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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】画像形成システム、予測データ出力方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/00 388
G03G21/00 386
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020091253
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021189213
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】小林 安良
(72)【発明者】
【氏名】杉原 友義
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 正
(72)【発明者】
【氏名】江藤 公二
(72)【発明者】
【氏名】大谷 晃三
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-109202(JP,A)
【文献】特開2004-291628(JP,A)
【文献】特開2018-116168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置による予め定められた単位時間ごとの消耗品の消費量を記録する記録処理部と、
前記記録処理部による記録結果のうち予め定められた基準時よりも予め定められた特定時間前の参照時までの第1期間に対応する第1記録結果及び前記基準時までの予め定められた第2期間に対応する第2記録結果の比較結果に基づいて、前記基準時からの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量を示す予測データを取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記予測データを出力する出力処理部と、
ユーザーの職業を示す職業情報を取得する職業情報取得部と、
を備え
前記記録処理部は、前記画像形成装置により実行される印刷ジョブ各々に対応する当該印刷ジョブの実行日時及び当該印刷ジョブで消費される前記消耗品の消費量を含むログデータを予め定められた第1記憶部に格納することにより、前記画像形成装置による前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量を記録し、
前記ログデータは、前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーに対応する前記職業情報を含み、
前記取得処理部は、前記第1記憶部に格納された前記ログデータのうち予め定められた特定職業を示す前記職業情報を含む第1ログデータに基づいて取得される第1予測データと、前記第1記憶部に格納された前記ログデータのうち前記第1ログデータとは異なる第2ログデータに基づいて取得される第2予測データとを組み合わせることにより、前記予測データを取得する画像形成システム。
【請求項2】
前記第1期間は、前記第2期間と同じ長さの期間であって、
前記取得処理部は、前記第1記録結果及び前記第2記録結果が予め定められた判定条件に基づいて類似であると判定される場合は、前記記録処理部による記録結果のうち前記参照時からの期間に対応する記録結果を示すデータを前記予測データとして取得する、
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記取得処理部は、前記第1記録結果及び前記第2記録結果が前記判定条件に基づいて非類似であると判定される場合は、前記記録処理部による記録期間に含まれる前記判定条件に基づいて前記第2記録結果と類似であると判定される記録結果に対応する類似期間のうち前記参照時に最も近い特定類似期間の終期からの期間に対応する記録結果を示すデータを前記予測データとして取得する、
請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
ユーザーを認証する認証処理部を備え、
前記職業情報取得部は、前記認証処理部によって認証されるユーザーに関するユーザー情報が予め格納される第2記憶部から前記職業情報を取得する、
請求項1~3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記予測データ及び前記基準時における前記消耗品の残量に基づいて特定される前記消耗品の残量が予め定められた閾値以下になる不足タイミングを報知する報知処理部を備える、
請求項1~4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記単位時間は1日であって、
前記特定時間は1週間、1か月、又は1年の整数倍の時間である、
請求項1~5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
画像形成装置による予め定められた単位時間ごとの消耗品の消費量を記録する記録ステップと、
前記記録ステップによる記録結果のうち予め定められた基準時よりも予め定められた特定時間前の参照時までの第1期間に対応する第1記録結果及び前記基準時までの予め定められた第2期間に対応する第2記録結果の比較結果に基づいて、前記基準時からの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量を示す予測データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される前記予測データを出力する出力ステップと、
ユーザーの職業を示す職業情報を取得する職業情報取得ステップと、
を含み、
