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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240625BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06Q10/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020121918
(22)【出願日】2020-07-16
(65)【公開番号】P2022018660
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松尾 良恵
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-129020(JP,A)
【文献】特開2017-201506(JP,A)
【文献】特開平08-077166(JP,A)
【文献】特開2002-304229(JP,A)
【文献】特開2002-024423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザ指示に応じて所定の出力条件を設定し、
複数の項目を、処理を行う順番で表示し、
所定のユーザ操作によって、処理対象とする項目を切り換え、
前記ユーザ操作が行われ、かつ前記ユーザ操作が行われるまでに処理対象であった項目が、前記出力条件に合致する場合、前記ユーザ操作が行われるまでの処理結果を出力する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の項目は、特定のグループに分類されており
記プロセッサは、前記出力条件に出力単位として設定されている特定のグループの1つに含まれる全ての項目に対する処理が終了した時点で、当該1つの特定のグループに含まれる全ての項目に対する処理結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定のグループは、文書又は文書を構成するページであることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記プロセッサは、前記出力条件に出力単位として項目毎と設定されている場合、前記ユーザ操作によって、の項目から他の項目へ、処理対象を切り換えられ、かつ当該一の項目に対する処理が完了している場合に、前記ユーザ操作が行われるまでに行われた当該一の項目に対する処理結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記処理結果を出力する前に、出力の是非をユーザに問い合わせることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、ユーザが出力の拒否を選択した場合、前記出力条件の設定を変更可能にすることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記処理結果を正常に出力できなかった場合、その旨をユーザに通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、正常に出力されなかった前記項目に対する処理結果を、ユーザから指定された単位で再出力することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザから指定された単位は、正常に出力できなかった前記項目に対する処理の結果全て又は項目単位であることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、一または複数の項目ごとに、該項目の処理結果の出力先が定められている場合、前記ユーザ操作が行われた際に、一または複数の項目ごとに、予め定められた出力先へ、該項目の処理結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザ指示に応じて所定の出力条件を設定する機能、
複数の項目を、処理を行う順番で表示する機能、
所定のユーザ操作によって、処理対象とする項目を切り換える機能、
前記ユーザ操作が行われ、かつ前記ユーザ操作が行われるまでに処理対象であった項目が、前記出力条件に合致する場合、前記ユーザ操作が行われるまでの処理結果を出力する機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票の確認訂正作業では、ユーザは、複数の帳票をまとめて入力し、帳票に記入された項目の内容を画面に表示させ、その内容を必要に応じて訂正する場合がある。確認、そして必要により訂正された項目は、例えばまとめて入力した複数の帳票に対する処理が全て終了した後、ユーザからの指示に応じて処理結果が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-347777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の項目を、処理を行う順番で表示し、所定のユーザ操作に応じて処理対象とする項目を切り替え、ユーザから処理結果の出力の指示を受けた際に、それまでに行った処理結果を出力することがある。この場合、ユーザは、処理対象の切替操作と処理結果の出力指示の操作を繰り返し行う必要があり、その操作がユーザにとっては面倒であった。
【0005】
本発明は、複数の項目を、処理を行う順番で表示し、所定のユーザ操作に応じて処理対象とする項目を切り替える場合において、処理対象の項目を切り替える操作と処理結果の出力指示を行う操作が別の操作である場合に比して、処理結果の出力を行うまでのユーザの操作回数を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザ指示に応じて所定の出力条件を設定し、複数の項目を、処理を行う順番で表示し、所定のユーザ操作によって、処理対象とする項目を切り換え、前記ユーザ操作が行われ、かつ前記ユーザ操作が行われるまでに処理対象であった項目が、前記出力条件に合致する場合、前記ユーザ操作が行われるまでの処理結果を出力する、ことを特徴とする。
【0008】
