(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 53/30 20230101AFI20240625BHJP
H10B 53/40 20230101ALI20240625BHJP
【FI】
H10B53/30
H10B53/40
(21)【出願番号】P 2020112066
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】520233375
【氏名又は名称】富士通セミコンダクターメモリソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】永井 孝一
(72)【発明者】
【氏名】王 文生
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0342953(US,A1)
【文献】特開平03-293775(JP,A)
【文献】特開平07-161932(JP,A)
【文献】特開2005-277156(JP,A)
【文献】特開平02-002512(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0023844(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 53/30
H10B 53/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面
及び前記第1主面とは反対側の第2主面を備えた強誘電体膜と、
前記強誘電体膜に接触する第1電極
、第2電極
、第3電極及び第4電極と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記強誘電体膜の前記第1電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第2電極に接触する部分とは互いに重なら
ず、
前記平面視で、前記強誘電体膜の前記第3電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第4電極に接触する部分とは互いに重ならず、
前記第3電極は前記平面視で前記第2電極と重なる部分を備え、
前記第4電極は前記平面視で前記第1電極と重なる部分を備え、
前記第1電極の前記第4電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、
前記第2電極の前記第3電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、
前記第3電極の前記第2電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、
前記第4電極の前記第1電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、
前記第1電極及び前記第4電極に共通の第1電圧が印加され、
前記第2電極及び前記第3電極に共通の第2電圧が印加され、
前記第1電圧と前記第2電圧とが相違することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記平面視で、前記第1電極及び前記第2電極は、互いから離れた位置で前記強誘電体膜に接触することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
基板の上方に、第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜をエッチングして、下部電極
、第1電極
及び第3電極を形成する工程と、
前記下部電極及び前記第1電極の上に第1主面
及び前記第1主面とは反対側の第2主面を備えた強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜をエッチングして、第1容量絶縁膜及び第2容量絶縁膜を形成する工程と、
前記第1容量絶縁膜及び前記第2容量絶縁膜の上に第2導電膜を形成する工程と、
前記第2導電膜をエッチングして、上部電極
、第2電極
及び第4電極を形成する工程と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、
前記下部電極と、前記第1容量絶縁膜と、前記上部電極とは互いに重なり、
前記第2容量絶縁膜の前記第1電極に接触する部分と、前記第2容量絶縁膜の前記第2電極に接触する部分とは互いに重なら
ず、
前記平面視で、前記第2容量絶縁膜の前記第3電極に接触する部分と、前記第2容量絶縁膜の前記第4電極に接触する部分とは互いに重ならず、
前記第3電極は前記平面視で前記第2電極と重なる部分を備え、
前記第4電極は前記平面視で前記第1電極と重なる部分を備え、
前記第1電極の前記第4電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、
前記第2電極の前記第3電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、
前記第3電極の前記第2電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、
前記第4電極の前記第1電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、
前記第1電極及び前記第4電極に共通の第1電圧が印加され、
前記第2電極及び前記第3電極に共通の第2電圧が印加され、
前記第1電圧と前記第2電圧とが相違することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記平面視で、前記第1電極及び前記第2電極は、互いから離れた位置で前記第2容量絶縁膜に接触することを特徴とする請求項
3に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体は、高い比誘電率を有する。このため、強誘電体をキャパシタの容量絶縁膜に用いることで高い静電容量が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-257537号公報
【文献】特開2015-207770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、強誘電体をキャパシタの容量絶縁膜に用いると、電極間に大きなリーク電流が流れる。
【0005】
本開示の目的は、キャパシタの電極間のリーク電流を低減することができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を備えた強誘電体膜と、前記強誘電体膜に接触する第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極と、を有し、前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記強誘電体膜の前記第1電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第2電極に接触する部分とは互いに重ならず、前記平面視で、前記強誘電体膜の前記第3電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第4電極に接触する部分とは互いに重ならず、前記第3電極は前記平面視で前記第2電極と重なる部分を備え、前記第4電極は前記平面視で前記第1電極と重なる部分を備え、前記第1電極の前記第4電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、前記第2電極の前記第3電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、前記第3電極の前記第2電極に対向する面の全体が前記第1主面に接触し、前記第4電極の前記第1電極に対向する面の全体が前記第2主面に接触し、前記第1電極及び前記第4電極に共通の第1電圧が印加され、前記第2電極及び前記第3電極に共通の第2電圧が印加され、前記第1電圧と前記第2電圧とが相違する半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1電極と第2電極との間のリーク電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図5】メモリセル部内のトランジスタを示す断面図である。
【