前記記録ステップでは、前記画像形成装置により実行される印刷ジョブ各々に対応する当該印刷ジョブの実行日時及び当該印刷ジョブで消費される前記消耗品の消費量を含むログデータが予め定められた第1記憶部に格納されることにより、前記画像形成装置による前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量が記録され、
前記ログデータは、前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーに対応する前記職業情報を含み、
前記取得ステップでは、前記第1記憶部に格納された前記ログデータのうち予め定められた特定職業を示す前記職業情報を含む第1ログデータに基づいて取得される第1予測データと、前記第1記憶部に格納された前記ログデータのうち前記第1ログデータとは異なる第2ログデータに基づいて取得される第2予測データとが組み合わせられることにより、前記予測データが取得される予測データ出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、及び予測データ出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーなどの消耗品を用いて画像を形成する画像形成装置が知られている。また、日毎の前記消耗品の消費量の記録結果に基づいて、現在からの前記消耗品の消費量を予測する画像形成装置が関連技術として知られている(特許文献1参照)。具体的に、この関連技術に係る画像形成装置では、上記記録結果に含まれる一年前の日からの日毎の前記消耗品の消費量が、現在からの日毎の前記消耗品の予測消費量として取得される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-109202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、年毎に開催される前記消耗品の消費量が増加するイベントのスケジュールが年毎に変動する場合に、前記消耗品の消費量の予測精度が低下する。
【0005】
本発明の目的は、消耗品の消費量の予測精度を向上可能な画像形成システム、及び予測データ出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成システムは、記録処理部と、取得処理部と、出力処理部とを備える。前記記録処理部は、画像形成装置による予め定められた単位時間ごとの消耗品の消費量を記録する。前記取得処理部は、前記記録処理部による記録結果のうち予め定められた基準時よりも予め定められた特定時間前の参照時までの第1期間に対応する第1記録結果及び前記基準時までの予め定められた第2期間に対応する第2記録結果の比較結果に基づいて、前記基準時からの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量を示す予測データを取得する。前記出力処理部は、前記取得処理部によって取得される前記予測データを出力する。
【0007】
本発明の他の局面に係る予測データ出力方法は、画像形成装置による予め定められた単位時間ごとの消耗品の消費量を記録する記録ステップと、前記記録ステップによる記録結果のうち予め定められた基準時よりも予め定められた特定時間前の参照時までの第1期間に対応する第1記録結果及び前記基準時までの予め定められた第2期間に対応する第2記録結果の比較結果に基づいて、前記基準時からの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量を示す予測データを取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得される前記予測データを出力する出力ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、消耗品の消費量の予測精度を向上可能な画像形成システム、及び予測データ出力方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成システムで実行される消費量記録処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成システムで実行される予測データ出力処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の他の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の他の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の他の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る画像形成システムによる日毎の消耗品の消費量の記録結果の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成システム100]
本発明の実施形態に係る画像形成システム100は、図1に示されるように、画像形成装置10と、情報処理装置20とを含む。画像形成システム100において、画像形成装置10及び情報処理装置20は、通信ネットワーク30を介して相互に通信可能に接続されている。例えば、通信ネットワーク30は、インターネット又はLAN(ローカルエリアネットワーク)である。
【0012】
[画像形成装置10]
画像形成装置10は、消耗品を消費して画像を形成する印刷ジョブを実行する。例えば、前記消耗品はトナー及びシートを含む。
【0013】
例えば、画像形成装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置10は、プリンター、ファクシミリ装置、又はコピー機であってもよい。
【0014】
図1に示されるように、画像形成装置10は、制御部11、ADF(自動原稿搬送装置)12、画像読取部13、画像形成部14、給紙部15、操作表示部16、通信部17、及び記憶部18を備える。
【0015】
