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定条件は、隣接しない複数の前記キーの同時入力又は入力後の同時解放を含む請求項又はに記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記有効にされた後の所定の第1の有効期間内に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記有効にされた後に前記電源キーが入力され、所定の第2の有効期間内に前記電源キーが解放された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器は、バッテリーが接続可能であり、光源を有するプロジェクターであり、
前記制御手段は、前記有効にされた後に前記電源キーが入力された場合に、前記光源を点灯する請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器であって、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすと、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後の所定の第1の有効期間内に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段と、を備える電子機器。
【請求項9】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器であって、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすと、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後に前記電源キーが入力され、所定の第2の有効期間内に前記電源キーが解放された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段と、を備える電子機器。
【請求項10】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器のコンピューターを、
前記電子機器の動きに基づく動き情報を検知する検知手段、
前記電子機器への電源電力の元電源が前二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする、前記電子機器の所定の動きを含む所定条件を満たす、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器のコンピューターを、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすと、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後の所定の第1の有効期間内に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器のコンピューターを、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすと、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後に前記電源キーが入力され、所定の第2の有効期間内に前記電源キーが解放された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プロジェクターの開発が行われている(例えば、特許文献1)。このようなプロジェクターは、禁煙、持ち運びが可能な携帯式のプロジェクターについても検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-198439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯式のプロジェクターを鞄に入れて持ち運ぶ場合、ものに押されて間違って電源キーが押下される可能性がある。鞄内部で投影が始まると、不必要に消費電力を使用してしまう。また、光源および投影光による蓄熱により不具合が生じる。
【0005】
本発明の課題は、電子機器を持ち運ぶ際、電源キーの誤操作による起動を確実に防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器であって、前記電子機器の動きに基づく動き情報を検知する検知手段と、前記電子機器への電源電力の元電源二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする、前記電子機器の所定の動きを含む所定条件を満たす、前記電源キーの入力受付を有効にし、前記有効にされた後に前記電源キーが入力された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器を持ち運ぶ際、電源キーの誤操作による起動を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクターシステムを示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るバッテリーユニットに接続されたプロジェクターを示すブロック図である。
図3】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続されたプロジェクターを示す図であり、ACアダプターから入力されたDC電源電力をプロジェクターに供給するとともに、バッテリーユニット内の二次電池の充電を行うことを示すブロック図である。(b)は、本発明の第1の実施形態に係る二次電池が設けられたバッテリーユニットと接続されたプロジェクターを示す図であり、バッテリーユニット内の二次電池から放電されたDC電源電力をプロジェクターに供給することを示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクターの機能構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る第1の光源起動処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施形態に係る操作部のキーの配置の一例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る第2の光源起動処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施形態の変形例に係る操作部のキーの配置の別の一例を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態の変形例に係る第3の光源起動処理を示すフローチャートである。
