(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20240625BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240625BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F3/0488
B41J29/42 F
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2020104699
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】東山崎 健太
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-506476(JP,A)
【文献】特開平11-338600(JP,A)
【文献】特許第6034649(JP,B2)
【文献】特許第5934487(JP,B2)
【文献】特開2013-141795(JP,A)
【文献】特開2003-99171(JP,A)
【文献】特許第5953321(JP,B2)
【文献】特許第5561290(JP,B2)
【文献】特許第6076320(JP,B2)
【文献】特開2020-3909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 - 3/04895
B41J 29/00 - 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
表示部と、
前記表示部に重ねて配置されているタッチパネルと、
予め定められた設定項目について設定されている設定値にしたがってジョブを実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記情報処理装置で実行する機能についての設定項目のうち、設定値が数値によって構成される設定項目を示す画像を、前記表示部に表示させている設定画面に表示させ、表示させている前記設定項目を示すいずれかの画像に対するタッチ操作が前記タッチパネルによって検出されたときに、
前記タッチパネルによって、相互に離間する複数の入力ポイントが検出されると、前記表示部に、前記複数の入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、予め定められた数値を示す数値画像をそれぞれ表示させ、
前記タッチパネルによって前記複数の入力ポイントのうちのいずれかの移動が検出されると、移動が検出された入力ポイントに対応する位置に表示されている前記数値画像を、前記入力ポイントの移動方向に応じて、前記予め定められた数値とは異なる他の数値を示す数値画像に変更し、
複数の前記数値画像のそれぞれが示す数値を、前記設定値を構成する各桁の数値として受付ける、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の入力ポイントの数が、前記設定値について入力可能な最大桁数を超えている場合に、前記複数の入力ポイントから、前記最大桁数分の入力ポイントを選択し、選択された前記最大桁数分の入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、前記数値画像をそれぞれ表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の入力ポイントの数が、前記設定値について入力可能な最大桁数未満である場合に、入力ポイントの数が前記最大桁数と同じになるように新たな入力ポイントを追加し、前記複数の入力ポイントのそれぞれに対応する位置と、追加された前記新たな入力ポイントに対応する位置に、前記数値画像をそれぞれ表示させる、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記タッチパネルによって、前記複数の入力ポイントのうち、前記新たな入力ポイントに最も近い入力ポイントの移動が検出されると、前記入力ポイントの移動方向及び移動量に応じて、移動が検出された前記入力ポイントに対応する位置に表示されている前記数値画像、及び、前記新たな入力ポイントに対応する位置に表示されている前記数値画像の少なくともいずれかを、前記他の数値を示す数値画像に変更する、請求項3に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、設定値を入力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
設定値を入力するための入力キーとして、ハードキーではなく、ソフトキーを用いるための技術が知られている。例えば、特許文献1は、タッチパネルディスプレイに、操作を受付けない状態であることを示す透明な状態で、ソフトウェアキーボードを他の画像の上に重ねて表示させておき、切替え部に対するタッチ操作を検出した場合に、操作を受付け可能な状態であることを示す不透明な状態で、ソフトウェアキーボードを表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、テンキーを用いて設定値を入力する場合、テンキーの並び順が数値の増減についてのユーザーの感覚と一致していないと、ユーザーは、直感的に設定値を入力できない。また、タッチパネルに対するフリック等のスライド操作を用いて設定値の数値を変更する場合、ユーザーは直感的に数値を増減できるものの、設定値の桁数が多いと、設定値の入力に要するフリック操作の回数が多くなってしまい、手間がかかる。特許文献1に開示されている技術は、単に、ソフトウェアキーボードの表示状態の切替えを行なうものであり、上記した問題を解決できない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、設定値を直感的に入力できるようにするとともに、設定値の入力に要するユーザーの手間を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る情報処理装置は、表示部と、表示部に重ねて配置されているタッチパネルと、予め定められた設定項目について設定されている設定値にしたがってジョブを実行する制御部と、を備える。