制御部11は、CPU111、ROM112、及びRAM113などの制御機器を備える。CPU111は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM112は、CPU111に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM113は、CPU111が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。制御部11では、CPU111によりROM112に予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部11により統括的に制御される。なお、制御部11は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0016】
ADF12は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部13によって画像が読み取られる原稿を搬送する。
【0017】
画像読取部13は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDを備え、原稿から画像を読み取ることが可能である。画像読取部13は、読み取った画像に対応する画像データを出力する。
【0018】
画像形成部14は、画像読取部13から出力される画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成する。また、画像形成部14は、外部の通信装置又は画像形成装置10に接続されたUSBメモリーのような記憶装置から入力される画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成する。例えば、画像形成部14は、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色に対応する複数の画像形成ユニット、光走査装置(LSU)、中間転写ベルト、二次転写ローラー、定着装置、及び排紙トレイを備える。なお、画像形成部14は、インクジェット方式でシートに画像を形成してもよい。この場合、前記消耗品はインクを含むものであってよい。
【0019】
給紙部15は、給紙カセット、手差しトレイ、及び複数の搬送ローラーを備え、画像形成部14にシートを供給する。画像形成部14は、給紙部15から供給されるシートに、画像データに基づく画像を形成する。
【0020】
操作表示部16は、制御部11からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部11に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0021】
通信部17は、通信ネットワーク30を介して接続される情報処理装置20などの外部の通信機器との間で、有線又は無線によるデータ通信を実行可能な通信インターフェイスである。
【0022】
記憶部18は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部18は、フラッシュメモリー、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリー、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0023】
記憶部18には、画像形成装置10のユーザー各々に対応する認証情報が格納されている。前記認証情報は、画像形成装置10のユーザーの認証に用いられる。例えば、前記認証情報は、ユーザー名及びパスワードである。
【0024】
[情報処理装置20]
情報処理装置20は、画像形成装置10から送信されるデータに基づく情報処理を実行して、処理結果を出力するサーバーである。
【0025】
図1に示されるように、情報処理装置20は、制御部21、操作表示部22、通信部23、第1記憶部24、及び第2記憶部25を備える。
【0026】
制御部21は、CPU211、ROM212、及びRAM213などの制御機器を備える。CPU211、ROM212、及びRAM213の構成は、それぞれ、画像形成装置10のCPU111、ROM112、及びRAM113と同様である。なお、制御部21は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、情報処理装置20を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0027】
操作表示部22は、制御部21からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部21に各種の情報を入力するキーボード、マウス、及びタッチパネルなどの操作部を有する。
【0028】
通信部23は、通信部17と同様の通信インターフェイスである。
【0029】
第1記憶部24は、記憶部18と同様の不揮発性の記憶装置である。第1記憶部24には、画像形成装置10から送信されるログデータが格納される。前記ログデータは、画像形成装置10で実行される前記印刷ジョブに関する情報を含む。具体的に、前記ログデータは、前記印刷ジョブの実行日時、当該印刷ジョブで消費される前記消耗品の消費量、及び当該印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーの職業を示す職業情報を含む。なお、前記ログデータは、前記職業情報を含まないものであってもよい。
【0030】
第2記憶部25は、記憶部18と同様の不揮発性の記憶装置である。第2記憶部25には、画像形成装置10によって認証されるユーザーに関するユーザー情報が予め格納されている。例えば、前記ユーザー情報には、ユーザーの氏名、住所、年齢、生年月日、及び職業などの情報が含まれる。例えば、ユーザーの職業には、大学生、会社員、自営業、主婦、及び無職などが含まれる。なお、第1記憶部24及び第2記憶部25は、一つの記憶装置において個別に設けられる記憶領域であってもよい。
【0031】