図6】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その1)である。
【
図7】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その2)である。
【
図8】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その3)である。
【
図9】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その4)である。
【
図10】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その5)である。
【
図11】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その6)である。
【
図12】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その7)である。
【
図13】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その8)である。
【
図14】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その9)である。
【
図15】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その10)である。
【
図16】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その11)である。
【
図17】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その12)である。
【
図18】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その13)である。
【
図19】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その14)である。
【
図20】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その15)である。
【
図21】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その16)である。
【
図22】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その17)である。
【
図23】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その18)である。
【
図24】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その19)である。
【
図25】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その20)である。
【
図26】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その21)である。
【
図27】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その22)である。
【
図28】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その23)である。
【
図29】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その24)である。
【
図30】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その25)である。
【
図31】第3実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す平面図である。
【
図32】第3実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図(その1)である。
【
図33】第3実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図(その2)である。
【
図34】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その1)である。
【
図35】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その2)である。
【
図36】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その3)である。
【
図37】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その4)である。
【
図38】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その5)である。
【
図39】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その6)である。
【
図40】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その7)である。
【
図41】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その8)である。
【
図42】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その9)である。
【
図43】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その10)である。
【
図44】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その11)である。
【
図45】第4実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図である。
【
図46】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その1)である。
【
図47】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その2)である。
【
図48】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その3)である。
【
図49】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その4)である。
【
図50】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その5)である。
【
図51】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その6)である。
【
図52】ダブルパターニング法により開口部を形成する方法を示す断面図(その1)である。
【
図53】ダブルパターニング法により開口部を形成する方法を示す断面図(その2)である。
【
図54】ダブルパターニング法により開口部を形成する方法を示す断面図(その3)である。
【
図55】第5実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図である。
【
図56】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その1)である。
【
図57】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その2)である。
【
図58】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その3)である。
【