図10】(a)は、本発明の第3の実施形態に係る操作部の電源キー及びESCキーが押下された状態を示す図である(b)は、本発明の第3の実施形態に係る操作部の電源キー、MENUキー及びESCキーが押下された状態を示す図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係る第4の光源起動処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例及び第3の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1図5を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、図1図4を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態のプロジェクターシステム1を示すブロック図である。図2は、バッテリーユニット50に接続されたプロジェクター10を示すブロック図である。図3(a)は、二次電池52が設けられたバッテリーユニット50を介してACアダプター40と接続されたプロジェクター10を示す図であり、ACアダプター40から入力されたDC電源電力をプロジェクター10に供給するとともに、バッテリーユニット50内の二次電池52の充電を行うことを示すブロック図である。図3(b)は、二次電池52が設けられたバッテリーユニット50と接続されたプロジェクター10を示すであり、バッテリーユニット50内の二次電池52から放電されたDC電源電力をプロジェクター10に供給することを示すブロック図である。図4は、プロジェクター10の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施の形態のプロジェクターシステム1は、AC電源としての商用電源又はDC電源としてのバッテリー電源により駆動するプロジェクターのシステムである。図1に示すように、プロジェクターシステム1は、電子機器としてのプロジェクター10と、AC(Alternating Current:交流)アダプター40と、バッテリーユニット50と、を備える。プロジェクター10は、二次電池52(図3参照)が設けられたバッテリーユニット50を介してACアダプター40と接続可能である。
【0012】
プロジェクター10は、表示画像(画像又は映像)をスクリーン等の被投影体に投影し、音声を出力可能であって、携帯可能な投影装置である。プロジェクター10は、DC(Direct Current:直流)電源電力駆動であるものとする。
【0013】
ACアダプター40は、商用電源の交流の電源電力を直流の電源電力(商用電源の交流電力を直流の電力)に変換してプロジェクター10に供給する変換器である。ACアダプター40は、ケーブル41,42を有する。ケーブル41は、電源電流のケーブルであり、一端がACアダプター40の本体に固定接続され、他端に商用電源に接続するためのプラグ411を有する。ケーブル42は、電源電流のケーブルであり、一端がACアダプター40の本体に固定接続され、他端にバッテリーユニット50又はプロジェクター10に接続するためのプラグ421を有する。
【0014】
バッテリーユニット50は、プロジェクター10の外付けのバッテリーである。バッテリーユニット50は、充電により電力を蓄電可能であり、蓄電された電力を直流の電源電力としてプロジェクター10に供給する携帯可能な蓄電池である。バッテリーユニット50は、ケーブル51を有する。ケーブル51は、電源電流のケーブルであり、一端がバッテリーユニット50の本体に固定接続され、他端にプロジェクター10に接続するためのプラグ511を有する。
【0015】
図1に示すように、二次電池52(図3(a)参照)が設けられたバッテリーユニット50を介してACアダプター40と接続可能な電子機器としてのプロジェクター10において、プラグ411を商用電源に接続することで、ACアダプター40で変換されたDC電源電力をプロジェクター10に供給するとともに、当該DC電源電力をバッテリーユニット50内の二次電池52に充電できる。この接続状態では、プロジェクター10は、携帯されない。
【0016】
図2に示すように、プロジェクター10及びバッテリーユニット50のみを接続することで、バッテリーユニット50内の二次電池52から放電されたDC電源電力をプロジェクター10に供給する。この接続状態で、プロジェクター10及びバッテリーユニット50は、鞄等の収納先に収納されてユーザーに携帯されることが可能である。
【0017】
図3(a)に示すように、バッテリーユニット50は、二次電池52と、充電IC(Integrated Circuit)53と、FET(Field Effect Transistor)54,55,56と、を有する。二次電池52は、充放電可能な蓄電池である。充電IC53は、二次電池52の充放電を制御する回路部であり、より具体的には、FET54~56のオン/オフを制御する。FET54~56は、ゲートのオン/オフにより、ソース-ドレイン間を流れる電流を制御するスイッチング素子である。
【0018】
バッテリーユニット50は、ACアダプター40で変換されたDC電源電力がACアダプター40から入力され、当該DC電源電力をプロジェクター10にスルーアウトすると共に、当該DC電源電力の一部が充電される。より具体的には、図3(a)に示すように、プロジェクター10、バッテリーユニット50及びACアダプター40が直列に接続された状態で、充電IC53は、FET54,55をオンし、FET56をオフする。これにより、充電IC53は、実線の矢印で示すように、ACアダプター40から入力されたDC電源電力をプロジェクター10に供給するとともに、バッテリーユニット50内の二次電池52の充電を行う。なお、図3(a)、図3(b)において、DC電源電力が供給されているラインを実線の矢印で示し、DC電源電力が供給されていないラインを点線の矢印で示す。
【0019】