ところで、日毎の前記消耗品の消費量の記録結果に基づいて、現在からの前記消耗品の消費量を予測する画像形成装置が関連技術として知られている。具体的に、この関連技術に係る画像形成装置では、上記記録結果に含まれる一年前の日からの日毎の前記消耗品の消費量が、現在からの日毎の前記消耗品の予測消費量として取得される。
【0032】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、年毎に開催される前記消耗品の消費量が増加するイベントのスケジュールが年毎に変動する場合に、前記消耗品の消費量の予測精度が低下する。
【0033】
例えば、前記イベントの一例として、画像形成装置10の所在位置の近隣に存在する大学の学期末試験を挙げることができる。画像形成装置10の所在位置の近隣に存在する大学において学期末試験が開催される場合には、当該大学の学生が、講義ノートなどの試験勉強用の資料をプリント又はコピーするために、画像形成装置10を利用することが考えられる。
【0034】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成システム100では、以下に説明するように、前記消耗品の消費量の予測精度を向上させることが可能である。
【0035】
具体的に、画像形成装置10の制御部11は、図1に示されるように、認証処理部41、職業情報取得部42、記録処理部43、及び報知処理部46を含む。制御部11は、予めROM112又は記憶部18に格納された前記制御プログラムを実行することにより、認証処理部41、職業情報取得部42、記録処理部43、及び報知処理部46として機能する。
【0036】
また、情報処理装置20の制御部21は、図1に示されるように、取得処理部44、出力処理部45、及び制限処理部47を含む。制御部21は、予めROM212、第1記憶部24、又は第2記憶部25に格納された前記制御プログラムを実行することにより、取得処理部44、出力処理部45、及び制限処理部47として機能する。
【0037】
認証処理部41は、画像形成装置10のユーザーを認証する。
【0038】
具体的に、認証処理部41は、記憶部18に格納されている前記認証情報を用いて、画像形成装置10のユーザーを認証する。
【0039】
例えば、認証処理部41は、操作表示部16における予め定められたユーザーの操作に応じて、予め定められた認証操作に用いられる認証画面を操作表示部16に表示させる。そして、認証処理部41は、前記認証画面において前記認証操作を受け付ける。
【0040】
例えば、前記認証操作は、操作表示部16を用いてユーザー名及びパスワードを入力する操作である。なお、前記認証操作は、予めユーザー名及びパスワードが登録されたICカードを画像形成装置10の表面における所定の位置にかざす操作であってもよい。この場合、認証処理部41は、当該ICカードとの間で予め定められた近距離無線通信を実行して、当該ICカードから当該ICカードに登録された情報を入力情報として取得すればよい。
【0041】
その後、認証処理部41は、前記認証操作によって入力された情報が記憶部18に格納されている前記認証情報のいずれかと一致する場合に、ユーザーを認証する。つまり、当該ユーザーを画像形成装置10にログインさせる。
【0042】
なお、認証処理部41は、操作表示部16において予め定められたログアウト操作が行われた場合、予め設定された時間が経過した場合、又は他のユーザーをログインさせる場合に、現在ログイン中のユーザーをログアウトさせるログアウト処理を実行する。
【0043】
職業情報取得部42は、画像形成装置10のユーザーの職業を示す前記職業情報を取得する。
【0044】
例えば、職業情報取得部42は、認証処理部41によって認証されるユーザーに関する前記ユーザー情報が予め格納される情報処理装置20の第2記憶部25から前記職業情報を取得する。なお、前記ICカードに前記ユーザー情報が格納されていてもよい。つまり、本発明の第2記憶部は、前記ICカードに含まれる前記ユーザー情報が格納される記憶装置であってもよい。また、職業情報取得部42は、ユーザーの職業の入力に用いられる職業入力画面を操作表示部16に表示させて、当該職業入力画面において入力された情報を前記職業情報として取得してもよい。
【0045】
記録処理部43は、画像形成装置10による予め定められた単位時間ごとの前記消耗品の消費量を記録する。
【0046】
ここで、前記単位時間は1日である。なお、前記単位時間は、12時間及び1週間のような1日とは異なる長さの時間であってもよい。
【0047】
具体的に、記録処理部43は、画像形成装置10により実行される前記印刷ジョブ各々に対応する前記ログデータを情報処理装置20の第1記憶部24に格納することにより、前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量を記録する。
【0048】
例えば、記録処理部43は、前記印刷ジョブが実行される場合に、当該印刷ジョブに対応する前記ログデータを生成する。具体的に、記録処理部43は、前記印刷ジョブで消費される前記消耗品の消費量を取得して、取得された前記消耗品の消費量及び職業情報取得部42によって取得された前記職業情報を含む前記ログデータを生成する。そして、記録処理部43は、生成された前記ログデータを情報処理装置20の第1記憶部24に格納する。なお、記録処理部43は、公知の手法を用いて前記消耗品の消費量を取得すればよい。
【0049】
なお、記録処理部43は、前記ログデータに替えて、1日における前記消耗品の消費量、及び当該消費量の取得日時を含む消費量データを情報処理装置20の第1記憶部24に格納することにより、前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量を記録してもよい。例えば、記録処理部43は、予め定められた時刻が到来するごとに、現在の前記消耗品の残量と24時間前の前記消耗品の残量とに基づいて過去24時間における前記消耗品の消費量を取得してもよい。そして、記録処理部43は、取得された前記消耗品の消費量と現在の日時とを含む前記消費量データを情報処理装置20の第1記憶部24に格納してもよい。