また、前記複数の項目は、特定のグループに分類されており、記プロセッサは、前記出力条件に出力単位として設定されている特定のグループの1つに含まれる全ての項目に対する処理が終了した時点で、当該1つの特定のグループに含まれる全ての項目に対する処理結果を出力することを特徴とする。
【0009】
また、前記特定のグループは、文書又は文書を構成するページであることを特徴とする。
【0010】
また、前記プロセッサは、前記出力条件に出力単位として項目毎と設定されている場合、前記ユーザ操作によって、の項目から他の項目へ、処理対象を切り換えられ、かつ当該一の項目に対する処理が完了している場合に、前記ユーザ操作が行われるまでに行われた当該一の項目に対する処理結果を出力することを特徴とする。
【0011】
また、前記プロセッサは、前記処理結果を出力する前に、出力の是非をユーザに問い合わせることを特徴とする。
【0012】
また、前記プロセッサは、ユーザが出力の拒否を選択した場合、前記出力条件の設定を変更可能にすることを特徴とする。
【0013】
また、前記プロセッサは、前記処理結果を正常に出力できなかった場合、その旨をユーザに通知することを特徴とする。
【0014】
また、前記プロセッサは、正常に出力されなかった前記項目に対する処理結果を、ユーザから指定された単位で再出力することを特徴とする。
【0015】
また、前記ユーザから指定された単位は、正常に出力できなかった前記項目に対する処理の結果全て又は項目単位であることを特徴とする。
【0016】
また、前記プロセッサは、一または複数の項目ごとに、該項目の処理結果の出力先が定められている場合、前記ユーザ操作が行われた際に、一または複数の項目ごとに、予め定められた出力先へ、該項目の処理結果を出力することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザ指示に応じて所定の出力条件を設定する機能、複数の項目を、処理を行う順番で表示する機能、所定のユーザ操作によって、処理対象とする項目を切り換える機能、前記ユーザ操作が行われ、かつ前記ユーザ操作が行われるまでに処理対象であった項目が、前記出力条件に合致する場合、前記ユーザ操作が行われるまでの処理結果を出力する機能、を実現させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、複数の項目を、処理を行う順番で表示し、所定のユーザ操作に応じて処理対象とする項目を切り換える場合において、処理対象の項目を切り換える操作と処理結果の出力指示を行う操作が別の操作である場合に比して、処理結果の出力を行うまでのユーザの操作回数を低減させることができる。また、出力条件をユーザに指定させることができる。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、特定のグループに含まれる項目に対する処理が終了する度に、出力条件に合致する項目に対する処理の結果を出力することができる。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、文書又は文書を構成するページに含まれる項目に対する処理が終了する度に、出力条件に合致する項目に対する処理の結果を出力することができる。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、全ての特定の項目に対する処理が終了した時点で、出力条件に合致する項目に対する処理の結果を出力することができる。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、出力の是非をユーザに確認することができる。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、出力される項目の構成がユーザにとって希望する構成でない場合に、出力条件を変更させることができる。
【0025】
請求項に記載の発明によれば、項目に対する処理の結果を自動的に出力する場合において、その出力時にエラーが発生したことをユーザに知らせることができる。
【0026】
請求項に記載の発明によれば、正常に出力できなかった項目に対する処理の結果の出力を再度試みることができる。
【0027】
請求項に記載の発明によれば、ユーザからの指示に応じて、正常に出力できなかった項目に対する処理の結果をまとめて、又は項目毎に出力することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、出力先が取得したい項目に対する処理の結果のみを出力先に提供することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、複数の項目を、処理を行う順番で表示し、所定のユーザ操作に応じて処理対象とする項目を切り換える場合において、処理対象の項目を切り換える操作と処理結果の出力指示を行う操作が別の操作である場合に比して、処理結果の出力を行うまでのユーザの操作回数を低減させることができる。また、出力条件をユーザに指定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施の形態における帳票処理装置を示すブロック構成図である。
図2】本実施の形態における帳票情報記憶部に記憶される帳票情報のデータ構成の一例を示す図である。
図3】本実施の形態における出力条件情報記憶部に設定される出力条件情報のデータ構成の一例及び設定内容の例を示す図である
図4】本実施の形態における出力先情報記憶部に記憶される出力先情報のデータ構成の一例を示す図である。
図5】本実施の形態における帳票確認訂正画面の表示の一例を示す図である。
図6】本実施の形態における確認訂正処理を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態における確認中画面の表示の一例を示す図である。
図8】本実施の形態における確認済み画面の表示の一例を示す図である。
図9】本実施の形態において用意している確認画面の表示例を示す図である。
図10】本実施の形態において用意している確認画面の他の表示例を示す図である。
図11】本実施の形態における変更画面の表示の一例を示す図である。
図12】本実施の形態におけるメッセージ画面の表示の一例を示す図である。
図13】本実施の形態における確認済み画面の他の表示例を示す図である。