図3(b)に示すように、プロジェクター10にバッテリーユニット50のみを接続することで、バッテリーユニット50内の二次電池52から放電されたDC電源電力をプロジェクター10に供給する。この接続状態で、プロジェクター10及びバッテリーユニット50は、鞄などの収納先に収納されてユーザーに携帯されることが可能である。
【0020】
図4に示すように、プロジェクター10は、主な機能構成として、判定手段、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作手段としての操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、投影部14と、記憶部15と、通信部16と、音声出力部17と、計時部18と、電源部19、電源端子19aと、検知手段としての加速度センサー20と、判断手段としての電源種別判断部21と、を備える。電源部19、電源端子19aを除くプロジェクター10の各部は、バスB1を介して接続されている。
【0021】
CPU11は、プロジェクター10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム、アプリケーションプログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13のワークエリアに展開し、当該展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0022】
操作部12は、プロジェクター10の筐体上に設けられた電源キー121などを有し、ユーザーからの各キーの押下(入力)を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。電源キー121は、DC電源電力が入力されている場合に、投影のための光源141の点灯を伴う電源オンの操作入力を受け付けるキーである。即ち、電源キー121の押下によりプロジェクター10を待機状態から起動状態に変更するものである。
【0023】
RAM13は、揮発性のメモリーである。また、RAM13は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータなどを格納するワークエリアを有する。
【0024】
投影部14は、青色波長帯域光を出射するB-LD(LASER Diode)、赤色波長帯域光を出射するR-LED(Light Emitting Diode)及び緑色波長帯域光を出射する蛍光体が形成された蛍光板(PW:Phosphor Wheel)を含む光源141と、光源側光学系と、表示素子と、投影レンズなどの投影光学系と、を有する。投影部14は、CPU11の制御により、通信部16を介して後述する入力ソース機器から受信された映像信号又は画像データに応じて、表示画像をスクリーン等の被投影体に投影する。蛍光体が一部に形成された蛍光板は、蛍光体の領域及び透過領域を有する円形の金属板である。蛍光板は、モーターにより回転駆動されることで、青色波長帯域光が、蛍光体の領域と、透過領域と、に時分割で照射される。これにより、B-LDから出射された青色波長帯域光が蛍光体の領域に照射され、青色波長帯域光を励起光として緑色波長帯域光が出射されると共に、透過領域に照射された青色波長帯域光は、透過領域を透過する。
【0025】
光源側光学系は、ダイクロイックミラー、ミラーなどである。表示素子は、空間的光変調素子(SOM:Spatial Optical Modulator)であり、より具体的には、マイクロミラー素子である。マイクロミラー素子は、アレイ状に配列された複数、例えばWXGA(Wide eXtended Graphics Array)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して画像を表示することでその反射光により光像を形成する。
【0026】
表示素子は、光源側光学系を介して青色波長帯域光、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光が入射され、CPU11の制御により、投影させる映像信号又は画像データに対応して、入射光を適宜のフレームレートで表示画像の青色波長帯域光、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光からなる光像に変換して出射させる。投影レンズは、表示素子から出射された光像を投影方向(スクリーンの方向)に導き投影する投影光学系である。
【0027】
記憶部15は、フラッシュメモリーなどにより構成され、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部15には、CPU11で実行される各種プログラムや各種データなどが記憶されている。これらのプログラムは、コンピューター読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部15に格納されている。
【0028】
記憶部15は、後述する第1の光源起動処理を実行するための第1の光源起動プログラムP1を記憶しているものとする。
【0029】
通信部16は、入力ソース機器としてのPC(Personal Computer)、ビデオ機器などに接続され、当該機器から映像信号及び音声信号を受信するHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)などの受信部と、入力ソース機器としてのPCやUSB(Universal Serial Bus)メモリーなどに接続され、当該機器から静止画又は動画の画像データを受信するUSBなどの送受信部と、を有する。CPU11は、通信部16を介して、入力ソース機器からの信号受信又は入力ソース機器とのデータ通信を行う。
【0030】
音声出力部17は、アンプ、スピーカーなどを有し、CPU11の制御に従い、CPU11などから入力された、入力ソース機器から受信された音声信号又は画像データに基づく音声情報を音声出力する。
【0031】
計時部18は、リアルタイムクロックであり、現在日時を計時し、その現在日時情報をCPU11に出力する。
【0032】
電源部19は、DC/DCコンバーターなどにより構成され、電源端子19aに接続されている。電源端子19aは、ACアダプター40のプラグ421又はバッテリーユニット50のプラグ511に接続されている。電源部19は、電源端子19aを介して、ACアダプター40又はバッテリーユニット50から入力されたDC電源電力の電圧を変換し、変換したDC電源電力をプロジェクター10の各部に供給する。