図59】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、第1実施形態に係る半導体装置100は、第1主面140Aを備えた強誘電体膜140と、第1電極141と、第2電極142とを有する。第1主面140Aに垂直な方向からの平面視(以下、単に「平面視」ということがある)で、強誘電体膜140の第1電極141に接触する部分と、強誘電体膜140の第2電極142に接触する部分とは互いに重ならない。例えば、第1電極141は、第1主面140Aに平行な方向で一方の側(-X側)に端部141Eを有し、第2電極142は、第1主面140Aに平行な方向で他方の側(+X側)に端部142Eを有し、平面視で、端部141Eと端部142Eとが重なってもよい。この場合、強誘電体膜140は、端部141Eより他方の側(+X側)で第1電極141に接触し、端部142Eより一方の側(-X側)で第2電極142に接触する。このため、平面視で、強誘電体膜140の第1電極141に接触する部分と、強誘電体膜140の第2電極142に接触する部分とは互いに重ならない。
【0012】
強誘電体膜140が厚さ方向に延びる複数の柱状晶を含んでいてもよい。隣り合う柱状晶の間に結晶粒界が存在するが、結晶粒界は第1電極141又は第2電極142の一方には接しない。このため、第1電極141と第2電極142との間で、結晶粒界をリークパスとするリーク電流は流れにくい。従って、第1実施形態によれば、リーク電流を抑制することができる。
【0013】
例えば、半導体装置100は第1主面140Aとは反対側の第2主面140Bを備え、第1電極141が第1主面140Aに接触し、第2電極142が第2主面140Bに接触していてもよい。
【0014】
強誘電体膜140、第1電極141及び第2電極142の集合体は、第1電極141と第2電極142とに相違する電圧を印加することでキャパシタとして用いることができる。このキャパシタは、強誘電体メモリのメモリセルに含まれるキャパシタとして用いることもできる。すなわち、強誘電体膜140の自発分極の向きに応じてデータを記憶するようにしてもよい。
【0015】
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例は、第1電極及び第2電極の配置の点で第1実施形態と相違する。
図2は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【0016】
図2に示すように、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置100Aでは、平面視で、第1電極141及び第2電極142が互いから離れた位置で強誘電体膜140に接触している。例えば、平面視で、端部141Eが端部142Eより他方側(+X側)で強誘電体膜140に接触している。
【0017】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0018】
第1変形例によっても、第1実施形態と同様に、リーク電流を抑制することができる。
【0019】
なお、強誘電体膜140の厚さをD1とし、強誘電体膜140の第1電極141に接触する部分と強誘電体膜140の第2電極142に接触する部分との間の平面視での距離をD2としたとき、D2/D1の値が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。より大きな静電容量を得るためである。
【0020】
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例は、電極の数の点で第2実施形態と相違する。
図3は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【0021】
図3に示すように、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置100Bは、強誘電体膜140、第1電極141及び第2電極142に加えて、第3電極143及び第4電極144を有する。第3電極143は第1主面140Aに接触し、第4電極144は第2主面140Bに接触する。平面視で、第3電極143は第2電極142と重なり、第4電極144は第1電極141と重なる。第3電極143及び第4電極144は、平面視で、互いから離れた位置で強誘電体膜140に接触している。第1電極141及び第3電極143は互いから電気的に絶縁され、第2電極142及び第4電極144は互いから電気的に絶縁されている。
【0022】
強誘電体膜140、第1電極141、第2電極142、第3電極143及び第4電極144の集合体は、第1電極141及び第4電極144の組と、第2電極142及び第3電極143の組とに相違する電圧を印加することでキャパシタとして用いることができる。すなわち、第1電極141及び第4電極144に共通の第1電圧を供給し、第2電極142及び第3電極143に共通の第2電圧を供給し、第1電圧と第2電圧とを異ならせることで、集合体をキャパシタとして用いることができる。
【0023】
第1電極141及び第4電極144に接する結晶粒界が強誘電体膜140に存在しても、第1電極141及び第4電極144に共通の第1電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。同様に、第2電極142及び第3電極143に接する結晶粒界が強誘電体膜140に存在しても、第2電極142及び第3電極143に共通の第2電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。
【0024】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る半導体装置は強誘電体メモリの一例に関する。
図4は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0025】
図4に示すように、第2実施形態に係る半導体装置200には、メモリセル部1及び周辺回路部2が含まれる。半導体装置200においては、基板201の表面に素子領域を画定する素子分離絶縁膜202が形成されている。メモリセル部1内の素子領域にトランジスタTrが形成されている。
図5は、メモリセル部内のトランジスタを示す断面図である。
【0026】
図5に示すように、トランジスタTrは、P型のウェル291、N型の低濃度不純物拡散層292、N型の高濃度不純物拡散層293、ゲート絶縁膜294、ゲート電極295及びサイドウォール絶縁膜296を含む。例えば、ウェル291にP型不純物としてホウ素(B)が含まれ、低濃度不純物拡散層292にN型不純物としてリン(P)が含まれ、高濃度不純物拡散層293にN型不純物としてヒ素(As)が含まれる。例えば、トランジスタTrのゲート長は110nm~180nmであり、ゲート絶縁膜294は厚さが6nm~7nmの酸化シリコン膜であり、ゲート電極295は厚さが40nm~60nmのアモルファスシリコン膜であり、サイドウォール絶縁膜296は厚さが35nm~55nmの酸化シリコン膜である。ゲート電極295の表面及び高濃度不純物拡散層293の表面に、厚さが120nm~180nmのシリサイド膜、例えばタングステンシリサイド(WSi)膜が形成されていてもよい。
【0027】
基板201上にトランジスタTrを覆う絶縁膜203が形成され、絶縁膜203上に層間絶縁膜204が形成されている。例えば、絶縁膜203は酸窒化シリコン膜(SiON膜)であり、層間絶縁膜204は表面が平坦なノンドープトシリケートグラス(nondoped silicate glass:NSG)膜である。
【0028】
層間絶縁膜204上に酸化防止膜211が形成され、酸化防止膜211上に層間絶縁膜212が形成され、層間絶縁膜212上に酸化防止膜213が形成され、酸化防止膜213上に層間絶縁膜214が形成されている。例えば、酸化防止膜211及び酸化防止膜213は窒化シリコン(SiN)膜であり、層間絶縁膜212及び層間絶縁膜214は酸化シリコン膜である。
【0029】
メモリセル部1では、絶縁膜203及び層間絶縁膜204に開口部(コンタクトホール)205が形成され、開口部205内に導電プラグ206が形成されている。導電プラグ206は、トランジスタTrの高濃度不純物拡散層に電気的に接続される。酸化防止膜211及び層間絶縁膜212に開口部(配線溝)215が形成され、開口部215内に配線216が形成されている。酸化防止膜213及び層間絶縁膜214に開口部(ビアホール)217が形成され、開口部217内に導電プラグ218が形成されている。例えば、導電プラグ206、配線216及び導電プラグ218は、タングステン(W)膜を含む。配線216の一部は、導電プラグ206と導電プラグ218とを互いに電気的に接続する導電性の台座として機能する。
【0030】