図14】本実施の形態におけるメッセージ画面の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態における帳票処理装置を示すブロック構成図である。本実施の形態における帳票処理装置10は、本発明に係る情報処理装置の一実施の形態に相当する。
【0033】
本実施の形態における帳票処理装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等の従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、帳票処理装置10は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶手段、入力手段として用いられるマウスやキーボード、及び表示手段としてのディスプレイを含むユーザインタフェース、更に通信手段としてネットワークインタフェース(IF)を備える。
【0034】
詳細は後述するように、本実施の形態では、確認訂正という処理の対象とする複数の項目を画面に並べて表示し、画面に表示された複数の項目の並びのうち、まだ処理されていない先頭の項目を処理対象としてユーザに提示する。処理対象となる項目は、所定のユーザ操作に応じて切り替える。実際には、現在処理対象となっている項目の次に並んでいる項目に移行する。本実施の形態では、スクロール操作を所定のユーザ操作の例として説明する。
【0035】
本実施の形態において処理対象となる複数の項目は、帳票に記載されている。帳票は、1又は複数の項目が記入されている文書の一例である。換言すると、処理対象となる複数の項目は、帳票という特定のグループに分類されているともいえる。なお、1つの帳票は、複数のページから構成されている場合にある。この場合、複数の項目は、帳票を構成するページという特定のグループに分類されているともいえる。
【0036】
本実施の形態において取り扱う帳票は、例えば、氏名、住所、名称、数量、金額等の各種項目に対応する項目値が手書きにより記入されていることを想定している。そして、ユーザが行う確認訂正作業では、文字認識処理を利用して、帳票に手書きにより入力された項目値を電子データ化する際に、ユーザがその文字認識の結果が正しいかどうかを目視により確認する。そして、正しくない文字認識処理の結果を見つけると正しい文字列に訂正する。本実施の形態における帳票処理装置10は、ユーザが確認訂正作業を実施する際に使用される。
【0037】
なお、本実施の形態では、帳票に手書きにより入力された項目値に対する文字認識処理の結果をユーザに確認させ、必要により訂正させる。ユーザが文字認識処理の結果を確認し、必要に応じて訂正することを「確認訂正」と称する。そして、確認訂正を行う際に、ユーザが実施する確認訂正を確認訂正作業、確認訂正作業において処理対象とする項目個々に対してユーザが行う作業を「確認訂正」、ユーザが確認訂正作業を実施する際に帳票処理装置10が実施する確認訂正を「確認訂正処理」と称することにするが、これらは、同時に実施されることなので、明確に使い分けて説明しない場合がある。
【0038】
本実施の形態における帳票処理装置10は、図1に示すように、帳票取得部11、文字認識処理部12、確認訂正処理部13、出力制御部14、出力条件設定部15、ユーザインタフェース(UI)処理部16及び制御部17を有している。また、各種情報の記憶手段として帳票記憶部21、帳票定義情報記憶部22、帳票情報記憶部23、出力条件情報記憶部24及び出力先情報記憶部25を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図から省略している。
【0039】
帳票取得部11は、例えば帳票を管理するサーバ等外部のコンピュータから帳票を取得する。厳密には、帳票がスキャナ等に読み取られて生成される読取画像を取得する。以降の説明では、説明の便宜上、コンピュータにより処理可能な電子化された帳票データも、単に「帳票」と記載する。帳票取得部11は、取得した複数の帳票を帳票記憶部21に保存する。
【0040】
文字認識処理部12は、文字認識処理を実施することによって帳票に記載されている文字列のうち、確認訂正処理の対象とする項目値を抽出する。項目値は、文字列で表されている。ここでいう「文字列」というのは、1又は複数の文字から成る。帳票定義情報記憶部22が記憶する帳票定義情報には、帳票の種類毎に、当該帳票において確認訂正作業の対象となる項目及び当該項目の項目値の帳票上における記入領域が規定されている。従って、文字認識処理部12は、処理対象とする帳票に対応する帳票定義情報を参照して確認訂正作業の対象となる項目値を抽出する。より詳細には、文字認識処理部12は、確認訂正作業の対象となる項目値の記入領域に記入されている文字画像及びその文字画像に対する文字認識処理の結果を組にして抽出して、帳票情報記憶部23に保存する。
【0041】
確認訂正処理部13は、ユーザ操作に応じて確認訂正処理を実施する。確認訂正処理の詳細は後述する。出力制御部14は、出力条件情報記憶部24に記憶されている出力条件情報に従って確認訂正処理の結果の出力を制御する。より具体的には、出力制御部14は、スクロール操作が行われ、かつそのスクロール操作が行われるまでに処理対象であった項目が所定の出力条件に合致する場合、スクロール操作が行われるまでの処理結果(厳密には、出力されていない処理結果)をまとめて出力する。本実施の形態では、文字認識処理の結果を、単に「処理結果」と称する。本実施の形態では、処理結果をCSV(Comma Separated Value)形式にてファイルを作成して出力する。もちろん、これは一例であって、出力する方式は、CSV形式に限定する必要はない。また、ファイル形式にて出力することに限定する必要はない。出力条件設定部15は、ユーザ指示に応じて出力条件を設定する。出力条件の設定内容は、出力条件情報として出力条件情報記憶部24に記憶される。
【0042】
ユーザインタフェース処理部16は、操作受付部161及び表示制御部162を有している。操作受付部161は、マウスやキーボード等を用いたユーザ操作を受け付ける。表示制御部162は、ディスプレイへの表示を制御する。制御部17は、各構成要素11~16の動作を制御する。
【0043】
