IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図1
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図2
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図3
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図4
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図5
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図6
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図7
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図8
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図9
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図10
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図11
  • 特許-コンドーム用ブリスター容器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】コンドーム用ブリスター容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/36 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
B65D75/36
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020127508
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024742
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000107284
【氏名又は名称】ジェクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】槻尾 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】赤木 里紗
(72)【発明者】
【氏名】利光 勝久
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-062224(JP,U)
【文献】特開2008-213936(JP,A)
【文献】特開昭49-049495(JP,A)
【文献】特開2011-184071(JP,A)
【文献】特開平10-139083(JP,A)
【文献】特開2011-084317(JP,A)
【文献】特開2019-023105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
A61F 6/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き上げられたコンドームを本体に収納した状態で本体に蓋体を貼りつけて密封する、コンドーム用ブリスター容器であって、
前記本体は、
底部と開口部とを備え前記コンドームが収納される収納部と、
前記開口部の縁部を切り欠くように構成される切欠き部と、
前記底部から前記開口部側に突出するように構成される突出部と、を備え、
前記突出部は、前記突出部の上端位置が前記開口部の高さと同一となるように構成される、
コンドーム用ブリスター容器。
【請求項2】
前記突出部における前記蓋体が配置される側の端部が前記底部側に凹むように構成され、前記収納部内の前記コンドームの液溜め部が配置される凹部を備える、
請求項1に記載のコンドーム用ブリスター容器。
【請求項3】
前記突出部は、前記底部側に行くに従って太くなる部分を有する、
請求項1または請求項2に記載のコンドーム用ブリスター容器。
【請求項4】
前記本体は、
前記開口部の周囲に外側に突出するフランジ部と、
前記フランジ部からさらに外側に突出する把持部と、を備え、
前記蓋体は、前記把持部に接着されず、前記開口部を覆うように前記フランジ部に接着されることによって前記本体に設けられ、
前記把持部は、前記本体から前記蓋体を剥がして開封するときに使用者に把持される部分として構成され、
前記本体は、前記切欠き部を複数個備え、
複数個の前記切欠き部のうち少なくとも1個は、前記開口部の縁部と前記把持部が配置される部分のフランジ部との境界部分に配置される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンドーム用ブリスター容器
【請求項5】
前記底部は、窪み部を備え、
前記窪み部は、前記突出部からみて前記切欠き部が配置される方向に配置される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンドーム用ブリスター容器。
【請求項6】
前記蓋体は、前記蓋体の前記収納部の面にコロナ放電処理による潤滑剤付着防止処理が施されて構成される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコンドーム用ブリスター容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンドーム用ブリスター容器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンドームを収納する容器として、2枚のフィルム状の部材の縁部同士を張り合わせて袋状にして、内部の空間に巻き上げられたコンドームを収納して密封するものが公知となっている。
巻き上げられたコンドームは、コンドームの開口部の縁部を巻き上げていきコンパクトに構成したものであり、コンドームの胴部が巻き上げられて構成される口巻き部が外側縁部に配置され、口巻き部の内側にコンドームの巻き上げられていない胴部が配置され、当該胴部の平面視略中央部に液溜め部が配置されて構成される。
【0003】