制御部は、タッチパネルによって、相互に離間する複数の入力ポイントが検出されると、表示部に、複数の入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、予め定められた数値を示す数値画像をそれぞれ表示させ、タッチパネルによって複数の入力ポイントのうちのいずれかの移動が検出されると、移動が検出された入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像を、入力ポイントの移動方向に応じて、予め定められた数値とは異なる他の数値を示す数値画像に変更し、複数の数値画像のそれぞれが示す数値を、設定値を構成する各桁の数値として受付ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーは、例えばタッチパネル上で複数本の指を所望の方向に移動させるといった簡単な操作を行なうことによって、設定値を構成する数値を桁ごとに変更できる。したがって、テンキーを介して数値を入力する場合と比較して、直感的に数値を変更できる。また、桁ごとに数値変更ができない場合と比較して、少ない操作回数で桁数の大きい設定値を設定できるので、設定値の入力に要するユーザーの手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3A】数値画像表示処理を示すフローチャートである。
【
図3B】数値画像表示処理を示すフローチャートである。
【
図9】入力ポイント数が最大桁数を超える場合における数値画像の表示例を示す図である。
【
図10】入力ポイント数が最大桁数未満である場合における数値画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置としての画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図1及び
図2を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備えている複合機である。画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0010】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0011】
制御ユニット100は、ROM又はHDD18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。
【0012】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等との通信を制御する。制御部10はまた、後述する表示プログラムにしたがって動作することによって、タッチパネル16によって、相互に離間する複数の入力ポイントが検出されると、表示部15に、複数の入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、予め定められた数値を示す数値画像をそれぞれ表示させ、タッチパネル16によって入力ポイントの移動が検出されると、移動が検出された入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像を、入力ポイントの移動方向に応じて、予め定められた数値とは異なる他の数値を示す数値画像に変更し、複数の数値画像のそれぞれが示す数値を、設定値を構成する各桁の数値として受付けるための数値画像表示処理を実行する。
【0013】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、タッチパネル16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0014】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読取って、原稿画像を示す画像データを生成する。
【0015】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は、通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙Pに、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0016】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙Pに定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙Pは、排出トレイ8に排出される。
【0017】
給紙部14は、手差しトレイ、第1給紙カセット14A、第2給紙カセット14B、及び第3給紙カセット14Cを備える。給紙部14は、第1給紙カセット14A乃至第3給紙カセット14Cに収容されている記録紙P、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して、搬送路Tに給紙する。
【0018】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、制御部10の制御にしたがって、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての各種の画面を表示する。
【0019】
タッチパネル16は、表示部15に重ねて配置されている。ユーザーは、タッチパネル16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての指示等の各種の情報を入力する。