図2は、本実施の形態における帳票情報記憶部23に記憶される帳票情報のデータ構成の一例を示す図である。帳票情報には、帳票毎に、項目情報が対応付けられる。図2において、帳票IDは、各帳票を識別するための識別情報であり。同種の帳票でも異なる識別情報が設定されている。帳票IDは、帳票取得部11が取得する帳票に付加されている情報の1つである。項目情報は、項目ID、画像、処理結果、訂正結果、確認、出力済み、出力エラー、急ぎ等の各項目を含む。「項目ID」は、項目を識別するための識別情報である。「画像」には、文字認識処理部12が帳票から切り出した項目値の画像が設定される。「処理結果」には、当該画像に対する文字認識処理の結果となる文字列が設定される。「訂正結果」には、確認訂正作業においてユーザが処理結果を訂正した場合に、その訂正結果となる文字列が設定される。「確認」は、確認訂正処理中にユーザが確認訂正作業をしたかどうかを示すフラグ情報である。「確認」には、確認訂正作業をした場合にはその旨を示す情報(本実施の形態では、“OK”という文字列)が設定される。「出力済み」は、出力制御部14が当該項目に対する処理結果が出力されたかどうかを示すフラグ情報である。「出力済み」には、出力が済んでいる場合には“済”が、出力が済んでいない場合には“未”が、それぞれ設定される。「出力エラー」は、出力制御部14による出力結果を示すフラグ情報である。「出力エラー」は、正常に出力できた場合、あるいはまだ出力されていない場合は“-”が設定される。正常に出力できなかった場合には“E”が設定される。なお、「急ぎ」は、確認訂正処理を急いで実行したい項目、換言すると帳票の取得順や一帳票上に記載されている項目の並び順(例えば、記載順)に関係なく優先的に処理対象としたい項目を特定するフラグ情報である。「急ぎ」には、優先的の処理対象としたい項目には“Y”が、そうでない項目には“N”が、それぞれ設定される。
【0044】
図3は、本実施の形態における出力条件情報記憶部24に設定される出力条件情報のデータ構成の一例及び設定内容の例を示す図である。出力条件情報には、ユーザにより設定された出力条件が設定される。具体的には、出力先への出力単位と、ユーザにより指定される条件が出力単位によって設定される。本実施の形態では、出力条件として、「帳票毎」、「帳票のページ毎」、「指定された帳票毎」及び「指定された項目毎」が設定可能である。もちろん、取り扱う帳票の種類や文書によっては、その他の出力条件を設定してもよい。「帳票毎」が設定されている場合、1つの帳票に含まれる全ての項目について確認訂正が終了した時点でCSVファイルが出力される。「帳票のページ毎」が設定されている場合、1つの帳票を構成するページに含まれる全ての項目について確認訂正が終了した時点でCSVファイルが出力される。「指定された帳票毎」が設定されている場合、指定内容の項目に設定されている条件に合致する帳票に含まれる全ての項目について確認訂正が終了した時点でCSVファイルが出力される。そして、「指定された項目毎」が設定されている場合、指定内容の項目に設定されている条件に合致する項目の全てについて確認訂正が終了した時点でCSVファイルが出力される。
【0045】
図4は、本実施の形態における出力先情報記憶部25に記憶される出力先情報のデータ構成の一例を示す図である。出力先情報には、CSVファイルの出力先毎に、当該出力先へ出力するデータの構成が設定されている。出力データの構成は、「項目の処理結果」と「項目以外」とに区分けされて設定される。「項目の処理結果」には、確認訂正処理の対象となる項目のうち、当該出力先へ処理結果を提供する項目が設定される。「項目以外」は、確認訂正処理の対象となる項目以外の情報が設定される。例えば、出力先へ通知したいコメントや備考等である。
【0046】
帳票処理装置10における各構成要素11~17は、帳票処理装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部21~25は、帳票処理装置10に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0047】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0048】
次に、ユーザが行う帳票の確認訂正作業について説明する。
【0049】
まず、ユーザは、確認訂正作業を行うために処理対象とする帳票を帳票処理装置10に取り込む必要がある。そのために、ユーザは、例えば、帳票管理サーバが保持する帳票のデータベースの中から処理対象とする帳票を選択する。そして、帳票取得部11は、ユーザからの指示に応じてユーザにより選択された複数の帳票を確認訂正作業の処理対象として取得し、帳票記憶部21に保存する。なお、ここでは、説明の便宜上、取得した帳票は、全て同じ種類の帳票であって、各帳票から同じ項目の項目値が取得されるものとする。なお、帳票処理装置10が取得する帳票は、ユーザ操作によらず、帳票管理サーバが選択した帳票を帳票処理装置10に提供するようにしてもよい。
【0050】
文字認識処理部12は、帳票が取得されると、帳票定義情報を参照して、各帳票から項目値の画像を切り出すと共に、切り出した画像に対して文字認識処理を実施する。そして、文字認識処理部12は、処理対象の帳票の帳票IDに、文字認識処理した項目の項目ID、切り出した画像及び文字認識処理の処理結果を対応付けて帳票情報記憶部23に登録する。この時点では、帳票情報には、帳票ID、項目ID、画像及び処理結果にデータが設定され、各項目のその他は初期値が設定された状態である。但し、確認訂正処理の実行中に設定される「確認」、「出力済み」、「出力エラー」以外は、帳票管理サーバやユーザにより指定された情報が設定されてもよい。例えば、急いで処理させたい項目に対しては、帳票の取得時点で「急ぎ」のフラグ情報を設定してもよい。
【0051】
確認訂正作業は、確認訂正画面を利用して行われる。本実施の形態における帳票確認訂正画面の表示の一例を図5に示す。
【0052】