【0033】
加速度センサー20は、三次元の加速度センサーであり、3軸の加速度を検知し、検知した加速度をCPU11に出力する。加速度センサー20により検知された加速度は、プロジェクター10の重力方向を基準とした姿勢判定に用いられる。スクリーンに対するプロジェクター10の姿勢によっては、投影された矩形の表示画像が台形状に歪む。このため、CPU11は、判定したプロジェクター10の姿勢を、台形状の表示画像を矩形の表示画像に投影されるように補正する台形補正に用いる。本実施の形態では、加速度センサー20の加速度は、電源キー121を有効にするためのプロジェクター10の所定の動き(所定の経時変化する複数の姿勢)の判別にも用いられる。なお、プロジェクター10が、加速度センサー20に代えて、プロジェクター10の角速度を検知する三次元の角速度センサーを備え、角速度センサーで検知された3軸の角速度に基づいて、プロジェクター10の所定の動きがCPU11により判別される構成としてもよい。
【0034】
電源種別判断部21は、バッテリーユニット50から受信する、プロジェクター10へのDC電源電力の供給元である元電源を示すパルス信号から、DC電源電力の供給元である元電源(バッテリーユニット50、又はバッテリーユニット50に接続されたACアダプター40)を判断して電源種別情報を生成してCPU11に出力する回路部である。パルス信号は、DC電源電力の供給元である元電源に応じて、デューティー比、周波数などが変調されるものとする。
【0035】
つぎに、図5を参照して、本実施の形態におけるプロジェクター10の動作を説明する。図5は、第1の光源起動処理を示すフローチャートである。
【0036】
第1の光源起動処理は、予め設定されたプロジェクター10の所定の動き(ジェスチャー)が検出された場合に、電源キー121の押下(入力)を受け付けて、投影部14の光源141を点灯する処理である。予め、プロジェクター10は、バッテリーユニット50に接続されて鞄等の収納先に収納された状態となり得るものとする。
【0037】
プロジェクター10において、ACアダプター40、又は二次電池52が設けられたバッテリーユニット50(単独のバッテリーユニット50、若しくは二次電池52が設けられたバッテリーユニット50を介してACアダプター40が接続されたことをトリガーとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1の光源起動プログラムP1に従い、第1の光源起動処理を実行する。
【0038】
図5に示すように、まず、CPU11は、電源種別判断部21から電源種別情報を取得し、取得した電源種別情報から、DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動であるか否かを判別する(ステップS11)。DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動である場合(ステップS11;YES)、ステップS13に移行する。
【0039】
DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52ではなく、ACアダプター40の場合(ACアダプター駆動時)(ステップS11;NO)、ステップS12に移行する。次に、CPU11は、ユーザーからの電源キー121の押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS12)。電源キー121が押下(入力)された場合(ステップS12;YES)、ステップS16に移行する。
【0040】
CPU11は、計時部18からの現在の日時情報と、加速度センサー20からの経時的な加速度情報とを取得し、取得した日時情報を用いて、取得した加速度情報からプロジェクター10の経時的な姿勢の変化を算出し、算出した経時的な姿勢から、予め設定されたプロジェクター10の所定の動きを検出するか否かを判別する(ステップS13)。所定の動きは、ユーザーがプロジェクター10を意図的に動かす場合の姿勢の変化とし、例えば、プロジェクター10を一回転する動きとする。一回転する動きは、初期状態として、プロジェクター10を投影時の設置先に置いた状態(スクリーンの方向に対してプロジェクター10の投影方向の傾きが5度程度の姿勢)と、中間状態として、初期状態から3秒以内のプロジェクター10をひっくり返した状態(プロジェクター10の姿勢が反転)と、最後の状態として、中間状態から3秒以内のプロジェクター10を元に戻した状態(プロジェクター10の初期状態の姿勢)と、を順に経る動きとする。各状態は、それぞれ判定され、各状態が設定時間及び順番にされた場合に、所定の動きが検出されるものとする。
【0041】
所定の動きが検出されない場合(ステップS13;NO)、ステップS13に移行される。所定の動きが検出された場合(ステップS13;YES)、CPU11は、計時部18からの現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報に応じて、予め設定された電源キー121の押下(入力)受付の有効期間のための時間カウントを開始する(ステップS14)。電源キー121の有効期間は、例えば、カウント開始から10秒までの期間とする。なお、電源キー121の有効期間は、これに限定されるものではなく、カウント開始を含まず、例えばカウント開始後の5秒から10秒までとしてもよい。
【0042】
そして、CPU11は、計時部18からの現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報に応じて、有効期間内に、操作部12を介してユーザーから電源キー121が押下(入力)されたか否かを判別する(ステップS15)。このように、ステップS13は、ステップS15の電源キー121の押下(入力)受付を有効にするための所定条件となる。有効期間内に電源キー121が押下(入力)されていない場合(ステップS15;NO)、ステップS13に移行される。
【0043】
有効期間内に電源キー121が押下(入力)された場合(ステップS15;YES)、CPU11は、電源オンとしてプロジェクター10のシステムを待機状態から起動して光源141を点灯し(ステップS16)、第1の光源起動処理を終了する。所定の動きだけで光源141を起動する場合、例えば、バッテリーユニット50が接続されたプロジェクター10が収納された鞄が、他人などに、所定の動きをさせられた場合でも、その動作のみで光源141が点灯され、不必要に消費電力を使用してしまうことや、光源および投影光による蓄熱による不具合を防ぐことができる。