【0020】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と電気的に接続されている搬送モーターとを含む。搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等は、搬送路Tに沿って配置されている。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、画像形成部12及び排出トレイ8に向けて、給紙部14によって給紙された記録紙Pを搬送路Tに沿って搬送させる。
【0021】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD18は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る数値画像表示処理を実行するための表示プログラムを記憶している。
【0022】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0023】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC23等とデータ通信を行なう。通信部22は、特許請求の範囲における画像入力部の一例である。
【0024】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0025】
[画像形成装置1の動作]
図3A及び
図3Bは、数値画像表示処理を示すフローチャートである。
図4は、設定画面の一例を示す図である。
図5は、項目画像の一例を示す図である。
図6は、項目画像の表示態様の一例を示す図である。
図7乃至
図9は、数値画像の一例を示す図である。以下、
図3乃至
図9等を参照して、数値画像表示処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。なお、以下の説明において、画像形成装置1は、電源が投入されている状態であるものとする。
【0026】
画像形成装置1のユーザーは、タッチパネル16を用いて、画像形成装置1が実行可能な複数の機能のうちから、コピー機能を選択するための選択指示を入力したものとする。制御部10は、タッチパネル16を介して上記選択指示を受付けると、
図4に示すように、コピー機能に関する複数の設定項目のそれぞれについて設定値を設定するための設定画面40を、表示部15に表示させる。このとき、コピー機能に関する複数の設定項目のそれぞれについては、デフォルトの設定値が設定されているものとする。
【0027】
ユーザーは、設定画面40を確認して、キー41をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって、キー41に対するタッチ操作(以下、「第1タッチ操作」と記す。)が検出されると、
図3Aに示す数値画像表示処理を開始して、表示部15に対し、コピー機能に関する複数の設定項目のうち、設定値が数値によって構成される設定項目を示す画像(以下、「項目画像」と記す。)を、予め定められた第1領域である設定画面40の長手方向中央部に表示させる(ステップS10)。
【0028】
この場合、
図5に示すように、制御部10は、表示部15に対し、「倍率」という設定項目を示す項目画像51、及び、「部数」という設定項目を示す項目画像52等を含む複数の項目画像を、設定画面40の短手方向に沿って一列に並べて、設定画面40の長手方向中央部に表示させる。このとき、制御部10は、複数の項目画像を、全て同じサイズで表示させている。ここで、「部数」という設定項目についての設定値は、最大「999」という三桁の数値まで設定できるものとする。「倍率」という設定項目についての設定値は、最大「400」という三桁の数値まで設定できるものとする。
【0029】
ステップS10の処理後、制御部10は、項目画像に対するタッチ操作(以下、「第2タッチ操作」と記す。)を検出するか、キー41に対する更なる第1タッチ操作を検出するまで、第2タッチ操作を検出していないと判定する処理(ステップS11にてNO)、及び、更なる第1タッチ操作を検出していないと判定する処理(ステップS12にてNO)を繰返す。
【0030】
ここで、ユーザーは、項目画像52をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって項目画像52に対するタッチ操作が検出されると(ステップS11にてYES)、タッチされた項目画像52を、他の項目画像とは異なる表示態様で表示部15に表示させる(ステップS13)。この場合、制御部10は、
図6に示すように、表示部15に、項目画像52を他の項目画像よりも大きいサイズで表示させるとともに、項目画像52を囲む枠状の線画像61を表示させる。
【0031】
ステップS13の処理後、制御部10は、設定画面40における複数の項目が表示されていない領域(以下、「第2領域」と記す。)において入力ポイントを検出するまで、入力ポイントを検出していないと判定する処理(ステップS14にてNO)を繰返す。ここで、入力ポイントとは、タッチパネル16上で、ユーザーの指が接触した部分を示す。
【0032】
ここで、ユーザーは、右手の中指、薬指、及び小指によって、設定画面40の長手方向一端側の第2領域をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって上記第2領域における入力ポイントが検出されると(ステップS14にてYES)、相互に離間する入力ポイントの数が、項目画像52が示す設定項目の設定値について入力可能な最大桁数以下であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0033】
ここで、制御部10は、設定画面40の長手方向一端側から他端側に向けての並び順にしたがって、入力ポイントの順序を認識するものとする。この場合、制御部10は、小指が触れている入力ポイントを第1入力ポイントとして認識し、薬指が触れている入力ポイントを第2入力ポイントとして認識し、中指が触れている入力ポイントを第3入力ポイントとして認識する。