帳票確認訂正画面30には、帳票取得部11が取得した帳票の画像を表示するための帳票表示領域31と、ユーザが確認訂正するための確認訂正領域32と、が表示される。帳票に手書きされた文字は、文字認識処理されるが、確認訂正領域32には、確認すべき項目となる手書き文字の切り出し画像と手書き文字の文字認識処理の結果とが並べて表示される。ユーザは、確認訂正領域32を参照して、帳票に手書き入力された内容を確認できる。確認訂正領域32に表示される画面(以下、「確認訂正処理画面」という)には、「確認中」及び「確認済み」という2つのタブ33,34が表示され、ユーザにより確認中タブ33が選択されると確認中画面が、確認済みタブ34が選択されると確認済み画面が、それぞれ確認訂正領域32に表示される。
【0053】
そして、確認中画面において、手書き文字と当該手書き文字に対する処理結果とを照合し、処理結果が手書き文字と一致しているかどうかを確認する。文字認識結果が手書き文字と一致していなければ、ユーザは処理結果を訂正する。ユーザは、以上のようにして各項目に対して確認訂正を行うが、確認訂正が終了した項目は、確認済み画面に表示される。なお、確認訂正が終了した項目は、確認中画面に表示されたままであってもよい。以降の説明において、確認中画面と確認済み画面を特に区別なく説明する場合は、「確認訂正処理画面」と総称する。確認訂正処理画面には、各項目に対応する切り出し画像と処理結果とが組にして表示されるが、確認訂正処理画面を用いた説明において、項目に対応する切り出し画像と処理結果の組を便宜的に「項目」とも称する。確認訂正処理画面の詳細については、後述する。
【0054】
ユーザは、処理対象の全ての帳票に含まれる全ての項目を処理すると、OKボタン35を選択することで確認訂正作業を終了させる。なお、キャンセルボタン36が選択された場合、帳票処理装置10は、確認訂正処理が中断されたと判断して、確認訂正処理を終了する。
【0055】
以下、ユーザが帳票確認訂正画面30の確認訂正領域32に表示される画面から処理結果の確認、訂正を行う確認訂正処理について図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0056】
前述したように、帳票取得部11が、ユーザ操作に応じて処理対象とする複数の帳票を取得し、文字認識処理部12が各帳票から処理対象とする項目値の切り出し画像と処理結果とを抽出すると、確認訂正処理部13は、制御部17により起動されることで確認訂正処理を開始する。
【0057】
確認訂正処理部13は、最初に、設定されている出力条件情報を出力条件情報記憶部24から読み出すことで、出力条件を認識する(ステップ101)。そして、確認訂正処理部13は、帳票確認訂正画面30を画面表示する(ステップ102)。このとき、確認訂正処理部13は、確認訂正処理画面に表示する項目(すなわち、切り出し画像と処理結果との組)の並び順を出力条件に従って決定する。
【0058】
例えば、帳票取得部11が帳票1~帳票m(mは2以上の自然数)の帳票を取得したとする。なお、項目の並び順を決定する際には、各帳票は1ページでも複数のページから構成されていてもよい。そして、出力条件の出力単位に「帳票毎」または「帳票のページ毎」が設定されていたとする。この場合、確認訂正処理部13は、帳票1に含まれているn(nは自然数)個の全ての項目を順番に並べる。そして、帳票1の項目に続いて、帳票2に含まれている全ての項目を順番に並べる。更に、帳票3~mにおいても同様に直前の帳票の項目に続けて全ての項目を順番に並べる。
【0059】
また、出力条件の出力単位に「指定された帳票毎」が設定されていた場合、帳票1~mのうち指定された帳票に含まれている項目を優先的に、すなわち先の並び順となるように並べる。例えば、出力条件として、図3に例示する「(b)急ぎの帳票分まとめて」が指定されている場合、帳票情報を参照し、「急ぎ」のフラグが設定されている項目を含む帳票を優先して先に並べる。
【0060】
また、出力条件の出力単位に「指定された項目毎」が設定されていたとする。この場合、確認訂正処理部13は、指定された項目を優先的に、すなわち先の並び順となるように並べる。例えば、各帳票に「氏名」、「注文数」及び「支払金額」という項目が含まれている場合において、出力条件の指定内容に「注文数」が指定されている場合(これは、図3における指定内容(f)に相当)、確認訂正処理部13は、帳票1の「注文数」、帳票2の「注文数」,・・・,帳票mの「注文数」と項目を並べる、これに続けて、帳票1の「氏名」、帳票2の「氏名」,・・・,帳票mの「氏名」を並べる。これに続けて、各帳票1~mの「支払金額」を並べる。
【0061】
また、出力条件の指定内容に項目が指定されていない場合(これは、図3における指定内容(g)に相当)、確認訂正処理部13は、各帳票における項目の並びに従って項目の並び順を設定する。すなわち、帳票1の「氏名」、帳票2の「氏名」,・・・,帳票mの「氏名」を並べ、これに続けて帳票1の「注文数」、帳票2の「注文数」,・・・,帳票mの「注文数」、更に帳票1~mの「支払金額」を続けて並べる。
【0062】
確認訂正処理部13は、以上説明したように、出力条件に従って確認訂正処理画面に表示される項目の並び順を決定する。なお、確認訂正処理部13は、確認訂正処理画面等の各画面を表示制御部162に表示させることになるが、以下の説明では、便宜的に確認訂正処理部13が表示すると記載する場合もある。
【0063】
図7は、本実施の形態における帳票確認訂正画面30の確認訂正領域32に表示される確認中画面の表示の一例を示す図である。確認中画面は、前述したように確認訂正領域32の表示画面から確認中タブ33が選択されることによって表示される。
【0064】
確認中画面において、上記のようにして決定した並び順に項目、すなわち、当該項目の項目値の切り出し画像と処理結果との組が表示される。各項目には、「確認OK」欄が対応付けして設けられる。
【0065】
ユーザは、確認中画面において、各項目を上から順番に処理する。換言すると、確認訂正処理部13は、未処理の項目を上から順番に処理させるように処理対象の項目を特定する。ユーザは、確認中画面において、切り出し画像と処理結果とを照合し、処理結果が正しいかどうかを確認する。処理結果に誤りがあると認定した場合、切り出し画像を参照して、「処理結果」欄に表示されている文字列を正しい文字列で訂正する。処理結果が正しいと判定した場合、訂正しない。
【0066】