【0050】
図4及び図5には、記録処理部43によって記録された前記単位時間(1日)ごとの前記消耗品の消費量の一例が示されている。具体的に、図4には、後述する参照時を含む期間における前記単位時間(1日)ごとの前記消耗品の消費量が示されている。また、図5には、後述する基準時までの期間における前記単位時間(1日)ごとの前記消耗品の消費量が示されている。
【0051】
また、図6及び図7には、記録処理部43によって記録された前記単位時間(1日)ごとの前記消耗品の消費量の他の一例が示されている。
【0052】
また、図8及び図9には、記録処理部43によって記録された前記単位時間(1日)ごとの前記消耗品の消費量の他の一例が示されている。
【0053】
取得処理部44は、予め定められた基準時からの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量を示す予測データを取得する。
【0054】
ここで、前記基準時は現在である。なお、前記基準時は、画像形成装置10において最後に前記消耗品を消費したタイミングから現在までの間の任意にタイミングであってもよい。
【0055】
具体的に、取得処理部44は、記録処理部43による記録結果のうち、前記基準時よりも予め定められた特定時間前の参照時までの第1期間(図4参照)に対応する第1記録結果X11(図4参照)、及び前記基準時までの予め定められた第2期間(図5参照)に対応する第2記録結果X12(図5参照)の比較結果に基づいて、前記予測データを取得する。
【0056】
ここで、前記特定時間は1年である。なお、前記特定時間は、1週間、又は1か月であってもよい。また、前記特定時間は、1週間、1か月、又は1年の整数倍の時間であってもよい。また、前記特定時間は、以上に述べた時間とは異なる長さの時間であってもよい。
【0057】
また、前記第2期間は、前記基準時から5日前を始期とし、前記基準時を終期とする5日間の期間である(図5参照)。なお、前記第2期間は、前記基準時を終期とする任意の長さの期間であってよい。
【0058】
また、前記第1期間は、前記第2期間と同じ長さの期間である。なお、前記第1期間は、前記第2期間とは異なる長さの期間であってもよい。
【0059】
例えば、取得処理部44は、予め定められた判定条件に基づいて、第1記録結果X11(図4参照)及び第2記録結果X12(図5参照)が類似であるか否かを判定する。
【0060】
例えば、前記判定条件は、前記第2期間に含まれる日各々について、当該日における前記消耗品の消費量を当該日から前記特定時間前の日における前記消耗品の消費量で除算した計算結果が、予め定められた数値範囲内に収まることである。換言すると、前記第2期間に含まれる日各々について、前記特定時間前の日との間の前記消耗品の消費量の増減率が所定値以下となることである。例えば、前記数値範囲は、0.8~1.2である。
【0061】
なお、前記判定条件は、第2記録結果X12の近似線を示す数式に含まれる項各々について、当該項の係数と当該項に対応する第1記録結果X11の近似線を示す数式に含まれる項の係数との差が当該項に予め対応付けられた許容値以下であることであってもよい。また、前記判定条件は、第1記録結果X11及び第2記録結果X12が類似であるか否かを判定するための任意の条件であってよい。
【0062】
図4及び図5には、取得処理部44によって類似であると判定される第1記録結果X11及び第2記録結果X12が示されている。また、図6及び図7には、取得処理部44によって非類似であると判定される第1記録結果X11及び第2記録結果X12が示されている。また、図8及び図9には、取得処理部44によって非類似であると判定される第1記録結果X11及び第2記録結果X12が示されている。
【0063】
そして、取得処理部44は、第1記録結果X11及び第2記録結果X12が前記判定条件に基づいて類似であると判定される場合は(図4及び図5参照)、記録処理部43による記録結果のうち、前記参照時からの第3期間(図4参照)に対応する第3記録結果X13を示すデータを前記予測データとして取得する。例えば、前記第3期間は、前記参照時から20日の期間である。なお、前記第3期間は、前記参照時を始期とする任意の長さの期間であってもよい。
【0064】
図5には、第3記録結果X13に対応する前記予測データが示す前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量が破線によって示されている。
【0065】
一方、取得処理部44は、第1記録結果X11及び第2記録結果X12が前記判定条件に基づいて非類似であると判定される場合は(図6図9参照)、記録処理部43による記録期間に含まれる前記判定条件に基づいて第2記録結果X12と類似であると判定される記録結果に対応する類似期間のうち、前記参照時に最も近い特定類似期間(図6及び図8参照)を検出する。
【0066】
そして、取得処理部44は、検出された前記特定類似期間の終期からの第4期間(図6及び図8参照)に対応する第4記録結果X14を示すデータを前記予測データとして取得する。例えば、前記第4期間は、前記第3期間と同じ長さの期間である。なお、前記第4期間は、前記特定類似期間の終期を始期とする任意の長さの期間であってもよい。
【0067】
図7には、図6に示される第4記録結果X14に対応する前記予測データが示す前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量が破線によって示されている。
【0068】
図9には、図8に示される第4記録結果X14に対応する前記予測データが示す前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量が破線によって示されている。
【0069】