【0044】
以上、本実施の形態によれば、プロジェクター10は、電源キー121を有し、二次電池52が設けられたバッテリーユニット50を介してACアダプター40と接続可能な電子機器である。プロジェクター10は、プロジェクター10へのDC電源電力の元電源が二次電池52であるかACアダプター40であるかを判断し、元電源が二次電池52である場合に、プロジェクター10の状態が、電源キー121の押下(入力)受付を有効にする所定条件を満たすか否かを判定し、プロジェクター10の状態が所定条件を満たす場合に、電源キー121の押下(入力)受付を有効にし、有効にされた後に電源キー121が押下(入力)された場合に、プロジェクター10を待機状態から起動状態に変更し電源をオンして光源141を点灯するCPU11を備える。このため、プロジェクター10を持ち運ぶ際、電源キー121の誤操作による起動を確実に防ぐことができ、バッテリーユニット50がプロジェクター10に接続された状態で、バッテリーユニット50の二次電池52からの無駄な電源電力の消費と、バッテリーユニット50及びプロジェクター10の収納先が光源141の点灯による蓄熱で高温となる不具合と、を防ぐことができる。
【0045】
また、所定条件は、プロジェクター10の所定の動きである。プロジェクター10は、プロジェクター10の動き情報としての加速度を検知する加速度センサー20を備える。CPU11は、加速度センサー20によって検知された加速度に基づいて、プロジェクター10の動きが、所定条件を満たすことを判定する。このため、ユーザーがプロジェクター10を所定の動きをするように動かし、その後さらに、電源キー121を押下(入力)しないと、プロジェクター10が起動されないため、プロジェクター10を持ち運ぶ際の電源キー121の誤操作による起動をより確実に防ぐことができる。
【0046】
また、CPU11は、有効にされた後の所定の有効期間内に電源キー121が押下(入力)された場合に、プロジェクター10を待機状態から起動状態に変更する。このため、電源キー121の押下(入力)を有効期間内に行わないと起動されず、プロジェクター10を持ち運ぶ際の電源キー121の誤操作による起動をさらに確実に防ぐことができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図6及び図7を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図6は、操作部12のキーの配置の一例を示す図である。図7は、第2の光源起動処理を示すフローチャートである。
【0048】
第1の実施の形態では、所定の動きが検出された場合に電源キー121の押下(入力)の受付を有効にして光源141を点灯する構成であったが、本実施の形態では、キーの操作入力により電源キー121の(押下)入力の受付を有効にして光源141を点灯する構成である。
【0049】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、プロジェクターシステム1を用いるものとする。ただし、プロジェクター10の記憶部15に、第1の光源起動プログラムP1に代え、後述する第2の光源起動処理を実行するための第2の光源起動プログラムが記憶されているものとする。
【0050】
また、図6に示すように、操作部12において、電源キー121、MENUキー122、ESCキー123が、横方向に左から右へ隣り合うように配置されているものとする。MENU122キーは、各種メニューの選択入力を受け付けるキーである。ESCキー123は、選択されたメニューなどを前に戻す操作入力を受け付けるキーである。
【0051】
図7のキー配置では、比較的大きめのものが操作部12に偶然ぶつかってキーが押下される場合、3つのキーが同時に押下されるか、右から左へ又は左から右へ順に規則正しく3つのキーが押下されることが容易に想像できる。バッテリーユニット50が接続されたプロジェクター10が鞄等の収納先に収納された状態で、これらの偶然に起こりうるキー操作を、光源141の点灯のトリガーとすることを排除するようなキー操作が求められる。
【0052】
つぎに、図7を参照して、本実施の形態におけるプロジェクター10の動作を説明する。
【0053】
第2の光源起動処理は、予め設定されたMENUキー122、ESCキー123のキー操作が検出された場合に、電源キー121の押下(入力)を受け付けて、光源141を点灯する処理である。あらかじめ、プロジェクター10は、バッテリーユニット50に接続されて収納先に収納された状態となりうるものとする。
【0054】
プロジェクター10において、ACアダプター40又はバッテリーユニット50が接続されたことをトリガーとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2の光源起動プログラムに従い、第2の光源起動処理を実行する。
【0055】
図7に示すように、まず、CPU11は、電源種別判断部21から電源種別情報を取得し、取得した電源種別情報から、DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動であるか否かを判別する(ステップS21)。DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動である場合(ステップS21;YES)、ステップS23に移行する。
【0056】
DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52ではなく、ACアダプター40の場合(ACアダプター駆動時)(ステップS21;NO)、ステップS22に移行する。次に、CPU11は、ユーザーからの電源キー121の押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS22)。電源キー121が押下(入力)された場合(ステップS22;YES)、ステップS31に移行する。
【0057】
CPU11は、ユーザーからのMENUキー122の押下(入力)がされ、その押下の状態が保持されているか否かを判別する(ステップS23)。MENUキー122が押下(入力)され保持されている場合(ステップS23;YES)、CPU11は、ユーザーからのMENUキー122以外の他のキーの押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS24)。