また、巻き上げられたコンドームを収納する容器として、樹脂素材からなる本体とフィルム状の蓋体とを備え、巻き上げられたコンドームを本体に収納した状態で本体に蓋体を貼りつけて密封する、コンドーム用ブリスター容器は公知となっている(特許文献1参照)。コンドーム用ブリスター容器では、本体と蓋体とがラミネートシール、超音波接着または接着剤等によって接着されており、本体から蓋体を剥がして分離させることによって開封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2002-542128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記コンドーム用ブリスター容器では、本体に収納されたコンドームの縁部(口巻きの縁部)と本体の側壁との間には大きな隙間が形成されておらず、巻き上げられたコンドームを取り出すときに、コンドームの縁部(口巻きの縁部)と本体の側壁との間に指を挿入させることが困難で、コンドームを収納部から取り出す動作が億劫なものとなる場合があった。
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、巻き上げられたコンドームを収納部から取り出す動作を容易に行うことができるコンドームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、巻き上げられたコンドームを本体に収納した状態で本体に蓋体を貼りつけて密封する、コンドーム用ブリスター容器であって、前記本体は、底部と開口部とを備え前記コンドームが収納される収納部と、前記開口部の縁部を切り欠くように構成される切欠き部と、前記底部から前記開口部側に突出するように構成される突出部と、を備え、前記突出部は、前記突出部の上端位置が前記開口部の高さと同一となるように構成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記突出部における前記蓋体が配置される側の端部が前記底部側に凹むように構成され、前記収納部内の前記コンドームの液溜め部が配置される凹部を備えるものである。
【0010】
請求項3においては、前記突出部は、前記底部側に行くに従って太くなる部分を有するものである。
【0011】
請求項4においては、前記本体は、前記開口部の周囲に外側に突出するフランジ部と、前記フランジ部からさらに外側に突出する把持部と、を備え、前記蓋体は、前記把持部に接着されず、前記開口部を覆うように前記フランジ部に接着されることによって前記本体に設けられ、前記把持部は、前記本体から前記蓋体を剥がして開封するときに使用者に把持される部分として構成され、前記本体は、前記切欠き部を複数個備え、複数個の前記切欠き部のうち少なくとも1個は、前記開口部の縁部と前記把持部が配置される部分のフランジ部との境界部分に配置されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記底部は、窪み部を備え、前記窪み部は、前記突出部からみて前記切欠き部が配置される方向に配置されるものである。
【0013】
請求項6においては、前記蓋体は、前記蓋体の前記収納部の面にコロナ放電処理による潤滑剤付着防止処理が施されて構成されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、巻き上げられたコンドームを収納部から取り出す動作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のコンドーム用ブリスター容器の全体的な構成を示す斜視図。
図2】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体にコンドームが配置された状態を示す斜視図。
図3】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す斜視図。
図4】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す左側面図。
図5】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す平面図。
図6】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示すA-A線断面図。
図7】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す平面図。
図8】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示すB-B線断面図。
図9】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す斜視図。
図10】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す平面図。
図11】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す斜視図。
図12】同じくコンドーム用ブリスター容器の本体を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態に係るコンドーム用ブリスター容器1について、図1から図12を用いて説明する。
なお以下において、便宜上図中において本体2に対して蓋体3が配置される側を上方として説明するが、コンドーム用ブリスター容器1の上下方向をこれに限定するものではない。
【0017】
図1から図2に示すように、コンドーム用ブリスター容器1は、男性向け避妊具であるコンドーム20(巻き上げられたコンドーム20)収納する容器である。なお、コンドーム20は、男性向けであることに限定されず女性向けのものであってもよいものとする。コンドーム用ブリスター容器1は、樹脂素材からなる本体2とフィルム状の蓋体3とを備え、巻き上げられたコンドーム20を本体2に収納した状態で本体2に蓋体3を貼りつけて密封する。本体2と蓋体3とは、ラミネートシール、超音波接着または接着剤等によって接着されている。コンドーム用ブリスター容器1では、本体2から蓋体3を剥がして分離させることによって開封される。
【0018】
巻き上げられたコンドーム20は、コンドーム20の開口部の縁部を巻き上げていきコンパクトに構成したものであり、コンドーム20の胴部23が巻き上げられて構成される口巻き部21が外側縁部に配置され、口巻き部21の内側にコンドーム20の巻き上げられていない胴部23が配置され、当該胴部23の平面視略中央部に液溜め部22が配置されて構成される。
巻き上げられたコンドーム20には、その外面にシリコンオイルが設けられる。当該シリコンオイルは、巻き上げられたコンドーム20の胴部23(口巻き部21を形成する胴部23)にも次第に広がっていき、概ねコンドーム20の全体に行き渡る。また、巻き上げられたコンドーム20には、シリコンオイルが設けられた状態で、さらに液溜め部22を中心(液溜め部22及び胴部23の外面)に潤滑剤24が設けられる。