ユーザが処理対象の項目に対して確認と、必要により訂正を行うと、次の項目に処理対象を移行する。本実施の形態では、ユーザによるスクロール操作によって次の項目に処理対象を移行させる。ユーザが何らかの操作をすると、操作受付部161は、その操作を受け付ける(ステップ103)。その操作がスクロール操作でない場合は後述するとして(ステップ104でN)、スクロール操作の場合(ステップ104でY)、確認訂正処理部13は、確認訂正処理が終了した項目の帳票情報を更新する(ステップ105)。すなわち、帳票情報における「確認」に確認済みを示す“OK”を設定する。また、処理結果を訂正した場合には、その訂正内容を「訂正結果」に設定する。更に、確認訂正処理部13は、確認中画面の、確認訂正が終了した項目に対応する確認OK欄に確認訂正が終了した旨の“OK”を表示させる(ステップ106)。
【0067】
図7に示す確認中画面の表示例では、上から2番目の項目に対する処理が終了したことで、対応する確認OK欄に“OK”37が表示されることによって処理が終了したことをユーザに確認させる。また、確認訂正処理部13は、処理対象とする項目を次の項目に移行する(ステップ107)。確認訂正処理部13は、移行先となる次の項目(図7に示す確認中画面の表示例では、3番目の項目)における「処理結果」欄の表示訂正フィールド38を太枠で表示することによって、処理対象の項目をユーザに認識させる。なお、本実施の形態では、処理対象の項目を太枠で知らせるようにしたが、この例に限らず、例えば処理対象の項目の行の背景色を処理対象でない項目の背景色と異ならせるなど、他の表示属性を制御してもよい。ユーザは、基本的には、前述した確認訂正とスクロール操作を繰り返し実行することで、処理対象とする全ての帳票に含まれる全ての項目に対して確認訂正を行う。
【0068】
出力制御部14は、ユーザによる確認訂正作業を常時監視している。そして、1つの項目に対してユーザが確認訂正を行う度に、現在の確認訂正の状況が出力条件に合致しているかどうかを確認する。例えば、出力条件に「帳票毎」と設定されている場合、上記スクロール操作によって1つの帳票に含まれる全ての項目に対する確認訂正が終了したかどうかを確認する。確認、訂正が終了していない場合(ステップ108でN)、ステップ103に移行する。
【0069】
1つの帳票に対する確認訂正が終了した場合(ステップ108でY)、出力制御部14は、帳票情報の設定内容に従ってCSVファイルを自動的に作成し、そして作成したCSVファイルを自動的に出力する(ステップ109)。
【0070】
つまり、本実施の形態においては、CSVファイルの作成及び出力をさせるための操作をユーザにさせる必要がない。ユーザは、出力条件を予め設定さえしておけば、表示されている各項目に対して確認訂正を行い、そして処理対象の項目を次の項目に切り替えるためにスクロール操作をするだけでよい。
【0071】
なお、ここでは、出力制御部14が現在の確認訂正の状況が出力条件に合致するかどうかを確認するように説明したが、確認訂正処理部13が確認を行い、出力制御部14に出力を指示するようにしてもよい。あるいは、制御部17が現在の確認訂正の状況と出力条件とを照合するように処理してもよい。
【0072】
出力条件に「帳票毎」と設定されている場合、出力制御部14は、確認訂正が終了した帳票に対する処理の内容を帳票情報から読み出してCSVファイルを作成する。そして、出力制御部14は、作成したCSVファイルを所定の出力先へ出力する。なお、ここでは、出力先は1カ所のみとする。複数の出力先への出力に関しては、後述する。
【0073】
出力先への出力が終了すると、確認訂正処理部13は、帳票情報における「出力済み」に出力済みを示す“済”を設定すると共に、確認中画面の、出力が終了した項目に対応する確認OK欄に出力が終了した旨の“出力済み”を表示させる(ステップ110)。
【0074】
処理対象とする全ての帳票に含まれる全ての項目に対して確認訂正処理が終了していれば(ステップ111でY)、確認訂正処理を終了する。終了していない場合(ステップ111でN)、ステップ103に移行する。
【0075】
図8は、本実施の形態における帳票確認訂正画面30の確認訂正領域32に表示される確認済み画面の表示の一例を示す図である。確認済み画面は、前述したように確認訂正処理画面において確認済みタブ34が選択されることによって表示される。
【0076】
確認中画面と確認済み画面との形式は同じでよい。但し、確認中画面には、処理対象とする全ての項目が表示されることになるが、確認済み画面には、処理対象とする全ての項目のうち、確認中画面において確認訂正が終了した項目が抽出されて表示される。従って、確認済み画面において、各項目の「確認OK」欄には、何らかの表示がされることになる。確認訂正処理部13は、確認済みタブ34がユーザにより選択されると、帳票情報を参照して、「確認」の欄に“OK”が設定されている項目を抽出して確認済み画面に表示する。そして、確認済み画面の「確認OK」の欄に“OK”を表示させる。更に、確認訂正処理部13は、帳票情報の「出力済み」を参照して、抽出した項目のうち出力が終了している項目に対しては、「確認」の欄に更に“出力済み”を表示させる。
【0077】
確認済み画面において、ユーザは、確認中画面から行った確認訂正で見落としや訂正ミスなどによって、誤った処理結果を見つけ出す場合がある。この場合に、確認訂正をやり直せるように「未確認に戻す」ボタン39を、出力が終了していない項目に対応させて表示させる。なお、出力が終了した項目に対しても「未確認に戻す」ボタン39を表示させて、確認訂正及び出力をやり直せるようにしてもよい。
【0078】
ユーザが「未確認に戻す」ボタン39選択すると、確認訂正処理部13は、帳票情報の、対応する項目の「確認」の欄から“OK”を削除すると共に、当該項目は確認済み画面から削除する。これにより、確認中タブ33が選択されて確認中画面が表示される場合、当該項目の「確認OK」欄からも“OK”が削除される。
【0079】
以上の説明では,出力条件として「帳票毎」が設定されている場合を例にして説明した。例えば、出力条件として「帳票のページ毎」が設定されている場合、出力制御部14は、帳票を構成するページに含まれている全ての項目に対する確認訂正が終了する度に、当該ページに含まれている全ての項目に対する確認訂正の処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。
【0080】