なお、取得処理部44は、第1記録結果X11及び第2記録結果X12が前記判定基準に基づいて非類似であると判定される場合に、第1記録結果X11及び第2記録結果X12の差異に基づいて第3記録結果X13を修正して、修正後の第3記録結果X13を示すデータを前記予測データとして取得してもよい。また、取得処理部44は、第1記録結果X11及び第2記録結果X12が一致しない場合に、第1記録結果X11及び第2記録結果X12の差異に基づいて第3記録結果X13を修正して、修正後の第3記録結果X13を示すデータを前記予測データとして取得してもよい。また、取得処理部44は、記録処理部43による記録期間に含まれる前記第1期間が前記第2期間よりも短い場合は、当該第2期間のうち当該第2期間の終期までであって前記第1期間と同じ長さの期間における記録結果を第1記録結果X11と比較すればよい。
【0070】
ここで、取得処理部44は、第1記憶部24に格納された前記ログデータのうち予め定められた特定職業を示す前記職業情報を含む第1ログデータに基づいて取得される第1予測データと、第1記憶部24に格納された前記ログデータのうち前記第1ログデータとは異なる第2ログデータに基づいて取得される第2予測データとを組み合わせることにより、前記予測データを取得する。換言すると、取得処理部44は、前記特定職業のユーザーに対応する前記予測データである前記第1予測データと、前記特定職業以外の職業のユーザーに対応する前記予測データである前記第2予測データとを組み合わせることで、すべての職業のユーザーに対応する前記予測データを取得する。
【0071】
前記特定職業は、前記イベントの参加者が従事する職業である。例えば、前記イベントが画像形成装置10の所在位置の近隣に存在する大学の学期末試験である場合、前記特定職業は大学生である。前記特定職業は、ユーザーの操作に応じて任意に設定されてよい。
【0072】
前記ログデータを前記第1ログデータと前記第2ログデータに分けることで、前記第1ログデータには前記イベント前の前記消耗品の消費量の増加傾向がより顕著に表れる。そのため、前記第1予測データに基づいて取得される前記予測データにおける前記消耗品の消費量の予測精度をより向上させることが可能である。
【0073】
なお、取得処理部44は、前記第1予測データ及び前記第2予測データを取得することなく、第1記憶部24に格納された前記ログデータに基づいて、すべての職業のユーザーに対応する前記予測データを取得してもよい。
【0074】
出力処理部45は、取得処理部44によって取得される前記予測データを出力する。
【0075】
具体的に、出力処理部45は、前記予測データを画像形成装置10に送信する。
【0076】
なお、出力処理部45は、前記予測データを画像形成装置10とは異なる予め定められた情報処理装置に送信してもよい。
【0077】
報知処理部46は、前記予測データ及び前記基準時における前記消耗品の残量に基づいて特定される前記消耗品の残量が予め定められた閾値以下になる不足タイミングを報知する。
【0078】
なお、画像形成装置10の制御部11は、情報処理装置20から送信される前記予測データを操作表示部16に表示させてもよい。
【0079】
制限処理部47は、出力処理部45によって出力される前記予測データが示す前記基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量と、記録処理部43によって記録される当該基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量とに基づいて、取得処理部44による前記予測データの取得を制限する。
【0080】
具体的に、制限処理部47は、前記判定条件に基づいて前記予測データが示す前記基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量と記録処理部43によって記録される当該基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の消費量とが類似であると判定される間は、取得処理部44による前記予測データの取得を制限する。
【0081】
なお、制御部11は、認証処理部41、職業情報取得部42、及び報知処理部46を含んでいなくてもよい。また、制御部21は、制限処理部47を含んでいなくてもよい。
【0082】
[消費量記録処理]
以下、図2を参照しつつ、画像形成装置10において制御部11により実行される消費量記録処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部11により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記消費量記録処理は、前記印刷ジョブが実行されるごとに実行される。
【0083】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部11は、前記職業情報を取得する。ここで、ステップS11の処理は、制御部11の職業情報取得部42により実行される。
【0084】
具体的に、制御部11は、現在画像形成装置10にログインしているユーザーに対応する前記ユーザー情報を情報処理装置20の第2記憶部25から取得して、取得された前記ユーザー情報に含まれる前記職業情報を取得する。
【0085】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部11は、前記ログデータを生成する。
【0086】
具体的に、制御部11は、前記消費量記録処理の実行の引き金になった前記印刷ジョブで消費される前記消耗品の消費量を取得して、取得された前記消耗品の消費量及びステップS11で取得された前記職業情報を含む前記ログデータを生成する。
【0087】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部11は、ステップS12で生成された前記ログデータを情報処理装置20の第1記憶部24に格納する。ここで、ステップS12及びステップS13の処理が、本発明の記録ステップの一例であって、制御部11の記録処理部43により実行される。
【0088】