なお、コンドーム用ブリスター容器1に収納されるものとして、巻き上げられたコンドーム20にシリコンオイル及び潤滑剤24が設けられたものに限定するものではなく、シリコンオイル及び/または潤滑剤24が設けられないものであってもよいものとする。
【0019】
図2から図6に示すように、コンドーム用ブリスター容器1の本体2は、収納部10と、フランジ部13と、把持部14と、突出部15と、凹部16と、切欠き部17と、を備える。
【0020】
本体2は、有底で上端が開口する箱状に構成され、巻き上げられたコンドーム20の厚みと略同一の高さに形成される。本体2の輪郭は、平面視で略滴状に構成される。
本体2の内部の空間は、巻き上げられたコンドーム20が収納される収納部10として構成される。収納部10は、底部11と開口部12とを備える。本体2の収納部10の下端は底部11として構成され、上端は開口部12として構成される。
【0021】
本体2の上端(開口部12)の周囲には、外側に突出するフランジ部13が形成される。本体2のフランジ部13の上面には蓋体3の下面縁部が接着されて、開口部12を覆うように本体2のフランジ部13に蓋体3が取付けられることによって、本体2に蓋体3が設けられる。
本体2の把持部14は、フランジ部13の一部からさらに外側に突出するように形成される。本体2の把持部14は、本体2から蓋体3を剥がして開封するときに、使用者に把持される部分として構成される。蓋体3における把持部14に相当する部分は把持部14に接着されていない。本体2から蓋体3を剥がして開封するときには、蓋体3の当該部分を摘んで引き上げる部分として構成される。
このように、蓋体3における把持部14に相当する部分は把持部14に接着されておらず、本体2から蓋体3を剥がして開封するときには、蓋体3の当該部分を摘んで引き上げる部分として構成されることから、本体2から蓋体3を剥がして開封するとき例えば本体2を割ること等を要さず、本体2の折れた部分や破片等によってコンドーム20が損傷することを防止することができる。
【0022】
本体2の突出部15は、底部11の平面視略中央から上方(開口部12側)に突出するように構成される。突出部15は、略円柱状に形成される。突出部15は、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の胴部23及び液溜め部22等に当接するように構成される。このように突出部15が構成されることによって、底部11が環状の凹状に構成される。
【0023】
このように、突出部15が、底部11から突出し、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の胴部23及び液溜め部22等に当接するように構成されることから、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の配置姿勢を保持することができる。
【0024】
本体2の突出部15は、その上端位置が開口部12(フランジ部13)の高さと同一(面一)となるように構成される。
このように構成されることから、本体2に蓋体3が設けられた状態では、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の胴部23を、突出部15の上端部と蓋体3の下面とで挟み込むようにすることができる。このため、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の配置姿勢をより安定して保持することができる。
なお、突出部15は、本体2に蓋体3が設けられた状態で収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の胴部23を突出部15の上端部と蓋体3の下面とで挟み込む構成であればよく、コンドーム20の仕様に応じて、突出部15の上端位置が開口部12の高さより若干低くまたは高くなるような構成とすることもできる。
【0025】
本体2の突出部15は、突出部15の上下中途部(上下中央部よりもやや突出部15の上端側)から、底部11側に行くに従って太くなり、次第に幅広状に構成される傾斜面を有して構成される。突出部15は、その底部11との境界部分は、上下中途部に比べて直径が大きく構成される。突出部15は、突出部15の上下中途部から底部11に渡って側面視(突出する方向と直交する方向からみて)で末広がり状に構成されて、錐台状に構成される部分を有するように構成される。
【0026】
このように、本体2の突出部15は、底部11側に行くに従って太くなる部分を有して構成されることから、収納部10から巻き上げられたコンドーム20を取り出すときに、巻き上げられたコンドーム20の口巻き部21を外側から突出部15側に指等で押込むことによって、突出部15の傾斜面に移動させることによって、巻き上げられたコンドーム20を突出部15の傾斜面にずらしたりまた底部11に対して傾斜させたりすることができる。このため、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易に行うことができる。また、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す際に潤滑剤が不要に手指に付着することも抑制することができる。さらに、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易にすること等によって、使用時の状態(例えば暗がり状態や直ぐに使用したい状態等)から生じるあせり等の心理的な圧迫を緩和させることもできる。
【0027】
本体2の凹部16は、突出部15の上端(蓋体3が配置される側の端部)の中央部が下方(底部11側)に凹むように形成されて構成される。凹部16(凹部16内)は、略円柱状に形成される。凹部16は、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の液溜め部22が配置されるように構成される。
凹部16の下端位置は、底部11と面一に構成される。凹部16の下端面はフラット面で構成される。
【0028】