また、出力条件として「指定された帳票毎」が設定されている場合、出力制御部14は、出力条件に指定内容に指定されている全ての帳票に含まれる項目の全てに対して確認訂正が終了すると、当該全ての項目に対する確認訂正の処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。
【0081】
また、出力条件として「指定された項目毎」が設定されている場合、出力制御部14は、出力条件の指定内容に指定されている項目の全てに対して確認訂正が終了すると、当該全ての項目に対する確認訂正の処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。例えば、上記例示したように、各帳票に「氏名」、「注文数」及び「支払金額」という項目が含まれている場合において、出力条件の指定内容に特定の項目として「注文数」が指定されている場合(これは、図3における指定内容(f)に相当)、確認訂正処理部13は、帳票1の「注文数」、帳票2の「注文数」,・・・,帳票mの「注文数」、帳票1の「氏名」、帳票2の「氏名」,・・・,帳票mの「氏名」、帳票1の「支払金額」、帳票2の「支払金額」,・・・,帳票mの「支払金額」という順に項目を確認中画面に表示して、この並び順で確認訂正をユーザにさせることになる。これに対し、出力制御部14は、帳票mの「注文数」に対する確認訂正が終了し、スクロール操作が行われることで次の項目、上記例では「氏名」に処理対象が切り替わると、それまでに行われた処理結果、すなわち帳票1~mの「注文数」という項目に対する処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。続いて、帳票mの「氏名」に対する確認訂正が終了し、スクロール操作が行われることで次の項目、上記例では「支払金額」に処理対象が切り替わると、出力制御部14は、それまでに行われた処理結果、厳密にはそれまでに行われた処理結果のうち未出力の処理結果、ここでは、帳票1~mの「氏名」という項目に対する処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。同様に、帳票mの「支払金額」に対する確認訂正が終了したことを認識すると、出力制御部14は、帳票1~mの「支払金額」という項目に対する処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。
【0082】
以上が基本的な確認訂正処理であるが、本実施の形態では、更に付加的な機能を用意している。この付加的な機能について以下に説明する。なお、スクロール操作以外のユーザ操作(ステップ104でN)として、以降に説明する付加的な機能によって表示された画面に対する操作がある。
【0083】
図9は、本実施の形態において用意している確認画面の表示例を示す図である。図9には、出力条件として「帳票毎」が設定されている場合において、1つの帳票(図9に示す例では「注文書005」)に含まれる全ての項目に対する確認訂正が終了したことに伴いCSVファイルを作成しようとしたところ、帳票に含まれている項目(図9に示す例では「注文ID」であって、処理結果が設定されていることが必須であり、空白が許容されていない項目)の処理結果が空白であることから、確認訂正処理部13又は出力制御部14が、出力の是非をユーザに問い合わせるための確認画面の表示例が示されている。ユーザは、この確認画面を参照して、必須な項目であっても出力したい場合には「はい」ボタン41を選択する。これにより、出力制御部14が、帳票(図9に示す例では「注文書005」)に対応するCSVファイルを作成して出力する。一方、ユーザが「いいえ」ボタン42を選択すると、確認訂正処理部13は、帳票(図9に示す例では「注文書005」)に含まれる項目(図9に示す例では「注文ID」)を少なくとも確認中画面に表示させて、ユーザに確認訂正を再度実施させる。
【0084】
図10は、本実施の形態において用意している確認画面の他の表示例を示す図である。上記説明では、出力条件に合致した出力単位で出力が可能となった場合、CSVファイルを自動的に出力するようにしたが、自動的に出力するのではなく、図10に示す確認画面を表示させて、出力の是非をユーザにその都度問い合わせるようにしてもよい。図10には、出力条件として「指定された項目毎」が設定され、指定内容に「注文者名」、「品名」及び「数量」をまとめて出力するよう設定されている場合の例である。ユーザが「はい」ボタン43を選択すると、出力制御部14は、全ての帳票の「注文者名」、「品名」及び「数量」の処理結果を含むCSVファイルを作成して出力する。一方、ユーザが「いいえ」ボタン44を選択すると、出力制御部14は、CSVファイルを出力しない。この場合、確認訂正処理部13は、出力条件を変更させるための変更画面を画面に表示してもよい。
【0085】
図11は、本実施の形態における変更画面の表示の一例を示す図である。変更画面45には、出力条件の出力単位がリスト表示される。図11に示す変更画面45は、図3に示す出力単位に対応させている。変更画面45に表示される各出力単位には、選択ボタン46が対応付けして表示される。選択ボタン46は、選択可能かどうかの状況に応じて表示形態が異なる。例えば、選択可能な出力単位に対応する選択ボタン46は、枠を実線にて示すことで、選択可能であることを示している。一方、選択不可の出力単位に対応する選択ボタン46は、枠を破線でかつ文字色を薄くすることで、選択不可であることを示している。変更画面45から出力単位が選択されると、確認訂正処理部13は、選択された出力単位で出力条件情報を更新する。
【0086】
図12は、本実施の形態において出力エラーが発生したときの表示されるメッセージ画面の表示例を示す図である。前述したように、項目を処理して次の項目に処理対象が移行したタイミングで、出力条件に合致するかどうかを判定し、出力条件に合致している場合、出力制御部14は、未出力分の項目に対する処理結果を含むCSVファイルを、ユーザからの指示操作がなくても、またユーザが確認訂正を実施している途中でも、自動的に出力する。つまり、CSVファイルの出力は、確認訂正作業のバックグラウンドで実施されることになるが、通信エラー等何らかの障害の発生により、CSVファイルが出力先へ正常に送り届けることができない場合が発生しうる。
【0087】