【0058】
他のキーが押下(入力)されていない場合(ステップS24;NO)、CPU11は、ユーザーからのステップS23におけるMENUキー122の押下保持状態の解放がされたか否かを判別する(ステップS25)。MENUキー122が解放された場合(ステップS25;YES)、CPU11は、ユーザーからのESCキー123の押下(入力)がされ、その押下の状態が保持されているか否かを判別する(ステップS26)。ESCキー123が押下(入力)され保持されている場合(ステップS26;YES)、CPU11は、ユーザーからのESCキー123以外の他のキーの押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS27)。
【0059】
他のキーが押下されていない場合(ステップS27;NO)、CPU11は、ユーザーからのステップS26におけるESCキー123の押下保持状態の解放がされたか否かを判別する(ステップS28)。ESCキー123が解放された場合(ステップS28;YES)、CPU11は、ユーザーからの電源キー121の押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS29)。このように、ステップS23~S28は、ステップS29の電源キー121の押下(入力)受付を有効にするための所定条件となる。
【0060】
MENUキー122が押下(入力)され保持されていない場合(ステップS23;NO)、他のキーが押下された場合(ステップS24;YES)、MENUキー122が解放されなかった場合(ステップS25;NO)、ESCキー123が押下(入力)され保持されていない場合(ステップS26;NO)、他のキーが押下された場合(ステップS27;YES)、又はESCキー123が解放されなかった場合(ステップS28;NO)、又は電源キー121が押下されていない場合(ステップS29;NO)、CPU11は、操作部12の全キーの押下(入力)の解放を待ち(ステップS30)、ステップS23に移行する。
【0061】
電源キー121が押下(入力)された場合(ステップS29;YES)、CPU11は、電源オンとしてプロジェクター10のシステムを起動して光源141を点灯し(ステップS31)、第2の光源起動処理を終了する。
【0062】
以上、本実施の形態によれば、プロジェクター10は、電源キー121を含む複数のキーを有する操作部12を備える。所定条件は、所定順のMENUキー122及びESCキー123の入力及び入力後の解放である。CPU11は、操作部12のキーの入力及び解放が、所定条件を満たすことを判定する。このため、ユーザーがMENUキー122及びESCキー123の入力及び解放をし、その後さらに、電源キー121を押下(入力)しないと、プロジェクター10が起動されないため、プロジェクター10を持ち運ぶ際、電源キー121の誤操作による起動をより確実に防ぐことができる。
【0063】
(第2の実施の形態の変形例)
図8及び図9を参照して、第2の実施の形態の変形例を説明する。図8は、操作部12のキーの配置の別の一例を示す図である。図9は、第3の光源起動処理を示すフローチャートである。
【0064】
本変形例の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、プロジェクターシステム1を用いるものとする。ただし、プロジェクター10の記憶部15に、第2の光源起動プログラムに代え、後述する第3の光源起動処理を実行するための第3の光源起動プログラムが記憶されているものとする。
【0065】
また、図8に示すように、操作部12において、電源キー121、MENUキー122が、横方向に左から右へ隣り合うように配置されているものとする。本変形例では、電源キー121、MENUキー122を用いる例である。
【0066】
つぎに、図9を参照して、本変形例におけるプロジェクター10の動作を説明する。
【0067】
第3の光源起動処理は、予め設定されたMENUキー122のキー操作が検出された場合に、電源キー121の押下(入力)を受け付けて、光源141を点灯する処理である。あらかじめ、プロジェクター10は、バッテリーユニット50に接続されて収納先に収納された状態となりうるものとする。
【0068】
プロジェクター10の投影用光源の点灯用電源である、ACアダプター40(AC電源としての商用電源)又はバッテリーユニット50(DC電源としてのバッテリー電源)が接続されたことをトリガーとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第3の光源起動プログラムに従い、第3の光源起動処理を実行する。
【0069】
図9に示すようにステップS41~S45は、図7のステップS21~S25と同様である。また、ステップS43~S48は、ステップS43~S45と同様である。また、ステップS49~S51は、図7のステップS49~S51と同様である。このように、ステップS43~S48は、ステップS49の電源キー121の押下(入力)受付を有効にするための所定条件となる。
【0070】
以上、本変形例によれば、プロジェクター10は、電源キー121を含む複数のキーを有する操作部12を備える。所定条件は、MENUキー122の入力及び入力後の解放を2回行うことである。CPU11は、操作部12のキーの入力及び解放が、所定条件を満たすことを判定する。このため、ユーザーがMENUキー122の入力及び解放を2回行い、その後さらに、電源キー121を押下(入力)しないと、プロジェクター10が起動されないため、プロジェクター10を持ち運ぶ際、電源キー121の誤操作による起動を容易かつ確実に防ぐことができる。
【0071】
(第3の実施の形態)
図10及び図11を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。図10(a)は、操作部12の電源キー121及びESCキー123が押下(入力)された状態を示す図である。図10(b)は、操作部12の電源キー121、MENUキー122及びESCキー123が押下(入力)された状態を示す図である。図11は、第4の光源起動処理を示すフローチャートである。
【0072】