【0034】
したがって、入力ポイント数は「3」となる。また、「部数」という設定項目についての最大桁数は「3」であるので、制御部10は、入力ポイント数が最大桁数以下であると判定し(ステップS15にてYES)、表示部15に、各入力ポイントに対応する位置に、「0」から「9」までの数値のうち予め定められた数値を示す数値画像を表示させる(ステップS16)。
【0035】
この場合、
図7に示すように、制御部10は、表示部15に対し、第1入力ポイントに対応する位置に、「1」を示す数値画像71Aを表示させ、第2入力ポイントに対応する位置に、「0」を示す数値画像72Aを表示させ、第3入力ポイントに対応する位置に、「0」を示す数値画像73Aを表示させたものとする。
【0036】
ステップS16の処理後、制御部10は、入力ポイントの移動を検出するか、又は、項目画像52に対する更なる第2タッチ操作を検出するまで、入力ポイントの移動を検出していないと判定する処理(ステップS17にてNO)、及び、更なる第2タッチ操作を検出していないと判定する処理(ステップS18にてNO)を繰返す。
【0037】
ここで、ユーザーは、小指を、第1入力ポイントから、設定画面40の短手方向一端側に向かう方向X1にスライドしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって上記したスライド操作による入力ポイントの移動が検出されると(ステップS17にてYES)、入力ポイントの移動方向に応じて、移動が検出された入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像を、入力ポイントの移動方向に応じて変更する(ステップS19)。
【0038】
ここで、制御部10は、入力ポイントの移動方向が方向X1である場合、移動が検出された入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像を、移動が検出された時点で示していた数値よりも「1」減少させた数値を示す数値画像に変更するものとする。制御部10はまた、入力ポイントの移動方向が、設定画面40の短手方向他端側に向かう方向X2である場合、移動が検出された入力ポイントに対応する数値画像を、移動が検出された時点で示していた数値よりも「1」増加させた数値を示す数値画像に変更するものとする。
【0039】
この場合、制御部10は、
図8に示すように、移動が検出された第1入力ポイントに対応する位置に表示されている「1」を示す数値画像71Aを、「0」を示す数値画像71Bに変更する。ステップS19の処理後、制御部10は、ステップS17の処理に戻る。
【0040】
ユーザーは次いで、第2入力ポイントから方向X2に向けて薬指をスライドする操作を、二回繰り返して行なったものとする。この場合、制御部10は、入力ポイントの移動を検出したと判定する処理(ステップS17にてYES)及びステップS19の処理を二回繰り返して実行して、移動された第2入力ポイントに対応する位置に表示されている「0」を示す数値画像72Aを、「1」を示す数値画像に変更し、さらに「2」を示す数値画像72Bに変更する。
【0041】
ユーザーは次いで、中指を、第3入力ポイントから方向X2に向けて一回スライドしたものとする。この場合、制御部10は、入力ポイントの移動を検出したと判定する処理(ステップS17にてYES)及びステップS19の処理を実行して、移動された第3入力ポイントに対応する位置に表示されている「0」を示す数値画像73Aを、「1」を示す数値画像73Bに変更する。
【0042】
ユーザーは、数値画像71B,72B,73Bを確認して、項目画像52をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって、項目画像52に対する更なる第2タッチ操作が検出されると(ステップS18にてYES)、
図3Bに示すように、各数値画像が示す数値を、項目画像52が示す設定項目についての設定値を構成する各桁の数値として受付ける(ステップS20)。
【0043】
この場合、制御部10は、数値画像71Bが示す数値を、設定値を構成する一桁目の数値として受付け、数値画像72Bが示す数値を、設定値を構成する二桁目の数値として受付け、数値画像73Bが示す数値を、設定値を構成する三桁目の数値として受付ける。したがって、制御部10は、「120」という数値を、項目画像52が示す「部数」という設定項目についての設定値として受付ける。
【0044】
ステップS20の処理後、制御部10は、表示部15に対し、受付けた設定値を、設定画面40の予め定められた第3領域に表示させる(ステップS21)。この場合、制御部10は、表示部15に対し、受付けた「120」という設定値を、「部数」という設定項目についての設定値を表示するための第3領域42に表示させる。
【0045】
ステップS21の処理後、制御部10は、表示部15に、全ての数値画像の表示を終了させるとともに、項目画像52を元の表示態様で表示させる(ステップS22)。この場合、制御部10は、表示部15に対し、数値画像71B,72B,73Bの表示を終了させるとともに、項目画像52を、他の項目画像のサイズと同じサイズで表示させるとともに、線画像61の表示を終了させる。これによって、設定画面40の状態は、
図5に示す状態に戻る。ステップS22の処理後、制御部10は、ステップS11の処理に戻る。
【0046】
ユーザーは、第3領域42に表示されている設定値を確認して、キー41を再びタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16を介して、キー41に対する更なる第1タッチ操作を検出すると(ステップS12にてYES)、表示部15に、全ての項目画像の表示を終了させる(ステップS23)。この場合、制御部10は、表示部15に、項目画像51,52を含む全ての項目画像の表示を終了させる。これによって、設定画面40の状態は、