そこで、本実施の形態における出力制御部14は、通信エラー等が発生した場合、メッセージ画面47を表示することによって、CSVファイルの出力の失敗をユーザに知らせることができるようにした。また、出力制御部14は、出力できなかった項目に対応させて、帳票情報に含まれている「出力エラー」の欄に“E”を設定することで、出力できていないことの情報管理を行う。
【0088】
ユーザは、表示されたメッセージに従って、送信に失敗した項目の処理結果を再出力したいときに、確認済みタブ34を選択して確認済み画面を表示させる。図13は、このときに表示される確認済み画面を示す図である。図13に示すように、エラーが発生している場合、確認訂正処理部13は、「まとめて再出力」ボタン48と、出力できなかった項目に対応させて「再出力」ボタン49を確認済み画面に表示する。
【0089】
ユーザが項目を個々に再出力したい場合、出力したい項目に対応する「再出力」ボタン49を選択する。出力制御部14は、このユーザ操作に応じて、選択された項目を出力する。ユーザが複数の項目をまとめて再出力したい場合、「まとめて再出力」ボタン48を選択する。確認訂正処理部13は、この操作に応じてメッセージ画面を表示する。このメッセージ画面が表示されたときの表示例を図14に示す。
【0090】
メッセージ画面50では、再出力する単位をユーザに選択させる。図14に示す表示例では、出力に失敗した全ての項目をまとめて出力するか、出力に失敗した全ての項目をページ単位に出力するか、が選択可能である。もちろん、これは出力単位の一例であって、他の出力単位が選択できるようにしてもよい。ユーザが所望する出力単位に対応するいずれかのチェックボックス51にチェックした後に「再出力」ボタン52を選択すると、出力制御部14は、出力に失敗している項目の中から、ユーザにより選択された出力単位に該当する項目を抽出して出力する。再出力で出力先への出力が正常に終了した場合、出力制御部14は、帳票情報に含まれている「出力エラー」の欄を“-”に変更する。
【0091】
上記説明では、CSVファイルの出力先が便宜的に1カ所のみとして説明した。ここで、CSVファイルを複数の出力先へ出力する場合について詳述する。
【0092】
図4に示すように、出力先情報には、出力先毎に、当該出力先へ出力するデータの種類が設定されているので、出力制御部14は、出力先情報に設定内容に従ってCSVファイルの出力を制御する。例えば、出力単位として「帳票毎」が設定されている場合、一帳票に含まれる全ての項目に対して確認訂正が終了すると、出力制御部14は、出力先それぞれに対応するCSVファイルを作成して出力することになる。このとき、出力制御部14は、出力先情報の当該出力先に対応する出力データの「項目の処理結果」に設定されている項目のみを出力対象として抽出し、CSVファイルを作成する。これにより、各出力先は、当該出力先において実施する後段の処理において必要な処理結果のみを得ることができる。つまり、一帳票に含まれる全ての項目が出力対象となるとは限らない。
【0093】
また、出力制御部14は、出力先情報の出力データの「項目以外」に設定されている情報をCSVファイルと共に出力する。なお、「項目以外」に設定されている情報がCSVファイルに含めることが可能な情報であれば、出力先との協議のもとCSVファイルに含めて出力してもよい。
【0094】
このように、図6に示すフローチャートにおけるステップ109において、出力制御部14は、出力先情報を参照して、出力単位に含まれる全ての項目の中から「項目の処理結果」に指定されている項目を抽出して、CSVファイルを出力先毎に作成して出力することになる。
【0095】
以上説明したように、本実施の形態においては、ユーザによりスクロール操作に応じて処理対象とする項目を次に移行させ、その処理対象の移行したタイミングで、出力条件に設定されている出力単位に含まれる項目に対する処理が終了していれば、出力単位毎にCSVファイルを自動的に作成して、出力するようにした。つまり、CSVを出力させる操作をユーザにさせる必要がない。
【0096】
なお、本実施の形態では、次の項目に処理対象を移行させる所定のユーザ操作としてスクロール操作を例にして説明した。スクロール操作は、例えば、マウスのホイールに対する操作などで行うことができる。マウスによっては、ホイールへの設定によってホイールの回転量や速さなどの大きさに応じてスクロールの量を可変にできる機能が設けられているが、本実施の形態では、ユーザがスクロール操作すると、そのスクロール操作の大きさに関係なく、確認訂正処理画面において現在処理対象となっている項目から次の項目に移行させる。
【0097】
また、スクロールは、処理対象の項目を次の項目に切り替える順方向への操作とは逆の方向にも行うことが可能である。確認訂正処理画面において確認訂正作業を行っている間は、逆方向へのスクロールを禁止してもよい。あるいは、処理対象の項目を確認済みの項目に戻し、上書き編集できるようにしてもよい。この場合、逆方向のスクロールにより処理対象として選択された項目は、確認済みの状態を解消する必要がある。具体的には、帳票情報の項目情報の「確認」から“OK”を削除すると共に、確認中画面の「確認OK」の欄から“OK”を削除する。
【0098】
本実施の形態では、文書の一例である帳票に確認訂正処理を施す場合を例にして説明した。ただ、これは一例であって、実施する処理は確認訂正処理に限定する必要はない。また、処理対象とする項目は、帳票又は帳票を構成するページという特定のグループに分けられている場合を例にして説明したが、特定のグループに分類されていなくてもよい。
【0099】
上記実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0100】
また上記実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 帳票処理装置、11 帳票取得部、12 文字認識処理部、13 確認訂正処理部、14 出力制御部、15 出力条件設定部、16 ユーザインタフェース(UI)処理部、17 制御部、21 帳票記憶部、22 帳票定義情報記憶部、23 帳票情報記憶部、24 出力条件情報記憶部、25 出力先情報記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14