第2の実施の形態では、電源キー121以外のキーの操作入力により電源キーの押下(入力)の受付を有効にして光源141を点灯する構成であったが、本実施の形態では、電源キー121を含むキーの操作入力により電源キーの押下(入力)の受付を有効にして光源141を点灯する構成である。
【0073】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、プロジェクターシステム1を用いるものとする。ただし、プロジェクター10の記憶部15に、第1の光源起動プログラムP1に代え、後述する第4の光源起動処理を実行するための第4の光源起動プログラムが記憶されているものとする。
【0074】
また、操作部12において、図6に示したように、電源キー121、MENUキー122、ESCキー123が、配置されているものとする。上述したように、バッテリーユニット50が接続されたプロジェクター10が鞄等の収納先に収納された状態で、比較的大きめのものが操作部12に偶然ぶつかってキーが押下される場合、図10(b)に示すように、電源キー121、MENUキー122及びESCキー123が同時に押下(入力)される可能性が高い。図10(a)、図10(b)において、押下(入力)されているキーを斜線で表している。逆に、同様な条件で、図10(a)に示すように、電源キー121及びESCキー123が同時に押下(入力)される可能性は低い。さらに、ものが操作部12に偶然ぶつかってキーが押下(入力)される場合、押下(入力)された状態のまま長時間経過する可能性が高い。これらの偶然に起こりうる可能性の高いキー操作を、光源141の点灯のトリガーとすることを排除するようなキー操作が求められる。
【0075】
つぎに、図11を参照して、本実施の形態におけるプロジェクター10の動作を説明する。
【0076】
第4の光源起動処理は、予め設定された電源キー121、ESCキー123のキー操作が検出された場合に、電源キー121の押下(入力)及び解放を受け付けて、光源141を点灯する処理である。あらかじめ、プロジェクター10は、バッテリーユニット50に接続されて鞄等の収納先に収納された状態となりうるものとする。
【0077】
プロジェクター10の投影用光源の点灯用電源である、ACアダプター40(AC電源としての商用電源)又はバッテリーユニット50(DC電源としてのバッテリー電源)が接続されたことをトリガーとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第4の光源起動プログラムに従い、第4の光源起動処理を実行する。
【0078】
図11に示すように、まず、CPU11は、電源種別判断部21から電源種別情報を取得し、取得した電源種別情報から、DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動であるか否かを判別する(ステップS61)。DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52であり、バッテリー駆動である場合(ステップS61;YES)、ステップS63に移行する。
【0079】
DC電源電力の元電源がバッテリーユニット50内の二次電池52ではなく、ACアダプター40の場合(ACアダプター駆動時)(ステップS61;NO)、ステップS62に移行する。次に、CPU11は、ユーザーからの電源キー121の押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS62)。電源キー121が押下(入力)された場合(ステップS62;YES)、ステップS69に移行する。
【0080】
CPU11は、ユーザーからの電源キー121及びESCキー123の同時の押下(入力)がされ、その押下(入力)の状態が保持されているか否かを判別する(ステップS63)。電源キー121及びESCキー123が押下(入力)され保持されている場合(ステップS63;YES)、CPU11は、ユーザーからの電源キー121及びESCキー123以外の他のキーの押下(入力)がされたか否かを判別する(ステップS64)。
【0081】
他のキーが押下(入力)されていない場合(ステップS64;NO)、CPU11は、ユーザーからのステップS63におけるESCキー123の押下(入力)状態の解放入力がされたか否かを判別する(ステップS65)。このように、ステップS63,S65は、ステップS65の電源キー121の単独の押下(入力)受付を有効にするための所定条件となる。
【0082】
ESCキー123が解放された場合(ステップS65;YES)、CPU11は、計時部18からの現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報に応じて、予め設定された電源キー121の受付の有効期間のための時間カウントを開始する(ステップS66)。第1の実施の形態では、電源キー121の押下(入力)受付の有効期間であったが、本実施の形態では、光源141を点灯するための念のための電源キー121の解放入力受付の有効期間とする。電源キー121の有効期間は、例えば、カウント開始から1秒以上2秒未満の期間とする。なお、電源キー121の有効期間は、これに限定されるものではなく、カウント開始を含み、例えばカウント開始から2秒までとしてもよい。
【0083】
そして、CPU11は、計時部18からの現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報に応じて、有効期間内に、操作部12を介してユーザーから電源キー121が押下(入力)保持状態から解放されたか否かを判別する(ステップS67)。電源キー121及びESCキー123が押下(入力)され保持されていない場合(ステップS63;NO)、他のキーが押下(入力)された場合(ステップS64;YES)、又はESCキー123が解放されていない場合(ステップS65;NO)、CPU11は、操作部12の全キーの押下(入力)の解放を待ち(ステップS68)、ステップS63に移行する。
【0084】
有効期間内に電源キー121が解放されていない場合(ステップS67;NO)、ステップS63に移行される。有効期間内に電源キー121が解放された場合(ステップS67;YES)、CPU11は、電源オンとしてプロジェクター10のシステムを起動して光源141を点灯し(ステップS69)、第4の光源起動処理を終了する。
【0085】