図4に示す状態に戻る。ステップS23の処理後、制御部10は、数値画像表示処理を終了する。
【0047】
ユーザーは、プラテンガラス7に原稿を載置して、設定画面40のスタートキー44をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16を介してキー44に対するタッチ操作を検出すると、コピー機能に関する複数の設定項目のそれぞれについて設定されている設定値にしたがって、画像読取部11に、プラテンガラス7に載置されている原稿を読取らせて画像データを生成させ、次いで、画像形成部12等に、生成された画像データが示す原稿画像を記録紙Pに形成させるコピージョブを実行する。これによって、120部の印刷物が出力される。
【0048】
一方、例えば、ユーザーが、右手の人差し指、中指、薬指、及び小指によって、設定画面40の長手方向一端側の第2領域をタッチし、タッチパネル16によって検出された入力ポイントの数が「4」である場合、制御部10は、入力ポイント数が最大桁数を超えていると判定し(ステップS15にてNO)、検出された複数の入力ポイントから、最大桁数分の隣接する入力ポイントを選択する(ステップS24)。
【0049】
この場合、制御部10は、
図9に示すように、タッチパネル16において小指が触れている第1入力ポイント、薬指が触れている第2入力ポイント、中指が触れている第3入力ポイント、及び、人差し指が触れている第4入力ポイントから、第2乃至第4入力ポイントを選択したものとする。ステップS24の処理後、制御部10は、ステップS16の処理に進む。
【0050】
この場合、制御部10は、ステップS16において、表示部15に、第2入力ポイントに対応する位置に数値画像71Aを表示させ、第3入力ポイントに対応する位置に数値画像72Aを表示させ、第4入力ポイントに対応する位置に数値画像73Aを表示させる。ステップS16の処理後、制御部10は、上記と同様にして、ステップS17以降の処理を実行する。
【0051】
上記実施形態によれば、制御部10は、タッチパネル16によって、相互に離間する第1乃至第3入力ポイントが検出されると、表示部15に、第1乃至第3入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、数値画像71A,72A,73Aをそれぞれ表示させ、タッチパネル16によって、例えば、第1入力ポイントの方向X1への移動が検出されると、第1入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像71Aを数値画像71Bに変更する。制御部10は、数値画像71B,72B,73Bのそれぞれが示す数値を、設定値を構成する各桁の数値として受付け、受付けた設定値にしたがって、コピージョブを実行する。
【0052】
これによって、ユーザーは、タッチパネル16上で複数本の指を、方向X1及び方向X2のうちの所望の方向に移動させるといった簡単な操作を行なうことによって、設定値を構成する数値を桁ごとに変更できる。したがって、テンキーを介して数値を入力する場合と比較して、直感的に数値を変更できる。また、桁ごとに数値変更ができない場合と比較して、少ない操作回数で桁数の大きい設定値を設定できるので、設定値の入力に要するユーザーの手間を減らすことができる。
【0053】
また上記実施形態によれば、制御部10は、入力ポイントの数が「4」であり、設定値について入力可能な最大桁数である「3」を超えている場合に、第1乃至第4入力ポイントから、最大桁数分の第2乃至第4入力ポイントを選択し、選択された第2乃至第4入力ポイントのそれぞれに対応する位置に、数値画像71A,数値画像72A,73Aをそれぞれ表示させる。
【0054】
これによって、ユーザーは、最大桁数を把握していない場合であっても、入力可能な桁数を誤ることなく設定値を入力できるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0055】
(第1変形例)
上記実施形態では、制御部10は、入力ポイントの数が、設定値について入力可能な最大桁数以下である場合に、表示部15に、検出された全ての入力ポイントのそれぞれに対応する位置に数値画像をそれぞれ表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。
【0056】
上記実施形態の第1変形例では、制御部10は、入力ポイントの数が最大桁数と同一である場合には、上記実施形態と同様にして、検出された全ての入力ポイントのそれぞれに対応する位置に数値画像をそれぞれ表示させる。一方、入力ポイントの数が最大桁数未満である場合には、入力ポイントの数が最大桁数と同じになるように新たな入力ポイントを追加し、検出された全ての入力ポイントのそれぞれに対応する位置と、追加された新たな入力ポイントに対応する位置とに、数値画像をそれぞれ表示させる。
【0057】
図10は、入力ポイント数が最大桁数未満である場合の、数値画像の表示例を示す図である。例えば、
図10に示すように、ユーザーが、右手の中指及び薬指によって、設定画面40の長手方向一端側の第2領域をタッチしたものとする。この場合、タッチパネル16によって、薬指が触れている第1入力ポイント、及び、中指が触れている第2入力ポイントが検出され、入力ポイント数は「2」となるので、制御部10は、入力ポイント数が最大桁数である「3」未満であると判定して、入力ポイントの数が「3」となるように、第2入力ポイントに隣接する新たな入力ポイントを追加する。制御部10は次いで、第1入力ポイントに対応する位置に数値画像71Aを表示させ、第2入力ポイントに対応する位置に数値画像72Aを表示させ、新たな入力ポイントに対応する位置に数値画像73Aを表示させる。
【0058】
これによって、ユーザーは、最大桁数を把握していない場合であっても、最大桁数を容易に知ることができるので、ユーザーの利便性がさらに向上する。
【0059】