メモリセル部1では、層間絶縁膜214上にキャパシタQが形成されている。キャパシタQは、導電プラグ218に接触する下部電極221と、下部電極221上の強誘電体膜222と、強誘電体膜222上の上部電極223とを含む。例えば、下部電極221はイリジウム(Ir)膜を含み、強誘電体膜222はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を含み、上部電極223は酸化イリジウム(IrOx)膜を含む。
【0031】
周辺回路部2では、層間絶縁膜214上に、下部電極241及び下部電極242が形成されている。例えば、下部電極241及び下部電極242は下部電極221と同じ材料から構成され、イリジウム(Ir)膜を含む。下部電極241と下部電極242との間に絶縁膜219が形成され、下部電極241及び下部電極242は互いから電気的に絶縁されている。例えば、絶縁膜219は酸化シリコン膜である。下部電極241及び下部電極242上に強誘電体膜240が形成されている。強誘電体膜240は、下部電極241と下部電極242との間で絶縁膜219上にも形成されており、下部電極241上から下部電極242上にかけて連続している。例えば、強誘電体膜240は強誘電体膜222と同じ材料から構成され、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を含む。平面視で下部電極241の一部と重なるようにして、強誘電体膜240上に上部電極243が形成され、平面視で下部電極242の一部と重なるようにして、強誘電体膜240上に上部電極244が形成されている。上部電極243及び上部電極244は互いから電気的に絶縁されている。例えば、上部電極243及び上部電極244は上部電極223と同じ材料から構成され、酸化イリジウム(IrOx)膜を含む。強誘電体膜240は、第1主面240Aと、第1主面240Aとは反対側の第2主面240Bとを備える。第1主面240Aに下部電極241及び242が接触し、第2主面240Bに上部電極243及び244が接触する。絶縁膜219は、下部電極221の周囲にも形成されている。
【0032】
絶縁膜219上にバリア膜231が形成されている。バリア膜231は、例えば、上部電極223の上面及び側面と、強誘電体膜222の上面及び側面と、上部電極243及び上部電極244の上面及び側面と、強誘電体膜240の上面及び側面と、下部電極241及び下部電極242の上面とを覆う。バリア膜231は、例えば酸化アルミニウム(AlOx)膜又は酸化チタン(TiOx)膜である。バリア膜231上に層間絶縁膜232が形成されている。例えば、層間絶縁膜232は表面が平坦な酸化シリコン膜である。
【0033】
メモリセル部1では、バリア膜231及び層間絶縁膜232に上部電極223に達する開口部(ビアホール)233が形成され、開口部233内に導電プラグ235が形成されている。例えば、導電プラグ235は、タングステン(W)膜を含む。
【0034】
周辺回路部2では、バリア膜231及び層間絶縁膜232に、下部電極241に達する開口部251と、下部電極242に達する開口部252と、上部電極243に達する開口部253と、上部電極244に達する開口部254とが形成されている。開口部251内に導電プラグ261が形成され、開口部252内に導電プラグ262が形成され、開口部253内に導電プラグ263が形成され、開口部254内に導電プラグ264が形成されている。例えば、導電プラグ261~264は、タングステン(W)膜を含む。
【0035】
層間絶縁膜232上に、導電プラグ235に接続される配線236と、導電プラグ261に接続される配線271と、導電プラグ262に接続される配線272と、導電プラグ263に接続される配線273と、導電プラグ264に接続される配線274とが形成されている。
【0036】
半導体装置200では、メモリセル部1に複数のメモリセルが含まれ、各メモリセルにキャパシタQ及びトランジスタTrが含まれる。キャパシタQはトランジスタTrに接続され、キャパシタQに含まれる強誘電体膜220における自発分極の方向に応じてメモリセルにデータが記憶される。
【0037】
また、強誘電体膜240、下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244の集合体は、キャパシタとして用いることができる。例えば、下部電極241及び上部電極243の組と、下部電極242及び上部電極244の組とに異なる電圧を印加することでキャパシタとして用いることができる。すなわち、下部電極241及び上部電極243に共通の第1電圧を供給し、下部電極242及び上部電極244に共通の第2電圧を供給し、第1電圧と第2電圧とを異ならせることで、集合体をキャパシタとして用いることができる。下部電極241は第1電極の一例であり、上部電極244は第2電極の一例であり、下部電極242は第3電極の一例であり、上部電極243は第4電極の一例である。
【0038】
下部電極241及び上部電極243に接する結晶粒界が強誘電体膜240に存在しても、下部電極241及び上部電極243に共通の第1電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。同様に、下部電極242及び上部電極244に接する結晶粒界が強誘電体膜240に存在しても、下部電極242及び上部電極244に共通の第2電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。
【0039】
次に、半導体装置200の製造方法について説明する。
図6~
図30は、第2実施形態に係る半導体装置200の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0040】
まず、
図6に示すように、基板201の表面にSTI(shallow trench isolation)の素子分離絶縁膜202を形成する。次いで、メモリセル部1内の素子領域にトランジスタTrを形成する。トランジスタTrの形成では、ホウ素(B)のイオン注入によりウェル291を形成し、ゲート絶縁膜294及びゲート電極295を形成し、ゲート電極295をマスクとするリン(P)のイオン注入により低濃度不純物拡散層292を形成し、サイドウォール絶縁膜296を形成し、ゲート電極295及びサイドウォール絶縁膜296をマスクとするヒ素(As)のイオン注入により高濃度不純物拡散層293を形成する。
【0041】
トランジスタTrの形成後、
図7に示すように、トランジスタTrを覆う絶縁膜203を形成する。絶縁膜203としては、例えば、プラズマ化学気相成長(plasma chemical vapor deposition:CVD)法により、厚さが160nm~240nmの酸窒化シリコン膜(SiON膜)を形成する。次いで、絶縁膜203上に層間絶縁膜204を形成し、層間絶縁膜204の表面を平坦化する。層間絶縁膜204としては、例えば、プラズマCVD法により、テトラエチルオルソシリケート(tetraethyl orthosilicate:TEOS)を用いて、厚さが480nm~720nmのNSG膜を形成する。層間絶縁膜204の厚さを1000nm~1200nmとしてもよい。層間絶縁膜204の表面の平坦化では、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)法により、層間絶縁膜204の表面を160nm~240nm研磨する。
【0042】
その後、
図8に示すように、層間絶縁膜204上にレジストパターン281を形成する。レジストパターン281は、メモリセル部1内のコンタクトホール形成予定領域を露出する開口部282を有する。続いて、レジストパターン281をマスクとして層間絶縁膜204及び絶縁膜203をエッチングする。この結果、メモリセル部1内に開口部(コンタクトホール)205が形成される。
【0043】
次いで、
図9に示すように、レジストパターン281を除去し、開口部205内に導電プラグ206を形成する。導電プラグ206の形成では、例えば、物理気相成長(physical vapor deposition:PVD)法によりバリアメタル膜を形成し、バリアメタル膜上にCVD法によりW膜を形成し、層間絶縁膜204上のバリアメタル膜及びW膜を除去する。バリアメタル膜の形成では、例えば、厚さが16nm~24nmのチタン(Ti)膜を形成し、その上に厚さが40nm~60nmの窒化チタン(TiN)膜を形成する。W膜の厚さは400nm~600nmである。層間絶縁膜204上のバリアメタル膜及びW膜は、例えばCMP法により除去することができる。
【0044】
その後、