このように、本体2の凹部16は、突出部15における蓋体3が配置される側の端部が底部11側に凹むように形成されて構成され、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の液溜め部22が配置されるように構成されることから、凹部16に巻き上げられたコンドーム20の液溜め部22を配置することによって、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の配置姿勢をより安定して保持することができる。また、巻き上げられたコンドーム20には液溜め部22を中心に潤滑剤24が設けられることから、凹部16に巻き上げられたコンドーム20の液溜め部22を配置することによって、潤滑剤24が凹部16の外側に流れ出すことを抑制するこができる。
なお、凹部16の内部の空間は略円柱状に構成されることに限定されるものではなく、円錐状または円錐台状等に構成することもできる。
【0029】
本体2の底部11は、フラット面で構成される。底部11は、巻き上げられたコンドーム20が収納部10内に配置された状態において、巻き上げられたコンドーム20の口巻き部21が当接するように構成される。
このように底部11がフラット面で構成されることから、巻き上げられたコンドーム20に設けられたシリコンオイルが底部11側に流れ出して、底部11が曲面で構成されるものや底部11に溝部が形成されるものに比べて当該流れ出したシリコンオイルが底部11に溜まった状態となることを抑制することができる。したがって、収納部10内において、シリコンオイルが流れ出して不足することによってコンドーム20の劣化や製品不良等が生じること(例えば、コンドーム20が酸化すること、コンドーム20が本体2に粘着すること、また、コンドーム20に異臭が発生すること等)を抑制することができる。
【0030】
本体2の切欠き部17は、開口部12の縁部(開口部12とフランジ部13の境界部分)を弧状に切り欠くように構成される。切欠き部17は、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20と収納部10の側壁の内面との間に若干の隙間が形成されるように構成される。
このように、切欠き部17は、開口部12の縁部(開口部12とフランジ部13の境界部分)を切り欠くように構成されることから、巻き上げられたコンドーム20を取り出すときに、切欠き部17に指を近接させた状態で収納部10内に指を配置することによって、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20の縁部(口巻きの縁部)と収納部10の側壁との間に指を挿入させ易くなる。このため、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易に行うことができる。また、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す際に潤滑剤が不要に手指に付着することも抑制することができる。さらに、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易にすること等によって、使用時の状態(例えば暗がり状態や直ぐに使用したい状態等)から生じるあせり等の心理的な圧迫を緩和させることもできる。
【0031】
また、本体2の底部11は、切欠き部17を複数個(本実施形態では3個)備える。複数個の切欠き部17・17・17は、それぞれ位相をずらすようにして均等に配置される。3個の切欠き部17・17・17のうち少なくとも1個は、把持部14が配置される側の開口部12とフランジ部13の境界部分に配置される。
このように、切欠き部17を複数個備えることによって、使用者が収納部10から巻き上げられたコンドーム20を取り出すときに、切欠き部17の位置が取り出し難い位置と感じられることを極力低減させたものとすることができる。
なお、切欠き部17の個数はこれに限定するものではなく、3個以外の個数(例えば、1個または4個)であってもよいものとする。
また、切欠き部17の位置は、把持部14が配置される側の開口部12とフランジ部13の境界部分に配置されることに限定するものではなく、把持部14が配置される側と反対側の開口部12とフランジ部13の境界部分に配置される構成とすることもできる。
【0032】
本体2の底部11は、その上面に単数個または複数個の凹凸を設けて構成することもできる。
例えば、図7から図8に示すように、底部11は複数個(3個)の窪み部18・18・18を備える。窪み部18・18・18は、それぞれ位相をずらすようにして均等に配置される。
このように、底部11が窪み部18を備えて凹凸状に構成されることによって、巻き上げられたコンドーム20を取り出すときに、収納部10内に配置された巻き上げられたコンドーム20における窪み部18が配置される部分に相当する部分を指で押込むことによって、巻き上げられたコンドーム20を収納部10内に配置された姿勢に対して傾斜させることができ、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易に行うことができる。また、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す際に潤滑剤が不要に手指に付着することも抑制することができる。さらに、巻き上げられたコンドーム20を収納部10から取り出す動作を容易にすること等によって、使用時の状態(例えば暗がり状態や直ぐに使用したい状態等)から生じるあせり等の心理的な圧迫を緩和させることもできる。
【0033】
蓋体3は、その内側の面(本体2側(収納部10側)の面)には、例えばコロナ放電処理等による潤滑剤付着防止処理が施されて構成される。このため、巻き上げられたコンドーム20に設けられた潤滑剤が蓋体3に付着することを抑制することができる。
【0034】
図9から図10に示すように、本体2の輪郭(本体2の把持部14を除く部分)は、平面視で略円状に構成することもでき、仕様やデザインコンセプト等に応じて適宜構成することができる。
【0035】
また図11から図12に示すように、本体2は、複数個(2個)の把持部14・14を備える構成とすることもできる。2個の把持部14・14は、それぞれ180°位相をずらすように配置される。なお、本体2は、把持部14を3個以上(例えば、4個)備える構成とすることもできる。
また、本体2は、2個の切欠き部17・17を備え、2個の切欠き部17・17はそれぞれ180位相をずらすように配置される。
【符号の説明】
【0036】
1 容器
2 本体
3 蓋体
10 収納部
11 底部
12 開口部
13 フランジ部
14 把持部
15 突出部
16 凹部
17 切欠き部
18 窪み部
20 コンドーム
21 口巻き部
22 液溜め部
23 胴部
24 潤滑剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12