[予測データ出力処理]
次に、図3を参照しつつ、情報処理装置20において制御部21により実行される予測データ出力処理の手順の一例について説明する。
【0089】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部21は、予め定められた出力タイミングが到来したか否かを判断する。
【0090】
例えば、前記出力タイミングは、1日のような予め定められた周期で到来するタイミングである。なお、前記出力タイミングは、前記予測データの出力指示が入力されたタイミングであってもよい。
【0091】
ここで、制御部21は、前記出力タイミングが到来したと判断すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記出力タイミングが到来していなければ(S21のNo側)、制御部21は、ステップS21で前記出力タイミングの到来を待ち受ける。
【0092】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部21は、前記判定条件に基づいて、直前に実行された前記予測データ出力処理で出力された前記予測データが示す前記基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量と、第1記憶部24に格納された前記ログデータが示す当該基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の実測消費量とが類似であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0093】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部21は、ステップS22で実行された前記判定処理の処理結果に応じて処理を分岐させる。ここで、ステップS22、及びステップS23の処理は、制御部21の制限処理部47により実行される。
【0094】
具体的に、制御部21は、前記判定処理によって前記基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量と当該基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の実測消費量とが非類似であると判定された場合は(S23のYes側)、処理をステップS24に移行させる。
【0095】
また、制御部21は、前記判定処理によって前記基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の予測消費量と当該基準時から現在までの前記単位時間ごとの前記消耗品の実測消費量とが類似であると判定された場合は(S23のNo側)、処理をステップS21に移行させる。これにより、前記消耗品の消費量の推移が直前に出力された前記予測データに沿ったものである間の、前記予測データの取得処理を制限可能である。
【0096】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部21は、前記予測データを取得する。ここで、ステップS24の処理が、本発明の取得ステップの一例であって、制御部21の取得処理部44により実行される。
【0097】
具体的に、制御部21は、前記第1ログデータに基づいて前記第1予測データを取得する。また、制御部21は、前記第2ログデータに基づいて前記第2予測データを取得する。そして、制御部21は、取得された前記第1予測データと前記第2予測データとを組み合わせることで、前記予測データを取得する。
【0098】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部21は、ステップS24で取得された前記予測データを出力する。ここで、ステップS25の処理が、本発明の出力ステップの一例であって、制御部21の出力処理部45により実行される。
【0099】
具体的に、制御部21は、前記予測データを画像形成装置10に送信する。
【0100】
画像形成装置10の制御部11は、情報処理装置20から送信される前記予測データを受信すると、前記基準時における前記消耗品の残量及び受信した前記予測データに基づいて、前記消耗品の残量が前記閾値以下になる前記不足タイミングを特定する。そして、制御部11は、特定された前記不足タイミングを報知する。この処理は、制御部11の報知処理部46により実行される。
【0101】
このように、画像形成システム100では、1日ごとの前記消耗品の消費量の記録結果のうち、現在よりも1年前の前記参照時までの前記第1期間に対応する第1記録結果X11及び現在までの前記第2期間に対応する第2記録結果X12の比較結果に基づいて、現在からの日毎の前記消耗品の予測消費量を示す前記予測データが取得される。従って、1日ごとの前記消耗品の消費量の記録結果のうち、前記参照時からの記録結果がそのまま前記予測データとして取得される構成と比較して、前記消耗品の消費量の予測精度を向上させることが可能である。
【0102】
なお、情報処理装置20の制御部21に代わって、画像形成装置10の制御部11が、取得処理部44、出力処理部45、及び制限処理部47を備えていてもよい。また、画像形成装置10は、第1記憶部24及び第2記憶部25を備えていてもよい。この場合、画像形成装置10は、本発明の画像形成システムの他の一例である。
【符号の説明】
【0103】
10 画像形成装置
11 制御部
12 ADF
13 画像読取部
14 画像形成部
15 給紙部
16 操作表示部
17 通信部
18 記憶部
20 情報処理装置
21 制御部
22 操作表示部
23 通信部
24 第1記憶部
25 第2記憶部
30 通信ネットワーク
41 認証処理部
42 職業情報取得部
43 記録処理部
44 取得処理部
45 出力処理部
46 報知処理部
47 制限処理部
100 画像形成システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9