図10に示すように、層間絶縁膜204及び導電プラグ206上に酸化防止膜211を形成する。酸化防止膜211としては、例えば、CVD法により、厚さが32nm~48nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成する。
【0045】
続いて、
図11に示すように、酸化防止膜211上に層間絶縁膜212を形成する。層間絶縁膜212としては、例えば、プラズマCVD法により、TEOSを用いて、厚さが200nm~300nmの酸化シリコン膜を形成する。
【0046】
次いで、
図12に示すように、層間絶縁膜212上にレジストパターン283を形成する。レジストパターン283は、メモリセル部1内の配線溝形成予定領域を露出する開口部284を有する。その後、レジストパターン283をマスクとして層間絶縁膜212及び酸化防止膜211をエッチングする。この結果、メモリセル部1内に開口部(配線溝)215が形成される。
【0047】
続いて、
図13に示すように、レジストパターン283を除去し、開口部215内に配線216を形成する。配線216の形成では、例えば、PVD法によりバリアメタル膜を形成し、バリアメタル膜上にCVD法によりW膜を形成し、層間絶縁膜212上のバリアメタル膜及びW膜を除去する。バリアメタル膜の形成では、例えば、厚さが8nm~12nmのTi膜を形成し、その上に厚さが16nm~24nmのTiN膜を形成する。W膜の厚さは240nm~360nmである。層間絶縁膜212上のバリアメタル膜及びW膜は、例えばCMP法により除去することができる。
【0048】
次いで、
図14に示すように、層間絶縁膜212及び配線216上に酸化防止膜213を形成する。酸化防止膜213としては、例えば、CVD法により、厚さが80nm~180nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成する。
【0049】
その後、
図15に示すように、酸化防止膜213上に層間絶縁膜214を形成する。層間絶縁膜214としては、例えば、プラズマCVD法により、TEOSを用いて、厚さが180nm~280nmの酸化シリコン膜を形成する。
【0050】
続いて、
図16に示すように、層間絶縁膜214上にレジストパターン285を形成する。レジストパターン285は、メモリセル部1内のビアホール形成予定領域を露出する開口部286を有する。次いで、レジストパターン285をマスクとして層間絶縁膜214及び酸化防止膜213をエッチングする。この結果、メモリセル部1内に開口部(ビアホール)217が形成される。
【0051】
次いで、
図17に示すように、レジストパターン285を除去し、開口部217内に導電プラグ218を形成する。導電プラグ218の形成では、例えば、PVD法によりバリアメタル膜を形成し、バリアメタル膜上にCVD法によりW膜を形成し、層間絶縁膜214上のバリアメタル膜及びW膜を除去する。バリアメタル膜の形成では、例えば、厚さが8nm~12nmのTi膜を形成し、その上に厚さが16nm~24nmのTiN膜を形成する。W膜の厚さは240nm~360nmである。層間絶縁膜214上のバリアメタル膜及びW膜は、例えばCMP法により除去することができる。
【0052】
その後、
図18に示すように、層間絶縁膜214及び導電プラグ218上に導電膜11を形成する。導電膜11としては、例えば、PVD法により、厚さが40nm~60nmのイリジウム(Ir)膜を形成する。続いて、導電膜11上にレジストパターン287を形成する。レジストパターン287は、下部電極221、下部電極241及び下部電極242の形成予定領域を覆い、残部を露出する。導電膜11は第1導電膜の一例である。
【0053】
次いで、
図19に示すように、レジストパターン287をマスクとして、導電膜11をエッチングする。この結果、下部電極221、下部電極241及び下部電極242が形成される。
【0054】
その後、
図20に示すように、レジストパターン287を除去する。
【0055】
続いて、
図21に示すように、層間絶縁膜214上に、下部電極221、下部電極241及び下部電極242を覆うように絶縁膜219を形成する。絶縁膜219としては、例えば、プラズマCVD法により、TEOSを用いて、厚さが200nm~300nm程度の酸化シリコン膜を形成する。
【0056】
次いで、
図22に示すように、CMP法により、下部電極221、下部電極241及び下部電極242の上面が露出するまで絶縁膜219を研磨する。
【0057】
その後、
図23に示すように、下部電極221、下部電極241、下部電極242及び絶縁膜219上に、強誘電体膜12、導電膜13、ハードマスク14及び絶縁膜15を形成する。強誘電体膜12としては、例えば、厚さが75nm~85nmのPZT膜を形成する。導電膜13としては、例えば、PVD法により、厚さが160nm~240nmの酸化イリジウム(IrO
x)膜を形成する。ハードマスク14としては、例えば、PVD法により、厚さが160nm~240nmの窒化チタンアルミニウム(TiAlN)膜を形成する。絶縁膜15としては、例えば、プラズマCVD法により、TEOSを用いて、厚さが160nm~240nmの酸化シリコン膜を形成する。強誘電体膜12の形成と導電膜13の形成との間に、結晶化アニールを行って強誘電体膜12の結晶化を促進してもよい。続いて、絶縁膜15上にレジストパターン288を形成する。レジストパターン288は、上部電極223、上部電極243及び上部電極244の形成予定領域を覆い、残部を露出する。導電膜13は第2導電膜の一例である。
【0058】
次いで、
図24に示すように、レジストパターン288をマスクとして、絶縁膜15、ハードマスク14及び導電膜13をエッチングする。この結果、上部電極223、上部電極243及び上部電極244が形成される。このエッチングでは、例えば、誘導結合性プラズマ(inductively coupled plasma:ICP)エッチング装置を用い、真空度を0.5Paとし、コイル印加パワーを1800W(RF:13.56MHz)とし、バイアスパワーを800W(400kHz)とする。また、例えば、塩素(Cl
2)ガスを50ml/minで供給し、酸素(O
2)ガスを20ml/minで供給する。このような方法により、強誘電体膜12の上面が露出した時にエッチングを容易に停止することができる。
【0059】
その後、
図25に示すように、レジストパターン288を除去し、強誘電体膜12上に、絶縁膜15、ハードマスク14、上部電極223、上部電極243及び上部電極244を覆うレジストパターン289を形成する。レジストパターン289は、強誘電体膜222及び240の形成予定領域を覆い、残部を露出する。
【0060】
続いて、
図26に示すように、レジストパターン289をマスクとして、強誘電体膜12をエッチングする。この結果、強誘電体膜222及び240が形成される。このようにして形成された強誘電体膜222は第1容量絶縁膜の一例であり、このようにして形成された強誘電体膜240は第2容量絶縁膜の一例である。
【0061】
次いで、
図27に示すように、レジストパターン289、絶縁膜15及びハードマスク14を除去し、例えばスクラバーを用いて表面を洗浄する。その後、強誘電体膜222及び240に生じている酸素欠損を修復させるために、酸素雰囲気中で回復アニールを行う。例えば、回復アニールの温度は300℃~400℃とし、時間は30分間~60分間とする。この回復アニールでは、酸素欠損が修復される。続いて、上部電極223の上面及び側面と、強誘電体膜222の上面及び側面と、上部電極243及び上部電極244の上面及び側面と、強誘電体膜240の上面及び側面と、下部電極241及び下部電極242の上面とを覆うバリア膜231を形成する。バリア膜231としては、例えば、PVD法又はCVD法により、厚さが10nm~30nmの酸化アルミニウム(AlO
x)膜又は酸化チタン(TiO
x)膜を形成する。
【0062】
次いで、
図28に示すように、バリア膜231上に層間絶縁膜232を形成し、層間絶縁膜232の表面を平坦化する。層間絶縁膜232としては、例えば、プラズマCVD法により、TEOSを用いて、厚さが1200nm~1800nmの酸化シリコン膜を形成する。層間絶縁膜232の表面の平坦化では、CMP法により層間絶縁膜232の表面を研磨する。
【0063】
その後、
図29に示すように、層間絶縁膜232上にレジストパターン90を形成する。レジストパターン90は、メモリセル部1内のビアホール形成予定領域を露出する開口部91と、周辺回路部2内のビアホール形成予定領域を露出する開口部92とを有する。続いて、レジストパターン90をマスクとして層間絶縁膜232及びバリア膜231をエッチングする。この結果、メモリセル部1内に開口部(ビアホール)233が形成され、周辺回路部2内に開口部(ビアホール)251~254が形成される。