なお、この場合、タッチパネル16に接触している指の数と、表示されている数値画像の数とが一致しないが、制御部10は、新たな入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像73Aを変更するための処理として、以下に示す(i)又は(ii)の処理を実行する。(i)の処理では、制御部10は、タッチパネル16によって新たな入力ポイントの移動が検出されると、新たな入力ポイントの移動方向に応じて、数値画像73Aを、他の数値を示す数値画像に変更する。
【0060】
例えば、ユーザーが、新たな入力ポイントに相当する位置を右手の人差し指でタッチし、当該人差し指を、「0」の数値を「5」分進めるだけの回数又は距離だけ、方向X2にスライドしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって上記スライド操作に応じた新たな入力ポイントの移動が検出されると、「0」を示す数値画像73Aを、「5」という数値を示す他の数値画像に変更する。
【0061】
一方、(ii)の処理では、制御部10は、タッチパネル16によって、新たな入力ポイントに最も近い第2入力ポイントの移動が検出されると、第2入力ポイントの移動方向に応じて、第2入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像72A及び新たな入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像73Aのうちの少なくともいずれかを変更する。
【0062】
例えば、
図10に示すように、数値画像72A及び数値画像73Aの組合せで「00」という数値が示されているときに、ユーザーが、第2入力ポイントをタッチしている右手の中指を、上記「00」の数値を「15」分進めるだけの回数又は距離だけ、方向X2にスライドしたものとする。制御部10は、タッチパネル16によって上記スライド操作に応じた第2入力ポイントの移動が検出されると、数値画像72A及び数値画像73Aを、「15」という数値を示す2つの数値画像の組合せに変更する。
【0063】
(ii)の処理を行なうことによって、ユーザーは、新たな入力ポイントに対応する位置に表示されている数値画像73Aを、最初にタッチパネル16に接触させた指のみを用いて変更できるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0064】
(第2変形例)
また上記実施形態では、ユーザーは、右手の指によって、設定画面40の長手方向一端側の第2領域をタッチしたが、例えば、ユーザーが、左手の指によって、設定画面40の長手方向一端側の第2領域をタッチすることも想定される。
【0065】
上記実施形態の第2変形例では、制御部10は、設定画面40の長手方向一端側の第2領域における入力ポイントを検出した場合には、ユーザーが右利きであると判定し、上記実施形態と同様に処理を実行する。一方、制御部10は、設定画面40の長手方向他端側の第2領域における入力ポイントを検出した場合には、ユーザーが左利きであると判定し、設定画面40の長手方向他端側から一端側に向けての並び順にしたがって、入力ポイントの順序を認識する点以外は、上記実施形態と同様に処理を実行する。
【0066】
図11は、第2変形例に係る数値画像の他の一例を示す図である。例えば、
ユーザーが、左手の中指、薬指、及び小指によって、設定画面40の長手方向他端側の第2領域をタッチしたものとする。この場合、制御部10は、設定画面40の長手方向他端側から一端側に向けての並び順にしたがって、入力ポイントの順序を認識する。すなわち、制御部10は、小指が触れている入力ポイントを第1入力ポイントとして認識し、薬指が触れている入力ポイントを第2入力ポイントとして認識し、中指が触れている入力ポイントを第3入力ポイントとして認識する。
【0067】
制御部10は次いで、表示部15に、第1入力ポイントに対応する位置に数値画像71Aを表示させ、第2入力ポイントに対応する位置に数値画像72Aを表示させ、第3入力ポイントに対応する位置に数値画像73Aを表示させる。これによって、例えば、
図11に示す数値画像71A,72A,73Aは、
図7に示す数値画像71A,72A,73Aに対して、設定画面40の長手方向中央において短手方向に沿って伸びる中央線L1に対して線対称になるように、表示部15に表示される。
【0068】
これによって、ユーザーの利き手に応じて数値画像の表示位置が変更されるので、ユーザーの利便性がさらに向上する。
【0069】
(その他の変形例)
上記実施形態では、制御部10は、異なる表示態様として、タッチされた項目画像52のサイズを変更して表示部15に表示させるとともに、線画像61を表示させたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、タッチされた項目画像52の色を、他の項目画像とは異なる色で表示させてもよい。
【0070】
また上記実施形態では、制御部10は、一度のスライド操作で、数値が「1」だけ増加又は減少するように数値画像を変更したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、スライド操作の速度又は距離等に応じた分だけ数値が増加又は減少するように、数値画像を変更してもよい。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、情報処理装置として、カラー複合機である画像形成装置1を用いているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよいし、タブレット端末、又は、スマートフォン等の他の装置が用いられてもよい。
【0072】
また、
図1乃至
図11を用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成装置
10 制御部
15 表示部
16 タッチパネル