なお、ステップS63で、電源キー121を含む隣接しない3つ以上のキーの同時押下(入力)が判別され、ステップS65で、電源キー121を除く当該キーが同時解放されることが判別される構成としてもよい。また、ステップS66,S67を行わない構成としてもよい。また、ステップS63~S65の所定条件の判定、電源キー121押下(入力)の部分から、ステップS66の有効期間の電源キー121の解放判定部分へ移行する場合に、その旨をユーザーに認識させる(例えば、プロジェクター10の筐体に設けられたLEDを点灯)構成としてもよい。
【0086】
以上、本実施の形態によれば、所定条件は、操作部12の隣接しないMENUキー122及びESCキー123の同時入力を含む。このため、偶然性の低い隣接しないMENUキー122及びESCキー123の同時入力を所定条件とすることで、プロジェクター10を持ち運ぶ際、電源キー121の誤操作による起動をより確実に防ぐことができる。
【0087】
また、CPU11は、有効にされた後に電源キー121が入力され、所定の有効期間内に電源キー121が解放された場合に、プロジェクター10を待機状態から起動状態に変更して電源をオンし光源141を点灯する。このため、電源キー121の入力、有効期間内の解放を順に行わないと起動されず、プロジェクター10を持ち運ぶ際の電源キー121の誤操作による起動をさらに確実に防ぐことができる。
【0088】
なお、上記各実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る電子機器及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態及び変形例のうち、少なくとも2つを組み合わせる構成としてもよい。
【0089】
また、上記各実施の形態及び変形例では、操作部12のキーは、入力を押下(入力)により行う構成としたが、これに限定されるものではなく、操作部12のキーが、タッチ入力、スライド入力などにより入力を受け付ける構成としてもよい。
【0090】
また、上記各実施の形態及び変形例では、電子機器としてプロジェクター10を用いる構成としたが、これに限定されるものではない。電子機器として、電源キーを有する他の電子機器を用いる構成としてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態におけるプロジェクターシステム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0092】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器であって、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池であるか前記ACアダプターであるかを判断する判断手段と、
前記元電源が二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記電子機器の状態が前記所定条件を満たす場合に、前記電源キーの入力受付を有効にし、当該有効にされた後に当該電源キーが入力された場合に、当該電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段と、を備える電子機器。
<請求項2>
前記所定条件は、前記電子機器の所定の動きであり、
前記電子機器の動きに基づく動き情報を検知する検知手段を備え、
前記判定手段は、前記検知手段によって検知された動き情報に基づいて、前記電子機器の動きが、前記所定条件を満たすことを判定する請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記電源キーを含む複数のキーを有する操作手段を備え、
前記所定条件は、少なくとも一つの前記キーの入力又は入力後の解放であり、
前記判定手段は、前記キーの入力及び解放が、前記所定条件を満たすことを判定する請求項1又は2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記所定条件は、所定順の複数の前記キーの入力又は入力後の解放である請求項3に記載の電子機器。
<請求項5>
前記所定条件は、隣接しない複数の前記キーの同時入力又は入力後の同時解放を含む請求項3又は4に記載の電子機器。
<請求項6>
前記制御手段は、前記有効にされた後の所定の第1の有効期間内に当該電源キーが入力された場合に、当該電子機器を待機状態から起動状態に変更する請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項7>
前記制御手段は、前記有効にされた後に前記電源キーが入力され、所定の第2の有効期間内に当該電源キーが解放された場合に、前記電子機器を待機状態から起動状態に変更する請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項8>
前記電子機器は、バッテリーが接続可能であり、光源を有するプロジェクターであり、
前記制御手段は、前記有効にされた後に前記電源キーが入力された場合に、前記光源を点灯する請求項1から7のいずれか一項に記載の電子機器。
<請求項9>
電源キーを有し、二次電池が設けられたバッテリーユニットを介してACアダプターと接続可能な電子機器のコンピューターを、
前記電子機器への電源電力の元電源が前記二次電池であるか前記ACアダプターであるかを判断する判断手段、
前記元電源が二次電池である場合に、前記電子機器の状態が、前記電源キーの入力受付を有効にする所定条件を満たすか否かを判定する判定手段、
前記電子機器の状態が前記所定条件を満たす場合に、前記電源キーの入力受付を有効にし、当該有効にされた後に当該電源キーが入力された場合に、当該電子機器を待機状態から起動状態に変更する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0093】
1 プロジェクターシステム
10 プロジェクター
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 投影部
141 光源
15 記憶部
16 通信部
17 音声出力部
18 計時部
19 電源部
19a 電源端子
20 加速度センサー
21 電源種別判断部
B1 バス
40 ACアダプター
41,42,51 ケーブル
411,421,511 プラグ
50 バッテリーユニット
52 二次電池
53 充電IC
54,55,56 FET
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11