【0064】
次いで、
図30に示すように、レジストパターン90を除去する。その後、開口部233内に導電プラグ235を形成し、開口部251内に導電プラグ261を形成し、開口部252内に導電プラグ262を形成し、開口部253内に導電プラグ263を形成し、開口部254内に導電プラグ264を形成する。導電プラグ235及び導電プラグ261~264の形成では、例えば、PVD法によりバリアメタル膜としてTiN膜を形成し、バリアメタル膜上にCVD法によりW膜を形成し、層間絶縁膜232上のTiN膜及びW膜を除去する。TiN膜の厚さは80nm~120nmであり、W膜の厚さは240nm~360nmである。層間絶縁膜232上のTiN膜及びW膜は、例えばCMP法により除去することができる。続いて、導電プラグ235上に配線236を形成し、導電プラグ261上に配線271を形成し、導電プラグ262上に配線272を形成し、導電プラグ263上に配線273を形成し、導電プラグ264上に配線274を形成する。
【0065】
更に、上層配線及びパッド等を形成して半導体装置200を完成させる。
【0066】
このように、周辺回路部2に含まれるキャパシタを、メモリセル部1に含まれるキャパシタQと同時に形成することができる。
【0067】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る半導体装置は強誘電体メモリの一例に関する。第3実施形態は、周辺回路部に含まれるキャパシタの構成の点で第2実施形態と相違する。
図31は、第3実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す平面図である。
図32及び
図33は、第3実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図である。
図31には、強誘電体膜、電極及び導電プラグのレイアウトを示す。
図32は、
図31中のXXXII-XXXII線に沿った断面図であり、
図33は、
図31中のXXXIII-XXXIII線に沿った断面図である。
図32及び
図33では、層間絶縁膜214より下方の酸化防止膜213等を省略してある。
【0068】
図31~
図33に示すように、第3実施形態に係る半導体装置300では、周辺回路部2において、層間絶縁膜214上に、下部電極241及び下部電極242が形成されている。下部電極241と下部電極242との間に絶縁膜219が形成され、下部電極241及び下部電極242は互いから電気的に絶縁されている。下部電極241及び下部電極242上に強誘電体膜240が形成されている。強誘電体膜240は、下部電極241と下部電極242との間で絶縁膜219上にも形成されており、下部電極241上から下部電極242上にかけて連続している。平面視で下部電極241の一部と重なるようにして、強誘電体膜240上に上部電極243が形成され、平面視で下部電極242の一部と重なるようにして、強誘電体膜240上に上部電極244が形成されている。
【0069】
バリア膜231及び層間絶縁膜232に、下部電極241に達する開口部251と、下部電極242に達する開口部252と、上部電極243に達する開口部253と、上部電極244に達する開口部254とが形成されている。開口部251内に導電プラグ261が形成され、開口部252内に導電プラグ262が形成され、開口部253内に導電プラグ263が形成され、開口部254内に導電プラグ264が形成されている。バリア膜231、層間絶縁膜232及び強誘電体膜240には、更に、平面視で上部電極243及び上部電極244を取り囲むようにして、絶縁膜219に達する溝状の開口部355が形成されている。開口部355は、平面視で下部電極241及び下部電極242から離間して形成されている。開口部355内に導電プラグ365が形成されている。導電プラグ365は強誘電体膜240に接触し、下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244から絶縁されている。例えば、導電プラグ365は、タングステン(W)膜を含む。
【0070】
層間絶縁膜232上に、導電プラグ261に接続される配線271と、導電プラグ262に接続される配線272と、導電プラグ263に接続される配線273と、導電プラグ264に接続される配線274とが形成されている。層間絶縁膜232上には、更に、導電プラグ365に接続される配線375が形成されている。
【0071】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0072】
第3実施形態では、周辺回路部2内の強誘電体膜240、下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244及び導電プラグ365の集合体は、キャパシタとして用いることができる。例えば、下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244の組と導電プラグ365とに異なる電圧を印加することでキャパシタとして用いることができる。すなわち、下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244に共通の第1電圧を供給し、導電プラグ365に第2電圧を供給し、第1電圧と第2電圧とを異ならせることで、集合体をキャパシタとして用いることができる。下部電極241、下部電極242、上部電極243及び上部電極244は第1電極の一例であり、導電プラグ365は第2電極の一例である。
【0073】
下部電極241及び上部電極243に接する結晶粒界が強誘電体膜240に存在しても、下部電極241及び上部電極243に共通の第1電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。同様に、下部電極242及び上部電極244に接する結晶粒界が強誘電体膜240に存在しても、下部電極242及び上部電極244に共通の第1電圧が印加されていれば、これらの間にリーク電流は流れない。
【0074】
次に、半導体装置300の製造方法について説明する。
図34~
図44は、第3実施形態に係る半導体装置300の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0075】
まず、
図34に示すように、第2実施形態と同様にして、絶縁膜219の研磨までの処理を行う。次いで、
図35に示すように、下部電極221、下部電極241、下部電極242及び絶縁膜219上に、強誘電体膜12、導電膜13、ハードマスク14及び絶縁膜15を形成する。その後、
図36に示すように、絶縁膜15上にレジストパターン288を形成する。レジストパターン288は、上部電極223、上部電極243及び上部電極244の形成予定領域を覆い、残部を露出する。
【0076】
続いて、
図37に示すように、レジストパターン288をマスクとして、絶縁膜15、ハードマスク14及び導電膜13をエッチングする。この結果、上部電極223、上部電極243及び上部電極244が形成される。
【0077】
次いで、
図38に示すように、レジストパターン288を除去し、強誘電体膜12上に、絶縁膜15、ハードマスク14、上部電極223、上部電極243及び上部電極244を覆うレジストパターン289を形成する。レジストパターン289は、強誘電体膜222及び240の形成予定領域を覆い、残部を露出する。
【0078】
その後、
図39に示すように、レジストパターン289をマスクとして、強誘電体膜12をエッチングする。この結果、強誘電体膜222及び240が形成される。レジストパターン289、絶縁膜15及びハードマスク14を除去し、例えばスクラバーを用いて表面を洗浄する。続いて、強誘電体膜222及び240に生じている酸素欠損を修復させるために、酸素雰囲気中で回復アニールを行う。
【0079】
次いで、
図40に示すように、上部電極223の上面及び側面と、強誘電体膜222の上面及び側面と、上部電極243及び上部電極244の上面及び側面と、強誘電体膜240の上面及び側面と、下部電極241及び下部電極242の上面とを覆うバリア膜231を形成する。その後、バリア膜231上に層間絶縁膜232を形成し、層間絶縁膜232の表面を平坦化する。
【0080】
続いて、
図41に示すように、層間絶縁膜232上にレジストパターン90を形成する。レジストパターン90は、メモリセル部1内のビアホール形成予定領域を露出する開口部91と、周辺回路部2内のビアホール形成予定領域を露出する開口部92とを有する。次いで、レジストパターン90をマスクとして層間絶縁膜232及びバリア膜231をエッチングする。この結果、メモリセル部1内に開口部(ビアホール)233が形成され、周辺回路部2内に開口部(ビアホール)251~254が形成される。
【0081】
その後、
図42に示すように、レジストパターン90を除去する。続いて、開口部233内に導電プラグ235を形成し、開口部251内に導電プラグ261を形成し、開口部252内に導電プラグ262を形成し、開口部253内に導電プラグ263を形成し、開口部254内に導電プラグ264を形成する。
【0082】
次いで、
図43に示すように、層間絶縁膜232上にレジストパターン93を形成する。レジストパターン93は、周辺回路部2内のビア溝形成予定領域を露出する開口部94を有する。その後、レジストパターン93をマスクとして層間絶縁膜232、バリア膜231及び強誘電体膜240をエッチングする。この結果、周辺回路部2内に開口部(ビア溝)355が形成される。
【0083】
続いて、
図44に示すように、レジストパターン93を除去する。次いで、開口部355内に導電プラグ365を形成する。導電プラグ365の形成では、例えば、PVD法によりバリアメタル膜としてTiN膜を形成し、バリアメタル膜上にCVD法によりW膜を形成し、層間絶縁膜232上のTiN膜及びW膜を除去する。TiN膜の厚さは80nm~120nmであり、W膜の厚さは240nm~360nmである。層間絶縁膜232上のTiN膜及びW膜は、例えばCMP法により除去することができる。その後、導電プラグ235上に配線236を形成し、導電プラグ261上に配線271を形成し、導電プラグ262上に配線272を形成し、導電プラグ263上に配線273を形成し、導電プラグ264上に配線274を形成し、導電プラグ365上に配線375を形成する。
【0084】
更に、上層配線及びパッド等を形成して半導体装置300を完成させる。
【0085】
このように、周辺回路部2に含まれるキャパシタを、メモリセル部1に含まれるキャパシタQと同時に形成することができる。
【0086】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る半導体装置は強誘電体メモリの一例に関する。第4実施形態は、周辺回路部に含まれるキャパシタの構成の点で第2実施形態等と相違する。
図45は、第4実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図である。
図45では、層間絶縁膜214より下方の酸化防止膜213等を省略してある。
【0087】
図45に示すように、第4実施形態に係る半導体装置400では、周辺回路部2において、層間絶縁膜214上に強誘電体膜440が形成されている。例えば、強誘電体膜440はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を含む。強誘電体膜440上にバリア膜431が形成されている。バリア膜431は例えば酸化アルミニウム(AlO
x)膜又は酸化チタン(TiO
x)膜である。バリア膜231は、周辺回路部2において、バリア膜431の上面及び側面と、強誘電体膜440の側面と、層間絶縁膜214の上面とを覆う。
【0088】
バリア膜431、バリア膜231及び層間絶縁膜232に、層間絶縁膜214に達する複数の開口部451と、複数の開口部452とが形成されている。例えば、開口部452は一方向に並んで配置されている。隣り合う2個の開口部452の間には、2個の開口部451が配置されている。最も外側に位置する開口部452の外側に1個ずつの開口部451が配置されている。つまり、
図45に示す断面において、各開口部452の両側に1個ずつの開口部451が配置されている。例えば、開口部451及び452は、ラインアンドスペース(L/S)のパターンで形成されている。開口部451内に導電プラグ461が形成され、開口部452内に導電プラグ462が形成されている。例えば、導電プラグ461及び462は、タングステン(W)膜を含む。開口部451は第1開口部の一例であり、開口部452は第2開口部の一例である。
【0089】
層間絶縁膜232上に、導電プラグ461に接続される配線471と、導電プラグ462に接続される配線472とが形成されている。
【0090】
絶縁膜219が形成されていなくてもよい。
【0091】
他の構成は第2実施形態と同様である。
【0092】
第4実施形態では、周辺回路部2内の強誘電体膜440、導電プラグ461及び導電プラグ462の集合体は、キャパシタとして用いることができる。例えば、導電プラグ461と導電プラグ462とに異なる電圧を印加することでキャパシタとして用いることができる。すなわち、導電プラグ461に第1電圧を供給し、導電プラグ462に第2電圧を供給し、第1電圧と第2電圧とを異ならせることで、集合体をキャパシタとして用いることができる。導電プラグ461は第1電極の一例であり、導電プラグ462は第2電極の一例である。
【0093】
厚さ方向に延びる結晶粒界が強誘電体膜440に存在しても、結晶粒界は導電プラグ461又は導電プラグ462の一方には接しない。このため、導電プラグ461と導電プラグ462との間で、結晶粒界をリークパスとするリーク電流は流れにくい。
【0094】
なお、各開口部452の両側に配置された開口部451同士が、例えば平面視で環状に連続していてもよい。この場合、配線472が平面視で環状に連続していてもよい。
【0095】
次に、半導体装置400の製造方法について説明する。
図46~
図51は、第4実施形態に係る半導体装置400の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0096】
まず、
図46に示すように、第2実施形態と同様にして、層間絶縁膜214の形成までの処理を行う。次いで、層間絶縁膜214上に、強誘電体膜42及びバリア膜431を形成する。強誘電体膜12としては、例えば、厚さが75nm~85nmのPZT膜を形成する。バリア膜431としては、例えば、PVD法又はCVD法により、厚さが10nm~30nmの酸化アルミニウム(AlO
x)膜又は酸化チタン(TiO
x)膜を形成する。その後、バリア膜431上にレジストパターン480を形成する。レジストパターン480は、強誘電体膜440の形成予定領域を覆い、残部を露出する。
【0097】
続いて、
図47に示すように、レジストパターン480をマスクとして、強誘電体膜42をエッチングする。この結果、強誘電体膜440が形成される。次いで、
図48に示すように、レジストパターン480を除去し、バリア膜231を形成する。その後、
図49に示すように、バリア膜231上に層間絶縁膜232を形成し、層間絶縁膜232の表面を平坦化する。
【0098】
続いて、
図50に示すように、層間絶縁膜232上にレジストパターン481を形成する。レジストパターン481は、周辺回路部2内のビアホール形成予定領域を露出する開口部482及び483を有する。開口部482は開口部451に対応し、開口部482は開口部452に対応する。次いで、レジストパターン481をマスクとして層間絶縁膜232、バリア膜231、バリア膜431及び強誘電体膜440をエッチングする。この結果、周辺回路部2内に開口部451及び452が形成される。
【0099】
その後、
図51に示すように、レジストパターン481を除去する。続いて、開口部451内に導電プラグ461を形成し、開口部452内に導電プラグ462を形成する。次いで、導電プラグ461上に配線471を形成し、導電プラグ462上に配線472を形成する。
【0100】
更に、上層配線及びパッド等を形成して半導体装置200を完成させる。
【0101】
開口部451及び452を、いわゆるダブルパターニング法により形成してもよい。
図52~
図54は、ダブルパターニング法により開口部451及び452を形成する方法を示す断面図である。
【0102】
ダブルパターニング法により6個の開口部と3個の開口部452とを形成する場合、一方向に並ぶ合計で9個の開口部を2つのグループに分け、一方のグループ(第1グループ)に属する開口部と他方のグループ(第2グループ)に属する開口部とが交互に並ぶようにする。そして、
図52に示すように、第1グループに属する開口部に対応する開口部485を備えたレジストパターン484を層間絶縁膜232上に形成する。次いで、レジストパターン484をマスクとして層間絶縁膜232、バリア膜231、バリア膜431及び強誘電体膜440をエッチングする。この結果、一部の開口部451及び452が形成される。
【0103】
その後、
図53に示すように、レジストパターン484を除去し、第2グループに属する開口部に対応する開口部487を備えたレジストパターン486を層間絶縁膜232上に形成する。レジストパターン486は、すでに形成した開口部451及び452を埋めるように形成する。続いて、レジストパターン486をマスクとして層間絶縁膜232、バリア膜231、バリア膜431及び強誘電体膜440をエッチングする。この結果、残りの開口部451及び452が形成される。
【0104】
次いで、
図54に示すように、レジストパターン486を除去する。このようにして、6個の開口部と3個の開口部452とを形成することができる。
【0105】
ダブルパターニング法を採用することで、開口部451及び452を狭ピッチで形成することができる。従って、より大きな静電容量を得ることができる。
【0106】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る半導体装置は強誘電体メモリの一例に関する。第5実施形態は、周辺回路部に含まれるキャパシタの構成の点で第4実施形態等と相違する。
図55は、第5実施形態に係る半導体装置における周辺回路部に含まれるキャパシタを示す断面図である。
図55では、層間絶縁膜214より下方の酸化防止膜213等を省略してある。
【0107】
図55に示すように、第5実施形態に係る半導体装置500では、第4実施形態における強誘電体膜440とバリア膜431との積層体が、3個積層されている。バリア膜231は、周辺回路部2において、これら3個の積層体の上面及び側面と、層間絶縁膜214の上面とを覆う。
【0108】
他の構成は第4実施形態と同様である。
【0109】
第5実施形態によっても第4実施形態と同様の効果が得られる。また、より多数の強誘電体膜440が含まれているため、より大きな静電容量を得ることができる。
【0110】
次に、半導体装置500の製造方法について説明する。
図56~
図59は、第5実施形態に係る半導体装置500の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0111】
まず、
図56に示すように、第2実施形態と同様にして、層間絶縁膜214の形成までの処理を行う。次いで、層間絶縁膜214上に、強誘電体膜42及びバリア膜431の積層体を3個形成する。その後、バリア膜431上にレジストパターン480を形成する。
【0112】
続いて、
図57に示すように、レジストパターン480をマスクとして、強誘電体膜42をエッチングする。この結果、3個の強誘電体膜440が形成される。次いで、
図58に示すように、レジストパターン480を除去し、バリア膜231を形成する。その後、バリア膜231上に層間絶縁膜232を形成し、層間絶縁膜232の表面を平坦化する。
【0113】
続いて、
図59に示すように、第4実施形態と同様にして、開口部451及び452を形成し、導電プラグ461及び462を形成し、配線471及び472を形成する。
【0114】
更に、上層配線及びパッド等を形成して半導体装置500を完成させる。
【0115】
第4実施形態と同様に、開口部451及び452を、いわゆるダブルパターニング法により形成してもよい。
【0116】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0117】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0118】
(付記1)
第1主面を備えた強誘電体膜と、
前記強誘電体膜に接触する第1電極及び第2電極と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、前記強誘電体膜の前記第1電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第2電極に接触する部分とは互いに重ならないことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記平面視で、前記第1電極及び前記第2電極は、互いから離れた位置で前記強誘電体膜に接触することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記強誘電体膜は、前記第1主面とは反対側の第2主面を備え、
前記第1電極は、前記第1主面に接触し、
前記第2電極は、前記第2主面に接触することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記強誘電体膜の厚さをD1、
前記平面視での前記第1電極と前記第2電極との間の距離をD2としたとき、
D2/D1の値が3以下であることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1主面に接触し、前記平面視で前記第2電極と重なる部分を備えた第3電極と、
前記第2主面に接触し、前記平面視で前記第1電極と重なる部分を備えた第4電極と、
を有し、
前記平面視で、前記強誘電体膜の前記第3電極に接触する部分と、前記強誘電体膜の前記第4電極に接触する部分とは互いに重ならないことを特徴とする付記3又は4に記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1電極及び前記第4電極に共通の第1電圧が印加され、
前記第2電極及び前記第3電極に共通の第2電圧が印加され、
前記第1電圧と前記第2電圧とが相違することを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1電極は、前記第1主面に接触し、
前記第2電極は、前記強誘電体膜に形成された開口部内に設けられていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記8)
前記第2電極は導電プラグであることを特徴とする付記7に記載の半導体装置。
(付記9)
前記第1電極は、前記強誘電体膜に形成された第1開口部内に設けられ、
前記第2電極は、前記強誘電体膜に形成された第2開口部内に設けられていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記10)
前記第1電極は第1導電プラグであり、
前記第2電極は第2導電プラグであることを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
(付記11)
前記第1電極に第1電圧が印加され、
前記第2電極に第2電圧が印加され、
前記第1電圧と前記第2電圧とが相違することを特徴とする付記1、7又は9に記載の半導体装置。
(付記12)
基板の上方に、第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜をエッチングして、下部電極及び第1電極を形成する工程と、
前記下部電極及び前記第1電極の上に第1主面を備えた強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜をエッチングして、第1容量絶縁膜及び第2容量絶縁膜を形成する工程と、
前記第1容量絶縁膜及び前記第2容量絶縁膜の上に第2導電膜を形成する工程と、
前記第2導電膜をエッチングして、上部電極及び第2電極を形成する工程と、
を有し、
前記第1主面に垂直な方向からの平面視で、
前記下部電極と、前記第1容量絶縁膜と、前記上部電極とは互いに重なり、
前記第2容量絶縁膜の前記第1電極に接触する部分と、前記第2容量絶縁膜の前記第2電極に接触する部分とは互いに重ならないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記平面視で、前記第1電極及び前記第2電極は、互いから離れた位置で前記第2容量絶縁膜に接触することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0119】
100、100A、100B、200、300、400、500:半導体装置
140、240、440:強誘電体膜
140A、240A:第1主面
140B、240B:第2主面
141:第1電極
142:第2電極
143:第3電極
144:第4電極
241、242、下部電極
243、244:上部電極
261~264、365、461、462:導電プラグ